JP4902356B2 - 地盤改良材用組成物、それを用いた注入材及びその使用方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、未だに有効利用法が確立されていない産業副産物も多く見受けられ、その利用方法を確立することが循環型社会の構築に向けて強く求められている。
そのひとつに、高炉フュームが挙げられる。
地盤改良工事とは、軟弱地盤をはじめ、ダムや発電所等の大型特殊構造物の基礎地盤補強のカーテングラウトや、トンネル、石油やLPG備蓄基地等の地中構造物施工時の薬液注入による地盤改良工事である。止水工事とは、地下水位より低い場所、海底下、及び帯水地盤における地下構造物の掘削工事の際に発生する湧水を注入材を注入することにより防いだり、地盤の水密性を上げるために地盤改良材を注入する工事である。また、これらの他にも、排水性の悪い地盤や液状化地盤等における一般住宅やマンションの地盤改良や上下水道等のインフラ整備における地盤の崩落防止工事等がある。
地盤改良材は、これらの工事に広く使用されているものであり、地盤を固結させたり、圧密脱水することにより地盤の強化等を図る目的で使用する材料をいう。
例えば、トンネルの覆工において、施工時や施工後に、覆工コンクリート背面に空洞が発生する場合がある。この空洞をそのまま放置すると、空洞部への地山の崩落に伴い、地表面が沈下する。地山の崩落が激しい場合には、覆工コンクリートの変形や破壊、特に、トンネルの崩落が発生したり、空洞への地下水の流入による覆工コンクリートの劣化、及びそれに伴う劣化コンクリート片の走行車線への落下や、クラック部からの漏水による冬季に走行車線が凍結するなどの問題があった。
即ち、本発明は下記を要旨とするものである。
(1)高炉フュームを含有してなることを特徴とする地盤改良材用組成物。
(2)更に、シリカフュームを含有してなる上記(1)に記載の地盤改良材用組成物。
(3)最大粒径40μmの、セメント若しくは水酸化カルシウムを含有してなる上記(1)又は(2)に記載の地盤改良材用組成物。
(4)セメント、及びアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンを含有してなる上記(1)に記載の地盤改良材用組成物。
(5)高炉フュームが、セメント100部に対して、30〜500部である上記(4)に記載の地盤改良材用組成物。
(6)アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンが、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物との共重合により得られるポリマーエマルジョンである上記(4)又は(5)に記載の地盤改良材用組成物。
(7)さらに、硬化促進剤を含有してなる上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
(8)硬化促進剤が、アルミン酸塩及び/又は硫酸塩を含有する上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
(9)高炉フュームが、最大粒径30μmを有する上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物
(10)高炉フュームが、SiO2が20〜30%、Al2O3が10〜15%、及びCaOが15〜25%を有する上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
(11)上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物からなる注入材。
(12)アルミン酸カルシウム又はアルミノケイ酸カルシウム、石膏、及びアルカリ刺激材を含有してなる上記(11)に記載の注入材
(13)高炉フューム100部に対して、アルミン酸カルシウム又はアルミノケイ酸カルシウム1〜15部、石膏1〜50部、及びアルカリ刺激材1〜50部を含有してなる上記(11)又は(12)に記載の注入材。
(14)最大粒子径が20μm以下である上記(11)〜(13)のいずれか1項に記載の注入材。
(15)セメント、高炉フューム、及び水を含有してなるA液、並びにアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水を含有してなるB液を、夫々予め調製し、使用直前にA液とB液を混合する上記(4)〜(10)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
(16)セメント、高炉フューム、及び水を含有してなるA液、並びに硬化促進剤とアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水を含有してなるB液を、夫々予め調製し、使用直前にA液とB液を混合する上記(4)〜(10)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
(17)セメント、高炉フューム、及び水を含有してなるA液、硬化促進剤と水とを含有してなるB液、並びにアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水とを含有してなるC液を、夫々予め調製し、使用直前にA液、B液及びC液を混合する上記(4)〜(10)のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
