JP4806867B2 - 水素抽出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水素を含有する水素含有気体から水素を抽出する水素抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素を含有するガスから水素を抽出する装置としては、水素を選択的に透過させる性質を有する金属(例えば、パラジウムあるいはパラジウム合金など)を備える水素分離膜を利用する装置が知られている。このような水素抽出装置は、例えば、燃料電池を備える燃料電池システムにおいて用いられる。
【0003】
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスを供給されて電気化学反応によって起電力を得る装置である。燃料電池システムに水素抽出装置を適用する方法としては、炭化水素系の燃料を改質して得られる改質ガス(水素リッチガス)から、水素抽出装置によって水素を抽出し、得られた水素を燃料ガスとして燃料電池に供給する構成が知られている。このような水素抽出装置では、水素分離膜の一方の面側に上記改質ガスが通過する流路を設ければ、改質ガス中の水素だけが水素分離膜を透過するため、水素分離膜の他方の面側に設けた流路中に水素を抽出することができる。
【0004】
水素分離膜を備える水素抽出装置としては、上記改質ガスなどの水素含有気体が通過する流路の層を形成する部材と、水素分離膜と、水素分離膜によって抽出された水素が通過する流路の層を形成する部材とを、複数積層したものが提案されている(例えば、特開平6−345408号公報など)。このように、水素分離膜と、水素分離膜を間に挟んで配設される2つの流路形成部材とを積層することによって、水素分離膜の表面積を装置全体でより広く確保して、水素抽出の効率を向上させることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、上記のように流路形成部材や水素分離膜を積層する際の、各部材の接続方法については充分な検討はなされていなかった。積層された各部材の端部では、部材の積層によって形成される流路同士を接続する構造や、流路の気密性を確保するための構造が必要になる。
【0006】
また、このような水素抽出装置を、燃料電池と共に車載し、燃料電池を車両の駆動用電源として用いる場合のように、装置を設置可能となるスペースに制限がある用途に用いる場合には、さらなる小型化が望まれる。複数の部材間を接続して気密性を確保する構成としては、部材間にガスケット等のシール部材を配設する方法などが知られているが、より小型化可能な水素抽出装置の具体的な構成が望まれていた。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、水素抽出装置のさらなる小型化を可能とするような、水素抽出装置を構成する部材間の接続に関わる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、水素を含有する水素含有気体から水素の抽出を行なう水素抽出装置であって、
水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜を備える金属製の薄板状部材である水素分離部材と、
前記水素分離部材の第1の面と第2の面とにそれぞれ隣接して配設された金属製の薄板状部材であって、隣り合う前記水素分離部材と共にガスの流路を形成する流路部材と
を備え、
前記水素分離部材と前記流路部材との間は、拡散接合またはろう付けにより接合されており、
各々の前記水素分離部材の前記第1の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路であり、
各々の前記水素分離部材の前記第2の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素分離膜を透過して前記水素含有気体から抽出された水素が通過する水素流路であり、
前記水素分離部材は、第1の穴部および第2の穴部を有し、
前記第1の穴部は、前記水素分離部材の前記第1の面側に形成される前記水素含有気体流路と連通し、前記第2の穴部は、前記水素分離部材の前記第2の面側に形成される前記水素流路と連通しており、
前記流路部材のうち、前記水素分離部材と共に前記水素含有気体流路を形成する第1の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第2の穴部に対応する位置に設けられた第3の穴部を有すると共に、前記水素分離部材と共に前記水素流路を形成する第2の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第1の穴部に対応する位置に設けられた第4の穴部を有し、
前記水素抽出装置全体として、前記水素分離部材が有する前記第1の穴部と前記第2の流路部材が有する前記第4の穴部とによって、前記水素含有気体流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素含有気体流路を導く流路が形成され、前記水素分離部材が有する前記第2の穴部と前記第1の流路部材が有する前記第3の穴部とによって、前記水素流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素を導く流路が形成されていることを要旨とする。
【0009】
以上のように構成された本発明の水素抽出装置によれば、流路を形成するための板状部材を強度に優れた金属によって形成するため、流路を形成する部材をより薄くすることが可能となり、このような薄板状部材を積層した装置全体を薄型化、小型化することができる。さらに、このような金属製の薄板状部材を積層する際に、各部材間を、母材の溶融を伴わない接合方法により接合するため、流路を形成する部材の厚さを、溶融することを見込んで設定する必要が無く、装置全体をより薄型化することが可能となる。また、本発明の水素抽出装置によれば、前記水素含有気体流路と、これに対して前記水素含有気体を分配する流路とを接続するための構造、あるいは、前記水素流路と、これを通過した水素が合流する流路とを接続するための構造を、特別に設ける必要がない。そのため、製造工程を簡素化すると共に、水素抽出装置の形状の複雑化を抑えることができる。
【0011】
本発明の水素抽出装置において、前記水素分離部材は、水素を選択的に透過させる性質を有する金属箔からなることとしても良い。このように、水素分離部材を金属箔によって形成することで、水素分離部材をより薄くすることができ、水素抽出装置全体をより薄型化することが可能となる。
【0012】
あるいは、本発明の水素抽出装置において、前記水素分離部材は、薄板状の金属製多孔質体上に、水素を選択的に透過させる性質を有する金属を成膜したものであることとしても良い。このような構成とすれば、水素分離部材の強度を向上させることができる。
【0013】
本発明の水素抽出装置において、
前記流路部材は、前記流路を形成するための穴部であるガス流路穴部を備え、前記流路は、前記流路部材の前記ガス流路穴部の内側面と、該流路部材を挟持する2枚の前記水素分離膜部材が備える前記水素分離膜の一部とを、壁面として備えることとしても良い。
【0014】
このような構成とすれば、流路部材の厚さとしては、ガス流路断面の径に対応する厚さを確保すれば良く、流路部材をより薄くすることが可能となる。
【0015】
このような本発明の水素抽出装置において、前記ガス流路孔の内側面は、前記流路部材を、エッチング、放電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少なくとも一つによって形成されたものであることとしても良い。
【0016】
エッチング、放電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少なくとも一つによって加工を行なうことで、複雑な機械加工が不要となる。したがって、製造が容易となり、製造工程を簡素化することができる。
