JP2005170129A - 車両用操舵装置及びその制御方法 - Google Patents

車両用操舵装置及びその制御方法 Download PDF

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幸洋 小林
Mineichi Momiyama
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Abstract

【課題】 ステアリング中立付近において高いステアリング剛性感を確保することができる車両用操舵装置提供すること。
【解決手段】 ACT角制御部42は、ACT角司令部41から入力されたACT目標角θta*と検出されたACT角θtaとの偏差に比例ゲインKpを乗ずることにより比例制御量εpを算出する比例制御部45と、ACT角θtaの微分変化量に微分ゲインKdを乗ずることにより微分制御量εdを算出する微分制御部46とを備え、比例制御量εpから微分制御量εdを減算することによりACT制御角θta**を算出する。また、ACT角制御部42は、比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させるゲインコントローラ51とを備える。そして、ゲインコントローラ51は、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合の比例ゲインKp及び微分ゲインKdを、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合のそれよりも高くする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用操舵装置及びその制御方法に関するものである。
従来、車両状態に応じてステアリングホイールの舵角(操舵角)に対する操舵輪の伝達比(ギヤ比)を可変させる可変ギヤ比ステアリングシステムを備えたステアリング装置がある。
一般に、このようなステアリング装置は、ステアリングシャフトに設けられた差動機構(遊星歯車機構やハーモニックドライブ等)と該差動機構を駆動するモータとを有する可変ギヤ比アクチュエータを備えている。そして、この可変ギヤ比アクチュエータにて、ステアリング操作に伴うステアリングシャフトの回転を増速(又は減速)することにより、操舵角に対する操舵輪のギヤ比を可変させる。
つまり、図7に示すように、ステアリング操作に基づく操舵輪の舵角(ステア転舵角θts)に可変ギヤ比アクチュエータの作動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪のギヤ比を可変させる。そして、操舵角θs、車速及び路面抵抗等に基づいて、最適なギヤ比となるよう可変ギヤ比アクチュエータを作動させることで、車両状態に応じた良好なステアリング特性を得ることができる。
例えば、特許文献1に記載の可変ギヤ比ステアリングシステムは、低中速走行時には、ステアリングの操舵角θsに対する操舵輪のギヤ比の割合、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)を小さくする一方、高速走行時には、車速に対してヨー角速度が一定となるギヤ比とする、即ち可変ギヤ比アクチュエータの作動を抑制する。そして、このような構成とすれば、低中速走行時における車両回頭性の向上を図りつつ、高速走行時における高い操縦安定性を確保することができる。
特開平9−58507号公報
ところで、高速走行時には、操縦安定性はもとより、運転者に不安感を与えないためにも、ステアリングの切り出しに対する操舵輪の素早い追従応答性、或いはステアリングのふらつき感が少ない等といった所謂ステアリング剛性感が重要となる。
しかし、従来、可変ギヤ比ステアリングシステムは、ステアリング中立付近、即ち操舵角θsが小さい角度範囲において可変ギヤ比アクチュエータの応答遅れが発生しやすい傾向がある。そして、特に上記特許文献1に記載の可変ギヤ比ステアリングシステムのように、可変ギヤ比アクチュエータの作動を抑制した場合にはその傾向は顕著となる。そのため、ステアリング中立付近がステアリング剛性感が低い所謂不感帯となり操舵感が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ステアリング中立付近において高いステアリング剛性感を確保することができる車両用操舵装置及びその制御方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記第2の舵角の制御目標角を出力する目標角出力手段と、前記制御目標角に基づいて前記第2の舵角の制御角を出力する制御角出力手段と、前記制御角に基づいて前記モータを駆動するための駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、前記制御角出力手段は、少なくとも前記制御目標角と検出された前記第2の舵角との偏差にゲインを乗ずることにより前記制御角の比例項制御量を出力する比例制御手段と、少なくとも前記操舵角に基づいて前記ゲインを可変するゲイン可変手段とを備え、該ゲイン可変手段は、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記ゲインを高くすることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記ゲイン可変手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角がステアリング中立位置にある場合に前記ゲインを最も高くし、更に前記操舵角の増加に従って低下するように前記ゲインを変化させることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、前記ゲイン可変手段は、車速に基づいて基礎ゲインを決定する基礎ゲイン決定手段と、前記操舵角に基づいてゲイン倍率を決定するゲイン倍率決定手段とを備え、前記基礎ゲインに前記ゲイン倍率を乗ずることにより前記ゲインを決定することