JP2004249771A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショックアブソーバの作動油の温度変化によりショックアブソーバの減衰力が変化した場合においても車両の操縦安定性の悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】パワーステアリング装置1は、車両のステアリングシャフト30の操舵トルクTWを検出する操舵トルクセンサ61と、車両のショックアブソーバ18の作動油の温度Toを検出する油温センサ64と、操舵トルクTWに基づいて目標アシストトルクTTを算出する際に作動油の温度Toによる補正処理を実行する目標アシストトルク算出部60aとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】パワーステアリング装置1は、車両のステアリングシャフト30の操舵トルクTWを検出する操舵トルクセンサ61と、車両のショックアブソーバ18の作動油の温度Toを検出する油温センサ64と、操舵トルクTWに基づいて目標アシストトルクTTを算出する際に作動油の温度Toによる補正処理を実行する目標アシストトルク算出部60aとを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両のパワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サスペンション特性を変化させる可変ダンパもしくはエアばねの制御信号に基づいてパワーステアリング用電動モータの回転数を調節し、パワーステアリング装置のアシスト力を変化させることによって、サスペンション特性の可変制御に合わせてステアリング特性を同時に制御する技術が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−106371号公報(第4―8頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術ではショックアブソーバ(ダンパ)の作動油の温度変化によるサスペンション特性の変化が考慮されていないため、特に、作動油の温度が上昇した場合、ショックアブソーバの減衰力が低下することによって車両の操縦安定性が悪化するという問題を有する。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ショックアブソーバの作動油の温度変化によりショックアブソーバの減衰力が変化した場合においても車両の操縦安定性の悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパワーステアリング装置は、車両のステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車両のショックアブソーバの作動油の温度を検出する油温検出手段と、操舵トルクに基づいて目標アシスト量を算出する目標アシスト量算出手段とを備え、目標アシスト量算出手段は、目標アシスト量を算出する際に作動油の温度による補正処理を実行することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るパワーステアリング装置によれば、操舵トルクに基づいて目標アシスト量が算出される際に、ショックアブソーバの作動油の温度による補正処理が行われるので、作動油の温度が変化した場合であっても、作動油の温度に応じてパワーステアリング装置のアシスト量を調節することができる。
【0008】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、ステアリング系の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段をさらに備え、目標アシスト量算出手段が、操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出する基本アシスト量算出手段と、操舵角速度に基づいてダンピング量を算出するダンピング量算出手段と、基本アシスト量にダンピング量を加えると共に、基本アシスト量、ダンピング量又は両者の加算結果を作動油の温度に基づいて補正して目標アシスト量を算出する演算手段とを備えることが好適である。
【0009】
この場合、目標アシスト量が算出されるときに、操舵トルクに基づいて算出される基本アシスト量、操舵角速度に基づいて算出されるダンピング量又は両者の加算結果が作動油の温度に基づいて補正されるので、ショックアブソーバの作動油の温度が変化した場合であっても、作動油の温度に応じてパワーステアリング装置のアシスト量を調節することができる。
【0010】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、車両の速度を検出する車速検出手段をさらに備え、基本アシスト量算出手段が、車両の速度及び操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出し、ダンピング量算出手段が、車両の速度及び操舵角速度に基づいてダンピング量を算出することが好適である。
【0011】
この場合、操舵トルクのみでなく車両の速度にも基づいて基本アシスト量が算出され、また、操舵角速度のみでなく車両の速度にも基づいてダンピング量が算出されるため、車速に応じて基本アシスト量及びダンピング量を変化させることができる。よって、低車速域において軽快な操舵が確保できると共に中高速域において良好な操縦安定性を得ることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、車両のステアリング系にアシストトルクを付加する電動モータと、目標アシスト量に応じた駆動電流を電動モータに供給する電動モータ制御手段とをさらに備えることが好適である。
【0013】
この場合、ショックアブソーバの作動油温に基づく補正が加えられた目標アシスト量に応じて駆動電流が電動モータに供給され、電動モータが駆動される。よって、作動油の温度に応じたアシスト量をステアリング系に付加することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係るパワーステアリング装置1の全体構成について説明する。
【0016】
図1において、W1,W2は操舵車輪としての左車輪,右車輪であり、これら左右車輪W1,W2はタイロッド10を介してステアリングギヤボックス20によって連結されている。ステアリングギヤボックス20は、ラック22及びピニオン24などを備えており、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動可能に設けられている。ラック22の両端にはタイロッド10が連結され、ピニオン24にはステアリングシャフト30を介してステアリングホイール32が取り付けられている。
【0017】
ステアリングシャフト30の中間部には減速機40が取り付けられ、この減速機40には電動モータ50が連結されている。電動モータ50には、電子制御ユニット(以下、EPS ECUという)60が接続され、EPS ECU60によって制御された電流が供給されるようになっている。
【0018】
ステアリングシャフト30の中間部には、例えば、ステアリングホイール32に加えられる操舵トルクTWに応じてねじれを生じるトーションバー34が設けられており、このトーションバー34のねじれの量及び方向が操舵トルクセンサ61によって検出されるようになっている。即ち、操舵トルクセンサ61は、操舵トルク検出手段として機能する。なお、操舵トルクセンサ61から出力された信号はEPS ECU60に入力される。