【0019】
このような本発明の水素抽出装置において、
前記第1の流路部材が形成する前記水素含有気体流路は、前記第1の流路部材の一端の近傍から対向する他端の近傍まで延びる第1のガス流路穴部によって形成されており、
前記第2の流路部材が形成する前記水素流路は、前記第2の流路部材の一端の近傍から対向する他端の近傍まで延びる第2のガス流路穴部によって形成されており、
前記第1のガス流路穴部の一方の端部は、前記第1の流路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の穴部と連通すると共に、前記第1のガス流路穴部の他方の端部は、前記第1の流路部材の他方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の穴部と連通し、
前記第2のガス流路穴部の一方の端部は、前記第2の流路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第2の穴部と連通すると共に、前記第2のガス流路穴部の他方の端部は、前記第2の流路部材の他方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第2の穴部と連通していることとしても良い。
【0020】
本発明の水素抽出装置において、
前記水素流路には、前記水素含有気体に比べて水素濃度が充分に低いパージガスが供給されることとしても良い。
【0021】
パージガスを供給することによって、水素含有気体から抽出された水素を直ちに水素抽出装置から排出することができる。したがって、水素流路側の水素濃度を常に充分に低く保ち、水素抽出の効率を高く維持することができる。
【0022】
なお、本発明は、他にも種々の形態で実施可能である。例えば、水素抽出装置の製造方法、あるいは、水素抽出装置を備える燃料電池システムとして実施することができる。本発明の燃料電池システムは、水素を含有するガスと酸素を含有するガスの供給を受け、前記ガスを利用した電気化学反応によって起電力を得る燃料電池を備える燃料電池システムであって、以上の水素抽出装置を備え、該水素抽出装置が抽出した水素を、前記電気化学反応に利用することを要旨とする。以上のように構成された本発明の燃料電池システムによれば、本発明の水素抽出装置を備えるため、燃料電池システム全体をよりコンパクトにすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例の水素抽出装置10の構成:
B.水素抽出装置10におけるガスの流れ:
C.水素抽出装置10の製造方法:
D.燃料電池装置への適用:
E.第2実施例の水素抽出装置110の構成:
F.第3実施例の水素抽出装置210の構成:
G.変形例:
【0024】
A.第1実施例の水素抽出装置10の構成:
本発明の好適な一実施例である水素抽出装置10の外観を表わす斜視図を図1に示す。本実施例の水素抽出装置10は、燃料電池システムに備えられ、炭化水素系燃料を改質して得られる改質ガスから水素を抽出する。水素抽出装置10が抽出した水素は、燃料ガスとして、上記燃料電池システムが備える燃料電池に供給される。燃料電池システムの構成については後に説明する。図1に示すように、水素抽出装置10は、略同一形状の正方形の薄板状部材を複数積層した構造を有している。図2は、水素抽出装置10を構成する板状部材のうち、水素抽出装置10の上端部(図1においてAと表わした部分)に配設された6枚の板状部材の様子を表わす分解斜視図である。
【0025】
水素抽出装置10は、その上端および下端に配設される端部プレート20と、改質ガスの流路を形成する改質ガス流路プレート30と、水素分離膜によって形成される水素分離プレート40と、抽出された水素がパージガスと共に流れるパージガス流路を形成するパージガス流路プレート50とを備える。パージガスについては後に説明する。図2に示すように、端部プレート20に隣接して、改質ガス流路プレート30a、水素分離プレート40a、パージガス流路プレート50a、水素分離プレート40b、改質ガス流路プレート30b、の順に配設されている。なお、改質ガス流路プレート30aと改質ガス流路プレート30bとは同じものであり、水素分離プレート40aと水素分離プレート40bとも同じものである。図2では、積層の順序を区別するためにa、bの符号を付した。また、各板状部材は、それぞれ所定の位置に所定の形状の穴部を備えているが、各板状部材は、その積層される順序によって、各板状部材が配設される際の向きが定まる。各板状部材を所定の順序で所定の向きに配設することで、水素抽出装置10内では、改質ガスの流路とパージガスの流路とが所望の形状に形成される。
【0026】
端部プレート20は、穴部として、水素抽出装置10に対して供給される改質ガスを水素抽出装置10内に導くための改質ガス導入孔22と、水素抽出装置10に対して供給されるパージガスを水素抽出装置10内に導くためのパージガス導入孔24とを備えている。後述するように、水素抽出装置10を製造する際には、水素抽出装置10を構成する各板状部材を所定の順序で積層して、これらに押圧力を加える。端部プレート20は、このような押圧力が加えられたときに充分な強度を確保するために、また、水素抽出装置10に対して改質ガスあるいはパージガスを給排する配管と接続するために、他の板状部材に比べて厚く形成されている。本実施例では端部プレート20は、ステンレス鋼によって形成されている。
【0027】
図3は、改質ガス流路プレート30の外観を表わす説明図である。改質ガス流路プレート30は、穴部として、改質ガスの流路を形成する改質ガス流路孔32と、パージガスの流路を形成するパージガス通過孔34とを備えている。改質ガス流路孔32は、改質ガス流路プレート30の中央部に、広く長方形型に形成された穴部である。水素抽出装置10内では、改質ガス流路孔32は、隣接する水素分離プレート40との間で、各板状部材の積層方向に垂直な方向に改質ガスが流れる改質ガス流路を形成する。パージガス通過孔34は、改質ガス流路プレート30の一辺と、改質ガス流路孔32との間に形成された細長い長方形状の穴部である。このパージガス通過孔34は、水素抽出装置10内において、各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガスが流れるパージガス流路を形成する。本実施例では、改質ガス流路プレート30は、ステンレス鋼によって形成されている。
【0028】
図4は、水素分離プレート40の外観を表わす説明図である。水素分離プレート40は、穴部として、ガスの流路を形成するガス通過孔44,46を備えている。ガス通過孔44,46は、水素分離プレート40の互いに隣接する2辺のそれぞれに沿って形成された細長い長方形状の穴部である。これらのガス通過孔44,46は、水素抽出装置10内において、各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガスあるいは改質ガスが流れるガス流路を形成する。また、本実施例の水素分離プレート40は、水素を選択的に透過させる性質を有するパラジウム箔として形成されている。水素分離プレート40においては、隣接する改質ガス流路プレート30が備える改質ガス流路孔32と、隣接するパージガス流路プレート50が備える後述するパージガス流路孔とが、重なる領域において、水素分離が行なわれる。このように水素分離が行なわれる領域である水素分離部41を、図4に2点鎖線で囲んで示す。
【0029】
図5は、パージガス流路プレート50の外観を表わす説明図である。パージガス流路プレート50は、穴部として、パージガスの流路を形成するパージガス流路孔54と、改質ガスの流路を形成する改質ガス通過孔56とを備えている。パージガス流路孔54は、パージガス流路プレート50の中央部に、広く長方形型に形成された穴部である。水素抽出装置10内では、パージガス流路孔54は、隣接する水素分離プレート40との間で、各板状部材の積層方向に垂直な方向にパージガスが流れるパージガス流路を形成する。改質ガス通過孔56は、パージガス流路プレート50の一辺とパージガス流路孔54との間に形成された細長い長方形状の穴部である。この改質ガス通過孔56は、水素抽出装置10内において、各板状部材の積層方向に平行な方向に改質ガスが流れる改質ガス流路を形成する。本実施例では、パージガス流路プレート50は、ステンレス鋼によって形成されている。
