JP2003297387A - 固体電解質燃料電池の製造方法および固体電解質燃料電池 - Google Patents

固体電解質燃料電池の製造方法および固体電解質燃料電池

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JP2003297387A JP2002097944A JP2002097944A JP2003297387A JP 2003297387 A JP2003297387 A JP 2003297387A JP 2002097944 A JP2002097944 A JP 2002097944A JP 2002097944 A JP2002097944 A JP 2002097944A JP 2003297387 A JP2003297387 A JP 2003297387A
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚の薄い固体電解質セラミック膜を有する
固体電解質燃料電池における、電池全体の小型化、高出
力化、起動性の迅速化を実現することができ、かつ製造
工程の簡易化・低コスト化を達成する。 【解決手段】 第1の空気極32と第2の空気極34と
が印刷形成された空気極側固体電解質シート12と第1
の燃料極31と第2の燃料極33とが印刷形成された燃
料極側固体電解質シート13とを交互に重ね合わせて積
層して積層成形体を作製し、それを焼成して固体電解質
燃料電池の主要部を構成するようにしたので、空気極側
固体電解質シート12に形成されている第1の空気極3
2または第2の空気極34と燃料極側固体電解質シート
に形成されている第1の燃料極31または第2の燃料極
33と両者に挟まれた固体電解質1とで、一つの単位セ
ルの主要部が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック固体電
解質を用いた固体電解質燃料電池の製造方法および固体
電解質燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel
Cell;SOFC)は大別すると円筒型と平板型とがあ
る。従来は両者ともEVD(電気化学蒸着法)、溶射法
等によって製造していたため、製造コストが極めて高価
なものとなっていた。
【0003】そのような不都合を改善するため、従来の
技術では固体酸化物燃料電池の主要部を製造するために
種々の方式のセラミック製造プロセスが採用されている
が、そのいずれの方式も、まず単セルを個別に製造し、
その単セルを複数個組み合わせることで、一つの纏まっ
た電池モジュールを構成していた。
【0004】しかし、そのような単セルを複数個組み合
わせた構造では、製造に手間が掛かるのみならず、組み
合わされた単セルどうしの接続部分で燃料ガスや空気の
漏洩が発生することを防止するために、シール(封止)
が必要となっていた。そのシールを行うシール材として
は、熱膨張が燃料電池の形成材料と等しいこと、および
稼動時の高温環境下で反応しにくいことが求められる
が、そのような条件に適合するシール材が得られていな
いのが現状である。
【0005】また、単セルどうしをインターコネクト材
で電気的に接合するため、各単セルの機械的強度が必要
となるが、そのような強度を確保するためには固体電解
質の厚みを100μmから500μm程度に厚くする必
要があり、その結果、抵抗値が増大して出力低下の原因
となる。
【0006】また、例えば酸素含有ガスや燃料ガスを通
すための通気孔や通気溝などが形成された十分な剛性を
備えた電極材料からなる支持板に薄膜の電解質を保持さ
せる方法などが提案されているが、支持体の厚みを考慮
すると、モジュールの大型化につながる。これは換言す
れば、電池の小型化に対して著しい妨げとなるというこ
とである。
【0007】また、積層構造の同時焼成も提案されてい
るが、これは電解質、燃料極、空気極の3層積層の同時
焼成で、これは換言すれば単セルの一部を焼成している
ものであって、実際にはそのように形成された単セルの
一部を積み重ねるようにして組み合わせて全体的な電池
の構造を形成していた。
【0008】このような従来の固体酸化物燃料電池は、
円筒型のものとしては、例えば特開平5−101841
号公報、特開平8−50913号公報、特開2000−
195535号公報、特開平10−92448号公報等
に提案されており、平板型のものについては、例えば特
開平8−124585号公報、特開平9−231987
号公報、特開平10−302812号公報、特開平11
−154525号公報、特開2000−106204号
公報等に提案されている。またその他にも、支持タイプ
のものが特開平6−96778号公報、特開平6−22
3847号公報、特開平6−251772号公報等に提
案されており、ハニカムタイプのものが特開平10−4
0934号公報、特開平10−189017号公報、特
開平10−189023号公報、特開平11−2973
42号公報等に提案されている。
【0009】さらに詳細には、SOFCは固体酸化物膜
中を酸化物イオンが酸素濃度勾配によって拡散して起電
力を生ずるという作用を利用した燃料電池で、この方式
の燃料電池は、一般に、改質器が不要であり発電効率が
高いが、電子と比較して体積の大きい酸化物イオンが固
体電解質の膜中を膜厚方向に移動するため、固体電解質
膜における酸化物イオンの移動量が小さく、高抵抗にな
りやすい。
【0010】ところが、起動特性の向上や高出力化を実
現するためには固体電解質の薄膜化が不可欠で、Y安定
化ジルコニアでは0.1μm〜1μm、ランタンガレー
トでは10μm±1μm程度の膜厚が最適であるとされ
るが、実際には自立膜式における取り扱い易さなどの観
点からジルコニア系で150μm〜500μm程度を採
用している。
【0011】このように、従来のSOFCでは、個別に
作製された複数個の単セルを組み立てて一つの纏まった
燃料電池モジュールとしていることや、固体電解質が最
適な膜厚よりも極めて厚くしかできないこと、あるいは
薄膜状の固体電解質を機械的に支持するための十分な剛
性を備えた厚い支持板を用いることなどに起因して、電
池全体の小型化や起動性の向上が困難であり、そのよう
な点での改善が強く要請されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
技術では、固体酸化物燃料電池の小型化、高出力化、起
動の迅速化の実現が困難なものとなっている。小型化に
関しては、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell
;固体高分子型燃料電池)に比肩できるような小型化
は実現されていない。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、膜厚の薄い固体電解質セラミック膜
を有して、電池全体の小型化、高出力化、迅速な起動性
を実現し、かつ製造工程の簡易化・低コスト化を達成す
ることができる固体電解質燃料電池の製造方法および固
体電解質燃料電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による固体電解質
燃料電池の製造方法は、焼成されると酸化物イオンを伝
導する性質を有する材料からなる未焼成の固体電解質シ
ートの表面に、第1の空気極を印刷形成する工程と、前
記第1の空気極が印刷形成されていない余白部分に、前
記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固体
電解質シートと一体化して焼結される材質からなる未焼
成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、前記第
1の空気極が印刷形成された層の上に、熱処理または化
学的処理によって消失させることが可能な材質からなる
消失可能部材を所定の通気路の形状に印刷形成する工程
と、前記消失可能部材が印刷形成されていない余白部分
のうち少なくとも前記通気路の側壁となる部分に、前記
固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固体電
解質シートと一体化して焼結される材質からなる未焼成
の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、前記消失
可能部材が印刷形成された層の上に、第2の空気極を印
刷形成する工程と、前記第2の空気極が印刷形成されて
いない余白部分に、前記固体電解質シートと同じ材質ま
たは焼成後に前記固体電解質シートと一体化して焼結さ
れる材質からなる未焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形
成する工程と、焼成されると酸化物イオンを伝導する性
質を有する材料からなる未焼成の固体電解質シートの表
