JP2003034506A - 水素抽出装置 - Google Patents

水素抽出装置

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JP2003034506A
JP2003034506A JP2001222079A JP2001222079A JP2003034506A JP 2003034506 A JP2003034506 A JP 2003034506A JP 2001222079 A JP2001222079 A JP 2001222079A JP 2001222079 A JP2001222079 A JP 2001222079A JP 2003034506 A JP2003034506 A JP 2003034506A
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智 青山
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直樹 伊藤
Toshihide Nakada
俊秀 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素抽出装置のさらなる小型化を可能とする
ような、水素抽出装置を構成する部材間の接続に関わる
技術を提供する。 【解決手段】 水素抽出装置10は、金属製の薄板状部
材である改質ガス流路プレート30(30a,30b)
と、水素分離プレート40(40a,40b)と、パー
ジガス流路プレート50を備え、積層したこれらの薄板
状部材間を、拡散接合によって接合して構成される。改
質ガス流路プレート30が備える改質ガス流路孔32
は、隣接する水素分離プレート40と共に改質ガスの流
路を形成する。パージガス流路プレート50が備えるパ
ージガス流路孔54は、隣接する水素分離プレート40
と共に、水素分離プレート40によって改質ガスから抽
出された水素が混合されるパージガスの流路を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水素を含有する
水素含有気体から水素を抽出する水素抽出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水素を含有するガスから水素を抽
出する装置としては、水素を選択的に透過させる性質を
有する金属(例えば、パラジウムあるいはパラジウム合
金など)を備える水素分離膜を利用する装置が知られて
いる。このような水素抽出装置は、例えば、燃料電池を
備える燃料電池システムにおいて用いられる。
【0003】燃料電池は、水素を含有する燃料ガスを供
給されて電気化学反応によって起電力を得る装置であ
る。燃料電池システムに水素抽出装置を適用する方法と
しては、炭化水素系の燃料を改質して得られる改質ガス
(水素リッチガス)から、水素抽出装置によって水素を
抽出し、得られた水素を燃料ガスとして燃料電池に供給
する構成が知られている。このような水素抽出装置で
は、水素分離膜の一方の面側に上記改質ガスが通過する
流路を設ければ、改質ガス中の水素だけが水素分離膜を
透過するため、水素分離膜の他方の面側に設けた流路中
に水素を抽出することができる。
【0004】水素分離膜を備える水素抽出装置として
は、上記改質ガスなどの水素含有気体が通過する流路の
層を形成する部材と、水素分離膜と、水素分離膜によっ
て抽出された水素が通過する流路の層を形成する部材と
を、複数積層したものが提案されている(例えば、特開
平6−345408号公報など)。このように、水素分
離膜と、水素分離膜を間に挟んで配設される2つの流路
形成部材とを積層することによって、水素分離膜の表面
積を装置全体でより広く確保して、水素抽出の効率を向
上させることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来は、
上記のように流路形成部材や水素分離膜を積層する際
の、各部材の接続方法については充分な検討はなされて
いなかった。積層された各部材の端部では、部材の積層
によって形成される流路同士を接続する構造や、流路の
気密性を確保するための構造が必要になる。
【0006】また、このような水素抽出装置を、燃料電
池と共に車載し、燃料電池を車両の駆動用電源として用
いる場合のように、装置を設置可能となるスペースに制
限がある用途に用いる場合には、さらなる小型化が望ま
れる。複数の部材間を接続して気密性を確保する構成と
しては、部材間にガスケット等のシール部材を配設する
方法などが知られているが、より小型化可能な水素抽出
装置の具体的な構成が望まれていた。
【0007】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、水素抽出装置のさらなる小
型化を可能とするような、水素抽出装置を構成する部材
間の接続に関わる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明は、水素を含有する水
素含有気体から水素の抽出を行なう水素抽出装置であっ
て、水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜
を備える金属製の薄板状部材である水素分離部材と、前
記水素分離部材の第1の面と第2の面とにそれぞれ隣接
して配設された金属製の薄板状部材であって、隣り合う
前記水素分離部材と共にガスの流路を形成する流路部材
とを備え、前記水素分離部材と前記流路部材との間は、
母材の溶融を伴わない接合法により接合されており、各
々の前記水素分離部材の前記第1の面側において該水素
分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路
は、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路であ
り、各々の前記水素分離部材の前記第2の面側において
該水素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記
流路は、前記水素分離膜を透過して前記水素含有気体か
ら抽出された水素が通過する水素流路であることを要旨
とする。
【0009】以上のように構成された本発明の水素抽出
装置によれば、流路を形成するための板状部材を強度に
優れた金属によって形成するため、流路を形成する部材
をより薄くすることが可能となり、このような薄板状部
材を積層した装置全体を薄型化、小型化することができ
る。さらに、このような金属製の薄板状部材を積層する
際に、各部材間を、母材の溶融を伴わない接合方法によ
り接合するため、流路を形成する部材の厚さを、溶融す
ることを見込んで設定する必要が無く、装置全体をより
薄型化することが可能となる。
【0010】上記本発明の水素抽出装置において、前記
母材の溶融を伴わない接合法は、拡散接合および/また
はろう付けであることとしても良い。
【0011】本発明の水素抽出装置において、前記水素
分離部材は、水素を選択的に透過させる性質を有する金
属箔からなることとしても良い。このように、水素分離
部材を金属箔によって形成することで、水素分離部材を
より薄くすることができ、水素抽出装置全体をより薄型
化することが可能となる。
【0012】あるいは、本発明の水素抽出装置におい
て、前記水素分離部材は、薄板状の金属製多孔質体上
に、水素を選択的に透過させる性質を有する金属を成膜
したものであることとしても良い。このような構成とす
れば、水素分離部材の強度を向上させることができる。
【0013】本発明の水素抽出装置において、前記流路
部材は、前記流路を形成するための穴部であるガス流路
穴部を備え、前記流路は、前記流路部材の前記ガス流路
穴部の内側面と、該流路部材を挟持する2枚の前記水素
分離膜部材が備える前記水素分離膜の一部とを、壁面と
して備えることとしても良い。
【0014】このような構成とすれば、流路部材の厚さ
としては、ガス流路断面の径に対応する厚さを確保すれ
ば良く、流路部材をより薄くすることが可能となる。
【0015】このような本発明の水素抽出装置におい
て、前記ガス流路孔の内側面は、前記流路部材を、エッ
チング、放電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少な
くとも一つによって形成されたものであることとしても
良い。
【0016】エッチング、放電加工、レーザ加工、電解
