JP4904651B2 - 水素分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を含有する水素含有気体から水素を抽出する水素分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素と空気の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応によって起電力を得る。燃料電池に供給される水素は、例えば、炭化水素系の原料を改質して得られる改質ガスから、水素分離装置によって水素を抽出することによって得られる。
【0003】
水素分離装置としては、例えば、パラジウムあるいはパラジウム合金など水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜を利用する装置が知られている。かかる装置では、水素分離膜の一方の面に改質ガスを供給すると、他方の面から水素が抽出される。
【0004】
水素分離膜を備える水素分離装置としては、改質ガスが通過する流路を形成する部材と、水素分離膜と、抽出された水素が通過する流路を形成する部材とを、複数積層したものが提案されている(例えば、特開平6−345408号公報など)。かかる積層構造では、水素分離膜の表面積を広く確保することができ、単位体積当たりの水素抽出効率を向上させることができる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、各部材の材質および接合方法については、充分な検討がなされていなかった。従って、これらの改善により水素分離装置の更なる小型化を図るとともに、製造の容易化に対する改善の余地が残されていた。
【0006】
特に、水素分離装置を燃料電池と共に車載し、車両の駆動用電源として用いる場合のように、装置を設置可能となるスペースに制限がある用途に用いる場合には、さらなる小型化が望まれていた。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、積層型の水素分離装置において、更なる小型化および製造の容易化の向上を可能とする技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、水素を含有する水素含有気体から水素の抽出を行う水素分離装置において、次の構造を適用するものとした。即ち、水素分離部材、第1および第2の流路部材を積層するとともに、水素分離部材は、5族金属または5族金属合金で形成された基材の両面に形成されたパラジウムまたはパラジウム合金の被膜を有する構成とした。5族金属には、バナジウム、ニオブ、タンタル等が含まれる。これらの金属は、パラジウム等よりも非常に高い水素の選択透過性を有するものの、酸化しやすいという性質を有している。本発明では、水素の選択透過性を有するパラジウムおよびその合金で5族金属または5族金属合金の表面を被覆するという積層構造を適用することにより、酸化被膜の形成を抑制しつつ、高い水素透過性を実現することができる。また、水素透過性に優れる部材を基材とする積層構造を適用することにより、水素透過性を極端に損ねることなく水素分離部材を厚くすることができ、強度を向上することができる利点もある。
【0009】
第1の流路部材とは、水素分離部材の第1の面に隣接して配設され、隣り合う水素分離部材と共に、水素含有気体が通過する水素含有気体流路を形成する部材である。第2の流路構成部材とは、水素分離部材の第2の面に隣接して配設され、隣り合う水素分離部材と共に、水素含有気体から抽出された水素が通過する水素流路を形成する部材である。いずれも薄板状部材によって形成することが好ましい。このように薄板状部材の積層構造を採ることにより、装置の小型化を図ることができる。
【0010】
本発明において、第1および第2の流路部材を、5族金属または5族金属合金で形成するとともに、水素分離部材における被膜を、第1および第2の流路部材との接合部を除く領域に形成することが好ましい。こうすることにより、流路部材および水素分離部材の接合部の材質を揃えることができ、接合の容易化、安定化を図ることができる。かかる構成は、後述する拡散接合を用いる場合に特に有用である。また、この構成によれば、水素分離部材に被膜を施す領域を縮小することができる。従って、貴金属であるパラジウムの消費を抑制することができ、製造コストを低減することができる。
【0011】
