JP4902504B2 - 布基礎補強構造及び布基礎補強構造の施工方法並びに補強金物 - Google Patents

布基礎補強構造及び布基礎補強構造の施工方法並びに補強金物 Download PDF

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本発明は、布基礎補強構造及び布基礎補強構造の施工方法並びに補強金物に関し、更に詳しくは、布基礎構造の建物にスラブ部を設置するとともに、既設立ち上がり部の建物内部側の側面に複数の凹部を形成して布基礎を補強する布基礎補強構造及び布基礎補強構造の施工方法並びに布基礎補強構造に用いる補強金物に関するものである。
最近の建物の布基礎は、フーチングである底盤から立ち上がりこのフーチングとともに断面視逆T字形状をなす鉄筋コンクリート(以下、RCという。)構造の布基礎として施工されることが多く、地震や地盤沈下に対して所定の強度を有する構造になっている。しかし、RC基礎として施工すべき旨が法規で定められた昭和56年より以前の建物については、無筋コンクリート構造の布基礎が多い。したがって、このような無筋コンクリートの布基礎については、何らかの補強を行う必要がある。そこで、従来は、例えば、既存の無筋コンクリートの布基礎の横にRC構造の新たな基礎を打ち、あと施工アンカーで両者を連結して補強を行っていた(非特許文献1参照)。
平成17年国土交通省告示第566号第2 インターネット 〈URL:http://www.builder-net.com/regulation/easing_regulations/index.html〉
しかしながら、従来例では、立ち上がりが低い場合には、既設基礎の底盤の一部を壊してからRCを打設して補強する必要があった。また、あと施工アンカーで既設基礎と新設基礎とを連結して、地震に起因する剪断力に対抗しているが、より一層の耐震性能向上が望まれている。
そこで、本発明は、既設基礎の底盤の一部を壊すことなくRCを打設して補強できるとともに、既設基礎と新設基礎との間における剪断耐力を強化させ、耐震性を向上できる布基礎補強構造を提供することを課題とする。また、新たな布基礎補強構造を提供するにあたり、当該布基礎補強構造の施工過程において、作業工数を削減できるとともに、工期短縮が可能な施工方法を提供することを課題とする。さらに、当該布基礎補強構造に用いる補強金物を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、請求項1に記載の布基礎補強構造は、既設フーチング部とこの既設フーチング部から立ち上がる既設立ち上がり部とからなる既設建物の布基礎を補強する布基礎補強構造であって、前記布基礎によって囲われた領域に敷設された鉄筋コンクリート製のスラブ部と、前記スラブ部の周縁から前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に沿って立ち上がる鉄筋コンクリート製の新設立ち上がり部と、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に突設され、前記既設立ち上がり部と前記新設立ち上がり部とを連結するあと施工アンカーと、を備え、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に複数の凹部が形成され、前記凹部には、中空部材が挿入されており、前記中空部材の一端側は、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面から突出しているとともに、前記中空部材の内部に前記新設立ち上がり部の一部が充填されていることを特徴とする。
請求項1に記載の布基礎補強構造によれば、鉄筋コンクリート製のスラブ部が設置されるため、面全体で建物を支えることとなり、地盤の荷重負担が軽減するとともに、基礎全体の剛性も高まる。また、既設建物の布基礎の一部を壊すことなく補強できるので、既設建物の布基礎を痛めることがない。また、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部とをあと施工アンカーで連結するとともに、既設立ち上がり部の建物内部側の側面に複数の凹部を形成し、凹部内に新設立ち上がり部の一部が充填されているため、既設立ち上がり部の荷重が新設立ち上がり部に伝達し易くなる。換言すれば、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部との間における剪断耐力が強化されることとなる。したがって、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部とが一体となって地震力に対抗するので、耐震性が向上する。
また、請求項に記載の発明によれば、既設立ち上がり部に形成された凹部に中空部材を挿入するとともに、中空部材の一端が既設立ち上がり部の建物内部側の側面から突出し、新設立ち上がり部の一部が中空部材の内部に充填されているので、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部との間における剪断耐力がさらに強化されることとなる。したがって、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部とがさらに一体となって地震力に対抗することができ、耐震性が一層向上する。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の布基礎補強構造において、前記あと施工アンカーは、前記凹部の底面に固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、凹部の内部にあと施工アンカーが設置されるので、あと施工アンカーによって凹部内のコンクリートが補強されるため、剪断耐力がさらに強化されることとなる。