JP5076353B2 - 熱交換型改質器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば炭化水素等の改質原料から水素含有の改質ガスを得るための改質反応を、改質部において加熱部からの熱供給を受けつつ行う熱交換型改質器に関する。
積層された複数のプレート間に、炭化水素原料を改質して水素含有ガスを生成するための改質流路と、改質流路に改質反応用の熱を供給するために燃料ガスを燃焼させる燃焼流路とを形成した直交流熱交換型の燃料改質器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載には、プレート間の各部における燃焼反応の発熱分布と改質反応の吸熱分布とが調整されるように、プレート間に触媒の非担持領域を設定する技術が記載されている。
特開2004−244230明細書
上記従来の直交流熱交換型の燃料改質器では、燃焼反応による高発熱部位と改質反応による高吸熱部位とを一致させるための工夫を行っているが、吸発熱部位を一致させて熱交換効率を向上させる点について改善の余地があった。
また、並行流熱交換型の燃料改質器においては、改質触媒の担持範囲と酸化触媒の担持範囲とが一致している場合には、燃焼反応の反応速度が改質反応の反応速度に対し著しく速いことから、燃焼反応の発熱ピークに対し改質反応の発熱ピークがガス流方向の下流側にずれる傾向を示す。このため、並行流熱交換型の燃料改質器では、酸化触媒の上流側担持端近傍で、局所的に吸熱量に対し発熱量が過剰になり、局所的な高温部位が発生することが懸念される。特に、触媒担持精度の不足や局所的な触媒剥がれ等によって酸化触媒の担持範囲が改質触媒の担持範囲よりもガス流方向の上流側に広くなっている場合、局所的な高温部位が一層(広範囲で)発生しやすくなる。
本発明は、上記事実を考慮して、加熱部と改質部との熱交換効率が良好な熱交換型改質器を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る熱交換型改質器は、改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、を備え、前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部位置を、前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部位置よりもガス流れ方向上流側に設定した
請求項1、2、5記載の熱交換型改質器では、改質部において加熱部から燃焼による熱供給を受けつつ、供給された改質ガスを改質触媒に接触させて改質反応を生じさせ(促進し)、水素(を含有するガス)を得る。改質反応は、改質触媒の担持範囲における上流側(改質原料供給側)の端部近傍に高吸熱部位を生じさせ、燃焼反応は、酸化触媒の担持範囲における上流側(燃料供給側)の端部近傍に高発熱部位を生じさせる。
ここで、改質部における改質原料(改質ガス)の流れ方向と、加熱部における燃料又は燃焼ガスの流れ方向とが一致しているため、換言すれば、加熱部と改質部とで並行流熱交換型の改質器を構成しているため、加熱部における燃焼反応による高発熱部位と改質部における改質反応による高吸熱部位とを、それぞれの触媒担持範囲におけるガス流方向の同じ側(上流側)で生じさせることができる。すなわち、吸熱要求の大きい部分に発熱の大きい部分を近づける(吸発熱の分布傾向を一致させる)ことができる。そのため、改質器内部での熱伝導経路を最小とすることで、請求項1、2、5記載の熱交換型改質器では、加熱部と改質部との熱交換効率が良好である。
また、請求項記載の熱交換型改質器では、改質部において改質原料が改質触媒に最初に接触する位置が、加熱部において燃料が酸化触媒に最初に接触する位置よりもガス流れ方向の上流側に位置しているため、改質部における吸熱のピークを上流側にシフトすることができる。これにより、燃焼反応による高発熱部位と改質反応による高吸熱部位とを一層良好に一致させることができる。
例えば、改質反応の主反応が吸熱反応である水蒸気改質反応である場合、改質部では改質触媒の上流端側から吸熱反応が生じるものの、この吸熱反応は燃焼反応と比較して反応速度が遅いために吸熱のピークが発熱のピークに対し下流側にわずかに位置ずれするが、改質触媒の上流端を酸化触媒の上流端に対しわずかに上流側に広げることで、遅い吸熱反応速度が補完され、燃焼反応による高発熱部位と改質反応による高吸熱部位とが良好に一致する。これにより、吸熱量と発熱量とのアンバランスによる局所的な高温部位の発生が防止される。
また例えば、改質反応が水蒸気改質反応の他に部分酸化反応等の発熱反応を含む場合、このような発熱反応は改質触媒担持範囲の上流側で主に生じ、この発熱が水蒸気改質反応に供される。ここで、酸化触媒の上流端の位置を改質触媒の上流端の位置に対し下流側に位置させることで、改質部での発熱反応が収束した後に加熱部からの熱供給を受けて吸熱反応を行う構成とし、システムの熱収支を適正化(最適化)することができる。
上記目的を達成するために請求項2記載の発明に係る熱交換型改質器は、改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、を備え、前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該改質触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも高く設定した。