流路部材および水素分離部材をともに5族金属または5族金属合金で形成する場合には、装置全体の熱膨張係数を均一化することができるため、熱応力を緩和することができる利点もある。
【0012】
本発明においては、第1および第2の流路部材並びに水素分離部材の接合部には、酸化または水素脆化を抑制する金属被膜を形成することが好ましい。こうすることにより、各部材の劣化を防止することができる。また、製造時において酸化被膜の形成を抑制することにより、各部材の接合の容易化、安定化を図ることができる利点もある。この構成は、特に、酸化および水素脆化しやすい5族金属または5族金属合金を各部材に用いる場合に有用である。
【0013】
この場合、金属被膜は、例えば、チタン、銅およびアルミニウムの少なくとも一つを材料とすることができる。チタンは、熱膨張係数が5族金属または5族金属合金に近いため、5族金属または5族金属合金を各部材に用いる場合には、熱応力を抑制することができる利点がある。銅は、熱伝導率が高いため、装置の暖機等を速やかに行うことができる利点がある。アルミニウムは装置の軽量化を図ることができる利点がある。
【0014】
本発明において、第1および第2の流路部材並びに水素分離部材は、母材の溶融を伴わない接合法によって接合することが好ましい。かかる接合法を用いる場合には、溶融することを見込んで各部材の厚さを設定する必要が無く、装置全体をより薄型化することが可能となる。かかる接合法としては、例えば、ロウ付けや拡散接合が挙げられるが、耐熱性および耐腐食性の確保という観点から後者を用いることがより好ましい。
【0015】
本発明においては、積層構造の両端に、第1または第2の流路部材とともに流路を形成するとともに、改質ガスの供給口、水素の抽出口を形成する板状の端板を設けることができる。端板の材料は、流路部材と同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。流路部材と同一の材料を用いるものとすれば、流路部材との接合の容易化および安定化を図ることができる。特に、流路部材との接合に拡散接合を用いる場合に有用性が高い。流路部材と異なる材料を用いる場合、供給口、抽出口に接続される配管と同一の材料を用いることが好ましい。かかる材料としては、例えば、ステンレス材を用いることができる。
【0016】
なお、本発明は上述した水素分離装置としての構成の他、水素分離装置の製造方法、あるいは、水素分離装置を備える燃料電池システムなど種々の態様で構成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.システム構成:
B.水素分離装置の構成:
C.水素分離プレートの詳細構造:
D.流路プレートの詳細構造:
E.エンドプレートの詳細構造:
F.水素分離装置の製造方法:
G.変形例:
【0018】
A.システム構成:
図1は実施例としての水素分離装置を用いた燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。燃料電池システム80は、燃料電池90に供給される水素と酸素の電気化学反応によって発電する。酸素には、ブロワ92によって供給される圧縮空気が利用される。水素は、以下に示す機構により、原料の改質によって生成される。原料としては、ガソリンなどの液体炭化水素、メタノールなどのアルコール、アルデヒド類、または天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を選択することができる。
【0019】
原料タンク82に貯蔵された原料、および水タンク84に貯蔵された水は、それぞれ蒸発・混合部86で気化・昇温されて、改質器88に供給される。原料と水との混合ガスは、改質器88において改質され、水素リッチな改質ガスを生成する。改質器88で進行する改質反応は、水蒸気改質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたものなど種々の態様を選択することができる。改質器88は、原料および反応に適した改質触媒が備えられている。
【0020】
改質ガスは水素分離装置10に供給され、水素が分離される。水素分離装置10には、水素の分離を促進するためのパージガスも供給されている。本実施例では、水蒸気をパージガスとして用いるものとした。パージガスは、不活性ガス、燃料電池90のオフガスなど、種々のガスを利用することができる。パージガスを用いない構成を採ることもできる。こうして分離された水素は、燃料電池90に供給される。
【0021】
