JP2007044622A - 水素透過膜および水素透過膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水素を選択的に透過させる水素透過膜を製造する際には、まず、5族金属と、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分とを含有する金属ベース層を用意する(ステップS100)。その後、金属ベース層の表面上に所定の金属層を成膜して多層構造を形成する。このとき、多層構造の表面には、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する(ステップS110〜S120)。さらに、第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる緻密化工程を行なって(ステップS130)、水素透過膜を完成する。
【選択図】 図2
Description
(a)5族金属と、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分とを含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層の表面上に所定の金属層を成膜して多層構造を形成する工程であって、前記多層構造の表面にはパラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第2工程と、
(c)前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる緻密化工程である第3工程と
を備えることを要旨とする。
前記第1工程で用意する前記金属ベース層は、前記金属ベース層の表面を含む限られた領域のみに前記第2の成分を備えることとしても良い。
前記第3工程は、前記第2工程において、前記金属ベース層上に前記所定の金属層を成膜する際に、前記所定の金属層の少なくとも一部の層を形成した後に、前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる工程であることとしても良い。
(a)5族金属を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層上に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する中間層を形成する第2工程と、
(c)前記中間層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第3工程と、
(d)前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる緻密化工程である第4工程と
を備えることを要旨とする。
前記第2工程で形成する前記中間層は、前記第2の成分に加えて、前記金属ベース層および前記金属被覆層よりも融点が高い高融点金属をさらに備えることとしても良い。
前記第2工程は、前記金属ベース層側に配置される第1の層と、前記金属被覆層側に配置される第2の層とから成る前記中間層を形成する工程であり、
前記第1の層は、前記第2の層に比べて、前記高融点金属の含有割合が高く、前記第2の成分の含有割合が低いこととしても良い。
前記第4の工程は、前記第3の工程の後に、前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる工程であることとしても良い。
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe),銅(Cu),モリブデン(Mo),ジルコニウム(Zr)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を酸化させる工程であることとしても良い。
前記第2の成分は、前記5族金属の酸化物の融点よりも高い融点を有する複合酸化物を前記5族金属と共に形成する元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2成分を酸化させる工程であることとしても良い。
前記第2の成分は、前記5族金属よりも酸化されやすい元素であることとしても良い。
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を窒化させる工程であることとしても良い。
前記第2の成分は、前記5族金属よりも窒化されやすい元素であることとしても良い。
前記第2の成分は、ケイ素(Si)およびチタン(Ti)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を炭化させる工程であることとしても良い。
前記第2の成分は、前記5族金属よりも炭化されやすい元素であることとしても良い。
(a)5族金属を含有する金属ベース層であって、少なくとも該金属ベース層表面を含む領域に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記第2の元素を含有する前記金属ベース層の表面上に、所定の金属層を順次成膜して多層構造を形成する際に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を前記多層構造の表面に形成する第2工程と
を備えることを要旨とする。
(a)5族金属を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層上に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する中間層を形成する第2工程と、
(c)前記中間層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第3工程と
を備えることを要旨とする。
A.水素透過膜の構成:
B.第1実施例の水素透過膜の製造方法:
C.第1実施例の変形例:
D.第2実施例:
E.第2実施例の変形例:
F.水素透過膜を用いた装置:
G.変形例:
図1は、第1実施例である水素透過膜10の構成の概略を表わす断面模式図である。水素透過膜10は、金属ベース層12と、金属ベース層の両面上に形成される中間層14と、各々の中間層14上に形成される金属被覆層16と、から成る5層構造を有している。
図2は、水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。水素透過膜10を製造する際には、まず、金属ベース層12となるVを含有する金属層を用意する(ステップS100)。ステップS100で用意する金属層は、例えば、Vを主要な構成成分として、さらにCrを含有する合金の金属塊に対して圧延と焼鈍の工程を繰り返すことにより作製することができる。これにより、全体として結晶構造を有する金属ベース層12が得られる。なお、このステップS100では、用意した金属層の表面をアルカリ溶液でエッチングして、表面に形成された酸化膜等の不純物の除去を行なっている。