請求項3記載の発明に係る熱交換型改質器は、請求項1記載の熱交換型改質器において、前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該改質触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも高く設定した。
請求項2、3記載の熱交換型改質器では、改質触媒の担持範囲における上流側端部から所定範囲(一部)で他の部分よりも改質触媒の担持濃度が高いため、改質触媒の担持範囲の上流端側一部における吸熱反応が促進される。換言すれば、改質部における吸熱のピークが上流側にシフトされる。このため、改質部における遅い吸熱反応速度を補完して燃焼反応による高発熱部位を改質反応による高吸熱部位に良好に一致させたり、改質部における発熱反応を早期に収束してその後に改質部への供給熱量を増す構成としたりすることが可能になる。
請求項4記載の発明に係る熱交換型改質器は、請求項1又は請求項記載の熱交換型改質器において、前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該酸化触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも低く設定した。
上記目的を達成するために請求項5記載の発明に係る熱交換型改質器は、改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、を備え、前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該酸化触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも低く設定した。
請求項4、5記載の熱交換型改質器では、酸化触媒の担持範囲における上流端側から所定範囲の(一部)で他の部分よりも酸化触媒の担持濃度が低いため、酸化触媒の担持範囲の上流側一部における発熱反応が緩和(抑制)される。換言すれば、加熱部における発熱のピークが下流側にシフトされる。これにより、加熱部における速い燃焼反応を抑制して燃焼反応による高発熱部位を改質反応による高吸熱部位に良好に一致させたり、改質部における発熱反応の収束後に改質部への供給熱量を増す構成としたりすることが可能になる。
以上説明したように本発明に係る熱交換型改質器は、加熱部と改質部との熱交換効率が良好である。
本発明の第1の実施形態に係る熱交換型改質器10について、図1乃至図4に基づいて説明する。先ず、熱交換型改質器10が適用された燃料電池システム11の全体システム構成を説明し、次いで、熱交換型改質器10の詳細構造を説明することとする。
(燃料電池システムの全体構成)
図4には、燃料電池システム11のシステム構成図(プロセスフローシート)が示されている。この図に示される如く、燃料電池システム11は、水素を消費して発電を行う燃料電池12と、燃料電池12に供給するための水素含有の改質ガスを生成するための熱交換型改質器(改質器)10とを主要構成要素として構成されている。
燃料電池12は、アノード電極(燃料極)14とカソード電極(空気極)16との間に、図示しない電解質を挟んで構成されており、主にアノード電極に供給される水素とカソード電極16に供給される酸素とを電気化学反応させて発電を行う構成とされている。燃料電池12としては、種々の形式のものを採用することができるが、この実施形態では、中温域(300℃〜600℃程度)で運転されると共に、発電に伴ってカソード電極16で水が生成されるプロトン伝導型の電解質を有する燃料電池(例えば、固体高分子型や水素分離膜型の燃料電池)が採用されている。
熱交換型改質器10は、図4に示される如く、燃料電池12のアノード電極14に供給するための水素含有の改質ガスを生成する改質部としての改質流路18と、改質流路18が改質反応を行うための熱を供給するための加熱部として燃焼流路20とを含んで構成されている。改質流路18には、改質触媒22が担持されており、供給される炭化水素ガス(ガソリン、メタノール、天然ガス等)と改質用ガス(水蒸気)を触媒反応させることで、水素ガスを含む改質ガスを生成する(改質反応を行う)ようになっている。
改質流路18における改質反応には、以下の式(1)乃至(4)で表されるように、式(1)で示す水蒸気改質反応を含む各反応が含まれる。したがって、改質工程で得た改質ガスには、水素(H)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、分解炭化水素や未反応の原料炭化水素(C)等の可燃性ガス、及び二酸化炭素(CO)、水(HO)等の不燃性ガスを含むようになっている。
+nHO → nCO +(n+m/2)H … (1)
+n/2O → nCO + m/2H … (2)
CO+HO ⇔ CO+H … (3)
CO+3H ⇔ CH+HO … (4)
この改質反応の中で主となる式(1)の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、かつ改質流路18は、反応に十分な温度環境の設定と、上記の通り中温又は高温で運転される燃料電池12への改質ガスの供給とのために、所定温度以上の温度で運転されるようになっている。燃焼流路20は、この改質流路18における改質反応、運転温度を維持するための熱の供給する構成とされている。燃焼流路20は、酸化触媒24を担持して改質流路18に隣接して設けられており、供給された燃料を酸素と共に酸化触媒24接触させて触媒燃焼を生じさせる構成とされている。また、式(2)の部分酸化反応は発熱反応であり、この部分酸化反応による発熱は、燃焼流路20からの熱と併せて水蒸気改質反応に供されるようになっている。
