JP6573251B2 - 孔開け装置 - Google Patents
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Description
ドリルがワークを貫通する際、受け部材の孔とドリルとの隙間には、ワークを構成する材料の一部が押し出される。このため、ワークに形成された孔の開口縁には、受け部材側に向かって突出するようにバリが発生する。
また、バリの発生を抑制するためには、受け部材の孔が所定の大きさに広がる前に受け部材を交換することが考えられる。しかしながら、受け部材を頻繁に交換すると、交換の度に孔開け加工を中断しなければならず、製造効率が低下する。したがって、従来の孔開け装置にあっては、製造効率の低下を抑制しつつ、バリの発生を防止するという点で課題がある。
本発明によれば、ワークの孔開け時に、シート状の介在部材が受け部材とワークとの間に挟み込まれるため、ワークの受け部材側の開口縁を介在部材により覆うことができる。
これにより、ドリルがワークを貫通する際に、ワークを構成する材料が介在部材と接触し、ワークの受け部材側の開口縁から受け部材の孔とドリルとの隙間に押し出されることを防止できる。よって、ワークの孔開け時に、受け部材の孔径が所定の大きさに広がっても、受け部材を交換することなくワークの受け部材側の開口縁にバリが発生することを抑制できる。しかも、介在部材はシート状なので、搬送が容易であることから、未使用の介在部材を受け部材とワークとの間へ容易に導入できる。このため、バリの発生を抑制するために受け部材を交換する場合と比較して、容易にバリの発生を抑制できる。したがって、製造効率に優れ、かつバリの発生を抑制できる孔開け装置とすることができる。
本発明によれば、介在部材は帯状に形成されているため、介在部材を受け部材とワークとの間で走行させることができる。介在部材を走行させることで、介在部材の使用済みの部分を受け部材とワークとの間から外方へ移動させるとともに、受け部材とワークとの間に介在部材の未使用の部分を導入して挟み込ませることができる。したがって、孔開け加工を中断することなく受け部材とワークとの間に介在部材の未使用の部分を導入でき、製造効率の低下を抑制できる。
本発明によれば、孔開け装置は、受け部材に対して着脱自在な介在部材保持ユニットを備えるため、第1リールおよび第2リールに巻回された介在部材の使用後、第1リールおよび第2リールを介在部材保持ユニットごとまとめて交換することができる。したがって、孔開け加工を中断する時間を短縮することでき、製造効率の低下を抑制できる。
本発明によれば、介在部材保持ユニットが受け部材と一体に移動するため、介在部材が受け部材の移動に伴って第1リールおよび第2リールから引き出されて弛むことを防止できる。このため、例えば介在部材が弛んだ状態で受け部材とワークとの間に挟み込まれて、受け部材がワークを適切に押圧できない等の不具合が発生することを防止できる。したがって、ワークの孔開け加工を精密に行うことが可能となる。
本発明によれば、駆動源により第1リールを回転駆動させて、第2リールに巻回された介在部材を第1リールに巻き取らせるため、受け部材とワークとの間に位置する介在部材の走行を自動で容易に行うことができる。しかも、孔開け装置は、第2リールの回転に負荷を付与する抵抗付与手段を備えるため、第1リールの回転により第2リールから介在部材が引き出される際に、慣性力により第2リールが必要以上に回転して、第2リールから引き出された介在部材に弛みが生じることを防止できる。したがって、製造効率が向上するとともに、ワークの孔開け加工を精密に行うことが可能となる。
本発明によれば、第1リールおよび第2リールは、受け部材のドリル保持部側の面を挟んでドリル保持部とは反対側に配置されているので、第1リールおよび第2リールの配置位置を、ワークへの接触を考慮することなく設定できる。このため、例えば第1リールおよび第2リールを互いに接近して配置させる等して、介在部材保持ユニットを小型化することができる。
図1は、本実施形態に係る孔開け装置の斜視図である。なお、孔開け装置は、水平の設置面に載置された状態で使用される。また、図中において、矢印UPが指向する方向は、鉛直上方と一致している。
