JP4963372B2 - 反応器、反応器の製造方法、及び反応器用単位部材 - Google Patents

反応器、反応器の製造方法、及び反応器用単位部材 Download PDF

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Description

本発明は、例えば炭化水素等の改質原料を改質反応させて水素含有ガスを生成するための改質装置等に適用される反応器、その製造方法、及びその製造用の反応器用単位部材に関する。
積層された複数のプレート間に、炭化水素原料を改質して水素含有ガスを生成するための改質流路と、改質流路に改質反応用の熱を供給するために燃料ガスを燃焼させる燃焼流路とを形成した直交流型燃料改質器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、プレート間の各部における改質側の吸熱と燃焼側の発熱との熱バランスが調整されるように、プレート間に触媒の非担持領域を設定する技術が記載されている。
特開2004−244230明細書
しかしながら、触媒を部分的に担持する場合、スラリ状の触媒担体の表面張力等に起因する担体設置範囲のばらつきによって、触媒担持範囲の目標(設計)範囲に対する精度を確保すること、すなわち触媒担持範囲の制御が困難であった。特に、マイクロチャンネル等の狭い(代表直径が小さい)複数の反応流路を有する構成において、反応原料の流れ方向の特定範囲を目標に触媒を担持させる場合には、触媒担体の表面張力や毛管現象等の影響が大きく、全体としての触媒担持位置精度及び反応流路間での担持範囲のばらつきが生じ易く、触媒担持範囲の制御が困難であるという上記問題が顕著となる。
本発明は、上記事実を考慮して、触媒担持精度が良好な反応器、触媒担持範囲を良好に制御することができる反応器の製造方法、及び反応器の製造時における触媒位置決め精度を向上することができる反応器用単位部材を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項記載の発明に係る反応器の製造方法は、平板状に形成された板部から反応原料の流れ方向に沿って複数の立壁が立設された単位部材を前記立壁の立設方向に積層して、積層方向に隣り合う前記単位部材の互いに対向する前記板部間に、前記立壁によって隔てられ前記反応原料が流れる複数の反応流路と、前記反応流路における反応用触媒が担持されるべき所定範囲の反応原料流れ方向の端部である目標位置で前記反応流路間を連通する連通路とを形成する積層工程と、前記立壁の立設方向に積層された複数の前記単位部材間に形成された複数の前記反応流路に、該複数の反応流路における一方の開口端から前記目標位置まで触媒担体を供給する担体供給工程と、を含む。
請求項記載の反応器の製造方法では、積層工程において、複数の単位部材を隔壁の立設方向に積層する。すると、それぞれ隣り合う単位部材の板部間には、一方の板部から立設された隔壁によって隔てられた複数の反応流路と、反応流路を連通する連通路とが少なくとも形成される。この連通路は、複数の反応流路における反応用触媒が担持される所定範囲の端部である目標位置において、隔壁にて隔てられている反応流路を連通している。次いで、積層工程において、形成された各反応流路の一方(連通路に対する触媒担持側)の開口端から、触媒担体が反応用触媒を担持すべき所定範囲に行き渡るように触媒担体を供給する。
このとき、各反応流路は、上記目標位置において連通路にて連通されているので、上記の通り各反応流路の開口端から独立して供給された触媒担体は、連通路において合流する方向の流れを生じる。これにより、特定の反応流路で触媒担体が目標位置(所定範囲)を超えて供給されたり、目標位置に達しなかったりする等のばらつきが抑制される。したがって、触媒担持位置の精度を向上することができる。
このように、請求項記載の反応器の製造方法では、触媒担持範囲を良好に制御することができる。また、例えば反応流路が微小流路(マイクロチャンネル)である構成では、連通路による局所的な流路拡大効果によって毛管現象が抑制されるので、微小流路を有する反応器の製造においても触媒担持位置の精度を向上することができる。
請求項記載の反応器の製造方法は、請求項記載の反応器の製造方法において、前記担体供給工程では、前記複数の反応流路の前記一方の開口端を前記触媒担体の槽に浸しつつ、前記複数の反応流路の他方の開口端側から前記触媒担体を吸引し、前記反応流路を代表する1つ又は複数の反応流路中の触媒担体が前記目標位置に至ると前記触媒担体の吸引を停止し、前記反応流路内の余剰の触媒担体を除去する余剰担体除去工程と、前記余剰の触媒単体が除去された前記反応流路内の触媒担体に反応用触媒を担持させる触媒担持工程と、をさらに含む。