熱交換型改質器10は、燃焼流路20で燃料を触媒燃焼させて得た燃焼熱を後述するプレート部52を介して改質流路18に供給するようになっている。このため、燃焼ガス等の熱媒(流体)を介して改質流路18を加熱する構成のように熱量を温度に変換することなく、改質流路18に熱量を直接的に付与することができる構成とされている。
そして、燃料電池システム11は、改質流路18に炭化水素原料を供給するための原料ポンプ26を備えており、原料ポンプ26の吐出部は原料供給ライン28を介して改質流路18の原料入口18Aに接続されている。炭化水素原料は、上記した改質反応には寄与しない硫黄成分(硫黄化合物)をわずかに含んでいる。この炭化水素原料は、例えば蒸発器やインジェクション等図示しない気化手段等によって、気相又は微粒化状態で改質流路18に供給されるようになっている。
また、改質流路18の改質ガス出口18Bは、下流端がアノード電極14の燃料入口14Aに接続された改質ガス供給ライン30の上流端に接続されている。これにより、改質流路18で生成された改質ガスが燃料電池12のアノード電極14に供給されるようになっている。一方、アノード電極14のオフガス出口14Bには、アノードオフガスライン32の上流端が接続されており、アノードオフガスライン32の下流端は燃焼流路20の燃料入口20Aに接続されている。
以上により、燃料電池システム11では、改質流路18で生成された改質ガス中の水素が燃料電池12で消費され、この消費された水素を除く残余成分がアノードオフガスとして燃焼流路20に導入され、そのうちの可燃成分(水素(H)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、メタン(CH)、二酸化炭素(CO))が燃焼流路20で燃料として消費されるようになっている。この燃焼流路20の排ガス出口20Bには、燃焼排ガスを系外に排出するための排気ガスライン34が接続されている。
また、燃料電池システム11は、カソード電極16にカソード用空気を供給するためのカソード用空気ポンプ36を備えており、カソード用空気ポンプ36の吐出部は、下流端がカソード電極16の空気入口16Aに接続されたカソード用空気供給ライン38の上流端が接続されている。さらに、カソード電極16のオフガス出口16Bには、水蒸気供給ライン40の上流端が接続されており、水蒸気供給ライン40の下流端は、改質流路18の水蒸気入口18C接続されている。これにより、カソード電極16で生成された水蒸気、該カソード電極16で消費されなかった酸素を含むカソードオフガスが改質流路18に供給される構成である。そして、カソードオフガス中の水蒸気が式(1)の水蒸気改質反応に利用され、酸素が式(2)の部分酸化反応に利用されるようになっている。すなわち本実施形態に係る熱交換型改質器10は、酸素を含有するカソードオフガスを改質流路18に供給することで、炭化水素減量中の炭素量に対する供給酸素量の割合であるO/C比が高い条件で運転される攻勢とされている。
さらに、燃料電池システム11は、燃料電池12に冷却空気を供給するための冷却用空気ポンプ42を備えており、冷却用空気ポンプ42の吐出部は、下流端が燃料電池12の冷媒流路(図示省略)の入口12Aに接続された冷却用空気ライン44の上流端に接続されている。この冷媒流路の出口12Bは、支燃ガス供給ライン46の上流端に接続されている。支燃ガス供給ライン46は、燃焼流路20における支燃ガス入口20Cに接続されており、燃焼流路20に燃焼支燃ガスとしての酸素を含む冷却オフガスを供給するようになっている。これにより、燃焼流路20では、アノードオフガスライン32からのアノードオフガスと支燃ガス供給ライン46からの冷却オフガスとを内蔵した酸化触媒24に接触させて、触媒燃焼を生じさせる構成とされている。
なお、燃料電池システム11は、例えば、水蒸気供給ライン40にカソードオフガス中の水蒸気のみを選択的に透過させる分離膜(ポリイミドやセラミック等の多孔体分離膜)を設けたり、改質用の水蒸気を系外から導入したりすることで、改質流路18に酸素が供給されない構成又は炭化水素原料中の炭素に対する供給酸素量(O/C比)が小さくなる構成とすることができる。これらの構成では、熱交換型改質器10における改質反応の主反応が水蒸気改質反応となり、部分酸化反応が行われないか又は部分酸化反応による発熱量が極めて小さくなる。
(熱交換型改質器の構成)
図2には、熱交換型改質器10が分解斜視図にて示されている。この図に示される如く、熱交換型改質器10は、積層された複数の単位プレート部材50、51間に改質部としての改質流路18、加熱部としての燃焼流路20が、単位プレート部材50、51のプレート部52を隔壁として隔てられた独立したガス流路として形成されている。この実施形態では、改質流路18と燃焼流路20とは積層方向(プレート部52の厚み方向)に交互に配置されており、プレート部52を介して隣接している。以下、具体的に説明する。
単位プレート部材50は、平板状に形成されたプレート部52を備えている。プレート部52は、平面視で、長方形状とされた並行流部52Aの長手方向両側に、それぞれ流れ方向変換部52B、52Cが連設されて構成されている。この実施形態では、流れ方向変換部52B、52Cは、それぞれ並行流部52A(長方形)の短辺に底辺を一致させた如き三角形状に形成されており、このためプレート部52は全体として略六角形状に形成されている。各単位プレート部材50は、プレート部52の周縁から改質流路18の形成側に立設された外壁54を備えている。