【0030】
上記した各板状部材を積層する際に、端部プレート20に隣接する改質ガス流路プレート30aは、パージガス通過孔34が、端部プレート20が備えるパージガス導入孔24に重なるような向きに配設される(図2参照)。このとき、改質ガス流路プレート30aの改質ガス流路孔32の一方の端部は、端部プレート20が備える改質ガス導入孔22と重なる(図3参照)。
【0031】
上記改質ガス流路プレート30aに隣接する水素分離プレート40aは、ガス通過孔44が、端部プレート20のパージガス導入孔24および、改質ガス流路プレート30aのパージガス通過孔34に重なるような向きに、配設される(図2参照)。このとき、ガス通過孔46は、上記改質ガス流路プレート30aの改質ガス流路孔32の一方の端部と重なる(図3参照)。なお、ガス通過孔46と改質ガス導入孔22とは、改質ガス流路孔32の対向する辺の位置にそれぞれ存在する。この水素分離プレート40aにおいては、ガス通過孔44は、各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガスが流れるパージガス流路を形成する。また、ガス通過孔46は、各板状部材の積層方向に平行な方向に改質ガスが流れる改質ガス流路を形成する。
【0032】
上記水素分離プレート40aに隣接するパージガス流路プレート50は、改質ガス通過孔56が、水素分離プレート40aが備えるガス通過孔46に重なるような向きに配設されている。このとき、パージガス流路プレート50のパージガス流路孔54の一方の端部は、水素分離プレート40aが備えるガス通過孔44と重なる(図5参照)。
【0033】
第2の水素分離プレート40bは、ガス通過孔44が、パージガス流路プレート50が備える改質ガス通過孔56に重なるような向きに配設される。このとき、ガス通過孔46は、上記パージガス流路プレート50のパージガス流路孔54の一方の端部と重なる(図5参照)。なお、水素分離プレート40bのガス通過孔46と水素分離プレート40aのガス通過孔44とは、パージガス流路孔54の対向する辺の位置にそれぞれ存在する。この第2の水素分離プレート40bにおいては、ガス通過孔44は、各板状部材の積層方向に平行な方向に改質ガスが流れる改質ガス流路を形成する。また、ガス通過孔46は、各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガスが流れるパージガス流路を形成する。
【0034】
このように、水素抽出装置10全体では、積層される各水素分離プレート40間に、改質ガス流路プレート30とパージガス流路プレート50とが交互に配設される。このとき、改質ガス流路プレート30あるいはパージガス流路プレート50を間に配して隣り合う水素分離プレート40同士は、図2に示した端部プレート20側から順に、図2において時計回りで表わされる向きに、互いに90度ずつ回転する位置関係となるように積層される。
【0035】
また、改質ガス流路プレート30は、2枚の水素分離プレート40と1枚のパージガス流路プレート50とを配設しつつ、互いに180度ずつ回転する位置関係となるように順次積層される(図2参照)。同様に、パージガス流路プレート50は、2枚の水素分離プレート40と1枚の改質ガス流路プレート30とを配設しつつ、互いに180度ずつ回転する位置関係となるように順次積層される。
【0036】
B.水素抽出装置10におけるガスの流れ:
水素抽出装置10における改質ガスおよびパージガスの流れの様子を、図2において矢印で示した。水素抽出装置10に供給される改質ガスは、端部プレート20が備える改質ガス導入孔22を介して内部に導入される。水素抽出装置10内では、改質ガスは、改質ガス流路プレート30が備える改質ガス流路孔32が形成する改質ガス流路内を通過しつつ、改質ガス流路プレート30に隣接する水素分離プレート40による水素分離に供される。各々の改質ガス流路孔32が形成する改質ガス流路間では、改質ガス流路プレート30間に配設されるプレートが備える既述したガス通過孔44,46および改質ガス通過孔56が形成する改質ガス流路によって、改質ガスが導かれる。このとき、改質ガス流路孔32が形成する改質ガス流路を通過する際の改質ガスの向きは、隣り合う改質ガス流路プレート30間では互いに対向する向きとなる(図2参照)。
【0037】
同様に、水素抽出装置10に供給されるパージガスは、端部プレート20が備えるパージガス導入孔24を介して内部に導入される。水素抽出装置10内では、パージガスは、パージガス流路プレート50が備えるパージガス流路孔54が形成するパージガス流路内を通過しつつ、パージガス流路プレート50に隣接する水素分離プレート40によって抽出された水素が導入される。各々のパージガス流路孔54が形成するパージガス流路間では、パージガス流路プレート50間に配設されるプレートが備える既述したガス通過孔44,46およびパージガス通過孔34が形成するパージガス流路によって、パージガスが導かれる。このとき、パージガス流路孔54が形成するパージガス流路を通過する際のパージガスの向きは、隣り合うパージガス流路プレート50間では互いに対向する向きとなる。
【0038】
図2では、改質ガスおよびパージガスが導入される側に配設された端部プレート20を示したが、水素抽出装置10におけるもう一方の端部にも、同様の端部プレート20が配設されている。このもう一方の端部に設けられた端部プレート20にも、改質ガス導入孔22およびパージガス導入孔24と同様の2つの穴部が設けられている。これら2つの穴部のうち、一方の穴部は、水素抽出装置10内の改質ガス流路を通過しつつ水素が分離された改質ガスを外部に導く。そしてもう一つの穴部は、水素抽出装置10内のパージガス流路を通過しつつ分離された水素が混合されたパージガスを外部に導く。
【0039】
なお、パージガスとは、水素分離膜による水素抽出の効率を向上させるために、抽出された水素が流入する側の流路に供給するガスを指す。すなわち、水素抽出装置10では、パージガス流路にパージガスを流して、水素分離膜を透過して改質ガスから抽出された水素をパージガスによって運び去ることによって、パージガス流路側における水素濃度を常に低く抑え、水素抽出の効率の確保を図っている。パージガスとしては、水素抽出装置10から取り出した水素を用いる後の工程で不都合を生じない気体であって、充分に水素濃度が低い気体を、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0040】
C.水素抽出装置10の製造方法:
図6は、水素抽出装置10の製造工程の概略を表わす説明図である。水素抽出装置10を製造する際には、まず、水素抽出装置10を構成する既述した各板状部材を用意する(工程S100)。すなわち、ステンレス板あるいはパラジウム箔においてそれぞれ所定の形状の穴部を形成すると共に、略同一形状の四角形に成形して、端部プレート20、改質ガス流路プレート30、パージガス流路プレート50および水素分離プレート40として用意する。ここで、各板状部材に対して所定の形状の穴部を形成する動作は、本実施例では、エッチングによって行なった。エッチングとは、金属表面に耐食性を有する所定の形状のマスキングを施した上で、マスキングしていない部分を腐食液によって溶解させることで所望の形状を得る加工方法である。
【0041】
次にこれらの板状部材を、既述した所定の順序、所定の向きとなるように積層する(工程S110)。その後、積層したこれらの板状部材に対して、加熱および加圧を行なって、隣接する板状部材間を拡散接合によって接合し(工程S120)、水素抽出装置10を完成する。この水素抽出装置10を実際に動作させる際には、さらに、水素抽出装置10に対して改質ガスおよびパージガスを給排するための配管との接続を行なう。