【0019】
また、ステアリングシャフト30にはロータリーエンコーダなどからなる操舵角センサ62が設けられている。この操舵角センサ62は、運転者が入力した操舵角度θの方向と大きさに応じた信号を出力する。操舵角センサ62から出力された信号はEPS ECU60に入力される。EPS ECU60では、操舵角センサ62から入力されたステアリングホイール32の操舵角度θに基づいて、操舵角速度ω(dθ/dt)が算出される。即ち、操舵角センサ62及びEPSECU60は操舵角速度検出手段として機能する。また、電動モータ50の回転速度と操舵角速度ωとは一定の関係があるので、操舵角速度検出手段としては、電動モータ50の回転方向と回転速度とを検出して操舵方向を含む操舵角速度ωを求める構成としてもよい。なお、電動モータ50の回転速度は、直接的に検出するものとしてもよいし、電動モータ50の電圧及び電流等から推定するものとしてもよい。以下の説明において操舵角速度ωは、左方向操舵時に正の値をとり、右方向操舵時に負の値をとるものとする。
【0020】
ステアリングホイール32に操舵力が加えられると、ステアリングシャフト30に操舵トルクTWが与えられる。この操舵トルクTWによりピニオン24が回転させられ、それによって、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動させられ、タイロッド10を介して左右前輪W1,W2が転舵される。また、電動モータ50に電流が供給されると、減速機40を介してステアリングシャフト30にモータトルクが与えられる。つまり、ステアリングシャフト30には、ステアリングホイール32に加えられた操舵力による操舵トルクTWと、電動モータ50により与えられたモータトルクとの両方が与えられる。
【0021】
このパワーステアリング装置1を搭載した車両にはショックアブソーバ18が設けられている。このショックアブソーバ18は、可動部分であるサスペンションのばね下と車体との間をつなぐように取り付けられており、サスペンションの上下動に適当な抵抗(減衰力)を与えることで振れを減衰させたり、路面からのショックの一部を吸収したりするものである。この減衰力を発生させる方法としては、例えば、オイル(作動油)が狭い通路(オリフィス)を通過するときの抵抗を利用した方式が用いられている。
【0022】
ショックアブソーバ18では減衰力の発生に伴って熱が発生し、この発熱による作動油の温度変化によって作動油の粘度が変化する。この作動油の粘度の変化は、ショックアブソーバ18の減衰力に影響を与え、車両の操縦安定性を変化させる。特に、作動油の温度Toが高温になったときには、作動油の粘度が低下することにより減衰力が低下し、車両の操縦安定性を悪化させる。
【0023】
EPS ECU60の入力部には、上記の操舵トルクセンサ61及び操舵角センサ62以外に、車両の速度Vを検出する車速センサ(車速検出手段)63及びショックアブソーバ18の作動油の温度Toを検出する油温センサ(油温検出手段)64等が接続されている。一方、EPS ECU60の出力部には、モータ50を駆動するための駆動回路等が接続されている。
【0024】
EPS ECU60は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
【0025】
そして、上記構成によって、EPS ECU60の内部には、上記各種センサから読み込まれたセンサ検出値に基づいて目標アシストトルクTTを算出する目標アシストトルク算出部60a及び目標アシストトルク算出部60aで算出された目標アシストトルクTTに基づいて目標電流値ITを算出し、電動モータ50に供給する電流値を制御する電動モータ制御部60b等が構築されている。即ち、目標アシストトルク算出部60aは目標アシスト量算出手段として機能し、電動モータ制御部60bは電動モータ制御手段として機能する。
【0026】
目標アシストトルク算出部60aは、操舵トルクTW及び車速Vに基づいて基本アシストトルクTBを演算する基本アシストトルク演算部(基本アシスト量算出手段)60c、操舵角速度ω及び車速Vに基づいてダンピングトルクTDを演算するダンピングトルク演算部(ダンピング量算出手段)60d及び基本アシストトルクTB、ダンピングトルクTD並びにショックアブソーバ18の作動油温Toに基づいて目標アシストトルクTTを演算するアシストトルク演算部(演算手段)60e等を含んで構成されている。
【0027】
また、アシストトルク演算部60eは、ショックアブソーバ18の作動油温Toに基づいて作動油温補正ゲインKoを演算する作動油温補正ゲイン演算部60h及び基本アシストトルクTB、ダンピングトルクTD及び作動油温補正ゲインKoに基づいて目標アシストトルクTTを演算するアシストトルク補正部60i等を含んで構成されている。
【0028】
次に、図1乃至図4を併せて参照して本実施形態に係るパワーステアリング装置1の動作について説明する。
【0029】
基本アシストトルク演算部60cでは、操舵トルクTWと車速Vと基本アシストトルクTBとの関係を定めた3次元マップ(基本アシストトルクマップ)が備えられており、操舵トルクセンサ61から読み込まれる操舵トルクTW及び車速センサ63から読み込まれる車速Vに基づいて基本アシストトルクマップが検索されることにより基本アシストトルクTBが求められる。算出された基本アシストトルクTBは、アシストトルク補正部60iに出力される。ここで、基本アシストトルクTBは、ステアリングホイール32の回動操作に対してアシスト力を与えるための基本的なトルク値である。
【0030】
基本アシストトルクマップは、図2に示されるように操舵トルクTWが増大する程基本アシストトルクTBが増大するように設定されている。また、基本アシストトルクマップは、車速Vが早くなる程基本アシストトルクTBが減少するように設定さている(車速V2>車速V1)。
【0031】
なお、基本アシストトルクマップの検索において、車速V1及びV2以外の車速Vに対しては、車速V1及びV2それぞれにおいて操舵トルクTWから求められる基本アシストトルクTBを車速Vに応じて補間することにより基本アシストトルクTBが求められる。ただし、基本アシストトルクマップにおける車速Vの格子点は車速V1及びV2の2点に限られるものではなく、さらに多くの格子点を有してもよい。
【0032】
図1に戻って説明を続けると、ダンピングトルク演算部60dでは、高車速での操舵の収斂性、及び運転者がステアリングホイール32を所定の角度に操舵している状態から更に角度を増大する(切り込む)際の手応え感等の向上を図るために与えられるダンピングトルクTDの演算が行われる。具体的には、ダンピングトルク演算部60dでは、操舵角速度ωと車速VとダンピングトルクTDとの関係を定めた3次元マップ(ダンピングトルクマップ)が備えられており、操舵角速度ω及び車速センサ63から読み込まれる車速Vに基づいてダンピングトルクマップが検索されることによりダンピングトルクTDが求められる。算出されたダンピングトルクTDは、アシストトルク補正部60iに出力される。
【0033】
ダンピングトルクマップは、図3に示されるように、操舵角速度ωが0を含む一定範囲(−ω1〜+ω1)内のときに、操舵角速度ωに拘らず、ダンピングトルクTDが0となり、所定範囲(−ω2〜−ω1及びω1〜ω2)内において、操舵角速度ωの絶対値が大きくなるほどダンピングトルクTDの絶対値が増加するように定められている。そして、操舵角速度ωの絶対値に対するダンピングトルクTDの絶対値の増加の割合(マップの傾き)が車速によっても異なっている。即ち、高車速(V4)時には低車速(V3)時に比べてダンピングトルクTDが大きくなるように設定されている。
