JP4210906B2 - 直交流型燃料改質器 - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系燃料を改質反応により改質して水素を生成する燃料改質器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスの電気化学反応により電気を発生させる燃料電池は、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ないことから、近年、発電用、低公害の自動車用電源等、種々の用途が期待されている。燃料電池は、水素ガスを燃料極に、空気等の酸化剤ガスを酸素極に供給することで発電する。燃料電池の燃料となる水素ガスは、メタノール、メタン、ガソリン等の炭化水素系燃料を改質して生成される。
【0003】
燃料改質器は、上記炭化水素系燃料と水蒸気とを含む改質燃料ガスから、改質反応により水素リッチガスを生成する装置である。例えば、炭化水素系燃料として、メタンを使用した場合には、改質反応は、式CH4+H2O→3H2+COで表される反応となる。この改質反応は、吸熱反応であるため、反応時には熱を供給することが必要となる。
【0004】
改質燃料ガスを効率良く加熱し、改質反応を促進させるという観点から、様々な構造の燃料改質器が提案されている。一例として、交互に配置された改質部と燃焼部とを有し、燃焼部で燃焼用ガスを触媒燃焼させ、発生した熱を伝熱により改質部での改質反応へ用いる燃料改質器がある。この種の燃料改質器には、例えば、改質燃料ガスと燃焼用ガスとが同一方向に並行に流れる並行流型燃料改質器や、改質燃料ガスと燃焼用ガスとが対向して並行に流れる対向流型燃料改質器がある。これらの燃料改質器は、熱交換効率が高く、改質反応が均質に進行するという利点がある。しかし、同じ方向に開口したマニホールド設計となるため、ガスを配流する点において構造が複雑となり、コストもかかる。一方、改質燃料ガスと燃焼用ガスとが直交するように流れる直交流型燃料改質器がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−126002号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
直交流型燃料改質器では、改質燃料ガスと燃焼用ガスとが異なる方向から供給されるため、マニホールドの設計が容易となる。しかしながら、改質反応による吸熱の大きな領域と、触媒燃焼反応による発熱の大きな領域とがずれてしまうため、改質器内部にて温度分布が生じ、局所的に高温領域が生じてしまうという問題がある。以下具体的に、図を用いて説明する。
【0007】
図14に、直交流型燃料改質器の構造例を示す。図14に示すように、直交流型燃料改質器100は、プレート200と、改質流路300と、燃焼流路400とを備える。プレート200は、ステンレス鋼製であり、複数積層されている。改質流路300と燃焼流路400とは、隣り合うプレート200間に交互に形成されている。改質流路300を形成するプレート200の表面には、改質反応を進行させるための改質触媒が担持されている。また、燃焼流路400を形成するプレート200の表面には、燃焼用ガスを燃焼させるための燃焼触媒が担持されている。改質流路300には、図14中左側から改質燃料ガスが供給される。燃焼流路400には、図14中下側から燃焼用ガスが供給される。燃焼流路400にて燃焼反応が進行し、燃焼により生じた熱は、プレート200を介して改質流路300へ伝達される。改質流路300では、伝達された熱を利用して改質反応が進行する。
【0008】
ここで、直交流型燃料改質器を構成する一枚のプレートの両表面での反応状態について考察する。図14に示したように、改質流路と燃焼流路とが交互に形成されているため、一枚のプレートの一方の表面には改質触媒が担持され、他方の表面には燃焼触媒が担持されている。また、改質触媒および燃焼触媒は、プレートの表面全体に均一に担持されている。図15に、上記一枚のプレートの両表面での反応状態のモデル図を示す。図15において、プレートの表側(改質側)には改質燃料ガスが流れており、プレートの裏側(燃焼側)には燃焼用ガスが流れている。図15では、プレートの裏側における反応状態を、点線で示している。改質触媒が担持され、改質反応が行われる改質側では、改質燃料ガスの濃度の高い上流側で反応が進行し易い。つまり、改質燃料ガスの上流側で吸熱が大きい。一方、燃焼触媒が担持され、燃焼用ガスの燃焼反応が行われる燃焼側では、燃焼用ガスの濃度の高い上流側で反応が進行し易い。つまり、燃焼用ガスの上流側で発熱が大きい。つまり、直交流型燃料改質器では、改質燃料ガスの反応勾配と、燃焼用ガスの反応勾配とが直交する傾向を示す。以下、上記一枚のプレートをa、b、c、dの四つの領域に分けて考える。aは、発熱と吸熱とがともに大きい領域である。したがって、触媒燃焼により生じた熱は、有効に改質反応に利用される。また、bは、吸熱が大きく発熱が小さい領域である。さらに、cは、吸熱と発熱とがともに小さい領域である。このため、領域b、cでは、温度が過度に上昇する可能性は少ない。一方、dは、吸熱は小さいが発熱が大きい領域である。また、領域dに流入する改質燃料ガスは、ほぼ水素リッチガスに転化され、高温状態となっている。そのため、領域dは高温状態となる。つまり、燃料改質器の内部で、過度の高温領域が局所的に生じることになる。燃料改質器の内部が高温になり過ぎると、改質触媒、燃焼触媒、触媒を担持する担体、プレート等が劣化し、燃料改質器の耐久性が低下する。
【0009】
