JP4904857B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、耐短絡性の安全性に優れ、かつ高温下でのサイクル寿命特性と保存特性に優れた非水電解液二次電池に関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池の要望が強まっている。高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池の中でも、とりわけリチウム二次電池に対する期待が大きくなっている。また、最近の電子機器は更なる高機能化、高電力化が進んでいて、非水電解液二次電池の更なる高エネルギー密度化が求められている。
非水電解液二次電池には、高温下で充放電サイクルを繰り返すと電池容量が低下する問題と高温下で保存した後の充放電容量が低下する問題があった。
そこで、非水電解液二次電池の保存特性向上のために、セパレータの材料として、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエステル、ビニロン、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電極上に無機微粒子と樹脂結着剤からなる多孔膜を形成することが提案されている。製造工程中で、電極の合剤が部分的に脱落しても、その多孔膜により非水電解液二次電池の内部短絡を抑制している。これにより、非水電解液二次電池の歩留まりを向上させることを目的としている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−46649号公報 特開平7−220759号公報
しかしながら、特許文献1のように、高融点のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)などの高融点セパレータの場合、ポリオレフィン(以下、POと略す)系樹脂単独のセパレータと比較して高温サイクル寿命特性や高温保存特性は良くなるものの、その効果は十分ではなく、しかも、異物などで内部短絡が発生した場合、セパレータの耐熱温度が高いために、シャットダウンが起こる前に正極や負極材料の熱暴走が起こってしまうという安全性に関わる大きな課題がある。
また、特許文献2は、製造工程中での電極合剤の脱落による内部短絡を抑制し、歩留まりを向上することを目的としており、電池特性や安全性については述べられていない。
本発明はこのような課題を解決するものであり、非水電解液二次電池に関し、安全性、特に耐短絡性に優れ、かつ高温下でのサイクル寿命特性と保存特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、無機酸化物フィラーと結着剤とからなる耐熱多孔膜を負極の活物質層の表面に形成し、前記耐熱多孔膜の多孔度は20〜80%であり、かつセパレータの材質がポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、およびビニロンからなる群の少なくとも1種類から構成されていることを特徴とする。
耐熱多孔膜層と高融点セパレータの併用により、特に、耐短絡性の安全性に優れ、かつ高温下でのサイクル寿命特性と保存特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の実施の形態における非水電解液二次電池は、正極と負極がセパレータを介して絶縁した状態で積層された極板群を有し、負極の活物質層の表面に耐熱多孔膜を形成され、かつ、セパレータの材質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、およびビニロンからなる群の少なくとも1種類で構成されている。
このように耐熱多孔膜は、正極および負極表面上に形成され、その表面に接着していなければならない。耐熱多孔膜をセパレータ上に形成した場合は、多孔膜層自身の耐熱性にかかわらず、内部短絡部に起因する多量の発熱によってセパレータとともに多孔膜層が収縮する、という欠点を回避することができない。
また、本発明の耐熱多孔膜は、無機酸化物フィラーおよび結着剤からなっている。多孔膜は、無機酸化物フィラーと、結着剤と、溶剤とを含む多孔膜前駆体を電極上に塗布し、乾燥することにより得られる。
無機酸化物フィラーとしては、酸化アルミニウム(以下、Al23と略す)、酸化チタン(以下、TiO2と略す)、および酸化ケイ素(以下、SiO2と略す)などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の好ましい実施の形態における非水電解液二次電池は、耐熱多孔膜の多孔度と厚みは、多孔膜層による安全性向上と充放電特性の機能を十分に発揮させるとともに、電池の設計容量を維持する観点から、多孔度は25〜75%、かつ厚みは0.5〜10μmが好ましい。
耐熱多孔膜の多孔度が25%以下の場合、多孔膜中のリチウムイオンが通る空隙が減少し、多孔膜中に保持される電解液が少なくなる。これにより、高温下でのサイクル寿命特性が低下すると考えられる。