加工のうちの少なくとも一つによって加工を行なうこと
で、複雑な機械加工が不要となる。したがって、製造が
容易となり、製造工程を簡素化することができる。
【0017】本発明の水素抽出装置において、前記水素
分離部材は、第1の穴部および第2の穴部を有し、前記
第1の穴部は、前記水素分離部材の前記第1の面側に形
成される前記水素含有気体流路と連通し、前記第2の穴
部は、前記水素分離部材の前記第2の面側に形成される
前記水素流路と連通しており、前記流路部材のうち、前
記水素分離部材と共に前記水素含有気体流路を形成する
第1の流路部材は、隣接する前記水素分離部材が有する
前記第2の穴部に対応する位置に設けられた第3の穴部
を有すると共に、前記水素分離部材と共に前記水素流路
を形成する第2の流路部材は、隣接する前記水素分離部
材が有する前記第1の穴部に対応する位置に設けられた
第4の穴部を有し、前記水素抽出装置全体として、前記
水素分離部材が有する前記第1の穴部と前記第2の流路
部材が有する前記第4の穴部とによって、前記水素含有
気体流路を経由しながら前記流路部材の積層方向に前記
水素含有気体流路を導く流路が形成され、前記水素分離
部材が有する前記第2の穴部と前記第1の流路部材が有
する前記第3の穴部とによって、前記水素流路を経由し
ながら前記流路部材の積層方向に前記水素を導く流路が
形成されていることとしても良い。
【0018】このような構成とすれば、前記水素含有気
体流路と、これに対して前記水素含有気体を分配する流
路とを接続するための構造、あるいは、前記水素流路
と、これを通過した水素が合流する流路とを接続するた
めの構造を、特別に設ける必要がない。そのため、製造
工程を簡素化すると共に、水素抽出装置の形状の複雑化
を抑えることができる。
【0019】このような本発明の水素抽出装置におい
て、前記第1の流路部材が形成する前記水素含有気体流
路は、前記第1の流路部材の一端の近傍から対向する他
端の近傍まで延びる第1のガス流路穴部によって形成さ
れており、前記第2の流路部材が形成する前記水素流路
は、前記第2の流路部材の一端の近傍から対向する他端
の近傍まで延びる第2のガス流路穴部によって形成され
ており、前記第1のガス流路穴部の一方の端部は、前記
第1の流路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材
が備える前記第1の穴部と連通すると共に、前記第1の
ガス流路穴部の他方の端部は、前記第1の流路部材の他
方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の
穴部と連通し、前記第2のガス流路穴部の一方の端部
は、前記第2の流路部材の一方の面に隣接する前記水素
分離部材が備える前記第2の穴部と連通すると共に、前
記第2のガス流路穴部の他方の端部は、前記第2の流路
部材の他方の面に隣接する前記水素分離部材が備える前
記第2の穴部と連通していることとしても良い。
【0020】本発明の水素抽出装置において、前記水素
流路には、前記水素含有気体に比べて水素濃度が充分に
低いパージガスが供給されることとしても良い。
【0021】パージガスを供給することによって、水素
含有気体から抽出された水素を直ちに水素抽出装置から
排出することができる。したがって、水素流路側の水素
濃度を常に充分に低く保ち、水素抽出の効率を高く維持
することができる。
【0022】なお、本発明は、他にも種々の形態で実施
可能である。例えば、水素抽出装置の製造方法、あるい
は、水素抽出装置を備える燃料電池システムとして実施
することができる。本発明の燃料電池システムは、水素
を含有するガスと酸素を含有するガスの供給を受け、前
記ガスを利用した電気化学反応によって起電力を得る燃
料電池を備える燃料電池システムであって、以上の水素
抽出装置を備え、該水素抽出装置が抽出した水素を、前
記電気化学反応に利用することを要旨とする。以上のよ
うに構成された本発明の燃料電池システムによれば、本
発明の水素抽出装置を備えるため、燃料電池システム全
体をよりコンパクトにすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.第1実施例の水素抽出装置10の構成: B.水素抽出装置10におけるガスの流れ: C.水素抽出装置10の製造方法: D.燃料電池装置への適用: E.第2実施例の水素抽出装置110の構成: F.第3実施例の水素抽出装置210の構成: G.変形例:
【0024】A.第1実施例の水素抽出装置10の構
成:本発明の好適な一実施例である水素抽出装置10の
外観を表わす斜視図を図1に示す。本実施例の水素抽出
装置10は、燃料電池システムに備えられ、炭化水素系
燃料を改質して得られる改質ガスから水素を抽出する。
水素抽出装置10が抽出した水素は、燃料ガスとして、
上記燃料電池システムが備える燃料電池に供給される。
燃料電池システムの構成については後に説明する。図1
に示すように、水素抽出装置10は、略同一形状の正方
形の薄板状部材を複数積層した構造を有している。図2
は、水素抽出装置10を構成する板状部材のうち、水素
抽出装置10の上端部(図1においてAと表わした部
分)に配設された6枚の板状部材の様子を表わす分解斜
視図である。
【0025】水素抽出装置10は、その上端および下端
に配設される端部プレート20と、改質ガスの流路を形
成する改質ガス流路プレート30と、水素分離膜によっ
て形成される水素分離プレート40と、抽出された水素
がパージガスと共に流れるパージガス流路を形成するパ
ージガス流路プレート50とを備える。パージガスにつ
いては後に説明する。図2に示すように、端部プレート
20に隣接して、改質ガス流路プレート30a、水素分
離プレート40a、パージガス流路プレート50a、水
素分離プレート40b、改質ガス流路プレート30b、
の順に配設されている。なお、改質ガス流路プレート3
0aと改質ガス流路プレート30bとは同じものであ
り、水素分離プレート40aと水素分離プレート40b
とも同じものである。図2では、積層の順序を区別する
ためにa、bの符号を付した。また、各板状部材は、そ
れぞれ所定の位置に所定の形状の穴部を備えているが、
各板状部材は、その積層される順序によって、各板状部
材が配設される際の向きが定まる。各板状部材を所定の
順序で所定の向きに配設することで、水素抽出装置10
内では、改質ガスの流路とパージガスの流路とが所望の
形状に形成される。
【0026】端部プレート20は、穴部として、水素抽
出装置10に対して供給される改質ガスを水素抽出装置
10内に導くための改質ガス導入孔22と、水素抽出装
置10に対して供給されるパージガスを水素抽出装置1
0内に導くためのパージガス導入孔24とを備えてい
る。後述するように、水素抽出装置10を製造する際に
は、水素抽出装置10を構成する各板状部材を所定の順
序で積層して、これらに押圧力を加える。端部プレート
20は、このような押圧力が加えられたときに充分な強
度を確保するために、また、水素抽出装置10に対して
改質ガスあるいはパージガスを給排する配管と接続する
ために、他の板状部材に比べて厚く形成されている。本
実施例では端部プレート20は、ステンレス鋼によって
形成されている。
【0027】図3は、改質ガス流路プレート30の外観
を表わす説明図である。改質ガス流路プレート30は、
穴部として、改質ガスの流路を形成する改質ガス流路孔
32と、パージガスの流路を形成するパージガス通過孔
34とを備えている。改質ガス流路孔32は、改質ガス
流路プレート30の中央部に、広く長方形型に形成され
た穴部である。水素抽出装置10内では、改質ガス流路
孔32は、隣接する水素分離プレート40との間で、各
板状部材の積層方向に垂直な方向に改質ガスが流れる改
質ガス流路を形成する。パージガス通過孔34は、改質
ガス流路プレート30の一辺と、改質ガス流路孔32と
の間に形成された細長い長方形状の穴部である。このパ
ージガス通過孔34は、水素抽出装置10内において、
各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガスが流れ
るパージガス流路を形成する。本実施例では、改質ガス
流路プレート30は、ステンレス鋼によって形成されて
いる。
【0028】図4は、水素分離プレート40の外観を表
わす説明図である。水素分離プレート40は、穴部とし
て、ガスの流路を形成するガス通過孔44,46を備え
