JP2004202479A - 水素分離透過膜とその製造方法と水素生成分離装置 - Google Patents

水素分離透過膜とその製造方法と水素生成分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくする。
【解決手段】水素生成分離装置は、水素分離透過膜1により、炭化水素ガスと水蒸気とを高温で反応させて水素ガスを生成させる反応室2と、反応室2で生成され水素分離透過膜1を透過した高純度の水素ガスが流出する分離室3とに区画したものである。水素分離透過膜1は、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるTaからなり2層積層されたTa層4と、この複数層積層されたTa層の両面に設けられたPd層5a,5bとからなる多層構造の膜であり、Pd層5a,5bは、多層構造の膜の最外層にのみ存在する。Pd層5a,5bとTa層4とは拡散接合され、この拡散接合された多層構造の膜は圧延されている。反応室2に露出する側のPd層5aの厚さは、分離室3に露出する側のPd層5bの厚さより厚くしてある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタンガスなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスから、水素ガスを分離して、高純度の水素ガスを生成するために用いる水素分離透過膜と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃焼時に有害な物質を作り出さない水素が、環境に優しい無公害のクリーンなエネルギー源として注目されており、水素分離透過膜を使って、メタンガスと水蒸気の混合ガスから、高純度の水素を効率よく得る技術が開発されている。
【0003】
Pd合金膜は、原子同士の隙間を利用して水素のみを取り出すことのできる水素分離透過膜として知られていて、高純度の水素の製造に使われているが、Pdは、価格が1gあたり2000円前後と金や白金をも凌ぐ極めて高価な金属であるため、Pd合金に代わる安価な水素分離透過膜が求められていた。
【0004】
従来のPd合金に代わる安価な水素分離透過膜としては、価格が1gあたり70〜90円であるTaを箔状にしたTa箔を2枚のPd箔の間に配置して、真空中でホットプレスすることにより拡散接合した後、所定の厚みに圧延したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
この水素分離透過膜は、水素透過性能の高いTa箔の両面に、Ta箔が空気中に露出して酸化被膜がTa箔表面に形成されることを防止し、水素分子が二つの水素原子となってTa箔中を拡散する様に水素分子を解離する活性を賦与するPdを被覆したものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−276866号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の水素分離透過膜は、1枚のTa箔を2枚のPd箔の間に配置して拡散接合した後、圧延したものであるため、製造時にTa箔にピットが生成することがしばしばあり、ピット生成によりピンホールが膜を貫通して、水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性があった。
【0008】
本発明は、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくできる水素分離透過膜とその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明の水素分離透過膜は、水素透過性能の高い金属からなり複数積層された金属層と、前記複数積層された金属層の両面に設けられたPd層またはPd合金層とからなる多層構造の膜である。
【0010】
請求項1に記載の発明は、水素分離透過膜内部の金属層を2層以上に増やしたので、仮に隣接する2つの金属層にピンホールがあったとしても、その隣接する2つの金属層の接合面において、対向する金属層のピンホール同士が連通する可能性は僅かであるので、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができるという作用を有する。
【0011】
また、水素分離透過膜内部の金属層を2層以上に増やすことにより、微細構造組織となり、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の強度が向上するという作用を有する。また、水素分離透過膜の強度が向上すれば、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜の材料費を低減できるという作用を有する。
【0012】
また、請求項2に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1に記載の発明の水素分離透過膜における前記Pd層またはPd合金層が、多層構造の膜の最外層にのみ存在するものである。
【0013】
ところで、水素分離透過膜の積層数を増加させる場合は、Pd層またはPd合金層が多層構造の膜の最外層に位置するように、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返すパターンも考えられる。
【0014】
しかしながら、Pdは金属層に一般に用いる金属より高価で水素の拡散速度が遅いため、Pd層またはPd合金層が多層構造の膜の最外層にのみ存在する多層構造にすることにより、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返す多層構造にした場合よりも、水素分離透過膜の材料費を低減でき、水素透過性能を向上させることができるという作用を有する。
【0015】
また、請求項3に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1または2に記載の発明における金属層を構成する金属が、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるものであり、体心立方構造を有する高融点の遷移金属は、水素透過性能が高く、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという作用を有する。
【0016】
また、この水素分離透過膜を、メタンガスなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスから、水素ガスを分離して、高純度の水素ガスを生成するために用いる場合は、500℃前後の高温反応炉中に水素分離透過膜が配置されるため、水素透過性能が高い金属として高融点の金属を用いることは耐熱性の点で有利であるという作用を有する。
【0017】