面に第1の燃料極を印刷形成する工程と、前記第1の燃
料極が印刷形成されていない余白部分に、前記固体電解
質シートと同じ材質または焼成後に前記固体電解質シー
トと一体化して焼結される材質からなる未焼成の側壁兼
スペーサ部材を印刷形成する工程と、前記第1の燃料極
が印刷形成された層の上に、熱処理または化学的処理に
よって消失させることが可能な材質からなる消失可能部
材を所定の通気路の形状に印刷形成する工程と、前記消
失可能部材が印刷形成されていない余白部分のうち少な
くとも前記通気路の側壁となる部分に、前記固体電解質
シートと同じ材質または焼成後に前記固体電解質シート
と焼結して一体化する材質からなる未焼成の側壁兼スペ
ーサ部材を印刷形成する工程と、前記消失可能部材が印
刷形成された層の上に、第2の燃料極を印刷形成する工
程と、前記第2の燃料極が印刷形成されていない余白部
分に、前記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に
前記固体電解質シートと一体化して焼結される材質から
なる未焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程
と、前記第1の空気極および前記第2の空気極が印刷形
成された空気極側固体電解質シートと前記第1の燃料極
および前記第2の燃料極が印刷形成された燃料極側固体
電解質シートとを一組として複数組積層して積層成形体
を作製する工程と、前記積層成形体を作製した後に、前
記消失可能部材を消失させて、その消失可能部材が消失
した部分を細隙状の通気路にする工程と、前記積層成形
体を焼成する工程とを含んでいる。
【0015】また、本発明による固体電解質燃料電池
は、酸化物イオンを伝導する性質を有する材料からなる
膜状または薄板状の固体電解質シートの表面に形成され
た第1の空気極とその第1の空気極に対して酸化剤の通
気路としての細隙を隔てて対向配置された第2の空気極
とを備えた空気極側固体電解質シートと、酸化物イオン
を伝導する性質を有する材料からなる膜状または薄板状
の固体電解質シートの表面に形成された第1の燃料極と
その第1の燃料極に対して還元剤または燃料の通気路と
しての細隙を隔てて対向配置された第2の燃料極とを備
えた燃料極側固体電解質シートとを、少なくとも一組積
層してなるものである。
【0016】すなわち、本発明による固体電解質燃料電
池の製造方法または固体電解質燃料電池では、空気極側
固体電解質シートの第2の空気極の上に燃料極側固体電
解質シートを重ね合わせることで、空気極側固体電解質
シートの第2の空気極と燃料極側固体電解質シート第1
の燃料極とそれらに挟まれた固体電解質シートと第2の
空気極に接している酸化剤の通気路と第1の燃料極に接
している還元剤または燃料の通気路とによって、起電力
を発生させる実質的な燃料電池としての一つの単位セル
が構成される。あるいは、燃料極側固体電解質シートの
第2の燃料極の上に空気極側固体電解質シートを重ね合
わせることで、空気極側固体電解質シートの第1の空気
極と燃料極側固体電解質シートの第2の燃料極とそれら
に挟まれた固体電解質シートと第1の空気極に接してい
る酸化剤の通気路と第2の燃料極に接している還元剤ま
たは燃料の通気路とによって、起電力を発生させる実質
的な燃料電池としての一つの単位セルが構成される。
【0017】また、未焼成の固体電解質シートの表面
に、熱処理や化学的処理などによって完全燃焼や熱分解
あるいは揮散(昇華)するなどして消失する材質からな
る消失可能部材を通気路の形状に印刷形成し、通気路の
側壁となる部分には未焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷
形成する。このとき、消失可能部材や側壁兼スペーサ部
材を印刷形成しているので、それらは極めて簡易かつ確
実に、所望の形状(平面的パターン)および所望の厚さ
に形成することが可能である。そして消失可能部材と未
焼成の側壁兼スペーサ部材とが印刷された固体電解質シ
ートを複数枚積層して積層成形体を作製し、それを焼成
して、固体電解質燃料電池を完成するが、その複数枚の
固体電解質シートの積層から積層成形体の焼成完了まで
の間に、消失可能部材を熱処理や化学的処理などによっ
て消失させることで、その消失可能部材が消失したこと
によって生じた空間が細隙状の通気路となる。
【0018】従って、固体電解質シートを複数枚積層し
て積層成形体を作製するまでは、通気路となる予定の空
間には印刷形成された消失可能部材が存在しているの
で、その部分の固体電解質シートが積層時に撓んだり歪
曲したりすることが防止される。また、積層成形体の焼
成が完了するまでには、消失可能部材を熱処理や化学的
処理などによって消失させるようにしているので、積層
成形体を作製するまでの間などに破損や形状不良等を発
生することなく、極めて薄くて、酸化物イオンの伝導効
率の高い固体電解質膜が簡易かつ確実に形成される。
【0019】ここで、上記の消失可能部材や側壁兼スペ
ーサ部材の印刷形成に用いることが可能な印刷方式とし
ては、より具体的には、流動性を有する材料を所定のパ
ターンに所定の再現性を保って転写することが可能なも
のであれば、どのようなものでもよい。例えば、スクリ
ーン印刷法、オフセット転写印刷法、インクジェット法
などのような種々の印刷方式が適用可能である。
【0020】また、上記の「細隙状」とは、断面形状が
三角形や四角形や円形などのいわゆる筒状のものなどと
は異なり、幅方向(固体電解質シートの表面に対して平
行な方向)の寸法が高さ方向(固体電解質シートの表面
に対して垂直な方向)の寸法よりも広くて偏平な形状の
ものであることを、ここでは意味している。
【0021】また、上記の「酸化物イオン」とは、酸素
化合物をイオン化してなる酸化物イオンを意味すること
は言うまでもないが、それのみには限定されず、酸素の
単体をイオン化した酸素イオンについても、「酸化物イ
オン」の種類に含まれるものとする。
【0022】なお、側壁兼スペーサ部材以外の所定位置
に、消失可能部材を印刷形成しない余白部分をさらに設
けて、その余白部分に側壁兼スペーサ部材と同じ材質ま
たは焼成後に固体電解質シートと一体化して焼結される
材質からなる未焼成の支持体部材を印刷形成しておき、
それを積層成形体の焼成の工程で焼成して、通気路にて
対向する固体電解質シートどうしの間隙を支持するため
の支持体を、さらに形成するようにしてもよい。このよ
うにすることにより、固体電解質の膜が極めて薄もので
あっても、通気路を隔てて対向する固体電解質の膜どう
しの表面の間隙を支持体によって力学的に支えるので、
消失可能部材を消失させた後や、固体電解質シートを焼
成した後にも、固体電解質シートが撓んだり歪曲したり
することが防止される。
【0023】また、上記の消失可能部材を消失させる工
程としては、固体電解質シートを積層し外部から押圧し
て積層成形体を作製した後、積層成形体に熱処理または
化学的処理を施して消失可能部材を消失させるようにし
てもよい。すなわち、固体電解質シートはバインダーを
含有する材料からなり、焼成前に数100[℃]程度の
温度で脱バインダ工程が行われることが一般に多いの
で、そのような脱バインダーのための熱処理工程を、消
失可能部材を消失させる工程としても兼用することなど
が有効である。このようすることにより、脱バインダー
のような熱処理工程とは別段に消失可能部材を消失させ
る工程を付加する必要がなくなるので、全体的な製造プ
ロセスの煩雑化が回避される。但し、これのみには限定
されず、この他にも、例えば積層成形体を焼成する際
に、そのときの加熱によって消失可能部材を消失させる
ことなども可能である。
【0024】また、上記の側壁兼スペーサ部材の印刷形
成を省略して、固体電解質シートの表面に消失可能部材
を所定の通気路の形状に印刷形成し、その消失可能部材
が印刷形成された固体電解質シートを複数枚積層し、そ
の積層方向に押圧力を印加して、重なり合った各固体電
解質シートの表面における消失可能部材が印刷形成され
ていない余白部分の表面どうしを密着させることで(そ
の余白部分の固体電解質シートが塑性変形するなどし
て)、固体電解質シートの表面で消失可能部材を包囲す
る状態にした後、消失可能部材を消失させて、通気路を
設けるようにしてもよい。
【0025】このようにすることにより、通気路を必要
十分な形状再現性で形成しながらも、上記のような側壁
兼スペーサ部材を印刷形成する工程が省かれるので、全
体的な製造プロセスがさらに簡易化される。
【0026】また、上記の固体電解質シートの表面上に
おける通気路の平面的パターン形状をL字型またはT字
型に形成することで、通気路の入口側の開口と出口側の
開口との位置関係が、直線的な形状の通気路の場合とは
違って、当該固体電解質シートの異なった端辺に位置す
るようになる。
【0027】また、上記の固体電解質シートの表面上に
おける通気路の平面的パターン形状を、固体電解質シー
