JP2002249063A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002249063A
JP2002249063A JP2001052592A JP2001052592A JP2002249063A JP 2002249063 A JP2002249063 A JP 2002249063A JP 2001052592 A JP2001052592 A JP 2001052592A JP 2001052592 A JP2001052592 A JP 2001052592A JP 2002249063 A JP2002249063 A JP 2002249063A
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Tomoyasu Kada
友保 嘉田
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補正制御電流値を設定するための特性マップを
変更可能な電動パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】慣性補償制御部14は、3つのトルク微分
値−慣性補償制御電流特性マップのうち、慣性補償制御
特性設定器21から設定された1つのマップに従って、
トルク微分演算部13で演算されたトルク微分値dT/
dtに応じた慣性補償制御電流値ΔI1を生成する。ダ
ンピング制御部16は、3つの操舵速度−ダンピング制
御電流特性マップのうち、ダンピング制御特性設定器2
2から設定された1つのマップに従って、操舵速度演算
部15で演算された操舵角速度dθ/dtに応じたダン
ピング制御電流値ΔI2を生成する。戻し制御部17
は、3つの操舵速度−戻し制御電流特性マップのうち、
戻し制御特性設定器23から設定された1つのマップに
従って、操舵速度演算部15で演算された操舵角速度d
θ/dtに応じた戻し制御電流値ΔI3を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動モータが発
生する駆動力を用いて操舵補助する電動パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、操舵補助力の発生源として電
動モータを採用した電動パワーステアリング装置が用い
られている。この種の電動パワーステアリング装置で
は、たとえば、ステアリングホイールに加えられた操舵
トルクに応じたアシスト電流値が設定され、そのアシス
ト電流値に、電動モータなどの慣性による応答遅れを補
償するための慣性補償制御電流値、ステアリングホイー
ルの収斂性を向上させるためのダンピング制御電流値、
およびステアリングホイールの戻り時の操舵性を向上さ
せるための戻し制御電流値などの補正制御電流値が加算
されることにより、モータ電流指令値が設定される。そ
して、その設定されたモータ電流指令値に基づいて、電
動モータのフィードバック制御が行われる。
【0003】上記各補正制御電流値は、それぞれ、予め
用意された特性マップに従って設定される。特性マップ
は、予め定められた標準的な走行状況(たとえば、市街
地を車速40km/hで走行している状況)の下で良好な操
舵フィーリングが達成されるように作成されたものであ
る。そのため、上記標準的な走行状況と大きく異なる走
行状況(たとえば、急なカーブが連続する山道を走行し
ている状況など)の下では、その走行状況に応じた操舵
補助を実現できず、良好な操舵フィーリングを得ること
ができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、補
正制御電流値を設定するためのマップを変更でき、この
マップを変更することによって、常に良好な操舵フィー
リングを得ることができる電動パワーステアリング装置
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、操作部材
(1)の操作に基づいて電動モータ(4)を駆動し、こ
の電動モータの駆動力をステアリング機構(3)に伝達
して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であっ
て、上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操
舵トルク検出手段(6)と、この操舵トルク検出手段に
よって検出された操舵トルク(T)に応じたアシスト電