また、請求項4に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1または2に記載の発明における金属層を構成する金属が、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかであるものであり、Ta、Nb、Vは、水素透過性能が高い、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるため、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金は水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという作用を有する。また、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金は、Pdに比べて引っ張り強度が大きく、圧延性が良好であるため、圧延により金属層を薄くし易いという作用を有する。
【0018】
また、請求項5に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜における前記Pd層またはPd合金層と前記金属層とが拡散接合され、前記多層構造の膜が圧延されているものであり、Pd箔またはPd合金箔と水素透過性能が高い金属の金属箔とを、拡散接合した後、圧延することにより、容易に水素分離透過膜を製造することができるという作用を有する。
【0019】
また、請求項6に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の膜の厚みが1〜200μmであるものであり、水素分離透過膜の膜の厚みを1〜200μmにすることにより、強度と水素透過性能とのバランスのとれた水素分離透過膜を容易に製造することができるという作用を有する。
【0020】
また、請求項7に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜における前記Pd層またはPd合金層の厚みが0.1〜10μmであるものである。
【0021】
ところで、Pdは、高価で水素の拡散速度が金属層に一般に用いる金属より遅いので、Pd層またはPd合金層はできるだけ薄い方がよいが、水素解離活性を有しない非Pd系金属膜に水素解離活性を賦与するためにPd層またはPd合金層が必要であり、特に金属層にTaのような酸化され易い金属を用いた場合は、Pd層またはPd合金層が薄すぎると金属層表面における空気に触れた部分に酸化皮膜が形成されて水素透過性能が劣化する。
【0022】
そこで、特に金属層にTaのような酸化され易い金属を用いる場合には、Pd層またはPd合金層の厚みを0.1〜10μmにすると、水素透過性能と水素分離透過膜の材料コスト削減をバランス良く両立できるという作用を有する。
【0023】
また、請求項8に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜における前記複数積層された金属層の合計の厚みが、前記Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下であるものであり、複数積層された金属層の合計の厚みは、Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下にすることができる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜における前記複数積層された金属層の合計の厚みが、前記Pd層またはPd合金層の厚みの2倍以上且つ200倍以下であるものであり、複数積層された金属層の合計の厚みは、Pd層またはPd合金層の厚みの2倍以上且つ200倍以下にすることが好ましい。
【0025】
また、請求項10に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜における前記複数積層された金属層の合計の厚みが、前記Pd層またはPd合金層の厚みの10倍以上且つ100倍以下であるものであり、複数積層された金属層の合計の厚みは、Pd層またはPd合金層の厚みの10倍以上且つ100倍以下が実用的である。
【0026】
また、請求項11に記載の発明の水素分離透過膜は、請求項1から10のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜において、前記金属層を3層以上有するものであり、金属層を3層以上にすることにより、金属層が2層のものよりも、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができると共に、水素分離透過膜の強度が向上するという作用を有する。また、水素分離透過膜の強度が向上すれば、内部の金属層が2層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜の材料費を低減できるという作用を有する。
【0027】
なお、請求項1から請求項11に記載の発明において、金属層を構成する金属が、体心立方構造を有する高融点の遷移金属である場合に限り、Pd合金層を構成するPd合金として、PdとAgとの合金は用いないものとする。
【0028】
金属層を構成する金属が体心立方構造を有する高融点の遷移金属(例えばTa)であり、Pd合金層を構成するPd合金がPdとAgとの合金である場合は、Agが膜の表面に析出して、Pdの触媒機能を低下させることと水素の透過性能を低下させることが確認されている。
【0029】
また、請求項12に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、2枚のPd箔またはPd合金箔と水素透過性能の高い金属からなる複数枚の金属箔とを、前記2枚のPd箔またはPd合金箔の間に前記複数枚の金属箔が位置するように重ね合わせ、その重ね合わせた箔を、拡散接合した後、圧延するものであり、水素分離透過膜内部の金属層が2層以上になるので、仮に隣接する2つの金属層にピンホールがあったとしても、その隣接する2つの金属層の接合面において、対向する金属層のピンホール同士が連通する可能性は僅かであるので、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができるという作用を有する。
【0030】
また、水素分離透過膜内部の金属層が2層以上になるので、水素分離透過膜が微細構造組織となり、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の強度が向上するという作用を有する。また、水素分離透過膜の強度が向上すれば、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜の材料費を低減できるという作用を有する。
【0031】
また、Pd層またはPd合金層が多層構造の膜の最外層にのみ存在する多層構造になることにより、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返す多層構造になる場合よりも、水素分離透過膜の材料費を低減でき、水素透過性能を向上させることができるという作用を有する。
【0032】
また、水素透過性能の高い金属層の外側にPd層またはPd合金層を有する多層構造の水素分離透過膜を製造する方法としては、スパッター法、あるいは蒸着法などの気相成長法があるが、本発明のPd箔またはPd合金箔と金属箔とをPd箔またはPd合金箔が外側なるように重ね合わせて、拡散接合した後、圧延する方法は、拡散接合するための装置と圧延装置があれば製造でき、水素分離透過膜のPd層またはPd合金層の厚みは、使用するPd箔またはPd合金箔の厚みと圧延で調節できるため、スパッター法、あるいは蒸着法などの気相成長法よりも、簡単な設備で安価に厚いPd層またはPd合金層を形成でき、必要な厚さのPd層またはPd合金層を有する水素分離透過膜を容易に製造することができるという作用を有する。