請求項記載の反応器の製造方法は、請求項記載の反応器の製造方法において、前記積層工程では、互いに異なる反応原料が流れる前記反応流路が積層方向に隣り合うように、かつ各反応流路の反応原料の流れ方向が一致するように、前記単位部材を積層し、前記担体供給工程では、前記異なる反応原料が流れる前記反応流路に共通の前記触媒担体を供給し、前記触媒担持工程では、前記異なる反応原料が流れる前記反応流路に、それぞれの反応原料に応じた触媒を担持させる。
以上説明したように本発明に係る反応器は触媒担持精度が良好であるという優れた効果を有する。また、本発明に係る反応器の製造方法は、触媒担持範囲を良好に制御することができるという優れた効果を有する。さらに、本発明に係る反応器用単位部材は、反応器の製造時における触媒位置決め精度を向上することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る反応器としての改質装置10について、図1乃至図4に基づいて説明する。先ず、改質装置10が適用された燃料電池システム11の全体システム構成を説明し、次いで、改質装置10の詳細構造を説明することとする。
(燃料電池システムの全体構成)
図4には、燃料電池システム11のシステム構成図(プロセスフローシート)が示されている。この図に示される如く、燃料電池システム11は、水素を消費して発電を行う燃料電池12と、燃料電池12に供給するための水素含有の改質ガスを生成するための改質装置(改質器)10とを主要構成要素として構成されている。
燃料電池12は、アノード電極(燃料極)14とカソード電極(空気極)16との間に、図示しない電解質を挟んで構成されており、主にアノード電極に供給される水素とカソード電極16に供給される酸素とを電気化学反応させて発電を行う構成とされている。燃料電池12としては、種々の形式のものを採用することができるが、この実施形態では、中温域(300℃〜600℃程度)で運転されると共に、発電に伴ってカソード電極16で水が生成されるプロトン伝導型の電解質を有する燃料電池(例えば、固体高分子型や水素分離膜型の燃料電池)が採用されている。
改質装置10は、図4に示される如く、燃料電池12のアノード電極14に供給するための水素含有の改質ガスを生成する改質部としての改質流路18と、改質流路18が改質反応を行うための熱を供給するための加熱部として燃焼流路20とを含んで構成されている。改質流路18には、改質触媒22が担持されており、供給される炭化水素ガス(ガソリン、メタノール、天然ガス等)と改質用ガス(水蒸気)を触媒反応させることで、水素ガスを含む改質ガスを生成する(改質反応を行う)ようになっている。
改質流路18における改質反応には、以下の式(1)乃至(4)で表されるように、式(1)で示す水蒸気改質反応を含む各反応が含まれる。したがって、改質工程で得た改質ガスには、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)、分解炭化水素や未反応の原料炭化水素(Cxy)等の可燃性ガス、及び二酸化炭素(CO2)、水(H2O)等の不燃性ガスを含むようになっている。
nm+nH2O → nCO +(n+m/2)H2 … (1)
nm+n/2O2 → nCO + m/2H2 … (2)
CO+H2O ⇔ CO2+H2 … (3)
CO+3H2 ⇔ CH4+H2O … (4)
この改質反応の中で主となる式(1)の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、かつ改質流路18は、上記の通り中温又は高温で運転される燃料電池12に改質ガスを供給するため所定温度以上の温度で運転されるようになっている。燃焼流路20は、この改質流路18における改質反応、運転温度を維持するための熱の供給する構成とされている。燃焼流路20は、酸化触媒24を担持して改質流路18に隣接して設けられており、供給された燃料を酸素と共に酸化触媒24接触させて触媒燃焼を生じさせる構成とされている。
改質装置10は、燃焼流路20で燃料を触媒燃焼させて得た燃焼熱を後述するプレート部52を介して改質流路18に供給するようになっている。このため、燃焼ガス等の熱媒(流体)を介して改質流路18を加熱する構成のように熱量を温度に変換することなく、改質流路18に熱量を直接的に付与することができる構成とされている。
そして、燃料電池システム11は、改質流路18に炭化水素原料を供給するための原料ポンプ26を備えており、原料ポンプ26の吐出部は原料供給ライン28を介して改質流路18の原料入口18Aに接続されている。炭化水素原料は、上記した改質反応には寄与しない硫黄成分(硫黄化合物)をわずかに含んでいる。この炭化水素原料は、例えば蒸発器やインジェクション等図示しない気化手段等によって、気相又は微粒化状態で改質流路18に供給されるようになっている。
また、改質流路18の改質ガス出口18Bは、下流端がアノード電極14の燃料入口14Aに接続された改質ガス供給ライン30の上流端に接続されている。これにより、改質流路18で生成された改質ガスが燃料電池12のアノード電極14に供給されるようになっている。一方、アノード電極14のオフガス出口14Bには、アノードオフガスライン32の上流端が接続されており、アノードオフガスライン32の下流端は燃焼流路20の燃料入口20Aに接続されている。