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記伝達比の割合であるオーバーオールギヤ比が低くなるように前記伝達比可変装置を制御することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記伝達比可変装置は、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることによりオーバーオールギヤ比を可変し、前記制御手段は、前記第2の舵角の制御目標角を出力する目標角出力手段と、前記制御目標角に基づいて前記第2の舵角の制御角を出力する制御角出力手段と、前記制御角に基づいて前記モータを駆動するための駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、前記制御角出力手段は、少なくとも前記制御目標角と検出された前記第2の舵角との偏差に基づいて前記制御角を決定するものであって、前記目標角出力手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも低い前記オーバーオールギヤ比を決定し、該オーバーオールギヤ比に基づいて前記制御目標角を出力することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角がステアリング中立位置にある場合に前記オーバーオールギヤ比が最も低く、更に前記操舵角の増加に従って前記オーバーオールギヤ比が高くなるように前記伝達比可変装置を制御することを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の制御方法であって、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、少なくとも前記第2の舵角の制御目標角と前記第2の舵角との偏差に基づく比例制御について、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記比例制御におけるゲインを高くすることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の制御方法であって、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記伝達比の割合であるオーバーオールギヤ比を低くすることを要旨とする。
(作用)
請求項1,7に記載の発明によれば、ステアリング中立付近における伝達比可変装置の応答性が高くなるので、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感が向上する。更に、操舵角がステアリング中立付近の所定角度範囲外にある場合には、ゲインを高くしないので、伝達比可変装置の過応答に起因する第2の舵角のハンチング等による振動の発生、或いはモータへの通電量の増大に伴うモータ及び電源配線の発熱が防止される。
請求項2に記載の発明によれば、操舵角がステアリング中立位置に近い程、伝達比可変装置の応答性が高くなる。従って、特に直進走行時のステアリング中立剛性感(N感)が向上する。更に、所定角度範囲内においては、操舵角の増加に従って低下するように前記ゲインを変化させるので、伝達比可変装置の応答性の変化に伴う違和感を感じにくくなる。その結果、良好な操舵フィーリングを確保することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、高いステアリング剛性感が求められる高速領域では高く、頻繁なステアリング操作がなされる低中速領域では低くなるようゲインを設定した上で、更に操舵角がステアリング中立付近にある場合のゲインを高くすることができる。その結果、高速走行時のステアリング中立付近における伝達比可変装置の応答性がさらに高くなり、高速走行時のステアリング中立付近におけるステアリング剛性感が更に向上する。
請求項4,8に記載の発明によれば、操舵角が少ないステアリング中立付近では、ステアリングの切り出し(操舵角の変化量)に対する操舵輪の切り出し(転舵角の変化量)が大きくなるので、ステアリング中立付近の不感帯を感じにくくなる。その結果、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、ステアリング中立付近においても目標角出力手段が出力する制御目標角が大きくなる。即ち、該制御目標角と検出された第2の舵角との偏差が大きくなることで制御角も大きくなり、伝達比可変装置の応答性が高くなる。その結果、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、操舵角がステアリング中立位置に近い程、低いオーバーオールギヤ比となるので、特に直進走行時のステアリング中立剛性感(N感)が向上する。更に、所定角度範囲内においては、操舵角の増加に従って増加するようにオーバーオールギヤ比を変化させるので、オーバーオールギヤ比の変化に伴う違和感を感じにくくなる。その結果、良好な操舵フィーリングを確保することが可能になる。
本発明によれば、ステアリング中立付近において高いステアリング剛性感を確保することができる車両用操舵装置及びその制御方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を可変ギヤ比ステアリングシステムを備えた車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ラック5はタイロッド6を介してナックル7に連結されている。
即ち、ステアリングシャフト3、ラックアンドピニオン機構4、ラック5及びタイロッド6により車両の操舵伝達系が構成されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換され、タイロッド6を介してナックル7に伝達される。そして、ナックル7に連結された操舵輪8の角度、即ち転舵角θtが可変することにより、車両の進行方向が変更される(図7参照)。