【0042】
拡散接合とは、接合したい金属部材同士を、融点よりも低い温度で加熱・加圧し、原子の拡散を利用して接合する方法である。接触面では、接合しようとする双方の金属が相互に拡散し合い、両者が一体化する。また、この拡散接合によれば、異種金属間の接合も、容易に行なうことができる。本実施例では、板状部材を積層した後に加熱および加圧を行なって、隣接する板状部材間の接触面を、拡散接合により接合している。
【0043】
以上のように構成された本実施例の水素抽出装置10によれば、金属製の薄板状部材を積層することによって構成されているため、装置全体を薄型化、小型化することができる。すなわち、ガス流路を形成するための部材として、強度に優れた金属板を用いることで、流路を形成するための部材をより薄くすることが可能となる。したがって、積層型の水素抽出装置において、これが備える水素分離膜の総面積(水素分離プレートの枚数)を一定としたときに、装置全体をより薄型化することができる。
【0044】
さらに、このような金属製の薄板状部材を積層する際に、各部材間の接合を、拡散接合によって行なうため、装置全体をより薄型化することが可能となる。拡散接合は、溶接のような接合方法とは異なり、母材の溶融を伴わない接合方法であるため、母材が溶融することを見込んで母材の厚さを設定する必要がない。したがって、接合の母材である薄板状部材を、接合のために厚くする必要が無く、装置全体を充分に薄型化することが可能となる。ここで、拡散接合は、接合のために、母材間に母材以外の部材を介在させることがないため、接合によって装置全体の厚さが増すこともない。
【0045】
水素抽出装置10内のガス流路を形成する金属製の薄板状部材、すなわち改質ガス流路プレート30およびパージガス流路プレート50を、より薄く形成することによって、水素抽出装置10内に形成されるガス流路の流路断面積を、より小さくすることができる。このように、流路断面積が小さくなるほど、水素抽出装置10に供給されるガス流量が一定のときには、流路内でのガスの流速が速くなる。水素抽出装置10が備える水素分離膜の総面積が一定であれば、水素分離膜に接して設けられたガス流路におけるガスの流速が速いほど、水素分離膜を水素が透過して抽出される速度は速くなる。したがって、ガス流路を形成する薄板上部材をより薄くすることによって、水素抽出装置10全体での水素抽出の効率を向上させることができる。
【0046】
なお、ガス流路を形成する薄板状部材をより薄くしてガス流路断面積をより小さくすると、それに伴って、ガス流路内をガスが通過する際の圧損も増大する。したがって、ガス流路を形成する薄板状部材の厚さは、流路断面積が小さくなって流速が速まることによる効果、および装置全体が小型化できる効果と、圧損が大きくなることによる影響とを考慮して、適宜設定すればよい。改質ガス流路プレート30およびパージガス流路プレート50の厚さとしては、これらのバランスを考慮して、例えば100μm〜1mm、好ましくは200μm〜500μmの範囲に設定することができる。
【0047】
水素分離プレート40は、本実施例ではパラジウム箔、すなわち金属製の自立膜(その金属のみで形成されている膜)によって形成したため、水素分離プレート40をより薄くすることができ、水素抽出装置10全体をより小型化することができる。このような水素分離プレート40の厚さは、積層部材としての強度や、水素透過の効率などを考慮して適宜設定すればよい。例えば、水素分離プレート40の厚さは、20〜25μmとすることができる。あるいは、パラジウム箔における水素透過性をより充分に確保するために、より薄く、例えば1μm程度とすることとしても良いが、水素分離プレート40を自立膜である金属箔によって形成する場合には、10μm以上の厚さとすることが強度上望ましい。この説明からも理解できるように、本明細書において「薄板状部材」とは、1μm〜数10μmの厚さの箔状の部材も含んでいる。また、水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜として、パラジウム以外の金属箔を用いることもできる。例えば、バナジウム、ニオブ、タンタル等、より水素の選択透過性に優れた金属によって水素分離プレート40を構成することができる。水素の選択透過性が充分に高ければ、水素分離プレート40の厚さを上記した数値以上に厚くして、より充分な強度を確保することとしても良い。また、金属箔によって形成される水素分離プレート40を、水素の選択透過性を有する複数種の金属によって構成することとしても良い。
【0048】
また、本実施例では、ガス流路を形成する金属製の薄板状部材(改質ガス流路プレート30およびパージガス流路プレート50、さらに端部プレート20)を、ステンレス鋼によって形成することとしたが、他種の金属によって形成することとしても良い。充分な強度を有し、エッチングなどの方法によって充分な精度で成形可能であって、拡散接合によって水素分離プレート40と接合可能であればよい。例えば、バナジウムのように、水素分離プレート40を構成する金属と熱膨張率がより近い金属によって上記薄板状部材を構成すれば、水素抽出装置10の強度および耐久性をより向上させることができる。
【0049】
水素抽出装置10を構成する板状部材をより薄い金属板によって形成すると共に、これらの板状部材を拡散接合によって接合して、水素抽出装置10全体をより小型化することによって、水素抽出装置10の熱容量をより小さくすることができる。水素抽出装置10の熱容量がより小さくなることで、水素抽出装置10の起動時に、暖機に要するエネルギを削減することができる。
【0050】
また、本実施例では、施す加工が穴開けのみであるため、複雑な機械加工が不要となり、製造工程を簡素化して、精度良く、所望の形状の加工を行なうことができる。本実施例では、このような穴開け加工をエッチングにより行なっている。エッチングは、形成される切断面の状態が良好な加工方法であり、また加工時に加わる熱によって変形が生じたり、加工に伴って切断面が酸化するおそれがなく、薄い金属板を用いる際に高精度な加工が可能となる優れた方法である。さらに、エッチングは、加工のための高価な金型が不要であり、製造コストを抑えることができる。
【0051】
さらに、本実施例では、各薄板状部材を接合するのに拡散接合を用いているため、薄板状部材を積層した後に、拡散接合を行ないつつ全体を一体化することができる。したがって、製造工程をより簡素化することができる。なお、水素抽出装置10において、すべての部材を拡散接合によって接合する必要はない。少なくともその一部において拡散接合によって接合することとすれば、水素抽出装置10を小型化する効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施例の水素抽出装置10によれば、改質ガス流路孔32が形成する流路に対して改質ガスを給排する流路、あるいはパージガス流路孔54が形成する流路に対してパージガスを給排する流路を、各板状部材に設けた穴部によって形成している。したがって、水素分離膜に接するように設ける流路に対してガスを給排するために、これらの流路とマニホールドとの間を接続するための特別な構造を設ける必要が無く、水素抽出装置10全体をコンパクト化することができる。
【0053】
D.燃料電池装置への適用:
既述したように、本実施例の水素抽出装置10は、燃料電池システムにおいて用いられる。以下に、本実施例の水素抽出装置10を備える燃料電池システムの構成について説明する。図7は、上記実施例の水素抽出装置10を備える燃料電池システムの一例である燃料電池システム80の構成の概略を表わす説明図である。燃料電池システム80は、改質燃料を貯蔵する燃料タンク82、水を貯蔵する水タンク84、改質燃料および水の昇温と混合を行なう蒸発・混合部86、改質反応を促進する改質触媒を備える改質器88、水素抽出装置10、燃料電池90、ブロワ92を主な構成要素としている。
【0054】