また、75%以上の場合、多孔膜の孔径も大きくなる。サイクル試験による正極板中および負極板の膨張・収縮により、孔径が大きな多孔膜からは電解液が押し出され。多孔膜中の電解液量が少なくなる。これにより、高温下でのサイクル寿命特性が低下すると考えられる。
次に多孔膜の厚みが0.5μm以下の場合、多孔膜に保持される電解液量が少なくなる。これにより、高温下でのサイクル寿命特性が低下すると考えられる。
また、10μm以上の場合、正極板と負極板との間の距離が大きくなる。そのため、非水電解液二次電池、例えば、リチウムイオン二次電池の場合、リチウムイオンの移動速度が低下するために放電性能が低下すると考えられる。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す)などのフッ素樹脂や、アクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子を用いることができる。充放電特性の機能を十分に発揮させる観点から、PVDFよりも非水電解液に膨潤または湿潤するアクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子が好ましい。これは、結着剤が電解液に湿潤または膨潤することにより、充放電時にリチウムイオンが極板間を移動するパスをつくり、充放電特性を向上させると考えられる。
セパレータは分子構造として、炭素―水素結合を含まない構造のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)、または、分子中に酸素原子または窒素原子が存在する構造であるポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、およびビニロンからなる群の1種類以上で構成される。これは、高温下でポリオレフィン系樹脂のように樹脂中の一部の不安定な炭素―水素結合が電解液中のリチウムイオンを徐徐に反応し、その反応生成物が負極表面に析出して被膜が形成されることを起因とする高温特性の低下を抑制するためである。つまり、ポリテトラフルオロエチレンは、炭素―水素結合を含まないことで保存特性低下を抑制し、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ビニロンは、分子中に存在する酸素または窒素原子が、炭素―水素結合とリチウムイオンとの反応を抑制するように作用するため、保存特性を抑制する。
なお、セパレータの厚みは、極板間の絶縁性維持と電解液保持のために、10μm以上が好ましく、かつ、電池の設計容量を維持する観点から、30μm以下が好ましい。
正極は、少なくとも正極活物質と結着剤と導電剤を含む。
正極活物質としては、複合酸化物を挙げることができる。複合酸化物としては、コバルト酸リチウム(以下、LiCoO2と略す)、LiCoO2の変性体、ニッケル酸リチウム(以下、LiNiO2と略す)、LiNiO2の変性体、マンガン酸リチウム(以下、LiMnO2と略す)、およびLiMnO2の変性体などが好ましい。各変性体には、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)などの元素を含むものがある。また、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、およびマンガン(Mn)の少なくとも2種を含むものもある。
正極に用いる結着剤は、特に限定されず、PTFE、変性アクリロニトリルゴム粒子、およびPVDFなどを用いることができる。PTFEやBM−500Bは、正極合剤層の原料ペーストの増粘剤となるカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、および変性アクリロニトリルゴムなどと組み合わせて用いることが好ましい。PVDFは、単一で結着剤と増粘剤の双方の機能を有する。
導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、および各種黒鉛などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
負極は、少なくとも負極活物質と結着剤を含む。
負極活物質としては、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン含有複合材料、および各種合金材料を用いることができる。結着剤としては、PVDFおよびその変性体を始め各種バインダーを用いることができる。
非水溶媒からなる電解液には、六フッ化リン酸リチウム(以下、LiPF6と略す)、四フッ化ホウ酸リチウム(以下、LiBF4と略す)などの各種リチウム塩を溶質として用いることができる。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびメチルエチルカーボネート(以下、MECと略す)などを用いることが好ましいが、これらに限定されない。非水溶媒は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。また、添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの変性体などを用いることもできる。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