【0034】
なお、ダンピングトルクマップの検索において、車速V3及びV4以外の車速Vに対しては、車速V3及びV4それぞれにおいて操舵角速度ωから求められるダンピングトルクTDを車速Vに応じて補間することによりダンピングトルクTDが求められる。ただし、ダンピングトルクマップにおける車速Vの格子点は車速V3及びV4の2点に限られるものではなく、さらに多くの格子点を有してもよい。
【0035】
図1に戻って説明を続けると、アシストトルク演算部60eに含まれる作動油温補正ゲイン演算部60hでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toと作動油温補正ゲインKoとの関係を定めた2次元マップ(作動油温補正ゲインマップ)が備えられており、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる。算出された作動油温補正ゲインKoは、アシストトルク補正部60iに出力される。
【0036】
ここで、作動油温補正ゲインマップは、図4に示されるように作動油の温度ToがT1以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に設定されており、作動油の温度ToがT1〜T2の範囲内では作動油の温度Toの上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが増大するように設定されている。また、温度ToがT2以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1以上の所定の値に固定されるように設定されている。
【0037】
図1に戻って説明を続けると、アシストトルク演算部60eに含まれるアシストトルク補正部60iは、乗算部60m及び加算部60nを有して構成されており、基本アシストトルク演算部60cで算出された基本アシストトルクTB、ダンピングトルク演算部60dで算出されたダンピングトルクTD及び作動油温補正ゲイン演算部60hで算出された作動油温補正ゲインKoに基づいて目標アシストトルクTTを算出する。
【0038】
アシストトルク補正部60iでは、まず乗算部60mにおいてダンピングトルクTDと作動油温補正ゲインKoとが乗算され、補正後のダンピングトルクTD’が算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴ってゲインKoが増大するように設定されている。従って、乗算部60mでは作動油の温度上昇に伴いダンピングトルクTDが増大されるように補正が行われる。補正後のダンピングトルクTD’は、加算部60nに出力される。
【0039】
次に、加算部60nにおいて、乗算部60mで算出された補正後のダンピングトルクTD’と基本アシストトルクTBとが加算されて目標アシストトルクTTが算出される。そして、算出された目標アシストトルクTTは、電動モータ制御部60bに出力される。
【0040】
電動モータ制御部60bでは、アシストトルク演算部60eで算出された目標アシストトルクTTに応じて電動モータ50を駆動するための目標電流値ITが決定される。そして、この目標電流値ITと一致するように制御された出力電流が電動モータ50に供給されることにより電動モータ50が駆動される。具体的には、目標電流値ITに基づいてPID制御及びPWM制御を実施してスイッチング素子の通電時間を決定し、これに応じて駆動回路に制御信号を出力する。その結果、電動モータ50には目標電流値ITに応じた電流が流れ、同電流に応じたアシスト力がステアリングシャフト30に付与される。
【0041】
以上詳細に説明したように、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toが上昇するとショックアブソーバ18の減衰力が低下するため操舵に対する手応えが減少し、操縦安定性が悪化する可能性がある。しかしながら、パワーステアリング装置1によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置1のアシストトルクを減少させるように)ダンピングトルクTDが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、図5を用いて、第2実施形態に係るパワーステアリング装置2の構成について説明する。なお、図5において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
【0043】
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、アシストトルク演算部60eに代えてアシストトルク演算部60fが用いられている点である。具体的には、アシストトルク演算部60fを構成する作動油温補正ゲイン演算部60hに備えられている作動油温補正ゲインマップの設定及びアシストトルク補正部60iに代えて用いられているアシストトルク補正部60jにおける乗算部60m及び加算部60nの構成が第1実施形態と異なっている。従って、以下この異なる点を中心に説明する。
【0044】
本実施形態における作動油温補正ゲイン演算部60hは、図6に示される作動油温補正ゲインマップを備えている。
【0045】
この作動油温補正ゲインマップでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度ToがT3以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に固定されており、作動油の温度ToがT3〜T4の範囲内では作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが1〜0の間で減少するように設定されている。また、温度ToがT4以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1〜0の間の所定の値に固定されるように設定されている。
【0046】
なお、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて、作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる点、及び算出された作動油温補正ゲインKoがアシストトルク補正部60jに出力される点については第1実施形態と同様である。
【0047】
図5に戻って説明を続けると、アシストトルク補正部60jでは、まず乗算部60mにおいて基本アシストトルクTBと作動油温補正ゲインKoとが乗算されて基本アシストトルクTB’が算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが減少するように設定されている。従って、作動油の温度上昇に伴い基本アシストトルクTBが減少されるように補正される。補正後の基本アシストトルクTB’は、加算部60nに出力される。
【0048】
次に、加算部60nにおいて、乗算部60mで算出された補正後の基本アシストトルクTB’とダンピングトルクTDとが加算されて目標アシストトルクTTが算出される。なお、算出された目標アシストトルクTTが電動モータ制御部60bに出力される点は第1実施形態と同様である。
【0049】
本実施形態の構成によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置2のアシストトルクを減少させるように)基本アシストトルクTBが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、図7を用いて、第3実施形態に係るパワーステアリング装置3の全体構成について説明する。なお、図7において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