流値(I)を設定するアシスト電流値設定手段(12)
と、このアシスト電流値設定手段によって設定されたア
シスト電流値を補正するための補正制御電流値(ΔI
1,ΔI2,ΔI3)の特性を定めた特性マップを設定
するマップ設定手段(21,22,23;14,16,
17)と、このマップ設定手段によって設定された特性
マップに従って補正制御電流値を設定する補正制御電流
値設定手段(14,16,17)とを含むことを特徴と
する電動パワーステアリング装置である。
【0006】なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態
における対応構成要素等を表す。以下、この項において
同じ。この発明によれば、たとえば、車両運転者の好み
や車両の走行状況などに応じた特性マップを設定するこ
とができる。これにより、車両運転者の好みや車両の走
行状況に応じた操舵補助を実現することができ、車両運
転者にとって常に良好な操舵フィーリングを達成するこ
とができる。
【0007】請求項2記載の発明は、上記マップ設定手
段は、予め用意された複数の特性マップ(141,14
2,143,161,162,163,171,17
2,173)の中から上記補正制御電流値設定手段によ
って補正制御電流値が設定される際に参照されるべき特
性マップを選択するために、車両の搭乗者によって操作
される特性マップ設定器(21,22,23)を含むも
のであることを特徴とする請求項1記載の電動パワース
テアリング装置である。
【0008】この発明によれば、特性マップ設定器を操
作することにより、たとえば、車両運転者の好みや車両
の走行状況などに応じた特性マップをマニュアルで設定
することができる。請求項3記載の発明は、上記電動パ
ワーステアリング装置は、車両の走行状況を検出する走
行状況検出手段(6,9)をさらに含み、上記マップ設
定手段は、予め用意された基本となる特性マップ(14
2,162,172)を上記走行状況検出手段によって
検出された走行状況に応じて変更することにより、上記
補正制御電流値設定手段によって補正制御電流値が設定
される際に参照されるべき特性マップを自動的に設定す
るものであることを特徴とする請求項1記載の電動パワ
ーステアリング装置である。
【0009】この発明によれば、予め用意された基本と
なる特性マップが車両の走行状況に適した特性マップに
自動的に変更される。これにより、車両の走行状況に応
じた操舵補助を実現することができ、車両運転者にとっ
て常に良好な操舵フィーリングを達成することができ
る。なお、上記走行状況検出手段は、上記操舵トルク検
出手段によって所定時間内に検出される操舵トルクの平
均値を求める手段を含んでもよいし、所定時間内の上記
操作部材の操舵角の平均を求める手段を含んでもよい。
【0010】また、上記走行状況検出手段は、車両の実
際の挙動を表す車両挙動変数を検出する車両挙動検出手
段を含んでもよい。さらに、車両挙動変数は、車両の横
加速度を含んでもよいし、車両のヨーレートを含んでも
よい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の
電気的構成を示すブロック図である。操作部材としての
ステアリングホイール1に加えられた操舵トルクは、ス
テアリングシャフト2を介して、ステアリング機構3に
機械的に伝達される。ステアリング機構3には、電動モ
ータ4から発生する駆動力が、ギア機構やボールねじ機
構などの駆動力伝達機構を介して、操舵補助力として伝
達されるようになっている。
【0012】ステアリングシャフト2は、ステアリング
ホイール1側に結合された入力軸2Bと、ステアリング
機構3側に結合された出力軸2Cとに分割されていて、
これらの入力軸2Bおよび出力軸2Cは、トーションバ
ー5によって互いに連結されている。トーションバー5
は、ステアリングホイール1に加えられた操舵トルクに
応じてねじれを生じるものであり、このねじれの方向お
よび量は、トルクセンサ6よって検出されるようになっ
ている。トルクセンサ6の検出信号は、マイクロコンピ
ュータを含むコントローラ10に入力されている。
【0013】コントローラ10には、トルクセンサ6の
検出信号の他に、車両の走行速度(車速)Vを検出する
車速センサ7、および電動モータ4に流れるモータ電流
値を検出するモータ電流検出回路8の検出信号が入力さ
れている。また、ステアリングホイール1に関連して、
そのステアリングホイール1が一定角度回転する度にパ
ルス信号を出力する舵角センサ9が設けられており、こ
