JP6189605B2 - 燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池装置に関し、特に固体酸化物形の燃料電池装置に関する。
燃料電池装置は、燃料電池システムの中核をなすもので、水素富化燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う複数の燃料電池セルと、燃料電池セルの上端部(燃料電池セルの反応ガスの流れ方向における下流端部)から排出されるオフガス(未反応の水素富化燃料)を燃焼させて燃料電池セルを高温状態に維持するオフガス燃焼部と、を含んで構成される。
また、燃料電池装置は、一般には、燃料電池セルの上方に配置されて水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成する改質器を更に含んで構成され、オフガス燃焼部は、燃料電池セルと共に改質器を加熱する。この改質器により燃料電池セルへの水素富化燃料の供給がなされる。
一方、オフガス燃焼部にて生成された排ガスを外部に排出するための排ガス流路については、排ガスが改質器の壁面に沿って流れた後に外部に排出されるように構成される。
このような燃料電池装置は、特許文献1に開示されている。
特許文献1では、改質器が気化部と改質部とを含んで構成されている。気化部では、外部から供給される水を気化させて水蒸気を発生させている。改質部では、気化部で発生した水蒸気を用いて、水素含有燃料を水蒸気改質反応により反応させている。
特許文献1では、改質器において、気化部を構成する金属製の筺体の燃料電池セルに対向する側の面を構成する壁材の厚みを、改質部を構成する金属製の筺体の燃料電池セルに対向する側の面を構成する壁材の厚みよりも大きく形成することで、気化部の熱伝導性を強化することにより、改質器の温度分布の均一化を図っている。
特開2011−096388号公報
ところで、改質器については、その流入口から比較的低温な水素含有燃料が流入するので、改質器の流入口側部分は低温になる虞がある。また、改質器の流入口側部分で水蒸気改質反応が開始される場合には、この反応が吸熱反応であることにより、流入口側部分の温度が低下しかねない。また、改質器の流入口側部分が特許文献1に記載のような気化部である場合には、気化熱により、流入口側部分の温度が低下しかねない。従って、改質器の流入口側部分が局所的に低温となり、この結果、改質器の温度分布が不均一になる虞がある。
この対策としては、特許文献1のように、改質器の流入口側部分(例えば気化部)の壁材の厚みを、流入口側部分以外の部分(例えば改質部)の壁材の厚みよりも大きく形成することで、改質器の流入口側部分の熱伝導性を強化することが考えられる。
しかしながら、この対策では、オフガス燃焼部について、改質器の流入口側部分の壁材の厚みが増大することにより燃焼空間が低減し、この結果、燃焼状態が不安定になる虞がある。このため、複数の燃料電池セルからなる燃料電池セル群において、改質器の流入口側部分の下方に位置する燃料電池セルが、他の燃料電池セルに比べて低温となり、この結果、燃料電池セル群の温度分布が不均一になり、ひいては、燃料電池セル群の発電効率が低下する虞があった。
また、特許文献1のように、改質器の流入口側部分の熱伝導性を強化すると、当該流入口側部分の下方に位置する燃料電池セルからの、当該流入口側部分の受熱量が増加するので、当該流入口側部分の下方に位置する燃料電池セルが、他の燃料電池セルに比べて低温となり、この結果、燃料電池セル群の温度分布が不均一になり、ひいては、燃料電池セル群の発電効率が低下する虞があった。
本発明は、このような実状に鑑み、改質器及び燃料電池セル群の温度分布を均一化することで、良好な発電効率を得ることを目的とする。
そのため本発明に係る燃料電池装置は、流入口より流入する水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成する改質器と、改質器の下方に配置されて、改質器にて生成された水素富化燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う水平一方向に配列された複数の燃料電池セル
と、複数の燃料電池セルの上端部から排出されるオフガスを燃焼させて複数の燃料電池セルを高温状態に維持するオフガス燃焼部と、オフガス燃焼部にて生成された排ガスが改質器の壁面に沿って流れた後に外部に排出されるように構成される排ガス流路と、を備える。改質器は、水平一方向に延在し、かつ水平一方向における流入口側の一端に気化部を有し、排ガス流路は、排ガスを導入する排ガス導入口を有し、排ガス導入口は、平面視にて前記気化部の側方に対応して、水平一方向に細長く開口している。
本発明によれば、排ガス流路は、改質器の流入口側部分(第1の部分)の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器のうち流入口側部分以外の部分(第2の部分)の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成される。これにより、オフガス燃焼部からの高温の排ガスを改質器の流入口側部分の周辺に集中させることができるので、改質器の流入口側部分の温度低下を抑制することができる。従って、改質器の流入口側部分の下方に位置する燃料電池セルの温度低下が抑制され、この結果、燃料電池セル群の温度分布を均一化することができ、ひいては、燃料電池セル群の良好な発電効率を得ることができる。
本発明に係る燃料電池装置における排ガスの流れの概略を示す図 本発明の第1実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図 同上第1実施形態を示す燃料電池装置の平面横断面図 本発明の第2実施形態を示す燃料電池装置の平面横断面図 本発明の第3実施形態を示す燃料電池装置の平面横断面図 同上第3実施形態における排ガス流路の右側排ガス導入口及び仕切り部材を示す図 本発明の第4実施形態を示す燃料電池装置の平面横断面図 本発明の第5実施形態における排ガス流路、仕切り部材、及び、蓋部材(整流部)を示す図 本発明の第6実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図 同上第6実施形態を示す燃料電池装置の平面横断面図 本発明の第7実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図 同上第7実施形態における改質器と排ガス流路の排ガス導入口と蓋部材とを示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(A)は、従来型の燃料電池装置における排ガスの流れの概略を示す。図1(B)は、後述する本発明の第1〜第4及び第7実施形態の燃料電池装置における排ガスの流れの概略を示す。図1(C)は、後述する本発明の第5及び第6実施形態の燃料電池装置における排ガスの流れの概略を示す。
図1(A)に示すように、従来型の燃料電池装置201は、例えば、複数の燃料電池セル10と、オフガス燃焼部20と、改質器30と、熱交換部202と、排ガス出口203と、を含んで構成される。
燃料電池セル10は、水素富化燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う。
改質器30は、燃料電池セル10の上方に配置されて水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成する。
オフガス燃焼部20は、燃料電池セル10の上端部(燃料電池セル10の反応ガスの流れ方向における下流端部)から排出されるオフガス(未反応の水素富化燃料)を燃焼させて燃料電池セル10及び改質器30を加熱する。
改質器30は、例えば、気化部35と改質部36とを含んで構成される。気化部35では、外部から供給される水を気化させて水蒸気を発生させる。改質部36では、気化部35で発生した水蒸気を用いて、水素含有燃料を水蒸気改質反応により反応させる。改質部36にて生成された水素富化燃料は、燃料電池セル10に供給される。
熱交換部202では、例えば、オフガス燃焼部20にて生成された排ガスの熱が、前述の酸化剤に受け渡される。
排ガス出口203では、熱交換部202を通過した排ガスが外部に排出される。
従来型の燃料電池装置201では、例えば、オフガス燃焼部20にて生成された排ガスが改質器30の壁面に沿って流れた後に、熱交換部202及び排ガス出口203を通って、外部に排出される。