外壁54は、方向変換部52B、52Cの各一辺部分を除きプレート部52の全周から立設されることで、積層された単位プレート部材50、51間に改質流路18を形成するスペーサ機能、改質流路18からのガス流出を防止する外壁機能を果たすと共に、流れ方向変換部52B側のガス入口50A、流れ方向変換部52C側のガス出口50Bを形成している。ガス入口50A、ガス出口50Bは、プレート部52の図心に対し対称に形成されている。
また、単位プレート部材50のプレート部52における改質流路18の形成側からは、改質流路18を複数の平行流路に区画する複数の立壁(隔壁)56が立設されている。各立壁56は、ガス入口50Aからガス出口50Bまで、外壁54と略平行とされており、改質流路18を複数の分割流路(マイクロチャンネル)58に区画する構成とされている。各分割流路58は、上記したガス入口50A、ガス出口50Bの対称配置によって、ガス入口50Aからガス出口50Bまでの流路長が略一定となるクランク状に形成されている。また、各分割流路58における並行流部52Aにおいて該並行流部52Aの長手方向に沿った部分は、それぞれ熱交換流路58Aとされている。
単位プレート部材51は、単位プレート部材50を構成するプレート部52と同じ形状のプレート部52を備えており、またプレート部52の周縁から燃焼流路20の形成側に立設された外壁60を備えている。外壁60は、方向変換部52B、52Cにおける各一辺部分を除きプレート部52の全周から立設されることで、積層された単位プレート部材51、50間に燃焼流路20を形成するスペーサ機能、燃焼流路20からのガス流出を防止する外壁機能を果たすと共に、流れ方向変換部52B側のガス入口51A、流れ方向変換部52C側のガス出口51Bを形成している。
ガス入口51Aは、並行流部52Aに対し単位プレート部材50のガス入口50Aと長手方向の同じ側(図2の矢印A側)において、異なる向きを向いて開口するように形成されている。また、ガス出口51Bは、並行流部52Aに対し単位プレート部材50のガス出口50Bと長手方向の同じ側(図2の矢印B側)において、異なる向きを向いて開口するように形成されている。
また、単位プレート部材51のプレート部52における改質流路18の形成側からは、燃焼流路20を複数の平行流路に区画する複数の立壁(隔壁)62が立設されている。各立壁62は、ガス入口51Aからガス出口51Bまで、外壁60と略平行とされており、燃焼流路20を複数の分割流路(マイクロチャンネル)64に区画する構成とされている。各分割流路64は、上記したガス入口51A、ガス出口51Bの対称配置によって、ガス入口51Aからガス出口51Bまでの流路長が略一定となるクランク状に形成されている。また、各分割流路64における並行流部52Aにおいて該並行流部52Aの長手方向に沿った部分は、それぞれ熱交換流路64Aとされている。
以上説明した熱交換型改質器10は、上記の通りガス入口50A、51Aが並行流部52A(熱交換流路58A、64A)に対する同じ側(矢印A側)に位置すると共に、ガス出口50B、51Bが並行流部52Aに対する同じ側(矢印B側)に位置することで、各層の熱交換流路58A、熱交換流路64Aでのガス流れ方向がそれぞれ同じ方向(矢印F方向)とされている。
また、以上説明した単位プレート部材50、単位プレート部材51は、例えばステンレス鋼などの金属材や中実の(多孔体ではない)セラミック材にて、各部(プレート部52・外壁54・立壁56、又はプレート部52・外壁60・立壁62)が一体的に形成されている。また、単位プレート部材50と単位プレート部材51とは、プレート部52と外壁54又は外壁60(各立壁56、62)とが、例えばろう材を用いたろう付け、拡散接合、又はセラミックボンドによる接着等によって気密に接合されている。
熱交換型改質器10における各層のガス入口50Aの開口部分には、改質原料(炭化水素)及び水蒸気(カソードオフガス)が導入される原料入口18A及び水蒸気入口18Cが形成された図示しない改質入口マニホルドが接続されている。熱交換型改質器10における各層のガス出口50Bの開口部分には、水素含有ガスを放出する改質ガス出口18Bが形成された図示しない改質出口マニホルドが接続されている。一方、熱交換型改質器10における各層のガス入口51Aの開口部分には、燃料(アノードオフガス)及び支燃ガス(冷却オフガス)が燃料入口20A及び支燃ガス入口20Cが形成された図示しない燃焼入口マニホルドが接続されている。熱交換型改質器10におけるガス各層の出口51Bの開口部分には、燃焼排ガス排出する燃焼流路20の排ガス出口20Bが形成された図示しない排ガス出口マニホルドが接続されている。
そして、以上説明した熱交換型改質器10は、単位プレート部材50における分割流路58の内面に改質触媒22が担持されており、単位プレート部材51における分割流路64の内面に酸化触媒24が担持されている。各立壁56、62の図示を省略した分解平面図である図1に示される如く、改質触媒22は、分割流路58(改質流路18)におけるガス入口50A側の一部を除く所定範囲に亘って担持されており、酸化触媒24は、分割流路64(燃焼流路20)におけるガス入口51A側の一部を除く所定範囲に亘って担持されている。