ている。ガス通過孔44,46は、水素分離プレート4
0の互いに隣接する2辺のそれぞれに沿って形成された
細長い長方形状の穴部である。これらのガス通過孔4
4,46は、水素抽出装置10内において、各板状部材
の積層方向に平行な方向にパージガスあるいは改質ガス
が流れるガス流路を形成する。また、本実施例の水素分
離プレート40は、水素を選択的に透過させる性質を有
するパラジウム箔として形成されている。水素分離プレ
ート40においては、隣接する改質ガス流路プレート3
0が備える改質ガス流路孔32と、隣接するパージガス
流路プレート50が備える後述するパージガス流路孔と
が、重なる領域において、水素分離が行なわれる。この
ように水素分離が行なわれる領域である水素分離部41
を、図4に2点鎖線で囲んで示す。
【0029】図5は、パージガス流路プレート50の外
観を表わす説明図である。パージガス流路プレート50
は、穴部として、パージガスの流路を形成するパージガ
ス流路孔54と、改質ガスの流路を形成する改質ガス通
過孔56とを備えている。パージガス流路孔54は、パ
ージガス流路プレート50の中央部に、広く長方形型に
形成された穴部である。水素抽出装置10内では、パー
ジガス流路孔54は、隣接する水素分離プレート40と
の間で、各板状部材の積層方向に垂直な方向にパージガ
スが流れるパージガス流路を形成する。改質ガス通過孔
56は、パージガス流路プレート50の一辺とパージガ
ス流路孔54との間に形成された細長い長方形状の穴部
である。この改質ガス通過孔56は、水素抽出装置10
内において、各板状部材の積層方向に平行な方向に改質
ガスが流れる改質ガス流路を形成する。本実施例では、
パージガス流路プレート50は、ステンレス鋼によって
形成されている。
【0030】上記した各板状部材を積層する際に、端部
プレート20に隣接する改質ガス流路プレート30a
は、パージガス通過孔34が、端部プレート20が備え
るパージガス導入孔24に重なるような向きに配設され
る(図2参照)。このとき、改質ガス流路プレート30
aの改質ガス流路孔32の一方の端部は、端部プレート
20が備える改質ガス導入孔22と重なる(図3参
照)。
【0031】上記改質ガス流路プレート30aに隣接す
る水素分離プレート40aは、ガス通過孔44が、端部
プレート20のパージガス導入孔24および、改質ガス
流路プレート30aのパージガス通過孔34に重なるよ
うな向きに、配設される(図2参照)。このとき、ガス
通過孔46は、上記改質ガス流路プレート30aの改質
ガス流路孔32の一方の端部と重なる(図3参照)。な
お、ガス通過孔46と改質ガス導入孔22とは、改質ガ
ス流路孔32の対向する辺の位置にそれぞれ存在する。
この水素分離プレート40aにおいては、ガス通過孔4
4は、各板状部材の積層方向に平行な方向にパージガス
が流れるパージガス流路を形成する。また、ガス通過孔
46は、各板状部材の積層方向に平行な方向に改質ガス
が流れる改質ガス流路を形成する。
【0032】上記水素分離プレート40aに隣接するパ
ージガス流路プレート50は、改質ガス通過孔56が、
水素分離プレート40aが備えるガス通過孔46に重な
るような向きに配設されている。このとき、パージガス
流路プレート50のパージガス流路孔54の一方の端部
は、水素分離プレート40aが備えるガス通過孔44と
重なる(図5参照)。
【0033】第2の水素分離プレート40bは、ガス通
過孔44が、パージガス流路プレート50が備える改質
ガス通過孔56に重なるような向きに配設される。この
とき、ガス通過孔46は、上記パージガス流路プレート
50のパージガス流路孔54の一方の端部と重なる(図
5参照)。なお、水素分離プレート40bのガス通過孔
46と水素分離プレート40aのガス通過孔44とは、
パージガス流路孔54の対向する辺の位置にそれぞれ存
在する。この第2の水素分離プレート40bにおいて
は、ガス通過孔44は、各板状部材の積層方向に平行な
方向に改質ガスが流れる改質ガス流路を形成する。ま
た、ガス通過孔46は、各板状部材の積層方向に平行な
方向にパージガスが流れるパージガス流路を形成する。
【0034】このように、水素抽出装置10全体では、
積層される各水素分離プレート40間に、改質ガス流路
プレート30とパージガス流路プレート50とが交互に
配設される。このとき、改質ガス流路プレート30ある
いはパージガス流路プレート50を間に配して隣り合う
水素分離プレート40同士は、図2に示した端部プレー
ト20側から順に、図2において時計回りで表わされる
向きに、互いに90度ずつ回転する位置関係となるよう
に積層される。
【0035】また、改質ガス流路プレート30は、2枚
の水素分離プレート40と1枚のパージガス流路プレー
ト50とを配設しつつ、互いに180度ずつ回転する位
置関係となるように順次積層される(図2参照)。同様
に、パージガス流路プレート50は、2枚の水素分離プ
レート40と1枚の改質ガス流路プレート30とを配設
しつつ、互いに180度ずつ回転する位置関係となるよ
うに順次積層される。
【0036】B.水素抽出装置10におけるガスの流
れ:水素抽出装置10における改質ガスおよびパージガ
スの流れの様子を、図2において矢印で示した。水素抽
出装置10に供給される改質ガスは、端部プレート20
が備える改質ガス導入孔22を介して内部に導入され
る。水素抽出装置10内では、改質ガスは、改質ガス流
路プレート30が備える改質ガス流路孔32が形成する
改質ガス流路内を通過しつつ、改質ガス流路プレート3
0に隣接する水素分離プレート40による水素分離に供
される。各々の改質ガス流路孔32が形成する改質ガス
流路間では、改質ガス流路プレート30間に配設される
プレートが備える既述したガス通過孔44,46および
改質ガス通過孔56が形成する改質ガス流路によって、
改質ガスが導かれる。このとき、改質ガス流路孔32が
形成する改質ガス流路を通過する際の改質ガスの向き
は、隣り合う改質ガス流路プレート30間では互いに対
向する向きとなる(図2参照)。
【0037】同様に、水素抽出装置10に供給されるパ
ージガスは、端部プレート20が備えるパージガス導入
孔24を介して内部に導入される。水素抽出装置10内
では、パージガスは、パージガス流路プレート50が備
えるパージガス流路孔54が形成するパージガス流路内
を通過しつつ、パージガス流路プレート50に隣接する
水素分離プレート40によって抽出された水素が導入さ
れる。各々のパージガス流路孔54が形成するパージガ
ス流路間では、パージガス流路プレート50間に配設さ
れるプレートが備える既述したガス通過孔44,46お
よびパージガス通過孔34が形成するパージガス流路に
よって、パージガスが導かれる。このとき、パージガス
流路孔54が形成するパージガス流路を通過する際のパ
ージガスの向きは、隣り合うパージガス流路プレート5
0間では互いに対向する向きとなる。
【0038】図2では、改質ガスおよびパージガスが導
入される側に配設された端部プレート20を示したが、
水素抽出装置10におけるもう一方の端部にも、同様の
端部プレート20が配設されている。このもう一方の端
部に設けられた端部プレート20にも、改質ガス導入孔
22およびパージガス導入孔24と同様の2つの穴部が
設けられている。これら2つの穴部のうち、一方の穴部
は、水素抽出装置10内の改質ガス流路を通過しつつ水
素が分離された改質ガスを外部に導く。そしてもう一つ
の穴部は、水素抽出装置10内のパージガス流路を通過
しつつ分離された水素が混合されたパージガスを外部に
導く。
【0039】なお、パージガスとは、水素分離膜による
水素抽出の効率を向上させるために、抽出された水素が
流入する側の流路に供給するガスを指す。すなわち、水
素抽出装置10では、パージガス流路にパージガスを流
して、水素分離膜を透過して改質ガスから抽出された水
素をパージガスによって運び去ることによって、パージ
ガス流路側における水素濃度を常に低く抑え、水素抽出
の効率の確保を図っている。パージガスとしては、水素
抽出装置10から取り出した水素を用いる後の工程で不
都合を生じない気体であって、充分に水素濃度が低い気
体を、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0040】C.水素抽出装置10の製造方法:図6
は、水素抽出装置10の製造工程の概略を表わす説明図
である。水素抽出装置10を製造する際には、まず、水