この排ガスの流れについて、従来型の燃料電池装置201では、改質器30の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量と、改質器30の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量とが同等であった(図1(A)参照)。
このため、改質器30において、気化部35が改質部36より低温になりかねず、ひいては、改質器30の温度分布が不均一になる虞があった。
そこで、図1(B)に示すように、本発明の第1〜第4及び第7実施形態では、燃料電池装置1は、排ガスを偏流させる偏流部204を備え、この偏流部204によって、改質器30の流入口側部分である第1の部分(例えば気化部35)の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器30のうち流入口側部分以外の部分である第2の部分(例えば改質部36)の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くすることにより、前記第1の部分における排ガスからの受熱量を増加させることで、改質器30の温度分布を均一化する。尚、偏流部204の機能は、例えば、後述する蓋部材101、101a、101d、又は、仕切り部材(後述する内部断熱材及びその延長部52a、又は、排ガス流通路40cが形成された酸化剤供給部材40a、40b)によって実現される。
また、図1(B)に示す手法において、改質器30の壁面に沿って流れた後の排ガスについては、熱交換部202にて熱交換を効率良く行うために、熱交換部202より上流側にて、流量分布が均一化されていることが好ましい。このため、図1(C)に示すように、本発明の第5及び第6実施形態では、燃料電池装置1は、排ガスの流量分布を均一化する整流部205を更に備える。尚、整流部205の機能は、例えば、後述する蓋部材101b、101cによって実現される。
図2は、本発明の第1実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図である。図3は、燃料電池装置の平面横断面図であり、図2のA−A断面のうち、後述する第2のケース5、第3のケース7、改質器30、内部断熱材50の左側部51及び右側部52を示している。
燃料電池装置1を構成する筐体2は、筐体2の最外側を構成する直方体状の第1のケース3と、第1のケース3内に第1の空隙4を隔てて収納される直方体状の第2のケース5と、第2のケース5内に第2の空隙6を隔てて収納されるチャンネル状の第3のケース7と、を含んで構成される。これらのケース3、5、7は金属製である。
第1のケース3は、直方体状で、上面3a、底面3b、左右一対の長側面3c、3d、前後一対の短側面(図示せず)を有している。尚、本実施形態では、第1のケース3において、一方の短側面(後述する第2のケース5の短側面5e側の短側面)を正面(前面)とし、他方の短側面(後述する第2のケース5の短側面5f側の短側面)を背面(後面)とし、これら一対の短側面同士を結ぶ方向を前後方向、長側面3cと長側面3dとを結ぶ方向を左右方向という。また、この前後方向が、本発明の「水平一方向」に対応する。
第2のケース5は、直方体状で、上面5a、底面5b、左右一対の長側面5c、5d、前後一対の短側面5e、5fを有している。
この第2のケース5は、第1のケース3より一回り小さく、第1のケース3と第2のケース5との間には、前記第1の空隙4として、上面3a、5a間、底面3b、5b間、長側面3c、5c間、長側面3d、5d間に、それぞれ空隙が形成される。これらの空隙は後述するようにカソード用酸化剤(例えば空気)の流通空間をなす。
第3のケース7は、上部開放のチャンネル状(コ字形状)で、底面7bと2つの長側面7c、7dとから構成されている。
第3のケース7の底面7b及び長側面7c、7dの前後方向の長さは第2のケース5の底面5b及び長側面5c、5dの前後方向の長さとほぼ等しく、第3のケース7の底面7b及び長側面7c、7dの前後方向の両端部は、第2のケース5の短側面5e、5fに接合される。
第3のケース7の上側の開口部は、空隙を隔てて、第2のケース5の上面5aに相対する。また、第3のケース7の底面7b及び長側面7c、7dは、空隙を隔てて、第2のケース5の底面5b及び長側面5c、5dに相対する。
従って、第2のケース5と第3のケース7との間には、前記第2の空隙6として、底面5b、7b間、長側面5c、7c間、長側面5d、7d間に、それぞれ空隙が形成される。これらの空隙は後述するように排ガスの流通空間をなす。
燃料電池装置1は、筐体2内、特に第3のケース7内に、水素富化燃料と酸化剤(空気)とを反応させて発電を行う複数の燃料電池セル10と、複数の燃料電池セル10の上端部から排出されるオフガスを燃焼させて燃料電池セル10を高温状態に維持するオフガス燃焼部20とを備える。
燃料電池装置1はまた、第3のケース7内に、水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成し、この水素富化燃料を燃料電池セル10のアノード(燃料極)に供給する改質器30と、燃料電池セル10のカソード(酸化剤極)に酸化剤(空気)を供給する酸化剤供給部材40とを備える。
燃料電池セル10は、上下方向に延びるセル支持体の表面に、アノード(燃料極)、固体酸化物からなる電解質、カソード(酸化剤極)を積層してなる。セル支持体は、その延在方向に沿って内部に燃料通路が形成されると共に、多孔質である。よって、アノードにはセル支持体内部から水素富化燃料が供給される。カソードには外部から酸化剤が供給される。
電解質は、高温下で酸化物イオンを伝導する。アノードは、酸化物イオンと燃料中の水素とを反応させて、電子及び水を発生させる。カソードは、例えば、空気中の酸素と電子とを反応させて、酸化物イオンを発生させる。
従って、燃料電池セル10のカソードにて、下記(1)式の電極反応が生起され、アノードにて、下記(2)式の電極反応が生起されて、発電がなされる。
カソード: 1/2O+2e→O2−(電解質) ・・・(1)
アノード: O2−(電解質)+H→HO+2e ・・・(2)
燃料電池装置1には前述のような燃料電池セル10が多数備えられ、これらは電気的に直列及び/又は並列に接続されて、燃料電池セル10の組み立て体であるセルスタック11を構成している。燃料電池セル10の形状及び配列は任意に選択することができるため、図中のセルスタック11は、それらを省略して概略的に示したものである。セルスタック11は、台座13上に配置されている。
ここで、燃料電池セル10(セルスタック11)への水素富化燃料の供給は、台座13側(セルスタック11の下端部側)からなされ、台座13は水素富化燃料の分配機能を有している。水素富化燃料としては、改質器30から改質ガスが供給される。
燃料電池セル10(セルスタック11)への酸化剤(空気)の供給は、複数の燃料電池セル10を2つのグループに分割するように、燃料電池セル10間の隙間に配置した酸化剤供給部材40を介してなされる。
また、セルスタック11の上端部側はオフガス(未反応の水素富化燃料)の排出部となり、オフガスは余剰の酸化剤供給下で燃焼する。従って、セルスタック11の上端部近傍がオフガス燃焼部20となる。
改質器30は、改質触媒を用いた改質反応により、水素含有燃料を改質して、水素リッチな改質ガス(水素富化燃料)を生成する。本実施形態では、オフガス燃焼部20での燃焼熱によって加熱されるように、改質器30は、第3のケース7内でセルスタック11の上方に配置される。
改質器30は酸化剤供給部材40を避けるように形成されており、平面視でチャンネル形状(コ字形状)をなしている。
改質器30は、前後方向に延在する直方体状の左側ケーシング31及び右側ケーシング32と、これらケーシングの後端部同士を連結する中央後側ケーシング33とを備えている。これらのケーシングは、金属製である。
左側ケーシング31と右側ケーシング32とは、水平面上に互いに平行に配置されている。左側ケーシング21は、セルスタック11の左側部分の上方に配置され、右側ケーシング32は、セルスタック11の右側部分の上方に配置される。左側ケーシング31と右側ケーシング32とは、互いの内部空間が、中央後側ケーシング33の内部空間を介して連通している。
改質器30は気化部35及び改質部36を備える。気化部35は、右側ケーシング32の前側部(例えば前端から略中央までの部分)に配置されている。改質部36は、右側ケーシング32のうち気化部35を除いた部分と、中央後側ケーシング33と、左側ケーシング31とからなる部分に配置されている。すなわち、改質器30の右側ケーシング32については、その一端側(前側)に気化部35が配置されて、他端側(後側)に改質部36が配置されている。