以上より、既設立ち上がり部と新設立ち上がり部とがさらに一体となって地震力に対抗することができ、耐震性が一層向上する。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の布基礎補強構造の施工方法であって、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に前記凹部を形成する工程と、前記凹部を形成する前又は後に前記あと施工アンカーを前記既設立ち上がり部に設置する工程と、前記あと施工アンカーの設置後に、前記あと施工アンカーを支えにして、前記スラブ部及び前記新設立ち上がり部の内部に配置するための鉄筋を設置する工程と、前記新設立ち上がり部の建物内部側の側面に対応する位置に浮き型枠を設置する工程と、前記布基礎に囲われた領域にコンクリートを打設して前記スラブ部を形成するとともに、前記既設立ち上がり部と前記浮き型枠との間にコンクリートを打設して前記新設立ち上がり部を形成する工程と、を含み、前記凹部を形成する工程において、前記凹部を穿設するための凹部穿設用回転刃と、この凹部穿設用回転刃の回転中心に突設され、あと施工アンカー孔を穿設するためのあと施工アンカー孔用回転刃と、を備える切削工具を用いて、前記あと施工アンカー孔と前記凹部とを同時に形成することを特徴とする布基礎補強構造の施工方法に関する。
請求項に記載の発明によれば、浮き型枠を設置することにより、スラブ部と新設立ち上がり部とを同時に打設することが可能となる。したがって、通常なら、スラブ部を数日間養生させてから新設立ち上がり部を打設するところ、同時に打設することができるため、工期短縮が可能となる。
また、請求項に記載の発明によれば、凹部とあと施工アンカー孔とを同時に穿設する切削工具を用いるため、凹部及びあと施工アンカー孔の形成作業を1度に済ませることができる。したがって、作業工数を削減でき、且つ工期短縮が可能となる。
請求項に記載の発明は、既設建物の布基礎の少なくとも一部を構成する既設立ち上がり部と、前記既設立ち上がり部の建物内部側に沿って設けられ、前記既設立ち上がり部を補強する新設立ち上がり部と、前記既設立ち上がり部の上に設置された前記既設建物の土台と、前記土台の上に立設された前記既設建物の柱と、前記土台の上面に固定される土台側固定部とこの土台側固定部の柱側端部から前記柱の側面に沿って延出して前記柱の側面に固定される柱側固定部とを有するホールダウン金物と、を備えた布基礎補強構造に用いる補強金物であって、前記土台側固定部の上から前記土台に固定される第1固定部と、この第1固定部の建物内部側の端部から前記土台の側面に沿って下方に延出する中間部と、この中間部の下端から前記新設立ち上がり部の上面に沿って延出して前記新設立ち上がり部に固定される第2固定部と、を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、既設建物の布基礎の既設立ち上がり部の上面に設置された土台及び柱を、新設立ち上がり部に連結して、土台及び柱に作用する荷重を新設立ち上がり部に伝達することができる。従って、地震によってホールダウン金物が浮き上がるのを好適に防止し、ひいては、柱が土台から引き抜かれるのを好適に防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の補強金物において、前記中間部が前記土台の側面に固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、中間部が土台に固定されることにより、地震によってホールダウン金物が浮き上がるのをより好適に防止し、ひいては、柱が土台から引き抜かれるのをより好適に防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の補強金物において、前記第1固定部と前記中間部の連続部に補強板を設置したことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第1固定部と中間部の連続部を補強することにより、連続部の変形を防止することができる。
本発明によれば、既設基礎の底盤の一部を壊すことなく、無筋コンクリートの布基礎を補強できる。また、既設基礎と新設基礎との間における剪断耐力を強化させ、耐震性を向上できる。また、施工面において、作業工数を削減することができるとともに、工期短縮が可能となる。さらに、土台及び柱に作用する荷重を新設立ち上がり部に伝達することができ、地震によってホールダウン金物が浮き上がるのを好適に防止し、ひいては、柱が土台から引き抜かれるのを好適に防止することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本実施形態では、本発明を無筋コンクリートの布基礎に適用した場合を例にして説明する。
参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造の断面図である。図2は、第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造の斜視図である。図3(a)乃至(c)は、既設立ち上がり部の建物内部側の側面図である。図4(a)は、第1実施形態の変形例に係る中空部材の斜視図であり、図4(b)は、中空部材を凹部内に設置した状態を示す断面図である。図5(a)乃至(f)は、浮き型枠を使用して、第1実施形態に係る布基礎補強構造を施工する場合の施工手順を示した図である。図6(a)は、あと施工アンカー孔と凹部を同時に穿設する際に使用する切削工具の斜視図である。図6(b)は、図6(a)の切削工具を用いて、あと施工アンカー孔及び凹部を同時形成した後の状態を表した側面図である。図7は、本実施形態に係る補強金物を用いた布基礎補強構造の斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る布基礎補強構造1は、布基礎4(フーチング部41及び既設立ち上がり部42)と、スラブ部5と、新設立ち上がり部6と、あと施工アンカー7と、鉄筋8とを主に備えて構成されている。布基礎4の下方には、割栗石2と、捨てコンクリート3とが敷設されている。