燃料タンク82が貯蔵する改質燃料は、改質器88で進行する改質反応に供されるものであり、この改質燃料としては、ガソリンなどの液体炭化水素や、メタノールなどのアルコールやアルデヒド類、あるいは天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を選択することができる。蒸発・混合部86は、燃料タンク82から供給される改質燃料および水タンク84から供給される水を気化・昇温させると共に両者を混合するための構造である。
【0055】
蒸発・混合部86から排出された改質燃料と水との混合ガスは、改質器88において改質反応に供されて改質ガス(水素リッチガス)を生成する。ここで、改質器88には、用いる改質燃料に応じた改質触媒が備えられており、この改質燃料を改質する反応に適した温度となるように、改質器88の内部温度が制御される。また、改質器88で進行する改質反応は、水蒸気改質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたものなど種々の態様を選択することができ、改質触媒は、このように改質器88内で進行させる改質反応に応じたものを選択すればよい。
【0056】
改質器88で生成された改質ガスは、既述した水素抽出装置10の端部プレート20が備える改質ガス導入孔22を介して、水素抽出装置10内の改質ガス流路に供給されて、この改質ガスから水素が分離・抽出される。抽出された水素は、水素抽出装置10内のパージガス流路から排出されて、燃料電池90のアノード側に対して燃料ガスとして供給される。また、燃料電池90のカソード側に対しては、ブロワ92から圧縮空気が酸化ガスとして供給される。これら燃料ガスおよび酸化ガスを利用して、燃料電池90では電気化学反応によって起電力が生じる。
【0057】
なお、図7では、燃料電池システムとしての主要な構成要素を示したが、上記したように改質燃料としては種々のものが選択可能であり、用いる改質燃料に応じて燃料電池システム80の構成は適宜変更すればよい。例えば、用いる改質燃料が硫黄分を含有する場合には、蒸発・混合部86に先立って脱硫器を設けて改質燃料の脱硫を行なうこととすればよい。また、改質器88と水素抽出装置10との間にさらに、改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置を設けることとしても良い。改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置としては、例えば、一酸化炭素と水蒸気とから二酸化炭素と水素を生じるシフト反応を促進するシフト触媒を備えるシフト部や、改質ガス中の一酸化炭素を優先的に酸化する一酸化炭素選択酸化反応を促進するCO選択酸化触媒を備えるCO選択酸化部などを挙げることができる。
【0058】
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム80によれば、水素抽出装置10において、改質器88で生成した改質ガスから水素を抽出して、これを燃料電池90に対して燃料ガスとして供給するため、一酸化炭素などの不純物の含有量が極めて低い燃料ガスを燃料電池90に供給することができ、燃料電池90における発電性能を安定して維持することができる。また、水素抽出装置10は、既述したように、改質ガスからの水素の抽出に関わる水素分離膜の面積を充分に確保しつつ、全体をコンパクトに構成することが可能であるため、燃料電池システム80全体をよりコンパクトにすることが可能となる。
【0059】
なお、既述した実施例では、水素を抽出する際にパージガスを用いて水素抽出の効率の向上を図ったが、燃料電池システム80が備える水素抽出装置10においては、燃料電池90に供給したときに電気化学反応に不都合を生じないガスをパージガスとして選択すればよい。例えば、所定の蒸発器を用いて水を気化して水蒸気を生成し、これをパージガスとしてパージガス流路に供給することとしてもよい。あるいは、燃料電池システム80を構成する種々の部材から排出されるガスをパージガスとして用いる構成も可能である。例えば、電気化学反応に供された後に燃料電池90のアノード側から排出されるアノードオフガスをパージガスとして用いることが可能である。あるいは、水素抽出装置10において水素の抽出が行なわれた後に水素抽出装置10から排出される残余の改質ガスについてさらに一酸化炭素濃度の低減を行なったガスを、パージガスとして用いることとしても良い。
【0060】
E.第2実施例の水素抽出装置110の構成:
図8は、第2実施例の水素抽出装置110の構成を表わす説明図である。第2実施例の水素抽出装置110は、第1実施例の水素抽出装置10と同様に、略同一形状の四角形の金属製板状部材を積層することによって構成され、図1に示した水素抽出装置10と同様の外観を有している。図8は、図2と同様に、水素抽出装置110を構成する板状部材のうち、一方の端部側に配設された6枚の板状部材の様子を表わす分解斜視図である。既述したように、第1実施例の水素抽出装置10では、水素分離プレート40に平行な層状に形成される改質ガスの流路あるいはパージガスの流路は、各流路が順次直列に接続されている。これに対して、第2実施例の水素抽出装置110では、水素分離プレート40に平行な層状に形成される改質ガスの流路あるいはパージガスの流路は、各流路が互いに並列に接続されている。
【0061】
水素抽出装置110は、端部プレート20、改質ガス流路プレート30,170、水素分離プレート140,160、パージガス流路プレート150を備えている。各プレートは、第1実施例の水素抽出装置10と同様の金属材料によって形成されている。また、各プレートは、所定の位置に所定の形状の穴部を備えるが、これらの穴部は、第1実施例と同様にエッチングによって形成されている。
【0062】
端部プレート20および改質ガス流路プレート30は、第1実施例と同様の形状を有している。水素抽出装置110では、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プレートと1枚のパージガス流路プレートとを挟んで、改質ガス流路プレートが配設されている。改質ガス流路プレートとしては、端部プレート20に隣接して改質ガス流路プレート30が配設される以外は、改質ガス流路プレート170が用いられている。改質ガス流路プレート170は、改質ガス流路プレート30が備える改質ガス流路孔32と同様の改質ガス流路孔172と、パージガス通過孔34と同様のパージガス通過孔174とを備えている。さらに、上記改質ガス流路孔172を間に挟んで、パージガス通過孔174と対向する位置に、パージガス通過孔175を備えている。
【0063】
水素抽出装置110では、水素抽出装置10と同様に、間に改質ガス流路プレートあるいはパージガス流路プレートを挟んで、水素分離プレートが配設されている。水素分離プレートとしては、端部プレート20に最も近い位置に水素分離プレート140が配設される以外は、水素分離プレート160が用いられている。水素分離プレート140は、水素分離プレート40が備えるガス通過孔44,46と同様に、ガス通過孔144,146を備えると共に、さらに他の一辺に沿ってガス通過孔142を備えている。水素分離プレート160は、4辺のそれぞれに沿って、ガス通過孔162,164,166,168を備えている。
【0064】
水素抽出装置110では、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プレートと1枚の改質ガス流路プレートとを挟んで、パージガス流路プレート150が配設されている。パージガス流路プレート150は、パージガス流路プレート50が備えるパージガス流路孔54と同様のパージガス流路孔154と、改質ガス通過孔56と同様の改質ガス通過孔156とを備えている。さらに、上記パージガス流路孔154を間に挟んで、改質ガス通過孔156と対向する位置に、改質ガス通過孔152を備えている。
【0065】