【0051】
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、アシストトルク演算部60eに代えてアシストトルク演算部60gが用いられている点である。具体的には、アシストトルク演算部60gを構成する作動油温補正ゲイン演算部60hに備えられている作動油温補正ゲインマップの設定及びアシストトルク補正部60iに代えて用いられているアシストトルク補正部60kにおける乗算部60m及び加算部60nの構成が第1実施形態と異なっている。従って、以下この異なる点を中心に説明する。
【0052】
本実施形態における作動油温補正ゲイン演算部60hは、図8に示される作動油温補正ゲインマップを備えている。
【0053】
この作動油温補正ゲインマップでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度ToがT5以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に固定されており、作動油の温度ToがT5〜T6の範囲内では作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが1〜0の間で減少するように設定されている。また、温度ToがT6以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1〜0の間の所定の値に固定されるように設定されている。
【0054】
なお、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて、作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる点、及び算出された作動油温補正ゲインKoがアシストトルク補正部60kに出力される点については第1実施形態と同様である。
【0055】
図7に戻って説明を続けると、アシストトルク補正部60kでは、まず加算部60nにおいて、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとが加算されて操舵アシストトルクTAが算出される。この操舵アシストトルクTAは、乗算部60mに出力される。
【0056】
次に、乗算部60mにおいて、加算部60nで算出された操舵アシストトルクTAと作動油温補正ゲインKoとが乗算されて目標アシストトルクTTが算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが減少するように設定されている。従って、乗算部60mでは作動油の温度上昇に伴い操舵アシストトルクTAが減少されるように補正される。なお、算出された目標アシストトルクTTが電動モータ制御部60bに出力される点は第1実施形態と同様である。
【0057】
本実施形態においては、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとが加算されて求められる操舵アシストトルクTAに作動油温補正ゲインKoを乗算して目標アシストトルクTTを算出したが、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとを加算して目標アシストトルクTTを算出し、この目標アシストトルクTTに基づいて算出される目標電流値ITに対して作動油温補正ゲインKoを乗算してもよい。
【0058】
本実施形態の構成によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置3のアシストトルクを減少させるように)操舵アシストトルクTAが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、基本アシストトルクマップ及びダンピングトルクマップは、トルク値のマップとして構成されているが、電流値のマップとしてもよい。
【0060】
また、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toには、油温センサ64からの出力値に代えて、例えば、ばね上部材の上下加速度の零クロスの頻度に基づいて推定される作動油の温度を用いてもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態ではステアリングシャフト30に取り付けた減速機40を介して操舵アシスト力を与えているが、ラック&ピニオン式ステアリングギヤ部に電動モータを配置し、ピニオン軸上に取り付けられた減速機を介してピニオンシャフトに操舵アシスト力を与えることもできる(ピニオン軸アシスト式)。また、減速機で直接ラック軸に操舵アシスト力を与える構成(ラック軸アシスト式)としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ショックアブソーバの作動油の温度を検出する油温検出手段と、操舵トルクに基づいて目標アシスト量を算出する際に作動油の温度による補正処理を実行する目標アシスト量算出手段とを備えた構成とすることにより、ショックアブソーバの作動油の温度変化によりショックアブソーバの減衰力が変化した場合においても車両の操縦安定性の悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図2】基本アシストトルクマップの例を示す図である。
【図3】ダンピングトルクマップの例を示す図である。
【図4】第1実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【図5】第2実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【図7】第3実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図8】第3実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3…パワーステアリング装置、10…タイロッド、18…ショックアブソーバ、20…ステアリングギヤボックス、22…ラック、24…ピニオン、30…ステアリングシャフト、32…ステアリングホイール、40…減速機、50…電動モータ、60…EPS ECU、60a…目標アシストトルク算出部、60b…電動モータ制御部、60c…基本アシストトルク演算部、60d…ダンピングトルク演算部、60e,60f,60g…アシストトルク演算部、60h…作動油温補正ゲイン演算部、60i,60j,60k…アシストトルク補正部、61…操舵トルクセンサ、62…操舵角センサ、63…車速センサ、64…油温センサ、W1…左前輪、W2…右前輪。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両のパワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サスペンション特性を変化させる可変ダンパもしくはエアばねの制御信号に基づいてパワーステアリング用電動モータの回転数を調節し、パワーステアリング装置のアシスト力を変化させることによって、サスペンション特性の可変制御に合わせてステアリング特性を同時に制御する技術が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−106371号公報(第4―8頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術ではショックアブソーバ(ダンパ)の作動油の温度変化によるサスペンション特性の変化が考慮されていないため、特に、作動油の温度が上昇した場合、ショックアブソーバの減衰力が低下することによって車両の操縦安定性が悪化するという問題を有する。