布基礎4は、建物の荷重を支える役割を果たす。図1に示すように、布基礎4は、断面視逆T字形状を呈しており、かかる形状にすることで上部からの荷重を分散している。布基礎4は、無筋コンクリートから構成されている。図1及び図2に示すように、布基礎4は、フーチング部41と既設立ち上がり部42とから構成されている。
フーチング部41は、基礎全体を水平方向に安定させると同時に、建物の荷重を地盤に分散して伝達する役割を果たす。フーチング部41は、無筋コンクリートから構成されている。図1及び図2に示すように、フーチング部41は、布基礎4の底部を成し、断面視矩形状に形成されている。フーチング部41は、捨てコンクリート3の上面に沿って設置されるとともに、地中に埋設されている。また、フーチング部41の建物内部側の上面には、あと施工アンカー7を設置するためのあと施工アンカー孔44が形成されている。あと施工アンカー孔44は、布基礎4の長手方向に所定の間隔を空けて、複数形成されている(図示省略)。
既設立ち上がり部42は、建物の荷重を支える役割を果たす。既設立ち上がり部42の上には、例えば土台を介して建物の構造壁や柱(図示省略)が立設される。既設立ち上がり部42は、無筋コンクリートから構成されている。図1に示すように、既設立ち上がり部42は、断面視略矩形状を呈し、フーチング部41の中央付近から上方に向けて突出形成されている。既設立ち上がり部42の建物内部側の側面には、複数の凹部43及びあと施工アンカー孔44が形成されている。
凹部43は、図3(a)に示すように、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面視で円形状に形成されるとともに、図1に示すように、断面視四角形状に形成されている。すなわち、凹部43は、円柱状に切り欠いて形成されている。なお、凹部43の形状は、円柱状に限定されるものではないが、円柱状は、切削しやすい形状であるため、作業性が向上するので好ましい。また、凹部43は、既設立ち上がり部42の厚さを考慮した上で、所定の直径及び深さを持って形成されている。凹部43は、例えば、厚さ12cmの既設立ち上がり部42に対して、直径9cmで深さが3cmに形成されるのが好ましい。凹部43の内部には、新設立ち上がり部6のコンクリートが充填されている。図3(a)に示すように、凹部43は、既設立ち上がり部42の側面に、千鳥状に形成されている。具体的には、既設立ち上がり部42の上側と下側の2箇所に一つずつ(計2つ)形成された凹部43,43と、既設立ち上がり部42の上下方向の中央に一つ形成された凹部43とが、布基礎4の長手方向に等間隔で交互に配列されている。
あと施工アンカー孔44は、図3(a)に示すように、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面視で円形状に形成されるとともに、図1に示すように、断面視四角形状に形成されている。すなわち、あと施工アンカー孔44は、円柱状に切り欠いて形成されている。あと施工アンカー孔44は、凹部43よりも小さい径に形成され、各凹部43の底部に穿設されている。
尚、凹部43及びあと施工アンカー孔44の深さ、間隔並びに数は、これに限定することなく適宜変更しても構わない。
例えば、既設立ち上がり部42の厚さが小さく、凹部43の底面にあと施工アンカー孔44を形成困難な場合には、図3(b)に示すように、凹部43からずらした位置に、あと施工アンカー孔44を千鳥状に形成してもよい。
また、図3(c)に示すように、既設立ち上がり部42の上側と下側とその中間の3箇所に一つずつ(計3つ)形成された凹部43,43,43と、既設立ち上がり部42の上側と下側の2箇所に一つずつ(計2つ)形成された凹部43,43とを、布基礎4の長手方向に等間隔で交互に配列するとともに、縦に3つ並んだ凹部43,43,43のうち、上側と下側の凹部43の底部にあと施工アンカー孔44,44を設け、縦に2つ並んだ凹部43,43の中間にあと施工アンカー孔44を設けるようにしてもよい。
尚、本実施形態では、凹部43の直径を9cm、深さを3cmとしたが、凹部43の大きさ、形状、間隔、数、配置等は、これに限定することなく適宜変更しても構わない。但し、凹部43の深さは、既設立ち上がり部42の厚さを考慮して形成するのが好ましい。さらに、凹部43を2つ以上形成する場合には、全ての凹部43の大きさを均一にしてもよいし、大きさを異なるようにしても構わない。
凹部43の形状は、例えば、三角柱、四角柱等のように多角形の角柱に切り欠いて形成されてもよいし、円錐形、三角錐形、四角錐形等のように錐体状に切り欠いて形成されても構わない。また、円錐台状、三角錐台状、四角錐台状等のように錐台状に切り欠いて形成されても構わない。さらに、凹部43を2つ以上形成する場合には、全ての凹部43の形状を同一にしてもよいし、形状を異なるようにしても構わない。
凹部43の数は、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面に少なくとも1つ以上形成すればよい。例えば、縦に4つの凹部43等を形成してもよいし、布基礎4の長手方向に8つの凹部43等を形成しても構わない。