トの一端側から他端側へと向かって延伸し、その他端側
で方向転換して前記の一端側へと戻って来るような折り
返しを有するものとし、かつ通気路の入口側の開口部と
出口側の開口部との両方を、共に前記の一端側に配置す
るようにしてもよい。
【0028】このようにすることにより、通気路の入口
側の開口部に導入ポートやそれに連なる配管を接続し、
出口側の開口部には排気ポートやそれに連なる配管を接
続しても、それらは共に固体電解質シートの一端側に設
けられているので、その一端側はポートや配管等で機械
的(力学的)に束縛されて固定端(束縛端)となるが、
他端側にはポートや配管等のような束縛要因となるもの
を設けなくともよいので、その他端側は機械的に自由端
となる。従って、例えばこの固体電解質燃料電池が使用
環境からの加熱やそれ自体の動作に伴う発熱あるいは冷
却などに起因して熱膨張したり冷却収縮したとしても、
それに起因した固体電解質燃料電池全体の外形寸法的な
変位(上記の一端から他端にかけての寸法の伸びまたは
縮み等)は、自由端である他端側が解放して逃がしてく
れるので、そのような熱膨張に伴ったいわゆる熱応力を
この固体電解質燃料電池が受けることが防止される。
【0029】また、上記の固体電解質シートまたは積層
成形体を所定の曲面状に加工するようにしてもよい。こ
の工程は、複数の固体電解質シートを積層して積層成形
体を作製した後に行うようにしてもよく、あるいは固体
電解質シートの表面に消失可能部材や側壁兼スペーサ部
材を印刷形成した後であって複数の固体電解質シートを
積層する前に固体電解質シートを加工して行うようにし
てもよい。あるいは、消失可能部材や側壁兼スペーサ部
材を印刷形成する前に固体電解質シートを曲面状に加工
してもよいが、そのようにすると、消失可能部材や側壁
兼スペーサ部材を曲面印刷法によって曲面上に印刷しな
ければならなくなって、印刷技術的な困難さや煩雑さが
増大する傾向にある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0031】図1は本発明の一実施の形態に係る固体電
解質燃料電池の主要部の構成を表したものであり、図2
はその製造途中の積層成形体を表したものである。な
お、図1では、電池内部の通気路の形状を示すために、
最上層の天板の部分については、電池本体から切り離し
て、実際にはそれに覆われている通気路の形状が見える
ように描いてある。また図2では、この固体電解質燃料
電池における燃料極側固体電解質シートと空気極側固体
電解質シートとの積層構成を理解しやすくするために、
積層成形体の正面を部分的に切断してその積層構造を正
面側から見た状態を示してある。
【0032】燃料極側固体電解質シート13または空気
極側固体電解質シート12は、第1の燃料極31および
第2の燃料極33どうし、または第1の空気極32およ
び第2の空気極34どうしが、例えば数μm(ミクロ
ン)〜数mm(ミリ)といった所定の間隙を保った状態
で、酸化物イオンを伝導する性質を有する固体電解質シ
ート1における表裏両面のうちの片面上にて対向配置さ
れており、それら燃料極側固体電解質シート13と空気
極側固体電解質シート12とを積層して積層成形体を作
製し、それを焼成して、この固体電解質燃料電池の主要
部が構成されている。
【0033】この固体電解質燃料電池では、重ね合わさ
れた空気極側固体電解質シート12に印刷形成されてい
た第2の空気極34と、燃料極側固体電解質シート13
に印刷形成されていた第1の燃料極31と、それらに挟
まれた固体電解質シートと、第2の空気極34に接して
いる酸素含有ガス(酸化剤)の通気路8(図1では図示
省略)と、第1の燃料極31に接している燃料(還元
剤)の通気路7とによって、起電力を発生させる実質的
な燃料電池としての一つの単位セルが構成される。ま
た、燃料極側固体電解質シート13に印刷形成されてい
た第2の燃料極33の上に空気極側固体電解質シート1
2を重ね合わせることで、空気極側固体電解質シート1
2に印刷形成されていた第1の空気極32と、燃料極側
固体電解質シート13に印刷形成されていた第2の燃料
極33と、それらに挟まれた固体電解質シートと、第1
の空気極32に接している酸素含有ガスの通気路8と、
第2の燃料極33に接している燃料の通気路7とによっ
て、起電力を発生させる実質的な燃料電池としての各単
位セルが構成されている。
【0034】対向する2枚の燃料極31,33どうし、
および2枚の空気極32,34どうしの間隙は、それら
の極板の余白部分に設けられた側壁兼スペーサ部材2に
よって支持されている。また、間隙層の側壁兼スペーサ
部材2bは、通気路7,8に面している側面が、その通
気路7,8の側壁となっている。
【0035】固体電解質1は、極めて薄い酸素分離膜で
ありながら、形状再現性が極めて良好で、かつ後述する
ような印刷法を用いたパターニング工程および通気路の
形成工程ならびに積層焼成工程によって、極めて簡易に
低コストで形成することが可能なものとなっている。こ
の固体電解質1は、酸化物イオンを伝導する性質を有す
るセラミック材料からなるもので、例えばY安定化ジル
コニアを用いた材料をシート状に形成したものなどが好
適である。この固体電解質1の膜厚は、燃料電池の固体
電解質膜として要求されるイオン移動能率や機械的強度
に対応して設定されるが、例えば焼き上げ寸法で数μm
から数100μm、あるいは、それよりもさらに薄く、
または厚くすることなども可能である。
【0036】その対向配置された2枚の燃料極どうしの
間、または2枚の空気極どうしの間には、固体電解質1
と同じ材質で焼成後には一体化する材質からなる側壁兼
スペーサ部材2bの側壁と、対向する2枚の燃料極また
は対向する2枚の空気極の表面とによって、入口側の開
口3,4および出口側の開口5,6を除いて囲まれるよ
うにして、一つの連続した細隙状の通気路7,8が設け
られている。
【0037】通気路7,8は、それぞれが独立した流路
を形成している。この通気路7,8の平面的パターン形
状は、例えばT字型に形成されており、立体的な形状
は、後述するような製造方法によって、極めて偏平で細
隙状のものとなっている。その細隙の寸法としては、後
述するような製造方法における消失可能部材の印刷形成
可能な膜厚にもよるが、例えば数10μm〜数mmとす
ることが可能である。あるいは、消失可能部材の印刷方
法を適宜に選択・変更することで、さらに薄く、または
厚くすることなども可能である。
【0038】その一つ一つの通気路7,8は、例えば図
1では、最下層の通気路7にはメタンのような燃料が流
され、その上の層の通気路8には例えば空気のような酸
素含有ガスが流され、さらにその上の層の通気路7には
燃料が流され、さらにその上の層の通気路8には空気が
流されるというように、図1に示した固体電解質燃料電
池の下から上へと、燃料の通気路7と空気の通気路8と
が交互に順番に積層配置されている。
【0039】この固体電解質燃料電池における薄膜状の
固体電解質1は、その固体電解質1以外の多孔質支持板
や補強用金属支持板などの異質な部材等で機械的に支持
されたり被覆されたりなどしていない。これにより、通
気路7,8を流れる燃料や空気を、より効率的に燃料極
や空気極の表面に接触させることができる。また、従来
の燃料電池で用いられていたような薄膜状で脆い固体電
解質1を機械的に補強するための厚い支持板を設けなく
ともよくなるので、電池全体としての小型化(あるいは
薄型化)を達成することが可能となる。
【0040】ここで、図1に示した構成では、燃料の通
気路7の開口3,5は、入口側の開口3が背面に設けら
れており、出口側の開口5が左右両側面の正面寄りに設
けられている。また、空気の通気路8の開口4,6は、
燃料の通気路7と段違いで(一層おきに交互に)、入口
側の開口4が正面に設けられており、出口側の開口6が
左右両側面の背面寄りに設けられている。
【0041】従って、燃料は背面の開口3から通気路7
へと流入し、その通気路7を通って、側面の正面寄りの
開口5から外部へと流出する。また、空気は正面の開口
4から通気路8へと流入し、その通気路8を通って酸素
が分離されて、側面の背面寄りの開口6から外部へと流
出する。
【0042】このように設定されていることにより、燃
料の流路の入口側の開口3および出口側の開口5の位置
と空気の流路の入口および出口の位置とを分けることが
でき、延いては燃料の流路に対する配管(図示省略)と
空気の流路に対する配管(図示省略)とが、互いに位置
的に干渉したり繁雑な配管形状となることを防いで、そ
れらの配管構成の簡易化を実現することができる。しか
も、上記のような開口3,4,5,6および通気路7,
8は、後述するような製造方法によって、自在な形状お
よび位置に、極めて簡易な製造プロセスで設けることが
可能である。
【0043】また、燃料極や空気極についても、それら
を外部と接続するためのインターコネクタ21,22に