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ショックアブソーバの作動油の温度変化によりショックアブソーバの減衰力が変化した場合においても車両の操縦安定性の悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパワーステアリング装置は、車両のステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車両のショックアブソーバの作動油の温度を検出する油温検出手段と、操舵トルクに基づいて目標アシスト量を算出する目標アシスト量算出手段とを備え、目標アシスト量算出手段は、目標アシスト量を算出する際に作動油の温度による補正処理を実行することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るパワーステアリング装置によれば、操舵トルクに基づいて目標アシスト量が算出される際に、ショックアブソーバの作動油の温度による補正処理が行われるので、作動油の温度が変化した場合であっても、作動油の温度に応じてパワーステアリング装置のアシスト量を調節することができる。
【0008】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、ステアリング系の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段をさらに備え、目標アシスト量算出手段が、操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出する基本アシスト量算出手段と、操舵角速度に基づいてダンピング量を算出するダンピング量算出手段と、基本アシスト量にダンピング量を加えると共に、基本アシスト量、ダンピング量又は両者の加算結果を作動油の温度に基づいて補正して目標アシスト量を算出する演算手段とを備えることが好適である。
【0009】
この場合、目標アシスト量が算出されるときに、操舵トルクに基づいて算出される基本アシスト量、操舵角速度に基づいて算出されるダンピング量又は両者の加算結果が作動油の温度に基づいて補正されるので、ショックアブソーバの作動油の温度が変化した場合であっても、作動油の温度に応じてパワーステアリング装置のアシスト量を調節することができる。
【0010】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、車両の速度を検出する車速検出手段をさらに備え、基本アシスト量算出手段が、車両の速度及び操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出し、ダンピング量算出手段が、車両の速度及び操舵角速度に基づいてダンピング量を算出することが好適である。
【0011】
この場合、操舵トルクのみでなく車両の速度にも基づいて基本アシスト量が算出され、また、操舵角速度のみでなく車両の速度にも基づいてダンピング量が算出されるため、車速に応じて基本アシスト量及びダンピング量を変化させることができる。よって、低車速域において軽快な操舵が確保できると共に中高速域において良好な操縦安定性を得ることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、車両のステアリング系にアシストトルクを付加する電動モータと、目標アシスト量に応じた駆動電流を電動モータに供給する電動モータ制御手段とをさらに備えることが好適である。
【0013】
この場合、ショックアブソーバの作動油温に基づく補正が加えられた目標アシスト量に応じて駆動電流が電動モータに供給され、電動モータが駆動される。よって、作動油の温度に応じたアシスト量をステアリング系に付加することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係るパワーステアリング装置1の全体構成について説明する。
【0016】
図1において、W1,W2は操舵車輪としての左車輪,右車輪であり、これら左右車輪W1,W2はタイロッド10を介してステアリングギヤボックス20によって連結されている。ステアリングギヤボックス20は、ラック22及びピニオン24などを備えており、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動可能に設けられている。ラック22の両端にはタイロッド10が連結され、ピニオン24にはステアリングシャフト30を介してステアリングホイール32が取り付けられている。
【0017】
ステアリングシャフト30の中間部には減速機40が取り付けられ、この減速機40には電動モータ50が連結されている。電動モータ50には、電子制御ユニット(以下、EPS ECUという)60が接続され、EPS ECU60によって制御された電流が供給されるようになっている。
【0018】
ステアリングシャフト30の中間部には、例えば、ステアリングホイール32に加えられる操舵トルクTWに応じてねじれを生じるトーションバー34が設けられており、このトーションバー34のねじれの量及び方向が操舵トルクセンサ61によって検出されるようになっている。即ち、操舵トルクセンサ61は、操舵トルク検出手段として機能する。なお、操舵トルクセンサ61から出力された信号はEPS ECU60に入力される。
【0019】
また、ステアリングシャフト30にはロータリーエンコーダなどからなる操舵角センサ62が設けられている。この操舵角センサ62は、運転者が入力した操舵角度θの方向と大きさに応じた信号を出力する。操舵角センサ62から出力された信号はEPS ECU60に入力される。EPS ECU60では、操舵角センサ62から入力されたステアリングホイール32の操舵角度θに基づいて、操舵角速度ω(dθ/dt)が算出される。即ち、操舵角センサ62及びEPSECU60は操舵角速度検出手段として機能する。また、電動モータ50の回転速度と操舵角速度ωとは一定の関係があるので、操舵角速度検出手段としては、電動モータ50の回転方向と回転速度とを検出して操舵方向を含む操舵角速度ωを求める構成としてもよい。なお、電動モータ50の回転速度は、直接的に検出するものとしてもよいし、電動モータ50の電圧及び電流等から推定するものとしてもよい。以下の説明において操舵角速度ωは、左方向操舵時に正の値をとり、右方向操舵時に負の値をとるものとする。
【0020】
ステアリングホイール32に操舵力が加えられると、ステアリングシャフト30に操舵トルクTWが与えられる。この操舵トルクTWによりピニオン24が回転させられ、それによって、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動させられ、タイロッド10を介して左右前輪W1,W2が転舵される。また、電動モータ50に電流が供給されると、減速機40を介してステアリングシャフト30にモータトルクが与えられる。つまり、ステアリングシャフト30には、ステアリングホイール32に加えられた操舵力による操舵トルクTWと、電動モータ50により与えられたモータトルクとの両方が与えられる。
【0021】