(C−1)第1の変形例:
第1実施例では、中間層14や金属被覆層16といった上側層を金属ベース層12上に形成した後に酸化処理を行なっているが、上側層の形成に先立って、ステップS130の酸化処理を行なっても良い。すなわちステップS110に先だって、例えば酸化雰囲気下での熱処理やオゾン熱処理、あるいは酸素プラズマ処理を行えば良い。この場合には、金属ベース層12の表面全体に、Crの酸化物が形成されることになる。
また、第1実施例では、金属ベース層12全体がCrを含有することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、酸化物を形成すべき中間層14との接触面近傍だけが、Crを含有することとしても良い。金属ベース層12の表面近傍だけがCrを含有する構成を、図4に示す。このような構成とすれば、Crを含有しない他の領域のVの含有量が高まるため、金属ベース層12における水素透過性能を高めることができる。
第1実施例におけるステップS130の酸化処理を省略して、5層構造を有する積層体を、酸化処理を施すことなく水素透過膜としての使用に供しても良い。この場合には、上記積層体を水素透過膜として使用している間に、金属ベース層12の表面であって中間層14の結晶構造上の間隙に対応する位置において徐々に酸化が進行して、実施例と同様の効果を奏するようになる。
第1実施例では、酸素の侵入やVおよび酸化バナジウムの移動を妨げる緻密な酸化物を形成させるために金属ベース層12に添加する第2の成分としてCrを用いたが、他の元素を第2の元素として用いても良い。酸化物を形成させるために金属ベース層12に添加する第2の成分としては、例えば、クロム(Cr)に加えて、アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe),銅(Cu),モリブデン(Mo),ジルコニウム(Zr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),タンタル(Ta),ガドリニウム(Gd),ニオブ(Nb),タングステン(W),セリウム(Ce),イットリウム(Y),イッテルビウム(Yb),ネオジム(Nd),プラセオジム(Pr)から選択される元素とすることができる。
第1実施例では、金属ベース層12に添加した第2成分を酸化させて、緻密な酸化物を形成させることにより、酸素の侵入やVおよび酸化バナジウムの移動を抑制しているが、第2成分を窒化あるいは炭化させて、緻密な窒化物や炭化物を形成させることとしても良い。
第1実施例では、金属ベース層12と金属被覆層との間に中間層14を設けているが、中間層14を設けないこととしても良い。すなわち、Crを含むV合金から成る金属ベース層12上に、Pdを含有する金属被覆層を直接形成することとしても良い。このような構成を図5に示す。金属ベース層12上に金属被覆層16を直接形成する場合にも、金属ベース層12の表面近傍において、金属被覆層16における結晶構造上の間隙に対応する位置に酸化物を形成させることにより、実施例と同様の効果が得られる。
第2実施例の水素透過膜は、図1に示す第1実施例の水素透過膜10と同様に、金属ベース層12と、中間層14と、金属被覆層16と、を備える5層構造を有している。第2実施例の水素透過膜は、第1実施例の水素透過膜10とは異なり、金属ベース層12ではなく中間層14がCrを含有している。
(E−1)第1の変形例:
第2実施例では、上側層である金属被覆層16を中間層14上に形成した後に酸化処理を行なっているが、上側層の形成に先立って、すなわちステップS120に先だって、ステップS130の酸化処理を行なっても良い。この場合には、中間層14の表面全体に、Crの酸化物が形成されることになる。
第2実施例では、中間層14は、TaとCrとを含有する合金により形成したが、異なる構成としても良い。例えば、中間層14全体をCrによって形成しても良い。このような構成としても、Crから成る中間層14の表面において、金属被覆層16における結晶構造上の間隙に対応する位置にCrの酸化物が形成されるため、第2実施例と同様の効果を得ることができる。
第2実施例におけるステップS130の酸化処理を省略して、5層構造を有する積層体を、酸化処理を施すことなく水素透過膜としての使用に供しても良い。この場合には、上記積層体を水素透過膜として使用している間に、中間層14の表面であって金属被覆層16の結晶構造上の間隙に対応する位置において徐々に酸化が進行して、実施例と同様の効果を奏するようになる。
酸化物を形成させるために中間層14に含有させる第2の成分としては、Cr以外に、第1実施例の第4の変形例と同様の種々の元素を選択することができる。この場合にも、第2の成分を酸化させて緻密な酸化物を形成させることにより、酸素の侵入やVおよび酸化バナジウムの移動を妨げる同様の効果を得ることができる。
あるいは、中間層14を緻密化させるために中間層14に含有させる第2の成分として、第1実施例の第5の変形例と同様の元素を選択して、ステップS130の酸化処理に代えて窒化処理あるいは炭化処理を行なうこととしても良い。このような構成としても、酸化処理を行なう場合と同様に、中間層14の少なくとも一部を緻密化させることにより、酸素の侵入やVおよび酸化バナジウムの移動を妨げる同様の効果を得ることができる。
(F−1).水素抽出装置:
図8は、第1実施例あるいは第2実施例の水素透過膜(以下、水素透過膜10と表わす)を利用した水素抽出装置20の構成を表わす断面模式図である。水素抽出装置20は、複数の水素透過膜10を積層した構造を有しており、図8では、水素透過膜10の積層に関わる構成についてのみ示している。水素抽出装置20では、積層される各水素透過膜10間に、水素透過膜10の外周部と接合する支持部22が配設されており、支持部22によって各水素透過膜10間に所定の空間が形成されている。支持部22は、水素透過膜10との接合が可能であって充分な剛性を有していればよい。例えばステンレス鋼(SUS)等の金属材料により形成することで、金属層である水素透過膜10と容易に接合可能となる。
図9は、水素透過膜10を利用した燃料電池の構成の一例を表わす断面模式図である。図9、単セル30を表わしているが、燃料電池は、この単セル30を複数積層することによって形成される。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