右側ケーシング32の前端(気化部35の前端)には流入口37が設けられている。この流入口37には、原燃料・改質用水供給パイプ38の一端が接続されている。ここで、気化部35が、本発明の「流入口側部分である第1の部分」に対応する。また、改質部36が、本発明の「流入口側部分以外である第2の部分」に対応する。尚、原燃料・改質用水供給パイプ38は第2のケース5の短側面5e及び第1のケース3の短側面(図示せず)を貫通している。
左側ケーシング31の前端には改質ガス流出口(図示せず)が設けられている。また、この改質ガス流出口からセルスタック11の台座13へ改質ガスを供給するための供給パイプ(図示せず)が設けられている。
気化部35には、例えばアルミナボールなどの伝熱部材(図示せず)が充填されており、改質部36には、改質触媒が充填されている。
気化部35では、原燃料・改質用水供給パイプ38から流入口37を介して流入した水素含有燃料(原燃料)と改質用水とが、オフガス燃焼部20における燃焼熱と、セルスタック11の発電による発熱とを受けて加熱される。この加熱により、気化部35では、水素含有燃料が水蒸気改質反応に適した温度まで昇温されるとともに、改質用水が気化されて水蒸気が発生する。
改質部36では、気化部35から供給される水蒸気を用いて、水蒸気改質反応によって、水素含有燃料を改質して、水素リッチな改質ガス(水素富化燃料)を生成する。この改質反応は吸熱反応であり、オフガス燃焼部20における燃焼熱とセルスタック11の発電による発熱とが利用される。尚、改質部36では、水蒸気改質反応に替えて、部分酸化反応又は自己熱改質反応など、更にはこれらの改質反応の組み合わせなど、水素発生手法として公知な手法によって改質ガスを生成してもよい。また、本実施形態では、後述するように、気化部35の周辺に排ガスを集中させることで、気化部35の温度低下を抑制する。
水素含有燃料(原燃料)としては、例えば、炭化水素系燃料が用いられる。炭化水素系燃料としては、分子中に炭素と水素とを含む化合物(酸素等、他の元素を含んでいてもよい)若しくはそれらの混合物が用いられ、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料が挙げられる。具体的には、炭化水素類として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、都市ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油が挙げられる。アルコール類として、メタノール、エタノールが挙げられる。エーテル類として、ジメチルエーテルが挙げられる。バイオ燃料として、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェットが挙げられる。
次に前記第1の空隙4と酸化剤供給部材40とを含むカソード用酸化剤流路について説明する。
第1のケース3と第2のケース5との間の第1の空隙4は、第1のケース3の4面の内側(上面3a、5a間、底面3b、5b間、長側面3c、5c間、長側面3d、5d間)に形成されて、筐体2の外部からセルスタック11のカソードへ供給する酸化剤(空気)の流通空間をなす。すなわち、上面3a、5a間の空隙4a、底面3b、5b間の空隙4b、長側面3c、5c間の空隙4c、長側面3d、5d間の空隙4dにより、酸化剤の流通空間が形成される。
そして、この酸化剤の流通空間に連通させて、第1のケース3の底面3bに筐体2の外部からの酸化剤入口管41が接続される。
また、この酸化剤の流通空間からセルスタック11への酸化剤出口として、第2のケース5の上面5aに前後方向に延びるスリット42が形成される。このスリット42から第2のケース5内を経て第3のケース7内へ酸化剤供給部材40が挿入配置されている。
酸化剤供給部材40は、上面開口の扁平な矩形の容器で、燃料電池セル10間の隙間に配置され、上面側の開口部は第1のケース3内の酸化剤流通空間と連通している。そして、扁平な矩形の容器の底部近傍の側面に複数の酸化剤噴出口44が形成され、酸化剤噴出口44はセルスタック11に相対している。
従って、筐体2外の酸化剤供給源からの酸化剤(空気)は、酸化剤入口管41から第1のケース3と第2のケース5との間の空隙、特に底面3b、5b間の空隙4bに流入した後、長側面3c、5c間の空隙4c、長側面3d、5d間の空隙4dを経て、上面3a、5a間の空隙4aに流入する。そして、スリット42部から酸化剤供給部材40の内部に流入し、酸化剤噴出口44から噴出して、セルスタック11のカソードに供給される。
次に前記第2の空隙6を含む排ガス流路について説明する。
排ガス流路については、オフガス燃焼部20にて生成された排ガスが改質器30の壁面に沿って流れた後に、後述する左側排ガス導入口61、右側排ガス導入口62、前記第2の空隙6、及び、後述する排ガス出口管45を介して、外部に排出されるように構成されている。
第3のケース7内のセルスタック11の上端部近傍のオフガス燃焼部20にてオフガスが燃焼し、第3のケース7はオフガス燃焼部20を区画する。そして、オフガスの燃焼によって排ガスが発生し、排ガスは、改質器30の壁面(ケーシング31〜33の壁面)に沿って流れて、これにより対流伝熱が生じる。この後、排ガスは、第3のケース7の上面側の開口部から第2のケース5内に排出される。
第2のケース5と第3のケース7との間の第2の空隙6は、第2のケース5の3面の内側(底面5b、7b間、長側面5c、7c間、長側面5d、7d間)に形成されて、オフガス燃焼部20から筐体2の外部へ排出する排ガスの流通空間をなす。すなわち、底面5b、7b間の空隙6b、長側面5c、7c間の空隙6c、長側面5d、7d間の空隙6dにより、排ガスの流通空間が形成される。
そして、この排ガスの流通空間に連通させて、第2のケース5の底面5bに外部への排ガス出口管45が接続される。尚、排ガス出口管45は第1のケース3の底面3bを貫通している。また、第2のケース5の底面5bにおける排ガス出口管45との接続部が、図1に示す排ガス出口203に対応する。
従って、第3のケース7内のオフガス燃焼部20からの排ガスは、改質器30の壁面(ケーシング31〜33の壁面)に沿って流れ、第3のケース7の上面側の開口部から、第2のケース5と第3のケース7との間の空隙、特に長側面5c、7c間の空隙6c、及び、長側面5d、7d間の空隙6dへ流入した後、底面5b、7b間の空隙6bへ流入して、排ガス出口管45より筐体2外へ排出される。
前述のように、筐体2内をカソード用酸化剤と排ガスとが流れる過程で、すなわち、酸化剤(空気)が第1のケース3と第2のケース5との間を第2のケース5の底面5b、長側面5c、5d、上面5aの外壁に沿って流れ、排ガスが第2のケース5と第3のケース7との間を第2のケース5の上面5a、長側面5c、5d、底面5bの内壁に沿って流れる過程で、第2のケース5の底面5b、長側面5c、5d、上面5aを介して、カソード用酸化剤と排ガスとの熱交換がなされ、カソード用酸化剤を十分に加熱する一方、排ガスを冷却することができる。ここで、例えば、第2のケース5の長側面5dが、図1に示す熱交換部202に対応し得る。
第3のケース7の内面には、内部断熱材50が内張されている。内部断熱材50は、左側部51、右側部52、及び下側部53を含んで構成され、チャンネル状(コ字形状)の断面を有して前後方向に延在している。
内部断熱材50の左側部51は、その前後方向の長さが、第3のケース7の長側面7cの前後方向の長さとほぼ等しい。左側部51は、第3のケース7の左側の長側面7cの内壁に面接触するように配置されている。
内部断熱材50の右側部52は、その前後方向の長さが、第3のケース7の長側面7dの前後方向の長さとほぼ等しい。右側部52は、第3のケース7の右側の長側面7dの内壁に面接触するように配置されている。
内部断熱材50の下側部53は、その前後方向の長さが、第3のケース7の底面7bの前後方向の長さとほぼ等しい。下側部53は、第3のケース7の底面7bと台座13との間に介装されている。
ここで、前記第2の空隙6を含む排ガス流路のうち、内部断熱材50の左側部51に隣接して前後方向に細長に矩形状に開口し、かつ、第3のケース7の上面側の開口部からの排ガスを第2のケース5内(具体的には前記空隙6c内)に導入する導入口を、左側排ガス導入口61と称することにする。また、左側排ガス導入口61の上端部は、第3のケース7の長側面7cの上端部と、第2のケース5の短側面5e、5f、及び長側面5cとによって区画形成されて前後方向に細長に矩形状に開口する細長開口部をなしている。この細長開口部は、平面視で改質器30の左側ケーシング31と並列に配置され、正面視で、改質器30の左側ケーシング31の底面より高位置に配置されている。