直径18mm、高さ65mm、いわゆる18650サイズの円筒型リチウムイオン二次電池を以下のようにして作製する。
(a)正極板の作製
コバルト酸リチウム3kgと、結着剤としての呉羽化学(株)製のPVDF#1320(PVDFを12重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)溶液)1kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、正極合剤ペーストを調製する。この合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥後圧延して、正極合剤層を形成する。この際、アルミニウム箔と合剤層からなる正極板の厚みを160μmとする。その後、その正極板は、直径18mm、高さ65mmサイズの電池ケースに挿入可能な幅と長さに裁断する。
(b)負極板の作製
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(スチレン−ブタジエン共重合体(ゴム粒子)を40重量%含む水性分散液)75gと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース30gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤ペーストを調製する。この合剤ペーストを厚み10μmの銅箔に塗布し、乾燥後圧延して、負極合剤層を形成する。この際、銅箔と合剤層からなる負極板の厚みを180μmとする。その後、その負極板は、前記電池ケースに挿入可能な幅と長さに裁断する。
(c)耐熱多孔膜の作製
以下に、上記で作成する負極板上に多孔膜を作製する方法について詳細に説明する。
負極板上に1層の多孔膜を作製する。無機酸化物フィラーとして所定の多孔度に合わせて、メディアン径0.1〜0.6μmのアルミナ950gと、結着剤として日本ゼオン(株)製変性アクリロニトリルゴムBM−720H(固形分8重量%、NMP92重量%)(以下、BM−720Hと略す)625gと、適量のNMPとを双腕式練合機に入れ、攪拌し、多孔膜用ペーストを作製する。このペーストを負極板の両面に塗布し、乾燥して、厚みを4〜8μm、多孔度50%になるように耐熱多孔膜を作製する。
(d)電解液の調製
ECと、MECとを体積比1:3で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、電解液を調製する。
(e)電池の組立
正極板と、多孔膜を形成した負極板とを、以下で説明する表1に示した種類の厚み16μmのセパレータを介して捲回して極板群を構成し、電池ケース内に挿入する。次いで、前述の電解液を5.5g秤量して、電池ケース内に注入し、ケースの開口部を封口する。こうして、円筒型リチウムイオン二次電池を作製する。
《実施例1》
以下で説明する表1に示した耐熱多孔膜を形成した負極板を使用し、セパレータにはポリテトラフルオロエチレン樹脂製のセパレータを用いて、円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例2》
セパレータにポリアミド樹脂製のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作
製した。
《実施例3》
セパレータにポリイミド樹脂製のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《実施例4》
セパレータにポリエステル樹脂製のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《実施例5》
セパレータにビニロン樹脂製のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《実施例6〜13》
以下で説明する表1に示した耐熱多孔膜を形成した以外は実施例1と同様の電池を作製した。ただし、電池内の極板群の直径を一定にするために、耐熱多孔膜の厚みにより正負極板およびセパレータの長さを変更した。
《比較例1》
耐熱多孔膜を形成していない負極板を使用し、セパレータにポリエチレン樹脂製のセパレータを用いた円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例2》
耐熱多孔膜を形成していない負極板を使用し、セパレータにポテトラフルオロエチレン樹脂製のセパレータを用いた円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例3》
セパレータにポリエチレン樹脂樹脂製のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
作製した円筒型リチウムイオン二次電池について、60℃20日保存特性試験、45℃サイクル寿命試験、および釘刺し安全性試験を行った。以下に60℃20日保存特性試験、45℃サイクル寿命試験、および釘刺し安全性試験の方法について説明する。