図1に示した構成は、例示に過ぎず、改質器88に加えてシフト反応を行うためのシフト部、改質ガス中の一酸化炭素を優先的に酸化する反応を行うためのCO選択酸化部などを設けてもよい。
【0022】
B.水素分離装置の構成:
図2は水素分離装置10の斜視図である。水素分離装置10は、正方形の薄板状部材を複数積層した構造を有している。積層構造の両端には、改質ガスおよびパージガスの流入口および排出口が設けられている。
【0023】
図3は水素分離装置10の一部の分解斜視図である。図1中の領域Aに相当する部分を示した。積層構造の両端には、エンドプレート20が設けられている。エンドプレート20には、改質ガスの流入口22およびパージガスの流入口24が設けられている。エンドプレート20の下層には、流路プレート30a,50,30bおよび水素分離プレート40a,40bが交互に配列されている。
【0024】
流路プレート30a,50,30bは、面内を流れるガスの種類によって2通りに分類される。第1の流路プレートは、面内を改質ガスが流れる改質ガス流路プレートである。流路プレート30a,30bがこれに相当する。第2の流路プレートは、面内をパージガスが流れるパージガス流路プレートである。流路プレート50がこれに相当する。水素分離プレート40a,40bは、それぞれ改質ガス流路プレートとパージガス流路プレートに挟まれるように、配置されている。改質ガス流路プレートとパージガス流路プレートは同一形状のプレートであり、積層方向が表裏で相違している。
【0025】
また、流路プレート30aには、水素分離プレート40a,40bとともに面内の流路を形成する流路孔34、および改質ガスおよびパージガスをそれぞれ積層方向に流通させるための縦通孔32が設けられている。他の流路プレートについても同様である。
【0026】
水素分離プレート40a,40bは、改質ガスから水素を分離する機能を奏する。水素分離プレート40aには、図中にハッチングを付して示した水素分離部44が形成されている。図中で水素分離プレート40aの上面を流れる改質ガス中の水素は、水素分離部44で分離されて、下面を流れるパージガス内に抽出される。水素分離プレート40aには、改質ガスおよびパージガスをそれぞれ積層方向に流通させるための縦通孔42が設けられている。水素分離プレート40bを含め、他の水素分離プレートも同様の構成である。
【0027】
流路プレートおよび水素分離プレートの縦通孔32,42は、積層時にほぼ一致する位置および形状で設けられている。積層時には、これらの縦通孔32,42によって、改質ガスおよびパージガスを積層方向に流通されるための流路が形成される。図中に矢印で示す通り、改質ガスおよびパージガスは、積層方向に流れつつ、各流路プレートで枝分かれして、面内方向にも流れる。これらのガスは、最終的には、エンドプレート20に対向するエンドプレートにおいて排出口から排出される。
【0028】
本実施例において、エンドプレート、流路プレート、水素分離プレートは、それぞれ拡散接合によって接合される。拡散接合を用いることにより、各プレートの接合加工を比較的簡素化することができるとともに、各プレート間の耐熱性および耐腐食性を容易かつ安定して保つことができる。
【0029】
流路プレートは、図3に示したほぼ全面において、他のプレートと接合される。水素分離プレートは、図中の水素分離部44を除く領域において他のプレートと接合される。このように他のプレートと接合される部分を、プレートの種類を問わず、以下、接合部と呼ぶものとする。
【0030】
C.水素分離プレートの詳細構造:
水素分離プレートは、バナジウムを基材として構成されている。バナジウムに代えて、ニオブ、タンタルなどの5族金属または5族金属合金を用いるものとしてもよい。水素分離プレートの厚さは、適宜設定可能であるが、単体である程度形状を維持することができる自立膜として構成するためには、10μm以上とすることが好ましい。一方、十分な水素透過性を確保可能な程度に薄くすることを併せて考慮すれば、水素分離プレートは、20〜40μmとすることがより好ましい。なお、水素分離プレートの接合部には、補強のために100μm程度の補強部材を貼付するものとしてもよい。
【0031】
水素分離部には、基材の表面にパラジウムまたはパラジウム合金などの水素透過性を有する金属が被覆されている。この被覆は、例えば、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)等により形成することができる。
【0032】