以上により、燃料電池システム11では、改質流路18で生成された改質ガス中の水素が燃料電池12で消費され、この消費された水素を除く残余成分がアノードオフガスとして燃焼流路20に導入され、そのうちの可燃成分(水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2))が燃焼流路20で燃料として消費されるようになっている。この燃焼流路20の排ガス出口20Bには、燃焼排ガスを系外に排出するための排気ガスライン34が接続されている。
また、燃料電池システム11は、カソード電極16にカソード用空気を供給するためのカソード用空気ポンプ36を備えており、カソード用空気ポンプ36の吐出部は、下流端がカソード電極16の空気入口16Aに接続されたカソード用空気供給ライン38の上流端が接続されている。さらに、カソード電極16のオフガス出口16Bには、水蒸気供給ライン40の上流端が接続されており、水蒸気供給ライン40の下流端は、改質流路18の水蒸気入口18C接続されている。これにより、カソード電極16で生成された水蒸気、該カソード電極16で消費されなかった酸素を含むカソードオフガスが改質流路18における水蒸気改質反応に利用される構成である。
さらに、燃料電池システム11は、燃料電池12に冷却空気を供給するための冷却用空気ポンプ42を備えており、冷却用空気ポンプ42の吐出部は、下流端が燃料電池12の冷媒流路(図示省略)の入口12Aに接続された冷却用空気ライン44の上流端に接続されている。この冷媒流路の出口12Bは、支燃ガス供給ライン46の上流端に接続されている。支燃ガス供給ライン46は、燃焼流路20における支燃ガス入口20Cに接続されており、燃焼流路20に燃焼支燃ガスとしての酸素を含む冷却オフガスを供給するようになっている。これにより、燃焼流路20では、アノードオフガスライン32からのアノードオフガスと支燃ガス供給ライン46からの冷却オフガスとを内蔵した酸化触媒24に接触させて、触媒燃焼を生じさせる構成とされている。
(改質装置の構成)
図1には、改質装置10の要部が一部ずらした平面図にて示されており、図2には、改質装置10の一部が分解斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、改質装置10は、それぞれ単位部材又は反応器用単位部材としての複数(多数)のチャンネル形成部材50を積層することで、該積層方向にそれぞれ反応流路としての改質流路18、燃焼流路20が隣接する部分を有する構成とされている。
具体的には、図2に示される如く、チャンネル形成部材50は、積層方向に隣り合う反応流路を隔てる板部としての矩形状のプレート部52と、プレート部52の片面における幅方向両縁に沿って立設された一対の外壁54と、プレート部52における一対の外壁54の間に該外壁54と平行に立設された複数の立壁としての隔壁56とを有する。一対の外壁54と複数の隔壁56とは、それぞれ長手方向両端の位置が一致すると共にプレート部52からの立設高が一致している。
したがって、チャンネル形成部材50の一対の外壁54(及び複数の隔壁56)の先端に他のチャンネル形成部材50のプレート部52を接合することで、一対のプレート部52及び外壁54で囲まれると共に複数の隔壁56によって仕切られて所謂マイクロチャンネルとして構成された、反応流路としての改質流路18又は燃焼流路20が形成されている。この実施形態では、改質流路18と燃焼流路20とが積層方向に交互に形成される構成とされている。また、この実施形態における改質装置10は、改質流路18と燃焼流路20とで流通ガスの流れ方向が同じ方向となるように、隔壁56の向きを一致させて複数のチャンネル形成部材50を積層しており、並行流型の改質装置として構成されている。
改質原料及び水蒸気(カソードオフガス)が導入される原料入口18A、水蒸気入口18Cは、各層の改質流路18の上流端であるガス入口側開口部18Dを連通する図示しない改質原料入口ヘッダ(マニホルド)に形成されている。また、水素含有ガスを放出する改質ガス出口18Bは、各層の改質流路18の下流端であるガス出口側開口部18Eを連通する図示しない改質ガス出口ヘッダに形成されている。一方、アノードオフガス(燃料ガス)及び冷却オフガス(支燃ガス)が導入される燃料入口20A、支燃ガス入口20Cは、各層の燃焼流路20の上流端であるガス入口側開口部20Dを連通する図示しない燃焼原料入口ヘッダに形成されている。また、燃焼排ガスを排出する排ガス出口20Bは、各層の燃焼流路20の下流端であるガス出口側開口部20Eを連通する図示しない燃焼排ガス出口ヘッダに形成されている。