上記特許文献1に記載された直交流型燃料改質器では、燃焼触媒を、燃焼用ガスの下流側が高密度になるよう担持させている。しかし、この担持方法は、燃焼用ガスの下流側でも充分な発熱を確保するものであり、燃料改質器内部における高温領域の発生を解消するものではない。
【0010】
本発明は、直交流型燃料改質器における上記問題を解決するためになされたものであり、改質触媒および燃焼触媒のうち少なくとも一方の担持配分を調整することで、内部における高温領域の発生を抑制し、改質反応を均一に進行することのできる直交流型燃料改質器を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明の直交流型燃料改質器は、積層された複数のプレートと、該複数のプレート間に形成され炭化水素系燃料を含む改質燃料ガスが流れる改質流路と、該複数のプレート間に形成され燃焼用ガスが該改質燃料ガスに対してほぼ直交に流れる燃焼流路と、を備え、前記改質流路を形成するプレートの表面には、改質反応を進行させるための改質触媒が担持され、前記燃焼流路を形成するプレートの表面には、前記燃焼用ガスを燃焼させるための燃焼触媒が担持され、該改質触媒および該燃焼触媒のうち少なくとも一方は、改質反応における吸熱と燃焼用ガスの燃焼反応における発熱とが調整されるよう配分された直交流型燃料改質器であって、
前記燃焼触媒は、少なくとも前記改質燃料ガスの上流域かつ前記燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持され、該改質燃料ガスの下流域かつ該燃焼用ガスの上流域に対応する部位では、他の部位よりも該燃焼触媒の担持量が少ない、あるいは該燃焼触媒が担持されていないことを特徴とする。
【0012】
上述したように、従来の直交流型燃料改質器では、燃料改質器内の一部の領域にて、改質反応による吸熱と燃焼反応による発熱とのバランスが悪かった。つまり、燃料改質器内の一部の領域にて、燃焼用ガスの燃焼反応で生じた熱量が、改質反応で必要な熱量より過剰になり過ぎていた。そのため、燃料改質器内の一部で温度が上昇し、高温領域が生じていた。
【0013】
本発明の直交流型燃料改質器では、改質触媒および燃焼触媒のうち少なくとも一方の担持配分を調整して、吸熱と発熱とのバランスをとっている。ここで、「バランス」とは、必ずしも発熱量と吸熱量とが等しい状態のみを意味するものではない。発熱量と吸熱量とが等しい状態に加え、過度の温度上昇を招かない程度であれば、発熱量が吸熱量を上回っている状態をも含む概念である。
【0014】
具体的には、改質触媒および燃焼触媒のうち少なくとも一方の担持量を、担持させる位置によって変化させる。その結果、個々の領域での吸熱量や発熱量が調整され、局所的な温度上昇が抑制される。また、燃焼側で生じた熱が、燃焼用ガスの顕熱上昇ではなく、改質反応へ有効に利用されるため、改質効率が向上する。したがって、本発明の直交流型燃料改質器では、燃料改質器の内部における高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率良く進行する。また、局所的な温度上昇が抑制されるため、本発明の直交流型燃料改質器は耐久性に優れる。
【0016】
本発明の直交流型燃料改質器では、直交型燃料改質器を作動させた際、高温になる領域に対応する部位には、担持させる燃焼触媒の量を予め少なくするか、あるいは燃焼触媒を担持しないようにする。上述したように、直交流型燃料改質器では、吸熱が小さく発熱が大きい領域、つまり、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域で、高温状態となり易い。したがって、その領域に対応する部位における燃焼触媒を他の部位より減量する、あるいは非担持とすることで、発熱反応である触媒燃焼を抑制し、過度の温度上昇を抑制することができる。
【0018】
上述したように、改質燃料ガスの上流域では、改質燃料ガス濃度が高いため改質反応が進行し易い。よって、改質燃料ガスの上流域では吸熱が大きい。したがって、改質燃料ガスの上流域と、燃焼用ガス濃度が高く大きな発熱の期待できる燃焼用ガスの上流域とが重複する部位に、燃焼触媒を担持させることで、燃焼により生じた熱を有効に改質反応に利用して、改質効率を向上させることができる。
【0019】
発明の直交流型燃料改質器は、前記燃焼用ガスの下流域における前記燃焼触媒の担持面積が、該燃焼用ガスの上流域における該燃焼触媒の担持面積より小さい態様を採用することが望ましい。
【0020】
焼用ガスの上流域において、触媒燃焼により発生した熱は、燃焼用ガスの顕熱として下流へ移送される。よって、燃焼触媒の担持密度を一定とした場合、燃焼用ガスの下流域に、上流域と同じ面積の燃焼触媒が担持されていると、下流域の熱量は、燃焼触媒による発熱量と燃焼用ガスの顕熱として移送された熱量との和となる。つまり、下流域における熱量が大きくなる。本態様では、下流域の触媒面積が上流域の触媒面積よりも小さいため、下流域における触媒燃焼による発熱が減少し、温度上昇が抑制される。
【0021】
発明の直交流型燃料改質器は、前記燃焼用ガスの下流域における前記燃焼触媒の担持量が、該燃焼用ガスの上流域における該燃焼触媒の担持量より少ない態様を採用することが望ましい。
【0022】
述したように、燃焼用ガスの上流域において、触媒燃焼により発生した熱は、燃焼用ガスの顕熱として下流へ移送される。よって、燃焼用ガスの下流域に、上流域と同じ量の燃焼触媒が担持されていると、下流域の熱量は、燃焼触媒による発熱量と燃焼用ガスの顕熱として移送された熱量との和となる。つまり、下流域における熱量が大きくなる。本態様では、下流域の触媒量が上流域の触媒量よりも少ないため、下流域における触媒燃焼による発熱が減少し、温度上昇が抑制される。
