JP4075008B2 - ロータリー型穿孔装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は切手、印紙などを製造するときに用いるロータリー型穿孔装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のロータリー穿孔装置においては特開昭53−27186号公報に記載されているように、パンチローラー(以下パンチシリンダーと云う)とダイ孔ローラー(以下ダイシリンダーと云う)をそれぞれ半円筒の2枚のシェルブロックを合わせて構成し(図10参照)、これらをそれぞれ分離可能とし、前記パンチシリンダーを構成するパンチ支持シェルブロックには所望位置にパンチ支持孔を穿ち、これらパンチ支持孔の内側を外側より大径とし、このパンチ支持孔を通過出来ないヘッドを持つピンパンチを前記シェルの内側より外方に向けて挿入し、各ピンパンチが抜け落ちないように、前記シェルの内側より適宜の支持手段で支えている(図9参照)。
前述のパンチシリンダーとダイシリンダーの各シェルブロックは多数のネジにより対応するシリンダーに着脱自在に固定されている。
これらのパンチシリンダーとダイシリンダーを前記ピンパンチが対応するダイ孔にそれぞれ挿入されるようにして、パンチシリンダーとダイシリンダーを歯車により1対1で回転するように組み付け、これらの間に紙帯を通し穿孔している。
【0003】
ところが、前記の従来技術の各シェルブロックはパンチシリンダー又はダイシリンダーのそれぞれ半周に相当するもので、比較的大きく、正確に取り付けるため数多くのネジでシリンダーにそれぞれ固定しており、各シェルの着脱、交換などの段取りに相当の時間を要する。殊に前記パンチシリンダーとダイシリンダーの双方を着脱するとなると、さらに長時間必要とし装置の稼働効率を低下する。
また前述のように、パンチシリンダーとダイシリンダーのシェルブロックは1対1で製造されているため、切手の大小に対応させたり、少数切手の組などにパターンの異なる穿孔となると、双方とも交換しなければならず、前記段取り時間は更に延長されるし、その労力負担も無視できない。また穿孔配列の異なるもの毎に多数のシェルブロックを用意しなければならず、装置の管理維持費が嵩む。
また一部のピンパンチやダイ孔が損傷したときにも全体の交換となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明はパンチを装備したダイシェルブロックとパンチ支持シェルブロックの位相を順次シフトさせて、切れ味を長期に維持し、又切れ味の保持のため、ダイシェルブロックの一時に補修するダイ孔の数を減殺し、補修費用の軽減を図り、また長方形切手であれば、切手サイズの大小、或いは記念切手など2枚乃至8枚程度の組み切手の穿孔も、単にピンパンチを必要な場所に植え替えるだけで、ダイシェルブロックを取り替えることなく、穿孔作業が出来るようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を達成するために、この特定発明は、切手、印紙などの境界部に小さな孔を格子状に列設するピンパンチ群を備えたパンチ支持シェルブロックを固定するパンチシリンダーとこれと対応するダイ孔を設けたダイシェルブロックを固定するダイシリンダーを備え、前記ダイシリンダーとパンチシリンダーはその駆動回転軸に固定された噛み合った一対の歯車によって駆動されるロータリー型穿孔装置において、
前記各ピンパンチの径及び各ダイ孔径は全て等しくしてあり、前記ピンパンチの縦横の前記ピンパンチのパターンと同一の配列パターンの格子状ダイ孔が、縦横方向に1切手の1/2までの間の任意の前記ピンパンチ間隔で、同一ダイシェルブロックに少なくとも更に一組穿孔してあり、
前記ダイシリンダーと前記パンチシリンダーは相対的に円周方向に少なくとも1歯車ピッチ乃至1切手長さの範囲内において任意にシフト固定自在に設けてあり、また前記ダイシェルブロックは全周を少なくとも2個に分割されダイシェルブロックよりなることを特徴とするロータリー型穿孔装置とする。