さらに、本発明による、地盤改良材用組成物及びそれを用いた注入材は、二重管ダブルパッカー工法でのシール材や一次注入材等、セメントミルク、セメントモルタル、又はコンクリートの粘度を急激に上昇させる必要がある用途に有効である。更にまた、地盤への浸透性に優れ、注入性が高く、強度発現性に優れるなどの効果を奏するため、従来適用が困難だった地質の地盤への注入が可能となる。
ここで、酸性シリカフュームとは、シリカフューム1gを純粋100ccに入れて攪拌した時の上澄み液のpHが5以下の酸性を示すものである。
シリカフュームの粉末度は特に限定されるものではないが、通常、BET比表面積で2〜20万m2/g程度が好ましい。
本発明の上記の地盤改良材用組成物は、従来より広範に利用されている水ガラス系の地盤改良材や高炉スラグ微粉末を主体とする地盤改良材と比べて、この離しょう水の発生が少なく、耐久性に優れる特徴がある。
また、高炉フュームとセメント類の合計100部中、セメント類は1〜50部が好ましく、3〜30部がより好ましい。セメント類の配合割合が、1部未満では初期の強度発現性を良好とする効果が望めない場合があり、50部を超えると浸透性が悪くなる傾向がある。
不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法により、共重合する方法等が挙げられる。
本発明で使用する硬化促進剤は、地盤改良材用組成物の硬化を促進してブリーディングを低減し、空隙の生成を抑制するとともに、強度発現性に寄与する。
アルミン酸カルシウムの粉末度は、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、5,000cm2/g以上がより好ましい。3,000cm2/g未満では初期強度発現性が小さい場合がある。
硫酸塩の粉末度は、ブレーン比表面積で3,000cm2/g以上が好ましく、5,000cm2/g以上がより好ましい。3,000cm2/g未満では強度発現性が小さい場合がある。
残りの水は、セメントと高炉フュームに混合し、セメント−高炉フューム液のA液と、本エマルジョンのB液を別々に圧送し、ノズル先端で合流混合しながら使用することも可能である。特に、セメント−高炉フューム液のA液、本エマルジョンと水とを混合して2倍量にした本エマルジョン液のB液を別々に圧送し、ノズル先端で合流混合しながら使用することがより好ましい。
また、より均一に混合するため、合流混合後の管中にスパイラル状のミキサーをセットし、さらに混合する方法も挙げられる。
遅延剤の使用量は、セメント100部に対して、0.01〜10部が好ましく、0.05〜5部がより好ましい。0.01部未満では遅延効果が小さい場合があり、10部を超えると強度発現性が小さくなる場合がある。
また、より均一に混合するため、合流混合後の管中にスパイラル状のミキサーをセットし、さらに混合する方法も挙げられる。
CASの組成は、CaO含有率が20〜60%、Al2O3含有率が20〜70%、及びSiO2含有率が5〜30%が好ましく、CaO含有率30〜55%、Al2O3含有率30〜60%、及びSiO2含有率10〜20%がより好ましい。この範囲外では短期強度が小さくなる場合がある。
CASのガラス化率は、CASを1,000℃で2時間加熱後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピークの面積S0を求め、CASの結晶のメインピークSから、X(%)=100×(1−S/S0)として求められる。短期強度の面から50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。50%未満では短期強度が小さい場合がある。
石膏の使用量は、高炉フューム100部に対して、1〜50部が好ましく、5〜30部がより好ましい。1部未満では短期強度が小さく、50部を超えると地盤への浸透性が低下する場合がある。
アルカリ刺激材としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩、並びに、消石灰等が挙げられる。特に限定されるものではないが、その中でも高炉フュームとの併用による硬化、長期強度の増大の面から消石灰が好ましい。
アルカリ刺激材の使用量は、高炉フューム100部に対して、1〜50部が好ましく、3〜20部がより好ましい。1部未満では長期強度が小さく、50部を超えると地盤への浸透性が低下する場合がある。
凝結調整剤としては、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸塩、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化物、硫酸アルミニウム、硫酸鉄(III)、及びミョウバンなどの硫酸塩、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、及びリン酸マグネシウムなどのリン酸塩、並びに、ホウ酸リチウムやホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩等の無機塩類、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、及びリンゴ酸又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等の有機酸又はその金属塩類、並びに、糖類等が挙げられる。これらのうちの一種又は二種以上を併用することが可能である。これらの中では所要の硬化時間を確保する上で、炭酸塩と有機酸類を併用することが好ましい。