【0033】
また、請求項13に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、前記金属箔を3枚以上重ね合わせるものであり、水素分離透過膜内部に金属層が3層以上形成されるため、金属層が2層のものよりも、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができると共に、水素分離透過膜の強度が向上するという作用を有する。また、水素分離透過膜の強度が向上すれば、内部の金属層が2層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜の材料費を低減できるという作用を有する。
【0034】
また、請求項14に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12または13に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法における拡散接合が、前記重ね合わせた箔を真空中でホットプレスすることにより行われるものであり、重ね合わせた箔を真空中でホットプレスすることにより、簡単に金属箔(層)表面の酸化皮膜の形成を抑えながら重ね合わせた箔を拡散接合することができるという作用を有する。
【0035】
また、請求項15に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から14のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、圧延により1〜200μmの厚さの膜にするものであり、圧延により水素分離透過膜の膜厚を容易に1〜200μmの厚さにすることができるという作用を有する。また、水素分離透過膜の膜の厚みを1〜200μmにすることにより、強度と水素透過性能とのバランスのとれた水素分離透過膜を容易に製造することができるという作用を有する。
【0036】
また、請求項16に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から15のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、Pd層またはPd合金層が0.1〜10μmの厚さになるように圧延するものである。
【0037】
ところで、Pdは、高価で水素の拡散速度が金属層に一般に用いる金属より遅いので、Pd層またはPd合金層はできるだけ薄い方がよいが、水素解離活性を有しない非Pd系金属膜に水素解離活性を賦与するためにPd層またはPd合金層が必要であり、特に金属層にTaのような酸化され易い金属を用いた場合は、Pd層またはPd合金層が薄すぎると金属層表面における空気に触れた部分に酸化皮膜が形成されて水素透過性能が劣化する。
【0038】
そこで、特に金属層にTaのような酸化され易い金属を用いる場合には、Pd層またはPd合金層の厚みを0.1〜10μmにすると、水素透過性能と水素分離透過膜の材料コスト削減をバランス良く両立できるという作用を有する。
【0039】
また、請求項17に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から16のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、前記金属箔の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜の厚みを調節するものであり、金属箔の重ね合わせる枚数を増減することにより、無駄のない必要充分なPd層の厚さを確保しながら水素分離透過膜の厚みを容易に変えることができるという作用を有する。
【0040】
また、請求項18に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から16のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、前記金属箔の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜における複数積層された前記金属層全体の厚みと前記Pd層またはPd合金層の厚みとの比率を調節するものであり、金属箔の重ね合わせる枚数を増減し、必要に応じて圧延を調節することにより、厚みの異なる多種類の金属箔を用意することなく、水素分離透過膜における複数積層された金属層全体の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率を容易に変えることができるという作用を有する。
【0041】
また、請求項19に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から18のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法における金属箔を構成する金属が、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるものであり、体心立方構造を有する高融点の遷移金属は、水素透過性能が高く、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという作用を有する。
【0042】
また、この水素分離透過膜を、メタンガスなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスから、水素ガスを分離して、高純度の水素ガスを生成するために用いる場合は、500℃前後の高温反応炉中に水素分離透過膜が配置されるため、水素透過性能が高い金属として高融点の金属を用いることは耐熱性の点で有利であるという作用を有する。
【0043】
また、請求項20に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から18のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法における金属箔を構成する金属が、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかであるものであり、Ta、Nb、Vは、水素透過性能が高い、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるため、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金は水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという作用を有する。また、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金は、Pdに比べて引っ張り強度が大きく、圧延性が良好であるため、圧延により金属層を薄くし易いという作用を有する。