素抽出装置10を構成する既述した各板状部材を用意す
る(工程S100)。すなわち、ステンレス板あるいは
パラジウム箔においてそれぞれ所定の形状の穴部を形成
すると共に、略同一形状の四角形に成形して、端部プレ
ート20、改質ガス流路プレート30、パージガス流路
プレート50および水素分離プレート40として用意す
る。ここで、各板状部材に対して所定の形状の穴部を形
成する動作は、本実施例では、エッチングによって行な
った。エッチングとは、金属表面に耐食性を有する所定
の形状のマスキングを施した上で、マスキングしていな
い部分を腐食液によって溶解させることで所望の形状を
得る加工方法である。
【0041】次にこれらの板状部材を、既述した所定の
順序、所定の向きとなるように積層する(工程S11
0)。その後、積層したこれらの板状部材に対して、加
熱および加圧を行なって、隣接する板状部材間を拡散接
合によって接合し(工程S120)、水素抽出装置10
を完成する。この水素抽出装置10を実際に動作させる
際には、さらに、水素抽出装置10に対して改質ガスお
よびパージガスを給排するための配管との接続を行な
う。
【0042】拡散接合とは、接合したい金属部材同士
を、融点よりも低い温度で加熱・加圧し、原子の拡散を
利用して接合する方法である。接触面では、接合しよう
とする双方の金属が相互に拡散し合い、両者が一体化す
る。また、この拡散接合によれば、異種金属間の接合
も、容易に行なうことができる。本実施例では、板状部
材を積層した後に加熱および加圧を行なって、隣接する
板状部材間の接触面を、拡散接合により接合している。
【0043】以上のように構成された本実施例の水素抽
出装置10によれば、金属製の薄板状部材を積層するこ
とによって構成されているため、装置全体を薄型化、小
型化することができる。すなわち、ガス流路を形成する
ための部材として、強度に優れた金属板を用いること
で、流路を形成するための部材をより薄くすることが可
能となる。したがって、積層型の水素抽出装置におい
て、これが備える水素分離膜の総面積(水素分離プレー
トの枚数)を一定としたときに、装置全体をより薄型化
することができる。
【0044】さらに、このような金属製の薄板状部材を
積層する際に、各部材間の接合を、拡散接合によって行
なうため、装置全体をより薄型化することが可能とな
る。拡散接合は、溶接のような接合方法とは異なり、母
材の溶融を伴わない接合方法であるため、母材が溶融す
ることを見込んで母材の厚さを設定する必要がない。し
たがって、接合の母材である薄板状部材を、接合のため
に厚くする必要が無く、装置全体を充分に薄型化するこ
とが可能となる。ここで、拡散接合は、接合のために、
母材間に母材以外の部材を介在させることがないため、
接合によって装置全体の厚さが増すこともない。
【0045】水素抽出装置10内のガス流路を形成する
金属製の薄板状部材、すなわち改質ガス流路プレート3
0およびパージガス流路プレート50を、より薄く形成
することによって、水素抽出装置10内に形成されるガ
ス流路の流路断面積を、より小さくすることができる。
このように、流路断面積が小さくなるほど、水素抽出装
置10に供給されるガス流量が一定のときには、流路内
でのガスの流速が速くなる。水素抽出装置10が備える
水素分離膜の総面積が一定であれば、水素分離膜に接し
て設けられたガス流路におけるガスの流速が速いほど、
水素分離膜を水素が透過して抽出される速度は速くな
る。したがって、ガス流路を形成する薄板上部材をより
薄くすることによって、水素抽出装置10全体での水素
抽出の効率を向上させることができる。
【0046】なお、ガス流路を形成する薄板状部材をよ
り薄くしてガス流路断面積をより小さくすると、それに
伴って、ガス流路内をガスが通過する際の圧損も増大す
る。したがって、ガス流路を形成する薄板状部材の厚さ
は、流路断面積が小さくなって流速が速まることによる
効果、および装置全体が小型化できる効果と、圧損が大
きくなることによる影響とを考慮して、適宜設定すれば
よい。改質ガス流路プレート30およびパージガス流路
プレート50の厚さとしては、これらのバランスを考慮
して、例えば100μm〜1mm、好ましくは200μ
m〜500μmの範囲に設定することができる。
【0047】水素分離プレート40は、本実施例ではパ
ラジウム箔、すなわち金属製の自立膜(その金属のみで
形成されている膜)によって形成したため、水素分離プ
レート40をより薄くすることができ、水素抽出装置1
0全体をより小型化することができる。このような水素
分離プレート40の厚さは、積層部材としての強度や、
水素透過の効率などを考慮して適宜設定すればよい。例
えば、水素分離プレート40の厚さは、20〜25μm
とすることができる。あるいは、パラジウム箔における
水素透過性をより充分に確保するために、より薄く、例
えば1μm程度とすることとしても良いが、水素分離プ
レート40を自立膜である金属箔によって形成する場合
には、10μm以上の厚さとすることが強度上望まし
い。この説明からも理解できるように、本明細書におい
て「薄板状部材」とは、1μm〜数10μmの厚さの箔
状の部材も含んでいる。また、水素を選択的に透過させ
る性質を有する水素分離膜として、パラジウム以外の金
属箔を用いることもできる。例えば、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル等、より水素の選択透過性に優れた金属に
よって水素分離プレート40を構成することができる。
水素の選択透過性が充分に高ければ、水素分離プレート
40の厚さを上記した数値以上に厚くして、より充分な
強度を確保することとしても良い。また、金属箔によっ
て形成される水素分離プレート40を、水素の選択透過
性を有する複数種の金属によって構成することとしても
良い。
【0048】また、本実施例では、ガス流路を形成する
金属製の薄板状部材(改質ガス流路プレート30および
パージガス流路プレート50、さらに端部プレート2
0)を、ステンレス鋼によって形成することとしたが、
他種の金属によって形成することとしても良い。充分な
強度を有し、エッチングなどの方法によって充分な精度
で成形可能であって、拡散接合によって水素分離プレー
ト40と接合可能であればよい。例えば、バナジウムの
ように、水素分離プレート40を構成する金属と熱膨張
率がより近い金属によって上記薄板状部材を構成すれ
ば、水素抽出装置10の強度および耐久性をより向上さ
せることができる。
【0049】水素抽出装置10を構成する板状部材をよ
り薄い金属板によって形成すると共に、これらの板状部
材を拡散接合によって接合して、水素抽出装置10全体
をより小型化することによって、水素抽出装置10の熱
容量をより小さくすることができる。水素抽出装置10
の熱容量がより小さくなることで、水素抽出装置10の
起動時に、暖機に要するエネルギを削減することができ
る。
【0050】また、本実施例では、施す加工が穴開けの
みであるため、複雑な機械加工が不要となり、製造工程
を簡素化して、精度良く、所望の形状の加工を行なうこ
とができる。本実施例では、このような穴開け加工をエ
ッチングにより行なっている。エッチングは、形成され
る切断面の状態が良好な加工方法であり、また加工時に
加わる熱によって変形が生じたり、加工に伴って切断面
が酸化するおそれがなく、薄い金属板を用いる際に高精
度な加工が可能となる優れた方法である。さらに、エッ
チングは、加工のための高価な金型が不要であり、製造
コストを抑えることができる。
【0051】さらに、本実施例では、各薄板状部材を接
合するのに拡散接合を用いているため、薄板状部材を積
層した後に、拡散接合を行ないつつ全体を一体化するこ
とができる。したがって、製造工程をより簡素化するこ
とができる。なお、水素抽出装置10において、すべて
の部材を拡散接合によって接合する必要はない。少なく
ともその一部において拡散接合によって接合することと
すれば、水素抽出装置10を小型化する効果を得ること
ができる。
【0052】また、本実施例の水素抽出装置10によれ
ば、改質ガス流路孔32が形成する流路に対して改質ガ
スを給排する流路、あるいはパージガス流路孔54が形
成する流路に対してパージガスを給排する流路を、各板
状部材に設けた穴部によって形成している。したがっ
て、水素分離膜に接するように設ける流路に対してガス
を給排するために、これらの流路とマニホールドとの間