分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、リグニンスルホン酸系、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、ポリカルボン酸塩系、及びポリエーテル系の分散剤が挙げられる。
分散剤の使用量は、高炉フューム100部に対して、0.1〜10部が好ましく、0.5〜3部がより好ましい。0.1部未満では浸透性が小さい場合があり、10部を超えると強度が小さくなる場合がある。
表1−1に示す高炉フュームとシリカフュームを配合して地盤改良材用組成物を調製し、調製した地盤改良材用組成物100部に対して、水150部を加えて攪拌し、地盤改良材を調製し、その地盤改良材の浸透性と、硬化後の改良体の耐久性について確認を行った。
なお、比較のために、本発明の地盤改良材用組成物の代わりに、高炉スラグ微粉末や水ガラス系地盤改良材を使用した場合についても同様の実験を行った。結果を表1−1に併記する。
高炉フューム:中国産、市販品、SiO2 25%、Fe2O3 3%、Al2O3 13%、CaO 19%、MgO 6%、Na2O 1.3%、K2O 9%、SO3 10%、S 0.3%、及びMnO 0.2%、ブレーン値21,000cm2/g、最大粒径は30μm、平均粒径は4μm
シリカフューム:市販品、酸性のシリカフューム、平均粒径0.1μm、ブレーン値15万cm2/g
高炉スラグ微粉末:市販の高炉水砕スラグの微粉末、最大粒径5μm、平均粒径5μm
水ガラス系地盤改良材:市販品、主成分は水ガラス、副成分は炭酸ナトリウム
水 :水道水
浸透性:直径5cm×高さ30cmのビニールチューブに、8号ケイ砂を高さ20cmまで充填し、ビニールチューブの底面に0.5mm程度の孔をあけた後、地盤改良材250ccを上面から投入し、1日後に浸透深さを測定
耐久性:浸透性試験で得られた硬化体を材齢91日まで観察し、離しょう水を測定して評価した。離しょう水は、ビニールチューブの底面にあけた孔から流れ落ちた水の重さを測定し、地盤改良材250ccに対する体積%で示した。
表1−2に示す高炉フューム、シリカフューム、及びセメント類を用いたこと以外は実験例1−1と同様に行った。結果を表1−2に併記する。
セメント類A:市販品の微粉セメント、最大粒径40μm、平均粒径5μm
セメント類B:市販の水酸化カルシウム、最大粒径40μm、平均粒径5μm
セメント100部に対して、表2−1に示す量の高炉フュームと水とをミキサーで混練してA液を調製した。次に、セメント100部に対して、固形分換算で0.5部のエマルジョンαと水5部を混合してB液を調製した。
A液にB液を投入し、5秒間混練し、混練物を調製し、そのフロー、水中不分離性、及び圧縮強度を測定した。
なお、比較のため、高炉フュームの代わりにベントナイトを用いて同様な実験を行った。結果を表2−1に併記する。
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品
エマルジョンα:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート:メタクリル酸=45:55のエチルアクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーエマルジョン
高炉フューム:中国産、市販品。SiO2 25%、Fe2O3 3%、Al2O3 13%、CaO 19%、MgO 6%、Na2O 1.3%、K2O 9%、SO310%、S 0.3%、及びMnO 0.2%、ブレーン値21,000cm2/g、最大粒径は30μm、平均粒径は4μm
ベントナイト:市販品
フロー :内径80mm×高さ80mmのシリンダーに混練物を入れ、シリンダーを引き抜いた後の広がりを2分後に測定
水中不分離性:土木学会の水中不分離コンクリート設計施工指針付属書の水中分離度試験に準じて実施、水の濁りが全くない場合を優、水の濁りがわずかにある場合を良、水の濁りはあるが実用可能の場合を可、及び材料が分離し、水の濁りが大の場合を不可とした。
圧縮強度 :JIS R 5201に準じて測定
なお、比較のため、本エマルジョンの代わりにアルカリ増粘性を有さない非本エマルジョンを用いて同様な実験を行った。結果を表2−2に併記する。
エマルジョンβ:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート:メタクリル酸=45:55のエチレン/酢酸ビニル共重合ポリマーエマルジョン70部と、エチレン:酢酸ビニル=18:82のエチルアクリレート/アクリル酸共重合ポリマーエマルジョン30部の混合物
エマルジョンγ:本エマルジョン、固形分濃度30%、スチレン:2-エチルヘキシルアクリレート=45:55のスチレン/2-エチルヘキシルアクリレート共重合ポリマーエマルジョン
セメント100部に対して、表3−1に示す量の高炉フュームと水をミキサーで練混ぜてA液を調製した。次に、セメント100部に対して、硬化促進剤a5部と水10部を混合してB液を調製し、固形分換算で0.5部の本エマルジョンαと水5部を混合してC液を調製した。
A液、B液、及びC液をミキサーに続けて投入して5秒間練混ぜて注入材を調製した後、フロー、水中不分離性、及び圧縮強度を測定した。なお、比較のため、高炉フュームの代わりにベントナイトを用いて同様に行った。結果を表3−1に併記する。