【0044】
また、請求項21に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から20のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みを、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下にするものであり、複数積層された金属層の合計の厚みが、Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下の水素分離透過膜を製造できるという作用を有する。
【0045】
また、請求項22に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から20のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みを、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの2倍以上且つ200倍以下にするものであり、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みの比率が好ましい値である水素分離透過膜を製造できるという作用を有する。
【0046】
また、請求項23に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から20のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みを、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの10倍以上且つ100倍以下にするものであり、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みの比率が実用的な値である水素分離透過膜を製造できるという作用を有する。
【0047】
また、請求項24に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項12から23のいずれか一項に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法において、複数枚重ね合わせる前記金属箔の何れか1枚以上に酸化被膜を除去する処理をした後に積層するものであり、酸化被膜による水素透過障害を低減できるという作用を有する。
【0048】
また、請求項25に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、請求項24に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法における酸化被膜を除去する処理を弗化水素を含む物質により行うため、酸化皮膜除去に適した物質を使用することで酸化皮膜除去が容易に行えるという作用を有する。
【0049】
なお、請求項12から請求項25に記載の発明において、金属箔を構成する金属が、体心立方構造を有する高融点の遷移金属である場合に限り、Pd合金箔を構成するPd合金として、PdとAgとの合金は用いないものとする。
【0050】
金属箔を構成する金属が体心立方構造を有する高融点の遷移金属(例えばTa)であり、Pd合金箔を構成するPd合金がPdとAgとの合金である場合は、Agが膜の表面に析出して、Pdの触媒機能を低下させることと水素の透過性能を低下させることが確認されている。
【0051】
また、請求項12から請求項25に記載の発明において、Pd合金箔の代わりに、Pd箔とPdと合金化する金属の金属箔とを最外層がPd箔となるように多層化したものを用いても構わない。この場合は、金属箔を構成する金属が、体心立方構造を有する高融点の遷移金属である場合に限り、Pdと合金化する金属として、Agは用いないものとする。
【0052】
また、請求項26に記載の発明の水素生成分離装置は、請求項1から11記載のいずれか一項に記載の水素分離透過膜により、炭化水素ガスと水蒸気とを300℃以上且つ1550℃以下の高温で反応させて水素ガスを生成させる反応室と、前記反応室で生成され前記水素分離透過膜を透過した高純度の水素ガスが流出する分離室とに区画し、前記水素分離透過膜における前記反応室に露出する側のPd層もしくはPd合金層の厚さを前記分離室に露出する側のPd層もしくはPd合金層の厚さより厚くしたものであり、Pd層またはPd合金層と金属層との固溶が促進される高温側にさらされる部分のPd層またはPd合金層を厚くすることで、Pd層またはPd合金層単体の作用及び金属層単体の作用を維持できる。
【0053】
さらに、線膨張率による差が大きくなる高温側にさらされる部分のPd層またはPd合金層を厚くすることで、PdまたはPd合金の破損による水素ガス以外のガス透過を低減できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0055】
図1は本発明の一実施の形態の水素生成分離装置の概略構成図である。
【0056】
本実施の形態の水素生成分離装置は、水素分離透過膜1により、炭化水素ガスと水蒸気とを300℃以上且つ1550℃以下の高温で反応させて水素ガスを生成させる反応室2と、反応室2で生成され水素分離透過膜1を透過した高純度の水素ガスが流出する分離室3とに区画したものであり、上から順に、分離室3、水素分離透過膜1、反応室2となるように配置されている。
【0057】
水素分離透過膜1は、水素透過性能が高く体心立方構造を有する高融点の遷移金属であるTaからなり2層積層されたTa層4と、この複数層積層されたTa層の両面に設けられたPd層5a,5bとからなる多層構造の膜であり、Pd層5a,5bは、多層構造の膜の最外層にのみ存在する。Pd層5a,5bとTa層4とは拡散接合され、この拡散接合された多層構造の膜は圧延されている。
【0058】
本実施の形態では、水素透過性能が高く体心立方構造を有する高融点の遷移金属としてTaを採用しているが、Taの代わりに、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかを採用しても構わない。また、Ta層の両面に(多層構造の膜の最外層に)Pd層5a,5bを設けているが、Pd層の代わりに、Pd合金層を設けても構わない。また、Ta層4は2層積層しているが、3層以上積層しても構わない。
【0059】
水素分離透過膜1は厚さが1〜200μmのものを製造可能であるが、水素生成分離装置に使用する場合は、10〜100μmの厚み、好ましくは、50μm〜100μmの厚みの水素分離透過膜1を使用する。水素分離透過膜1が薄い場合は、多孔質のステンレス板を補強板に使用して、水素生成分離装置の反応室2と分離室3との圧力差に耐えられるようにする。Pd層5a,5bの厚みは0.1〜10μmが好ましい。
【0060】
複数積層されたTa層4の合計の厚みは、Pd層5a,5bの厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下とすることができるが、Pd層5a,5bの厚みの2倍以上且つ200倍以下が好ましく、10倍以上且つ100倍以下が実用的である。
【0061】