なお、チャンネル形成部材50は、例えばステンレス鋼などの金属材や中実の(多孔体ではない)セラミック材にて、プレート部52と一対の外壁54と複数の隔壁56とが一体的に形成されている。また、プレート部52と他のチャンネル形成部材50の外壁54、隔壁56とは、例えばろう材を用いたろう付けや拡散接合によって接合されている。以上により、改質装置10では、各チャンネル形成部材50の積層方向、隔壁56の並列方向に多数の微小流路18、燃焼流路20が形成されたマイクロチャンネル構造とされている。
以上説明した改質装置10は、プレート部52、外壁54、隔壁56のうち改質流路18を構成(区画)する部分の内面に改質触媒22が担持されており、プレート部52、外壁54、隔壁56のうち燃焼流路20を構成する部分の内面に酸化触媒24が担持されている。それぞれ反応用触媒としての改質触媒22、酸化触媒24は、それぞれ改質流路18又は燃焼流路20の内面に保持されたスラリ状の触媒担体58(図3参照)に担持されている。
そして、図1に示される如く、改質装置10では、改質流路18は改質触媒22が改質原料及び水蒸気(水素含有ガス)の流れ方向の一部に担持されて構成されており、燃焼流路20は酸化触媒24が燃料ガス及び支燃ガス(燃焼排ガス)の流れ方向の一部に担持されて構成されている。より具体的には、隔壁56にて区画された各改質流路18は、それぞれのガス入口側開口部18Dから所定距離Lrの位置からガス出口側開口部18Eまでの範囲が改質触媒22の担持領域とされており、隔壁56にて区画された各燃焼流路20は、それぞれのガス入口側開口部20Dから所定距離Lcの位置からガス出口側開口部20Eまでの範囲が改質触媒22の担持領域とされている。したがって、改質装置10は、ガス出口側開口部18E、ガス出口側開口部20Eが触媒担体58が供給される開口端とされている。なお、この実施形態では、距離Lrと距離Lcとは略一致するか、距離Lrが距離Lcよりも若干小とされている。
以下の説明では、各改質流路18におけるガス入口側開口部18Dから所定距離Lrの位置を結ぶ仮想線、各燃焼流路20におけるガス入口側開口部20Dから所定距離Lcの位置を結ぶ仮想線を、それぞれの流路における触媒担持位置制御目標ラインCLということとする。この実施形態では、改質流路18、燃焼流路20共に触媒担持位置制御目標ラインCLがガス流れ方向に略直交する直線とされている。
図1及び図2に示される如く、各チャンネル形成部材50には、隔壁56を隔てて(隔壁56の並列方向に)隣り合う改質流路18間、又は燃焼流路20間を連通する触媒位置決め用連通路60が設けられている。触媒位置決め用連通路60は、触媒担持位置制御目標ラインCLを跨ぐように各隔壁56に形成された切欠部として形成されている。これにより、積層方向に対向する一対のプレート部52間の改質流路18、又は燃焼流路20は、各隔壁56の触媒位置決め用連通路60を通じてガス流れ方向に略直交する全部分が一直線状に連通されている。
改質装置10では、各チャンネル形成部材50に形成された触媒位置決め用連通路60によって、改質触媒22、酸化触媒24を保持する触媒担体58が積層したチャンネル形成部材50間に形成された改質流路18、燃焼流路20における上記した触媒担持領域に精度良く設置(供給、保持)される構成とされている。触媒位置決め用連通路60の機能については、後述する改質装置10の製造(組み立て)方法と共に説明する。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の燃料電池システム11では、原料ポンプ26、カソード用空気ポンプ36の作動によって、原料供給ライン28から改質装置10の改質流路18に炭化水素原料、水蒸気(カソードオフガス)が導入される。改質装置10の改質流路18内では、燃焼流路20からの熱供給を受けつつ導入された炭化水素原料を水蒸気と共に改質触媒22に接触させることで水蒸気改質反応を含む式(1)〜式(4)で示す改質反応が行われ、水素を高濃度で含有する改質ガスが生成される。
改質流路18で生成された改質ガスは、アノード電極14の燃料入口14Aからアノード電極14に供給される。燃料電池12では、アノード電極14に供給された改質ガス中の水素がプロトン化され、このプロトンが電解質を経由してカソード電極16に移動して該カソード電極16に導入された空気中の酸素と反応する。このプロトンの移動に伴って電子がアノード電極14から外部導体を通じてカソード電極に向けて流れ、発電が行われる。
この発電によって燃料電池12では、アノード電極14に供給された改質ガス中の水素、カソード電極16に供給されたカソード用空気中の酸素が発電量(負荷の電力消費量)に応じて消費され、カソード電極16では水(運転温度において水蒸気)が生成される。この水蒸気を含むガスは、上記の通りカソードオフガスとしてカソード電極16から水蒸気供給ライン40に押し出され、水蒸気入口18Cから改質流路18に導入される。