また、本実施形態のステアリング装置1は、操舵角θs(図7参照)に対する操舵輪8の伝達比(ギヤ比)を可変させる可変ギヤ比アクチュエータ13と、車両状態に応じて可変ギヤ比アクチュエータ13の作動を制御するECU14とを備えている。尚、本実施形態では、可変ギヤ比アクチュエータ13が伝達比可変装置を構成し、ECU14が制御手段を構成する。
可変ギヤ比アクチュエータ13は、ステアリングシャフト3に設けられている。本実施形態では、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト15とラックアンドピニオン機構4に連結される第2シャフト16とからなり、第1シャフト15及び第2シャフト16は、可変ギヤ比アクチュエータ13を介して連結されている。
可変ギヤ比アクチュエータ13は、第1シャフト15及び第2シャフト16を連結する差動機構21と、該差動機構21を駆動するモータ22とを備えている。モータ22は、ECU14に制御されることにより正逆回転し、差動機構21は、第1シャフト15の回転を第2シャフト16に伝達するとともに、モータ22の回転を減速し第2シャフト16に伝達する。
即ち、可変ギヤ比アクチュエータ13は、差動機構21に入力されたステアリング操作に伴う第1シャフト15の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト16に伝達することにより、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。
つまり、可変ギヤ比アクチュエータ13は、ECU14に制御され、ステアリング操作に基づく操舵輪8の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比を可変させる(図7参照)。
ECU14は、CPU25と、駆動回路26とを備えている。CPU25は、メモリ27に記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動回路26に対しモータ駆動信号を出力する。そして、駆動回路26は、CPU25から入力されたモータ駆動信号に基づいてモータ22に駆動電力の供給を行う。尚、本実施形態のモータ22は、ブラシレスモータであり、駆動回路26は、入力されたモータ駆動信号に基づいて3相(U,V,W)の駆動電力を供給する。そして、ECU14は、モータ22への駆動電力の供給を通じてモータ22の回転を制御することにより、可変ギヤ比アクチュエータ13の作動を制御する。
ECU14には、車両状態を検出するための複数のセンサが接続されており、ECU14は、各センサから入力される信号に基づいて車両状態を検出する。そして、ECU14は、検出された車両状態に応じて良好なステアリング特性が得られるよう可変ギヤ比アクチュエータ13を制御する(ギヤ比可変制御)。
詳述すると、本実施形態のステアリング装置1は、操舵角センサ31、車輪速センサ33、及び可変ギヤ比アクチュエータ13の駆動源であるモータ22の回転(回転角)を検出する回転角センサ34を備えている。
操舵角センサ31は、絶対角センサ35と、インクリメンタルエンコーダ36とにより構成され、これら絶対角センサ35及びインクリメンタルエンコーダ36は、ステアリングシャフト3(第1シャフト15)に設けられている。
絶対角センサ35は、ステアリング操作に伴う第1シャフト15の回転角、即ち操舵角θsに応じて出力値(電位)が変化するアナログ信号AsをECU14に出力し、インクリメンタルエンコーダ36は、第1シャフト15の回転に対応してA,B相の2相のパルス信号PsをECU14に出力する。
ECU14は、絶対角センサ35から入力されたアナログ信号Asに基づいてステアリング2の中立位置を基準とするステアリング絶対角θaを演算する。そして、ECU14は、検出したステアリング絶対角θaにインクリメンタルエンコーダ36から入力されるパルス信号Psを同期させ、以降、このパルス信号Psをカウントすることにより相対的に操舵角θsを検出する(図7参照)。
車輪速センサ33は、操舵輪8を含む車両の車輪に設けられ、車輪の回転数に応じてレベルが変化するパルス信号PtをECU14に出力する。そして、ECU14は、これらの各車輪速センサ33から入力されたパルス信号Ptに基づいて車速V及び路面抵抗μを検出する。
回転角センサ34は、ロータリーエンコーダにより構成され、モータ22の回転に応じて、A,B相の2相と基準回転位置を示すゼロ相を含むパルス信号PmをECU14に出力する。そして、ECU14は、回転角センサ34から入力されたパルス信号Pmに基づいてモータ22の回転角を演算しACT角θtaを検出する。
そして、ECU14は、上記のように各センサから入力された信号により、車両状態として検出される操舵角θs、車速V、路面抵抗μ及びACT角θtaに基づいて可変ギヤ比アクチュエータ13を制御する。
次に、ECU14による可変ギヤ比アクチュエータ13の制御(ギヤ比可変制御)について詳述する。
図2は、本実施形態のステアリング装置1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU14は、ACT目標角θta*を出力するACT角司令部41と、ACT目標角θta*に基づいてACT制御角θta**を出力するACT角制御部42と、ACT制御角θta**に基づいてモータ駆動信号を出力する駆動信号出力部43とを備えている。
尚、本実施形態では、これらのACT角司令部41、ACT角制御部42及び駆動信号出力部43は、CPU25が実行するプログラムにより実現される。そして、本実施形態では、ACT角司令部41、ACT角制御部42、及び駆動信号出力部43が、それぞれ目標角出力手段、制御角出力手段、及び駆動信号出力手段を構成する。