の舵角センサ9の出力信号がコントローラ10に入力さ
れている。コントローラ10は、トルクセンサ6からの
入力信号、車速センサ7によって検出される車速V、モ
ータ電流検出回路8によって検出されるモータ電流値、
および舵角センサ9からの入力信号に基づいてモータ電
流指令値を設定し、その設定したモータ電流指令値に基
づいて電動モータ4を駆動制御する。
【0014】コントローラ10は、たとえば、図示しな
い記憶媒体(ROMなど)に格納された動作プログラム
を実行することによって実現される複数の機能処理部を
有している。この機能処理部は、トルクセンサ6の検出
信号の位相を進めて、系を安定化させるための位相補償
部11、位相補償部11によって位相が進められた操舵
トルクTおよび車速センサ7が検出する車速Vに応じた
アシスト電流値Iを生成する基本アシスト制御部12、
操舵トルクTの時間微分値であるトルク微分値dT/d
tを演算するトルク微分演算部13、このトルク微分演
算部13が演算したトルク微分値dT/dtに基づい
て、電動モータ4などの慣性による応答遅れを補償する
ための慣性補償制御電流値ΔI1を生成する慣性補償制
御部14、舵角センサ9からの入力信号に基づいて、ス
テアリングホイール1の操舵角速度dθ/dtを演算す
る操舵速度演算部15、この操舵速度演算部15が演算
した操舵角速度dθ/dtに基づいて、ステアリングホ
イール1の収斂性を向上させるためのダンピング制御電
流値ΔI2を生成するダンピング制御部16、ならびに
操舵角速度dθ/dtに基づいて、ステアリングホイー
ル1の戻り時の操舵性を向上させるための戻し制御電流
値ΔI3を生成する戻し制御部17を含む。
【0015】なお、以下の説明において、操舵角速度d
θ/dtは、右方向操舵時に正の値をとり、左方向操舵
時に負の値をとるとする。また、アシスト電流値Iは、
右方向操舵を補助する方向のトルクを電動モータ4から
発生させる場合に正の値をとり、左方向操舵を補助する
方向のトルクを電動モータ4から発生させる場合に負の
値をとるとする。さらに、慣性補償制御電流値ΔI1、
ダンピング制御電流値ΔI2および戻し制御電流値ΔI
3は、アシスト電流値Iを増加補正する場合に正の値を
とり、アシスト電流値Iを低減補正する場合に負の値を
とるとする。
【0016】慣性補償制御部14は、たとえば、図2に
示すような3つのトルク微分値−慣性補償制御電流特性
マップ141,142,143を有しており、これら3
つのトルク微分値−慣性補償制御電流特性マップ14
1,142,143のうち、慣性補償制御特性設定器2
1から設定された1つのマップに従って、トルク微分演
算部13で演算されたトルク微分値dT/dtに応じた
慣性補償制御電流値ΔI1を生成する。この実施形態で
は、タッチパネルスイッチ付モニタを有するカーナビゲ
ーションシステム(図示せず)が車両に搭載されて、こ
のカーナビゲーションシステムを制御するためのコント
ローラが電動パワーステアリング装置用のコントローラ
10と通信可能に接続されており、慣性補償制御特性設
定器21は、上記モニタに表示される慣性補償特性設定
画面で構成されている。
【0017】トルク微分値−慣性補償制御電流特性マッ
プ141は、トルク微分値dT/dtが0〜A1(たと
えば、A1=40)の範囲内では、慣性補償制御電流値
ΔI1がトルク微分値dT/dtに比例して0から1ま
で増加し、トルク微分値dT/dtがA1〜A2(たと
えば、A2=100)の範囲内では、慣性補償制御電流
値ΔI1がトルク微分値dT/dtに拘わらず1となる
ように定められている。車両の搭乗者によって慣性補償
制御特性設定器21が操作されて、このトルク微分値−
慣性補償制御電流特性マップ141が設定された場合、
最も大きな慣性補償効果を得ることができ、ステアリン
グホイール1の操作に対して最も高い応答性で操舵補助
力が発生される。
【0018】また、トルク微分値−慣性補償制御電流特
性マップ142は、トルク微分値dT/dtが0〜A1
の範囲内では、慣性補償制御電流値ΔI1がトルク微分
値dT/dtに比例して0から0.8まで増加し、トル
ク微分値dT/dtがA1〜A2の範囲内では、慣性補
償制御電流値ΔI1がトルク微分値dT/dtに拘わら
ず0.8となるように定められている。さらに、トルク
微分値−慣性補償制御電流特性マップ143は、トルク
微分値dT/dtが0〜A1の範囲内では、慣性補償制
御電流値ΔI1がトルク微分値dT/dtに比例して0
から0.6まで増加し、トルク微分値dT/dtがA1