同様に、前記第2の空隙6を含む排ガス流路のうち、内部断熱材50の右側部52に隣接して前後方向に細長に矩形状に開口し、かつ、第3のケース7の上面側の開口部からの排ガスを第2のケース5内(具体的には前記空隙6d内)に導入する導入口を、右側排ガス導入口62と称することにする。また、右側排ガス導入口62の上端部は、第3のケース7の長側面7dの上端部と、第2のケース5の短側面5e、5f、及び長側面5dとによって区画形成されて前後方向に細長に矩形状に開口する細長開口部をなしている。この細長開口部は、平面視で改質器30の右側ケーシング32と並列に配置され、正面視で、改質器30の右側ケーシング32の底面より高位置に配置されている。
尚、内部断熱材50の左側部51の上端と、内部断熱材50の右側部52の上端とについては、各々が、改質器30の上面(ケーシング31〜33の上面)より上方に位置することが好ましい。より多くの排ガスが改質器30の周囲を通過してから前述の細長開口部に流れ込むようにすることで、より効果的に排ガスの熱を改質器30に伝熱することができるからである。
本実施形態では、図3に示すように、右側排ガス導入口62の細長開口部のうち、改質器30の右側ケーシング32の改質部36に隣り合う部分を、前後方向に延在する矩形板状の蓋部材101で塞いでいる。それゆえ、オフガス燃焼部20から右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、蓋部材101で閉じられている改質部36側よりも、蓋部材101が存在しない気化部35側のほうが流れやすくなり、その結果、排ガスの流れが、気化部35の周辺に集中することになる。このため、改質器30の右側ケーシング32の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量が、改質器30の右側ケーシング32の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くなる。換言すれば、本実施形態では、排ガス流路は、改質器30の右側ケーシング32の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器30の右側ケーシング32の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成されている。従って、気化部35の周辺での対流伝熱が促進されるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、右側排ガス導入口62の細長開口部の流量について、後側(改質器30の右側ケーシング32の改質部36側)の流量に比べて、前側(改質器30の右側ケーシング32の気化部35側)の流量が多い。すなわち、本実施形態では、右側排ガス導入口62の細長開口部における排ガスの流量が、後側から前側に向かうほど多くなっている。これにより、排ガスの流れを、燃料電池装置1の前側に位置する気化部35の周辺に集中させることができる。
本実施形態によれば、燃料電池装置1は、流入口37より流入する水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成する改質器30と、改質器30の下方に配置されて、改質器30にて生成された水素富化燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う複数の燃料電池セル10と、複数の燃料電池セル10の上端部から排出されるオフガスを燃焼させて複数の燃料電池セル10を高温状態に維持するオフガス燃焼部20と、オフガス燃焼部20にて生成された排ガスが改質器30の壁面に沿って流れた後に外部に排出されるように構成される排ガス流路と、を備える。排ガス流路は、改質器30の右側ケーシング32の気化部35(流入口側部分である第1の部分)の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器30の右側ケーシング32の改質部36(流入口側部分以外の部分である第2の部分)の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成される。これにより、オフガス燃焼部20からの高温の排ガスを改質器30の右側ケーシング32の気化部35の周辺に集中させることができるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。従って、気化部35の下方に位置する燃料電池セル10の温度低下が抑制されるので、セルスタック11(特にセルスタック11の右側部分)の温度分布を均一化することができる。また、高温の排ガスを改質器30の右側ケーシング32の気化部35の周辺に集中させることで気化部35の温度低下を抑制することにより、気化部35の周辺に位置する酸化剤供給部材40の温度低下を抑制することができるので、セルスタック11に供給される酸化剤(空気)の前後方向での温度分布を均一化することができ、ひいては、燃料電池スタック11の前後方向での温度分布を均一化することができる。従って、燃料電池スタック11の局所的な温度低下を抑制して、燃料電池スタック11の良好な発電効率を得ることができる。
また本実施形態によれば、改質器30の流入口37側部分(第1の部分)は改質用水(液体)を気化する気化部35である。これにより、オフガス燃焼部20からの燃焼熱を利用して、改質用水を気化させて水蒸気を得ることができるので、燃料電池装置1の筺体2
内で効率良く燃料改質用の水蒸気を得ることができる。
また本実施形態によれば、改質器30の右側ケーシング32は前後方向(水平一方向)に延在し、その前側(一端側)に気化部35(第1の部分)が配置されて、後側(他端側)に改質部36(第2の部分)が配置され、排ガス流路は、その右側排ガス導入口62が前後方向(水平一方向)に細長く開口し、この細長開口部が平面視で改質器30の右側ケーシング32と並列に配置され、右側排ガス導入口62の細長開口部における排ガスの流量が、後側(他端側)から前側(一端側)に向かうほど多い。これにより、排ガスの流れを、燃料電池装置1の前側に位置する気化部35の周辺に集中させることができる。
また本実施形態によれば、右側排ガス導入口62には、前後方向(水平一方向)に延在して右側排ガス導入口62の細長開口部の一部を塞ぐ蓋部材101が設けられ、蓋部材101が、平面視で、改質器30の右側ケーシング32の改質部36と並列に配置される。これにより、比較的簡素な構成で、排ガスの流れを気化部35の周辺に集中させることができる。
図4は、本発明の第2実施形態を示す燃料電池装置1の平面横断面図である。
図2及び図3に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、第3のケース7内でセルスタック11の上方に配置される改質器30’は、前後方向に延在する直方体状で金属製のケーシング34を備えている。ケーシング34内には、仕切板34aによってチャンネル状(コ字形状)の流路が形成されている。ここで、本実施形態における改質器30’については、仕切板34aより左側の部分と、右側の部分とが、それぞれ、前述の左側ケーシング31、右側ケーシング32に相当している。ケーシング34の右側部分については、その一端側(前側)に気化部35が配置されて、他端側(後側)に改質部36が配置されている。ケーシング34の前端(気化部35の前端)には流入口37が設けられている。この流入口37には、原燃料・改質用水供給パイプ38の一端が接続されている。
改質器30’のケーシング34には、それを上下方向に貫通するように、後述する酸化剤供給部材40’を挿通させるための複数の管状通路34bが設けられている。
また、前述の酸化剤の流通空間からセルスタック11への酸化剤出口として、第2のケース5の上面5aに、管状通路34bと同数の孔(図示せず)が管状通路34bと相対する位置に形成される。これら孔から第2のケース5内を経て、更に管状通路34bを経て第3のケース7内へ、複数の酸化剤供給部材40’が挿入配置されている。
酸化剤供給部材40’は、上面開口の円筒形の容器で、燃料電池セル10間の隙間に配置され、上面側の開口部は第1のケース3内の酸化剤流通空間と連通している。そして、円筒形の容器の底部近傍の側面に複数の酸化剤噴出口(図示せず)が形成され、これら酸化剤噴出口はセルスタック11に相対している。
尚、図4では、複数の酸化剤供給部材40’を前後方向に直列に配置する例を示したが、左右方向に直列に配置してもよい。また、改質器30’は、前述の第1実施形態、後述する第3〜第5実施形態に例示するチャンネル形状容器の改質器30と相互に置き換えることができる。