【0023】
発明の直交流型燃料改質器は、前記複数のプレート間が、該プレートの面方向に延びる仕切壁により区画され、該仕切壁により区画された各々の区画流路が前記燃焼流路となり、前記燃焼用ガスが該燃焼流路を順に往復して流れる態様を採用することが望ましい。
【0024】
本態様では、一対のプレート間に複数の燃焼流路が形成されている。例えば、プレート間を仕切壁により二つに区画して、第一燃焼流路と第二燃焼流路とを形成することができる。このように、二つの燃焼流路を形成した態様において、燃焼用ガスを第一燃焼流路へ供給した場合には、第一燃焼流路を通過したガスは、燃焼用ガスの供給方向とは逆の方向で、第二燃焼流路へ供給される。つまり、供給された燃焼用ガスは燃料改質器内でUターンし、供給された側と同じ側から排出される。この場合、供給される燃焼用ガスの濃度が高く、改質燃料ガスの上流域に対応する第一燃焼流路において、上記のごとく担持配分を調整するとより望ましい。
【0025】
本態様における燃焼流路は、一対のプレート間に一つの燃焼流路が形成された場合と比較して、反応可能な面積が小さい。そのため、燃焼用ガスが最初に通過する燃焼流路では、一部の燃焼用ガスが、未反応のまま通過すると考えられる。この未反応の燃焼用ガスは、後に続く燃焼流路において燃焼される。このように、燃焼反応を複数の燃焼流路にて段階的に行うことで、過度の発熱が抑制され、温度上昇が抑制される。
【0026】
また、改質燃料ガスの上流域では、改質燃料ガス濃度が高いため、改質反応が進行し易く吸熱が大きい。よって、改質燃料ガスの上流域に対応する燃焼流路における発熱量が大きい場合には、改質反応をより促進することができる。燃焼用ガスが最初に通過する燃焼流路にて、発熱量が最も大きくなるよう燃焼触媒の担持配分を調整することで、燃焼により生じた熱を改質反応へ有効に利用させることができる。また、燃焼用ガスの燃焼反応を、改質燃料ガスの上流側へ集中させることで、並行流型燃料改質器における改質反応に近い状態を実現することができる。すなわち、改質効率を高くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の直交流型燃料改質器の実施形態について詳しく説明する。
【0028】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態の直交流型燃料改質器の構成を説明する。図1に、本実施形態の直交流型燃料改質器の流路構造の斜視図を示す。なお、図1では、流路構造の一部のみを拡大して示している。つまり、本実施形態の直交流型燃料改質器では、図1に示す流路構造が、プレートの積層方向に繰り返し展開されている。
【0029】
図1に示すように、直交流型燃料改質器1は、プレート2と、改質流路3と、第一燃焼流路41と、第二燃焼流路42とを備える。プレート2は、ステンレス鋼製であり、縦100mm×横100mm×厚さ500μmの薄板状を呈している。プレート2は、複数積層されており、隣り合うプレート2の間は、500μmである。改質流路3と、第一燃焼流路41および第二燃焼流路42とは、隣り合うプレート2間に交互に形成されている。
【0030】
改質流路3を形成するプレート2の表面には、改質触媒としてロジウム(Rh)系触媒が担持されている。改質触媒は、該プレート2の表面全体にほぼ均一に担持されている。
【0031】
改質流路3が形成されていない隣り合うプレート2の間には、プレート2の面方向に延びる仕切壁20が設けられている。仕切壁20は、ステンレス鋼製であり、角柱状を呈している。仕切壁20により、隣り合うプレート2の間が二つに区画され、二つの区画流路が形成されている。二つの区画流路は、それぞれ第一燃焼流路41、第二燃焼流路42となっている。第一燃焼流路41および第二燃焼流路42は、本発明の直交流型燃料改質器における燃焼流路に相当する。つまり、燃焼流路は、改質流路3が形成されていない隣り合うプレート2の間に、二つずつ形成されている。第一燃焼流路41および第二燃焼流路42を形成するプレート2の表面には、燃焼触媒として白金(Pt)系触媒が担持されている。燃焼触媒は、改質反応における吸熱と燃焼用ガスの燃焼反応における発熱とが調整されるよう配分担持されている。第一燃焼流路41および第二燃焼流路42を形成するプレート2の表面における燃焼触媒の配置については、後述する。
【0032】
次に、本実施形態の直交流型燃料改質器における改質機構を説明する。改質流路3には、図中左側から改質燃料ガスが供給される。第一燃焼流路41には、図中下側から燃焼用ガスが供給される。第一燃焼流路41を通過したガスは、Uターンして第二燃焼流路42へ供給される。第一燃焼流路41および第二燃焼流路42にて燃焼反応が進行し、燃焼により生じた熱は、プレート2を介して改質流路3へ伝達される。改質流路3では、伝達された熱を利用して改質反応が進行する。
【0033】
次に、プレートの表面における改質触媒および燃焼触媒の配置を説明する。本実施形態では、第一燃焼流路同士等、図中番号の同じ燃焼流路において、燃焼触媒の配置は同じである。また、改質触媒の配置は、すべての改質流路において同じである。図2に、直交流型燃料改質器を構成するプレートを三枚だけ示す。図2において、紙面最前列のプレート21と、前から二枚目のプレート22との間には、改質流路3が形成されている。また、前から二枚目のプレート22と三枚目のプレート23との間には、第一燃焼流路41および第二燃焼流路42が形成されている。なお、プレート21の表側も、第一燃焼流路41および第二燃焼流路42を形成している。