〜A2の範囲内では、慣性補償制御電流値ΔI1がトル
ク微分値dT/dtに拘わらず0.6となるように定め
られている。車両の搭乗者によって慣性補償制御特性設
定器21が操作されて、このトルク微分値−慣性補償制
御電流特性マップ143が設定された場合、他の2つの
トルク微分値−慣性補償制御電流特性マップ141,1
42が設定された場合と比べて慣性補償効果が小さく、
ステアリングホイール1の操作に対して最も低い応答性
で操舵補助力が発生される。
【0019】慣性補償制御部14が生成する慣性補償制
御電流値ΔI1は、加算部18aにおいて、基本アシス
ト制御部12が生成するアシスト電流値Iに加算され
る。ダンピング制御部16は、たとえば、図3に示すよ
うな3つの操舵速度−ダンピング制御電流特性マップ1
61,162,163を有しており、これら3つの操舵
速度−ダンピング制御電流特性マップ161,162,
163のうち、ダンピング制御特性設定器22から設定
された1つのマップに従って、操舵速度演算部15で演
算された操舵角速度dθ/dtに応じたダンピング制御
電流値ΔI2を生成する。この実施形態では、ダンピン
グ制御特性設定器22は、車両に搭載されたカーナビゲ
ーションシステムのタッチパネルスイッチ付モニタに表
示されるダンピング制御特性設定画面で構成されてい
る。
【0020】操舵速度−ダンピング制御電流特性マップ
161,162,163は、操舵角速度dθ/dtが0
を含む一定範囲−B1〜+B1内のときに、操舵角速度
dθ/dtに拘わらず、ダンピング制御電流値ΔI2が
0となり、上記一定範囲−B1〜+B1外において、操
舵角速度dθ/dtの絶対値が大きくなるほどダンピン
グ制御電流値ΔI2の絶対値が増加するように定められ
ている。そして、その操舵角速度dθ/dtの絶対値に
対するダンピング制御電流値ΔI2の絶対値の増加の割
合(マップの傾き)が、各操舵速度−ダンピング制御電
流特性マップ161,162,163で異なっている。
マップの傾きが最も大きい操舵速度−ダンピング制御電
流特性マップ161が設定された場合に、最も大きな収
斂性が発揮され、マップの傾きが最も小さい操舵速度−
ダンピング制御電流特性マップ163が設定された場合
に、最も小さな収斂性が発揮される。
【0021】ダンピング制御部16が生成するダンピン
グ制御電流値ΔI2は、加算部18bにおいて、加算部
18aが出力する加算値I+ΔI1に加算される。戻し
制御部17は、たとえば、図4に示すような3つの操舵
速度−戻し制御電流特性マップ171,172,173
を有しており、これら3つの操舵速度−戻し制御電流特
性マップ171,172,173のうち、戻し制御特性
設定器23から設定された1つのマップに従って、操舵
速度演算部15で演算された操舵角速度dθ/dtに応
じた戻し制御電流値ΔI3を生成する。この実施形態で
は、戻し制御特性設定器23は、車両に搭載されたカー
ナビゲーションシステムのタッチパネルスイッチ付モニ
タに表示される戻し制御特性設定画面で構成されてい
る。
【0022】操舵速度−戻し制御電流特性マップ17
1,172,173は、操舵角速度dθ/dtが一定値
C1のときに、戻し制御電流値ΔI3が0となり、操舵
角速度dθ/dtが上記一定値C1および0を含む一定
範囲−C2〜+C3のときに、操舵角速度dθ/dtが
大きくなるほど戻し制御電流値ΔI3が増加し、操舵角
速度dθ/dtが一定範囲−C2〜−C4,C3〜C5
のときに、操舵角速度dθ/dtに拘わらず戻し制御電
流値ΔI3が一定値をとり、操舵角速度dθ/dtが一
定範囲−C4〜−C6,C5〜C7のときに、操舵角速
度dθ/dtの絶対値が大きくなるほど戻し制御電流値
ΔI3の絶対値が減少するように定められている。そし
て、その操舵角速度dθ/dtの絶対値に対する戻し制
御電流値ΔI3の増加および戻し制御電流値ΔI3の絶
対値の減少の割合(マップの傾き)が、各操舵速度−戻
し制御電流特性マップ171,172,173で異なっ
ている。マップの傾きが最も大きい操舵速度−戻し制御
電流特性マップ171が設定された場合に、最も大きな
ハンドル戻し補助が行われ、マップの傾きが最も小さい
操舵速度−戻し制御電流特性マップ173が設定された
場合に、最も小さなハンドル戻し補助が行われる。
【0023】戻し制御部17が生成する戻し制御電流値
ΔI3は、加算部18cにおいて、加算部18bが出力
する加算値I+ΔI1+ΔI2に加算される。これによ
り、電動モータ4に供給すべきモータ電流指令値I+Δ
I1+ΔI2+ΔI3が得られる。こうして設定された