【0006】
また、前記の課題を達成するために前記のロータリー型穿孔装置において、前記パンチ支持シェルブロックの各パンチ支持孔はダイ孔と前記パンチ支持シェルブロックの各パンチ支持孔はダイ孔と同一配列パターンであって、これと同ピッチで穿孔してあり、それぞれピンパンチが植設、植え替え自在に設けてあることを特徴とする場合もある。
【0007】
また、前記の課題を達成するために前記のロータリー型穿孔装置において、前記ダイシリンダーと前記パンチシリンダーは相対的に軸方向にも1ダイ孔乃至1切手幅寸法移動固定自在に設けてあることを特徴とする場合もある。
また、前記の課題を達成するために前記のロータリー型穿孔装置において、前記ダイシェルブロック及びパンチ支持シェルブロックはそれぞれ強磁性体材料よりなり、これらと対応する前記シリンダーに固着する固着手段は磁性吸着型としてあることを特徴とする場合もある。
【0008】
【発明の作用】
請求項1記載の発明は前記の通り構成しているから、先ず、切手、印紙などの切取線位置に縦横に格子状に設けられているピンパンチ支持孔にそれぞれピンパンチを植設する。
【0009】
このように必要箇所に格子状に間隔を置いてピンパンチが植設されたパンチシリンダーをダイシリンダーと噛み合わせ、パンチシリンダー若しくはダイシリンダーの位相を調整して、一対の歯車が確実に噛み合うように調整し、歯車と回転軸若しくはシリンダーと回転軸を固定し、一方の回転軸を駆動したとき、確実に回転が他方の回転軸及びシリンダーに伝達される様にして運転し、一対のシリンダー間に印紙、切手などの模様が印刷してある紙帯を挿入して格子状の穿孔を順次行う。
【0010】
この状態で穿孔運転を或程度継続したならば、再びパンチシリンダーをダイシリンダーから外し、例えばダイシリンダーとその回転軸又は歯車との位相が自由に変更可能な状態にし、各ピンパンチが前回と1ダイ孔円周方向にシフトした位置に再びピンパンチとダイ孔を噛み合わせ、歯車も噛み合わせ、パンチシリンダーとその回転軸乃至歯車とを固定する。このようにして運転を再開する。このようにすると、少なくとも軸方向のダイ孔は全て新しい未使用のダイ孔となるから切れ味はすこぶるよい。
このようにしてピンパンチをダイ孔に順次シフトさせて使用すれば一対のシェルブロックの耐用期間が大幅に伸長される。
円周方向の孔列は前記のシフトでは変更されないから、この孔径のみ時々補正する。
【0011】
前記のシフト時にダイシリンダーの位相を変更するように説明したが、相対的なものであるから、パンチシリンダーの位相をダイシリンダーに対し変更し、そのパンチシリンダーの位相を回転軸乃至歯車に対して位相調整可能にしてあっても、この発明の実施の形態に含まれる。
【0012】
相隣の格子状の配列とは1切手の1/2切手長さまでの任意ダイ孔ピッチ、例えば2乃至7パンチピッチ離れているときは、ダイシェルブロックの強度は充分に保持される作用をなし、摩耗によりダイ孔径を補正乃至修正するときも、隣の列の孔群に殆ど悪影響を与えない作用をなす。
【0013】
請求項2記載の発明においては、前記の通り構成しているから、例えばこの装置において、円周方向に10枚又は20枚軸方向に10枚一組の切手群の切り取り孔列に相当してパンチ支持シェルブロックのピンパンチ支持孔にピンパンチをそれぞれ植設すれば、後は切れ味が減退した場合は順次ピンパンチの嵌合するダイ孔を円周方向にダイ孔位置に対応しシフトしてダイシリンダーとパンチシリンダーを噛み合わせて使用する。
円周方向の孔列は同じ孔列を使用するから、このだけの孔列については、切れ味が減殺したときは必要に応じて孔径の補正をする。このようにすれば切手一枚分の長さ順次シフトが終わるまでダイシリンダーの軸方向のダイ孔列においては切れ味が保持され、従来のダイシェルブロックより遙かに長期間の使用ができる。
前記のピンパンチの植え替え場所を同時に軸方向にもシフトして植え替えればダイ孔の孔径の補正作業は殆ど不要となる作用をなす。