[60℃20日保存特性試験]
実施例1〜5および比較例1〜3のリチウムイオン二次電池について、以下に示したパターンで予備充放電を行い、45℃環境下で3日間保存した。
1)定電流充電:400mA (終止電圧4.0V)
2)定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
3)定電流充電:400mA (終止電圧4.0V)
4)定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
5)定電流充電:400mA (終止電圧4.0V)
その後、25℃環境下で、以下のパターンの充放電を行った。
(1)予備放電
定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
(2)第1パターン
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V (終止電流100mA)
定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
(3)第2パターン
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V (終止電流100mA)
60℃保存:20日
(4)予備放電
定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
(5)第1パターン
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V (終止電流100mA)
定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
上記(2)の第1パターンの放電容量と上記(5)の第1パターンの放電容量の割合を保存特性の容量比として表1に結果を示した。
[45℃サイクル寿命試験]
上記(2)の第1パターンまで充放電を行った電池について、45℃環境下で、以下のパターンの充放電を繰り返し行った。
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V (終止電流100mA)
充電後休止:20分
定電流放電:2000mA(終止電圧3.0V)
上記のパターンの充放電を300回繰り返した後、25℃環境下で、以下のパターンの充放電行った。
(6)第1パターン
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V (終止電流100mA)
定電流放電:400mA (終止電圧3.0V)
上記(2)の第1パターンの放電容量と上記(6)の第1パターンの放電容量の割合を45℃サイクル寿命試験の容量比として表1に結果を示した。
[釘刺し安全性試験]
上記(2)の第1パターンまで充放電を行った電池について、以下の充電を行った。
定電流充電:1400mA(終止電圧4.25V)
定電圧充電:4.25V (終止電流100mA)
充電後の電池に対して、その側面から、2.7mm径の鉄製丸釘を、20℃環境下で、貫通させ、そのときの発熱状態を観測した。電池の貫通箇所における90秒後の到達温度を表1に結果を示した。なお、発熱の判断基準として、90秒後の電池温度が150℃より低い場合をOKとし、150℃以上の場合をNGとした。
以下、結果について説明する。
まず、保存後の容量回復率について、95%以上の実施例1〜13と比較例2は、90%以下の比較例1と3と比べ、大きく向上した。
この原因として次のように考えている。比較例1と3は、セパレータにポリオレフィン系樹脂であるポリエチレンを使った。ポリエチレン(ポリオレフィン系樹脂)中の一部の不安定な炭素―水素結合が電解液中のリチウムイオンと徐々に反応し、反応生成物が負極表面に析出し被膜が形成されたためと考えられる。なお、比較例3は、セパレータがポリエチレンであるが、無機酸化物の耐熱多膜層を有しているため、保存特性への影響が少なかったと考えられる。
これに対して、セパレータにポリテトラフルオロエチレンを使った実施例1と比較例2は、セパレータに炭素―水素結合を有さず電解液中のリチウムイオンと反応しないため、保存特性が向上すると考えられる。
また、セパレータにポリアミドを使った実施例2、ポリイミドを使った実施例3、ポリエステルを使った実施例4、およびビニロンを使った実施例5の場合、それらセパレータ材質の分子中に存在する酸素原子または窒素原子が、炭素―水素結合とリチウムイオンとの反応を抑制するように作用するため、負極表面の被膜形成が抑制され、保存特性が向上すると考えられる。
実施例6〜13において、耐熱多孔膜の厚みと多孔度の違いで比較した場合、実施例10と12の保存特性が若干低下している。実施例10と12は、耐熱多孔膜の多孔度が20%と小さく、多孔膜中のリチウムイオンが通る空隙が少なく、多孔膜に保持される電解液が少なくなったためと考えられる。
次に45℃サイクル寿命特性について説明する。