より具体的には、改質触媒22は、改質原料が供給されるガス流れ方向の上流側(矢印A側)の端部である上流側担持端22Aが、各分割流路58における熱交換流路58Aの上流端に対し上流側にオフセットしている。一方、酸化触媒24は、燃料が供給されるガス流れ方向の上流側(矢印A側)の端部である上流側担持端24Aが、各分割流路64における熱交換流路64Aの上流端に略一致している。したがって、並交流型の熱交換型改質器10では、改質流路18における改質触媒22の担持範囲が、燃焼流路20における酸化触媒24の担持範囲に対し、ガス流れ方向の上流側に広い構成とされている。
熱交換型改質器10では、ガス出口50B、ガス出口51Bから導入したスラリ状の触媒担体をガス入口50A、ガス入口51Aから独立して吸引することで、改質流路18の分割流路58と燃焼流路20の分割流路64とで触媒担体の設置範囲を異ならせ、その後各分割流路58、64に設置された触媒担体に改質触媒22、酸化触媒24を担持させることで、上記の通り改質触媒22と酸化触媒24とで触媒担持範囲を異ならせている。上流側担持端22A、上流側担持端24A(制御ライン)で触媒担体の吸引を停止するために、例えば各分割流路58、64の代表的な一部又は全部に配置され触媒担体を検出する触媒センサの検出信号を用いることができる。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の燃料電池システム11では、原料ポンプ26、カソード用空気ポンプ36の作動によって、原料供給ライン28から熱交換型改質器10の改質流路18に炭化水素原料、水蒸気(カソードオフガス)が導入される。熱交換型改質器10の改質流路18内では、燃焼流路20からの熱供給を受けつつ導入された炭化水素原料を水蒸気と共に改質触媒22に接触させることで式(1)の水蒸気改質反応、式(2)の部分酸化反応を含む改質反応(上式(1)〜(4)参照)が行われ、水素を高濃度で含有する改質ガスが生成される。
改質流路18で生成された改質ガスは、アノード電極14の燃料入口14Aからアノード電極14に供給される。燃料電池12では、アノード電極14に供給された改質ガス中の水素がプロトン化され、このプロトンが電解質を経由してカソード電極16に移動して該カソード電極16に導入された空気中の酸素と反応する。このプロトンの移動に伴って電子がアノード電極14から外部導体を通じてカソード電極に向けて流れ、発電が行われる。
この発電によって燃料電池12では、アノード電極14に供給された改質ガス中の水素、カソード電極16に供給されたカソード用空気中の酸素が発電量(負荷の電力消費量)に応じて消費され、カソード電極16では水(運転温度において水蒸気)が生成される。この水蒸気を含むガスは、上記の通りカソードオフガスとしてカソード電極16から水蒸気供給ライン40に押し出され、水蒸気入口18Cから改質流路18に導入される。
一方、発電に伴って改質ガス中の水素が発電量に応じて消費された後のガスは、アノードオフとしてアノード電極14から排出され、このアノードオフガスは、アノードオフガスライン32を経由して、熱交換型改質器10の燃焼流路20に供給される。また、燃焼流路20には、支燃ガス供給ライン46から燃料電池12を冷却した後の冷却オフガスが供給される。この燃焼流路20では、燃料であるアノードオフガス中の可燃成分を、冷却オフガス中の酸素を支燃ガスと共に酸化触媒24に接触させることで触媒燃焼が生じる。この触媒燃焼によって生じた熱は、プレート部52を介して改質流路18に供給される。この熱によって改質流路18では、吸熱反応である改質反応を維持すると共に運転温度(改質ガス温)を改質反応に必要な温度に保つ。
以上により、燃料電池システム11では、熱交換型改質器10に炭化水素原料を供給すると共に、燃料電池12の各排出ガス(水蒸気を含むカソードオフガス、可燃成分を含むアノードオフガス、酸素を含む冷却オフガス)を有効利用して、該燃料電池12に供給する水素を生成する熱交換型改質器10の運転を維持する。
ところで、改質流路18における改質反応は、改質原料の入口側すなわち改質触媒22担持範囲の上流側担持端22A側で吸熱のピークを生じる。また、燃焼流路20燃焼反応は、燃料の入口側すなわち酸化触媒24担持範囲の上流側担持端24A側で発熱のピークを生じる。このため、例えば、直交流型の熱交換型改質器では、改質部と加熱部とでガス流れ方向が交差するので、構造上、局所的な高温部が発生してしまう問題がある。また例えば、対向流型の熱交換型改質器は、改質部と加熱部との吸発熱のピークが熱交換部におけるガス流方向反対側の端部で生じるので、改質器における熱交換器としては不向きである。
ここで、熱交換型改質器10では、改質流路18の熱交換流路58Aと燃焼流路20の熱交換流路64Aとでガス流れ方向が同じである並行流型熱交換器を構成しているため、換言すれば、改質反応において改質原料が供給されるガス入口50A側で生じる吸熱のピークと、燃焼反応において燃料が供給されるガス入口51A側で生じる発熱のピークとをガス流れ方向の同じ側に制御することができるため、改質流路18と燃焼流路20との間の熱交換効率が向上する。これにより、熱交換型改質器10では、燃焼流路20での発熱を有効に利用して効率的に改質による水素生成を行うことができる。
このように、第1の実施形態に係る熱交換型改質器10では、燃焼流路20と改質流路18との熱交換効率が良好である。