モータ電流指令値I+ΔI1+ΔI2+ΔI3は、減算
部18dに与えられるようになっている。減算部18d
では、モータ電流検出回路8によって検出されるモータ
電流値とアシスト目標電流値I+ΔI1+ΔI2+ΔI
3との偏差が求められる。そして、その求められた偏差
に基づいて、電動モータ4を駆動するためのモータドラ
イバ19の制御が行われ、電動モータ4にモータ電流指
令値I+ΔI1+ΔI2+ΔI3に相当する駆動電流が
供給される。
【0024】以上のようにこの実施形態によれば、車両
運転者の好みや車両の走行状況などに応じて、慣性補償
制御電流値ΔI1、ダンピング制御電流値ΔI2および
戻し制御電流値ΔI3の各種補正制御電流を生成するた
めの特性マップをそれぞれマニュアルで設定(変更)す
ることができる。これにより、車両運転者の好みや車両
の走行状況に応じた操舵補助を実現することができ、車
両運転者にとって常に良好な操舵フィーリングを達成す
ることができる。
【0025】なお、この実施形態では、慣性補償制御特
性設定器21、ダンピング制御特性設定器22および戻
し制御特性設定器23は、車両に搭載されたカーナビゲ
ーションシステムのタッチパネルスイッチ付モニタに表
示される設定画面で構成されているとしたが、たとえ
ば、車両のインストルメントパネルまたはシフトレバー
の周辺に配置されたスイッチで構成されてもよい。ただ
し、慣性補償制御特性設定器21、ダンピング制御特性
設定器22および戻し制御特性設定器23がカーナビゲ
ーションシステムのタッチパネルスイッチ付モニタに表
示される設定画面で構成される場合、これらの設定器2
1,22,23を設置するためのスペースを必要とせ
ず、また、設定器21,22,23での設定内容をカー
ナビゲーションシステムを制御するためのコントローラ
を介してコントローラ10に入力することができるの
で、設定器21,22,23とコントローラ10とを専
用線で接続する必要がないといった利点がある。
【0026】また、慣性補償制御特性設定器21、ダン
ピング制御特性設定器22および戻し制御特性設定器2
3が省略されて、たとえば、慣性補償制御部14、ダン
ピング制御部16および戻し制御部17にそれぞれ基本
となる特性マップ(たとえば、トルク微分値−慣性補償
制御電流特性マップ142、操舵速度−ダンピング制御
電流特性マップ162および操舵速度−戻し制御電流特
性マップ172)が備えられ、これらの基本特性マップ
が車両の走行状況(たとえば、操舵トルク、操舵角、横
加速度、ヨーレートなど)に応じて変更されることによ
り、各種補正制御電流を生成するための特性マップが各
制御部14,16,17に自動的に設定される構成が採
用されてもよい。
【0027】この構成が採用される場合、車両の走行状
況に応じた基本特性マップの変更は、たとえば、車両走
行状況に応じた重み係数が基本特性マップに乗じられる
ことにより達成されてもよい。たとえば、操舵トルクT
に応じた慣性補償制御の重み係数(基本特性マップとし
てのトルク微分値−慣性補償制御電流特性マップ142
に乗じられるべき重み係数)の設定例を図5に示す。こ
の図5に示す例では、慣性補償制御の重み係数は、直前
の所定時間(たとえば、20秒間)における操舵トルク
Tの絶対値の平均値が0〜4Nmの範囲内のときには、そ
の平均値に0.25を乗じた値に0.5を加算して得ら
れる値に設定され、操舵トルクTの絶対値の平均値が4
Nm以上のときには1.5に設定される。
【0028】また、操舵角に応じた慣性補償制御の重み
係数の設定例を図6に示す。この図6に示す例では、慣
性補償制御の重み係数は、直前の所定時間(たとえば、
20秒間)における操舵角の絶対値の平均値が0〜6ra
dの範囲内のときには、その平均値に1/6を乗じた値
に0.5を加算して得られる値に設定され、操舵角の絶
対値の平均値が6rad以上のときには1.5に設定され
る。なお、操舵角は、舵角センサ9の出力信号に基づい
て求めることができる。
【0029】さらに、車両の横加速度に応じたダンピン
グ制御の重み係数(基本特性マップとしての操舵速度−
ダンピング制御電流特性マップ162に乗じられるべき
重み係数)の設定例を図7に示す。この図7に示す例で
は、ダンピング制御の重み係数は、直前の所定時間(た
とえば、20秒間)における横加速度の絶対値の平均値
が0〜2m/s2の範囲内のときには、その平均値に0.5
を乗じた値に0.5を加算して得られる値に設定され、
横加速度の絶対値の平均値が2m/s2以上のときには1.