凹部43は、どのように配置しても構わない。例えば、既設立ち上がり部42の上側と下側に凹部43を2つ形成したパターンだけを、布基礎4の長手方向に等間隔で複数配置しても構わない。また、必ずしも規則正しく配置する必要はなく、不揃いに配置しても構わない。但し、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面に局所的に集中することなく、万遍なく形成することが好ましい。局所的に集中させると、凹部43が配置されていない箇所は、既設立ち上がり部42の荷重が伝達しにくくなるからである。すなわち、万遍なく形成した方が、既設立ち上がり部42の荷重を新設立ち上がり部6に均等に伝達でき、ひいては地震に起因して、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6との間に生じる剪断力を新設立ち上がり部6に均等に伝達できるようになる。
スラブ部5は、建物の荷重を支える役割を果たすとともに、基礎全体の剛性も高める役割を果たす。スラブ部5は、鉄筋コンクリートから構成されている。図2に示すように、スラブ部5は、所定の厚さt(図1参照)を持って、布基礎4に囲われた領域に敷設されている。すなわち、スラブ部5は、建物の底面全体に敷設されている。従って、シロアリの侵入を防ぐとともに、地面からの水蒸気を防ぐことができるため床下環境が改善される。また、スラブ部5を設置することにより、維持管理が容易な配管仕様への改修が可能となる。図1に示すように、スラブ部5の下面は、地表と接して設置されている。尚、スラブ部5の厚さtは、地盤の状況や建物の構造等によって適宜変更しても構わない。したがって、例えば、スラブ部5の厚さtを20cm等に形成しても構わない。
新設立ち上がり部6は、建物の荷重を支える役割を果たすとともに、布基礎4を補強する役割を果たす。したがって、新設立ち上がり部6を設置することにより、耐久性に優れた床組みの施工が可能となる。新設立ち上がり部6は、鉄筋コンクリートから構成されている。図1に示すように、新設立ち上がり部6は、スラブ部5の周縁から既設立ち上がり部42の建物内部側の側面に沿って、上方に向けて突出形成されており、断面視略矩形状を呈している。図1及び図2に示すように、新設立ち上がり部6とスラブ部5とは、一体成形されている。図1に示すように、新設立ち上がり部6の高さPは、既設立ち上がり部42の高さと同一に形成されている。また、図1に示すように、新設立ち上がり部6の厚さQは、既設立ち上がり部42の厚さよりも小さく形成されている。図1及び図2に示すように、新設立ち上がり部6の一部は、既設立ち上がり部42に形成された凹部43内に充填されている。尚、新設立ち上がり部6の高さPは、既設立ち上がり部42の高さより高くてもよいし、低くても構わない。また、新設立ち上がり部6の厚さQは、既設立ち上がり部42の厚さより大きくてもよいし、同一にしても構わない。
あと施工アンカー7は、2つの部材を連結する役割を果たす。あと施工アンカー7は、円柱状に形成されており、図1及び図2に示すように、一端がフーチング部41又は既設立ち上がり部42に挿通されており、他端が新設立ち上がり部6に挿通されている。すなわち、あと施工アンカー7は、フーチング部41と新設立ち上がり部6とを連結するとともに、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6とを連結している。尚、あと施工アンカー7の一端をJ字型やL字型等に形成しても構わない。このようにあと施工アンカー7の一端をJ字型やL字型等にすることにより、あと施工アンカー7に対して建物外部側へ引き抜くような力が作用したとしても、先端部分が引っかかるため抜けにくくなる。あと施工アンカー7は、公知のあと施工アンカー部材や異形鉄筋を折り曲げ加工したもの等の中から適宜選択して用いることができる。
あと施工アンカー7の一端は、既設立ち上がり部42の側面に形成されたあと施工アンカー孔44(図3(a)乃至(c)参照)に挿入されており、例えばエポキシ樹脂等の接着剤によって、あと施工アンカー孔44に定着されている。尚、あと施工アンカー7の定着長さは、適宜変更しても構わない。図3(a)に示すように、凹部43とあと施工アンカー孔44は、同心円状に形成されているが、必ずしも同心円状に形成する必要はない。但し、同心円状に形成した方が、凹部43内に充填された新設立ち上がり部6の一部が均等に補強され、壊れにくいので、同心円状に形成することが好ましい。
鉄筋8は、コンクリートを補強する役割を果たす。無筋コンクリートで形成された既設の布基礎4は引っ張りに弱いため、スラブ部5及び新設立ち上がり部6内に引っ張りに強い鉄筋8を埋め込むことにより、布基礎4の弱点を補い、強度の高い構造体を得られる。鉄筋8は、例えば、丸鋼や異形鉄筋等で構成されている。但し、新設立ち上がり部6の上端鉄筋81及び下端鉄筋82並びに補強筋83は、異形鉄筋を使用する。図1及び図2に示すように、鉄筋8は、スラブ部5及び新設立ち上がり部6内に埋設されており、図示は省略するが、格子状に形成されている。また、格子状に組まれた鉄筋8は、あと施工アンカー7の他端に連結されて所定の位置に配置されている。鉄筋8の本数及び間隔は、図1及び図2に限定されることなく、変更しても構わない。また、鉄筋8の大きさも、変更して構わない。但し、上端鉄筋81及び下端鉄筋82は、径12mm以上のものを用い、また補強筋83は、径9mm以上のものを用いるのが好ましい。