一方、発電に伴って改質ガス中の水素が発電量に応じて消費された後のガスは、アノードオフとしてアノード電極14から排出され、このアノードオフガスは、アノードオフガスライン32を経由して、改質装置10の燃焼流路20に供給される。また、燃焼流路20には、支燃ガス供給ライン46から燃料電池12を冷却した後の冷却オフガスが供給される。この燃焼流路20では、燃料であるアノードオフガス中の可燃成分を、冷却オフガス中の酸素を支燃ガスと共に酸化触媒24に接触させることで触媒燃焼が生じる。この触媒燃焼によって生じた熱は、プレート部52を介して改質流路18に供給される。この熱によって改質流路18では、吸熱反応である改質反応を維持すると共に運転温度(改質ガス温)を改質反応に必要な温度に保つ。
以上により、燃料電池システム11では、改質装置10に炭化水素原料を供給すると共に、燃料電池12の各排出ガス(水蒸気を含むカソードオフガス、可燃成分を含むアノードオフガス、酸素を含む冷却オフガス)を有効利用して、該燃料電池12に供給する水素を生成する改質装置10の運転を維持する。この改質装置10では、改質流路18と燃焼流路20とが並行流熱交換型の改質装置を構成しており、積層された改質流路18と燃焼流路20とで改質触媒22、酸化触媒24の担持範囲が略一致するため、ガス流れ方向における改質流路18の吸熱量が大きい領域と燃焼流路20の発熱量が大きい領域とがほぼ一致し、熱バランスが良好に調整されている。
この改質装置10を組み立てるに当たっては、多数のチャンネル形成部材50をガス流れ方向(各隔壁56の長手方向)が一致するように積層し(積層工程を行い)、各外壁54、隔壁56の自由端に隣り合うチャンネル形成部材50のプレート部52を接合する。次いで、担体供給工程において、それぞれ同じ側に開口するガス出口側開口部18E、20E側を重力方向の下向きにして触媒担体58を貯留した槽に浸しつつ、ガス入口側開口部18D、20D側から触媒担体58を吸引する。
各改質流路18、燃焼流路20を代表する1つ又は複数の流路には触媒担体58が触媒担持位置制御目標ラインCLに達した場合にON信号を出力する触媒センサを配置しておき、該触媒センサがON信号を出力した場合に触媒担体58の吸引を停止する(担体供給工程を終了する)。なお、吸引による触媒供給に代えて、触媒担持位置制御目標ラインCLに相当する位置までチャンネル形成部材50の積層体(改質装置10)を触媒担体58の槽にどぶ付けしても良い。さらに、ガス入口側開口部18D、20D側から緩やかに空気流を導入し、余剰の触媒担体58を除去する。次いで、改質流路18に改質触媒22を流入して触媒担体58に改質触媒22を担持させ、燃焼流路20に酸化触媒24を流入して触媒担体58に酸化触媒24を担持させる。
ここで、改質装置10では、触媒担持位置制御目標ラインCLに沿って各改質流路18又は燃焼流路20を連通する触媒位置決め用連通路60を設けたため、触媒担体58の設置端を触媒担持位置制御目標ラインCLに精度良く一致させることができ、触媒の担持領域を正確に制御することが可能となった。
例えば図8に示す比較例100では、図8(A)に示す状態から触媒担体58の供給を開始すると、触媒担体58は表面張力や毛管現象の影響によって、図3(B)に示される如く、各隔壁56の並列方向に並列された複数の改質流路18間又は燃焼流路20間で、進入量のばらつきを生じる場合がある。このまま触媒担体58の供給を続けると、触媒センサのON信号で吸引を停止しても、図8(C)に示される如く、触媒担体58設置範囲すなわち改質触媒22又は酸化触媒24の担持領域の位置精度が低く(触媒担持位置制御目標ラインCLに対する誤差が大きく)、また並列する改質流路18間、又は燃焼流路20間で触媒担持位置のばらつきが生じる。
これに対して改質装置10では、図3(A)に示される状態から触媒担体58の供給を開始し、触媒担体58の表面張力や毛管現象の影響によって図3(B)に示される如く並列された複数の改質流路18間又は燃焼流路20間で該触媒担体58の進入量のばらつきを生じた場合でも、何れかの流路18又は流路20で触媒担体58が触媒位置決め用連通路60の形成部位に至ると、この流路18、20の触媒担体58は触媒位置決め用連通路60を通じて水平方向に流れ、各流路の触媒担体58が触媒位置決め用連通路60を通じて合流する。
すなわち、触媒位置決め用連通路60により、触媒担体58の連続接触面である隔壁56が切り欠かれるので触媒担体58の表面張力の影響が低減され、また、触媒位置決め用連通路60が流路途中に拡大空間を形成するので毛管力が弱められ、マイクロチャンネル構造の改質装置10(改質流路18、20)において、触媒担体58は、図3(C)に示される如く所定範囲に高精度で設置される。これにより、各改質流路18、燃焼流路20は全体として触媒担持位置制御目標ラインCLに対して精度良く、しかも並列する改質流路18間、燃焼流路20間での触媒担持位置のばらつきを小さく抑えて、改質触媒22、酸化触媒24を担持することができる。
このように、第1の実施形態に係る改質装置10及び改質装置10の製造方法では、触媒担持範囲を良好に制御することができる。