また、熱交換型改質器10では、改質触媒22の担持範囲が酸化触媒24の担持範囲に対して上流側に広いため、改質反応と燃焼反応との反応速度差に起因する局所的な高温部の発生が防止される。以下、図8に示す比較例と比較しつつ説明する。図8(A)に示す第1比較例に係る熱交換型改質器200では、改質触媒22の担持範囲と酸化触媒24の担持範囲とが一致している。このような熱交換型改質器200では、燃焼反応の反応速度が改質反応の反応速度に対し著しく速いことから、図3(B)に示される如く燃焼反応の発熱ピークPcに対し改質反応の発熱ピークPrが下流側にずれる傾向を示す。このため、熱交換型改質器200では、改質触媒22の上流側担持端22A、酸化触媒24の上流側担持端24A近傍の局所的な領域で吸熱量に対し発熱量が過剰になり、図8(B)に示す如き局所的な高温部位H(局所的な高温状態)が発生することが懸念される。特に、図9(A)に示される第2比較例に係る熱交換型改質器210の如く、触媒担持精度の不足や局所的な触媒剥がれ等によってガス入口51A側で酸化触媒24の担持範囲が改質触媒22の担持範囲よりも広くなっている場合、図9(B)に示す如き局所的な高温部位Hが一層(広範囲で)発生しやすくなる。
これに対して熱交換型改質器10では、上記の如く改質触媒22の担持範囲が酸化触媒24の担持範囲に対して上流側に広いため、図3(A)に示される如く、熱交換型改質器200(想像線参照)と比較して改質反応の発熱ピークPrが燃焼反応の発熱ピークPcに近づき(上流側にシフトし)、換言すれば、改質反応の反応速度の遅さが補完され、局所的な高温状態の発生を回避することができる。また、改質触媒22の上流側担持端22Aを酸化触媒24の上流側担持端24Aよりも上流側に設定することで、触媒担持精度の不足(誤差)が吸収され、また局所的な剥がれの許容代が形成されるので、酸化触媒24の担持範囲に改質触媒22の非担持領域が形成される確率を著しく低減することができる。すなわち、局所的な高温部の発生リスクを大幅に軽減することができる。
さらに、熱交換型改質器10では、上記した通り改質反応に式(2)で示す部分酸化反応を含む(O/C比が高い条件で運転される)ため、改質反応の初期には、改質流路18(熱交換流路58Aの上流側の一部)において部分酸化反応に伴う発熱が生じる。このため、図3(A)に破線にして示す如く、改質反応の初期には部分酸化反応を伴わない反応と比較して吸熱量の小さい領域が存在する。ここで、熱交換型改質器10では、上記の通り改質触媒22の上流側担持端22Aが酸化触媒24の上流側担持端24Aよりも上流側に位置するため、改質流路18の初期には部分酸化反応に伴う発熱を水蒸気改質反応に利用し、部分酸化反応の収束後に燃焼流路20からの熱供給によって水蒸気改質反応を維持する。これにより、ガス流れ方向の各部での吸発熱がバランスされる(吸発熱の分布(の傾向)が一致する)と共に、熱交換型改質器10全体(システム)としての熱収支が最適化される。
なお、改質流路18に酸素が供給されない条件、又は炭化水素原料に対する酸素供給量が少ない低O/C比の条件では、改質流路18では部分酸化反応が生ぜず又は部分酸化反応による発熱が著しく小さい。この場合でも上記した並行流熱交換型の熱交換型改質器10としての効果、局所的な高温状態発生の抑制効果を得ることができることは言うまでもない。この場合、改質触媒22の上流側担持端22Aと酸化触媒24の上流側担持端24Aとのガス流れ方向のオフセット量は、部分酸化反応を伴う条件又は高O/C比の条件で運転される構成と比較して小さく設定することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品・部分については上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、図示を省略する場合もある。
(第2の実施形態)
図5には、本発明の第2の実施形態に係る熱交換型改質器70が図1に対応する分解平面図にて示されている。この図に示される如く、熱交換型改質器70は、改質触媒22の担持範囲が酸化触媒24の担持範囲に対して上流側に広い点で第1の実施形態に係る熱交換型改質器10と共通し、改質触媒22の上流側担持端22Aが熱交換流路58Aの上流端に略一致する点で熱交換型改質器10とは異なる。したがって、熱交換型改質器70では、熱交換流路64Aの上流端側の一部が酸化触媒24の非担持領域とされている。熱交換型改質器70の他の構成は、熱交換型改質器10の対応する構成と同じである。
このように、第2の実施形態に係る熱交換型改質器70では、上記の通り改質触媒22の担持範囲が酸化触媒24の担持範囲に対して上流側に広いで第1の実施形態に係る熱交換型改質器10と共通するため、熱交換型改質器70によっても熱交換型改質器10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。すなわち、熱交換型改質器70では、燃焼反応による高発熱部位と改質反応による高吸熱部位とを良好に一致させることができる。
なお、本発明は、改質触媒22、酸化触媒24の担持範囲の上流側担持端22A、24Aが並行流部52A(熱交換流路58A、64A)の上流端を基準にするとことに限定されることはない。但し、良好な熱交換性能を得る(小型化を図る)ために、熱交換流路58A、64Aの体積を有効利用することが望ましい。
(第3の実施形態)