以上、説明した第1実施形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造1によれば、鉄筋コンクリート製のスラブ部5が設置されるため、面全体で建物を支えることとなり、地盤の荷重負担が軽減するとともに、基礎全体の剛性も高まる。また、既設建物の布基礎4の一部を壊すことなく補強できるので、既設建物の布基礎4を痛めることがない。さらに、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6とをあと施工アンカー7で連結するとともに、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面に複数の凹部43を形成し、凹部43内に新設立ち上がり部6の一部が充填されているため、既設立ち上がり部42の荷重が伝達しやすくなる。換言すれば、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6との間における剪断耐力が強化されることとなる。したがって、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6とが一体となって地震力に対抗するので、耐震性が向上する。さらに、凹部43の内部にあと施工アンカー7が設置されるので、あと施工アンカー7によって凹部43内のコンクリートが補強されるため、さらに剪断耐力が強化されることとなる。以上より、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6とがさらに一体となって地震力に対抗することができ、耐震性が一層向上する。
次に、第1実施形態の変形例について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。尚、変形例に係る布基礎補強構造は、第1実施形態に係る布基礎補強構造1に図4(a)に示すような中空部材9を加えた布基礎補強構造である。
図4(a)に示すように、中空部材9は、円筒形に形成されている。中空部材9は、例えば、鉄、合成樹脂、ステンレス、銅、鉛等で構成されている。図4(b)に示すように、中空部材9は、既設立ち上がり部42側の端部が凹部43内に挿入されており、反対側の端部が既設立ち上がり部42の建物内部側の側面から突出している。中空部材9の内部には、新設立ち上がり部6の一部が充填されている。
尚、図4(b)に示すように、中空部材9は、凹部43の直径より小さく形成されているが、凹部43の直径と同一にし、凹部43の内周面に密着するように形成しても構わない。また、中空部材9の既設立ち上がり部42側の端部を凹部43の底面に密着するように形成しても構わない。中空部材9を凹部43に密着させた方が既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6との間おける剪断耐力が強化される。さらに、中空部材9の形状及び大きさは、凹部43に挿入できる範囲内において適宜変更しても構わない。また、中空部材9は、凹部43の底面にあと施工アンカー孔44が形成される場合だけでなく、図3(b)及び(c)に示すように、凹部43があと施工アンカー孔44と別々にして形成される場合に適用してもよい。
以上、説明した変形例によれば、既設立ち上がり部42に形成された凹部43に中空部材9を挿入するとともに、中空部材9の一端が既設立ち上がり部42の建物内部側の側面から突出し、新設立ち上がり部6の一部が中空部材9の内部に充填されるので、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6との間における剪断耐力がさらに強化されることとなる。したがって、既設立ち上がり部42と新設立ち上がり部6とがさらに一体となって地震力に対抗することができ、耐震性が一層向上する。
つづいて、図5(a)乃至図5(f)を参照しながら、第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造1を提供するにあたり、当該布基礎補強構造1の施工過程において、工期短縮が可能な第1施工方法について説明する。
図5(a)に示すように、まず、床組み(図示省略)を撤去するとともに、フーチング部41の建物内部側の上面が見えるまで土(G)を取り除いて地面を掘り下げる。
次に、図5(b)に示すように、既設立ち上がり部42の建物内部側の側面に凹部43を形成する。
凹部43を形成後、図5(c)に示すように、あと施工アンカー孔44を凹部43の底面及びフーチング部41の建物内部側の上面に形成するとともに、あと施工アンカー孔44にあと施工アンカー7を挿通して設置する。
あと施工アンカー7を設置後、図5(d)に示すように、あと施工アンカー7を支えにして鉄筋8を設置する。
鉄筋8を設置後、図5(e)に示すように、型枠固定金物10を用いて、浮き型枠11を新設立ち上がり部6の建物内部側の側面に対応する位置に設置する。すなわち、浮き型枠11の設置箇所により、新設立ち上がり部6の厚さが決められることになる。
浮き型枠11を設置後、図5(f)に示すように、布基礎4に囲われた領域(図2参照)にコンクリートを打設して、スラブ部5を形成するとともに、既設立ち上がり部42と浮き型枠11との間にコンクリートを打設して新設立ち上がり部6を形成する。以上の工程を経て、第1実施形態に係る布基礎補強構造1が完成する。
尚、前記施工過程において、土(G)は取り除かないでそのまま保持しておき、地面上にそのまま布基礎補強構造1を施工しても構わない。また、まず、あと施工アンカー孔44を形成し、あと施工アンカー孔44の形成後にあと施工アンカー7を設置し、あと施工アンカー7を設置後に凹部43を形成しても構わない。あるいは、まず、あと施工アンカー孔44を形成し、あと施工アンカー孔44の設置後に凹部43を形成し、凹部43の形成後にあと施工アンカー7を設置しても構わない。さらに、浮き型枠11は、スラブ部5及び新設立ち上がり部6用に打設されたコンクリートが硬化してから、取り外してもよいし、打ち込み型枠を使用してそのまま残しても構わない。打ち込み型枠として、例えば、断熱材型枠等を使用することができる。