これらの板状部材を積層した水素抽出装置110では、改質ガス導入孔22を介して水素抽出装置110内に導入された改質ガスは、改質ガス流路孔32,ガス通過孔142,改質ガス通過孔152,ガス通過孔162,改質ガス流路孔172が形成する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れる。また、このような積層方向に平行な流路から分岐して、改質ガス流路孔32および改質ガス流路孔172が形成する流路内を、積層方向に垂直な方向に流れつつ、水素抽出の動作に供される。水素抽出されずに残ったガスは、これら積層方向に垂直な流路から合流して、改質ガス流路孔32,ガス通過孔146,改質ガス通過孔156,ガス通過孔166,改質ガス流路孔172が形成する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れ、外部に排出される。
【0066】
同様に、パージガス導入孔24を介して水素抽出装置110内に導入されたパージガスは、パージガス通過孔34,ガス通過孔144,パージガス流路孔154,ガス通過孔164,パージガス通過孔174が形成する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れる。また、このような積層方向に平行な流路から分岐して、各パージガス流路孔154形成する流路内を、積層方向に垂直な方向に流れつつ、抽出された水素と混合される。水素が混合されたパージガスは、これら積層方向に垂直な流路から合流して、パージガス流路孔154,ガス通過孔168,パージガス通過孔175が形成する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れ、外部に排出される。
【0067】
水素抽出装置110を組み立てる際には、上記各板状部材を、その内部で上記したガス流路を形成するように、所定の向きおよび順序で積層し、拡散接合によって隣接する部材同士を接合して全体を一体化する。このような水素抽出装置110に対して、改質ガスおよびパージガスを給排するための配管を接続して、水素抽出装置110を完成する。
【0068】
以上のように構成された第2実施例の水素抽出装置110によれば、第1実施例の水素抽出装置10と同様の効果を奏することができる。すなわち、金属製の薄板状部材を積層し、拡散接合によって部材間を接合することにより、装置全体を小型化することができる。また、ガス流路の流路断面積を小さくして、ガスの流速を速めることにより、水素抽出の効率を向上させることができる。また、エッチングによって穴部を形成することにより、さらに、拡散接合によって全体を一体化することにより、製造工程を簡素化することができる。さらに、装置を小型化することで、水素抽出装置110の熱容量を小さくする効果を得ることができる。また、水素分離膜に接するように設ける流路に対してガスを給排するための流路を、各板状部材に設けた穴部によって形成しているため、装置全体をよりコンパクト化することができる。本実施例の水素抽出装置110は、第1実施例と同様に、燃料電池システム80のように水素を利用するシステムに適用することができる。
【0069】
F.第3実施例の水素抽出装置210の構成:
図9は、第3実施例の水素抽出装置210の製造工程を表わす説明図である。第3実施例の水素抽出装置210は、既述した実施例と同様に、略同一形状の四角形の金属製板状部材を積層することによって製造する。水素抽出装置210は、端部プレート220、改質ガス流路プレート230、水素分離プレート240、パージガス流路プレート250を備えている。各プレートは、既述した実施例と同様の金属材料によって形成されている。また、改質ガス流路プレート230およびパージガス流路プレート250は、所定の位置に所定の形状の穴部を備えるが、これらの穴部は、第1実施例と同様にエッチングによって形成されている。
【0070】
端部プレート220は、穴部を有しない薄板状部材である。改質ガス流路プレート230は、その中央部に、広く長方形型に形成された穴部である改質ガス流路孔232を有している。水素抽出装置210では、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プレートと1枚のパージガス流路プレートとを挟んで、改質ガス流路プレート230が配設されている。
【0071】
水素分離プレート240は、穴部を有しない薄板状部材である。水素抽出装置210では、水素抽出装置10と同様に、間に改質ガス流路プレートあるいはパージガス流路プレートを挟んで、水素分離プレート240が配設されている。
【0072】
パージガス流路プレート250は、その中央部に、広く長方形型に形成された穴部であるパージガス流路孔252を有している。水素抽出装置210では、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プレートと1枚の改質ガス流路プレートとを挟んで、パージガス流路プレート250が配設されている。
【0073】
水素抽出装置210を組み立てる際には、上記各板状部材を所定の順序で積層し、拡散接合によって隣接する部材同士を接合して全体を一体化する。このとき、改質ガス流路プレート230とパージガス流路プレート250とは、改質ガス流路孔232の長手方向と、パージガス流路孔252の長手方向とが直交する向きとなるように、配設する。本実施例では、上記板状部材を積層して拡散接合によって全体を一体化して積層体を形成した後に、この積層体を、図9中、点線で示した位置でさらに切断する。
【0074】
図10および図11は、上記積層体を切断する位置を、改質ガス流路プレート230とパージガス流路プレート250のそれぞれの平面図において表わした説明図である。また、図12は、上記した点線に示した位置で切断した後の積層体285の様子を表わす説明図である。このように、上記した点線に示した位置で切断した後の積層体285は、その4つの側面において、改質ガス流路あるいはパージガス流路が開口している。
【0075】
本実施例では、図12に示した積層体285を、ケーシング280内に収納して、水素抽出装置210を完成した。積層体285をケーシング280内に収納した水素抽出装置210の外観を図13に示す。ケーシング280には、改質ガス流路あるいはパージガス流路が開口する積層体285の4つの側面に対応して、4つのマニホールドが設けられている。図13に示す前面には、パージガスを供給するためのマニホールド292が設けられている。左側面には、改質ガスを供給するためのマニホールド294が設けられている。右側面には、水素分離が行なわれた残余の改質ガスを排出するためのマニホールド296が設けられている。また、図13では死角となる背面には、パージガスと共に抽出された水素が排出されるマニホールドが設けられている。
【0076】
積層体285と、これを収納するケーシング280との間は、給排されるガス同士が混合しないように、シーリングされている。すなわち、積層体285の上面および下面とケーシングの内壁とが接する面、および、積層体285の側面の角部とケーシング内壁とが接する部位において、所定のシール部材を排することで気密性を確保している。これによって、上記各マニホールドを介して所定のガスを給排することによって、装置内部でガスが混合することなく、改質ガスからの水素の分離を行なうことができる。
【0077】
以上のように構成された第3実施例の水素抽出装置210によれば、上記実施例の水素抽出装置10と同様の効果を奏することができる。すなわち、金属製の薄板状部材を積層し、拡散接合によって部材間を接合することにより、装置全体を小型化することができる。また、ガス流路の流路断面積を小さくして、ガスの流速を速めることにより、水素抽出の効率を向上させることができる。また、エッチングによって穴部を形成することにより、さらに、拡散接合によって全体を一体化することにより、製造工程を簡素化することができる。さらに、装置を小型化することで、水素抽出装置210の熱容量を小さくする効果を得ることができる。本実施例の水素抽出装置210は、第1実施例と同様に、燃料電池システム80のように水素を利用するシステムに適用することができる。また、本実施例の水素抽出装置210は、板状部材を積層して形成した積層体285をケーシング280内に収納しているため、改質ガスおよびパージガスの配管に関わる構造を簡素化することができる。