また、改質装置10では、チャンネル形成部材50の積層方向に隣り合う流路が異なる反応を行う(ガスの混合が許容されない)改質流路18、燃焼流路20とされた構成において、隔壁56に触媒位置決め用連通路60を設けているので、簡単な構造で改質触媒22、酸化触媒24の担持位置精度を向上することができる。さらに、隔壁56に触媒位置決め用連通路60を設けた構造とすることで、改質流路18と燃焼流路20とを仕切ると共に伝熱部として機能するプレート部52を一定寸法(厚み)とすることができる。そして、吸熱反応が行われる改質流路18と発熱反応が行われる20とで熱交換を行う改質装置10において、触媒位置を正確に制御することが実現されたので、触媒の担持むらに伴う局所的な高温部(発熱量が急熱量に対し大きい領域)の発生等が防止される。
さらに、改質装置10では、改質触媒22(触媒担体58)の担持後にも触媒位置決め用連通路60による各改質流路18の連通状態が維持されるため、ガス入口側開口部18Dでのガス剥離偏流によって各改質流路18に分配差が生じる若しくは圧損の増加が発生しても、触媒位置決め用連通路60によって各改質流路18の圧力回復がおこり、各改質流路18を流れるガス(改質原料、カソードオフガス、改質ガス)の流れの分布(流量分布)を均一化する。同様に、改質装置10では、酸化触媒24(触媒担体58)の担持後にも触媒位置決め用連通路60による各燃焼流路20の連通状態が維持されるため、ガス入口側開口部20Dでのガス剥離偏流によって各燃焼流路20に分配差が生じる若しくは圧損の増加が発生しても、触媒位置決め用連通路60によって各燃焼流路20の圧力回復がおこり、各燃焼流路20を流れるガス(アノードオフガス、冷却オフガス、燃焼排ガス)の流れの分布(流量分布)を均一化する。これらにより、改質装置10では、全体として効率的に改質反応による水素生成が行われる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品・部分については上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、図示を省略する場合もある。
(第2の実施形態)
図5(A)には、本発明の第2の実施形態に係る改質装置70が平面図にて示されている。この図に示される如く、改質装置70は、各隔壁56における触媒位置決め用連通路60に対するガス出口側開口部18E、20E側(触媒担体58の供給側)に他の連通路としてのバランス連通路72が形成されている。各隔壁56のバランス連通路72は、CLに平行な仮想直線(図示省略)に沿って配置されている。改質装置70の他の構成は改質装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る改質装置70によっても、第1の実施形態と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、改質装置70では、各隔壁56にバランス連通路72が形成されているため、各改質流路18又は燃焼流路20に供給される触媒担体58が何れかの流路においてバランス連通路72の設置部位に至ると、上記した触媒位置決め用連通路60の場合と同様に、表面張力及び毛管力の影響が抑制されて触媒担体58が水平方向流れ、各改質流路18又は燃焼流路20の触媒担体58が、図5(B)に示される如く、バランス連通路72の設置部位で合流する。これにより、各改質流路18又は燃焼流路20での圧力バランスが調整されるので、各改質流路18又は燃焼流路20での触媒担体58の進入量のばらつきが一旦リセット(ばらつきが低減)される。このため、さらなる吸引によって触媒担体58が触媒担持位置制御目標ラインCL(触媒位置決め用連通路60)に到達する際に、各改質流路18又は燃焼流路20での触媒担体58の進入量のばらつきが一層小さく抑えられる。
このように、第2の実施形態に係る改質装置70では、触媒担持範囲を一層良好に制御することができる。
(第3の実施形態)
図6(A)には、本発明の第3の実施形態に係る改質装置80が平面図にて示されており、図6(B)には、改質装置80が側断面図にて示されている。これらの図に示される如く、改質装置80は、隔壁56に形成された触媒位置決め用連通路60に代えて形成された触媒位置決め用連通路82によって、隔壁56にて隔てられた改質流路18間又は燃焼流路20間が連通されている点で、第1の実施形態に係る改質装置10とは異なる。
具体的には、図6(C)に拡大した側断面図として示される如く、触媒位置決め用連通路82は、チャンネル形成部材50プレート部52における他のチャンネル形成部材50の隔壁56との突き当て側に開口し、触媒担持位置制御目標ラインCLに沿って形成された長矩形状の凹部によって形成されている。改質装置80の他の構成は改質装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る改質装置80によっても、触媒位置決め用連通路82が触媒位置決め用連通路60と同じ機能を果たすので、第1の実施形態と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。この改質装置80は、比較的大型の反応器に適用されることが望ましい。
