JP4904303B2 - スリッタ装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には切り粉対策として潤滑剤を刃先に噴霧する方法が開示されているが、潤滑剤が製品に付着する等の不具合が発生する恐れがある。
また、工作機械において切り粉を吸引により取り除く装置は、例えば特許文献3等に記載されているように多数提案されているが、これらの切り粉除去装置をスリッタに適切に応用することはできない。
また、ジャイロ機構を備えた一部欠裁リングで流通孔の一部を閉塞することで吸引力を刃の噛み合い部分に集中することができ、切り粉を効率良く除去することができる。
図1に示すスリッタ装置は、長尺体11を連続して切断して所定幅の製品とするスリッタ装置であり、切断前の長尺体11が巻かれている巻ロールを支持する巻出し部2と、巻出し部2から繰出された長尺体11を切断する刃を備えた切断部(スリッタ)3と、切断された製品としての長尺体12をロール状に巻き取る巻取り部4、5と、切り取った部分(耳)13を巻き取る巻取り部6とを備える。また、装置1は、巻出し部2から繰出された長尺体11を所定の経路に沿って送るためのローラや、長尺体11に適当なテンションを付与するテンションローラ等、複数のローラを備えている。
スペーサ20は、長手方向に延びる円筒形状の中空回転軸21と、該回転軸21の外周に着脱可能に取り付けられた円筒体24と、内側リング23と外側リング(下刃)22とを有する。円筒体24の外周面は鏡面に仕上げられており、テンションローラ等によって所定のテンションがかけられて連続的に送られる長尺体11がその全幅に亘って円筒体24の外周面に接触しても、長尺体11に擦り傷等が着かないようになっている。そして、円筒体24は回転軸21の回転に従って回転可能である。
本第一実施形態のスリッタ装置(スリッタ)10は上刃131と下刃122を協働回転させて長尺体11を切断する。切断する長尺体11としては金属箔、樹脂、紙等のシート状の製品である。
スペーサ120は切断幅を決める円筒体124と下刃(外側リング)122と面取りをした内側リング123とで構成されている。即ち、下刃122は円筒体124の端面と内側リング123の端面とで挟み付けられた状態で取り付けられ、回転軸121の回転に伴って回転する。
切断する長尺体11は回転するスペーサ120(円筒体124、外側リング122、内側リング123)上に案内され、上刃131と下刃122により切断(スリット)されて巻取り部(巻取りドラム)により引き取られ、所定の幅となる。
図示するように、外側リング22と内側リング23とを接触させて回転軸に装着すると、内側リングに設けた複数溝128は空気の流通孔1281となる。また、内側リングに設けた円周状の溝127は円周状の空隙1271となる。ジャイロ機構を備えた一部欠裁リング150は該空隙1271に回動自在に挿入され、かつ、空気の流通孔を閉塞するように構成されている。即ち、一部欠裁リング150は内側リングと外側リングとが回転軸の回転にしたがって回転するが、一部欠裁リング150はジャイロ機構を備えているために回転軸の回転に反して回動せず、そのため、空気流通孔1281の刃の噛み合い部分を除く周辺(下方部分)の流通孔1281を常に閉塞するように作用する。
本発明において、ジャイロ機構を備えた、とは一部欠裁リング150が内側リングと外側リングとが回転軸の回転にしたがって回転しても、一部欠裁リング150は回転軸の回転に反して回動しない、構成である。
一部欠裁リング150にジャイロ機構を備えさすには、一部欠裁リング150の底部に重心を置くように、低部の重量を重くする、等の構成でジャイロ機構を付与することができる。
また、一部欠裁リング150を空隙1271に回動自在に挿入することで常に姿勢を制御して空気流通孔1281の刃の噛み合い部分を除く周辺部を閉塞するが、一部欠裁リング150の姿勢制御をより確実にし、かつ、空気流通孔1281をより確実に閉塞するために、図5に示すようにベアリング151により接触抵抗を低減する構成とすることもでき、より効果的である。
中空回転軸121の表面に溝125を設けるのは長尺体11をスリットする幅を任意に変えるために内側リング123の位置と中空回転軸121に設ける貫通孔129との位置合わせを不要とするためで、貫通孔129は図示するように一定の間隔をあけて円周方向に設けることが好ましい。
また、図示するように回転軸121には(長尺の)溝125が円周方向に等間隔に4本設けられているが、装置の大きさ、スリットする材質等により、1本、又は4本以上と任意に選択することができ、軸121に穿設する貫通孔129の数も任意に選択することができる。
本第一実施形態のスリッタ装置10は上述したように上刃131と下刃122とが噛み合う部分の直下及び、遠心力方向を減圧吸引する。このため、上刃131と下刃122との噛み合い部分で長尺体11を切断(スリット)したときに発生する切り粉は、噛み合い部分の直下を減圧吸引する気流に伴われて内側リング123に設けた溝127,128から中空回転軸121に設けた溝125、貫通孔129を通って外部に搬出され、製品となる長尺体12に切り粉が付着するようなことがなくなる。