接続するために、それら燃料極や空気極の一端を電池の
表面に露出させる部分についても、上記の開口3,4,
5,6と同様に、燃料極の一端と空気極の一端との位置
を分けることができ、延いては燃料極に対するインター
コネクタの配線と空気極に対するインターコネクタの配
線とが、互いに位置的に干渉したり繁雑な配線形状とな
ることを防いで、それらの構成の簡易化を実現すること
ができる。しかも、上記のような開口3,4,5,6お
よび通気路7,8は、後述するような製造方法によっ
て、自在な形状および位置に、極めて簡易な製造プロセ
スで設けることが可能である。
【0044】この固体電解質燃料電池では、上記のよう
に通気路7,8が細隙状に形成されており、その通気路
7,8を流れる燃料または空気が燃料極または空気極を
介して固体電解質1の表面に接触する面積が極めて広く
なっており、しかもその接触は、固体電解質1の表面に
設けられる燃料極や空気極を除いては、固体電解質1の
表面に対して直接的に成されるので、固体電解質1にお
ける酸化物イオンの移動能率(換言すれば電池としての
発電に関する機能)をさらに高いものとすることがで
き、延いては発電効率や起動性を飛躍的に向上すること
ができる。
【0045】また、固体電解質1の膜厚を極めて薄くす
ることができるので、その固体電解質1における酸化物
イオンの移動能率を高いものとすることができる。その
結果、発電能力および起動性を極めて高いものとするこ
とができる。
【0046】ここで、通気路7,8の平面的パターン形
状としては、上記のようなT字型の他にも、例えばL字
型(図示省略)にすることなども可能である。
【0047】あるいは、図3、図4,図5に模式的に示
したように、固体電解質1の一端側から他端側へと向か
って延伸し、その他端側で方向転換して前述の一端側へ
と戻って来る、というような折り返しを有して、通気路
7,8の入口側と出口側の両方の開口3,4,5,6が
全て前述の一端側に配置されているような平面的パター
ン形状とすることなども望ましい。
【0048】例えば図3に示した一例では、通気路7,
8が一端側(正面側;図の手前側)から他端側(背面
側;図の奥側)へと向かって延伸し、その他端側(背面
側)で方向転換して前述の一端側(正面側)へと戻って
来るという折り返しのパターンとなっており、その通気
路7,8の入口側の開口3,4と出口側の開口5,6と
の両方が共に一端側(正面側)に設けられている。これ
は言うなればU字型の形状となっている。
【0049】また、図4に示した一例では、通気路7,
8は図3とほぼ同様のU字型であるが、その通気路7,
8の出口側および入口側の開口3,4,5,6に近い部
分でL字型に進路を曲げられており、その入口側と出口
側との開口3,4,5,6がそれぞれ、正面側ではなく
左右両面側に位置する形状となっている。但しその左右
両面側に設けられた開口3,4,5,6は、どちらも正
面寄り(図4で手前寄り)の一端側に位置している。こ
のようにすることにより、燃料の出入口と空気の出入口
との位置を互いにずらして、入口側に設けられる導入管
と出口側に設けられる排出管とが交差したり繁雑な配管
となったりすることを防いで、簡潔な配管とすることが
可能となる。
【0050】また、図3や図4に示した通気路7,8の
場合は、その平面的パターンが折り返しを一つだけ有す
るものとなっているが、図5に示した一例では、折り返
しを2つ有するものとなっている。これは言うなればW
字型のもので、同じ面積あたりに形成可能な通気路7,
8の入口から出口までの総距離を、上記のT字型などの
場合よりもさらに長くすることができる。
【0051】このように、通気路7,8が折り返しを有
する形状に形成され、その通気路7,8の入口側と出口
側との両方の開口3,4,5,6が同じ一端側(例えば
正面寄りの位置)に片寄せて配置されているので、通気
路7,8の入口側の開口3,4には導入ポートやそれに
連なる配管(いずれも図示省略)を接続し出口側の開口
5,6には排気ポートやそれに連なる配管を接続する
と、その一端側については機械的(力学的)に束縛され
て束縛状態になるとしても、その他端側(背面寄りの位
置)は自由端となる。
【0052】従って、例えばこの固体電解質燃料電池が
使用環境からの加熱やそれ自体の発熱あるいは冷却など
に起因して熱膨張したり冷却収縮したとしても、それに
起因した固体電解質燃料電池の外形寸法的な熱伸縮等の
変位は、自由端である他端側が解放して逃がしてくれる
ので、そのような熱膨張に伴った熱応力やその他の外力
に起因した破損等を防ぐことができる。
【0053】ここで、図6に一例を模式的に示したよう
に、通気路7,8にて対向する燃料極や空気極の表面ど
うしの細隙および隣り合った固体電解質1どうしの積層
方向の位置関係を支持するための支柱のような支持体9
を、さらに設けるようにしてもよい。この支持体9の形
状については、種々のものが可能であるが、通気路7,
8中の燃料や空気の流れに対して妨げとなることをでき
るだけ回避することが可能な形状にすることが望まし
い。ここで、図3、図4、図5に示したような折り返し
を有するパターンの通気路7,8の側壁を構成する部材
である側壁兼スペーサ部材2のうち、通気路の中央の部
分に設けられたものなどは、実質的に図6に示した支持
体9と同様に通気路7,8を介して対向する2つの電極
どうしの細隙および隣り合った固体電解質1どうしの積
層方向の位置関係を支持する支持体9の作用を兼ね備え
たものとなっている。この点も、通気路7,8を図3、
図4、図5に示したような折り返しを有する形状にする
ことの利点である。
【0054】なお、固体電解質1の形状あるいは積層成
形体の外形形状は、上記のような平坦状のみには限定さ
れない。その他にも、凹曲面状、凸曲面状、截断球面
状、円筒状のような所定の曲面状に形成することなども
可能である。さらに具体的には、平坦な固体電解質シー
トを積層して積層成形体を作製した後に、その積層成形
体を例えば湾曲させるなどして曲面状に形成することな
ども可能である。このように固体電解質1を曲面状に形
成することにより、固体電解質燃料電池の全体的な外形
形状を例えば半円柱状などにすることなども可能とな
り、延いては、例えば一層ごとの面積の広い固体電解質
を備えていながら狭隘な位置に設置することが可能な形
状の固体電解質燃料電池を実現することができる。
【0055】また、固体電解質燃料電池の最上層の天板
20の部分および最下層の底板の部分は、固体電解質か
らなるものとしてもよいが、これらの部分については、
発電作用に関しては実質的にそれほど寄与しないので、
必ずしも固体電解質のみに限定する必要はない。例えば
図1に示したような構造の固体電解質燃料電池の場合、
最上層の天板の部分および最下層の底板の部分のうち少
なくとも最上層の天板20の部分について、この部分も
焼成前に積層する場合には、焼成後に固体電解質1と一
体化する材質からなる気密性を有する蓋体状または板体
状のものであって、燃料極や空気極のような電極を省略
したものとすることなども可能である。あるいは、焼成
したときに固体電解質1と一体化しない材質や焼成温度
に耐えられない材質のものを固体電解質1と一体焼成さ
れる天板20や底板として用いる場合には、固体電解質
1の焼成後に、この天板20や底板のみは、いわゆる後
付けで最上層や最下層に貼り付けるようにすることなど
も可能である。
【0056】次に、本発明の一実施の形態に係る固体電
解質燃料電池の製造方法について説明する。
【0057】まず、焼成されると酸化物イオンを伝導す
る性質および気密性が生じる、例えばジルコニアをアク
リル系バインダーと共に練り上げた材料を例えば焼き上
げ寸法が2〜500[μm]となるような厚さのシート
状に加工して、未焼成の固体電解質シート1を作製す
る。
【0058】その未焼成の固体電解質シート1の表面
に、図7(A),(B)に一例を示したように、第1の
燃料極31を所定の形状に印刷形成する。この第1の燃
料極31の印刷形成に適用可能な印刷方式としては、所
定の流動性を有する材料を良好な再現性を保ってパター
ン転写することが可能なものであれば、どのようなもの
でもよい。例えば、スクリーン印刷法、オフセット転写
印刷法、インクジェット法などのような種々の印刷方式
が適用可能である。それらのなかでも、特にスクリーン
印刷法は、例えばメッシュスクリーンとスキージと原版
とを用いた極めて簡易で低コストな印刷方式でありなが
ら、印刷可能な第1の燃料極31の形状や材質や膜厚の
自由度が極めて高く、かつそのパターン再現性(印刷精
度)および印刷能率も十分に良好であることから、本実
施の形態に係る製造方法に好適なものである。
【0059】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る第1の燃料極31が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2aを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2aは、第1の燃料極31と同じ膜厚にして、印刷形