ACT角司令部41は、車速V及び路面抵抗μに基づいて、操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比の割合、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)を決定する。尚、車速V及び路面抵抗μとオーバーオールギヤ比との関係は、予め実験やシミュレーション等により求められ、三次元マップの形式でメモリ27に記憶されている。そして、ACT角司令部41は、この三次元マップに基づいて、車速V及び路面抵抗μに応じたオーバーオールギヤ比を決定する。そして、ACT角司令部41は、オーバーオールギヤ比と操舵角θsとに基づいてACT目標角θta*を決定しACT角制御部42に出力する。
ACT角制御部42は、比例制御手段としての比例制御部45と、微分制御部46とを備えている。
比例制御部45は、ACT角司令部41から入力されたACT目標角θta*と検出されたACT角θtaとの偏差に比例ゲインKpを乗ずることにより比例制御量εpを算出する。そして、微分制御部46は、検出されたACT角θtaの微分変化量を演算し該微分変化量に微分ゲインKdを乗ずることにより微分制御量εdを算出する。
本実施形態では、比例制御部45が算出した比例制御量εp及び微分制御部46が算出した微分制御量εdは、減算器49に入力される。そして、ACT角制御部42は、比例制御量εpから微分制御量εdを減算することによりACT制御角θta**を算出し駆動信号出力部43に出力する。
駆動信号出力部43は、入力されたACT制御角θta**に基づいて駆動回路26にモータ駆動信号を出力し、駆動回路26は、該モータ駆動信号に基づいてモータ22に3相(U,V,W)の駆動電力を供給する。そして、該モータ22に駆動されて可変ギヤ比アクチュエータ13が作動しACT角θtaが変更されることによりギヤ比が可変される。
本実施形態では、ACT角制御部42は、車両状態に応じて比例制御部45における比例ゲインKp及び微分制御部46における微分ゲインKdを可変させるゲイン可変手段としてのゲインコントローラ51を備えている。そして、比例制御部45及び微分制御部46は、それぞれゲインコントローラ51により決定された比例ゲインKp及び微分ゲインKdに基づいて比例制御量εp及び微分制御量εdを算出する。
詳述すると、ゲインコントローラ51は、検出された車速Vに基づいて基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0を決定する基礎ゲイン決定手段としての基礎ゲイン決定部52を備えている。そして、ゲインコントローラ51は、基礎ゲイン決定部52が決定した基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0に基づいて比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させる。
本実施形態では、メモリ27には、車速Vと基礎ゲインとが関係付けられた基礎ゲインマップ55が記憶されている。そして、基礎ゲイン決定部52は、この基礎ゲインマップ55に基づいて、検出された車速Vに対応する基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0を決定する。
図3(a)(b)に示すように、基礎ゲインマップ55は、基礎比例ゲインKp0に関する比例ゲインマップ55a及び基礎微分ゲインKd0に関する微分ゲインマップ55bから構成されている。そして、各比例ゲインマップ55a及び微分ゲインマップ55bにおいては、車速Vに対応する基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0は、車速Vが低速領域にある場合には低く抑えられ、車速Vの上昇とともに滑らかな曲線を描くように増加して高速領域(約70Km/h以上)においては一定の値となるように設定されている。
即ち、本実施形態では、ゲインコントローラ51は、低速領域においては比例ゲインKp及び微分ゲインKdを低く抑え、車速Vの上昇とともに増加させて高速領域では低速領域よりも高くなるよう比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させる。
これにより、ステアリング装置1は、高いステアリング剛性感が求められる高速領域では、可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性を高めステアリング剛性感を向上させるとともに、頻繁なステアリング操作がなされる低中速領域では、可変ギヤ比アクチュエータ13の過応答に起因する振動の発生、或いはモータ22及び電源配線の発熱を防止している。
また、本実施形態では、ゲインコントローラ51は、検出された操舵角θsに基づいて比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを決定するゲイン倍率決定手段としてのゲイン倍率決定部61を備えている。そして、ゲインコントローラ51は、基礎ゲイン決定部52が決定した基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0に、それぞれゲイン倍率決定部61が決定した比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを乗ずることにより比例ゲインKp及び微分ゲインKdを決定する。
詳述すると、本実施形態では、メモリ27には、操舵角θsと基礎ゲイン倍率とが関係付けられたゲイン倍率マップ62が記憶されている。そして、ゲイン倍率決定部61は、このゲイン倍率マップ62に基づいて、検出された操舵角θsに対応する比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを決定する。
図4(a)(b)に示すように、ゲイン倍率マップ62は、比例ゲイン倍率αpに関する比例ゲイン倍率マップ62a及び微分ゲイン倍率αdに関する微分ゲイン倍率マップ62bから構成されている。
本実施形態では、各比例ゲイン倍率マップ62a及び微分ゲイン倍率マップ62bにおいて、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdは、操舵角θsがステアリング中立位置(θs=0)から所定角度θ0(本実施形態では10度)の範囲内にある場合には、操舵角θsが所定角度θ0よりも大きい場合と比較して高く設定されている。