前記施工方法は、変形例に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造1にも適用することができる。かかる場合において、中空部材9は、凹部43の形成後に設置する。他の工程については、第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造1の施工方法と略同等であるので説明を省略する。
以上、説明した本施工方法によれば、浮き型枠11を設置することにより、スラブ部5と新設立ち上がり部6とを同時に打設することが可能となる。したがって、通常なら、スラブ部5を数日間養生させてから新設立ち上がり部6を打設するところ、同時に打設することができるため、工期短縮が可能となる。また、施工コストを低減することができる。
つづいて、図6(a)及び(b)を参照しながら、凹部43及びあと施工アンカー孔44の施工方法及びそれに用いる工具について説明する。
図6(a)及び(b)に示すように、切削工具12は、回転軸121と、支持部122と、あと施工アンカー孔用回転刃123と、凹部穿設用回転刃124と、ストッパー125とを備えて構成されている。
回転軸121は、装置本体(図示省略)に装着され、装置本体に内蔵しているモーター(図示省略)からの回転力を受けて回転する。回転軸121は、例えば四角柱状に形成されている。
図6(b)に示すように、支持部122は、回転軸121と同心円状に形成され、一端が回転軸121と連結しており、回転軸121とともに回転する。図6(a)に示すように、支持部122は、円柱状に形成されている。
あと施工アンカー孔用回転刃123は、あと施工アンカー孔44を形成する役割を果たす。図6(b)に示すように、あと施工アンカー孔用回転刃123は、螺旋状に刻設されている。あと施工アンカー孔用回転刃123は、回転軸121と同軸となるように支持部122に支持されており、支持部122とともに回転する。尚、あと施工アンカー孔用回転刃123は、交換式となっており、所望の深さのあと施工アンカー孔44を空けるために適宜刃の長さを変更しても構わない。
凹部穿設用回転刃124は、凹部43を形成する役割を果たす。図6(a)及び(b)に示すように、凹部穿設用回転刃124は、円柱形を呈し、支持部122の一端面に複数形成されている。凹部穿設用回転刃124は、支持部122とともに回転する。図6(a)に示すように、凹部穿設用回転刃124は、それぞれの凹部穿設用回転刃124が異なる円の軌跡を描くように配置されている。このように配置することにより、凹部43の底面を平滑にすることができる。
ストッパー125は、図6(a)に示すように、ストッパー125は、円筒形に形成されており、支持部122に密着して環装されている。ストッパー125は、凹部43の削りすぎを防止する役割を果たす。
ストッパー125は、支持部122に対して相対移動可能に構成されている。支持部122の軸方向にストッパー125を適宜移動することにより、凹部43の深さを調整することができる。
次に、切削工具12の使用方法について説明する。
切削工具12を回転させながら、既設立ち上がり部42の側面にあと施工アンカー孔用回転刃123の先端を押し当てていくと、あと施工アンカー孔用回転刃123によって既設立ち上がり部42が削られていく。その結果、図6(b)に示すようなあと施工アンカー孔44が形成される。
さらに押圧すると、凹部穿設用回転刃124が既設立ち上がり部42の側面に当接し、既設立ち上がり部42が削られていく。すなわち、工具を交換することなく、あと施工アンカー孔44と凹部43を形成することができる。その結果、図6(b)に示すような凹部43が形成される。
そして、切削工具12を回転させながら、既設立ち上がり部42を削っていくと、ストッパー125の一端面125A(図6(a)参照)が既設立ち上がり部42の側面と当接する。その結果、切削工具12はそれ以上進むことができなくなる。そのため、凹部43の削りすぎを防止することができる。したがって、所望する凹部43の深さを確実に形成することができる。
尚、凹部穿設用回転刃124の形状は、これに限定することなく適宜変更しても構わない。例えば、円錐、三角錐や四角錐等の角錐のようにしてもよいし、あるいは、円錐台形や三角錐台形や四角錐台形等の錐台にしても構わない。
また、ストッパー125と支持部122を一体成形しても構わない。一体成形しても、凹部43の削りすぎを防止することができ、所望する深さの凹部43を確実に形成することができる。また、仮に切削工具12を既設立ち上がり部42に強い力で押しつけた場合でも、一体成形されていると、ストッパー125がずれることがない。したがって、確実に凹部43の削りすぎを防止することができるとともに、所望する深さの凹部43を確実に形成することができる。
以上、説明した本施工方法によれば、以下のような作用効果を奏する。
本施工方法によれば、凹部43とあと施工アンカー孔44とを同時に穿設する切削工具12を用いるため、凹部43及びあと施工アンカー孔44の形成作業を1度に済ませることができる。したがって、作業工数を削減でき、且つ工期短縮が可能となる。また、施工コストを低減することができる。
つづいて、布基礎補強構造に用いる補強金物について説明する。図7は、本実施形態に係る補強金物を用いた布基礎補強構造の斜視図である。
補強金物16の説明に先立ち、土台13及び柱14の構造について説明する。
図7に示すように、既設建物の布基礎の一部である既設立ち上がり部42の上面には、その長手方向に沿って、既設建物の木製の土台13が設置されている。土台13は、図示しないアンカーを介して既設立ち上がり部42に固定されている。この土台13の上には、既設建物の柱14が立設されている。柱14の下端部は、側面視略L字形状を呈するホールダウン金物15によって土台13の上面に固定されている。