成された側壁兼スペーサ部材2aの表面の高さと第1の
燃料極31の高さとを固体電解質シート1上で一律に揃
うようにすることが望ましい。
【0060】続いて、図8(A),(B)に一例を示し
たように、例えばポリエチレンやカーボンブラックのよ
うな熱処理または化学的処理による完全燃焼や熱分解あ
るいは揮散(昇華)などによって消失させることが可能
な材質からなる消失可能部材10を、例えばT字型のよ
うな通気路7,8の形状に印刷形成する。支持体9を設
ける場合には、その支持体9を形成する位置には消失可
能部材10は印刷形成せずに、その部分は支持体9の平
面的パターンに則した形状の、いわゆる「抜きパター
ン」にする。
【0061】この消失可能部材10は、製造工程中で遅
くとも固体電解質1の焼成完了までには消失して通気路
7,8を形成するためのものであるから、その膜厚は、
細隙状の通気路7,8の高さ(細隙の寸法)に対応して
設定されることになる。膜厚の具体的な寸法としては、
印刷方式ごとで実現可能な範囲は異なるが、例えばスク
リーン印刷法の場合の一例を述べると、1〜1000
[μm]の範囲のなかから自由に選択することができ
る。但し、これはスクリーン印刷法の場合の一例であっ
て、他の印刷方式によれば、さらに薄い膜厚や、さらに
厚い膜厚のものなども可能であることは言うまでもな
い。
【0062】この消失可能部材10の印刷形成について
も、所定の流動性を有する材料を良好な再現性を保って
パターン転写することが可能なものであれば、どのよう
なものでもよい。例えば、スクリーン印刷法、オフセッ
ト転写印刷法、インクジェット法などのような種々の印
刷方式が適用可能である。それらのなかでも、特にスク
リーン印刷法は、例えばメッシュスクリーンとスキージ
と原版とを用いた極めて簡易で低コストな印刷方式であ
りながら、印刷可能な消失可能部材10の形状や材質や
膜厚の自由度が極めて高く、かつそのパターン再現性
(印刷精度)および印刷能率も十分に良好であることか
ら、本実施の形態に係る製造方法に好適なものである。
【0063】この工程では、いずれの印刷方式を採用す
るにしても、消失可能部材10を印刷によって固体電解
質シート1の表面に形成するようにしているので、その
印刷方式で可能なパターン再現性の範囲内で、上記のよ
うなT字型、U字型、W字型、L型をはじめとして、ほ
とんどどのような形状のパターンであっても、またその
膜厚も、極めて高い自由度で選ぶことができ、かつ消失
可能部材10のパターン形成を極めて良好なスループッ
トで低コストに行うことができる。
【0064】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る消失可能部材10が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2bを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2bは消失可能部材10と同じ膜厚にして、印刷形成
された側壁兼スペーサ部材2bの表面の高さと消失可能
部材10の高さとを固体電解質シート1上で一律に揃う
ようにすることが望ましい。
【0065】続いて、図9(A),(B)に示したよう
に、第2の燃料極33を所定の形状に印刷形成する。こ
の第2の燃料極33の形成に適用可能な印刷方式につい
ても、上記の第1の燃料極31の場合と同様である。
【0066】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る第2の燃料極33が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2cを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2cは第2の燃料極33と同じ膜厚にして、その印刷
形成された側壁兼スペーサ部材2cの表面の高さと第2
の燃料極33の高さとを固体電解質シート1上で一律に
揃うようにすることが望ましい。このようにして、燃料
極側固体電解質シート13を作製する。
【0067】上記の燃料極側固体電解質シート13と同
様の手順で、空気極側固体電解質シート12を作製す
る。まず、焼成されると酸化物イオンを伝導する性質お
よび気密性が生じる、例えばジルコニアをアクリル系バ
インダーと共に練り上げた材料を、焼き上げ寸法が2〜
500[μm]となるような厚さのシート状に加工し
て、未焼成の固体電解質シート1を作製する。
【0068】その未焼成の固体電解質シート1の表面
に、図10(A),(B)に一例を示したように、第1
の空気極32を所定の形状に印刷形成する。この第1の
空気極32の形成に適用可能な印刷方式についても、上
記のような種々の印刷方式が適用可能である。
【0069】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る第1の空気極32が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2aを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2aは、第1の空気極32と同じ膜厚にして、その印
刷形成された側壁兼スペーサ部材2aの表面の高さと第
1の空気極32の高さとを固体電解質シート1上で一律
に揃うようにすることが望ましい。
【0070】続いて、図11(A),(B)に一例を示
したように、例えばポリエチレンやカーボンブラックの
ような熱処理または化学的処理による完全燃焼や熱分解
あるいは揮散などによって消失させることが可能な材質
からなる消失可能部材10を、例えばT字型のような通
気路7,8の形状に印刷形成する。支持体9を設ける場
合には、その支持体9を形成する位置には消失可能部材
10は印刷形成せずに、その部分は支持体9の平面的パ
ターンに則した形状の、いわゆる「抜きパターン」にす
る。
【0071】この消失可能部材10は、製造工程中で遅
くとも固体電解質1の焼成完了までには消失して通気路
7,8を形成するためのものであるから、その膜厚は、
細隙状の通気路7,8の高さ(細隙の寸法)に対応して
設定されることになる。膜厚の具体的な寸法としては、
印刷方式ごとで実現可能な範囲は異なるが、例えばスク
リーン印刷法の場合の一例を述べると、1〜1000
[μm]の範囲のなかから自由に選択することができ
る。但し、これはスクリーン印刷法の場合の一例であっ
て、他の印刷方式によれば、さらに薄い膜厚や、さらに
厚い膜厚のものなども可能であることは言うまでもな
い。
【0072】この消失可能部材10の印刷形成について
も、所定の流動性を有する材料を良好な再現性を保って
パターン転写することが可能なものであれば、どのよう
なものでもよい。
【0073】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る消失可能部材10が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2bを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2bは消失可能部材10と同じ膜厚にして、印刷形成
された側壁兼スペーサ部材2bの表面の高さと消失可能
部材10の高さとを固体電解質シート1上で一律に揃う
ようにすることが望ましい。
【0074】続いて、図12(A),(B)に示したよ
うに、第2の空気極34を所定の形状に印刷形成する。
この第2の空気極34の形成に適用可能な印刷方式につ
いても、上記の第1の空気極32の場合と同様である。
【0075】続いて、固体電解質シート1の表面におけ
る第2の空気極34が印刷形成されていない余白の部分
に、固体電解質シート1と同じ材質で焼成後には固体電
解質シート1と一体化して焼結される未焼成の側壁兼ス
ペーサ部材2cを印刷形成する。この側壁兼スペーサ部
材2cは第2の空気極34と同じ膜厚にして、印刷形成
された側壁兼スペーサ部材2cの表面の高さと第2の空
気極34の高さとを固体電解質シート1上で一律に揃う
ようにすることが望ましい。このようにして、空気極側
固体電解質シート12を作製する。
【0076】上記のようにして作製された燃料極側固体
電解質シート13と空気極側固体電解質シート12とを
所定の枚数積層する。このとき積層する枚数は、固体電
解質燃料電池として要求される起電力のような性能を必
要十分に具現化できるように適宜設定する。その最上層
には、消失可能部材10等が印刷されていない固体電解
質シート1または焼成後に固体電解質シート1と一体化
する材質からなる天板20を載置する。
【0077】続いて、図2に示したように積層された燃