このパワーステアリング装置1を搭載した車両にはショックアブソーバ18が設けられている。このショックアブソーバ18は、可動部分であるサスペンションのばね下と車体との間をつなぐように取り付けられており、サスペンションの上下動に適当な抵抗(減衰力)を与えることで振れを減衰させたり、路面からのショックの一部を吸収したりするものである。この減衰力を発生させる方法としては、例えば、オイル(作動油)が狭い通路(オリフィス)を通過するときの抵抗を利用した方式が用いられている。
【0022】
ショックアブソーバ18では減衰力の発生に伴って熱が発生し、この発熱による作動油の温度変化によって作動油の粘度が変化する。この作動油の粘度の変化は、ショックアブソーバ18の減衰力に影響を与え、車両の操縦安定性を変化させる。特に、作動油の温度Toが高温になったときには、作動油の粘度が低下することにより減衰力が低下し、車両の操縦安定性を悪化させる。
【0023】
EPS ECU60の入力部には、上記の操舵トルクセンサ61及び操舵角センサ62以外に、車両の速度Vを検出する車速センサ(車速検出手段)63及びショックアブソーバ18の作動油の温度Toを検出する油温センサ(油温検出手段)64等が接続されている。一方、EPS ECU60の出力部には、モータ50を駆動するための駆動回路等が接続されている。
【0024】
EPS ECU60は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
【0025】
そして、上記構成によって、EPS ECU60の内部には、上記各種センサから読み込まれたセンサ検出値に基づいて目標アシストトルクTTを算出する目標アシストトルク算出部60a及び目標アシストトルク算出部60aで算出された目標アシストトルクTTに基づいて目標電流値ITを算出し、電動モータ50に供給する電流値を制御する電動モータ制御部60b等が構築されている。即ち、目標アシストトルク算出部60aは目標アシスト量算出手段として機能し、電動モータ制御部60bは電動モータ制御手段として機能する。
【0026】
目標アシストトルク算出部60aは、操舵トルクTW及び車速Vに基づいて基本アシストトルクTBを演算する基本アシストトルク演算部(基本アシスト量算出手段)60c、操舵角速度ω及び車速Vに基づいてダンピングトルクTDを演算するダンピングトルク演算部(ダンピング量算出手段)60d及び基本アシストトルクTB、ダンピングトルクTD並びにショックアブソーバ18の作動油温Toに基づいて目標アシストトルクTTを演算するアシストトルク演算部(演算手段)60e等を含んで構成されている。
【0027】
また、アシストトルク演算部60eは、ショックアブソーバ18の作動油温Toに基づいて作動油温補正ゲインKoを演算する作動油温補正ゲイン演算部60h及び基本アシストトルクTB、ダンピングトルクTD及び作動油温補正ゲインKoに基づいて目標アシストトルクTTを演算するアシストトルク補正部60i等を含んで構成されている。
【0028】
次に、図1乃至図4を併せて参照して本実施形態に係るパワーステアリング装置1の動作について説明する。
【0029】
基本アシストトルク演算部60cでは、操舵トルクTWと車速Vと基本アシストトルクTBとの関係を定めた3次元マップ(基本アシストトルクマップ)が備えられており、操舵トルクセンサ61から読み込まれる操舵トルクTW及び車速センサ63から読み込まれる車速Vに基づいて基本アシストトルクマップが検索されることにより基本アシストトルクTBが求められる。算出された基本アシストトルクTBは、アシストトルク補正部60iに出力される。ここで、基本アシストトルクTBは、ステアリングホイール32の回動操作に対してアシスト力を与えるための基本的なトルク値である。
【0030】
基本アシストトルクマップは、図2に示されるように操舵トルクTWが増大する程基本アシストトルクTBが増大するように設定されている。また、基本アシストトルクマップは、車速Vが早くなる程基本アシストトルクTBが減少するように設定さている(車速V2>車速V1)。
【0031】
なお、基本アシストトルクマップの検索において、車速V1及びV2以外の車速Vに対しては、車速V1及びV2それぞれにおいて操舵トルクTWから求められる基本アシストトルクTBを車速Vに応じて補間することにより基本アシストトルクTBが求められる。ただし、基本アシストトルクマップにおける車速Vの格子点は車速V1及びV2の2点に限られるものではなく、さらに多くの格子点を有してもよい。
【0032】
図1に戻って説明を続けると、ダンピングトルク演算部60dでは、高車速での操舵の収斂性、及び運転者がステアリングホイール32を所定の角度に操舵している状態から更に角度を増大する(切り込む)際の手応え感等の向上を図るために与えられるダンピングトルクTDの演算が行われる。具体的には、ダンピングトルク演算部60dでは、操舵角速度ωと車速VとダンピングトルクTDとの関係を定めた3次元マップ(ダンピングトルクマップ)が備えられており、操舵角速度ω及び車速センサ63から読み込まれる車速Vに基づいてダンピングトルクマップが検索されることによりダンピングトルクTDが求められる。算出されたダンピングトルクTDは、アシストトルク補正部60iに出力される。
【0033】
ダンピングトルクマップは、図3に示されるように、操舵角速度ωが0を含む一定範囲(−ω1〜+ω1)内のときに、操舵角速度ωに拘らず、ダンピングトルクTDが0となり、所定範囲(−ω2〜−ω1及びω1〜ω2)内において、操舵角速度ωの絶対値が大きくなるほどダンピングトルクTDの絶対値が増加するように定められている。そして、操舵角速度ωの絶対値に対するダンピングトルクTDの絶対値の増加の割合(マップの傾き)が車速によっても異なっている。即ち、高車速(V4)時には低車速(V3)時に比べてダンピングトルクTDが大きくなるように設定されている。
【0034】
なお、ダンピングトルクマップの検索において、車速V3及びV4以外の車速Vに対しては、車速V3及びV4それぞれにおいて操舵角速度ωから求められるダンピングトルクTDを車速Vに応じて補間することによりダンピングトルクTDが求められる。ただし、ダンピングトルクマップにおける車速Vの格子点は車速V3及びV4の2点に限られるものではなく、さらに多くの格子点を有してもよい。
【0035】
図1に戻って説明を続けると、アシストトルク演算部60eに含まれる作動油温補正ゲイン演算部60hでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toと作動油温補正ゲインKoとの関係を定めた2次元マップ(作動油温補正ゲインマップ)が備えられており、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる。算出された作動油温補正ゲインKoは、アシストトルク補正部60iに出力される。
【0036】
ここで、作動油温補正ゲインマップは、図4に示されるように作動油の温度ToがT1以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に設定されており、作動油の温度ToがT1〜T2の範囲内では作動油の温度Toの上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが増大するように設定されている。また、温度ToがT2以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1以上の所定の値に固定されるように設定されている。
【0037】