を接続するための特別な構造を設ける必要が無く、水素
抽出装置10全体をコンパクト化することができる。
【0053】D.燃料電池装置への適用:既述したよう
に、本実施例の水素抽出装置10は、燃料電池システム
において用いられる。以下に、本実施例の水素抽出装置
10を備える燃料電池システムの構成について説明す
る。図7は、上記実施例の水素抽出装置10を備える燃
料電池システムの一例である燃料電池システム80の構
成の概略を表わす説明図である。燃料電池システム80
は、改質燃料を貯蔵する燃料タンク82、水を貯蔵する
水タンク84、改質燃料および水の昇温と混合を行なう
蒸発・混合部86、改質反応を促進する改質触媒を備え
る改質器88、水素抽出装置10、燃料電池90、ブロ
ワ92を主な構成要素としている。
【0054】燃料タンク82が貯蔵する改質燃料は、改
質器88で進行する改質反応に供されるものであり、こ
の改質燃料としては、ガソリンなどの液体炭化水素や、
メタノールなどのアルコールやアルデヒド類、あるいは
天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々
の炭化水素系燃料を選択することができる。蒸発・混合
部86は、燃料タンク82から供給される改質燃料およ
び水タンク84から供給される水を気化・昇温させると
共に両者を混合するための構造である。
【0055】蒸発・混合部86から排出された改質燃料
と水との混合ガスは、改質器88において改質反応に供
されて改質ガス(水素リッチガス)を生成する。ここ
で、改質器88には、用いる改質燃料に応じた改質触媒
が備えられており、この改質燃料を改質する反応に適し
た温度となるように、改質器88の内部温度が制御され
る。また、改質器88で進行する改質反応は、水蒸気改
質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたも
のなど種々の態様を選択することができ、改質触媒は、
このように改質器88内で進行させる改質反応に応じた
ものを選択すればよい。
【0056】改質器88で生成された改質ガスは、既述
した水素抽出装置10の端部プレート20が備える改質
ガス導入孔22を介して、水素抽出装置10内の改質ガ
ス流路に供給されて、この改質ガスから水素が分離・抽
出される。抽出された水素は、水素抽出装置10内のパ
ージガス流路から排出されて、燃料電池90のアノード
側に対して燃料ガスとして供給される。また、燃料電池
90のカソード側に対しては、ブロワ92から圧縮空気
が酸化ガスとして供給される。これら燃料ガスおよび酸
化ガスを利用して、燃料電池90では電気化学反応によ
って起電力が生じる。
【0057】なお、図7では、燃料電池システムとして
の主要な構成要素を示したが、上記したように改質燃料
としては種々のものが選択可能であり、用いる改質燃料
に応じて燃料電池システム80の構成は適宜変更すれば
よい。例えば、用いる改質燃料が硫黄分を含有する場合
には、蒸発・混合部86に先立って脱硫器を設けて改質
燃料の脱硫を行なうこととすればよい。また、改質器8
8と水素抽出装置10との間にさらに、改質ガス中の一
酸化炭素濃度を低減する装置を設けることとしても良
い。改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置として
は、例えば、一酸化炭素と水蒸気とから二酸化炭素と水
素を生じるシフト反応を促進するシフト触媒を備えるシ
フト部や、改質ガス中の一酸化炭素を優先的に酸化する
一酸化炭素選択酸化反応を促進するCO選択酸化触媒を
備えるCO選択酸化部などを挙げることができる。
【0058】以上のように構成された本実施例の燃料電
池システム80によれば、水素抽出装置10において、
改質器88で生成した改質ガスから水素を抽出して、こ
れを燃料電池90に対して燃料ガスとして供給するた
め、一酸化炭素などの不純物の含有量が極めて低い燃料
ガスを燃料電池90に供給することができ、燃料電池9
0における発電性能を安定して維持することができる。
また、水素抽出装置10は、既述したように、改質ガス
からの水素の抽出に関わる水素分離膜の面積を充分に確
保しつつ、全体をコンパクトに構成することが可能であ
るため、燃料電池システム80全体をよりコンパクトに
することが可能となる。
【0059】なお、既述した実施例では、水素を抽出す
る際にパージガスを用いて水素抽出の効率の向上を図っ
たが、燃料電池システム80が備える水素抽出装置10
においては、燃料電池90に供給したときに電気化学反
応に不都合を生じないガスをパージガスとして選択すれ
ばよい。例えば、所定の蒸発器を用いて水を気化して水
蒸気を生成し、これをパージガスとしてパージガス流路
に供給することとしてもよい。あるいは、燃料電池シス
テム80を構成する種々の部材から排出されるガスをパ
ージガスとして用いる構成も可能である。例えば、電気
化学反応に供された後に燃料電池90のアノード側から
排出されるアノードオフガスをパージガスとして用いる
ことが可能である。あるいは、水素抽出装置10におい
て水素の抽出が行なわれた後に水素抽出装置10から排
出される残余の改質ガスについてさらに一酸化炭素濃度
の低減を行なったガスを、パージガスとして用いること
としても良い。
【0060】E.第2実施例の水素抽出装置110の構
成:図8は、第2実施例の水素抽出装置110の構成を
表わす説明図である。第2実施例の水素抽出装置110
は、第1実施例の水素抽出装置10と同様に、略同一形
状の四角形の金属製板状部材を積層することによって構
成され、図1に示した水素抽出装置10と同様の外観を
有している。図8は、図2と同様に、水素抽出装置11
0を構成する板状部材のうち、一方の端部側に配設され
た6枚の板状部材の様子を表わす分解斜視図である。既
述したように、第1実施例の水素抽出装置10では、水
素分離プレート40に平行な層状に形成される改質ガス
の流路あるいはパージガスの流路は、各流路が順次直列
に接続されている。これに対して、第2実施例の水素抽
出装置110では、水素分離プレート40に平行な層状
に形成される改質ガスの流路あるいはパージガスの流路
は、各流路が互いに並列に接続されている。
【0061】水素抽出装置110は、端部プレート2
0、改質ガス流路プレート30,170、水素分離プレ
ート140,160、パージガス流路プレート150を
備えている。各プレートは、第1実施例の水素抽出装置
10と同様の金属材料によって形成されている。また、
各プレートは、所定の位置に所定の形状の穴部を備える
が、これらの穴部は、第1実施例と同様にエッチングに
よって形成されている。
【0062】端部プレート20および改質ガス流路プレ
ート30は、第1実施例と同様の形状を有している。水
素抽出装置110では、水素抽出装置10と同様に、間
に2枚の水素分離プレートと1枚のパージガス流路プレ
ートとを挟んで、改質ガス流路プレートが配設されてい
る。改質ガス流路プレートとしては、端部プレート20
に隣接して改質ガス流路プレート30が配設される以外
は、改質ガス流路プレート170が用いられている。改
質ガス流路プレート170は、改質ガス流路プレート3
0が備える改質ガス流路孔32と同様の改質ガス流路孔
172と、パージガス通過孔34と同様のパージガス通
過孔174とを備えている。さらに、上記改質ガス流路
孔172を間に挟んで、パージガス通過孔174と対向
する位置に、パージガス通過孔175を備えている。
【0063】水素抽出装置110では、水素抽出装置1
0と同様に、間に改質ガス流路プレートあるいはパージ
ガス流路プレートを挟んで、水素分離プレートが配設さ
れている。水素分離プレートとしては、端部プレート2
0に最も近い位置に水素分離プレート140が配設され
る以外は、水素分離プレート160が用いられている。
水素分離プレート140は、水素分離プレート40が備
えるガス通過孔44,46と同様に、ガス通過孔14
4,146を備えると共に、さらに他の一辺に沿ってガ
ス通過孔142を備えている。水素分離プレート160
は、4辺のそれぞれに沿って、ガス通過孔162,16
4,166,168を備えている。
【0064】水素抽出装置110では、水素抽出装置1
0と同様に、間に2枚の水素分離プレートと1枚の改質
ガス流路プレートとを挟んで、パージガス流路プレート
150が配設されている。パージガス流路プレート15