一般に5族金属または5族金属合金は、パラジウム等よりも非常に高い水素の選択透過性を有するものの、酸化しやすいため、酸化被膜により水素の透過性が損なわれるという性質を有している。本実施例では、パラジウム等で基材表面を被覆することにより、酸化被膜の形成を抑制しつつ、高い水素透過性を実現することができる。また、水素透過性に優れる部材を基材とすることにより、十分な水素透過性を確保したまま水素分離プレートの厚さを確保でき、強度を向上することができる利点もある。
【0033】
水素分離プレートの接合部は、基材のままとしてもよいが、その表面を金属で被覆するものとしてもよい。かかる金属としては、例えば、チタン、銅およびアルミニウムなどを用いることができる。特に、熱膨張係数が5族金属または5族金属合金に近く、熱応力を抑制することができるという点でチタンを用いることが好ましい。このように接合部に被膜を設けることにより、この部分の酸化および水素脆化を防ぐことができる利点がある。
【0034】
D.流路プレートの詳細構造:
流路プレートは、水素分離プレートと同じ材質で形成されている。本実施例では、バナジウムを用いるものとした。水素分離プレートと同質の材料を用いることにより、拡散接合の容易化、安定化を図ることができる。
【0035】
流路プレートは、先に説明した通り、面内のガス流路を形成する部材である。この流路の断面積は、流路プレートの厚さに依存する。流路プレートを薄くすれば、流路の断面積が小さくなり、ガスが流れる際の圧損が増大する。一方、流路プレートを薄くすれば、水素分離装置の小型化を図ることができる。流路プレートの厚さは、これらの両面を考慮して、適宜設定することができ、例えば100μm〜1mm、好ましくは200μm〜500μmの範囲に設定することができる。
【0036】
流路プレートの接合部は、基材のままとしてもよいが、水素分離プレートと同様、チタン、銅、アルミニウムなどの被膜を設けても良い。この場合でも、水素分離プレートに形成された被膜と同じ材料を用いることが好ましい。
【0037】
E.エンドプレートの詳細構造:
エンドプレートは、水素分離プレートと同じ材質で形成されている。本実施例では、バナジウムを用いるものとした。水素分離プレートと同質の材料を用いることにより、拡散接合の容易化、安定化を図ることができる。エンドプレートは、強度を確保するため、1mm程度の厚さとすることが好ましい。
【0038】
流路プレートと接合する側の面は、基材のままとしてもよいが、流路プレート等と同様、チタン、銅、アルミニウムなどの被膜を設けても良い。この場合でも、流路プレートに形成された被膜と同じ材料を用いることが好ましい。
【0039】
エンドプレートには、改質ガスおよびパージガスの流入口および排出口用の配管が接合される。これらの配管はステンレス等で形成することができ、エンドプレートとの接合は、ロウ付け、溶接など種々の接合方法によって行うことができる。
【0040】
本実施例では、流路プレートとの接合の容易性、耐熱性および耐腐食性を考慮してエンドプレートの材質をバナジウムとしたが、配管との接合容易性を考慮して、配管と同質の素材、例えばステンレス等で形成してもよい。この場合でも、エンドプレートと流路プレートとの接合に拡散接合を用いることも可能ではあるが、接合の容易化、安定化の観点から、ロウ付けを適用することがより好ましい。エンドプレートをステンレスで形成する場合には、流路プレート等にパラジウム、チタンなど、ステンレスと5族金属または5族金属合金との中間の熱膨張係数を有する金属の被膜を施すことが好ましい。こうすることにより、エンドプレートと流路プレートの間の熱応力を緩和することができる。
【0041】
F.水素分離装置の製造方法:
水素分離装置10は、次の製造工程によって製造することができる。まず、エンドプレート、流路プレート、水素分離プレートの各板状部材を用意する。各板状部材には、図3に示した孔を形成する。この孔は、例えば、エッチング、放電加工(例えばワイヤカット)、レーザ加工、プレス加工などによって形成することができる。水素分離プレートには、水素分離部にパラジウムまたはその合金の被膜を形成する。
【0042】
各部材には、バナジウム等の酸化しやすい素材を用いるため、上記加工は、不活性ガスなど、酸化を生じない環境下で行うことが望ましい。または、先に説明した通り、接合部にチタン等の被膜を形成しておくことが望ましい。
【0043】