具体的には、各比例ゲイン倍率マップ62a及び微分ゲイン倍率マップ62bでは、操舵角θsがステアリング中立位置にある場合において最も高い比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αd(本実施形態では2.0倍)が設定されている。そして、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdは、操舵角θsの増加とともに滑らかに減少し所定角度θ0において最も低く(本実施形態では1.0倍)なるように設定されている。
詳しくは、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdは、操舵角θsがステアリング中立位置から所定角度θ0まで増加するのに従って逆ロジスティック曲線状に滑らかに減少するよう設定されている。そして、操舵角θsが所定角度θ0以上の角度範囲においては、操舵角θsに対応する比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdが一定となるように設定されている。
即ち、本実施形態では、ゲインコントローラ51は、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内(0≦θs≦θ0)にある場合の比例ゲインKp及び微分ゲインKdを、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合のそれよりも高くする。具体的には、ゲインコントローラ51は、操舵角θsがステアリング中立位置(θs=0)に近い程、比例ゲインKp及び微分ゲインKdが高くなるよう該比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させる。
そして、ステアリング装置1は、上記のような制御を行うことにより、ステアリング中立付近における可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性を高めステアリング剛性感を向上させるとともに、ステアリング中立付近以外での可変ギヤ比アクチュエータ13の過応答に起因する振動の発生、或いはモータ22及び電源配線の発熱を防止している。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ECU14は、ACT目標角θta*を出力するACT角司令部41と、ACT目標角θta*に基づいてACT制御角θta**を出力するACT角制御部42と、ACT制御角θta**に基づいてモータ駆動信号を出力する駆動信号出力部43とを備える。ACT角制御部42は、ACT目標角θta*とACT角θtaとの偏差に比例ゲインKpを乗ずることにより比例制御量εpを算出する比例制御部45と、ACT角θtaの微分変化量に微分ゲインKdを乗ずることにより微分制御量εdを算出する微分制御部46とを備え、比例制御量εpから微分制御量εdを減算することによりACT制御角θta**を算出する。また、ACT角制御部42は、比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させるゲインコントローラ51を備える。そして、ゲインコントローラ51は、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内(0≦θs≦θ0)にある場合の比例ゲインKp及び微分ゲインKdを、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合のそれよりも高くする。
このような構成とすれば、ステアリング中立付近における可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性が高くなるので、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感を向上させることができる。更に、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲外にある場合には、比例ゲインKp及び微分ゲインKdを高くしないので、可変ギヤ比アクチュエータ13の過応答に起因するACT角θtaのハンチング等による振動の発生、或いはモータ22への通電量の増大に伴うモータ22及び電源配線の発熱を防止することができる。
(2)ゲインコントローラ51は、車速Vに基づいて基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0を決定する基礎ゲイン決定部52と、操舵角θsに基づいて比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを決定するゲイン倍率決定部61とを備えている。そして、ゲインコントローラ51は、基礎ゲイン決定部52が決定した基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0に、それぞれゲイン倍率決定部61が決定した比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを乗ずることにより比例ゲインKp及び微分ゲインKdを決定する。
このような構成とすれば、高いステアリング剛性感が求められる高速領域では高く、頻繁なステアリング操作がなされる低中速領域では低くなるよう、比例ゲインKp及び微分ゲインKdを設定した上で、更に操舵角θsがステアリング中立付近にある場合の比例ゲインKp及び微分ゲインKdを高くすることができる。その結果、高速走行時のステアリング中立付近における可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性がさらに高くなるので、高速走行時のステアリング中立付近におけるステアリング剛性感をより向上させることができる。