なお、上記第1乃至第3の実施形態では、改質装置10、70、80が並行流熱交換型の改質装置である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各チャンネル形成部材50の外壁54、隔壁56の長手方向を交互に異ならせて直交流熱交換型の改質装置を構成しても良い。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、改質流路18と燃焼流路20とが交互に形成されるようにチャンネル形成部材50を積層する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2層の改質流路18に対し1層の燃焼流路20が配置されるようにチャンネル形成部材50を積層しても良い。
さらに、上記第1乃至第3の実施形態では、同じチャンネル形成部材50を積層することで改質流路18、燃焼流路20が形成される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、改質流路18を構成するチャンネル形成部材50と燃焼流路20を構成するチャンネル形成部材50とで、隔壁56の立設高や立設間隔などを異ならせても良い。
(第4の実施形態)
図7(A)には、本発明の第4の実施形態に係る反応器としての反応装置90が側断面図にて示されている。この図に示される如く、反応装置90は、プレート部52を貫通して積層方向に並列した反応流路92間を連通する触媒位置決め用連通路94を有する点で、第1の実施形態に係る改質装置10とは異なる。
上記の通り積層方向に隣り合う反応流路92が触媒位置決め用連通路94によって連通されている反応装置90は、プレート部52を挟んで隣り合う各反応流路92で同じ反応が行われる構成(用途)とされ、各反応流路92に同じ反応用触媒96が担持されるようになっている。そして、各触媒位置決め用連通路94は、触媒担持位置制御目標ラインCLに沿って一直線状に配置されている。したがって、この実施形態では、プレート部52が本発明における「隔壁」に相当する。反応装置90の他の構成は、改質装置10の対応する部分と同じである。
本反応装置90を組み立てるに当たっては、改質装置10の場合と同様に積層工程を行った後、担体供給工程において、触媒供給側開口部92Aを重力方向の下向きにして触媒担体58を貯留した槽に浸しつつ、触媒供給側開口部92Aとは反対の開口部92Bから触媒担体58を吸引し、該触媒センサがON信号を出力すると触媒担体58の吸引を停止する。次いで、余剰の触媒担体58を除去した後、反応流路92に反応用触媒96を流入して触媒担体58に反応用触媒96を担持させる。
上記した触媒供給工程についてさらに説明すると、図7(A)に示される状態から触媒担体58の供給を開始すると、触媒担体58は表面張力や毛管現象の影響によって、図7(B)に示される如く、各隔壁56の並列方向に並列された複数の改質流路18間又は燃焼流路20間で、進入量のばらつきを生じる場合がある。ここで、反応装置90では、触媒位置決め用連通路94によって各反応流路92が連通されているため、触媒担体58の連続接触面が切り欠かれるので触媒担体58の表面張力の影響が低減され、また、触媒位置決め用連通路94が流路途中に拡大空間を形成するので毛管力が弱められ、触媒担体58は、図7(C)に示される如く所定範囲に高精度で設置される。
以上説明したように、触媒位置決め用連通路94は第1の実施形態における触媒位置決め用連通路60と同様に機能するので、第4の実施形態に係る反応装置90によっても第1の実施形態に係る改質装置10と同様に、反応用触媒96の担持範囲を良好に制御することができる。この反応装置90では、プレート部52間の反応流路92をさらに区画する隔壁56を有しない構成とすることも可能であるが、隔壁56を有する構成においては、触媒担持位置制御目標ラインCLの近傍に到達した触媒担体58を、触媒位置決め用連通路60を併設することによってチャンネル形成部材50の積層方向、隔壁56の並列方向の各方向に(各方向の触媒担持位置制御目標ラインCLが交差する制御目標面に沿って)逃がすことができ、反応用触媒96の立体的な担持範囲を良好に制御することも可能である。
以上説明した反応装置90のような構成は、例えば、熱交換用途ではなく触媒とガス(反応原料)との体積あたりの接触面積を増加する(ためにマイクロチャンネル構造を採用した)小型反応器等に適用することができる。すなわち、本発明は、反応流路92の内面側に反応用触媒96が担持された反応器であれば、熱交換の有無に拘わらず如何なるものにも適用することができる。したがって例えば、本発明を加熱器や蒸発器(加湿器)等を含む各種の反応器に適用することも可能である。