5に設定される。なお、車両の横加速度は、車両に搭載
された横加速度センサによって検出できる。
【0030】さらにまた、車両のヨーレートに応じたダ
ンピング制御の重み係数の設定例を図8に示す。この図
8に示す例では、ダンピング制御の重み係数は、直前の
所定時間(たとえば、20秒間)におけるヨーレートの
絶対値の平均値が0〜0.4rad/sの範囲内のときに
は、その平均値に2.5を乗じた値に0.5を加算して
得られる値に設定され、ヨーレートの絶対値の平均値が
0.4rad/s以上のときには1.5に設定される。な
お、車両のヨーレートは、車両に搭載されたヨーレート
センサによって検出できる。
【0031】また、車両のヨーレートに応じた戻し制御
の重み係数(基本特性マップとしての操舵速度−戻し制
御電流特性マップ172に乗じられるべき重み係数)の
設定例を図9に示す。この図9に示す例では、戻し制御
の重み係数は、直前の所定時間(たとえば、20秒間)
におけるヨーレートの絶対値の平均値が0〜0.4rad/
sの範囲内のときには、その平均値に−2.5を乗じた
値に1.5を加算して得られる値に設定され、ヨーレー
トの絶対値の平均値が0.4rad/s以上のときには0.
5に設定される。
【0032】以上、この発明の実施の形態について説明
したが、この発明は、他の形態で実施することもでき
る。たとえば、上述の実施形態では、慣性補償制御電流
値ΔI1、ダンピング制御電流値ΔI2および戻し制御
電流値ΔI3の各種補正制御電流を生成するための特性
マップをそれぞれ変更可能にした構成を取り上げたが、
慣性補償制御電流値ΔI1、ダンピング制御電流値ΔI
2または戻し制御電流値ΔI3のいずれか1つの補正制
御電流を生成するための特性マップのみが変更可能にさ
れてもよいし、慣性補償制御電流値ΔI1、ダンピング
制御電流値ΔI2および戻し制御電流値ΔI3のうちの
2つの補正制御電流を生成するための特性マップが変更
可能にされてもよい。
【0033】また、操作部材としては、ステアリングホ
イール1の代わりに、ペダルやレバーなどの他の構成を
採用することができる。その他、特許請求の範囲に記載
された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る電動パワーステア
リング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】トルク微分値−慣性補償制御電流特性マップの
例を示す図である。
【図3】操舵速度−ダンピング制御電流特性マップの例
を示す図である。
【図4】操舵速度−戻し制御電流特性マップの例を示す
図である。
【図5】操舵トルクに応じた慣性補償制御の重み係数の
設定例を示す特性図である。
【図6】操舵角に応じた慣性補償制御の重み係数の設定
例を示す特性図である。
【図7】車両の横加速度に応じたダンピング制御の重み
係数の設定例を示す特性図である。
【図8】車両のヨーレートに応じたダンピング制御の重
み係数の設定例を示す特性図である。
【図9】車両のヨーレートに応じた戻し制御の重み係数
の設定例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 3 ステアリング機構 4 電動モータ 6 トルクセンサ 9 舵角センサ 10 コントローラ 12 基本アシスト制御部 14 慣性補償制御部 16 ダンピング制御部 17 戻し制御部 21 慣性補償制御特性設定器 22 ダンピング制御特性設定器 23 戻し制御特性設定器 141,142,143 慣性補償制御電流特性マップ 161,162,163 ダンピング制御電流特性マッ
プ 171,172,173 戻し制御電流特性マップ I アシスト電流値 ΔI1 慣性補償制御電流 ΔI2 ダンピング制御電流 ΔI3 戻し制御電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操作部材の操作に基づいて電動モータを駆
    動し、この電動モータの駆動力をステアリング機構に伝
    達して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であ
    って、 上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操舵ト
    ルク検出手段と、 この操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルク
    に応じたアシスト電流値を設定するアシスト電流値設定
    手段と、 このアシスト電流値設定手段によって設定されたアシス
    ト電流値を補正するための補正制御電流値の特性を定め
    た特性マップを設定するマップ設定手段と、 このマップ設定手段によって設定された特性マップに従
    って補正制御電流値を設定する補正制御電流値設定手段
    とを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】上記マップ設定手段は、予め用意された複
    数の特性マップの中から上記補正制御電流値設定手段に
    よって補正制御電流値が設定される際に参照されるべき
    特性マップを選択するために、車両の搭乗者によって操
    作される特性マップ設定器を含むものであることを特徴
    とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】上記電動パワーステアリング装置は、車両
    の走行状況を検出する走行状況検出手段をさらに含み、 上記マップ設定手段は、予め用意された基本となる特性
    マップを上記走行状況検出手段によって検出された走行
    状況に応じて変更することにより、上記補正制御電流値
    設定手段によって補正制御電流値が設定される際に参照
    されるべき特性マップを自動的に設定するものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング
    装置。
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