(3)ゲイン倍率決定部61は、操舵角θsと基礎ゲイン倍率とが関係付けられたゲイン倍率マップ62に基づいて、検出された操舵角θsに対応する比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdを決定する。このような構成とすれば、ゲイン倍率マップ62を変更するだけで、容易にステアリング中立付近における操舵フィーリングを変更することができる。
(4)比例ゲイン倍率マップ62a及び微分ゲイン倍率マップ62bにおいては、操舵角θsがステアリング中立位置にある場合において最も比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdが高く、操舵角θsの増加とともに滑らかに減少し所定角度θ0において最も低くなるように比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdが設定される。
このような構成とすれば、操舵角θsが所定角度θ0からステアリング中立位置(θs=0)に近い程、高い比例ゲインKp及び微分ゲインKdとなり、可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性が高くなる。従って、特に直進走行時のステアリング中立剛性感(N感)が向上する。更に、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdが曲線状に滑らかに変化するので、可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性の変化に伴う違和感を感じにくくなる。その結果、良好な操舵フィーリングを確保することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を可変ギヤ比ステアリングシステムを備えたステアリング装置に具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態のステアリング装置71のハードウェア構成は、上記第1の実施形態のステアリング装置1と同一であり、ECU72による可変ギヤ比アクチュエータ13の制御形態、即ちECU72内の制御ブロックのみが相違する。
具体的には、本実施形態では、ECU72は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合よりも操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比の割合、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)が低くなるよう可変ギヤ比アクチュエータ13を制御する。
詳述すると、本実施形態では、ACT角制御部73を構成するゲインコントローラ74にはゲイン倍率決定部がなく、メモリ76にもゲイン倍率マップは記憶されていない。そして、ゲインコントローラ74は、車速Vに基づいて基礎ゲイン決定部52が決定した基礎比例ゲインKp0及び基礎微分ゲインKd0を比例ゲインKp及び微分ゲインKdとする。即ち、本実施形態のECU72では、ゲインコントローラ74は、操舵角θsに基づく比例ゲインKp及び微分ゲインKdの可変を行わない。
本実施形態では、ACT角司令部75は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合よりも低いオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)を決定する。
更に詳述すると、メモリ76には、操舵角θsとオーバーオールギヤ比とが関係付けられた舵角可変ギヤ比マップ78が記憶されている。そして、ACT角司令部75は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、この舵角可変ギヤ比マップ78に基づいてオーバーオールギヤ比を決定する。
図6に示すように、舵角可変ギヤ比マップ78においては、操舵角θsがステアリング中立位置にある場合において、最も低いオーバーオールギヤ比Rvg(本実施形態では14)が設定されている。そして、オーバーオールギヤ比Rvgは、操舵角θsの増加とともに滑らかな曲線を描くように増加し操舵角θsが所定角度θ1(本実施形態では5度)を超える角度範囲では一定の値(本実施形態では17)となるように設定されている。
即ち、本実施形態では、ACT角司令部75は、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内(0≦θs≦θ0)にある場合には、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合よりも低いオーバーオールギヤ比Rvgを決定する。具体的には、ACT角司令部75は、操舵角θsが所定角度(θs=θ0)からステアリング中立位置(θs=0)に近づく程、低いオーバーオールギヤ比Rvgとする。そして、ACT角司令部75は、この舵角可変ギヤ比マップ78に基づいて決定されたオーバーオールギヤ比によりACT目標角θta*を決定しACT角制御部42に出力する。
つまり、本実施形態のステアリング装置71では、ECU72は、操舵角θsが少ないステアリング中立付近では、ACT角θtaが大きくなるように可変ギヤ比アクチュエータ13を制御する。そして、ステアリング2の切り出し(操舵角θsの変化量)に対する操舵輪8の切り出し(転舵角θtの変化量)を大きくし、運転者にステアリング中立付近の不感帯を感じにくくすることで、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感の向上を図っている。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ECU72は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合よりも操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比の割合、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)が低くなるよう可変ギヤ比アクチュエータ13を制御する。