水素分離透過膜1における反応室2に露出する側のPd層5aの厚さは、分離室3に露出する側のPd層5bの厚さより厚くしてある。
【0062】
反応室2は、側面に水素生成分離装置の外部と連通する排出口6と、供給口7を有している。排出口6と供給口7とは対向しており、排出口6と供給口7とは、できるだけ離れるように配置され、排出口6と供給口7との間に水素分離透過膜1のPd層5aと対向する空間が位置している。分離室3は、水素分離透過膜1のPd層5bと対向する上面の略中央部に水素生成分離装置の外部と連通する水素吐出口8を有している。
【0063】
水素分離透過膜1の下面(Pd層5a側の面)の外周部と反応室2の内壁面とは、耐熱性の金属シール材9によりシールされており、水素分離透過膜1の下面(Pd層5b側の面)の外周部と分離室3の内壁面とは、耐熱性の金属シール材10によりシールされている。
【0064】
また、反応室2の外側の底面には反応室2を加熱する加熱体11を備えている。反応室2は分離室3より圧力が高くなるように、例えば、図示していないが排出口6下流に圧力調整弁等を設置して設定されている。
【0065】
以上のように構成された水素生成分離装置について、以下にその動作を説明する。
【0066】
反応室2が加熱体11の作動により800℃に加熱されると、水素分離透過膜1は反応室2側の面のPd層5aが800℃となり、分離室3側になるに従い温度は低下し、分離室3に面するPd層5bが最も低温となる。反応室2に面したPd層5aは、最も高温であると同時にTaより線膨張率の大きいため、分離室3に面したPd層5bに比べ反り及び応力が大きい状態で設置される。更に、反応室2側のPd層5aとTa層4は分離室3側に比べて高温となるため固溶の度合が大きくなる。
【0067】
この状態で水素生成分離装置の反応室2に供給口7より炭化水素のメタンと水蒸気を供給すると、メタンは水蒸気により酸化され、水蒸気は還元される反応による水素と二酸化炭素の生成に加えて、水素分離透過膜1のPd層5aとの接触による触媒作用により反応が促進され水素が生成され、生成された水素は水素分離透過膜1を通じて分離室3に流入し、その他のガスは下流に流れて同様の反応により水素ガスを生成して同様に分離室3に流入する。
【0068】
つまり、供給口7から排出口6へ流れる時に下流になっても流通ガスの水素ガス濃度が平衡状態に達しないため水素ガス化の反応は円滑に行われ、排出口6近傍では流通ガスの大部分が二酸化炭素となり排出される。通常ならば下流になるに従い流通ガスの水素割合が増加して平衡状態に達し、それ以上に反応しなくなる。
【0069】
このように、水素分離透過膜1は反応室2側の面のPd層5aが800℃となり、分離室3側になるに従い温度は低下し、分離室3に面するPd層5bが最も低温となることで、反応室2に面したPd層5aは最も高温であると同時にTaより線膨張率の大きいため、分離室3に面したPd層5bに比べ反り及び応力が大きい状態で設置される。
【0070】
更に、反応室2側のPd層5aとTa層4は分離室3側に比べて高温となるため固溶の度合が大きくなることから、反応室2側のPd層5aは分離室3側のPd層5bより厚くする、つまり、水素分離透過膜1にて一面のPd面と他面のPd面との間に温度勾配が発生しやすい場合は高温側のPd層5aを低温側のPd層5bより厚くすることで、反り及び応力の大きいPd層5aの破損を低減できると共に、Pd単体及びTa単体の性能低下を低減できるので、水素分離及び透過の性能低下を低減できる。
【0071】
更に、反応室2での水素生成反応の平衡を防止することで反応を維持して水素を円滑に生成可能である。
【0072】
次に、本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法について説明する。
【0073】
本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法では、厚さ9〜20μmの2枚のPd箔と厚さ50〜500μmの2枚のTa箔とを、2枚のPd箔の間に2枚のTa箔が位置するように重ね合わせ、約900℃において真空(約6Pa)中で3時間、アルミナ板を介して加圧する(ホットプレスする)ことにより、拡散接合させ、その後、圧延によって厚さ25μm、35μm、50μm、100μmの水素分離透過膜を作製した。
【0074】
本実施の形態では、厚さ25μm、35μm、50μm、100μmの水素分離透過膜を作製しているが、本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法では、圧延により1〜200μmの厚さの膜にすることができる。このとき、Pd層が0.1〜10μmの厚さになるように圧延することが好ましい。
【0075】
2枚重ね合わせたTa箔の合計の厚みは、Pd箔の厚みの約50倍であり、水素分離透過膜の複数積層されたTa層の合計の厚みは、Pd層の厚みの約50倍であった。
【0076】
これらの水素分離透過膜を500℃において水素透過試験を行ったところ、膜厚が薄くなるほど水素透過性能が良好であったが、各水素分離透過膜とも良好な水素透過性能が確認できた。
【0077】
本実施の形態の厚さ50μmの水素分離透過膜は、厚さ50μmのPdAg(23wt%alloy)と比較して、約2倍の水素透過性能を有していた。
【0078】
本実施の形態では、2枚のTa箔を使って2層のTa層を形成しているが、3層以上のTa層を形成する場合は、Ta箔を3枚以上重ね合わせる。
【0079】
以上のように本実施の形態では、水素分離透過膜1内部のTa層(金属層)4を2層以上に増やしたので、仮に隣接する2つのTa層4にピンホールがあったとしても、その隣接する2つのTa層の接合面において、対向するTa層のピンホール同士が連通する可能性は僅かであるので、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜1を通過する可能性を少なくすることができる。
【0080】
また、水素分離透過膜1内部のTa層4を2層以上に増やすことにより、微細構造組織となり、内部のTa層4が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜1の強度が向上する。また、水素分離透過膜1の強度が向上すれば、内部のTa層4が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜1の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜1の材料費を低減できる。
【0081】
水素分離透過膜1の積層数を増加させる場合は、Pd層またはPd合金層が多層構造の膜の最外層に位置するように、Pd層またはPd合金層とTaなどの水素透過性能の高い金属層とが交互に繰り返すパターンも考えられるが、Pdは水素透過性能の高い金属層に一般に用いる金属(例えば、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金)より高価で水素の拡散速度が遅いため、Pd層またはPd合金層が多層構造の膜の最外層にのみ存在する多層構造にすることにより、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返す多層構造にした場合よりも、水素分離透過膜1の材料費を低減でき、水素透過性能を向上させることができる。