0は、パージガス流路プレート50が備えるパージガス
流路孔54と同様のパージガス流路孔154と、改質ガ
ス通過孔56と同様の改質ガス通過孔156とを備えて
いる。さらに、上記パージガス流路孔154を間に挟ん
で、改質ガス通過孔156と対向する位置に、改質ガス
通過孔152を備えている。
【0065】これらの板状部材を積層した水素抽出装置
110では、改質ガス導入孔22を介して水素抽出装置
110内に導入された改質ガスは、改質ガス流路孔3
2,ガス通過孔142,改質ガス通過孔152,ガス通
過孔162,改質ガス流路孔172が形成する流路内
を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れる。また、
このような積層方向に平行な流路から分岐して、改質ガ
ス流路孔32および改質ガス流路孔172が形成する流
路内を、積層方向に垂直な方向に流れつつ、水素抽出の
動作に供される。水素抽出されずに残ったガスは、これ
ら積層方向に垂直な流路から合流して、改質ガス流路孔
32,ガス通過孔146,改質ガス通過孔156,ガス
通過孔166,改質ガス流路孔172が形成する流路内
を、板状部材の積層方向に平行な方向に流れ、外部に排
出される。
【0066】同様に、パージガス導入孔24を介して水
素抽出装置110内に導入されたパージガスは、パージ
ガス通過孔34,ガス通過孔144,パージガス流路孔
154,ガス通過孔164,パージガス通過孔174が
形成する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に
流れる。また、このような積層方向に平行な流路から分
岐して、各パージガス流路孔154形成する流路内を、
積層方向に垂直な方向に流れつつ、抽出された水素と混
合される。水素が混合されたパージガスは、これら積層
方向に垂直な流路から合流して、パージガス流路孔15
4,ガス通過孔168,パージガス通過孔175が形成
する流路内を、板状部材の積層方向に平行な方向に流
れ、外部に排出される。
【0067】水素抽出装置110を組み立てる際には、
上記各板状部材を、その内部で上記したガス流路を形成
するように、所定の向きおよび順序で積層し、拡散接合
によって隣接する部材同士を接合して全体を一体化す
る。このような水素抽出装置110に対して、改質ガス
およびパージガスを給排するための配管を接続して、水
素抽出装置110を完成する。
【0068】以上のように構成された第2実施例の水素
抽出装置110によれば、第1実施例の水素抽出装置1
0と同様の効果を奏することができる。すなわち、金属
製の薄板状部材を積層し、拡散接合によって部材間を接
合することにより、装置全体を小型化することができ
る。また、ガス流路の流路断面積を小さくして、ガスの
流速を速めることにより、水素抽出の効率を向上させる
ことができる。また、エッチングによって穴部を形成す
ることにより、さらに、拡散接合によって全体を一体化
することにより、製造工程を簡素化することができる。
さらに、装置を小型化することで、水素抽出装置110
の熱容量を小さくする効果を得ることができる。また、
水素分離膜に接するように設ける流路に対してガスを給
排するための流路を、各板状部材に設けた穴部によって
形成しているため、装置全体をよりコンパクト化するこ
とができる。本実施例の水素抽出装置110は、第1実
施例と同様に、燃料電池システム80のように水素を利
用するシステムに適用することができる。
【0069】F.第3実施例の水素抽出装置210の構
成:図9は、第3実施例の水素抽出装置210の製造工
程を表わす説明図である。第3実施例の水素抽出装置2
10は、既述した実施例と同様に、略同一形状の四角形
の金属製板状部材を積層することによって製造する。水
素抽出装置210は、端部プレート220、改質ガス流
路プレート230、水素分離プレート240、パージガ
ス流路プレート250を備えている。各プレートは、既
述した実施例と同様の金属材料によって形成されてい
る。また、改質ガス流路プレート230およびパージガ
ス流路プレート250は、所定の位置に所定の形状の穴
部を備えるが、これらの穴部は、第1実施例と同様にエ
ッチングによって形成されている。
【0070】端部プレート220は、穴部を有しない薄
板状部材である。改質ガス流路プレート230は、その
中央部に、広く長方形型に形成された穴部である改質ガ
ス流路孔232を有している。水素抽出装置210で
は、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プ
レートと1枚のパージガス流路プレートとを挟んで、改
質ガス流路プレート230が配設されている。
【0071】水素分離プレート240は、穴部を有しな
い薄板状部材である。水素抽出装置210では、水素抽
出装置10と同様に、間に改質ガス流路プレートあるい
はパージガス流路プレートを挟んで、水素分離プレート
240が配設されている。
【0072】パージガス流路プレート250は、その中
央部に、広く長方形型に形成された穴部であるパージガ
ス流路孔252を有している。水素抽出装置210で
は、水素抽出装置10と同様に、間に2枚の水素分離プ
レートと1枚の改質ガス流路プレートとを挟んで、パー
ジガス流路プレート250が配設されている。
【0073】水素抽出装置210を組み立てる際には、
上記各板状部材を所定の順序で積層し、拡散接合によっ
て隣接する部材同士を接合して全体を一体化する。この
とき、改質ガス流路プレート230とパージガス流路プ
レート250とは、改質ガス流路孔232の長手方向
と、パージガス流路孔252の長手方向とが直交する向
きとなるように、配設する。本実施例では、上記板状部
材を積層して拡散接合によって全体を一体化して積層体
を形成した後に、この積層体を、図9中、点線で示した
位置でさらに切断する。
【0074】図10および図11は、上記積層体を切断
する位置を、改質ガス流路プレート230とパージガス
流路プレート250のそれぞれの平面図において表わし
た説明図である。また、図12は、上記した点線に示し
た位置で切断した後の積層体285の様子を表わす説明
図である。このように、上記した点線に示した位置で切
断した後の積層体285は、その4つの側面において、
改質ガス流路あるいはパージガス流路が開口している。
【0075】本実施例では、図12に示した積層体28
5を、ケーシング280内に収納して、水素抽出装置2
10を完成した。積層体285をケーシング280内に
収納した水素抽出装置210の外観を図13に示す。ケ
ーシング280には、改質ガス流路あるいはパージガス
流路が開口する積層体285の4つの側面に対応して、
4つのマニホールドが設けられている。図13に示す前
面には、パージガスを供給するためのマニホールド29
2が設けられている。左側面には、改質ガスを供給する
ためのマニホールド294が設けられている。右側面に
は、水素分離が行なわれた残余の改質ガスを排出するた
めのマニホールド296が設けられている。また、図1
3では死角となる背面には、パージガスと共に抽出され
た水素が排出されるマニホールドが設けられている。
【0076】積層体285と、これを収納するケーシン
グ280との間は、給排されるガス同士が混合しないよ
うに、シーリングされている。すなわち、積層体285
の上面および下面とケーシングの内壁とが接する面、お
よび、積層体285の側面の角部とケーシング内壁とが
接する部位において、所定のシール部材を排することで
気密性を確保している。これによって、上記各マニホー
ルドを介して所定のガスを給排することによって、装置
内部でガスが混合することなく、改質ガスからの水素の
分離を行なうことができる。
【0077】以上のように構成された第3実施例の水素
抽出装置210によれば、上記実施例の水素抽出装置1
0と同様の効果を奏することができる。すなわち、金属
製の薄板状部材を積層し、拡散接合によって部材間を接
合することにより、装置全体を小型化することができ
る。また、ガス流路の流路断面積を小さくして、ガスの
流速を速めることにより、水素抽出の効率を向上させる
ことができる。また、エッチングによって穴部を形成す
ることにより、さらに、拡散接合によって全体を一体化
することにより、製造工程を簡素化することができる。
さらに、装置を小型化することで、水素抽出装置210
の熱容量を小さくする効果を得ることができる。本実施
例の水素抽出装置210は、第1実施例と同様に、燃料