【0078】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0079】
E1.変形例1:
既述した実施例では、金属製の板状部材は、拡散接合によって互いに接合することとしたが、ろう付けによって接合することとしても良い。ろう付けも、拡散接合と同様に、母材の溶融を伴わない接合法である。したがって、母材である改質ガス流路プレート、パージガス流路プレートおよび水素分離プレートを、接合のためにより厚く形成する必要が無く、母材間にはろうを充分に薄く配設することによって、水素抽出装置全体をより小型化することが可能となる。
【0080】
E2.変形例2:
上記実施例では、金属製の板状部材が備える穴部は、エッチングによって形成することとしたが、放電加工(例えばワイヤカット)、レーザ加工、プレス加工によって形成することとしても良い。許容できる精度で加工が可能であればよい。
【0081】
E3.変形例3:
上記実施例では、水素分離プレートは、水素分離機能を有する金属箔からなる自立膜としたが、薄板状の多孔質基材上に水素分離機能を有する金属を成膜して水素分離プレートを形成することとしても良い。金属製の多孔質基材上に水素分離金属を成膜することで、水素分離プレートの強度を向上させることができる。このような場合にも、金属製の薄板状部材を、母材の溶融を伴わない接合方法によって接合することによる、装置の小型化の効果を奏することができる。
【0082】
ここで、多孔質基材上に水素分離金属を成膜する方法としては、種々の方法が適用可能である。例えば、上記多孔質基材上を、めっきや、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)等により水素分離金属でコーティングすればよい。あるいは、多孔質基材の細孔に上記水素分離金属を担持させることとしてもよい。このような水素分離金属の担持法としては、例えば、水素分離金属を含有した溶液に多孔質基材を浸漬する含浸担持法を挙げることができる。
【0083】
金属製の多孔質基材上に水素分離金属を成膜した水素分離プレートを用いる場合には、既述した実施例と同様に拡散接合を行なうと、接合時に加えられる加重によって多孔質基材がつぶれて、積層体の側面において充分なシール性を得ることが可能となる。あるいは、多孔質基材の周辺部におけるシール性を確保するために、実質的に水素分離機能を有しない金属を用いて、多孔質基材周辺をコートすることとしても良い。
【0084】
E4.変形例4:
また、上記実施例では、改質ガス流路プレートおよびパージガス流路プレートが備える穴部(ガス流路孔)によって、水素分離膜に接するガス流路を形成したが、ガス流路を形成するための構造(ガス流路形成部)を、異なる構成とすることも可能である。上記ガス流路プレートにおいて、穴部に代えて、その表面に所定の凹凸構造を設けて、この凹凸構造と水素分離膜との間にガス流路を形成することとしても良い。このような場合にも、エッチングによって、高い精度で所望の凹凸構造を金属板上に形成することができる。
【0085】
E5.変形例5:
図2に示した水素抽出装置10では、改質ガスおよびパージガスは、水素抽出装置の同じ側の端部から水素抽出装置内に導入したが、それぞれ異なる側の端部から導入する構成も好ましい。水素抽出装置内において、改質ガス流路内では、水素の抽出が行なわれるために下流側ほど水素濃度が薄くなる。また、パージガス流路内では、水素の抽出が行なわれるために下流側ほど水素濃度が濃くなる。水素分離膜によって水素が抽出される効率は、改質ガスとパージガスとの間で水素濃度差が大きいほど高くなる。従って、改質ガスとパージガスとをそれぞれ異なる側の端部から導入することによって、水素抽出装置全体で、改質ガスとパージガスとの間の水素濃度差を確保し、水素抽出効率を高めることができる
【0086】
E6.変形例6:
また、上記実施例では、水素分離膜を間に挟んで改質ガス流路と対向して設けたガス流路にパージガスを流すこととしたが、パージガスを用いない構成も可能である。積極的にパージガスを流さない場合にも、水素分離膜を間に挟んで設けられた両側の流路間の水素濃度差に従って、改質ガスから水素を抽出してこれを回収することができる。
【0087】
E7.変形例7:
また、改質ガス流路プレートが有する改質ガス流路孔内に多孔質体を配設し、この多孔質体上に改質触媒を担持させて、改質ガス流路内で改質反応を進行させる構成も可能である。すなわち、水素抽出装置と改質器を一体で形成することも可能である。また、既述したシフト触媒、あるいはCO選択酸化触媒のような一酸化炭素濃度の低減に関わる触媒を担持させることとしても良い。このような場合にも、穴部に多孔質体を配設した金属製の薄板状部材を、母材の溶融を伴わない接合方法で接合することにより、装置全体を薄型化する効果を得ることができる。
【0088】
E8.変形例8:
既述した説明では、水素抽出装置は、改質ガスから水素を抽出することとしたが、改質ガス以外の水素含有ガスから水素を抽出するために、本発明の水素抽出装置を用いることとしても良い。また、水素分離膜を用いて水素含有ガスから抽出されて、水素抽出装置から排出される水素を、燃料電池以外の水素を消費する装置に対して供給することとしてもよい。あるいは、このような水素を消費する装置に直接供給するのではなく、一旦貯蔵することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素抽出装置10の外観を表わす斜視図である。
【図2】水素抽出装置10を構成する板状部材の様子を表わす分解斜視図である。
【図3】改質ガス流路プレート30の外観を表わす説明図である。
【図4】水素分離プレート40の外観を表わす説明図である。
【図5】パージガス流路プレート50の外観を表わす説明図である。
【図6】水素抽出装置10の製造工程の概略を表わす説明図である。
【図7】水素抽出装置10を備える燃料電池システム80の構成を表わす説明図である。
【図8】第2実施例の水素抽出装置110の構成を表わす説明図である。
【図9】第3実施例の水素抽出装置210の製造工程を表わす説明図である。
【図10】積層体を切断する位置を、改質ガス流路プレート230の平面図において表わした説明図である。
【図11】積層体を切断する位置を、パージガス流路プレート250の平面図において表わした説明図である。
【図12】点線に示した位置で切断した後の積層体の様子を表わす説明図である。
【図13】積層体をケーシング内に収納した水素抽出装置210の外観を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110,210…水素抽出装置
20,220…端部プレート
22…改質ガス導入孔
24…パージガス導入孔
30,170,230…改質ガス流路プレート
32,232…改質ガス流路孔
34…パージガス通過孔
40,140,160,240…水素分離プレート
41…水素分離部
44,46…ガス通過孔
50,150,250…パージガス流路プレート
54,154…パージガス流路孔
56,156…改質ガス通過孔
80…燃料電池システム
82…燃料タンク
84…水タンク
86…混合部
88…改質器
90…燃料電池
92…ブロワ
142…ガス通過孔
144,146…ガス通過孔
152…改質ガス通過孔
162,164,166,168…ガス通過孔
172…改質ガス流路孔
174,175…パージガス通過孔
252…パージガス流路孔
280…ケーシング
285…積層体
292,294,296…マニホールド

Claims (9)

  1. 水素を含有する水素含有気体から水素の抽出を行なう水素抽出装置であって、
    水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜を備える金属製の薄板状部材である水素分離部材と、
    前記水素分離部材の第1の面と第2の面とにそれぞれ隣接して配設された金属製の薄板状部材であって、隣り合う前記水素分離部材と共にガスの流路を形成する流路部材と