【0082】
本実施の形態では、水素透過性能の高い金属層を構成する金属に、体心立方構造を有する高融点の遷移金属を用いているが、体心立方構造を有する高融点の遷移金属は、水素透過性能が高く、水素分離透過膜1の中心部分の材料として適している。また、水素分離透過膜を、メタンガスなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスから、水素ガスを分離して、高純度の水素ガスを生成するために用いる場合は、500℃前後の高温反応炉中に水素分離透過膜が配置されるため、水素透過性能が高い金属として高融点の金属を用いることは耐熱性の点で有利である。
【0083】
水素透過性能の高い金属層を構成する金属としては、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかの金属が好ましい。Ta、Nb、Vは、水素透過性能が高い、体心立方構造を有する高融点の遷移金属であり、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金は、Pdに比べて引っ張り強度が大きく、圧延性が良好であるため、圧延により金属層を薄くし易い。
【0084】
本実施の形態の水素分離透過膜1は、膜の厚みを1〜200μmにすることにより、強度と水素透過性能とのバランスのとれた水素分離透過膜を容易に製造することができる。
【0085】
Pdは、高価で水素の拡散速度が金属層に一般に用いる金属より遅いので、Pd層5a,5bはできるだけ薄い方がよいが、水素解離活性を有しない非Pd系金属膜(層)に水素解離活性を賦与するためにPd層5a,5bが必要であり、特に金属層4にTaのような酸化され易い金属を用いた場合は、Pd層5a,5bが薄すぎると金属層(Ta層)4表面における空気に触れた部分に酸化皮膜が形成されて水素透過性能が劣化する。
【0086】
そこで、特に金属層4にTaのような酸化され易い金属を用いる場合には、Pd層5a,5bの厚みを0.1〜10μmにすると、より好ましくは、0.5〜5μmにすると、水素透過性能と水素分離透過膜の材料コスト削減をバランス良く両立できる。
【0087】
水素透過性能の高い金属層(Ta層)4は、(金属箔を3枚以上重ね合わせて)3層以上形成すれば、金属層(Ta層)4が2層のものよりも、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜1を通過する可能性を少なくすることができると共に、水素分離透過膜1の強度が向上する。また、水素分離透過膜1の強度が向上すれば、内部の金属層(Ta層)4が2層の水素分離透過膜1よりも、水素分離透過膜1の膜厚を薄くできるので、水素分離透過膜1の材料費を低減できる。
【0088】
水素透過性能の高い金属層(Ta層)4の外側にPd層5a,5bを有する多層構造の水素分離透過膜1を製造する方法としては、スパッター法、あるいは蒸着法などの気相成長法があるが、本実施の形態のPd箔またはPd合金箔と水素透過性能の高い金属(Ta)の金属箔(Ta箔)とをPd箔が外側なるように重ね合わせて、拡散接合した後、圧延する方法は、拡散接合するための装置と圧延装置があれば製造でき、水素分離透過膜1のPd層5a,5bの厚みは、使用するPd箔の厚みと圧延で調節できるため、スパッター法、あるいは蒸着法などの気相成長法よりも、簡単な設備で安価に厚いPd層5a,5bを形成でき、必要な厚さのPd層5a,5bを有する水素分離透過膜1を容易に製造することができる。
【0089】
本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法では、重ね合わせた箔を真空中でホットプレスするので、簡単に金属箔(層)表面の酸化皮膜の形成を抑えながら重ね合わせた箔を拡散接合することができる。
【0090】
本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法は、水素透過性能の高い金属からなる金属箔(Ta箔)の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜1の厚みを調節することができ、金属箔(Ta箔)の重ね合わせる枚数を増減することにより、無駄のない必要充分なPd層5a,5bの厚さを確保しながら水素分離透過膜1の厚みを容易に変えることができる。
【0091】
また、本実施の形態の水素分離透過膜の製造方法は、水素透過性能の高い金属からなる金属箔(Ta箔)の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜1における複数積層された金属層(Ta層)4全体の厚みとPd層5a,5bの厚みとの比率を調節することができ、金属箔(Ta箔)の重ね合わせる枚数を増減し、必要に応じて圧延を調節することにより、厚みの異なる多種類の金属箔(Ta箔)を用意することなく、水素分離透過膜1における複数積層された金属層(Ta層)4全体の厚みとPd層5a,5bの厚みとの比率を容易に変えることができる。
【0092】
なお、複数枚重ね合わせる金属箔の何れか1枚以上に酸化被膜を除去する処理をした後に積層すれば、酸化被膜による水素透過障害を低減でき、酸化被膜を除去する処理を弗化水素を含む物質により行うと、酸化皮膜除去が容易に行える。
【0093】
以下、複数枚重ね合わせる金属箔の何れか1枚以上を、弗化水素を含む物質により酸化被膜を除去する処理をした後に積層する場合の一例について説明する。
【0094】
まず、Ta箔2枚を20倍希釈した弗化水素水溶液(原液36%)中に20分浸けた後にエタノールで置換する。また、Ta箔を弗化水素水溶液中に浸け始めた19分後にPd箔を6%硝酸中に20秒浸けた後にエタノールで置換する。
【0095】
次に、Ta箔及びPd箔のエタノール置換後に、素早くPd箔2枚の間にTa箔2枚を挟み込むように積層して、積層後直ちに真空引きを行い、7Paになるように維持すると共に、7Paとなった時点から積層したPd箔とTa箔を加熱可能な加熱装置を作動して900℃まで上昇させる。
【0096】
このとき、7±3Paの真空を維持できるように真空手段の動作をON/OFF制御等で制御し、加熱手段においてもON/OFF制御やPID制御により900℃±5℃となるように制御を行う。
【0097】
そして、900±5℃、7±3Paとなった時点から900±5℃、7±3Paを5時間保持して拡散接合を行う。その後、圧延によりPdとTaとが積層した水素分離透過薄膜を製造する。
【0098】
これにより、製造した水素分離透過膜は2枚の積層されたTa合金膜の間における水素透過時の酸化被膜による障害が低減して水素透過性能が向上する。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、水素分離透過膜内部の金属層を2層以上に増やしたので、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができる。また、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の強度が向上するという効果がある。また、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くでき、その場合は、水素分離透過膜の材料費を低減できるという効果がある。