【0034】
図2中、斜線部分は、改質触媒の担持位置を示す。また、黒塗り部分は、燃焼触媒の担持位置を示す。図2中斜線で示すように、プレート21、22における改質流路3側の表面全体には、改質触媒がほぼ均一に担持されている。一方、プレート21〜23の表面における第一燃焼流路41を形成する部位には、燃焼触媒が分散して担持されている。なお、各々の部位における燃焼触媒の担持密度は同じである。また、プレート21〜23の表面における第二燃焼流路42を形成する部位には、燃焼触媒がほぼ均一に担持されている。
【0035】
以下、第一燃焼流路41における燃焼触媒の配置について詳しく説明する。第一燃焼流路41では、燃焼触媒は、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持されている。しかし、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。また、燃焼触媒は、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位に担持されているが、その担持面積は、燃焼用ガスの上流域における担持面積より小さい。つまり、燃焼触媒は、燃焼用ガスの上流域と下流域とにおいて、担持面積が異なるよう二段の階段状に配置されている。
【0036】
次に、第一燃焼流路41および第二燃焼流路42における、燃焼用ガスの流れおよび燃焼反応について説明する。燃焼用ガスは、まず、第一燃焼流路41へ供給される。改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持された燃焼触媒により、同部位で燃焼反応が進行し熱が発生する。発生した熱は、プレート21〜23の各々を介して改質流路3へ伝達され、改質燃料ガスの改質反応に利用される。一方、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒が担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域では、燃焼反応による発熱は生じない。未反応の燃焼用ガスは、燃焼用ガスの下流域にて担持された燃焼触媒により燃焼する。よって、燃焼用ガスの下流域にて熱が発生する。また、燃焼用ガスの上流域で発生した熱の一部は、図中点線の矢印で示すように、燃焼用ガスの顕熱として下流域へ移送される。よって、燃焼用ガスの下流域では、燃焼反応により生じた熱と、上流域から下流域へ移送された熱とが存在する。第一燃焼流路41を通過した燃焼用ガスは、Uターンして第二燃焼流路42へ供給される。第二燃焼流路42を形成するプレート21〜23の表面には、燃焼触媒がほぼ均一に担持されている。そのため、未反応の燃焼用ガスの燃焼反応が進行する。第二燃焼流路42を通過した後、燃焼用ガスは排出される。
【0037】
第一燃焼流路41では、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域にて、燃焼反応による発熱は生じない。そのため、同領域での過度の温度上昇は抑制される。また、第一燃焼流路41では、燃焼用ガスの下流域に担持された燃焼触媒の担持面積は、上流域の担持面積よりも小さい。言い換えれば、燃焼用ガスの下流域に担持された燃焼触媒の担持量は、上流域の担持量より少ない。このため、上流域での発熱量と比較して、下流域での発熱量は小さくなる。下流域で発生した熱は改質反応に利用されるため、燃焼用ガスの下流域において過度に温度が上昇することはない。このように、第一燃焼流路41では、燃焼触媒の担持配分が調整されているため、高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率よく進行する。
【0038】
第二燃焼流路42では、第一燃焼流路41において反応しなかった未反応の燃焼用ガスが燃焼する。よって、燃焼用ガスのロスは少ない。また、第二燃焼流路42では、燃焼用ガスの濃度は低くなっているため、燃焼反応は穏やかに進行し、過度の温度上昇はない。そして、燃焼反応により生じた熱は、プレート21〜23の各々を介して改質流路3へ伝達され、改質反応へ利用される。このように、一対のプレート間に二つの燃焼流路を設けることで、燃焼反応を段階的に行うことができる。その結果、過度の発熱が抑制され、温度上昇が抑制される。また、燃焼用ガスの燃焼反応を、改質燃料ガスの上流側へ集中させることができる。その結果、並行流型燃料改質器における改質反応に近い状態を実現することができ、改質効率が高くなる。
【0039】
(2)第二実施形態
第二実施形態と第一実施形態との相違点は、第一燃焼流路における燃焼触媒の担持位置を変更した点である。それ以外の構成は、第一実施形態と同じであるため、ここでは、主に第一燃焼流路における燃焼触媒の担持位置について説明する。
【0040】
本実施形態の直交流型燃料改質器において、第一燃焼流路および第二燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を図3に示す。なお、図2と対応する部材は同じ符号で示す。プレート21は、図中点線で示す位置で、図示しない仕切壁にて仕切られている。プレート21の左半分が第一燃焼流路41を、右半分が第二燃焼流路42を形成する。図3中、黒塗り部分は、燃焼触媒の担持位置を示す。図3に示すように、プレート21の表面における第一燃焼流路41を形成する部位には、燃焼触媒が分散して担持されている。また、プレート21の表面における第二燃焼流路42を形成する部位には、燃焼触媒がほぼ均一に担持されている。
【0041】