まず、耐熱多孔膜がない比較例1と2を比較した場合、セパレータにポリテトラフルオロエチレンを使った比較例2は、セパレータにポリオレフィン系樹脂であるポリエチレンを使った比較例1に比べ、サイクル特性が良好である。これは、前述した保存特性における考察のように、セパレータにポリエチレンを使った比較例1は、ポリエチレンの一部の不安定な炭素―水素結合が電解液中のリチウムイオンと徐々に反応し、反応生成物が負極表面に析出し被膜が形成されたためと考えられる。
また、比較例1と3を比較した場合、耐熱多孔膜がある比較例3は、耐熱多孔膜がない比較例1に比べ、サイクル特性が良好である。これは、比較例1のように耐熱多孔膜がない場合、充放電を繰り返すサイクル試験において、極板の膨張によりセパレータが圧縮され、セパレータ中に保持されている電解液量が減少することによってリチウムイオンが通り難くなるためと考えられる。これに対して、耐熱多孔膜がある比較例3において、無機酸化物で構成されている耐熱多孔膜は、極板が膨張しても一定の厚みを保持できることで、一定の多孔度を維持し、電解液の保持量が低下しないためサイクル特性が良好でと考えられる。
また、耐熱多孔膜がある実施例1〜13と比較例3において、実施例1〜13は比較例3に比べ、サイクル特性が良好である。これは、比較例3は、セパレータにポリエチレンを使っているため、前述した保存特性における考察のように、ポリエチレンの一部の不安定な炭素―水素結合が電解液中のリチウムイオンと徐々に反応し、反応生成物が負極表面に析出し被膜が形成され、容量劣化を引き起こしていると考えられる。これに対して、実施例1〜5は、セパレータによる高温下での容量劣化の抑制と耐熱多孔膜によるサイクル劣化の抑制により、高温下でのサイクル特性が大きく向上していると考えられる。
実施例6〜13において、耐熱多孔膜の厚みと多孔度の違いで比較すると、実施例10と12の高温サイクル特性が低下している。前述した保存特性における考察のように実施例10と12は、耐熱多孔膜の多孔度が20%と小さく、多孔膜中のリチウムイオンが通る空隙が少なく、多孔膜に保持される電解液が少なくなったと考えられる。
次に釘刺し安全性試験について説明する。
まず、耐熱多孔膜がなく、高融点であるポリテトラフルオロエチレンを使用している比較例2は、90秒後の電池温度が150℃以上に至った。これに対して、耐熱多孔膜がなく、低融点であるポリオレフィン系樹脂を使用している比較例1は、発火はしていないものの90秒後の電池温度が135℃と大きく上がった。
一方、耐熱多孔膜が存在する比較例1、実施例1〜13は、セパレータの材質に関わらず、発火もなく、90秒後の電池温度も150℃以下と釘刺し後の発熱が大幅に抑制されている。
150℃以上に至った比較例2を除いて、釘刺し試験後の電池を分解して調べたところ、全ての電池においてセパレータが釘刺し部を中心に溶融していた。その範囲は、耐熱多孔膜がない比較例1が一番大きく、耐熱多孔膜が存在する比較例3、実施例1〜13は、小さい範囲であった。このことから、耐熱多孔膜が十分である場合、釘刺し後に起こる短絡による発熱に対して膜構造は破壊されず、短絡箇所の拡大を防止でき、過剰な発熱を防げるものと考えられる。
実施例6〜13において、耐熱多孔膜の厚みと多孔度の違いで比較すると、実施例11と13の90秒後の電池温度が130℃以上に至った。実施例11と13は、耐熱多孔膜の多孔度が80%と大きいため、無機酸化物の量が十分ではなく、釘刺し後に起こる短絡による発熱に対して膜構造が破壊され、短絡箇所が拡大し、発熱が大きくなったと考えられる。
なお、釘刺しによる発熱メカニズムは、釘刺しにより、正極と負極との接触(短絡)すると、ジュール熱が発生する。そして、ジュール熱によってセパレータが溶融し、強固な短絡部を形成する。その結果、ジュール熱の発生が継続され、正極が熱的に不安定となる
こと温度領域(160℃以上)に昇温される。こうして熱暴走が引き起こされ、発熱に至ると考えられる。
なお、前述した実施例については、円筒型リチウムイオン二次電池について説明したが、正極および負極が、セパレータを介して渦巻状に捲かれて極板群を構成しているものであればよく、角型リチウムイオン電池でも同様の効果が確認された。本発明のリチウムイオン二次電池の形状はこれに限定されるものではない。
本発明は、非水電解液二次電池に利用することができ、特に、耐短絡性の安全性に優れ、かつ高温下でのサイクル寿命特性と保存特性に優れており、携帯電子機器、ノートパソコン用等の電源として有用である。





Claims (2)

  1. 正極と負極がセパレータを介して絶縁した状態で積層された極板群を有する非水電解液二次電池において、
    前記負極の活物質層の表面には、無機酸化物フィラーと結着剤とからなる耐熱多孔膜が形成され、前記耐熱多孔膜の多孔度は20〜80%であり、
    かつ、前記セパレータの材質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、およびビニロンからなる群の少なくとも1種類で構成された非水電解液二次電池。
  2. 前記耐熱多孔膜の多孔度は25〜75%であり、かつ前記耐熱多孔膜の厚みは0.5〜10μmである請求項1記載の非水電解液二次電池。
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