料極側固体電解質シート13および空気極側固体電解質
シート12を積層したものに対して外部からその積層方
向に押圧して、その積層された各燃料極側固体電解質シ
ート13と空気極側固体電解質シート12との接合面を
よく密着させて、積層成形体を作製する。さらに詳細に
は、互いに接触し合う側壁兼スペーサ部材2a,2b,
2cの他がいに接し合う表面どうしや、燃料極側固体電
解質シート13と空気極側固体電解質シート12とが重
なり合うことで接触する燃料極の表面と固体電解質シー
トの表面との接合面や空気極の表面と固体電解質シート
の表面との接合面どうしを密着させる。なお、この工程
では、押圧力を加えると共に加熱して、いわゆる熱加圧
を行うことが望ましい。
【0078】そしてその積層成形体に対して、焼成前に
例えば300〜900[℃]程度の温度で脱バインダー
工程を施す。この脱バインダー工程での加熱によって、
消失可能部材10を消失させる。その消失可能部材10
が消失したことによって生じた空間が細隙状の通気路
7,8となる。すなわち、固体電解質シート1は一般に
バインダーを含有する材料からなり、焼成前300〜9
00[℃]程度の温度で数時間〜数10時間に亘る脱バ
インダー工程が行われるので、その脱バインダーのため
の熱処理工程を、消失可能部材10を消失させる工程と
しても兼用するようにしてもよい。あるいは、それだけ
では消失可能部材10を完全に消失させることが不十分
である場合には、それに引き続いて、例えば300
[℃]〜1000[℃]程度の温度で熱処理を継続し
て、より確実に消失可能部材10を完全に消失させるこ
となども可能である。
【0079】このようにすることにより、脱バインダー
のような熱処理工程とは別段に消失可能部材10を消失
させる工程を行わなくとも、その熱処理工程における加
熱によって消失可能部材10を消失させて細隙状の通気
路7,8を形成することができ、延いては全体的な製造
プロセスの簡潔化を図ることができる。あるいは、焼成
工程では1000[℃]〜1600[℃]の高温で焼き
上げることになるので、遅くとも焼成工程では消失可能
部材10を完全に消失させることができる。
【0080】また、固体電解質シート1を複数枚積層し
て積層成形体を作製するまでは、通気路7,8となる予
定の空間には印刷形成された消失可能部材10が存在し
ているので、その部分の固体電解質シート1が積層時や
積層方向に押圧力を加えられた時などに撓んだり歪曲し
たりすることを防いで、極めて薄い膜厚の固体電解質1
を焼成することができる。
【0081】但し、ここで、消失可能部材10を消失さ
せる工程は、上記のような積層成形体の作製後の脱バイ
ンダー工程中にその加熱によって行うことのみには限定
されない。その他にも、例えば積層成形体を焼成する際
の加熱によって消失可能部材10を消失させるようにし
てもよく、あるいは熱分解や焼却以外にも、消失可能部
材10を化学的に溶解または分解可能な材質のものと
し、積層成形体を焼成する工程の前に、化学処理によっ
て消失可能部材10を溶解させるようにすることなども
可能である。
【0082】ここで、上記の脱バインダー工程や消失可
能部材10を消失させるための熱処理工程は、アルゴン
ガスや窒素ガスなどを用いた作業雰囲気中で行うように
してもよい。
【0083】続いて、脱バインダーを施され、消失可能
部材10を消失させて通気路7,8を形成した積層成形
体を焼成する。このときの焼成条件は、積層成形体を構
成している固体電解質シート1を中心とする主な材料に
好適な設定とすればよい。例えば、一般的な空気雰囲気
中での常圧焼成を適用することなどが可能である。但
し、空気中で焼成した場合、燃料極にニッケル(Ni)
系サーメットを使用したものの場合には、酸化ニッケル
を金属ニッケルにする還元処理が必要である。
【0084】なお、上記の側壁兼スペーサ部材2の印刷
形成を省略して、固体電解質シート1の表面に第1の空
気極32(または第1の燃料極31)と消失可能部材1
0と第2の空気極34(または第2の燃料極33)とを
印刷形成し、その消失可能部材10等が印刷形成された
固体電解質シート1を複数枚積層し、それを積層方向に
押圧して、各固体電解質シート1の表面における消失可
能部材10が印刷形成されていない余白部分で重なり合
った表面どうしを密着させることで、その余白部分の固
体電解質シート1が塑性変形するなどして、固体電解質
シート1の表面で消失可能部材10を包囲する状態にし
た後、消失可能部材10を消失させて、通気路7,8を
設けるようにしてもよい。このようにすることにより、
通気路7,8を必要十分な形状再現性で形成しながら
も、上記のような側壁兼スペーサ部材2を印刷形成する
工程を省略することができるので、全体的な製造プロセ
スのさらなる簡易化および低コスト化を達成することが
可能となる。
【0085】また、固体電解質シート1あるいは積層成
形体を所定の曲面状に加工するようにしてもよい。その
ような曲面状に加工する工程は、固体電解質シート1の
表面に消失可能部材10や側壁兼スペーサ部材2を印刷
形成した後であって複数の固体電解質シート1を積層す
る前に行うようにしてもよく、あるいは消失可能部材1
0や側壁兼スペーサ部材2が印刷形成された複数の固体
電解質シート1を積層した後に行うようにしてもよい。
但し、消失可能部材10や側壁兼スペーサ部材2を印刷
形成する前に所定の曲面状に加工する場合には、消失可
能部材10や側壁兼スペーサ部材2を曲面印刷法によっ
て印刷しなければならなくなって、印刷技術的な困難さ
や煩雑さが増大する傾向にある。この観点からすれば、
固体電解質シート1を所定の曲面状に加工する工程は、
固体電解質シート1の表面に消失可能部材10や側壁兼
スペーサ部材2を印刷形成した後に行うことが、より望
ましい。
【0086】[実施例]アクリル系バインダーを用いる
と共にSc安定化ジルコニア(7.5mol・Sc2
3 )を用いて固体電解質シート1を作製した。この固体
電解質シート1の厚みは焼き上げで2μmとなるように
調整した。
【0087】その固体電解質シート1の表面に、エチル
セルロース系バインダーおよび有機溶剤を用いたLa
0.84Sr0.16MnO3-δとカーボンブラックをペースト
化して、第1の空気極32をT字型に印刷した。その印
刷厚みは、焼き上げ後に20[μm]になるように逆算
して調整した。
【0088】第1の空気極32が印刷形成されていない
余白部分に、アクリル系バインダーでペースト化したY
部分安定化ジルコニア(3mol・Y23 )からなる
側壁兼スペーサ部材2aを、シート全体の厚みが均一と
なるように印刷した。
【0089】続いて、アクリル系バインダーを用いて作
製したカーボンブラックペーストをT字型に印刷して消
失可能部材10を形成した。その印刷厚みは、焼き上げ
後に20[μm]になるように逆算して調整した。
【0090】消失可能部材10が印刷形成されていない
余白部分に、アクリル系バインダーでペースト化したY
部分安定化ジルコニアからなる側壁兼スペーサ部材2b
を、シート全体の厚みが均一となるように印刷した。
【0091】続いて、上記の第1の空気極32と同様
に、エチルセルロース系バインダーおよび有機溶剤を用
いたLa0.84Sr0.16MnO3-δのカーボンブラックを
ペースト化して第2の空気極34をT字型に印刷した。
このようにして空気極側固体電解質シート12を作製し
た。
【0092】次に、アクリル系バインダーを用いると共
にSc安定化ジルコニア(7.5mol・Sc23
を用いて固体電解質シート1を作製した。この固体電解
質シート1の厚みは焼き上げで2μmとなるように調整
した。
【0093】その固体電解質シート1の表面に、Ni
(45体積%)、Sc安定化ジルコニア(55体積%,
7.5mol・Sc23 )とカーボンブラックのペー
ストで、焼き上げ厚み10μmに設定した第1の燃料極
31を印刷した。
【0094】その第1の燃料極31が印刷形成されてい
ない余白部分に、アクリル系バインダーでペースト化し
たY部分安定化ジルコニア(3mol・Y23 )から
なる側壁兼スペーサ部材2aを、シート全体の厚みが均
一となるように印刷した。
【0095】続いて、アクリル系バインダーを用いて作
製したカーボンブラックペーストをT字型に印刷して消
失可能部材10を形成した。その印刷厚みは、焼き上げ
後に20[μm]になるように逆算して調整した。
【0096】その消失可能部材10が印刷形成されてい
ない余白部分に、アクリル系バインダーでペースト化し
たY部分安定化ジルコニアからなる側壁兼スペーサ部材
2bを、シート全体の厚みが均一となるように印刷し
た。
【0097】続いて、上記の第1の燃料極31と同様に
して、第2の燃料極33をT字型に印刷した。このよう
にして燃料極側固体電解質シート13を作製した。
【0098】上記のようにして作製された空気極側固体
電解質シート12と燃料極側固体電解質シート13と