以下、第一燃焼流路41における燃焼触媒の配置について詳しく説明する。第一燃焼流路41では、燃焼触媒は、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持されている。しかし、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。また、燃焼触媒は、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位に担持されているが、その担持面積は、燃焼用ガスの上流域における担持面積より小さい。そして、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位に担持された燃焼触媒の位置は、第一実施形態における同燃焼触媒の位置と比較して、改質燃料ガスの下流側にシフトしている。このように、燃焼触媒は、燃焼用ガスの上流域と下流域とに分散され、各々の担持面積が異なるよう配置されている。
【0042】
本実施形態では、燃焼触媒が分散され、かつその担持面積が調整されているため、上記第一実施形態と同様、燃料改質器における高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率よく進行する。
【0043】
(3)第三実施形態
第三実施形態と第一実施形態との相違点は、第一燃焼流路における燃焼触媒の担持位置を変更した点である。それ以外の構成は、第一実施形態と同じであるため、ここでは、主に第一燃焼流路における燃焼触媒の担持位置について説明する。
【0044】
本実施形態の直交流型燃料改質器において、第一燃焼流路および第二燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を図4に示す。なお、図2と対応する部材は同じ符号で示す。プレート21は、図中点線で示す位置で、図示しない仕切壁にて仕切られている。プレート21の左半分が第一燃焼流路41を、右半分が第二燃焼流路42を形成する。図4中、黒塗り部分は、燃焼触媒の担持位置を示す。図4に示すように、プレート21の表面における第一燃焼流路41を形成する部位の一部には、燃焼触媒が担持されていない。また、プレート21の表面における第二燃焼流路42を形成する部位には、燃焼触媒がほぼ均一に担持されている。
【0045】
以下、第一燃焼流路41における燃焼触媒の配置について詳しく説明する。第一燃焼流路41では、燃焼触媒は、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には担持されていない。一方、燃焼触媒は、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持されている。さらに、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位、および、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位の一部にも、燃焼触媒は担持されている。つまり、本実施形態と第一実施形態とでは、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位における燃焼触媒の有無が異なる。本実施形態では、上記部位にも燃焼触媒が担持されている。そのため、本実施形態では、燃焼触媒の担持面積は、燃焼用ガスの上流域よりも下流域の方が大きくなっている。
【0046】
本実施形態では、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域にて、燃焼反応による発熱は生じない。そのため、同領域での過度の温度上昇は抑制される。また、燃焼触媒の担持面積は、燃焼用ガスの上流域よりも下流域の方が大きくなっている。第一燃焼流路41において、燃焼用ガスの下流域は、上流域で燃焼反応が進行するため、燃焼用ガスの濃度が比較的低い領域となる。さらに、改質燃料ガスの上流域に対応する領域では、改質反応による吸熱が大きい。そのため、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位に燃焼触媒が担持されていても、燃焼反応による発熱はそれほど大きくならない。よって、同部位における燃焼触媒の有無は、燃料改質器内部における温度上昇にあまり影響がない。したがって、本実施形態においても、上記第一実施形態と同様、燃料改質器における高温領域の発生を抑制し、改質反応を効率よく進行させることができる。
【0047】
(4)第四実施形態
第四実施形態と第一実施形態との相違点の一つは、燃焼流路が形成される一対のプレート間が仕切壁で区画されておらず、同プレート間に、燃焼流路が一つだけ形成された点である。すなわち、本実施形態の直交流型燃料改質器は、上記図14に示した構造を有する。図14に示したように、供給された燃焼用ガスは、隣り合うプレート間に形成された一つの燃焼流路を通過した後、そのまま排出される。また、もう一つの相違点は、燃焼流路における燃焼触媒の担持位置が異なる点である。それ以外の構成は、第一実施形態と同じである。そのため、ここでは、燃焼流路における燃焼触媒の担持位置について説明する。
【0048】