電池システム80のように水素を利用するシステムに適
用することができる。また、本実施例の水素抽出装置2
10は、板状部材を積層して形成した積層体285をケ
ーシング280内に収納しているため、改質ガスおよび
パージガスの配管に関わる構造を簡素化することができ
る。
【0078】E.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0079】E1.変形例1:既述した実施例では、金
属製の板状部材は、拡散接合によって互いに接合するこ
ととしたが、ろう付けによって接合することとしても良
い。ろう付けも、拡散接合と同様に、母材の溶融を伴わ
ない接合法である。したがって、母材である改質ガス流
路プレート、パージガス流路プレートおよび水素分離プ
レートを、接合のためにより厚く形成する必要が無く、
母材間にはろうを充分に薄く配設することによって、水
素抽出装置全体をより小型化することが可能となる。
【0080】E2.変形例2:上記実施例では、金属製
の板状部材が備える穴部は、エッチングによって形成す
ることとしたが、放電加工(例えばワイヤカット)、レ
ーザ加工、プレス加工によって形成することとしても良
い。許容できる精度で加工が可能であればよい。
【0081】E3.変形例3:上記実施例では、水素分
離プレートは、水素分離機能を有する金属箔からなる自
立膜としたが、薄板状の多孔質基材上に水素分離機能を
有する金属を成膜して水素分離プレートを形成すること
としても良い。金属製の多孔質基材上に水素分離金属を
成膜することで、水素分離プレートの強度を向上させる
ことができる。このような場合にも、金属製の薄板状部
材を、母材の溶融を伴わない接合方法によって接合する
ことによる、装置の小型化の効果を奏することができ
る。
【0082】ここで、多孔質基材上に水素分離金属を成
膜する方法としては、種々の方法が適用可能である。例
えば、上記多孔質基材上を、めっきや、化学蒸着法(C
VD)、物理蒸着法(PVD)等により水素分離金属で
コーティングすればよい。あるいは、多孔質基材の細孔
に上記水素分離金属を担持させることとしてもよい。こ
のような水素分離金属の担持法としては、例えば、水素
分離金属を含有した溶液に多孔質基材を浸漬する含浸担
持法を挙げることができる。
【0083】金属製の多孔質基材上に水素分離金属を成
膜した水素分離プレートを用いる場合には、既述した実
施例と同様に拡散接合を行なうと、接合時に加えられる
加重によって多孔質基材がつぶれて、積層体の側面にお
いて充分なシール性を得ることが可能となる。あるい
は、多孔質基材の周辺部におけるシール性を確保するた
めに、実質的に水素分離機能を有しない金属を用いて、
多孔質基材周辺をコートすることとしても良い。
【0084】E4.変形例4:また、上記実施例では、
改質ガス流路プレートおよびパージガス流路プレートが
備える穴部(ガス流路孔)によって、水素分離膜に接す
るガス流路を形成したが、ガス流路を形成するための構
造(ガス流路形成部)を、異なる構成とすることも可能
である。上記ガス流路プレートにおいて、穴部に代え
て、その表面に所定の凹凸構造を設けて、この凹凸構造
と水素分離膜との間にガス流路を形成することとしても
良い。このような場合にも、エッチングによって、高い
精度で所望の凹凸構造を金属板上に形成することができ
る。
【0085】E5.変形例5:図2に示した水素抽出装
置10では、改質ガスおよびパージガスは、水素抽出装
置の同じ側の端部から水素抽出装置内に導入したが、そ
れぞれ異なる側の端部から導入する構成も好ましい。水
素抽出装置内において、改質ガス流路内では、水素の抽
出が行なわれるために下流側ほど水素濃度が薄くなる。
また、パージガス流路内では、水素の抽出が行なわれる
ために下流側ほど水素濃度が濃くなる。水素分離膜によ
って水素が抽出される効率は、改質ガスとパージガスと
の間で水素濃度差が大きいほど高くなる。従って、改質
ガスとパージガスとをそれぞれ異なる側の端部から導入
することによって、水素抽出装置全体で、改質ガスとパ
ージガスとの間の水素濃度差を確保し、水素抽出効率を
高めることができる
【0086】E6.変形例6:また、上記実施例では、
水素分離膜を間に挟んで改質ガス流路と対向して設けた
ガス流路にパージガスを流すこととしたが、パージガス
を用いない構成も可能である。積極的にパージガスを流
さない場合にも、水素分離膜を間に挟んで設けられた両
側の流路間の水素濃度差に従って、改質ガスから水素を
抽出してこれを回収することができる。
【0087】E7.変形例7:また、改質ガス流路プレ
ートが有する改質ガス流路孔内に多孔質体を配設し、こ
の多孔質体上に改質触媒を担持させて、改質ガス流路内
で改質反応を進行させる構成も可能である。すなわち、
水素抽出装置と改質器を一体で形成することも可能であ
る。また、既述したシフト触媒、あるいはCO選択酸化
触媒のような一酸化炭素濃度の低減に関わる触媒を担持
させることとしても良い。このような場合にも、穴部に
多孔質体を配設した金属製の薄板状部材を、母材の溶融
を伴わない接合方法で接合することにより、装置全体を
薄型化する効果を得ることができる。
【0088】E8.変形例8:既述した説明では、水素
抽出装置は、改質ガスから水素を抽出することとした
が、改質ガス以外の水素含有ガスから水素を抽出するた
めに、本発明の水素抽出装置を用いることとしても良
い。また、水素分離膜を用いて水素含有ガスから抽出さ
れて、水素抽出装置から排出される水素を、燃料電池以
外の水素を消費する装置に対して供給することとしても
よい。あるいは、このような水素を消費する装置に直接
供給するのではなく、一旦貯蔵することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素抽出装置10の外観を表わす斜視図であ
る。
【図2】水素抽出装置10を構成する板状部材の様子を
表わす分解斜視図である。
【図3】改質ガス流路プレート30の外観を表わす説明
図である。
【図4】水素分離プレート40の外観を表わす説明図で
ある。
【図5】パージガス流路プレート50の外観を表わす説
明図である。
【図6】水素抽出装置10の製造工程の概略を表わす説
明図である。
【図7】水素抽出装置10を備える燃料電池システム8
0の構成を表わす説明図である。
【図8】第2実施例の水素抽出装置110の構成を表わ
す説明図である。
【図9】第3実施例の水素抽出装置210の製造工程を
表わす説明図である。
【図10】積層体を切断する位置を、改質ガス流路プレ
ート230の平面図において表わした説明図である。
【図11】積層体を切断する位置を、パージガス流路プ
レート250の平面図において表わした説明図である。
【図12】点線に示した位置で切断した後の積層体の様
子を表わす説明図である。
【図13】積層体をケーシング内に収納した水素抽出装
置210の外観を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110,210…水素抽出装置 20,220…端部プレート 22…改質ガス導入孔 24…パージガス導入孔 30,170,230…改質ガス流路プレート 32,232…改質ガス流路孔 34…パージガス通過孔 40,140,160,240…水素分離プレート 41…水素分離部 44,46…ガス通過孔 50,150,250…パージガス流路プレート 54,154…パージガス流路孔 56,156…改質ガス通過孔 80…燃料電池システム 82…燃料タンク 84…水タンク 86…混合部 88…改質器 90…燃料電池 92…ブロワ 142…ガス通過孔 144,146…ガス通過孔 152…改質ガス通過孔 162,164,166,168…ガス通過孔 172…改質ガス流路孔 174,175…パージガス通過孔 252…パージガス流路孔 280…ケーシング 285…積層体 292,294,296…マニホールド
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/06 H01M 8/06 R (72)発明者 青山 智 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊藤 直樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中田 俊秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA42 JA05A JA05C JA06A JA06C JA22A JB04 MA03 MA06 MC02 PA02 PB18 PB66 PC80 4G040 FA06 FC01 FD04 FE01 5H027 AA02 BA16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有する水素含有気体から水素の