を、交互に順番に51層に亘って積層し、その最上部に
は天板20を配置し、それを50[℃]・98[MP
a]で加圧・熱圧着して、積層成形体を作製した。
【0099】その積層成形体に空気中で600[℃]・
12時間の脱バインダー処理工程を施すことで、脱バイ
ンダー処理を行うと共に、カーボンブラックからなる消
失可能部材10を消失させて、通気路7,8を形成し
た。
【0100】続いて、積層成形体を空気中で1400
[℃]・4時間の条件で焼成した。さらに、第1の燃料
極31および第2の燃料極33に面している通気路に1
000[℃]の水素ガスを流して、Ni酸化物を金属N
iに還元した。
【0101】そして焼結完了した積層成形体の各通気路
7,8の開口3,4,5,6に、それぞれニッケル製の
導入管及び排出管(いずれも図示省略)を、各々活性銀
ロウ付けによってて接続し、燃料極の接続用の端子部と
して当該電池の表面に露出している部分および空気極の
接続用の端子部として当該電池の表面に露出している部
分のそれぞれに、インターコネンタを各々銀ロウ付けし
て、本実施例の固体電解質燃料電池の主要部を完成し
た。このような製造工程の主要部をまとめて示すと図1
3のようになる。
【0102】この固体電解質燃料電池の外形寸法は、長
さ150[mm]、幅30[mm]、厚さ3[mm]と
なった。
【0103】一方の導入管に酸素含有ガスとして空気
を、他方の導入管に燃料として水素を導入し、実際に燃
料電池としての運転を行った。各ガスの導入時の圧力が
0.5[MPa]、温度900[℃]の条件下で、10
[min(分)]で500[W]の出力が得られた。
【0104】これは、従来の直径220[mm]・長さ
2000[mm]の円筒型の単セルの場合で出力が15
0[W]であったことと比較して、3倍以上の出力を数
1000分の1という極めて小さな体積のセルで発電す
るということである。
【0105】また、第2の試作品として、カーボンブラ
ックを粒径1[μm]のポリエチレンパウダーとし、T
字型の通気路7,8を図5に示したような2つの折り返
しパターンの通気路7,8に変更し、それ以外は上記と
同様の構成および製造方法で固体電解質燃料電池を作製
し、それを用いて上記と同様の実験を行った。
【0106】その結果、本実施例の固体電解質燃料電池
が500[W]の出力に達するまでの時間は16秒とな
った。これは従来のSOFCの場合には、500[W]
の出力状態にまで達するのに要する時間が40分程度で
あったことと比較すると、1/100以下であり、2桁
違いという、起動時間の飛躍的な時間短縮を達成できる
ことが確認された。
【0107】また、第3の試作品として、1400
[℃]で総圧0.1[MPa]焼成雰囲気で酸素分圧が
3×10-6〜3×10-7の範囲に制御した以外は第2の
試作品とと同様の方法で固体電解質燃料電池を作製し
た。この方法では燃料極の還元処理が不要となる。同様
の評価で出力500[W]が得られた。
【0108】また、第4の試作品として、固体電解質に
La0.8 Sr0.2 Ga0.8 Mg0.23 を使用し、焼き
上げ厚みを10μmとし、空気極および燃料極の厚みを
2[μm]としたこと以外は上記の第2の試作品と同様
に設定した固体電解質燃料電池を作製した。外形寸法は
長さ150[mm]、幅30[mm]、厚み3[mm]
となった。この第4の試作品の起動時間は800[℃]
・500[W]に達するのに20[秒]を要した。従っ
て、本実施例の第4の試作品についても、従来のSOF
Cと比較して飛躍的に迅速な起動性を備えていることが
確認された。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし8
のいずれかに記載の固体電解質燃料電池の製造方法また
は請求項9ないし15のいずれかに記載の固体電解質燃
料電池によれば、空気極側固体電解質シートと燃料極側
固体電解質シートとを交互に重ね合わせて積層して積層
成形体を作製し、それを焼成するようにしたので、空気
極側固体電解質シートに形成されている空気極と燃料極
側固体電解質シートに形成されている燃料極とそれに挟
まれた固体電解質とで一つの単位セルの主要部が構成さ
れ、そのような構成によって、膜厚の薄い固体電解質セ
ラミック膜を有して、電池全体の小型化、高出力化、起
動性の迅速化を実現することができ、かつ製造工程の簡
易化・低コスト化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る固体電解質燃料電
池の主要部の構成を表した図である。
【図2】図1に示した固体電解質燃料電池の製造途中に
おける積層成形体を表したものである。
【図3】通気路の形状の一例を表した図である。
【図4】通気路の形状の図3とは異なった一例を表した
図である。
【図5】通気路の形状の図4とは異なった一例を表した
図である。
【図6】支持体を設ける場合の一例を表した図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る混合伝導体積層素
子の製造方法における第1の燃料極を形成する工程を表
した図である。
【図8】図7に示した工程に続いて消失可能部材を形成
する工程を表した図である。
【図9】図8に示した工程に続いて第2の燃料極を形成
する工程を表した図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る混合伝導体積層
素子の製造方法における第1の空気極を形成する工程を
表した図である。
【図11】図10に示した工程に続いて消失可能部材を
形成する工程を表した図である。
【図12】図11に示した工程に続いて第2の燃料極を
形成する工程を表した図である。
【図13】本発明の一実施例に係る固体電解質燃料電池
の製造工程の主要な流れを表した図である。
【符号の説明】
1…固体電解質、2…側壁兼スペーサ部材、3,4,
5,6…開口、7,8…通気路、9…支持体、10…消
失可能部材、12…空気極側固体電解質シート、13…
燃料極側固体電解質、21,22…インターコネクタ、
31…第1の燃料極、32…第1の空気極、33…第2
の燃料極、34…第2の空気極

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成されると酸化物イオンを伝導する性
    質を有する材料からなる未焼成の固体電解質シートの表
    面に、第1の空気極を印刷形成する工程と、 前記第1の空気極が印刷形成されていない余白部分に、
    前記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固
    体電解質シートと一体化して焼結される材質からなる未
    焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 前記第1の空気極が印刷形成された層の上に、熱処理ま
    たは化学的処理によって消失させることが可能な材質か
    らなる消失可能部材を所定の通気路の形状に印刷形成す
    る工程と、 前記消失可能部材が印刷形成されていない余白部分のう
    ち少なくとも前記通気路の側壁となる部分に、前記固体
    電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固体電解質
    シートと一体化して焼結される材質からなる未焼成の側
    壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 前記消失可能部材が印刷形成された層の上に、第2の空
    気極を印刷形成する工程と、 前記第2の空気極が印刷形成されていない余白部分に、
    前記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固
    体電解質シートと一体化して焼結される材質からなる未
    焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 焼成されると酸化物イオンを伝導する性質を有する材料
    からなる未焼成の固体電解質シートの表面に第1の燃料
    極を印刷形成する工程と、 前記第1の燃料極が印刷形成されていない余白部分に、
    前記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固
    体電解質シートと一体化して焼結される材質からなる未
    焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 前記第1の燃料極が印刷形成された層の上に、熱処理ま
    たは化学的処理によって消失させることが可能な材質か
    らなる消失可能部材を所定の通気路の形状に印刷形成す
    る工程と、 前記消失可能部材が印刷形成されていない余白部分のう