図6には、本発明の第3の実施形態に係る熱交換型改質器80が図1に対応する分解平面図にて示されている。この図に示される如く、熱交換型改質器80は、各改質流路18(分割流路58)、燃焼流路20(分割流路64)における改質触媒22、酸化触媒24の担持範囲は、熱交換型改質器70における改質触媒22、酸化触媒24の担持範囲と同等であるが、改質触媒22の一部が他の部分よりも高担持濃度とされている点で、第2の実施形態に係る熱交換型改質器70とは異なる。
具体的には、改質触媒22の上流側担持端22Aからガス流れ方向に沿った所定距離L1までの範囲が、改質触媒22の担持範囲における他の部分よりも改質触媒22の担持濃度が高い(濃い)高濃度担持領域22Bとされている。この実施形態では、高濃度担持領域22Bの下流端は、酸化触媒24の上流側担持端24Aよりもわずかに下流側に位置している。換言すれば、酸化触媒24の上流側担持端24A(燃焼開始位置)は、改質触媒22の高濃度担持領域22Bのガス流れ方向の中間(途中)部に位置している。熱交換型改質器80の他の構成は、熱交換型改質器70、10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る80によっても、第1又は第2の実施形態に係る熱交換型改質器10、70と同様の作用によって、同様の効果を得ることができる。また、熱交換型改質器80は、改質原料の入口側端部側の所定範囲が高濃度担持領域22Bとされているため、改質触媒22の高濃度担持領域22Bでの改質反応が促進されて吸熱量が増し、改質流路18での改質反応に伴う吸熱のピークPcが上流側にシフトして燃焼流路20での燃焼発熱のピークに一層近接する。このため、熱交換型改質器80では、燃焼流路20での発熱を一層有効に利用して効率的に改質による水素生成を行うことができ、局所的な高温状態の発生が一層効果的に回避される。さらに、改質反応に部分酸化反応を伴う場合であっても、改質原料の入口側端部側すなわち高濃度担持領域22Bでの吸熱量が大きくなる熱交換型改質器80では、部分酸化反応(による発熱)が早期に収束し、ガス流れ方向の各部での吸発熱が良好にバランスされると共に、熱交換型改質器80全体(システム)としての熱収支が最適化される。
なお、第3の実施形態では、改質触媒22(高濃度担持領域22B)の上流側担持端22Aが酸化触媒24の上流側担持端24Aよりも上流側に位置する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、高濃度担持領域22Bの上流側担持端22Aが酸化触媒24の上流側担持端24Aに略一致する構成としても良い。この場合でも、高濃度担持領域22Bによって吸熱ピークが上流側にシフトするため、第1の実施形態に係る熱交換型改質器10と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図7には、本発明の第4の実施形態に係る熱交換型改質器90が図1に対応する分解平面図にて示されている。この図に示される如く、熱交換型改質器90は、酸化触媒24の一部が他の部分よりも低担持濃度とされている点で、上記各実施形態に係る熱交換型改質器、10、70、80とは異なる。
具体的には、酸化触媒24の上流側担持端24Aからガス流れ方向に沿った所定距離L2までの範囲が、酸化触媒24の担持範囲における他の部分よりも酸化触媒24の担持濃度が低い(薄い)低濃度担持領域24Bとされている。この実施形態では、低濃度担持領域24Bの上流端である上流側担持端24Aは、改質触媒22の上流側担持端22Aと略一致している。換言すれば、改質触媒22と低濃度担持領域24Bを含む酸化触媒24とで、少なくとも上流側の触媒担持範囲が略一致している。熱交換型改質器90の他の構成は、熱交換型改質器70、10の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る90によっても、第1又は第2の実施形態に係る熱交換型改質器10、70と同様の作用によって、同様の効果を得ることができる。また、熱交換型改質器90は、燃焼燃料の入口側端部側の所定範囲が低濃度担持領域24Bとされているため、酸化触媒24の低濃度担持領域24Bでの燃焼反応が抑制されてピーク発熱量が低減し、発熱を生じる領域(発熱分布が)が下流側に広がって燃焼流路20での燃焼発熱のピークが改質流路18での改質反応に伴う吸熱のピークに近接する。また、上流側担持端24Aを含む低濃度担持領域24Bではピーク発熱量が低く抑えられるため、改質触媒22、24の上流側担持端22A、24Aを略一致させた構成において、局所的な高温状態の発生が一層効果的に回避される。さらに、改質反応に部分酸化反応を伴う場合であっても、燃焼流路20におけるから改質流路18への電熱量が低濃度担持領域24Bにおいて低く抑えられるため、ガス流れ方向の各部での吸発熱が良好にバランスされると共に、熱交換型改質器90全体(システム)としての熱収支が最適化される。
なお、第4の実施形態では、改質触媒22の上流側担持端22Aと酸化触媒24の上流側担持端24Aとが略一致する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、上記各実施形態と同様に改質触媒22の上流側担持端22Aを酸化触媒24の上流側担持端24Aよりも上流側に設定しても良い。また、第4の実施形態では、改質触媒22に高濃度担持領域22Bが設定されない例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、低濃度担持領域24Bが設定された本実施形態において、改質触媒22に高濃度担持領域22Bを設定しても良い。以上のように吸発熱のピークを互いに反対側にシフトする構成を組み合わせることで、改質流路18での吸熱分布と燃焼流路20での発熱の分布とを一層良好に一致させて、吸発熱を良好にバランスさせることも可能になる。
