JP4903252B2 - 細胞培養装置 - Google Patents
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Description
1個または複数個の凹部を有して、そこへ1個または複数個の培養容器を並べて収納することのできる培養容器セットを提供する。培養容器セットにはスペースの効率から、マトリックス型にm×n(行×列)個の培養容器をセットできるようになっている。培養容器セットには奥行き方向、幅方向それぞれにバネ型固定具が設置されており、この2つのバネ型固定具で培養容器側面を押し付けて培養容器セットに固定させ、また着脱可能にする。培養容器においてはその上面から培養液を内部へ供給・排出することができる孔を有する構成になっており、流路とその培養容器の孔を接続するための継ぎ手を有するマニピュレータを提供する。
図1は、本発明の実施形態による細胞培養装置1の概略構成を示す図であり、特に複数枚の培養容器10へ注液する培養室14内部の送液システム全体を表している。
細胞培養装置1は、培養室14と、培養室14内に細胞入り培養液15を投入するためのエアロック室16と、廃液25を回収するための廃液容器24と、を備えている。エアロック室16は、外部扉161及び内部扉162を備え、細胞入り培養液15を投入する際に培養室14内が汚染されないようになっている。また、細胞培養装置1は、培養室14内に、複数の培養容器10を収容する培養容器セット20と、各培養容器10について培養液15や洗浄液等を注液及び廃液するための継ぎ手30と、培養液15の流れを切り替えるための多方弁40と、継ぎ手30と多方弁40との間に設けられた流路31(複数のチューブ42で構成されている)と、希釈用培養液181を収容する培養液容器18と、エアロック室16と培養液容器18とに接続され、細胞入り培養液15を希釈するためのタンク19と、細胞入り培養液15をタンク19に移動するためのポンプ17と、培養容器10の廃液口から出てくる液を感知する液面センサ104と、チューブ42を閉じるための電磁弁105と、液面センサ104の感知結果によって電磁弁105を制御するための制御装置106と、を備えている。
図2は、本実施形態による培養容器10と培養容器セット20との接続を表した概略図である。
図2に示されるように、培養容器セット20は1つもしくは複数の凹部21を有しており、そこに培養容器10がセットされる。その際、各培養容器10は、凹部21内にある2個のバネ型固定具22を使用して培養容器側面13をP方向(図2参照)に押し付けて、凹部21に固定される。バネ型固定具22は培養容器セット20の凹部21の底面、もしくは側面に固定されている。また、バネ型固定具22はお互い垂直方向に設置されており、培養時に高湿度環境内でさびないようにステンレスのような強度を有する素材を使用する。凹部21に培養容器10をセットすると、培養容器側面13をバネ型固定具22が2方向の力で押す(合成されてP方向の力となる)ことにより、培養容器10をセットした際の培養容器10の水平方向の位置精度を高めることができる。さらに、それにより培養容器側面13全てに力がかかり、外力などが加わった際に垂直方向への移動や、培養容器10が培養容器セット20から外れることを防止できる。培養容器10の取り外しのために培養容器セット20にある取り外し穴23を使用する。
図3A乃至Dは、継ぎ手30と培養容器セット20の接続に関する動作を示す概略図であり、それらを用いて、培養容器セット20の培養容器10へ注液するための継ぎ手30を有するマニピュレータ32の構成と、それによる培養容器セット20と継ぎ手30の接続の一連の動作について説明する。
次に、培養容器セット20に設置した複数枚の培養容器10へ培養液の注入するための流路構成について説明する。最初に最も基本的な直列型、並列型についてそれぞれの長所と短所について検討する。
図4Aに示されるように、継ぎ手30に接続した培養容器セット20を矢印37の方向に回転して鉛直方向に立てたときに、水平に並ぶ培養容器10の下側の接続穴12を注液口121、上側の接続穴12を廃液口122として、並列に処理できる構成にしている。つまり、図4Bに示されるように、10−1、10−2、10−3のそれぞれのグループ単位で、並列処理されるようになっている。
続いて、図1に戻り、その部分並列型の流路31を実現する全体の流路を有する注液・廃液システムにおける培養液の流について説明する。
図5乃至7を用いて、多方弁40の構成について説明する。本実施形態における多方弁40は、1ポートの入口及び9ポートの出口を有している。また、培養容器セット20は、縦3枚及び横3枚で計9枚の培養容器10をセットできる構成とする。なお、多方弁40においては、同じ方式で最大20ポートまで増やすことができる。
本発明では、以上説明した送液動作を、コンピュータプログラムを用いて実現することができる。図8は、本発明の実施形態による送液システム全体においてコンピュータ制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。図8における各ブロックはバス100によって接続されている。図9は、送液システムの動作を説明するためのフローチャートである。