    ち少なくとも前記通気路の側壁となる部分に、前記固体
    電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固体電解質
    シートと焼結して一体化する材質からなる未焼成の側壁
    兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 前記消失可能部材が印刷形成された層の上に、第2の燃
    料極を印刷形成する工程と、 前記第2の燃料極が印刷形成されていない余白部分に、
    前記固体電解質シートと同じ材質または焼成後に前記固
    体電解質シートと一体化して焼結される材質からなる未
    焼成の側壁兼スペーサ部材を印刷形成する工程と、 前記第1の空気極および前記第2の空気極が印刷形成さ
    れた空気極側固体電解質シートと前記第1の燃料極およ
    び前記第2の燃料極が印刷形成された燃料極側固体電解
    質シートとを一組として複数組積層して積層成形体を作
    製する工程と、 前記積層成形体を作製した後に、前記消失可能部材を消
    失させて、その消失可能部材が消失した部分を細隙状の
    通気路にする工程と、 前記積層成形体を焼成する工程とを含むことを特徴とす
    る固体電解質燃料電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記側壁兼スペーサ部材以外の所定位置
    に、前記消失可能部材および前記第1の空気極および第
    2の空気極ならびに第1の燃料極および第2の燃料極の
    うち少なくとも前記消失可能部材を印刷形成しない余白
    部分をさらに設けて、その余白部分に前記側壁兼スペー
    サ部材と同じ材質または焼成後に前記固体電解質シート
    と一体化して焼結される材質からなる未焼成の支持体部
    材を印刷形成しておき、それを前記積層成形体の焼成の
    際に焼成させて、前記通気路にて対向する前記固体電解
    質シートどうしの間隔を支持するための支持体を、さら
    に形成することを特徴とする請求項1記載の固体電解質
    燃料電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記消失可能部材を消失させる工程が、
    前記固体電解質シートを積層し外部から押圧して前記積
    層成形体を作製した後、前記積層成形体に熱処理または
    化学的処理を施して、前記消失可能部材を消失させるも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載の固体
    電解質燃料電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記通気路の平面的パターン形状を、L
    字型またはT字型に形成して、前記通気路の入口側の開
    口と出口側の開口とを当該固体電解質シートの異なった
    端辺に設けることを特徴とする請求項1ないし3のうち
    いずれか1つの項に記載の固体電解質燃料電池の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記通気路の平面的パターン形状を、前
    記固体電解質シートの一端側から他端側へと向かって延
    伸し、前記他端側で方向転換して前記一端側へと戻って
    来るような折り返しを少なくとも一つ有するものとし、 かつ前記通気路の入口側の開口部と出口側の開口部との
    両方を、共に前記一端側に配置することを特徴とする請
    求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の固体電
    解質燃料電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記固体電解質シートを曲面状に加工す
    る工程を、さらに含んだことを特徴とする請求項1ない
    し5のうちいずれか1つの項に記載の固体電解質燃料電
    池の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記側壁兼スペーサ部材の印刷形成を省
    略して前記積層成形体を形成し、その積層方向に押圧し
    て、重なり合った各固体電解質シートの表面における前
    記消失可能部材が印刷形成されていない余白部分どうし
    を密着させることで、前記消失可能部材を前記固体電解
    質シートの表面で包囲した状態にした後、前記消失可能
    部材を消失させて、前記通気路を設けることを特徴とす
    る請求項1ないし6のうちいずれか1つの項に記載の固
    体電解質燃料電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の空気極および第2の空気極な
    らびに第1の燃料極ならびに第2の燃料極の各々の平面
    的パターンを、少なくともその各々の一端が前記固体電
    解質シートの端辺にまで到達するような形状に形成し
    て、前記端辺に到達する前記第1の空気極および第2の
    空気極ならびに第1の燃料極ならびに第2の燃料極の各
    々の端面をそれぞれ前記積層成形体の積層方向に沿った
    側面に露出させ、前記露出している個々の極のうち所定
    の極ごとにそれぞれ接続されるインターコネクタを前記
    側面に設けることを特徴とする請求項1ないし7のうち
    いずれか1つの項に記載の固体電解質燃料電池の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 酸化物イオンを伝導する性質を有する材
    料からなる膜状または薄板状の固体電解質シートの表面
    に形成された第1の空気極とその第1の空気極に対して
    酸化剤の通気路としての細隙を隔てて対向配置された第
    2の空気極とを備えた空気極側固体電解質シートと、酸
    化物イオンを伝導する性質を有する材料からなる膜状ま
    たは薄板状の固体電解質シートの表面に形成された第1
    の燃料極とその第1の燃料極に対して還元剤または燃料
    の通気路としての細隙を隔てて対向配置された第2の燃
    料極とを備えた燃料極側固体電解質シートとを、少なく
    とも一組積層してなることを特徴とする固体電解質燃料
    電池。
  10. 【請求項10】 前記通気路における対向する前記固体
    電解質シートの表面どうしの間隔を支持するための支持
    体を、さらに備えたことを特徴とする請求項9記載の固
    体電解質燃料電池。
  11. 【請求項11】 前記通気路の平面的パターン形状が、
    L字型またはT字型に形成されており、前記通気路の入
    口側の開口と出口側の開口とが当該固体電解質シートの
    異なった端辺に設けられていることを特徴とする請求項
    9または10記載の固体電解質燃料電池。
  12. 【請求項12】 前記通気路の平面的パターン形状が、
    前記固体電解質シートの一端側から他端側へと向かって
    延伸し、前記他端側で方向転換して前記一端側へと戻っ
    て来るような折り返しを有するものとなっており、かつ
    前記通気路の入口側の開口部と出口側の開口部との両方
    が、共に前記一端側に配置されていることを特徴とする
    請求項9ないし11のうちいずれか1つの項に記載の固
    体電解質燃料電池。
  13. 【請求項13】 前記固体電解質シートが曲面状に形成
    されていることを特徴とする請求項9ないし12のうち
    いずれか1つの項に記載の固体電解質燃料電池。
  14. 【請求項14】 前記酸化剤の通気路には空気または酸
    素を流し、前記還元剤または燃料の通気路には炭化水素
    系の流体を流すように設定されていることを特徴とする
    請求項9ないし13のうちいずれか1つの項に記載の固
    体電解質燃料電池。
  15. 【請求項15】 前記第1の空気極および第2の空気極
    ならびに第1の燃料極ならびに第2の燃料極の各々の平
    面的パターンが少なくともその各々の一端を前記固体電
    解質シートの端辺にまで到達するような形状に形成され
    て、前記端辺に到達する前記第1の空気極および第2の
    空気極ならびに第1の燃料極ならびに第2の燃料極の各
    々の端面がそれぞれ前記積層成形体の積層方向に沿った
    側面に露出しており、その露出している個々の電極のう
    ち同種類の電極ごとにそれそれ接続されるインターコネ
    クタが、前記側面に設けられていることを特徴とする請
    求項9ないし14のうちいずれか1つの項に記載の固体
    電解質燃料電池。
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