なお、状記各実施形態では、触媒担持位置制御目標ラインCLがガス流れ方向に略直交する直線状である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、反応流路の形状やガス流れ方向、熱交換方においては相手方ガスの反応範囲や分布などに応じて、触媒担持位置制御目標ラインCLを、ガス流れ方向に対し傾斜した直線状としたり、クランク(階段)形状としたり、曲線形状としたりすることも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る改質装置の要部を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る改質装置の要部を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る改質装置における触媒担体の供給工程を示す図であって、(A)は担体供給前の平面図、(B)は担体供給途中の平面図、(C)は担体供給完了状態の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る改質装置が適用された燃料電池システムの概略システムフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る改質装置における触媒担体の供給工程を示す図であって、(A)は担体供給前の平面図、(B)は担体供給途中の平面図、(C)は担体供給完了状態の平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る改質装置を示す図であって、(A)は平面図、(B)は側断面図、(C)は要部を拡大して示す側断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る反応装置における触媒担体の供給工程を示す図であって、(A)は担体供給前の側断面図、(B)は担体供給途中の側断面図、(C)は担体供給完了状態の側断面図である。 本発明の実施形態との比較例に係る改質装置における触媒担体の供給工程を示す図であって、(A)は担体供給前の平面図、(B)は担体供給途中の平面図、(C)は担体供給完了状態の平面図である。
符号の説明
10 改質装置(反応器)
18 改質流路(反応流路)
20 燃焼流路(反応流路)
22 改質触媒(反応用触媒)
24 酸化触媒(反応用触媒)
50 チャンネル形成部材(単位部材、反応器用単位部材)
52 プレート部(板部、隔壁)
56 隔壁(立壁)
58 触媒担体
60 触媒位置決め用連通路(連通路)
70・80・90 改質装置
72 バランス連通路(他の連通路)
82 触媒位置決め用連通路(連通路)
92 反応流路
94 触媒位置決め用連通路(連通路)
96 反応用触媒
CL 触媒担持位置制御目標ライン(目標位置)

Claims (3)

  1. 平板状に形成された板部から反応原料の流れ方向に沿って複数の立壁が立設された単位部材を前記立壁の立設方向に積層して、積層方向に隣り合う前記単位部材の互いに対向する前記板部間に、前記立壁によって隔てられ前記反応原料が流れる複数の反応流路と、前記反応流路における反応用触媒が担持されるべき所定範囲の反応原料流れ方向の端部である目標位置で前記反応流路間を連通する連通路とを形成する積層工程と、
    前記立壁の立設方向に積層された複数の前記単位部材間に形成された複数の前記反応流路に、スラリ状の触媒担体を、該複数の反応流路における前記反応原料流れ方向の一方の開口端から前記目標位置まで、前記連通路で合流するように供給する担体供給工程と、
    を含む反応器の製造方法。
  2. 前記担体供給工程では、前記複数の反応流路の前記一方の開口端を前記触媒担体の槽に浸しつつ、前記複数の反応流路の他方の開口端側から前記触媒担体を吸引し、前記反応流路を代表する1つ又は複数の反応流路中の触媒担体が前記目標位置に至ると前記触媒担体の吸引を停止し、
    前記反応流路内の余剰の触媒担体を除去する余剰担体除去工程と、
    前記余剰の触媒単体が除去された前記反応流路内の触媒担体に反応用触媒を担持させる触媒担持工程と、
    をさらに含む請求項記載の反応器の製造方法。
  3. 前記積層工程では、互いに異なる反応原料が流れる前記反応流路が積層方向に隣り合うように、かつ各反応流路の反応原料の流れ方向が一致するように、前記単位部材を積層し、
    前記担体供給工程では、前記異なる反応原料が流れる前記反応流路に共通の前記触媒担体を供給し、
    前記触媒担持工程では、前記異なる反応原料が流れる前記反応流路に、それぞれの反応原料に応じた触媒を担持させる請求項記載の反応器の製造方法。
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