こうして形成されたそれぞれの板状部材を、図3に示した順序、向きで積層し、加熱および加圧を行って、拡散接合する。更に、エンドプレートには、流入口および排出口の配管をロウ付けする。
【0044】
以上で説明した実施例の水素分離装置10によれば、薄板状の各プレートの積層構造を適用することにより、装置全体の小型化を図ることができる。また、水素分離部の面積を有効活用し、透過性能を向上することができる。本実施例では、接合部を避けて水素分離部にパラジウム等の被膜を施すため、貴金属の使用量を抑制することができる利点もある。
【0045】
水素分離プレートは、水素透過性に優れる5族金属または5族金属合金を基材とし、その表面をパラジウム等で被覆しているため、高い水素透過性能を確保しつつ、自立膜として形成することができる。水素分離プレートを自立膜として形成することにより、装置の製造が比較的容易となる利点がある。また、流路プレートおよび水素分離プレートをともに5族金属または5族金属合金で形成することにより、装置全体の熱膨張係数を均一化することができるため、熱応力を緩和することができる利点もある。
【0046】
G.変形例:
本実施例では、図3に示すように改質ガスおよびパージガスが交差して流れる構成とした。流路孔および縦通孔の形状および位置を調整し、両者は対向流となるよう形成してもよい。こうすることにより、水素の分離効率を更に向上することができる。
【0047】
本実施例では、改質ガスおよびパージガスの面内流路は、並列流れとなる場合を例示した。流路は、種々の構成を適用可能であり、両者が直列流れとなる流路構成としてもよい。かかる構成は、例えば、図3において、縦通孔42cなどを塞ぐことにより、容易に実現することができる。
【0048】
流路構成は、以上の例示に関わらず種々の構成が可能である。例えば、特開平6−345408記載の技術のように、積層構造の面に沿う方向にガスの供給、排出を行う流路構成に、本発明を適用してもよい。
【0049】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての水素分離装置を用いた燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】水素分離装置10の斜視図である。
【図3】水素分離装置10の一部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10…水素分離装置
20…エンドプレート
22、24…流入口
30a,50,30b…流路プレート
32,42…縦通孔
34…流路孔
40a,40b…水素分離プレート
44…水素分離部
50…流路プレート
80…燃料電池システム
82…原料タンク
84…水タンク
86…蒸発・混合部
88…改質器
90…燃料電池
92…ブロワ
Claims (4)
- 水素を含有する水素含有気体から水素の抽出を行う水素分離装置であって、
水素を選択的に透過させる薄板状の水素分離プレートと、
前記水素分離プレートの第1の面に隣接して配設され、隣り合う前記水素分離プレートと共に、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路を形成する薄板状の第1の流路プレートと、
前記水素分離プレートの第2の面に隣接して配設され、隣り合う前記水素分離プレートと共に、前記水素分離プレートを透過して前記水素含有気体から抽出された水素が通過する水素流路を形成する薄板状の第2の流路プレートと、
を積層状に備え、
前記水素分離プレートは、基材が5族金属または5族金属合金で形成され、前記基材の両面において、前記第1および第2の流路プレートと接合する接合部には、チタン、銅およびアルミニウムの少なくとも一つを材料とする金属被膜が形成され、前記接合部を除く領域には、パラジウムまたはパラジウム合金の被膜が形成されている水素分離装置。 - 請求項1記載の水素分離装置であって、
前記第1および第2の流路プレートは、5族金属または5族金属合金で形成されている水素分離装置。 - 請求項1記載の水素分離装置であって、
前記第1および第2の流路プレートの前記水素分離プレートとの接合部には、チタン、銅およびアルミニウムの少なくとも一つを材料とする金属被膜が形成されている水素分離装置。 - 請求項1〜請求項3いずれか記載の水素分離装置であって、
前記第1および第2の流路プレート並びに前記水素分離プレートは、拡散接合によって接合されている水素分離装置。
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