【0014】
請求項3記載の発明においては、請求項1、2又は3記載の発明の作用は勿論のこと、前記ダイシリンダーと前記パンチシリンダーは相対的に軸方向にも最大1切手長さ移動固定自在に設けてあるから、ピンパンチとダイ孔の噛み合わせ位置をパンチシリンダーの縦横に同時にシフトさせると、大部分のダイシリンダーのダイ孔はシフト前には未使用のダイ孔となり、順次シフトすれば同じダイ孔が使用される機会は2度が限度となり、補正加工は全く乃至殆ど不要で、シフトのみの作業でよく、装置の稼働効率を向上させ、メンテナンス作業を簡便化させる作用をなす。
【0015】
請求項4記載の発明に於いては、前記の各引用する請求項記載の作用をする他、各シェルブロック(ダイシェルブロック及びパンチ支持シェルブロックを含む)が対応するシリンダーに対して、固定する固定手段が磁性吸着型であるから、これらの励磁、消磁で各シェルブロックが簡単に着脱交換出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1乃至図3に示すものであり、請求項1、2及び4記載の発明を含むものである。
符号10はダイシリンダーであり、図1においてはダイシリンダー10を構成するその両端のダイシリンダー端盤11a、11bにダイ回転軸12が貫通してキー止めして設けてあり、前記一対のダイシリンダー端盤11a、11b間に円周方向に2乃至3分割された各1/2又は1/3円筒のダイシェルブロック13が3箇着脱自在に取り付けて、ダイシリンダー10を構成している。このダイシェルブロック13は鋼、ステンレススチールなどの強磁性体により形成してある。
前記各ダイシェルブロック13には軸方向と円周方向に整然と並んで小さなダイ孔14が穿孔領域全面に切手切取線孔ピッチで穿設してあり、切手用の場合はダイ孔14の直径は例えば0.9mm、ピッチは1.5mmの条件で縦横に穿孔してある(図3下側の図参照)。
【0017】
20はダイシリンダー10の中に設けた固定手段であり、前記ダイシリンダー端盤11a及び11b若しくはこれと一体に設けた第1シリンダー枠(図6参照)15に固定した複数個の第1電磁石21よりなる。第1電磁石21群の第1リード線22はダイシリンダー10のダイ回転軸12に取り付けた第1電気スリップリング23及び第1電気刷子24を介して、このダイシリンダー10外の電源(図示していない)に接続され、各ダイシェルブロック13を単位として、ダイシリンダー10外より独立して励磁および消磁できるようにしてある(図2参照)。
25は抜き屑吸引排除装置であり、ダイシリンダー10内に設けてあり、後述のピンパンチ34と嵌合する部分に向けて開放した吸引箱26が設けられ、この一部に連なる吸引パイプ27は前記のダイ回転軸12の一方の中を通り外部の機枠28に固定してあり、後述のピンパンチ34によって打ち抜かれた抜き屑Cをダイシリンダー10外に排除するためのものである。この抜き屑吸引排除装置25も一例であり、前記の吸引箱26が無く、単にダイシリンダー10から吸引パイプ27で吸引するなど、その他これらの構造に限定されるものではない。
【0018】
30はパンチシリンダーであり、この表面に直接乃至第2シリンダー枠35を介して、ピンパンチ34を備えた2乃至3枚(図示のものは円周を3分割した3枚)のパンチ支持シェルブロック32が着脱自在の第2固定手段40によって、着脱自在に固定してある。この第2固定手段40も前述のダイシリンダー10のものと同様のパンチシリンダー30の一部乃至これと一体の第2シリンダー枠(図2及び図6参照)35に固定した複数個の第2電磁石41よりなる。第2電磁石41群の第2リード線42はパンチシリンダー30のパンチ回転軸37に取り付けた第2電気スリップリング43及び第2電気刷子44を介して、このパンチシリンダー30外の電源に接続され、各パンチ支持シェルブロック32を単位として、独立して励磁および消磁できるようにしてある。