水素透過膜を構成する各層を、第1実施例または第2実施例とは異なる金属により形成しても良い。例えば、実施例では金属ベース層12をVやVを主要な構成成分とする金属により形成しているが、他種の5族金属を含有する金属(単体を含む)により形成しても良い。
第1実施例または第2実施例の水素透過膜では、水素透過膜を、水素透過性を有する金属薄膜の自立膜としたが、ガス透過性を有する多孔質基材上に水素透過性金属を担持させることにより水素透過膜を形成してもよい。すなわち、金属被覆層、中間層、金属ベース層、中間層、金属被覆層の順で積層された金属層を、薄板状の多孔質体の上に順次形成し、水素透過膜としてもよい。このように多孔質基材上に担持された水素透過膜は、例えば、図8に示した水素抽出装置において、実施例の水素透過膜10に代えて用いることができる。例えば、第1実施例の水素透過膜を上記構成に適用する場合には、多孔質体上に水素透過膜を成膜した後に全体を酸化処理して、金属ベース層12において、中間層14の結晶構造上の間隙に対応する位置に、酸化クロムを形成させればよい。
12…金属ベース層
14…中間層
16…金属被覆層
20…水素抽出装置
22…支持部
24…水素含有ガス路
26…パージガス路
30…単セル
31…MEA
32…電解質層
34…カソード電極
36,37…ガスセパレータ
38…単セル内燃料ガス流路
39…単セル内酸化ガス流路
Claims (28)
- 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属と、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分とを含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層の表面上に所定の金属層を成膜して多層構造を形成する工程であって、前記多層構造の表面にはパラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第2工程と、
(c)前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる緻密化工程である第3工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 請求項1記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第1工程で用意する前記金属ベース層は、前記金属ベース層の表面を含む限られた領域のみに前記第2の成分を備える
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1または2記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第3工程は、前記第2工程において、前記金属ベース層上に前記所定の金属層を成膜する際に、前記所定の金属層の少なくとも一部の層を形成した後に、前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層上に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する中間層を形成する第2工程と、
(c)前記中間層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第3工程と、
(d)前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる緻密化工程である第4工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 請求項4記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2工程で形成する前記中間層は、前記第2の成分に加えて、前記金属ベース層および前記金属被覆層よりも融点が高い高融点金属をさらに備える
水素透過膜の製造方法。 - 請求項5記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2工程は、前記金属ベース層側に配置される第1の層と、前記金属被覆層側に配置される第2の層とから成る前記中間層を形成する工程であり、
前記第1の層は、前記第2の層に比べて、前記高融点金属の含有割合が高く、前記第2の成分の含有割合が低い
水素透過膜の製造方法。 - 請求項4ないし6いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第4の工程は、前記第3の工程の後に、前記第2成分を酸化、窒化あるいは炭化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし7いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe),銅(Cu),モリブデン(Mo),ジルコニウム(Zr)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を酸化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし7いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、前記5族金属の酸化物の融点よりも高い融点を有する複合酸化物を前記5族金属と共に形成する元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2成分を酸化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項9記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)から選択される元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし3いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、前記5族金属よりも酸化されやすい元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項11記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ガドリニウム(Gd),ニオブ(Nb),タングステン(W),セリウム(Ce),イットリウム(Y),イッテルビウム(Yb),ネオジム(Nd),プラセオジム(Pr)から選択される元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし7いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を窒化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし3いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、前記5族金属よりも窒化されやすい元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項14記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ホウ素(B)から選択される元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし7いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、ケイ素(Si)およびチタン(Ti)から選択される元素であり、