まず、燃焼触媒の配置を説明する。図5に、本実施形態の直交流型燃料改質器における、燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を示す。図5中、黒塗り部分は、燃焼触媒の担持位置を示す。なお、図5中、改質燃料ガスは、点線矢印で示したように、プレート5の裏側を左側から右側へ流れる。燃焼用ガスは、白抜き矢印で示したように、下側から上側へ流れる。図5に示すように、燃焼触媒は、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持されている。しかし、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。また、燃焼触媒は、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの下流域に対応する部位に担持されているが、その担持面積は、燃焼用ガスの上流域における担持面積より小さい。つまり、燃焼触媒は、燃焼用ガスの上流域と下流域とにおいて、担持面積が異なるよう二段の階段状に配置されている。
【0049】
次に、燃焼流路における、燃焼用ガスの流れおよび燃焼反応について説明する。図中下側から供給された燃焼ガスは、最初に、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持された燃焼触媒により燃焼する。燃焼用ガスの燃焼反応により熱が発生する。発生した熱は、プレート5の裏側に形成された改質流路へ伝達され、改質燃料ガスの改質反応に利用される。一方、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒が担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域では、燃焼反応による発熱は生じない。また、該流域で反応しなかった燃焼用ガスは、燃焼用ガスの下流域にて担持された燃焼触媒により燃焼する。よって、燃焼用ガスの下流域にて熱が発生する。一方、燃焼用ガスの上流域で発生した熱の一部は、図中点線の矢印で示すように、燃焼用ガスの顕熱として下流域へ移送される。よって、燃焼用ガスの下流域では、燃焼反応により生じた熱と、上流域から下流域へ移送された熱とが存在する。燃焼流路を通過した燃焼用ガスは、図中上側へ排出される。
【0050】
本実施形態では、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域にて、燃焼反応による発熱は生じない。そのため、同領域での過度の温度上昇は抑制される。また、燃焼用ガスの下流域に担持された燃焼触媒の担持面積は小さい。このため、上流域での発熱量と比較して、下流域での発熱量は小さくなる。下流域で発生した熱は改質反応に利用されるため、燃焼用ガスの下流域において過度に温度が上昇することはない。このように、本実施形態では、燃焼触媒の担持配分が調整されているため、高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率よく進行する。
【0051】
(5)第五実施形態
第五実施形態と第四実施形態との相違点は、燃焼流路における燃焼触媒の担持位置を変更した点である。それ以外の構成は、第四実施形態と同じであるため、ここでは、主に燃焼流路における燃焼触媒の担持位置について説明する。
【0052】
まず、燃焼触媒の配置を説明する。本実施形態の直交流型燃料改質器において、燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を図6に示す。図6中、黒塗り部分は、燃焼触媒の担持位置を示す。なお、図6中、改質燃料ガスは、点線矢印で示したように、プレート5の裏側を左側から右側へ流れる。燃焼用ガスは、白抜き矢印で示したように、下側から上側へ流れる。図6に示すように、本実施形態では、燃焼触媒が、燃焼用ガスの上流から下流に向かって、かつ、改質燃料ガスの上流から下流に向かって、三段の階段状に担持されている。すなわち、燃焼触媒は、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持され、続いて、プレート5の対角線右上方向に、階段状に二カ所担持されている。よって、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。また、燃焼触媒の担持面積は、改質燃料ガスの下流かつ燃焼用ガスの下流になるほど、小さくなっている。
【0053】
次に、燃焼流路における、燃焼用ガスの流れおよび燃焼反応について説明する。図中下側から供給された燃焼ガスは、最初に、改質燃料ガスの上流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持された燃焼触媒により燃焼する。燃焼用ガスの燃焼反応により熱が発生する。発生した熱は、プレート5の裏側に形成された改質流路へ伝達され、改質燃料ガスの改質反応に利用される。一方、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒が担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域では、燃焼反応による発熱は生じない。また、該流域で反応しなかった燃焼用ガスは、燃焼用ガスの中流域および下流域に担持された燃焼触媒により順に燃焼する。よって、燃焼用ガスの中流域および下流域にて熱が発生する。一方、燃焼用ガスの上流域で発生した熱の一部は、図中点線の矢印で示すように、燃焼用ガスの顕熱として下流方向へ移送される。よって、燃焼用ガスの中流域および下流域では、燃焼反応により生じた熱と、上流域から移送された熱とが存在する。燃焼流路を通過した燃焼用ガスは、図中上側へ排出される。
【0054】