    を備え、
    前記水素分離部材と前記流路部材との間は、拡散接合により接合されており、
    各々の前記水素分離部材の前記第1の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路であり、
    各々の前記水素分離部材の前記第2の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素分離膜を透過して前記水素含有気体から抽出された水素が通過する水素流路であり、
    前記水素分離部材は、第1の穴部および第2の穴部を有し、
    前記第1の穴部は、前記水素分離部材の前記第1の面側に形成される前記水素含有気体流路と連通し、前記第2の穴部は、前記水素分離部材の前記第2の面側に形成される前記水素流路と連通しており、
    前記流路部材のうち、前記水素分離部材と共に前記水素含有気体流路を形成する第1の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第2の穴部に対応する位置に設けられた第3の穴部を有すると共に、前記水素分離部材と共に前記水素流路を形成する第2の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第1の穴部に対応する位置に設けられた第4の穴部を有し、
    前記水素抽出装置全体として、前記水素分離部材が有する前記第1の穴部と前記第2の流路部材が有する前記第4の穴部とによって、前記水素含有気体流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素含有気体流路を導く流路が形成され、前記水素分離部材が有する前記第2の穴部と前記第1の流路部材が有する前記第3の穴部とによって、前記水素流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素を導く流路が形成されている
    水素抽出装置。
  2. 請求項1記載の水素抽出装置であって、
    前記第1の流路部材が形成する前記水素含有気体流路は、前記第1の流路部材の一端の近傍から対向する他端の近傍まで延びる第1のガス流路穴部によって形成されており、
    前記第2の流路部材が形成する前記水素流路は、前記第2の流路部材の一端の近傍から対向する他端の近傍まで延びる第2のガス流路穴部によって形成されており、
    前記第1のガス流路穴部の一方の端部は、前記第1の流路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の穴部と連通すると共に、前記第1のガス流路穴部の他方の端部は、前記第1の流路部材の他方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の穴部と連通し、
    前記第2のガス流路穴部の一方の端部は、前記第2の流路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第2の穴部と連通すると共に、前記第2のガス流路穴部の他方の端部は、前記第2の流路部材の他方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第2の穴部と連通している
    水素抽出装置。
  3. 請求項1または2記載の水素抽出装置であって、
    前記水素分離部材は、水素を選択的に透過させる性質を有する金属箔からなる
    水素抽出装置。
  4. 請求項1または2記載の水素抽出装置であって、
    前記水素分離部材は、薄板状の金属製多孔質体上に、水素を選択的に透過させる性質を有する金属を成膜したものである
    水素抽出装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の水素抽出装置であって、
    前記流路部材は、前記流路を形成するための穴部であるガス流路穴部を備え、
    前記流路は、前記流路部材の前記ガス流路穴部の内側面と、該流路部材を挟持する2枚の前記水素分離膜部材が備える前記水素分離膜の一部とを、壁面として備える
    水素抽出装置。
  6. 請求項5記載の水素抽出装置であって、
    前記ガス流路穴部の内側面は、前記流路部材を、エッチング、放電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少なくとも一つによって形成されたものである
    水素抽出装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の水素抽出装置であって、
    前記水素流路には、前記水素含有気体に比べて水素濃度が充分に低いパージガスが供給される
    水素抽出装置。
  8. 水素を含有する水素含有気体から水素の抽出を行なう水素抽出装置であって、
    水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜を備える金属製の薄板状部材である水素分離部材と、
    前記水素分離部材の第1の面と第2の面とにそれぞれ隣接して配設された金属製の薄板状部材であって、隣り合う前記水素分離部材と共にガスの流路を形成する流路部材と
    を備え、
    前記水素分離部材は、薄板状の金属製多孔質体上に、水素を選択的に透過させる性質を有する金属を成膜したものであり、
    前記水素分離部材と前記流路部材との間は、拡散接合またはろう付けにより接合されており、
    各々の前記水素分離部材の前記第1の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路であり、
    各々の前記水素分離部材の前記第2の面側において該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路は、前記水素分離膜を透過して前記水素含有気体から抽出された水素が通過する水素流路であり、
    前記水素分離部材は、第1の穴部および第2の穴部を有し、
    前記第1の穴部は、前記水素分離部材の前記第1の面側に形成される前記水素含有気体流路と連通し、前記第2の穴部は、前記水素分離部材の前記第2の面側に形成される前記水素流路と連通しており、
    前記流路部材のうち、前記水素分離部材と共に前記水素含有気体流路を形成する第1の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第2の穴部に対応する位置に設けられた第3の穴部を有すると共に、前記水素分離部材と共に前記水素流路を形成する第2の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する前記第1の穴部に対応する位置に設けられた第4の穴部を有し、
    前記水素抽出装置全体として、前記水素分離部材が有する前記第1の穴部と前記第2の流路部材が有する前記第4の穴部とによって、前記水素含有気体流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素含有気体流路を導く流路が形成され、前記水素分離部材が有する前記第2の穴部と前記第1の流路部材が有する前記第3の穴部とによって、前記水素流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記水素を導く流路が形成されている
    水素抽出装置。
  9. 水素を含有するガスと酸素を含有するガスの供給を受け、前記ガスを利用した電気化学反応によって起電力を得る燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    請求項1ないしいずれか記載の水素抽出装置を備え、該水素抽出装置が抽出した水素を、前記電気化学反応に利用する燃料電池システム。
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