また、内側リングの複数の溝128の刃の噛み合い部分を除く大部分は一部欠裁リング150により閉塞されるので、減圧吸引する力は刃の噛み合い部分に集中し、切り粉をより確実に吸引除去することができる。
また、切り粉の除去は上下の刃の噛み合い部分を減圧とするだけであるため、製品に傷等をつける恐れもなく、品質の安定した長尺体として出荷することができる。
本第一実施形態のスリッタ装置10は内側リング123と中空回転軸121に溝あるいは貫通孔を設け、内側リングの円周状溝127にジャイロ機構を備えた一部欠裁リング150を挿入するだけであるため、従来の設備に多少の改良を加えるだけで実施することも可能である。
上述したように、第一実施形態のスリッタ装置10で、上刃131と下刃122との噛み合い部分で長尺体11を切断(スリット)したときに発生する切り粉は、噛み合い部分の直下を減圧吸引する気流に伴われて内側リング123に設けた溝127,128から中空回転軸121に設けた溝125、貫通孔129を通って外部に搬出され、製品となる長尺体12に切り粉が付着するようなことがなくなる。しかし、製品となる長尺体12の上表面(上刃側)に飛び出した切り粉を完全に除去することができない恐れもある。
なお、図6において下刃部分の吸引機構は前記した第一実施形態と同じであるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6において、上刃131はハウジング141により覆われている。ハウジング141は上刃131が下刃122と噛み合う近傍部分を除いて上刃131を覆っている。ハウジング141内は図示しない真空装置で真空に引かれ、上刃131が下刃122と噛み合う部分を減圧吸引する。
また、切り粉の除去は上下の刃の噛み合い部分を減圧とするだけであるため、製品に傷等をつける恐れもなく、品質の安定した長尺体として出荷することができる。
本第二実施形態のスリッタ装置100は、第一実施形態の装置10の上刃にハウジング141を設けることで実施可能であり、従来の設備に多少の改良と負荷を加えることで実施することが可能である。
なお、吸引された切り粉は真空装置の前方に設けられたフィルタにより捕獲される。
3 切断部
10 スリッタ装置
11 長尺体
12 長尺体
13 耳
20 スペーサ
21 中空回転軸
22 外側リング(下刃)
23 内側リング
24 円筒体
31 上刃
32 シャフト
100 スリッタ装置
120 スペーサ
121 中空回転軸
122 外側リング(下刃)
123 内側リング
124 円筒体
125 溝
127 円周状溝
128 放射線状溝
129 貫通孔
131 上刃
141 ハウジング
150 一部欠裁リング
151 ベアリング
1271 空隙
1281 空気流通孔
E 環状溝
Claims (3)
- 上刃と下刃からなる一対のスリッタ刃を噛み合わせ、該噛み合わせ部に長尺体を通過させて、長尺体を切断するスリッタ装置であって、
前記下刃は中空回転軸に装着され、該回転軸に装着の内側リングと円筒体間に前記下刃と上刃が噛み合う部分に上刃が入り込む隙間が設けられて狭持されており、
前記内側リングの下刃と対向する面に、前記回転軸に達する複数の吸引溝が設けられて、前記円筒体と内側リングとの間に回転軸に達する複数の空気流通孔が形成され、
前記内側リングの下刃と対向する面に、前記複数の吸引溝を連通する円周状の溝が設けられ、
該円周状溝にジャイロ機構を有する一部欠裁リングが挿入され、
前記ジャイロ機構を有する一部欠裁リングは前記複数の流通孔の刃の噛み合い部分を除く下方側に位置する流通孔を閉塞するように配置され、
前記吸引溝は前記中空回転軸に設けられた中空孔と導通し、中空回転軸の中空孔を通して上刃と下刃の噛み合い部分を減圧吸引し、
切り粉を除去するように構成したスリッタ装置。 - 上刃と下刃からなる一対のスリッタ刃を噛み合わせ、該噛み合わせ部に長尺体を通過させて、長尺体を切断するスリッタ装置であって、
前記上刃は該上刃と下刃との噛み合う部分を除いてハウジングで覆われ、該ハウジング内を減圧することで上刃と下刃の噛み合い部分を減圧吸引し、
前記下刃は中空回転軸に装着され、該回転軸に装着の内側リングと円筒体間に前記下刃と上刃が噛み合う部分に上刃が入り込む隙間が設けられて狭持されており、
前記内側リングの下刃と対向する面に、前記回転軸に達する複数の吸引溝が設けられて、前記円筒体と内側リングとの間に回転軸に達する複数の空気流通孔が形成され、
前記内側リングの下刃と対向する面に、前記複数の吸引溝を連通する円周状の溝が設けられ、
該円周状溝にジャイロ機構を有する一部欠裁リングが挿入され、
前記ジャイロ機構を有する一部欠裁リングは前記複数の流通孔の刃の噛み合い部分を除く下方側に位置する流通孔を閉塞するように配置され、
前記吸引溝は前記中空回転軸に設けられた中空孔と導通し、中空回転軸の中空孔を通して上刃と下刃の噛み合い部分を減圧吸引し、
切り粉を除去するように構成したスリッタ装置。 - 前記中空回転軸の外周面長手方向に1乃至数本の溝を設け、該溝から軸の中空部分に貫通する1乃至複数の貫通孔を設け、前記長手方向の溝が前記内側リングに設けた複数の吸引溝と導通している請求項1または2に記載のスリッタ装置。
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