JP4329706B2 - 水素透過膜および水素透過膜の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)5族金属を含有する金属基材を用意する工程と、
(b)前記金属基材の少なくとも一方の表面近傍を構成する結晶構造を微結晶化し、微結晶層を形成する工程と、
(c)前記微結晶化した前記金属基材の表面上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を含む金属層を形成する工程と
を備え、
前記金属被覆層が表面に設けられた多層膜である前記水素透過膜を得ることを要旨とする。
前記(b)工程は、前記金属基材の表面近傍を融点近傍の温度にまで加熱した後に急速冷却することにより、前記微結晶化を行なうこととしても良い。
(a)5族金属を含有する金属基材を用意する工程と、
(b)前記金属基材の少なくとも一方の表面に、前記金属基材と共通する5族金属を含むと共に、前記金属基材を構成する金属結晶よりも結晶粒径の小さな金属結晶により構成される微結晶層を形成する工程と、
(c)前記微結晶層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を含む金属層を形成する工程と
を備え、
前記金属被覆層が表面に設けられた多層膜である前記水素透過膜を得ることを要旨とする。
前記(c)工程は、前記微結晶層上に、前記金属被覆層を形成する工程であることとしても良い。
また、前記(c)工程は、
(c−1)前記微結晶層上に、前記金属基材、前記微結晶層および前記金属被覆層とは異なる組成の中間層を形成する工程と、
(c−2)前記中間層上に、前記金属被覆層を形成する工程と
を備えることとしても良い。
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面を構成すると共に、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
を含む複数の層を積層して形成され、
前記金属ベース層は、前記複数の層の内の隣接する層との界面を含むと共に、5族金属を含む微結晶により構成される微結晶層と、前記微結晶層と共通する5族金属を含有すると共に、前記微結晶層よりも結晶粒径がより大きな金属結晶により構成される大結晶層と、を備えることを要旨とする。
A.水素透過膜の構成:
B.水素透過膜の製造方法:
C.第2実施例:
D.水素透過膜の利用:
E.変形例:
図1は、本発明の第1実施例である水素透過膜10の構成の概略を表わす断面模式図である。水素透過膜10は、金属ベース層12と、金属ベース層12の両面上に形成される中間層13と、各々の中間層13上に形成される金属被覆層16と、を備えている。ここで、金属ベース層12は、中間層13と接する界面を含む領域に設けられた微結晶層14と、その他の領域に設けられた大結晶層15とを備えている。すなわち、水素透過膜10は、全体では、7層構造を有している。
図2は、水素透過膜10の製造方法を表わす工程図である。水素透過膜10を製造する際には、まず、金属ベース層12が備える大結晶層15となる金属基材、すなわち、Vを主要な構成成分とする金属箔を用意する(ステップS100)。ステップS100で用意する金属箔は、例えば、Vを主要な構成成分とする金属塊に対して圧延と焼鈍の工程を繰り返すことにより作製することができ、このような工程により、極めて緻密な結晶質から成る金属箔を得ることができる。
第2実施例の水素透過膜は、図1に示した第1実施例の水素透過膜10と同様の構成を有しているが、製造方法が異なっている。図3は、第2実施例の水素透過膜の製造方法を表わす工程図である。なお、以下の説明では、第2実施例の水素透過膜においても、対応する部分において、第1実施例の水素透過膜10と同じ参照番号を付すこととする。
D−1.水素抽出装置:
図4は、実施例の水素透過膜10(以下、第1実施例および第2実施例の水素透過膜を合わせて水素透過膜10とする)を利用した水素抽出装置20の構成を表わす断面模式図である。水素抽出装置20は、複数の水素透過膜10を積層した構造を有しており、図4では、水素透過膜10の積層に関わる構成についてのみ示している。水素抽出装置20では、積層される各水素透過膜10間に、水素透過膜10の外周部と接合する支持部22が配設されており、支持部22によって各水素透過膜10間に所定の空間が形成されている。支持部22は、水素透過膜10との接合が可能であって充分な剛性を有していればよい。例えばステンレス鋼(SUS)等の金属材料により形成することで、金属層である水素透過膜10と容易に接合可能となる。
図5は、実施例の水素透過膜10を利用した燃料電池の構成の一例を表わす断面模式図である。図5は、単セル30を表わしているが、燃料電池は、この単セル30を複数積層することによって形成される。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1実施例では、ステップS100で用意した金属箔の表面のみ加熱して、その後急冷却することにより、金属箔の表面のみを微粒子化し、残りの領域を大結晶層15としているが、より広い範囲まで微結晶化することとしても良い。例えば、金属箔を加熱する際に、金属箔のより内部まで充分に昇温させ、金属箔全体を微粒子化しても良い。この場合にも、金属ベース層12の表面を同様に平滑化することができるため、金属ベース層12上に形成される層の欠陥をより低減可能となり、実施例と同様の効果が得られる。