筐体2は、直方体状に形成されている。筐体2の上面には、ワークWが水平方向に沿って載置されるワークテーブル5と、ワークテーブル5上に載置されたワークWを前後方向に沿って移動させるワーク移動機構(不図示)と、が配設されている。図1において、筐体2を上下方向から見たときの長手方向に沿う方向を左右方向と定義して矢印LHを付すとともに、矢印LHが指向する方向を左方と定義して以下説明する。また、図1において、筐体2を上下方向から見たときの短手方向に沿う方向を前後方向と定義して矢印FRを付すとともに、矢印FRが指向する方向を前方と定義して以下説明する。
図2に示すように、加工部10は、架台11と、架台11に対して上下方向に沿って移動可能に支持されたスピンドル部12と、スピンドル部12を上下方向に沿って移動させるスピンドル移動機構(不図示)と、を備えている。スピンドル部12は、ドリルDを回転可能に保持している。スピンドル部12の下端部には、スピンドル部12およびドリルDを覆う箱状の押さえ部材13が取り付けられている。押さえ部材13は、スピンドル部12の外周面を摺動することで、スピンドル部12に対して上下方向に移動可能とされている。押さえ部材13は、不図示の付勢部材等により、スピンドル部12に対して下方に付勢されている。押さえ部材13の下端部には、ドリルDと同軸のドリル孔13aが形成されている。ドリルDを回転駆動させた状態でスピンドル部12をスピンドル移動機構により下方に移動させると、ドリルDはドリル孔13aを通じて、ワークテーブル5上に載置されたワークWに孔を開ける。この際、スピンドル部12に対して下方に付勢された押さえ部材13がワークWに上方から当接して、ワークWを上方から下方に向けて押圧する。
図3は、押圧ユニットの斜視図である。図4は、押圧ユニットの分解斜視図である。なお、以下の図面では、わかりやすくするために後述するシートSの一部を二点鎖線で示している。
図3および図4に示すように、押圧ユニット20は、ドリルブッシュ支持ユニット21と、シート保持ユニット22(請求項の「介在部材保持ユニット」に相当。)と、を有している。
ベース部材23は、前後方向に長い直方体状に形成されている。ベース部材23の前後両端部には、ベース部材23を上下方向に貫通する一対のガイド軸挿通孔24が形成されている。ガイド軸挿通孔24には、ガイド軸6が挿通されている(図2参照)。ベース部材23は、上下方向に移動自在に支持されている。また、ベース部材23の下面には、左右方向視矩形枠状の係止ブロック26が取り付けられている。係止ブロック26の内側には、不図示の押圧ユニット移動機構が係止される。押圧ユニット移動機構は、例えばエアシリンダ等であり、ガイド軸6により上下方向に移動自在に支持されたベース部材23を上下方向に移動させることが可能となっている。
図5に示すように、ドリルブッシュ支持筒38は、円筒状に形成されている。ドリルブッシュ支持筒38は、ドリルブッシュ支持部32の上端開口部内に気密に嵌合されている。ドリルブッシュ支持筒38の内周面は、上端部において段差部38aを挟んで拡径している。ドリルブッシュ支持筒38の上下方向の中央部には、外方に向かって延びるフランジ38bが設けられている。フランジ38bは、ドリルブッシュ支持部32の上端縁に当接している。図4に示すように、ドリルブッシュ支持筒38の上端縁には、下方に向かって切り込まれたスリット38cが、等間隔に4個形成されている。スリット38cの下端縁の上下方向における位置は、段差部38aと略一致している。ドリルブッシュ支持筒38は、ドリルブッシュ支持部32の筒部33に前方から螺入されたネジ36により、筒部33に対して固定されている。
ドリルブッシュ40の上下方向における寸法は、ドリルブッシュ支持筒38の上端縁から段差部38aまでの距離よりも大きくなっている。このため、ドリルブッシュ40の上面40aは、ドリルブッシュ支持筒38の上端縁から突出している。また、図4に示すように、上下方向視において、ドリルブッシュ40の対角線の長さ寸法は、ドリルブッシュ支持筒38の上端部における内径よりも僅かに大きくなっている。上下方向視におけるドリルブッシュ40の角部は、ドリルブッシュ支持筒38のスリット38cに係合されている。これにより、ドリルブッシュ40のドリルブッシュ支持筒38からの脱落が防止されている。