ホールダウン金物15は、土台13の上面に固定される土台側固定部151と、この土台側固定部151の柱側端部から柱14の側面に沿って上方に延出して柱14の側面に固定される柱側固定部152とを有する。土台側固定部151は、例えばタッピングネジによって土台13の上面に固定されている。また、柱側固定部152は、例えばタッピングネジによって柱14の側面に固定されている。土台側固定部151の両側部には、土台側固定部151の曲げ剛性を向上させるべく、リブ151A,151Bがそれぞれ設けられている。このリブ151A,151Bには、後記する補強金物16を挿通するための切り欠き部151Cがそれぞれ形成されている。
なお、図示は省略するが、土台側固定部151と柱側固定部152との連続部(角部)153から、例えば斜め45度下方に向かって土台13にタッピングネジを打ち込むことにより、連続部153を土台13に固定するのが好ましい。このようにすれば、ホールダウン金物15の浮き上がりを好適に防止することができる。
本実施形態に係る補強金物16は、既設建物の布基礎の既設立ち上がり部42の上面に設置された土台13及び柱14を、新設立ち上がり部6に連結して、土台13及び柱14に作用する荷重を新設立ち上がり部6に伝達する部材である。補強金物16は、側面視Z字状(クランク状)を呈するZ形部材17と、側面視L字状を呈する補強板たるL形部材18とから構成されている。Z形部材17は、土台の上方に配置される第1固定部171と、新設立ち上がり部6の上方に配置される第2固定部173と、第1固定部171と第2固定部173とを連結する中間部172と、を主に備えている。L形部材18は、Z形部材17の第1固定部171から中間部172にわたって重ね合わされている。
第1固定部171は、切り欠き部151C,151Cに挿通されて土台側固定部151の上に配置されている。第1固定部171は、例えばタッピングネジによって土台側固定部151の上から土台13に固定されている。第1固定部171は、土台13の幅方向に沿って延在している。第1固定部171の建物内部側端部から、土台13の側面に沿って下方に向かって、中間部172が延出している。中間部172は、例えばタッピングネジによって土台13の側面に固定されている。中間部172の下端から新設立ち上がり部6の上面に沿って、第2固定部173が延出している。第2固定部173は、例えばアンカーボルト19によって新設立ち上がり部6に固定されている。
L形部材18は、Z形部材17の第1固定部171と中間部172の連続部にあてがわれて、Z形部材17の変形を防止する役割を果たしている。L形部材18の一端は、切り欠き部151C,151Cに挿通されて第1固定部171の上に配置されている。また、L形部材18の他端は、中間部172の略中央付近に配置されている。L形部材18は、Z形部材17に溶接固定されている。そして、L形部材18及びZ形部材17は、例えばタッピングネジによって、土台側固定部151の上から土台13に固定されている。また、L形部材18は、例えばタッピングネジによって、中間部172の上から土台13に固定されている。
以上、説明した本実施形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
本実施形態によれば、補強金物16を用いて、既設建物の布基礎の既設立ち上がり部42の上面に設置された土台13及び柱14を、新設立ち上がり部6に連結して、土台13及び柱14に作用する荷重を新設立ち上がり部6に伝達することができる。従って、地震によってホールダウン金物15が浮き上がるのを好適に防止し、ひいては、柱14が土台13から引き抜かれるのを好適に防止することができる。また、中間部172が土台13に固定されることにより、地震によってホールダウン金物15が浮き上がるのをより好適に防止し、ひいては、柱14が土台13から引き抜かれるのをより好適に防止することができる。さらに、第1固定部171と中間部172の連続部を補強することにより、連続部の変形を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できるのはいうまでもない。
本実施形態では、本発明を無筋コンクリートの布基礎に適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、増築部分に打設するベタ基礎との接合部にも適用でき、合わせて鉄筋量の不足した現行基準に不適合な有筋基礎の補強としても適用できる。
また、作業工数を削減でき、且つ工期短縮可能な施工方法について説明したが、これらの施工方法を使用して第1実施形態に係る布基礎補強構造1を施工しなければならないわけではない。すなわち、浮き型枠11を設置せずに、コンクリートを打設してスラブ部5を形成し、スラブ部5を数日間養生させてから新設立ち上がり部6を形成しても構わない。また、凹部43とあと施工アンカー孔44を同時に穿設できる切削工具12を用いずに、穿設しても構わない。すなわち、凹部43を穿設する工具とあと施工アンカー孔44を穿設する工具を別々に用意して、凹部43及びあと施工アンカー孔44を形成しても構わない。
第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造の断面図である。 第1実施形態に係る無筋コンクリートの布基礎補強構造の斜視図である。 既設立ち上がり部の建物内部側の側面図である。 図4(a)は、第1実施形態の変形例に係る中空部材の斜視図であり、図4(b)は、中空部材を凹部内に設置した状態を示す断面図である。 図5(a)乃至(f)は、浮き型枠を使用して、第1実施形態に係る布基礎補強構造を施工する場合の施工手順を示した図である。 図6(a)は、あと施工アンカー孔と凹部を同時に穿設する際に使用する切削工具の斜視図である。図6(b)は、図6(a)の切削工具を用いて、あと施工アンカー孔及び凹部を同時形成した後の状態を表した側面図である。 図7は、本実施形態に係る補強金物を用いた布基礎補強構造の斜視図である。