前記緻密化工程は、前記第2の成分を炭化させる工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし3いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、前記5族金属よりも炭化されやすい元素である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項17記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),モリブデン(Mo)から選択される元素である
水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属を含有する金属ベース層であって、少なくとも該金属ベース層表面を含む領域に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記第2の元素を含有する前記金属ベース層の表面上に、所定の金属層を順次成膜して多層構造を形成する際に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を前記多層構造の表面に形成する第2工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属を含有する金属ベース層を用意する第1工程と、
(b)前記金属ベース層上に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する中間層を形成する第2工程と、
(c)前記中間層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を形成する第3工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 請求項19または20記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe),銅(Cu),モリブデン(Mo),ジルコニウム(Zr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),タンタル(Ta),ガドリニウム(Gd),ニオブ(Nb),タングステン(W),セリウム(Ce),イットリウム(Y),イッテルビウム(Yb),ネオジム(Nd),プラセオジム(Pr),ホウ素(B)から選択される元素である
水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
請求項1ないし21いずれか記載の方法により製造された水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面に設けられ、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
を含む複数の層を積層して成り、
前記金属ベース層は、該金属ベース層に隣接する層との接触面を含む領域に、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する
水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面に設けられ、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層と、
前記金属ベース層と前記金属被覆層との間に設けられ、酸化、窒化あるいは炭化され得る第2の成分を含有する中間層と
を備える水素透過膜。 - 請求項23または24記載の水素透過膜であって、
前記第2の成分は、クロム(Cr),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),鉄(Fe),銅(Cu),モリブデン(Mo),ジルコニウム(Zr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),タンタル(Ta),ガドリニウム(Gd),ニオブ(Nb),タングステン(W),セリウム(Ce),イットリウム(Y),イッテルビウム(Yb),ネオジム(Nd),プラセオジム(Pr),ホウ素(B)から選択される元素である
水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面に設けられると共に、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
を含む複数の層を積層して成り、
前記金属ベース層は、該金属ベース層に隣接する層との接触面において、酸化物、窒化物あるいは炭化物を備える
水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面に設けられると共に、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
前記金属ベース層と前記金属被覆層との間に設けられ、酸化物、窒化物、あるいは炭化物によって形成される中間層と
を備える水素透過膜。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面に設けられると共に、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
前記金属ベース層と前記金属被覆層との間に設けられ、前記金属ベース層および前記金属被覆層とは異なる組成の金属によって形成される中間層と
を備え、
前記中間層は、該中間層における結晶構造上の間隙に、酸化物、窒化物あるいは炭化物を備える
水素透過膜。
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