本実施形態では、前後方向に延在する矩形板状の蓋部材101aで、右側排ガス導入口62の細長開口部を塞いでいる。
蓋部材101aには、開口部である複数の貫通孔102aが、前後方向に沿って直列に互いに間隔を空けて貫通形成されている。ここで、複数の貫通孔102aは、互いにほぼ同等の孔径を有する。貫通孔102aは、蓋部材101aによって塞がれた右側排ガス導入口62の細長開口部の内外を連通する。ここで、貫通孔102aについては、隣り合う貫通孔102a同士の間隔が、後側(改質器30’のケーシング34の右側部分の改質部36側)から前側(改質器30’のケーシング34の右側部分の気化部35側)に向かうほど小さくなるように形成されている。
このように蓋部材101aに複数の貫通孔102aを貫通形成することにより、蓋部材101aは、その開口率が、後側から前側に向かうほど大きくなる。ここで、蓋部材101aの開口率とは、蓋部材101aの単位面積あたりの開口部の割合であり、本実施形態では、蓋部材101aの単位面積あたりの貫通孔102aの割合である。また、本実施形態では、蓋部材101aの開口率が、右側排ガス導入口62(細長開口部)の実質的な開口率に対応している。
本実施形態における、オフガス燃焼部20から右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、蓋部材101aの開口率が小さい改質部36側よりも、蓋部材101aの開口率が大きい気化部35側のほうが流れやすい。それゆえ、排ガスの流れが、気化部35の周辺に集中することになる。このため、改質器30’のケーシング34の右側部分の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量が、改質器30’のケーシング34の右側部分の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くなる。従って、気化部35の周辺での対流伝熱が促進されるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、右側排ガス導入口62には、前後方向(水平一方向)に延在して右側排ガス導入口62の細長開口部を塞ぐ蓋部材101aが設けられ、蓋部材101aには、右側排ガス導入口62の細長開口部の内外を連通する複数の貫通孔102a(開口部)が形成され、蓋部材101aは、その開口率が、後側(他端側)から前側(一端側)に向かうほど大きい。これにより、比較的簡素な構成で、右側排ガス導入口62の細長開口部における排ガスの流量を、後側から前側に向かうほど多くすることができる。
尚、本実施形態では、蓋部材101aの開口率(右側排ガス導入口62の実質的な開口率)を後側から前側に向かうほど大きくするための手法として、蓋部材101aにおいて、隣り合う貫通孔102a同士の間隔を、後側から前側に向かうほど小さくする手法を挙げて説明したが、これに代えて、又はこれに加えて、複数の貫通孔102aの孔径を後側から前側に向かうほど大きくすることによって、蓋部材101aの開口率(右側排ガス導入口62の実質的な開口率)を後側から前側に向かうほど大きくしてもよい。また、蓋部材101aの代わりに、右側排ガス導入口62の細長開口部の後縁部が底辺に相当し、前後方向の長さが高さに相当する三角板状の蓋部材を右側排ガス導入口62の細長開口部に設置することで、右側排ガス導入口62の実質的な開口率を、後側から前側に向かうほど大きくしてもよい。
また、本実施形態では、蓋部材101aのうち、改質器30’のケーシング34の右側部分の改質部36に隣り合う部分に複数の貫通孔102aを形成しているが、この部分については貫通孔102aを形成することなく第1実施形態の蓋部材101と同様の構成としてもよい。
図5は、本発明の第3実施形態を示す燃料電池装置1の平面横断面図である。図6は、第3実施形態における排ガス流路の右側排ガス導入口及び仕切り部材を示す。尚、図6では、第2のケース5の長側面5dのうち、右側排ガス導入口62より下側の一部を示している。また、第2のケース5の短側面5e、5fの図示を省略している。
図2及び図3に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、右側排ガス導入口62の細長開口部を開口したままとしている。また、本実施形態では、内部断熱材50の右側部52の上端部を第2のケース5の上面5aに接触するまで延長することで延長部52aを形成している。
ここで、内部断熱材50の右側部52及び延長部52aが本発明の「仕切り部材」に対応し、右側排ガス導入口62と改質器30との間を仕切っている。
また、延長部52aのうち、平面視で右側ケーシング32の気化部35に隣り合う部分には開口部52bが左右方向に貫通するように形成されている。開口部52bは、改質器30の右側ケーシング32の壁面に沿って流れた排ガスを右側排ガス導入口62に導く。すなわち、仕切り部材である内部断熱材50の右側部52及びその延長部52aには、改質器30の右側ケーシング32の壁面に沿って流れた排ガスを右側排ガス導入口62に導く開口部52bが形成されている。
それゆえ、オフガス燃焼部20から右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、内部断熱材50の右側部52の延長部52aが存在する改質部36側よりも、開口部52bが形成されている気化部35側のほうが流れやすくなり、その結果、排ガスの流れが、気化部35の周辺に集中することになる。このため、改質器30の右側ケーシング32の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量が、改質器30の右側ケーシング32の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くなる。従って、気化部35の周辺での対流伝熱が促進されるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。
また、このように内部断熱材50の右側部52の延長部52a及び開口部52bを形成することにより、内部断熱材50の右側部52及びその延長部52aからなる仕切り部材については、その開口率が、後側から前側に向かうほど大きくなる。ここで、仕切り部材の開口率とは、仕切り部材の単位面積あたりの開口部52bの割合である。
本実施形態では、内部断熱材50の右側部52のうち延長部52aが存在する部分(開口部52bが形成されていない部分)では、排ガスが内部断熱材50の右側部52を越えて右側排ガス導入口62に流れることができない。そのため、排ガスは改質器30の右側ケーシング32の壁面に沿うように流れるため、前述の第1及び第2実施形態に比べて、改質器30を暖める効果が大きい。また、前述の第1及び第2実施形態のように右側排ガス導入口62の細長開口部に蓋部材101、101aを配置する場合に比べて、排ガスの圧力損失を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、排ガス流路は、その右側排ガス導入口62と改質器30との間にこれらを仕切り、かつ、前後方向(水平一方向)に延在する仕切り部材(内部断熱材50の右側部52及び延長部52a)を有し、仕切り部材には、改質器30に右側ケーシング32の壁面に沿って流れた排ガスを右側排ガス導入口62に導く開口部52bが形成され、仕切り部材は、その開口率が、後側(他端側)から前側(一端側)に向かうほど大きい。これにより、比較的簡素な構成で、排ガスの流れを気化部35の周辺に集中させることができる。
尚、本実施形態では、仕切り部材として、内部断熱材50の右側部52及び延長部52aを用いて説明したが、仕切り部材はこれに限らず、右側排ガス導入口62と改質器30とを仕切る機能を有し、かつ、改質器30に右側ケーシング32の壁面に沿って流れた排ガスを右側排ガス導入口62に導く開口部が形成された部材を、仕切り部材として、例えば、第3のケース7の長側面7dに設けてもよい。
図7は、本発明の第4実施形態を示す燃料電池装置1の平面横断面図である。
図5及び図6に示した第3実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、内部断熱材50の右側部52の延長部52aは、その上端部が空隙を隔てて、第2のケース5の上面5aに相対する。この空隙は、開口部52bに連続する。すなわち、本実施形態では、内部断熱材50の右側部52及び延長部52aからなる仕切り部材について、その開口部52bが、その上側後端部より後方に延長されている。これにより、開口部52bについては、ケース3、5、7の長側面視で、前側(改質器30の右側ケーシング32の気化部35側)の開口率が大きく、後側(改質器30の右側ケーシング32の改質部36側)の開口率が小さい、前後2段の開口部が形成される。すなわち、仕切り部材については、その開口率が、後側から前側に向かうほど大きくなる。