また、上記各実施形態では、熱交換型改質器10が燃料電池システム11に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、改質原料から水素含有ガスを得るための各種熱交換型改質器であれば足り、用途によって限定されることはない。
さらに、上記各実施形態では、改質流路18を形成するための単位プレート部材50と燃焼流路20を形成するための単位プレート部材51とを交互に積層して熱交換型改質器10、70、80、90を構成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2層の改質流路18に対し1層の燃焼流路20が配置されるように単位プレート部材50、単位プレート部材51を積層しても良い。
本発明の第1の実施形態に係る熱交換型改質器の要部を示す分解平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る熱交換型改質器の要部を示す分解斜視図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態に係る熱交換型改質器の吸発熱を示す線図、(B)は比較例に係る熱交換型改質器の吸発熱を示す線図である。 本発明の第1の実施形態に係る熱交換型改質器が適用された燃料電池システムの概略システムフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る熱交換型改質器の要部を示す分解平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る熱交換型改質器の要部を示す分解平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る熱交換型改質器の要部を示す分解平面図である。 本発明の実施形態との第1比較例に係る熱交換型改質器を示す図であって、(A)分解平面図、(B)は局所的な高温部位を示す平面図である。 本発明の実施形態との第2比較例に係る熱交換型改質器を示す図であって、(A)分解平面図、(B)は局所的な高温部位を示す平面図である。
符号の説明
10 熱交換型改質器
18 改質流路(改質部)
20 燃焼流路(加熱部)
22 改質触媒
22A 上流側担持端(改質原料供給側の端部位置)
22B 高濃度担持領域
24 酸化触媒
24A 上流側担持端(燃料供給側の端部位置)
24B 低濃度担持領域
52 プレート部(隔壁)
70・80・90 熱交換型改質器

Claims (5)

  1. 改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、
    前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、
    を備え
    前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部位置を、前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部位置よりもガス流れ方向上流側に設定した熱交換型改質器。
  2. 改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、
    前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、
    を備え
    前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該改質触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも高く設定した熱交換型改質器。
  3. 前記改質部での改質触媒の担持範囲における改質原料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該改質触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも高く設定した請求項1記載の熱交換型改質器。
  4. 前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該酸化触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも低く設定した請求項1又は請求項記載の熱交換型改質器。
  5. 改質反応用の改質触媒が担持され、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された改質原料から水素を生成するための改質部と、
    前記改質部のガス流と同じ方向のガス流を生じさせるように隔壁を介して前記改質部に隣接されると共に触媒燃焼用の酸化触媒が担持され、供給された燃料の触媒燃焼に伴って生じた熱を前記改質部に供給するための加熱部と、
    を備え
    前記加熱部での酸化触媒の担持範囲における燃料供給側の端部から所定範囲の触媒担持濃度を、該酸化触媒の担持範囲における他の部分の触媒担持濃度よりも低く設定した熱交換型改質器。
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