【0100】
また、請求項2に記載の発明は、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返す多層構造にした場合よりも、水素分離透過膜の材料費を低減でき、水素透過性能を向上させることができるという効果がある。
【0101】
また、請求項3に記載の発明で採用した材料は、水素透過性能が高く、耐熱性に優れ、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという効果がある。
【0102】
また、請求項4に記載の発明で採用した材料は、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しており、圧延により金属層を薄くし易いという効果がある。
【0103】
また、請求項5に記載の発明は、容易に水素分離透過膜を製造することができるという効果がある。
【0104】
また、請求項6に記載の発明は、強度と水素透過性能とのバランスのとれた水素分離透過膜を容易に製造することができるという効果がある。
【0105】
また、請求項7に記載の発明は、水素透過性能と水素分離透過膜の材料コスト削減をバランス良く両立できるという効果がある。
【0106】
また、請求項8に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みを、Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下にすることができる。
【0107】
また、請求項9に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率が好ましい値である水素分離透過膜を提供できるという効果がある。
【0108】
また、請求項10に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率が実用的な値である水素分離透過膜を提供できるという効果がある。
【0109】
また、請求項11に記載の発明は、金属層が2層のものよりも、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができると共に、水素分離透過膜の強度が向上するという効果がある。また、内部の金属層が2層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くでき、その場合は、水素分離透過膜の材料費を低減できるという効果がある。
【0110】
また、請求項12に記載の発明は、水素分離透過膜内部の金属層が2層以上になるので、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができると共に、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の強度が向上するという効果がある。また、内部の金属層が1層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くでき、その場合は、水素分離透過膜の材料費を低減できるという効果がある。
【0111】
また、Pd層またはPd合金層と金属層とが交互に繰り返す多層構造になる場合よりも、水素分離透過膜の材料費を低減でき、水素透過性能を向上させることができるという効果がある。また、スパッター法、あるいは蒸着法などの気相成長法よりも、簡単な設備で安価に厚いPd層またはPd合金層を形成でき、必要な厚さのPd層またはPd合金層を有する水素分離透過膜を容易に製造することができるという効果がある。
【0112】
また、請求項13に記載の発明は、金属層が2層のものよりも、膜を貫通するピンホールにより水素以外の気体が水素分離透過膜を通過する可能性を少なくすることができると共に、水素分離透過膜の強度が向上するという効果がある。また、内部の金属層が2層の水素分離透過膜よりも、水素分離透過膜の膜厚を薄くでき、その場合は、水素分離透過膜の材料費を低減できるという効果がある。
【0113】
また、請求項14に記載の発明は、簡単に金属箔(層)表面の酸化皮膜の形成を抑えながら重ね合わせた箔を拡散接合することができるという効果がある。
【0114】
また、請求項15に記載の発明は、圧延により水素分離透過膜の膜厚を容易に1〜200μmの厚さにすることができ、強度と水素透過性能とのバランスのとれた水素分離透過膜を容易に製造することができるという効果がある。
【0115】
また、請求項16に記載の発明は、水素透過性能と水素分離透過膜の材料コスト削減をバランス良く両立できるという効果がある。
【0116】
また、請求項17に記載の発明は、金属箔の重ね合わせる枚数を増減することにより、無駄のない必要充分なPd層の厚さを確保しながら水素分離透過膜の厚みを容易に変えることができるという効果がある。
【0117】
また、請求項18に記載の発明は、金属箔の重ね合わせる枚数を増減し、必要に応じて圧延を調節することにより、厚みの異なる多種類の金属箔を用意することなく、水素分離透過膜における複数積層された金属層全体の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率を容易に変えることができるという効果がある。
【0118】
また、請求項19に記載の発明で採用した材料は、水素透過性能が高く、耐熱性に優れ、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しているという効果がある。
【0119】
また、請求項20に記載の発明で採用した材料は、水素分離透過膜の中心部分の材料として適しており、圧延により金属層を薄くし易いという効果がある。
【0120】
また、請求項21に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みが、Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下の水素分離透過膜を製造できるという効果がある。
【0121】
また、請求項22に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率が好ましい値である水素分離透過膜を製造できるという効果がある。
【0122】
また、請求項23に記載の発明は、複数積層された金属層の合計の厚みとPd層またはPd合金層の厚みとの比率が実用的な値である水素分離透過膜を製造できるという効果がある。
【0123】
また、請求項24に記載の発明の水素分離透過膜の製造方法は、複数枚重ね合わせる金属箔の何れか1枚以上に酸化被膜を除去する処理をした後に積層するものであることから、酸化皮膜が介在する場合の水素透過障害の低減により、水素透過性能の高い水素分離透過分離膜を製造可能であるという効果を有する。
【0124】
また、請求項25に記載の加熱装置の発明は、上記の酸化被膜を除去する処理を弗化水素を含む物質により行うことから、他の酸化皮膜除去方法に比べて酸化皮膜除去効果が大きく適しており、容易に酸化皮膜の除去が可能となり、水素透過性能の高い水素分離透過膜を効率良く製造可能であるという効果を有する。