このような構成とすれば、操舵角θsが少ないステアリング中立付近では、ACT角θtaが大きくなり、ステアリング2の切り出し(操舵角θsの変化量)に対する操舵輪8の切り出し(転舵角θtの変化量)が大きくなるので、ステアリング中立付近の不感帯を感じにくくすることができる。更に、ステアリング中立付近においてもACT角司令部75が出力するACT目標角θta*が大きくなる。従って、該ACT目標角θta*と検出されたACT角θtaとの偏差が大きくなり、比例制御部45が出力する比例制御量εpも増加することから、可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性も高くなる。その結果、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感を向上させることができる。
(2)ACT角司令部75は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、操舵角θsとオーバーオールギヤ比とが関係付けられた舵角可変ギヤ比マップ78に基づいてオーバーオールギヤ比を決定する。
このような構成とすれば、車速Vや路面抵抗μ等のその他の車両状態に応じた最適にオーバーオールギヤ比を設定した上で、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合についてのみ、操舵角θsに応じてオーバーオールギヤ比を低くすることができる。その結果、操舵角θs以外の車両状態をも考慮した最適な操舵特性を確保しつつ、容易にステアリング中立付近におけるステアリング剛性感を向上させることができる。更に、舵角可変ギヤ比マップ78を変更するだけで、容易にステアリング中立付近における操舵フィーリングを変更することができる。
(3)舵角可変ギヤ比マップ78においては、オーバーオールギヤ比Rvgは、操舵角θsがステアリング中立位置にある場合に最も低く、更に操舵角θsの増加とともに滑らかな曲線を描くように増加して操舵角θsが所定角度θ1を超える角度範囲では一定の値となるように設定される。従って、操舵角θsが所定角度θ1からステアリング中立位置(θs=0)に近い程、低いオーバーオールギヤ比となるため、特に直進走行時のステアリング中立剛性感(N感)が向上する。さらに、オーバーオールギヤ比が曲線状に滑らかに変化するので、可変ギヤ比アクチュエータ13の応答性の変化に伴う違和感が感じにくい。従って、良好な操舵フィーリングを確保することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、ACT角制御部42は、比例制御部45と、微分制御部46とを備え、比例制御部45が算出した比例制御量εpから微分制御部46が算出した微分制御量εdを減算することによりACT制御角θta**を算出することとした。しかし、これに限らず、ACT角制御部42は、比例制御部45によるACT目標角θta*とACT角θtaとの偏差に基づくP制御(比例制御)のみを行う構成としてもよく、偏差の変化量に基づく微分制御を加えたPD制御としても、偏差の累積値に基づく積分制御を加えたPI制御としても、更にPID制御を行う構成としてもよい。
・上記第1の実施形態では、ゲインコントローラ51は、操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内(0≦θs≦θ0)にある場合には、操舵角θsが該所定角度範囲外にある場合よりも高くなるよう比例ゲインKp及び微分ゲインKdを可変させる構成とした。しかし、これに限らず、ゲインコントローラ51は、操舵角θsに応じて比例ゲインKpを可変させる構成であってもよい。尚、上記別例(PD制御、PI制御、PID制御)においても、少なくともP制御にかかる比例ゲインを可変させる構成であればよいことは言うまでもない。
・上記第2の実施形態では、メモリ76に操舵角θsとオーバーオールギヤ比とが関係付けられた舵角可変ギヤ比マップ78を格納し、ACT角司令部75は、検出された操舵角θsがステアリング中立付近の所定角度範囲内にある場合には、この舵角可変ギヤ比マップ78に基づいてオーバーオールギヤ比を決定することとした。しかし、これに限らず、上記第1の実施形態におけるゲインコントローラ51のように、車速V及び路面抵抗μに基づいて基礎オーバーオールギヤ比を決定し、該基礎オーバーオールギヤ比にオーバーオールギヤ比倍率を乗ずることによりオーバーオールギヤ比を決定する構成としてもよい。
・上記第2の実施形態では、ゲインコントローラ64は操舵角θsに基づく比例ゲインKp及び微分ゲインKdの可変を行わないこととした。しかし、これに限らず、上記第1の実施形態のECU14のような操舵角θsに基づく比例ゲインKp及び微分ゲインKdの可変に加えて、上記第2の実施形態のECU72のような操舵角θsに基づくオーバーオールギヤ比の決定を行う構成ともよい。
・上記第1の実施形態では所定角度θ0を10度とし、上記第2の実施形態では所定角度θ1を5度としたが、各所定角度θ0,θ1は任意に設定してもよい。
・上記第1の実施形態では、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdの最大値は、共に2.0倍としたが、比例ゲイン倍率αp及び微分ゲイン倍率αdは、それぞれ任意に設定してもよい。また、比例ゲイン倍率αpと微分ゲイン倍率αdとが異なる値をとる構成としてもよいことはいうまでもない。
・上記第2の実施形態では、オーバーオールギヤ比Rvgは、14〜17の間で変更されることとしたが、オーバーオールギヤ比Rvgの最大値、最小値、及びその変化幅は任意に設定してもよい。
・上記各実施形態では、ステアリングシャフト3に設けられ、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)することによりギヤ比を可変する可変ギヤ比アクチュエータ13を採用した。しかし、これに限らず、ラック5に設けられ直接ラック5の往復運動を増速又は減速する方式の可変ギヤ比アクチュエータを採用してもよい。