前記ダイシェルブロック13が第1電磁石21群によって吸着される位置はダイ孔14の無い部分とし、抜き屑Cの排除に影響のないようにしてあるが、他方各パンチ支持シェルブロック32については、第2電磁石41群によって吸着される場所の制限は特にない。
前述のパンチ支持シェルブロック32の数は円周方向に正確に2乃至3等分割してある。円周方向の分割数は12個が限度とすることが好ましいが限定的な意味はない。
各ピンパンチ支持孔33には公知のものと同様の支持構造により、ピンパンチ34が着脱自在に支持可能としてある(図9参照)。
【0019】
例えば根元に拡大径根36を有するピンパンチ34を各パンチ支持シェルブロック32の内側から全ての場所のピンパンチ支持孔33に挿入して、各ピンパンチ34の先端部をそれぞれ外方に突出させ、各パンチ支持シェルブロック32の内側に、各ピンパンチ34が抜け落ちないように抜け止め円弧ブロック38を重ね、共にパンチシリンダー30に固定手段たる第2電磁石41群で固着する(図2参照)。
前述の第1固定手段20と第2固定手段40とは実質的に同一構造としてある。
【0020】
このようにして組み立てられたダイシリンダー10とパンチシリンダー30とを各ピンパンチ34がそれぞれダイ孔14に挿入されるように、ダイシリンダー10とパンチシリンダー30とを一対の1対1で噛み合う歯車45、46で連動させ、一方のダイ回転軸12を電動モーターで回転駆動する。前記抜き屑吸引排除装置25に減圧ポンプ、エジェクターなどの減圧源を接続し、この装置を運転し、ダイシリンダー10とパンチシリンダー30の間に、切手などの同一パターンが繰り返し印刷された紙帯Wを供給し、前記紙帯Wに切り取り用の孔列を順次穿孔する(図10参照)。
各ダイ孔14とピンパンチ34とによって、打ち抜かれた抜き屑Cは前記抜き屑吸引排除装置25によって、ダイシリンダー10内に吸引され更に吸引箱26より、減圧源によって外部に排出される(図2参照)。
【0021】
前述のダイシリンダー10とパンチシリンダー30との相対的な位相を円周方向にシフトするシフト装置50の例としては図4に示すものがある。
このシフト装置50はダイシリンダー10側とパンチシリンダー30側の何れか一方に設ける。図示の図4の例ではダイ回転軸12と歯車45の結合部に設けたものについて説明する。
ダイシリンダー10と固定されたダイ回転軸12には歯車45が滑り嵌合され、この歯車45の側面に前記ダイ回転軸12を握り締め及び弛緩可能な円筒状のチャック51がボルトなど適当な手段によって固定してあり、このチャック51には軸方向にスリット52が等角間隔に2乃至4個設けて、軸方向に伸びる抱持爪53が2乃至4個設けてあり、各抱持爪53の外面はテーパー面55形状としてあり、前記チャック51の外面に螺合する袋ナット54の内周面によって、前記各抱持爪53のテーパー面55を押圧してこれらを半径方向に撓ませて、ダイ回転軸12を締め付け、ダイ回転軸12の任意の位相に歯車45が固定弛緩可能に設けてある。ダイ回転軸12と前記歯車45との何れかの部材には目盛り56を設け、他の部材には矢印(図示してない)を設けてシフト位置が観測出来るようにしておくことが好ましい。
このシフト装置50はこの機構のものに限定されず、これと同効であれば他の機構であってもこの発明の実施の形態に含まれる。
【0022】
一部のピンパンチ34が損傷したときは、該当するパンチ支持シェルブロック32のみをパンチシリンダー30から外し、前記破損したパンチピン34のみを新しいパンチピン34と交換し、パンチシリンダー30に前記パンチ支持シェルブロック32を組み付け穿孔装置の運転を再開する。
【0023】
このようにして、ダイ孔14とピンパンチ34の噛み合いを順次シフトして使用する。この全てのシフトは切手1枚分移動する前に終え、ダイシェルブロック及びパンチ支持シェルブロックを外してダイシェルブロック13およびパンチ支持シェルブロック32を新しいものと交換する。
【0024】
実施の形態2
図5に示すものであり、請求項3記載の発明の実施形態である。実施の形態1と異なるところは、パンチシリンダー30がダイシリンダー10に対して軸方向にも相対的に移動可能としてあり、最大限切手の軸方向の幅相当まで移動可能にしてある。