特に本実施形態では、内部断熱材50の右側部52の延長部52aの上端部が、空隙を隔てて、第2のケース5の上面5aに相対する。これにより、少量の排ガスが内部断熱材50の右側部52の延長部52aを越えて右側排ガス導入口62に流れることができるので、排ガスが、前側(改質器30の右側ケーシング32の気化部35側)に過度に偏流することを抑制することができる。
尚、本実施形態では、内部断熱材50の右側部52及び延長部52aからなる仕切り部材の開口率を、後側から前側に向かうほど大きくするための手法として、ケース3、5、7の長側面視で、前側の開口率が大きく、後側の開口率が小さい、前後2段の開口部52bを形成する手法を挙げて説明したが、開口部52bの段数は2段に限らず、3段以上であってもよい。また、開口部52bが3段以上である場合には、そのうち最も後側に位置する段の開口部を、第3実施形態と同様に、延長部52aで塞いでもよい。
また、開口部52bについては、ケース3、5、7の長側面視で、後側から前側に向かうほど、開口部52bの上下方向の長さが長くなるように形成することで、内部断熱材50の右側部52及び延長部52aからなる仕切り部材の開口率を、後側から前側に向かうほど大きくすることができる。この場合には、例えば、ケース3、5、7の長側面視で、開口部52bの下端が、後側から前側に向かうほど下方に傾斜するように、及び/又は、下方に段階的に向かうように、開口部52bを形成する。
図8は、本発明の第5実施形態における排ガス流路の右側排ガス導入口、仕切り部材、及び、蓋部材(整流部)を示す。尚、図8では、第2のケース5の長側面5dのうち、右側排ガス導入口62より下側の一部を示している。また、第2のケース5の短側面5e、5fの図示を省略している。
図5及び図6に示した第3実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、前後方向に延在する矩形板状の蓋部材101bで、右側排ガス導入口62の細長開口部を塞いでいる。
蓋部材101bには、開口部である複数の貫通孔102bが、前後方向に沿って直列に互いに間隔を空けて貫通形成されている。ここで、複数の貫通孔102bは、互いにほぼ同等の孔径を有する。貫通孔102bは、蓋部材101bによって塞がれた右側排ガス導入口62の細長開口部の内外を連通する。ここで、貫通孔102bについては、隣り合う貫通孔102b同士の間隔が、後側(改質器30の右側ケーシング32の改質部36側)から前側(改質器30の右側ケーシング32の気化部35側)に向かうほど大きくなるように形成されている。
このように蓋部材101bに複数の貫通孔102bを貫通形成することにより、蓋部材101bでは、その開口率が、後側から前側に向かうほど小さくなる。ここで、蓋部材101bの開口率とは、蓋部材101bの単位面積あたりの開口部の割合であり、本実施形態では、蓋部材101bの単位面積あたりの貫通孔102bの割合である。また、本実施形態では、蓋部材101bの開口率が、右側排ガス導入口62(細長開口部)の実質的な開口率に対応している。
仕切り部材(内部断熱材50の右側部52及びその延長部52a)の開口部52bから右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、蓋部材101bの開口率が小さい前側(気化部35側)よりも、蓋部材101bの開口率が大きい後側(改質部36側)のほうが流れやすい。それゆえ、開口部52b近傍では前側(気化部35側)に集中していた排ガスの流れが、蓋部材101bの開口部(貫通孔102b)の通過時には、流れにくい前側から流れにやすい後側に分散する。従って、複数の貫通孔102bが形成された蓋部材101bが、本発明の「整流部」として機能して、排ガス流路内(特に空隙6d)における排ガスの前後方向での流量分布を均一化することができる。
尚、本実施形態では、蓋部材101bの開口率(右側排ガス導入口62の実質的な開口率)を後側から前側に向かうほど小さくするための手法として、蓋部材101bにおいて、隣り合う貫通孔102b同士の間隔を、後側から前側に向かうほど大きくする手法を挙げて説明したが、これに代えて、又はこれに加えて、複数の貫通孔102bの孔径を後側から前側に向かうほど小さくすることによって、蓋部材101bの開口率(右側排ガス導入口62の実質的な開口率)を後側から前側に向かうほど小さくしてもよい。また、蓋部材101bの代わりに、右側排ガス導入口62の細長開口部の前縁部が底辺に相当し、前後方向の長さが高さに相当する三角板状の蓋部材を右側排ガス導入口62の細長開口部に設置することで、右側排ガス導入口62の実質的な開口率を、後側から前側に向かうほど小さくしてもよい。
特に本実施形態によれば、右側排ガス導入口62には、前後方向(水平一方向)に延在して右側排ガス導入口62の細長開口部を塞ぐ蓋部材101bが設けられ、蓋部材101bには、右側排ガス導入口62の細長開口部の内外を連通する開口部(連通孔102b)が形成され、蓋部材101bは、その開口率が、後側(他端側)から前側(一端側)に向かうほど小さい。これにより、蓋部材101bの開口部(貫通孔102b)を排ガスが通過する際に、前側よりも後側のほうが通過しやすくなるので、開口部52b近傍では前側に集中していた排ガスの流れを、蓋部材101bの開口部(貫通孔102b)の通過時に、前側から後側に分散させることができる。
また本実施形態によれば、燃料電池装置1は、排ガス流路内(特に空隙6d)における排ガスの前後方向(水平一方向)での流量分布を均一化する整流部(複数の貫通孔102bが形成された蓋部材101b)を更に備える。これにより、酸化剤が第1のケース3と第2のケース5との間を第2のケース5の底面5b、長側面5c、5d、上面5aの外壁に沿って流れ、排ガスが第2のケース5と第3のケース7との間を第2のケース5の上面5a、長側面5c、5d、底面5bの内壁に沿って流れる過程で、特に、第2のケース5の長側面5dを介してなされるカソード用酸化剤(空気)と排ガスとの熱交換を、前後方向で均一に行うことができ、ひいては、効率の良い熱交換を行うことができる。
また本実施形態によれば、排ガス流路のうち蓋部材101b(整流部)より下流側に設けられて、排ガスの熱を酸化剤に受け渡す熱交換部202(第2のケース5の長側面5d)を更に備える。これにより、流量分布が前後方向に均一化された排ガスを用いて、酸化剤を効率的に昇温させることができる。
図9は、本発明の第6実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図である。図10は、燃料電池装置の平面横断面図であり、図9のB−B断面のうち、第2のケース5、第3のケース7、改質器130、内部断熱材50の左側部51及び右側部52を示している。
図2及び図3に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
燃料電池セル10の組み立て体であるセルスタック111が台座13上に配置されている。
また、セルスタック111の上端部側はオフガス(未反応の水素富化燃料)の排出部となり、オフガスは余剰の酸化剤供給下で燃焼する。従って、セルスタック111の上端部近傍がオフガス燃焼部20となる。
改質器130は、オフガス燃焼部20での燃焼熱によって加熱されるように、第3のケース7内でセルスタック111の上方に配置される。
改質器130は、前後方向に延在する直方体状で金属製のケーシング131を備えている。改質器130のケーシング131については、その一端側(前側)に気化部35が配置されて、他端側(後側)に改質部36が配置されている。ケーシング131の前端(気化部35の前端)には流入口37が設けられている。この流入口37には、原燃料・改質用水供給パイプ38の一端が接続されている。ケーシング131の後端(改質部36の後端)には改質ガス流出口(図示せず)が設けられている。また、この改質ガス流出口からセルスタック111の台座13へ改質ガスを供給するための供給パイプ(図示せず)が設けられている。
燃料電池セル10(セルスタック111)への酸化剤(空気)の供給は、左右一対の酸化剤供給部材40a、40bを介してなされる。左側の酸化剤供給部材40aは、セルスタック111と内部断熱材50の左側部51との間に配置されている。右側の酸化剤供給部材40bは、セルスタック111と内部断熱材50の右側部52との間に配置されている。酸化剤供給部材40a、40bは、それぞれ、酸化剤供給部材40と同様に、扁平な矩形の容器で構成されており、その底部近傍の側面に複数の酸化剤噴出口44が形成されている。酸化剤噴出口44はセルスタック111に相対している。