また、水素透過膜を構成する各層を、第1および第2実施例とは異なる金属により形成しても良い。例えば、実施例では金属ベース層12をVやVを主要な構成成分とする金属により形成しているが、他種の5族金属を含有する金属(単体を含む)により形成しても良い。あるいは、金属ベース層12において、大結晶層15と微結晶層14とは、必ずしも同一の組成でなくても良い。例えば、第2実施例のように予め金属箔として用意した大結晶層15上に微結晶層14を成膜する場合には、微結晶層14は、大結晶層15と共通する5族金属を含有すると共に、さらに異なる成分を含有することとしても良い。
第1および第2実施例では、金属ベース層12と金属被覆層16との間に中間層13を設けているが、中間層13を設けないこととしても良い。すなわち、V等の5族金属あるいはその合金から成る金属ベース層12上に、Pdを含有する金属被覆層16を直接形成することとしても良い。このような場合にも、金属ベース層12の表面に微結晶層14を設けることで、その上に成膜する金属被覆層16における欠陥の発生を抑制する同様の効果が得られる。
既述した第1および第2実施例の水素透過膜では、水素透過膜を、水素透過性を有する金属薄膜の自立膜としたが、ガス透過性を有する多孔質基材上に水素透過性金属を担持させることにより水素透過膜を形成してもよい。すなわち、金属被覆層、中間層、金属ベース層、中間層、金属被覆層の順で積層された金属層を、層状の多孔質体の上に順次形成し、水素透過膜としてもよい。このように多孔質基材上に担持された水素透過膜は、例えば、図4に示した水素抽出装置において、実施例の水素透過膜10に代えて用いることができる。
12…金属ベース層
13…中間層
14…微結晶層
15…大結晶層
16…金属被覆層
20…水素抽出装置
22…支持部
24…水素含有ガス路
26…パージガス路
30…単セル
31…MEA
32…電解質層
34…カソード電極
36,37…ガスセパレータ
38…単セル内燃料ガス流路
39…単セル内酸化ガス流路
Claims (8)
- 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属を含有する金属基材を用意する工程と、
(b)前記金属基材の少なくとも一方の表面近傍を構成する結晶構造を微結晶化し、微結晶層を形成する工程と、
(c)前記微結晶化した前記金属基材の表面上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を含む金属層を形成する工程と
を備え、
前記金属被覆層が表面に設けられた多層膜である前記水素透過膜を得る水素透過膜の製造方法。 - 請求項1記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(a)工程は、前記金属基材として、圧延により製造された金属基材を用意する工程であり、
前記(b)工程は、前記金属基材の表面近傍を融点近傍の温度にまで加熱した後に急速冷却することにより、前記微結晶化を行なう
水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)5族金属を含有する金属基材を用意する工程と、
(b)前記金属基材の少なくとも一方の表面に、前記金属基材が含有する5族金属と共通する5族金属を含むと共に、前記金属基材を構成する金属結晶よりも結晶粒径の小さな金属結晶により構成される微結晶層を形成する工程と、
(c)前記微結晶層上に、パラジウム(Pd)を含有する金属被覆層を含む金属層を形成する工程と
を備え、
前記金属被覆層が表面に設けられた多層膜である前記水素透過膜を得る水素透過膜の製造方法。 - 請求項3記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(a)工程は、前記金属基材として、圧延により製造された金属基材を用意する工程であり、
前記(b)工程は、PVD法またはCVD法により、前記微結晶層を形成する工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし4いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(c)工程は、前記微結晶層上に、前記金属被覆層を形成する工程である
水素透過膜の製造方法。 - 請求項1ないし4いずれか記載の水素透過膜の製造方法であって、
前記(c)工程は、
(c−1)前記微結晶層上に、前記金属基材、前記微結晶層および前記金属被覆層とは異なる組成の中間層を形成する工程と、
(c−2)前記中間層上に、前記金属被覆層を形成する工程と
を備える水素透過膜の製造方法。 - 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
5族金属を含有する金属ベース層と、
前記水素透過膜の少なくとも一方の表面を構成すると共に、パラジウム(Pd)を備える金属被覆層と、
を含む複数の層を積層して形成され、
前記金属ベース層は、前記複数の層の内の隣接する層との界面を含むと共に、5族金属を含む微結晶により構成される微結晶層と、前記微結晶層が含有する5族金属と共通する5族金属を含有すると共に、前記微結晶層よりも結晶粒径がより大きな金属結晶により構成される大結晶層と、を備える
水素透過膜。 - 請求項7記載の水素透過膜であって、さらに、
前記金属ベース層と前記金属被覆層との間に、前記金属ベース層および前記金属被覆層とは異なる組成の中間層を備える
水素透過膜。
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