【0125】
また、請求項26に記載の発明は、Pd層またはPd合金層と金属層との固溶が促進される高温側にさらされる部分のPd層またはPd合金層を厚くすることで、Pd層またはPd合金層単体の作用及び金属層単体の作用を維持でき、さらに、線膨張率による差が大きくなる高温側にさらされる部分のPd層またはPd合金層を厚くすることで、PdまたはPd合金の破損による水素ガス以外のガス透過を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の水素生成分離装置の概略構成図
【符号の説明】
1 水素分離透過膜
2 反応室
3 分離室
4 Ta層(金属層)
5a,5b Pd層

Claims (26)

  1. 水素透過性能の高い金属からなり複数積層された金属層と、前記複数積層された金属層の両面に設けられたPd層またはPd合金層とからなる多層構造の水素分離透過膜。
  2. 前記Pd層またはPd合金層は、多層構造の膜の最外層にのみ存在する請求項1に記載の水素分離透過膜。
  3. 前記金属層を構成する金属は、体心立方構造を有する高融点の遷移金属である請求項1または2に記載の水素分離透過膜。
  4. 前記金属層を構成する金属は、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかである請求項1または2に記載の水素分離透過膜。
  5. 前記Pd層またはPd合金層と前記金属層とは拡散接合され、前記多層構造の膜は圧延されている請求項1から4のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  6. 膜の厚みは1〜200μmである請求項1から5のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  7. 前記Pd層またはPd合金層の厚みは0.1〜10μmである請求項1から6のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  8. 前記複数積層された金属層の合計の厚みは、前記Pd層またはPd合金層の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  9. 前記複数積層された金属層の合計の厚みは、前記Pd層またはPd合金層の厚みの2倍以上且つ200倍以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  10. 前記複数積層された金属層の合計の厚みは、前記Pd層またはPd合金層の厚みの10倍以上且つ100倍以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  11. 前記金属層を3層以上有する請求項1から10のいずれか一項に記載の水素分離透過膜。
  12. 2枚のPd箔またはPd合金箔と水素透過性能の高い金属からなる複数枚の金属箔とを、前記2枚のPd箔またはPd合金箔の間に前記複数枚の金属箔が位置するように重ね合わせ、その重ね合わせた箔を、拡散接合した後、圧延する水素分離透過膜の製造方法。
  13. 前記金属箔は3枚以上重ね合わせる請求項12に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  14. 前記拡散接合は、前記重ね合わせた箔を真空中でホットプレスすることにより行われる請求項12または13に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  15. 圧延により1〜200μmの厚さの膜にする請求項12から14のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  16. Pd層またはPd合金層が0.1〜10μmの厚さになるように圧延する請求項12から15のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  17. 前記金属箔の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜の厚みを調節する請求項12から16のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  18. 前記金属箔の重ね合わせる枚数を調節することにより、水素分離透過膜における複数積層された前記金属層全体の厚みと前記Pd層またはPd合金層の厚みとの比率を調節する請求項12から16のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  19. 前記金属箔を構成する金属は、体心立方構造を有する高融点の遷移金属である請求項12から18のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  20. 前記金属箔を構成する金属は、Ta、Nb、V、Ta合金、Nb合金、V合金のいずれかである請求項12から18のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  21. 複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みは、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの0.5倍以上且つ1000倍以下である請求項12から20のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  22. 複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みは、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの2倍以上且つ200倍以下である請求項12から20のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  23. 複数枚重ね合わせる前記金属箔の合計の厚みは、前記Pd箔またはPd合金箔の厚みの10倍以上且つ100倍以下である請求項12から20のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  24. 複数枚重ね合わせる前記金属箔は、何れか1枚以上に酸化被膜を除去する処理をした後に積層する請求項12から23のいずれか一項に記載の水素分離透過膜の製造方法。
  25. 酸化被膜を除去する処理は弗化水素を含む物質により行う請求項24記載の水素分離透過膜の製造方法。
  26. 請求項1から11記載のいずれか一項に記載の水素分離透過膜により、炭化水素ガスと水蒸気とを300℃以上且つ1550℃以下の高温で反応させて水素ガスを生成させる反応室と、前記反応室で生成され前記水素分離透過膜を透過した高純度の水素ガスが流出する分離室とに区画し、前記水素分離透過膜における前記反応室に露出する側のPd層もしくはPd合金層の厚さを前記分離室に露出する側のPd層もしくはPd合金層の厚さより厚くした水素生成分離装置。
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