符号の説明
1 布基礎補強構造
2 割栗石
3 捨てコンクリート
4 布基礎
41 フーチング部
42 既設立ち上がり部
5 スラブ部
6 新設立ち上がり部
7 あと施工アンカー
8 鉄筋
9 中空部材
10 型枠固定金物
11 浮き型枠
12 切削工具
13 土台
14 柱
15 ホールダウン金物
16 補強金物
17 Z形部材
18 L形部材
19 アンカーボルト
G 土

Claims (7)

  1. 既設フーチング部とこの既設フーチング部から立ち上がる既設立ち上がり部とからなる既設建物の布基礎を補強する布基礎補強構造であって、
    前記布基礎によって囲われた領域に敷設された鉄筋コンクリート製のスラブ部と、
    前記スラブ部の周縁から前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に沿って立ち上がる鉄筋コンクリート製の新設立ち上がり部と、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に突設され、前記既設立ち上がり部と前記新設立ち上がり部とを連結するあと施工アンカーと、を備え、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に複数の凹部が形成され、
    前記凹部には、中空部材が挿入されており、
    前記中空部材の一端側は、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面から突出しているとともに、前記中空部材の内部に前記新設立ち上がり部の一部が充填されていることを特徴とする布基礎補強構造。
  2. 前記あと施工アンカーは、前記凹部の底面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の布基礎補強構造。
  3. 請求項1に記載の布基礎補強構造の施工方法であって、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に前記凹部を形成する工程と、
    前記凹部を形成する前又は後に前記あと施工アンカーを前記既設建物の布基礎に設置する工程と、
    前記あと施工アンカーの設置後に、前記あと施工アンカーを支えにして、前記スラブ部及び前記新設立ち上がり部の内部に配置するための鉄筋を設置する工程と、
    前記新設立ち上がり部の建物内部側の側面に対応する位置に浮き型枠を設置する工程と、
    前記布基礎に囲われた領域にコンクリートを打設して前記スラブ部を形成するとともに、前記既設立ち上がり部と前記浮き型枠との間にコンクリートを打設して前記新設立ち上がり部を形成する工程と、を含み、
    前記凹部を形成する工程において、
    前記凹部を穿設するための凹部穿設用回転刃と、この凹部穿設用回転刃の回転中心に突設され、あと施工アンカー孔を穿設するためのあと施工アンカー孔用回転刃と、を備える切削工具を用いて、前記あと施工アンカー孔と前記凹部とを同時に形成することを特徴とする布基礎補強構造の施工方法。
  4. 既設建物の布基礎の少なくとも一部を構成する既設立ち上がり部と、前記既設立ち上がり部の建物内部側に沿って設けられ、前記既設立ち上がり部を補強する新設立ち上がり部と、前記既設立ち上がり部の上に設置された前記既設建物の土台と、前記土台の上に立設された前記既設建物の柱と、前記土台の上面に固定される土台側固定部とこの土台側固定部の柱側端部から前記柱の側面に沿って延出して前記柱の側面に固定される柱側固定部とを有するホールダウン金物と、を備えた布基礎補強構造に用いる補強金物であって、
    前記土台側固定部の上から前記土台に固定される第1固定部と、この第1固定部の建物内部側の端部から前記土台の側面に沿って下方に延出する中間部と、この中間部の下端から前記新設立ち上がり部の上面に沿って延出して前記新設立ち上がり部に固定される第2固定部と、を有することを特徴とする補強金物。
  5. 前記中間部が前記土台の側面に固定されていることを特徴とする請求項に記載の補強金物。
  6. 前記第1固定部と前記中間部の連続部に補強板を設置したことを特徴とする請求項又は請求項に記載の補強金物。
  7. 既設フーチング部とこの既設フーチング部から立ち上がる既設立ち上がり部とからなる既設建物の布基礎を補強する布基礎補強構造であって、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に沿って立ち上がる鉄筋コンクリート製の新設立ち上がり部と、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に突設され、前記既設立ち上がり部と前記新設立ち上がり部とを連結するあと施工アンカーと、を備え、
    前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面に複数の凹部が形成され、
    前記凹部には、中空部材が挿入されており、
    前記中空部材の一端側は、前記既設立ち上がり部の建物内部側の側面から突出しているとともに、前記中空部材の内部に前記新設立ち上がり部の一部が充填されていることを特徴とする布基礎補強構造。
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