    抽出を行なう水素抽出装置であって、 水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離膜を備
    える金属製の薄板状部材である水素分離部材と、 前記水素分離部材の第1の面と第2の面とにそれぞれ隣
    接して配設された金属製の薄板状部材であって、隣り合
    う前記水素分離部材と共にガスの流路を形成する流路部
    材とを備え、 前記水素分離部材と前記流路部材との間は、母材の溶融
    を伴わない接合法により接合されており、 各々の前記水素分離部材の前記第1の面側において該水
    素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路
    は、前記水素含有気体が通過する水素含有気体流路であ
    り、 各々の前記水素分離部材の前記第2の面側において該水
    素分離部材と前記流路部材との間に形成された前記流路
    は、前記水素分離膜を透過して前記水素含有気体から抽
    出された水素が通過する水素流路である水素抽出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水素抽出装置であって、 前記母材の溶融を伴わない接合法は、拡散接合および/
    またはろう付けである水素抽出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水素抽出装置で
    あって、 前記水素分離部材は、水素を選択的に透過させる性質を
    有する金属箔からなる水素抽出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の水素抽出装置で
    あって、 前記水素分離部材は、薄板状の金属製多孔質体上に、水
    素を選択的に透過させる性質を有する金属を成膜したも
    のである水素抽出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の水素抽
    出装置であって、 前記流路部材は、前記流路を形成するための穴部である
    ガス流路穴部を備え、 前記流路は、前記流路部材の前記ガス流路穴部の内側面
    と、該流路部材を挟持する2枚の前記水素分離膜部材が
    備える前記水素分離膜の一部とを、壁面として備える水
    素抽出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の水素抽出装置であって、 前記ガス流路穴部の内側面は、前記流路部材を、エッチ
    ング、放電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少なく
    とも一つによって形成されたものである水素抽出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか記載の水素抽
    出装置であって、 前記水素分離部材は、第1の穴部および第2の穴部を有
    し、 前記第1の穴部は、前記水素分離部材の前記第1の面側
    に形成される前記水素含有気体流路と連通し、前記第2
    の穴部は、前記水素分離部材の前記第2の面側に形成さ
    れる前記水素流路と連通しており、 前記流路部材のうち、前記水素分離部材と共に前記水素
    含有気体流路を形成する第1の流路部材は、隣接する前
    記水素分離部材が有する前記第2の穴部に対応する位置
    に設けられた第3の穴部を有すると共に、前記水素分離
    部材と共に前記水素流路を形成する第2の流路部材は、
    隣接する前記水素分離部材が有する前記第1の穴部に対
    応する位置に設けられた第4の穴部を有し、 前記水素抽出装置全体として、前記水素分離部材が有す
    る前記第1の穴部と前記第2の流路部材が有する前記第
    4の穴部とによって、前記水素含有気体流路を経由しな
    がら前記流路部材の積層方向に前記水素含有気体流路を
    導く流路が形成され、前記水素分離部材が有する前記第
    2の穴部と前記第1の流路部材が有する前記第3の穴部
    とによって、前記水素流路を経由しながら前記流路部材
    の積層方向に前記水素を導く流路が形成されている水素
    抽出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の水素抽出装置であって、 前記第1の流路部材が形成する前記水素含有気体流路
    は、前記第1の流路部材の一端の近傍から対向する他端
    の近傍まで延びる第1のガス流路穴部によって形成され
    ており、 前記第2の流路部材が形成する前記水素流路は、前記第
    2の流路部材の一端の近傍から対向する他端の近傍まで
    延びる第2のガス流路穴部によって形成されており、 前記第1のガス流路穴部の一方の端部は、前記第1の流
    路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える
    前記第1の穴部と連通すると共に、前記第1のガス流路
    穴部の他方の端部は、前記第1の流路部材の他方の面に
    隣接する前記水素分離部材が備える前記第1の穴部と連
    通し、 前記第2のガス流路穴部の一方の端部は、前記第2の流
    路部材の一方の面に隣接する前記水素分離部材が備える
    前記第2の穴部と連通すると共に、前記第2のガス流路
    穴部の他方の端部は、前記第2の流路部材の他方の面に
    隣接する前記水素分離部材が備える前記第2の穴部と連
    通している水素抽出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8いずれか記載の水素抽
    出装置であって、 前記水素流路には、前記水素含有気体に比べて水素濃度
    が充分に低いパージガスが供給される水素抽出装置。
  10. 【請求項10】 水素を含有する水素含有気体から水素
    の抽出を行なう水素抽出装置の製造方法であって、
    (a)水素を選択的に透過させる性質を有する水素分離
    膜を備える金属製の薄板状部材である水素分離部材を用
    意する工程と、(b)金属製の薄板状部材であって、前
    記水素抽出装置を組み立てたときに隣接する前記水素分
    離部材との間でガスの流路を形成する流路形成部を備え
    る流路部材を用意する工程と、(c)前記水素分離部材
    と前記流路部材とを含む複数の部材を所定の順序で積層
    する工程と、(d)前記水素分離部材と前記流路部材と
    の間を、母材の溶融を伴わない接合法によって接合する
    工程とを備える水素抽出装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の水素抽出装置の製造
    方法であって、 前記母材の溶融を伴わない接合法は、拡散接合および/
    またはろう付けである水素抽出装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の水素抽出
    装置の製造方法であって、 前記(b)工程は、前記流路形成部を、エッチング、放
    電加工、レーザ加工、電解加工のうちの少なくとも一つ
    によって形成する工程を備える水素抽出装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 水素を含有するガスと酸素を含有する
    ガスの供給を受け、前記ガスを利用した電気化学反応に
    よって起電力を得る燃料電池を備える燃料電池システム
    であって、 請求項1ないし9いずれか記載の水素抽出装置を備え、
    該水素抽出装置が抽出した水素を、前記電気化学反応に
    利用する燃料電池システム。
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