本実施形態では、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位には、燃焼触媒は担持されていない。よって、改質燃料ガスの濃度がそれほど高くなく吸熱の少ない領域にて、燃焼反応による発熱は生じない。そのため、同領域での過度の温度上昇は抑制される。また、燃焼用ガスの中流域から下流域にかけて担持された燃焼触媒の面積は、徐々に小さくなっている、このため、上流域での発熱量と比較して、発熱量は徐々に小さくなる。燃焼用ガスの中流域および下流域においても、発生した熱は改質反応に利用されるため、該領域において過度に温度が上昇することはない。このように、本実施形態では、燃焼触媒の担持配分が調整されているため、高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率よく進行する。
【0055】
(6)その他
以上、本発明の直交流型燃料改質器の実施形態について説明した。しかしながら、本発明の直交流型燃料改質器は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の直交流型燃料改質器は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0056】
例えば、上記実施形態では、改質流路と燃焼流路とを一つずつ交互に配置した。しかしながら、改質流路と燃焼流路との間で熱交換が可能であれば、各々の流路の配置は、特に限定されるものではない。例えば、改質流路と燃焼流路とを二つずつ交互に配置してもよく、また、一つの燃焼流路の両側に二つの改質流路を配置したサンドイッチ構造を繰り返してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、燃焼触媒の担持配分を調整した。しかし、燃焼触媒に加えて、改質触媒の担持配分をも調整してもよい。また、改質触媒のみの担持配分を調整しても構わない。改質触媒の担持配分を調整する場合、燃焼用ガスの燃焼反応による発熱が大きい領域で、より改質反応が進行するよう改質触媒を担持させることが望ましい。改質触媒の担持配分の調整例を以下に示す。図13に、改質流路を形成する一枚のプレート表面を示す。図13中、斜線部分は改質触媒の担持位置を示し、斜線がクロスした部位は、他の部位に比べて改質触媒の担持密度が高いことを示す。なお、図13中、改質燃料ガスは、白抜き矢印で示したように、プレート6の左側から右側へ流れる。燃焼用ガスは、点線矢印で示したように、プレート6の裏側を下側から上側へ流れる。図13に示すように、改質触媒は、改質燃料ガスの下流域かつ燃焼用ガスの上流域に対応する部位における担持量が多くなるよう配分担持されている。つまり、燃焼反応による発熱の大きい領域で、改質反応が促進されることになる。したがって、燃焼反応による発熱が有効に改質反応へ利用される。
【0058】
上記実施形態では、燃焼触媒の担持位置を調整して、吸熱と発熱とを調整した。燃焼触媒および改質触媒のいずれの担持配分を調整する場合であっても、吸熱と発熱との調整ができれば、その調整方法が特に限定されるものではない。各々の触媒の担持位置を調整する他、担持位置により担持密度や触媒の種類を変化させてもよい。例えば、触媒担持量の増減、触媒を担持させる担体量の増減、触媒粒子の大きさの調整、触媒の分散状態の調整等により、触媒の担持密度を担持位置によって変化させることができる。
【0059】
第一実施形態〜第三実施形態では、一対のプレート間に燃焼流路を二つ形成した。そして、第一燃焼流路における燃焼触媒を、燃焼用ガスの上流域と下流域とで担持面積が異なるよう配置した。しかし、燃焼用ガスの上流域と下流域とにおける燃焼触媒の担持面積の大きさは、特に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、燃焼用ガスの上流域と下流域とで担持面積を同じにして、燃焼触媒を配置してもよい。また、例えば、図8に示すように、燃焼用ガスの上流域のみに、燃焼触媒を配置してもよい。図7および図8のいずれの態様であっても、燃焼触媒の担持配分が調整されているため、高温領域の発生が抑制される。
【0060】
第四実施形態および第五実施形態では、一対のプレート間に燃焼流路を一つ形成した。そして、燃焼流路における燃焼触媒の担持配分を調整した。これらの形態においても、燃焼触媒の配置は、特に限定されるものではない。例えば、第四実施形態では、燃焼用ガスの上流域における担持面積が大きくなるよう、燃焼触媒を配置した。しかし、例えば、図9に示すように、燃焼用ガスの下流域における担持面積が大きくなるよう、燃焼触媒を配置してもよい。また、図10に示すように、燃焼用ガスの上流域と下流域とで担持面積を同じにして、燃焼触媒を配置してもよい。さらに、図11に示すように、改質燃料ガスの上流域に対応する部位のみに、燃焼触媒を二段の階段状に配置してもよい。また、第五実施形態では、燃焼用ガスの上流から下流方向に担持面積が小さくなるよう、燃焼触媒を配置した。しかし、例えば、図12に示すように、燃焼用ガスの上流域、中流域、下流域において担持面積を同じにして、燃焼触媒を配置してもよい。図9〜図12のいずれの態様であっても、燃焼触媒の担持配分が調整されているため、高温領域の発生が抑制される。
【0061】
第一実施形態〜第三実施形態では、一対のプレート間に二つの燃焼流路を形成した。一対のプレート間における燃焼流路の数は、特に限定されるものではない。但し、流路の数が増えると、流路を通過するガスの圧力損失は増加する。したがって、ガスの圧力損失を考慮して、流路数を適当な数とすればよい。第一実施形態〜第三実施形態では、二つの燃焼流路の流路幅を等しくした。しかし、個々の燃焼流路の幅を等しくする必要はない。つまり、複数の燃焼流路を形成する場合には、個々の燃焼流路の幅を自由に設定することができる。
【0062】