に示すフローチャートによる動作の制御主体となるものである。つまり、CPU101は、システムの動作開始によりROM102に格納されている図9のフローチャートに基づく制御プログラムを読み出し、RAM103上に展開し、システム全体を制御する。なお、制御装置106の動作をCPU101に実行させることも可能である。
本発明の実施形態による流路構造においては、水平方向で等しい高さにある培養容器全てに一つの電磁弁を割り当て、ブロック単位で、その電磁弁のON、OFF制御をすることで等量の液を同時に送液する。これにより、複数個のカートリッジへ同時に送液することができる。よって、流路システム全体の効率化と送液時間の短縮を図ることができ、それにより温度や水圧による外力など細胞に与えるダメージを最小限に抑えることができる。
Claims (12)
- 培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養装置であって、
液体を収める液体容器と、
液体導入口及び液体取出口を各々備えた複数の培養容器を保持する培養容器セットと、
前記培養容器セットに保持された前記複数の培養容器の前記液体導入口に前記液体容器に収められた前記液体を導入し、前記複数の培養容器の前記液体取出口から前記液体を排出する、液体導入排出手段と、
前記複数の液体導入口及び前記複数の液体取出口と、前記液体導入排出手段とを接続する接続部材と、
前記培養容器セットを保持する培養セット保持部と、
前記培養容器セット保持部に接続され、第一の回転軸を有する姿勢変更手段と、
を備え、
前記培養容器セットは、m×n個(mは2以上の整数、nは2以上の整数)の培養容器を保持することが可能であり、
前記姿勢変更手段により前記培養容器セットが姿勢変更したときに、k段目(kは1≦k≦nの整数)にあるm個の培養容器において、前記液体導入排出手段による送液の圧力が前記複数の液体導入口においてそれぞれ同一であることを特徴とする細胞培養装置。 - 前記接続部材は第二の回転軸を有し、
前記姿勢変更手段は、前記第一の回転軸と、前記第二の回転軸が同一軸上に重なるように接続させる接続部材を有することを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。 - 前記接続部材は、前記姿勢変更手段に設けられた接続溝であることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。
- 前記接続部材は、当該接続部材内に前記第二の回転軸が存在することを検知するための検知手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の細胞培養装置。
- 前記状態変更手段は、前記液体導入排出手段の動作時に、前記培養容器セットをその中心線を回転軸として水平状態から垂直状態に姿勢変更させ、
前記培養容器セットが垂直状態にあるとき、前記複数の液体取出口と前記複数の液体導入口とは鉛直方向に間隔を隔てて配置されることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。 - 前記培養容器セットが垂直状態にあるとき、k段目にある前記m個の培養容器において、前記液体導入排出手段による排液の圧力が前記複数の取出口においてそれぞれ同一であることを特徴とする請求項5に記載の細胞培養装置。
- 前記培養容器セットが垂直状態にあるとき、前記k段目にある前記m個の培養容器の前記複数の液体導入口、及び前記複数の取出口は、それぞれ同一の高さにあることを特徴とする請求項6に記載の細胞培養装置。
- 前記液体導入排出手段は、複数の送液及び排液用の流路を有し、
前記複数の送液及び排液用の流路の断面積はそれぞれ等しく、
前記k段目の前記流路の長さは互いに等しいことを特徴とする請求項7に記載の細胞培養装置。 - 前記接続部材を構成する複数の流路の断面積はそれぞれ等しいことを特徴とする請求項8に記載の細胞培養装置。
- さらに、前記液体導入排出手段による前記複数の培養容器への送液動作を、前記k段目のm個の培養容器毎に切り換えるスイッチ手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。
- さらに、前記液体導入排出手段によって液体が導入されたm個の培養容器の取出口からの液体の排出を検知するセンサを備え、
前記センサが前記液体の排出を検知した場合に、前記スイッチ手段は、次の段のm個の培養容器へ送液するように前記液体導入排出手段の動作を切り換えることを特徴とする請求項10に記載の細胞培養装置。 - さらに、前記液体導入排出手段が予定量の液体を前記複数の培養容器に送液した場合、前記センサが全ての培養容器の取出口からの前記液体の排出を検知したか否かを判断し、全ての取出口からの前記液体の排出を検知していないときに、警告を発生する制御手段を備えることを特徴とする請求項11に記載の細胞培養装置。
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