従って、前記のダイシェルブロック13において、一つのダイシェルブロック13がダイシリンダー10の半周の場合は、通常サイズの切手が円周方向に11枚分穿孔可能にダイ孔14が穿孔してあり、他方のダイシェルブロック13まで連続して等間隔に穿孔してある(図3及び図5参照)。
【0025】
その他、パンチシリンダー30及びシフト装置50は袋ナット54を緩めれば、ダイシリンダー10はパンチシリンダー30に対して軸方向にも移動可能であり、その構造は実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
この形態においては、実施の形態1と同様にピンパンチ34とダイ孔14の噛み合いを円周方向に移動させるとき、同時にダイシリンダー30を軸方向にも移動させると、シフト毎に同一のダイ孔14にピンパンチ嵌合する数は極端に少なく、順次移動させれば、2度以上同じ孔に嵌合することは稀となり、前記シフト回数が切手の短辺に達するまでは無く、最も多く使用される切手の場合は、通常切手の短辺方向に並ぶ孔の数は13個であるから、12回のシフトまでは、ダイ孔14の孔径の補正作業が不要となる。
前述のこのシフト装置50はこの機構のものに限定されず、これと同効であれば他の機構であってもこの発明の実施の形態に含まれる。またシフト装置50を二つの機構に分け、一方は位相変更装置、他方は軸方向に移動調整装置としてもこの発明の実施形態に含まれる(図示してない)。特に実施形態1においてシフト装置は必ずしも軸方向に移動可能である必要はなく、単に位相変更装置でよい。
【0026】
実施の形態3
請求項3記載の発明の実施形態であり、図7に示すものである。前記2つの実施の形態と同様に、ダイシリンダー10のダイシェルブロック13のダイ孔14は他の実施の形態と同様に切り取り孔ピッチで縦横にダイ孔14が穿設してある。
パンチ支持シェルブロック32は他の実施の形態とは異なり、そのピンパンチ支持孔33はダイ孔14に全て対応してパンチ支持シェルブロック32に設けてある。
【0027】
この実施の形態には前述のシフト装置50は設けないこともある。
この形態においては、切手の大きさが通常の場合、若しくは大きい場合であっても、その大きさに対応して、ピンパンチ34をそのピンパンチ支持孔33に植設にすれば同じダイシェルブロック13及びパンチ支持シェルブロック32で穿孔加工ができる。また、切手の一組の枚数が極端に少ない例えば4枚一組、等の場合でも、その必要箇所のみにピンパンチ34を植設すれば同じダイシェルブロック13及びパンチ支持シェルブロック32によって穿孔加工が出来る。また、前述のように枚数の少ない組切手の穿孔を幾組も同一ダイシェルブロック13とパンチ支持シェルブロック32で穿孔できる。
その他、ダイ孔14とピンパンチ34の切れ味が若干減殺してきた場合は、パンチシリンダー30をダイシリンダー10から外し、更にパンチシリンダー30よりパンチ支持シェルブロック32を外して、ピンパンチ34の位置を一つ隣の位置に植え替える。
この場合も軸方向にも同時にシフトして植え替えれば、同一ダイ孔14との嵌合回数が少なく、切れ味の減殺は極端には起こらない。
【0028】
実施の形態4
図9に示すものである。実施の形態1と異なるところは、ダイ孔14が全面に縦横に設けて無く、ピンパンチの配列パターンPと同一の格子状パターンP1、P2のダイ孔14が1切手長さLの1/2長さまでの任意の切れ目部分のダイ孔14ピッチで例えば前記ピッチの2乃至4おきに、縦横に同一のダイシェルブロック13に更に数組穿孔してある。但し図9においては、順次3ピッチずつ縦横にずらした格子状パターンはそれぞれ一点鎖線で示した(図8参照)。
従って、ダイシェルブロックのダイ孔14の穿孔密度が実施の形態1より遙かに小さく、換言すれば、ダイ孔14は格子状パターンP1、P2交差する部分以外の大部分のダイ孔14は左右又は上下には接近しているが、他の方向は図9においては3乃至6ピッチ離れているから、その分ダイシェルブロック13が丈夫となり、ダイ孔14の孔径を補正するときにも、殆ど隣の孔に悪影響を及ぼさない。