図1に戻って説明を続けると、アシストトルク演算部60eに含まれるアシストトルク補正部60iは、乗算部60m及び加算部60nを有して構成されており、基本アシストトルク演算部60cで算出された基本アシストトルクTB、ダンピングトルク演算部60dで算出されたダンピングトルクTD及び作動油温補正ゲイン演算部60hで算出された作動油温補正ゲインKoに基づいて目標アシストトルクTTを算出する。
【0038】
アシストトルク補正部60iでは、まず乗算部60mにおいてダンピングトルクTDと作動油温補正ゲインKoとが乗算され、補正後のダンピングトルクTD’が算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴ってゲインKoが増大するように設定されている。従って、乗算部60mでは作動油の温度上昇に伴いダンピングトルクTDが増大されるように補正が行われる。補正後のダンピングトルクTD’は、加算部60nに出力される。
【0039】
次に、加算部60nにおいて、乗算部60mで算出された補正後のダンピングトルクTD’と基本アシストトルクTBとが加算されて目標アシストトルクTTが算出される。そして、算出された目標アシストトルクTTは、電動モータ制御部60bに出力される。
【0040】
電動モータ制御部60bでは、アシストトルク演算部60eで算出された目標アシストトルクTTに応じて電動モータ50を駆動するための目標電流値ITが決定される。そして、この目標電流値ITと一致するように制御された出力電流が電動モータ50に供給されることにより電動モータ50が駆動される。具体的には、目標電流値ITに基づいてPID制御及びPWM制御を実施してスイッチング素子の通電時間を決定し、これに応じて駆動回路に制御信号を出力する。その結果、電動モータ50には目標電流値ITに応じた電流が流れ、同電流に応じたアシスト力がステアリングシャフト30に付与される。
【0041】
以上詳細に説明したように、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toが上昇するとショックアブソーバ18の減衰力が低下するため操舵に対する手応えが減少し、操縦安定性が悪化する可能性がある。しかしながら、パワーステアリング装置1によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置1のアシストトルクを減少させるように)ダンピングトルクTDが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、図5を用いて、第2実施形態に係るパワーステアリング装置2の構成について説明する。なお、図5において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
【0043】
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、アシストトルク演算部60eに代えてアシストトルク演算部60fが用いられている点である。具体的には、アシストトルク演算部60fを構成する作動油温補正ゲイン演算部60hに備えられている作動油温補正ゲインマップの設定及びアシストトルク補正部60iに代えて用いられているアシストトルク補正部60jにおける乗算部60m及び加算部60nの構成が第1実施形態と異なっている。従って、以下この異なる点を中心に説明する。
【0044】
本実施形態における作動油温補正ゲイン演算部60hは、図6に示される作動油温補正ゲインマップを備えている。
【0045】
この作動油温補正ゲインマップでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度ToがT3以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に固定されており、作動油の温度ToがT3〜T4の範囲内では作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが1〜0の間で減少するように設定されている。また、温度ToがT4以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1〜0の間の所定の値に固定されるように設定されている。
【0046】
なお、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて、作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる点、及び算出された作動油温補正ゲインKoがアシストトルク補正部60jに出力される点については第1実施形態と同様である。
【0047】
図5に戻って説明を続けると、アシストトルク補正部60jでは、まず乗算部60mにおいて基本アシストトルクTBと作動油温補正ゲインKoとが乗算されて基本アシストトルクTB’が算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが減少するように設定されている。従って、作動油の温度上昇に伴い基本アシストトルクTBが減少されるように補正される。補正後の基本アシストトルクTB’は、加算部60nに出力される。
【0048】
次に、加算部60nにおいて、乗算部60mで算出された補正後の基本アシストトルクTB’とダンピングトルクTDとが加算されて目標アシストトルクTTが算出される。なお、算出された目標アシストトルクTTが電動モータ制御部60bに出力される点は第1実施形態と同様である。
【0049】
本実施形態の構成によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置2のアシストトルクを減少させるように)基本アシストトルクTBが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、図7を用いて、第3実施形態に係るパワーステアリング装置3の全体構成について説明する。なお、図7において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
【0051】
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、アシストトルク演算部60eに代えてアシストトルク演算部60gが用いられている点である。具体的には、アシストトルク演算部60gを構成する作動油温補正ゲイン演算部60hに備えられている作動油温補正ゲインマップの設定及びアシストトルク補正部60iに代えて用いられているアシストトルク補正部60kにおける乗算部60m及び加算部60nの構成が第1実施形態と異なっている。従って、以下この異なる点を中心に説明する。
【0052】
本実施形態における作動油温補正ゲイン演算部60hは、図8に示される作動油温補正ゲインマップを備えている。
【0053】
この作動油温補正ゲインマップでは、ショックアブソーバ18の作動油の温度ToがT5以下の領域では作動油温補正ゲインKoが1に固定されており、作動油の温度ToがT5〜T6の範囲内では作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが1〜0の間で減少するように設定されている。また、温度ToがT6以上の領域では作動油温補正ゲインKoが1〜0の間の所定の値に固定されるように設定されている。
【0054】
なお、油温センサ64から読み込まれるショックアブソーバ18の作動油の温度Toに基づいて、作動油温補正ゲインマップが検索されることにより作動油温補正ゲインKoが求められる点、及び算出された作動油温補正ゲインKoがアシストトルク補正部60kに出力される点については第1実施形態と同様である。
【0055】