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品
高炉フューム:中国産、市販品、SiO2 25%、Fe2O3 3%、Al2O3 13%、CaO 19%、MgO 6%、Na2O 1.3%、K2O 9%、SO3 10%、S 0.3%、及びMnO 0.2%、ブレーン値21,000cm2/g、最大粒径は30μm、平均粒径は4μm
エマルジョンα:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート:メタクリル酸=45:55のエチルアクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーエマルジョン
硬化促進剤a:12CaO・7Al2O3組成のアルミン酸カルシウム、ガラス化率95%、ブレーン値6,000cm2/gのアルミン酸塩と、無水石膏、ブレーン値5,400cm2/gの硫酸塩の等量混合物
ベントナイト:市販品
フロー :内径80mm×高さ80mmのシリンダーに練混ぜ後の注入材を入れ、シリンダーを引き抜いた後の広がりを2分後に測定
水中不分離性:土木学会の水中不分離コンクリート設計施工指針付属書の水中分離度試験に準じて実施、水の濁りが全くない場合を優、水の濁りがわずかにある場合を良、水の濁りはあるが、実用可能の場合を可、材料が分離し、水の濁りが大の場合を不可とした。
圧縮強度 :JIS R 5201に準じて測定
セメント100部、高炉フューム200部、及び水180部をミキサーで練混ぜてA液を調製し、セメント100部に対して、硬化促進剤a5部と水10部を混合してB液を調製し、表3−2に示すエマルジョンと、エマルジョンの10倍量の水とを混合してC液を調製したこと以外は実験例3−1と同様に行った。
なお、比較のため、本エマルジョンの代わりにアルカリ増粘性を有さない非本エマルジョンを用いて同様に行った。結果を表3−2に併記する。
エマルジョンβ:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート:メタクリル酸=45:55のエチルアクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーエマルジョン70部と、エチレン:酢酸ビニル=18:82のエチレン/酢酸ビニル共重合ポリマーエマルジョン30部の混合物
エマルジョンγ:本エマルジョン、固形分濃度30%、スチレン:2−エチルヘキシルアクリレート=45:55のスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート共重合ポリマーエマルジョン
セメント100部、高炉フューム200部、及び水180部をミキサーで練混ぜてA液を調製し、セメント100部に対して、固形分換算で0.5部の本エマルジョンαと水5部を混合してC液を調製した。セメント100部に対して表3−3に示す硬化促進剤と、その2倍量の水、及び遅延剤0.1部を混合してB液を調製したこと以外は実験例3−1と同様に行った。結果を表3−3に併記する。
硬化促進剤b:硫酸塩、硫酸アルミニウム、市販品
硬化促進剤c:炭酸塩、炭酸ナトリウム、市販品
硬化促進剤d:水酸化物、水酸化カルシウム、市販品
硬化促進剤e:アルミン酸塩、アルミン酸ナトリウム、市販品
硬化促進剤f:コロイド、シリカゾル、市販品
遅延剤 :クエン酸、市販品
高炉フューム100部に対して、表4−1に示すCAS、石膏、及びアルカリ刺激材を混合し、最大粒径30μmの注入材を調製した。調製した注入材100部と水300部とを混合して懸濁液を作製した。このとき、高炉フューム100部に対して、分散剤1部を混合し、CASと石膏の合計100部に対して、凝結調整剤を1部混合し、注入材の硬化時間、浸透長さ、及び圧縮強度を測定した。結果を表4−1に併記する。
高炉フューム:中国産、市販品。SiO2 25%、Fe2O3 3%、Al2O3 13%、CaO 19%、MgO 6%、Na2O 1.3%、K2O 9%、SO3 10%、S 0.3%、及びMnO 0.2%、ブレーン値21,000cm2/g、最大粒径は30μm、平均粒径は4μm
CASイ :CaO 45%、Al2O3 40%、及びSiO2 15%の組成のガラス、ガラス化率95%
CASロ :CaO 45%、Al2O3 28%、及びSiO2 27%の組成のガラス、ガラス化率95%
石膏 :天然無水石膏
アルカリ刺激材:消石灰、市販品
分散剤 :ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系
凝結調整剤:クエン酸と炭酸カリウムの重量比1:3の混合品
浸透長さ :直径5cm×長さ30cmのビニールチューブに8号珪砂を長さ20cmになるように充填し、注入材を200ml投入して1日後、砂への浸透長さを測定
硬化時間 :懸濁液を入れたカップを傾けても懸濁液が流れなくなるまでの時間
圧縮強度 :JIS R 5201に準じて測定、測定材齢1日と28日
高炉フューム100部に対して、CASイを10部、石膏10部、及びアルカリ刺激材5部を混合し、表4−2に示す最大粒径の注入材を調製し、実験例4−1と同様にして硬化時間、浸透長さ、及び圧縮強度を測定した。結果を表4−2に併記する。
高炉フューム100部に対して、表5−1に示すCA、石膏、及びアルカリ刺激材を混合し、最大粒径30μmの注入材を調製した。調製した注入材100部と水300部とを混合して懸濁液を作製した。このとき、高炉フューム100部に対して、分散剤1部を混合し、CAと石膏の合計100部に対して、凝結調整剤を1部混合し、注入材の硬化時間、浸透長さ、及び圧縮強度を測定した。結果を表5−1に併記する。