【0029】
各実施の形態においては、ダイシリンダー10及びパンチシリンダー30を共にそれぞれのシェルブロックを直接それぞれ対応するダイシリンダー端盤11a、11b若しくはパンチシリンダー端盤31a、31bに組み付けるものを説明したが、各シリンダー外周面を格子形状のセグメント16で形成された円筒篭型の第1シリンダー枠15、第2シリンダー枠35で形成し、これに各ダイシェルブロック13又はパンチ支持シェルブロック32を支持する支持部19を軸方向桟18a、円周方向桟18bに設け、これに前記ダイシェルブロック13又はパンチ支持シェルブロック32を嵌め込んで、第1固定手段20、第2固定手段40としてビス若しくは磁性利用のダイシリンダー10の固定手段例えば第1電磁石21及びパンチシリンダー30に設けた第2電磁石41により、着脱自在にする場合もある。
前記第1電磁石21、第2電磁石41を使用する場合はそれぞれのダイ回転軸12、パンチ回転軸37に第1及び第2電気スリップリングを設け、機枠28に第1電気刷子24、第2電気刷子44を設けて、各ダイシェルブロック13又はパンチ支持シェルブロック32毎独立に着脱自在にしてある。
第1固定手段20、第2固定手段40は各実施の形態において、電磁型のものを説明したが、永久磁石型のものでもこの発明の実施の形態に含まれる。
【0030】
また第1固定手段20、第2固定手段40として第1電磁石21、第2電磁石41を用いる場合は電磁吸引状態で、別の機械的なロック装置が作動し、穿孔装置の運転中に停電などの不測の事態により、前記第1電磁石21、第2電磁石41が消磁してもシェルブロック13、パンチ支持シェルブロック32が外れない安全装置の付加、若しくは前記各シェルブロックは対応するシリンダーに圧接したとき、機械的に固定されるロック装置を設け、このロック装置を電磁的に解除する固定手段も、この発明の固定手段乃至電磁的固定手段の概念に含まれるものとする。
また各実施の形態において、ピンパンチ34及びダイ孔14の穿孔形状は全て円形のものに限定されず、四角、楕円、十文字、多角形、不定形などであっても全て同型であれば何ら影響はない。
【0031】
その他、図示の各図はピンパンチ34の数は図示の都合上少なく、且つ各ピンパンチ34はパンチシリンダー30に対して太く大きく誇張して記載してあるが、パンチシリンダーの直径は150乃至400mm、ピンパンチの太さは0.9mm、各ピンパンチ34はパンチシリンダー30からの突出寸法は1乃至3mm程度であり、シリンダーの軸方向の長さは切手が10枚又は20枚分並んで穿孔可能な寸法としてある。
【0032】
【発明の効果】
全ての請求項記載の発明においては、前記の通り構成し、作用をなすから、ダイシリンダーとパンチシリンダーのピンパンチの嵌合位置を順次シフトしていけば、大部分の嵌合は新規となり、ダイ孔の孔径補正の作業は一部のダイ孔に限定され、メンテナンス作業が軽減される効果を奏する。
更に、ダイシリンダーとパンチシリンダーを単に順次位相を替えることに依って、大部分のピンパンチは未使用のダイ孔と嵌合し、切れ味は回復し、しかも穿孔孔数は前回と全く同一に出来る効果を奏する。
【0033】
各配列孔の間隔がダイ孔のピッチの整数倍離れているときはダイシェルブロックが丈夫になり、従来のダイシェルブロックと遜色無く、ダイ孔の孔径の補修時に隣のダイ孔に悪影響を及ぼす度合いが遙かに少ない効果を奏する。
請求項2記載の発明においては、請求項1記載の発明の効果の他に、各ピンパンチ支持孔もダイ孔同様に全域に縦横にも受けてあるから、ピンパンチの植え替えによって、異なるダイ孔との嵌合が可能となるし、またピンパンチ支持孔の変更により、特定のピンパンチ支持孔の摩耗や変形が軽減される効果を奏する。
従って、シフト装置50は必ずしも必要としない。
【0034】