図7に戻って説明を続けると、アシストトルク補正部60kでは、まず加算部60nにおいて、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとが加算されて操舵アシストトルクTAが算出される。この操舵アシストトルクTAは、乗算部60mに出力される。
【0056】
次に、乗算部60mにおいて、加算部60nで算出された操舵アシストトルクTAと作動油温補正ゲインKoとが乗算されて目標アシストトルクTTが算出される。ここで、上記の通り作動油温補正ゲインマップは、所定の温度範囲内で作動油の温度上昇に伴って作動油温補正ゲインKoが減少するように設定されている。従って、乗算部60mでは作動油の温度上昇に伴い操舵アシストトルクTAが減少されるように補正される。なお、算出された目標アシストトルクTTが電動モータ制御部60bに出力される点は第1実施形態と同様である。
【0057】
本実施形態においては、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとが加算されて求められる操舵アシストトルクTAに作動油温補正ゲインKoを乗算して目標アシストトルクTTを算出したが、基本アシストトルクTBとダンピングトルクTDとを加算して目標アシストトルクTTを算出し、この目標アシストトルクTTに基づいて算出される目標電流値ITに対して作動油温補正ゲインKoを乗算してもよい。
【0058】
本実施形態の構成によれば、ショックアブソーバ18の作動油の温度上昇に応じて操舵の手応えが増すように(即ち、パワーステアリング装置3のアシストトルクを減少させるように)操舵アシストトルクTAが制御されるので、操縦安定性の悪化を抑制することが可能となる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、基本アシストトルクマップ及びダンピングトルクマップは、トルク値のマップとして構成されているが、電流値のマップとしてもよい。
【0060】
また、ショックアブソーバ18の作動油の温度Toには、油温センサ64からの出力値に代えて、例えば、ばね上部材の上下加速度の零クロスの頻度に基づいて推定される作動油の温度を用いてもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態ではステアリングシャフト30に取り付けた減速機40を介して操舵アシスト力を与えているが、ラック&ピニオン式ステアリングギヤ部に電動モータを配置し、ピニオン軸上に取り付けられた減速機を介してピニオンシャフトに操舵アシスト力を与えることもできる(ピニオン軸アシスト式)。また、減速機で直接ラック軸に操舵アシスト力を与える構成(ラック軸アシスト式)としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ショックアブソーバの作動油の温度を検出する油温検出手段と、操舵トルクに基づいて目標アシスト量を算出する際に作動油の温度による補正処理を実行する目標アシスト量算出手段とを備えた構成とすることにより、ショックアブソーバの作動油の温度変化によりショックアブソーバの減衰力が変化した場合においても車両の操縦安定性の悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図2】基本アシストトルクマップの例を示す図である。
【図3】ダンピングトルクマップの例を示す図である。
【図4】第1実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【図5】第2実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【図7】第3実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図8】第3実施形態に係るパワーステアリング装置における作動油温補正ゲインマップの例を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3…パワーステアリング装置、10…タイロッド、18…ショックアブソーバ、20…ステアリングギヤボックス、22…ラック、24…ピニオン、30…ステアリングシャフト、32…ステアリングホイール、40…減速機、50…電動モータ、60…EPS ECU、60a…目標アシストトルク算出部、60b…電動モータ制御部、60c…基本アシストトルク演算部、60d…ダンピングトルク演算部、60e,60f,60g…アシストトルク演算部、60h…作動油温補正ゲイン演算部、60i,60j,60k…アシストトルク補正部、61…操舵トルクセンサ、62…操舵角センサ、63…車速センサ、64…油温センサ、W1…左前輪、W2…右前輪。
Claims (4)
- 車両のステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記車両のショックアブソーバの作動油の温度を検出する油温検出手段と、
前記操舵トルクに基づいて目標アシスト量を算出する目標アシスト量算出手段と、
を備え、
前記目標アシスト量算出手段は、前記目標アシスト量を算出する際に前記作動油の温度による補正処理を実行する
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 前記ステアリング系の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段をさらに備え、
前記目標アシスト量算出手段は、
前記操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出する基本アシスト量算出手段と、
前記操舵角速度に基づいてダンピング量を算出するダンピング量算出手段と、
前記基本アシスト量に前記ダンピング量を加えると共に、前記基本アシスト量、前記ダンピング量又は両者の加算結果を前記作動油の温度に基づいて補正して目標アシスト量を算出する演算手段と、
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。 - 前記車両の速度を検出する車速検出手段をさらに備え、
前記基本アシスト量算出手段は、前記車両の速度及び前記操舵トルクに基づいて基本アシスト量を算出し、
前記ダンピング量算出手段は、前記車両の速度及び前記操舵角速度に基づいてダンピング量を算出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。 - 前記車両のステアリング系にアシストトルクを付加する電動モータと、
前記目標アシスト量に応じた駆動電流を前記電動モータに供給する電動モータ制御手段と、
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003040249A JP2004249771A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003040249A JP2004249771A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | パワーステアリング装置 |
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ID=33024191
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-02-18 JP JP2003040249A patent/JP2004249771A/ja active Pending
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