酸化剤供給部材40a、40bには、各々の上部の扁平部を貫通させて、開口部である複数の排ガス流通路40cを設けている。酸化剤供給部材40a、40bの各々の複数の排ガス流通路40cは、前後方向に沿って直列に互いに間隔を空けて配置されている。尚、複数の排ガス流通路40cは、互いにほぼ同等の内径を有する。ここで、左側の酸化剤供給部材40aが本発明の「仕切り部材」に対応し、左側排ガス導入口61と改質器130との間でこれらを仕切り、かつ、前後方向に延在している。また、右側の酸化剤供給部材40bも本発明の「仕切り部材」に対応し、右側排ガス導入口62と改質器130との間でこれらを仕切り、かつ、前後方向に延在している。
酸化剤供給部材40aの排ガス流通路40cを介して、左側排ガス導入口61近傍の空間と改質器130近傍の空間とが連通している。また、酸化剤供給部材40bの排ガス流通路40cを介して、右側排ガス導入口62近傍の空間と改質器130近傍の空間とが連通している。それゆえ、排ガス流通路40cは、本発明の「仕切り部材の開口部」として機能して、改質器130の壁面に沿って流れた排ガスを左側排ガス導入口61と右側排ガス導入口62とに導くことができる。
また、排ガス流通路40cについては、前後方向で隣り合う排ガス流通路40c同士の間隔が、後側(改質器130のケーシング131の改質部36側)から前側(改質器130のケーシング131の気化部35側)に向かうほど小さくなるように形成されている。このように酸化剤供給部材40a、40bの各々に複数の排ガス流通路40cを設けることにより、酸化剤供給部材40a、40bの各々の開口率が、後側から前側に向かうほど大きくなる。ここで、酸化剤供給部材40a、40bの開口率とは、酸化剤供給部材40a、40bの長側面視での単位面積あたりの開口部の割合であり、本実施形態では、酸化剤供給部材40a、40bの長側面視での単位面積あたりの排ガス流通路40cの割合である。
本実施形態における、オフガス燃焼部20から左側排ガス導入口61及び右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、酸化剤供給部材40a、40bの開口率が小さい改質部36側よりも、酸化剤供給部材40a、40bの開口率が大きい気化部35側のほうが流れやすい。それゆえ、排ガスの流れが、気化部35の周辺に集中することになる。このため、改質器130のケーシング131の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量が、改質器130のケーシング131の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くなる。換言すれば、本実施形態では、排ガス流路は、改質器130のケーシング131の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器130のケーシング131の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成されている。従って、気化部35の周辺での対流伝熱が促進されるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。
尚、排ガス流通路40cについては、改質器130の上面(ケーシング131の上面)より上方に位置することが好ましい。より多くの排ガスが改質器130の周囲を通過してから排ガス流通路40cに流れ込むようにすることで、より効果的に排ガスの熱を改質器130に伝熱することができるからである。
本実施形態では、図10に示すように、左側排ガス導入口61の細長開口部のうち、改質器130のケーシング131の気化部35に隣り合う部分を、前後方向に延在する矩形板状の蓋部材101cで塞いでいる。蓋部材101cには、開口部である複数の貫通孔102cが、前後方向に沿って直列に互いに間隔を空けて貫通形成されている。ここで、複数の貫通孔102cは、互いにほぼ同等の孔径を有する。貫通孔102cは、蓋部材101cによって塞がれた左側排ガス導入口61の細長開口部の一部の内外を連通している。
同様に、右側排ガス導入口62の細長開口部のうち、改質器130のケーシング131の気化部35に隣り合う部分を、前後方向に延在する矩形板状の蓋部材101cで塞いでいる。蓋部材101cには、開口部である複数の貫通孔102cが、前後方向に沿って直列に互いに間隔を空けて貫通形成されている。ここで、複数の貫通孔102cは、互いにほぼ同等の孔径を有する。貫通孔102cは、蓋部材101cによって塞がれた右側排ガス導入口62の細長開口部の一部の内外を連通している。
このように、複数の貫通孔102cを有する蓋部材101cを、左側排ガス導入口61の細長開口部と、右側排ガス導入口62の細長開口部とに、それぞれ設けることにより、これら細長開口部の開口率が、後側から前側に向かうほど、実質的に小さくなる。
それゆえ、酸化剤供給部材40a、40bの各々の排ガス流通路40cから左側排ガス導入口61及び右側排ガス導入口62への排ガスの流れについては、蓋部材101cが存在する気化部35側よりも、蓋部材101cが存在しない改質部36側のほうが流れやすくなる。従って、酸化剤供給部材40a、40bの各々の排ガス流通路40c近傍では前側(気化部35側)に集中していた排ガスの流れが、左側排ガス導入口61の細長開口部及び右側排ガス導入口62の細長開口部の通過時には、流れにくい前側から流れにやすい後側に分散する。従って、蓋部材101cが、本発明の「整流部」として機能して、排ガス流路内(特に空隙6c、6d)における排ガスの前後方向での流量分布を均一化することができる。ここで、例えば、第2のケース5の長側面5c、5dが、図1に示す熱交換部202に対応し得る。
図11は、本発明の第7実施形態を示す燃料電池装置の正面縦断面図である。図12は、図11のC−C断面図であり、改質器と排ガス流路の排ガス導入口と蓋部材とを示す。
図9及び図10に示した第6実施形態と異なる点について説明する。
第3のケース7は、更に、上面7aを有している。
第3のケース7の上面7aの内壁には、内部断熱材50の左側部51の上端及び右側部52の上端が当接している。
左右一対の酸化剤供給部材40a、40bの上面側の開口部は、第3のケース7の上面7aの外壁により区画形成される酸化剤流通空間55と連通している。酸化剤供給部材40a、40bへの酸化剤(空気)の供給は、酸化剤流通空間55を介してなされる。尚、本実施形態において、酸化剤供給部材40a、40bには、排ガス流通路4cが形成されていない。
第3のケース7の上面7aの下方には、改質器130及びセルスタック111が配置されている。
第3のケース7の上面7aには、その左右方向中央部に、開口部58が形成されている。開口部58は、平面視で、前後方向に沿う長辺と左右方向に沿う短辺とからなる矩形状をなす。開口部58は、改質器130の左右方向中央部の上方に配置されて、改質器130の上面に対向している。
開口部58には、排ガス流通路59の一端側が接続されており、排ガス流通路59の他端側が、図示しない排ガス出口に接続されている。排ガス流通路59は、酸化剤流通空間55内に配置されている。ここで、開口部58が、本発明の「排ガス導入口」に対応しており、また、前後方向に細長く開口する「細長開口部」に対応している。
本実施形態では、第3のケース7内のセルスタック111の上端部近傍のオフガス燃焼部20にてオフガスが燃焼し、第3のケース7はオフガス燃焼部20を区画する。そして、オフガスの燃焼によって排ガスが発生し、排ガスは、改質器130の壁面(ケーシング131の壁面)に沿って流れて、これにより対流伝熱が生じる。この後、排ガスは、第3のケース7の上面7aの開口部58から排ガス流通路59に排出されて、図示しない排ガス出口を介して外部に排出される。すなわち、本実施形態の排ガス流路は、オフガス燃焼部20にて生成された排ガスが改質器130の壁面に沿って流れた後に、開口部58(排ガス導入口)、排ガス流通路59、及び、図示しない排ガス出口を介して、外部に排出されるように構成されている。
酸化剤(空気)が酸化剤流通空間55を流れる過程で、排ガス流通路59の壁面を介して、カソード用酸化剤と排ガスとの熱交換がなされ、カソード用酸化剤を十分に加熱する一方、排ガスを冷却することができる。ここで、例えば、排ガス流通路59の壁面が、図1に示す熱交換部202に対応し得る。