請求項3項記載の発明は請求項1又は2記載の発明の効果に加え、前記の通り構成し作用を成すから、ダイ孔の径寸法の補正メンテナンスは全く乃至殆ど不要となり、メンテナンス作業が著しく軽減されこれらダイシェルブロック及びパンチ支持シェルブロックの耐用年数を著しく伸長する。
請求項4記載の発明においては、各シェルブロックの着脱交換が殆どワンタッチで行え、簡単で段取り時間の短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の斜視図である。
【図2】図1の一部縦断正面図である。
【図3】実施の形態2のダイシェルブロックとパンチ支持シェルブロックの展開平面図である。
【図4】シフト装置の一例を示す縦断面図である。
【図5】軸方向シフトに状態を示すダイシリンダーとパンチシリンダーの正面図である。
【図6】シリンダー枠の斜視図である。
【図7】実施形態3のダイシェルブロックとパンチシェルブロックの一部展開平面図である。
【図8】実施の形態4のダイシェルブロックとパンチ支持シェルブロックの一例を示すそれぞれ一部の拡大展開平面図である。
【図9】一対のダイシェルブロックとパンチシェルブロックの一部縦断側面図である。
【図10】従来の装置の概略側面図である。
【符号の説明】
10 ダイシリンダー
11a、11b ダイシリンダー端盤
12 ダイ回転軸
13 ダイシェルブロック
14 ダイ孔
15 第1シリンダー枠
16 セグメント
17 両端
18a 軸方向桟
18b 円周方向桟
19 支持部
20 第1固定手段
21 第1電磁石
22 第1リード線
23 第1電気スリップリング
24 第1電気刷子
25 抜き屑吸引排除装置
26 吸引箱
27 吸引パイプ
C 抜き屑
30 パンチシリンダー
31a、31b パンチシリンダー端盤
32 パンチ支持シェルブロック
32a 円弧支えブロック
33 ピンパンチ支持孔
34 ピンパンチ
34a 拡大径根
35 第2シリンダー枠
37 パンチ回転軸
40 第2固定手段
41 第2電磁石
42 第2リード線
43 第2電気スリップリング
44 第2電気刷子
45、46 歯車
P1、P2 配列パターン

Claims (4)

  1. 切手、印紙などの境界部に小さな孔を格子状に列設するピンパンチ群を備えたパンチ支持シェルブロックを固定するパンチシリンダーとこれと対応するダイ孔を設けたダイシェルブロックを固定するダイシリンダーを備え、前記ダイシリンダーとパンチシリンダーはその駆動回転軸に固定された噛み合った一対の歯車によって駆動されるロータリー型穿孔装置において、
    前記各ピンパンチの径及び各ダイ孔径は全て等しくしてあり、前記ピンパンチの縦横の前記ピンパンチのパターンと同一の配列パターンの格子状ダイ孔が、縦横方向に1切手の1/2までの間の任意の前記ピンパンチ間隔で、同一ダイシェルブロックに少なくとも更に一組穿孔してあり、
    前記ダイシリンダーと前記パンチシリンダーは相対的に円周方向に少なくとも1歯車ピッチ乃至1切手長さの範囲内において任意にシフト固定自在に設けてあり、また前記ダイシェルブロックは全周を少なくとも2個に分割されダイシェルブロックよりなることを特徴とするロータリー型穿孔装置。
  2. 前記パンチ支持シェルブロックの各パンチ支持孔はダイ孔と同一配列パターンであって、これと同ピッチで穿孔してあり、それぞれピンパンチが植設、植え替え自在に設けてあることを特徴とする請求項1記載のロータリー型穿孔装置。
  3. 前記ダイシリンダーと前記パンチシリンダーは相対的に軸方向にも1ダイ孔乃至1切手の幅寸法移動固定自在に設けてあることを特徴とする請求項1又は2記載のロータリー型穿孔装置。
  4. 前記ダイシェルブロック及びパンチ支持シェルブロックはそれぞれ強磁性体材料よりなり、これらと対応する前記シリンダーに固着する固着手段は磁性吸着型としてあることを特徴とする請求項1、2又は3記載のロータリー型穿孔装置。
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