高炉フューム:中国産、市販品、SiO2 25%、Fe2O3 3%、Al2O3 13%、CaO 19%、MgO 6%、Na2O 1.3%、K2O 9%、SO3 10%、S 0.3%、及びMnO 0.2%、ブレーン値21,000cm2/g、最大粒径は30μm、平均粒径は4μm
CAイ :非晶質12CaO・7Al2O3、ガラス化率95%
CAロ :結晶質CaO・Al2O3、ガラス化率20%
石膏 :天然無水石膏
アルカリ刺激材:消石灰、市販品
分散剤 :ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系
凝結調整剤:クエン酸と炭酸カリウムの重量比1:3の混合品
浸透長さ :直径5cm×長さ30cmのビニールチューブに8号珪砂を長さ20cmになるように充填し、注入材を200ml投入して1日後、砂への浸透長さを測定
硬化時間 :懸濁液を入れたカップを傾けても懸濁液が流れなくなるまでの時間
圧縮強度 :JIS R 5201に準じて測定、測定材齢1日と28日
高炉フューム100部に対して、CAを10部、石膏10部、及びアルカリ刺激材5部を混合し、表5−2に示す最大粒径の注入材を調製し、実験例5−1と同様にして硬化時間、浸透長さ、及び圧縮強度を測定した。結果を表5−2に併記する。
なお、2004年11月11日に出願された日本特許出願2004−327140号、2004年12月21日に出願された日本特許出願2004−369240号、2005年1月31日に出願された日本特許出願2005−022895号、2005年1月31日に出願された日本特許出願2005−022896号及び2005年2月9日に出願された日本特許出願2005−032719号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (17)
- 高炉フュームを含有してなることを特徴とする地盤改良材用組成物。
- さらに、シリカフュームを含有する請求項1に記載の地盤改良材用組成物。
- 最大粒径40μmの、セメント若しくは水酸化カルシウムを含有する請求項1又は2に記載の地盤改良材用組成物。
- セメント、及びアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンを含有してなる請求項1又は2に記載の地盤改良材用組成物。
- 高炉フュームが、セメント100質量部に対して、30〜500質量部である請求項3又は4に記載の地盤改良材用組成物。
- アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンが、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物との共重合により得られるポリマーエマルジョンである請求項4又は5に記載の地盤改良材用組成物。
- さらに、硬化促進剤を含有してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
- 硬化促進剤が、アルミン酸塩及び/又は硫酸塩を含有する請求項7に記載の地盤改良材用組成物。
- 高炉フュームが、最大粒径30μmを有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
- 高炉フュームが、SiO2が20〜30%、Al2O3が10〜15%、及びCaOが15〜25%を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物を用いてなる注入材。
- アルミン酸カルシウム又はアルミノケイ酸カルシウム、石膏、及びアルカリ刺激材を含有してなる請求項11に記載の注入材
- 高炉フューム100質量部に対して、アルミン酸カルシウム又はアルミノケイ酸カルシウム1〜15質量部、石膏1〜50質量部、及びアルカリ刺激材1〜50質量部を含有してなる請求項11又は12に記載の注入材。
- 最大粒子径が20μm以下である請求項11〜13のいずれか1項に記載の注入材。
- セメント、高炉フューム及び水を含有してなるA液と、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水を含有してなるB液とを、それぞれ、予め調製し、使用直前にA液とB液とを混合する請求項4〜10のいずれかに記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
- セメント、高炉フューム及び水を含有してなるA液と、硬化促進剤とアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水とを含有してなるB液を、それぞれ、予め調製し、使用直前にA液とB液を混合する請求項4〜10のいずれか1項に記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
- セメント、高炉フューム、及び水を含有してなるA液と、硬化促進剤と水とを含有してなるB液と、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと水とを含有してなるC液を、それぞれ、予め調製し、使用直前にA液、B液及びC液を混合する請求項4〜10のいずれかに記載の地盤改良材用組成物の使用方法。
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