本実施形態では、図12に示すように、平面視で、開口部58のうち、改質器130のケーシング131の改質部36に対応する部分を、蓋部材101dで塞いでいる。蓋部材101dには、楔状の開口部102dが形成されており、この楔状の開口部102dは、後側から前側に向かうほど幅広になっている。尚、開口部102dは、蓋部材101dによって塞がれた開口部58(排ガス導入口)の一部の内外を連通している。
それゆえ、オフガス燃焼部20から開口部58への排ガスの流れについては、蓋部材101dが存在する改質部36側よりも、蓋部材101dが存在しない気化部35側のほうが流れやすくなり、その結果、排ガスの流れが、気化部35の周辺に集中することになる。このため、改質器130のケーシング131の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量が、改質器130のケーシング131の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くなる。換言すれば、本実施形態では、排ガス流路は、改質器130のケーシング131の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器130のケーシング131の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成されている。従って、気化部35の周辺での対流伝熱が促進されるので、気化部35の温度低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、開口部58での排ガスの流量について、後側(改質器130のケーシング131の改質部36側)の流量に比べて、前側(改質器130のケーシング131の気化部35側)の流量が多い。すなわち、本実施形態では、開口部58での排ガスの流量が、後側から前側に向かうほど多くなっている。これにより、排ガスの流れを、燃料電池装置1の前側に位置する気化部35の周辺に集中させることができる。
特に本実施形態によれば、改質器130は前後方向(水平一方向)に延在し、その前側(一端側)に気化部35(第1の部分)が配置されて、後側(他端側)に改質部36(第2の部分)が配置され、排ガス流路は、その排ガス導入口(開口部58)が改質器130の上方にて前後方向(水平一方向)に細長く開口し、この細長開口部が改質器130の上面に対向するように配置され、この細長開口部における排ガスの流量が、後側(他端側)から前側(一端側)に向かうほど多い。これにより、排ガスの流れを、燃料電池装置1の前側に位置する気化部35の周辺に集中させることができる。
尚、前記第5及び第6実施形態では、本発明の「整流部」として、貫通孔102bが形成された蓋部材101bと、貫通孔102cが形成された蓋部材101cとを用いて説明したが、「整流部」の設置位置は、排ガス導入口の細長開口部に限らない。例えば、第1実施形態において、蓋部材101より下流側の空隙6dの上下方向中央部に、蓋部材101b又は蓋部材101cと同様の構成を有する板状部材を設けることによって、排ガス流路内における排ガスの前後方向での流量分布を均一化することが可能である。また、第2実施形態において、蓋部材101aより下流の空隙6dの上下方向中央部に、蓋部材101b又は蓋部材101cと同様の構成を有する板状部材を設けることによって、排ガス流路内における排ガスの前後方向での流量分布を均一化することが可能である。また、第7実施形態において、蓋部材101dより下流の排ガス流通路59の途中に、蓋部材101b又は蓋部材101cと同様の構成を有する板状部材を設けることによって、排ガス流路内における排ガスの前後方向での流量分布を均一化することが可能である。
また、前記第1〜第7実施形態では、本発明の「改質器の流入口側部分である第1の部分」として、気化部35を挙げて説明したが、当該「第1の部分」はこれに限らない。例えば、気化部が改質器とは別体である場合には、当該「第1の部分」は、改質器の改質部36の流入口側部分になり得る。この場合においても、改質部36の流入口側部分では、吸熱反応である水蒸気改質反応が比較的起こりやすいことから、低温になりかねない。この改質部36の流入口側部分に前記第1〜第7実施形態のいずれかの技術を適用することにより、オフガス燃焼部20からの高温の排ガスを改質器の改質部36の流入口側部分の周辺に集中させることができるので、改質部36の流入口側部分の温度低下を抑制することができる。従って、改質部36の流入口側部分の下方に位置する燃料電池セル10の温度低下が抑制されるので、セルスタックの温度分布を均一化することができる。
また、前記第1〜第7実施形態では、セルスタック11、111の上端部近傍にてオフガスを燃焼させているが、オフガスの燃焼形態はこれに限らず、例えば、燃料電池セル10から排出されるオフガスを一旦回収し、回収したオフガスを配管等を用いてバーナに供給してオフガスを燃焼させてもよい。このバーナによる燃焼熱によって、改質器が加熱され得る。また、バーナでの燃焼により生成される排ガスの流路については、前記第1〜第7実施形態における排ガス流路と同様に、改質器の気化部35の壁面に沿って流れる排ガスの流量を、改質器の改質部36の壁面に沿って流れる排ガスの流量に比べて多くするように構成され得る。
以上からわかるように、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 燃料電池装置
2 筐体
3 第1のケース
3a 上面
3b 底面
3c、3d 長側面
4(4a、4b、4c、4d) 第1の空隙
5 第2のケース
5a 上面
5b 底面
5c、5d 長側面
5e、5f 短側面
6(6b、6c、6d) 第2の空隙
7 第3のケース
7a 上面
7b 底面
7c、7d 長側面
7e、7f 短側面
10 燃料電池セル
11 セルスタック
13 台座
20 オフガス燃焼部
30、30’ 改質器
31 左側ケーシング
32 右側ケーシング
33 中央後側ケーシング
34 ケーシング
34a 仕切板
34b 管状通路
35 気化部
36 改質部
37 流入口
38 原燃料・改質用水供給パイプ
40、40’、40a、40b 酸化剤供給部材
40c 排ガス流通路
41 酸化剤入口管
42 スリット
44 酸化剤噴出口
45 排ガス出口管
50 内部断熱材
51 左側部
52 右側部
52a 延長部
52b 開口部
53 下側部
55 酸化剤流通空間
58 開口部(排ガス導入口)
59 排ガス流通路
61 左側排ガス導入口
62 右側排ガス導入口
101、101a、101b、101c、101d 蓋部材
102a、102b、102c 貫通孔(開口部)
102d 開口部
111 セルスタック
130 改質器
131 ケーシング
201 燃料電池装置
202 熱交換部
203 排ガス出口
204 偏流部
205 整流部

Claims (4)

  1. 流入口より流入する水素含有燃料を改質して水素富化燃料を生成する改質器と、
    前記改質器の下方に配置されて、前記改質器にて生成された水素富化燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う水平一方向に配列された複数の燃料電池セルと、
    前記複数の燃料電池セルの上端部から排出されるオフガスを燃焼させて前記複数の燃料電池セルを高温状態に維持するオフガス燃焼部と、
    前記オフガス燃焼部にて生成された排ガスが前記改質器の壁面に沿って流れた後に外部に排出されるように構成される排ガス流路と、
    を備える燃料電池装置であって、
    前記改質器は、水平一方向に延在し、かつ前記水平一方向における前記流入口側の一端に気化部を有し、
    前記排ガス流路は、排ガスを導入する排ガス導入口を有し、
    該排ガス導入口は、
    平面視にて前記気化部の側方に対応して、水平一方向に細長く開口している、
    ことを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記排ガス導入口は、前記流入口側の一端において、前記気化部より長く設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記排ガス導入口における排ガスの流量が、前記一端と反対側の前記他端側から前記一端側に向かうほど多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
  4. 前記排ガス流路内における排ガスの前記水平一方向での流量分布を均一化する整流部を更に備えることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
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