また、改質流路を、一対のプレート間に複数形成してもよい。なお、燃焼触媒の配置に対応させて、複数の改質流路を形成し、改質燃料ガスを流す改質流路を適宜選択することで、改質反応の制御が可能となる。
【0063】
プレート表面における触媒の担持形状も、特に限定されるものではない。上記実施形態では、燃焼触媒を四角形状に担持させたが、円状や多角形状等種々の形状にて担持させることができる。改質流路および燃焼流路を形成するプレートに各触媒を担持させる方法は、特に限定されるものではない。例えば、触媒を分散担持させる場合には、プレート表面で触媒が担持されない部位をマスキングし、マスキングした部位以外に触媒を塗布等すればよい。その後、各プレートを積層させ燃料改質器を組み立てればよい。上記実施形態では、改質触媒をRh系触媒とし、燃焼触媒をPt系触媒とした。しかし、各々の触媒は、上記種類に限定されるものではない。例えば、上記触媒の他、Ni系、Cu系、Pd系触媒等、改質反応、燃焼反応のそれぞれに適当な触媒を適宜選択すればよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明の直交流型燃料改質器では、改質触媒および燃焼触媒のうち少なくとも一方が、改質反応における吸熱と燃焼用ガスの燃焼反応における発熱とが調整されるよう配分されている。これにより、燃料改質器内部の各領域ごとの吸熱量と発熱量とが調整され、局所的な温度上昇が抑制される。また、燃焼側で生じた熱が、改質反応へ有効に利用されるため、改質効率が向上する。したがって、本発明の直交流型燃料改質器では、燃料改質器の内部における高温領域の発生が抑制され、改質反応が効率良く進行する。また、局所的な温度上昇が抑制されるため、本発明の直交流型燃料改質器は耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の直交流型燃料改質器における流路構造の斜視図を示す。
【図2】 第一実施形態の直交流型燃料改質器を構成する三枚のプレートを示す。
【図3】 第二実施形態の直交流型燃料改質器における、第一燃焼流路および第二燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を示す。
【図4】 第三実施形態の直交流型燃料改質器における、第一燃焼流路および第二燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を示す。
【図5】 第四実施形態の直交流型燃料改質器における、燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を示す。
【図6】 第五実施形態の直交流型燃料改質器における、燃焼流路を形成する一枚のプレート表面を示す。
【図7】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図8】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図9】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図10】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図11】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図12】 燃焼触媒の配置例を示す。
【図13】 改質触媒の配置例を示す。
【図14】 直交流型燃料改質器の構造例を示す。
【図15】 直交流型燃料改質器を構成する一枚のプレートの両表面での反応状態のモデル図を示す。
【符号の説明】
1:直交流型燃料改質器
2:プレート 20:仕切壁 21〜23:プレート
3:改質流路
41:第一燃焼流路 42:第二燃焼流路
5、6:プレート

Claims (4)

  1. 積層された複数のプレートと、該複数のプレート間に形成され炭化水素系燃料を含む改質燃料ガスが流れる改質流路と、該複数のプレート間に形成され燃焼用ガスが該改質燃料ガスに対してほぼ直交に流れる燃焼流路と、を備え
    前記改質流路を形成するプレートの表面には、改質反応を進行させるための改質触媒が担持され、
    前記燃焼流路を形成するプレートの表面には、前記燃焼用ガスを燃焼させるための燃焼触媒が担持され、
    該改質触媒および該燃焼触媒のうち少なくとも一方は、改質反応における吸熱と燃焼用ガスの燃焼反応における発熱とが調整されるよう配分された直交流型燃料改質器であって、
    前記燃焼触媒は、少なくとも前記改質燃料ガスの上流域かつ前記燃焼用ガスの上流域に対応する部位に担持され、該改質燃料ガスの下流域かつ該燃焼用ガスの上流域に対応する部位では、他の部位よりも該燃焼触媒の担持量が少ない、あるいは該燃焼触媒が担持されていないことを特徴とする直交流型燃料改質器。
  2. 前記燃焼用ガスの下流域における前記燃焼触媒の担持面積は、該燃焼用ガスの上流域における該燃焼触媒の担持面積より小さい請求項1に記載の直交流型燃料改質器。
  3. 前記燃焼用ガスの下流域における前記燃焼触媒の担持量は、該燃焼用ガスの上流域における該燃焼触媒の担持量より少ない請求項1に記載の直交流型燃料改質器。
  4. 前記複数のプレート間が、該プレートの面方向に延びる仕切壁により区画され、該仕切壁により区画された各々の区画流路が前記燃焼流路となり、前記燃焼用ガスが該燃焼流路を順に往復して流れる請求項1に記載の直交流型燃料改質器。
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