図2に示すように、ドリルブッシュ40は、スピンドル部12に対向して配置されている。ドリルブッシュ40は、ワークWの孔開け時にワークWをスピンドル部12側に向かって押圧する。
図6に示すように、ベース部材23における左方の突設板28Bよりも後方には、L字状の円管部材42が取り付けられている。円管部材42は、ベース部材23の左側面から左方に向かって延び、後方に向かって屈曲している。円管部材42の後端部には、例えばホース等の吸気菅8が接続され、不図示のポンプ等により円管部材42の内部が吸気される。
シート保持ユニット22は、ベースプレート45と、シート収容リール61(請求項の「第2リール」に相当。)と、シート回収リール62(請求項の「第1リール」に相当。)と、ガイド部材50と、を有する。
左板部45bは、前後方向視で左方の突設板28Bと略同一の矩形状に形成されている。左板部45bには、左方の突設板28Bに設けられたピン28bが挿通される貫通孔45eが形成されている。左板部45bは、左方の突設板28Bの前面に沿うように配置されている。
まず、孔開け装置1の動作について説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図2から図6を参照されたい。また、以下の説明では、ワークWとしてプリント基板を例に挙げて説明する。
孔開け装置1がワークWの孔開け加工を行う際には、まず不図示のワーク移動機構および架台移動機構により、ドリルDをワークWに対する所定位置の上方に移動させる。この際、不図示のX線カメラ等を用いてワークWの回路の形成パターンを撮像し、孔開け加工を行う位置を精密に測定してもよい。
例えば、上記実施形態においては、シートSが帯状に形成され、ドリルブッシュ40とワークWとの間を走行するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、シートは短冊状に形成され、カセット等からドリルブッシュ40とワークWとの間に適宜供給される構成であってもよい。
Claims (6)
- ワークに孔を開けるドリルと、
前記ドリルを回転可能に保持するドリル保持部と、
前記ドリル保持部に対向して配置され、前記ワークの孔開け時に前記ワークを前記ドリル保持部側に向かって押圧する受け部材と、
前記ワークの孔開け時に、前記受け部材と前記ワークとの間に挟み込まれるシート状の介在部材と、
前記ワークの孔開け時に、前記ワークを前記受け部材側に向かって押圧する押さえ部材と、を備え、
前記受け部材は、前記ワークの孔開け時に生じた前記ワーク、前記介在部材及び前記受け部材からの切削屑を吸引する受け部材支持部に支持され、前記ドリルによって孔が開けられることを特徴とする孔開け装置。 - 前記介在部材は、帯状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の孔開け装置。 - 前記介在部材が巻回可能とされ、前記介在部材の一端部が接続される第1リールと、
前記介在部材が巻回可能とされ、前記介在部材の他端部が接続される第2リールと、
を有する介在部材保持ユニットを備え、
前記介在部材保持ユニットは、前記受け部材に対して着脱自在に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の孔開け装置。 - 前記介在部材保持ユニットは、前記受け部材と一体に移動する、
ことを特徴とする請求項3に記載の孔開け装置。 - 前記第1リールを回転駆動させて、前記第2リールに巻回された前記介在部材を前記第1リールに巻き取らせる駆動源と、
前記第2リールの回転に負荷を付与する抵抗付与手段と、
を備える、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の孔開け装置。 - 前記第1リールおよび前記第2リールは、前記受け部材の前記ドリル保持部側の面を挟んで前記ドリル保持部とは反対側に配置されている、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の孔開け装置。
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