第1の実施形態のステアリング装置の概略構成図。 第1の実施形態のステアリング装置の制御ブロック図。 (a)比例ゲインマップの概略構成図、(b)微分ゲインマップの概略構成図。 (a)比例ゲイン倍率マップの概略構成図、(b)微分ゲイン倍率マップの概略構成図。 第2の実施形態のステアリング装置の制御ブロック図。 舵角可変ギヤ比マップの概略構成図。 可変ギヤ比ステアリングシステムの作用図。
符号の説明
1,71…ステアリング装置、2…ステアリングホイール(ステアリング)、8…操舵輪、13…可変ギヤ比アクチュエータ、14,72…ECU、22…モータ、41,75…ACT角司令部、42,73…ACT角制御部、43…駆動信号出力部、45…比例制御部、51,74…ゲインコントローラ、52…基礎ゲイン決定部、61…ゲイン倍率決定部、θ0,θ1…所定角度、θs…操舵角、θt…転舵角、θts…ステア転舵角、θta…ACT角、θta*…ACT目標角、θta**…ACT制御角、εp…比例制御量、Kp…比例ゲイン、Kp0…基礎比例ゲイン、αp…比例ゲイン倍率、V…車速、Rvg…オーバーオールギヤ比。

Claims (8)

  1. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、前記第2の舵角の制御目標角を出力する目標角出力手段と、前記制御目標角に基づいて前記第2の舵角の制御角を出力する制御角出力手段と、前記制御角に基づいて前記モータを駆動するための駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、
    前記制御角出力手段は、少なくとも前記制御目標角と検出された前記第2の舵角との偏差にゲインを乗ずることにより前記制御角の比例項制御量を出力する比例制御手段と、少なくとも前記操舵角に基づいて前記ゲインを可変するゲイン可変手段とを備え、
    該ゲイン可変手段は、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記ゲインを高くすること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記ゲイン可変手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角がステアリング中立位置にある場合に前記ゲインを最も高くし、更に前記操舵角の増加に従って低下するように前記ゲインを変化させること、を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記ゲイン可変手段は、車速に基づいて基礎ゲインを決定する基礎ゲイン決定手段と、前記操舵角に基づいてゲイン倍率を決定するゲイン倍率決定手段とを備え、前記基礎ゲインに前記ゲイン倍率を乗ずることにより前記ゲインを決定すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  4. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記伝達比の割合であるオーバーオールギヤ比が低くなるように前記伝達比可変装置を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項4に記載の車両用操舵装置において、
    前記伝達比可変装置は、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることによりオーバーオールギヤ比を可変し、
    前記制御手段は、前記第2の舵角の制御目標角を出力する目標角出力手段と、前記制御目標角に基づいて前記第2の舵角の制御角を出力する制御角出力手段と、前記制御角に基づいて前記モータを駆動するための駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、
    前記制御角出力手段は、少なくとも前記制御目標角と検出された前記第2の舵角との偏差に基づいて前記制御角を決定するものであって、
    前記目標角出力手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも低い前記オーバーオールギヤ比を決定し、該オーバーオールギヤ比に基づいて前記制御目標角を出力すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記操舵角が前記所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角がステアリング中立位置にある場合に前記オーバーオールギヤ比が最も低く、更に前記操舵角の増加に従って前記オーバーオールギヤ比が高くなるように前記伝達比可変装置を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  7. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の制御方法であって、
    前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、少なくとも前記第2の舵角の制御目標角と前記第2の舵角との偏差に基づく比例制御について、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記比例制御におけるゲインを高くすること、を特徴とする車両用操舵装置の制御方法。
  8. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置の制御方法であって、
    前記操舵角がステアリング中立位置から所定角度範囲内にある場合には、前記操舵角が前記所定角度範囲外にある場合よりも前記伝達比の割合であるオーバーオールギヤ比を低くすること、を特徴とする車両用操舵装置の制御方法。
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