JP5591483B2 - 注入工法 - Google Patents

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Description

本発明は、注入工法に関する。
山岳トンネル工法で施工された鉄道、道路、水路トンネルには、背面空洞が存在する場合がある。この背面空洞は、トンネルが塑性圧や偏圧を受けた場合、覆工背面より十分な地盤反力が期待できないため構造的に不利な状態となることがある。
このような背面空洞による悪影響を抑制するために、エアモルタル工法、発泡ウレタン工法、可塑性グラウト工法に代表される背面空洞への裏込め注入工法が行われている。
山岳トンネルの背面空洞、土木構造物の空洞や隙間を充填等に利用する注入材においては、目的の空洞充填部に効率的に確実に注入し、周辺の隙間等への漏れがないようにするため、又は、注入材が地下水や流水に希釈されるのを防止するため、注入材がゲル状の凝集体としての性状を有することが望ましい。
従来、このような性状、機能を有する可塑性注入材は、従来から種々研究され実用に供されている。
特許文献1には、セメントミルクと、ベントナイトミルクとを混合攪拌して得られる空洞充填、軽量盛土、及び埋立て用の可塑性注入材が提案されている。特許文献2には、アタパルジャイト並びにメタカオリンから選ばれる1種以上の可塑化材とリン酸塩系分散剤と水からなる可塑化液と、セメントミルクからなる硬化液とを撹拌混合して形成される可塑性注入材が提案されている。特許文献3には、流動性モルタルにアタパルジャイトを混入した流動性の膨潤液を加えることにより非流動性の可塑状のグラウト材を得ることが提案されている。
しかしながら、これらは、圧送性を考慮した場合は、可塑材の使用量を少なくしなければならず、可塑材であるアタパルジャイトの使用量は下限で30kg/mとなっており、それよりも少ないと可塑性が弱くなることが記載されている。流動性を改善するとブリーディングが多量に発生し、沈降分離等を促進し、材料分離を生じ、硬化後に変形が生じてしまう。
一方、特許文献4には、石炭灰の添加量を多くした土木構造物の空洞充填、軽量盛土、埋め立て等に利用できる裏込材が提案されている。しかしながら、注入材は、高価となり、経済的ではなく、一方、安価で施工性の優れた可塑性注入材はいまだ実現されていない。
特許文献5には、急激な粘度上昇を示し、かつ、強度発現性に優れるセメント混和材として、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンとアルミン酸塩や硫酸塩を含有する硬化促進剤が提案されている。しかしながら、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンと硬化促進剤を別々に添加するので施工が煩雑であった。
特許文献6には、セメント、収縮補償性混和材、瀝青乳剤、高分子系乳剤、増量材、凝結調節剤、消泡剤、AE剤、発泡剤および水等を添加してなる高温施工時における鉄道用セメント瀝青系注入材料において、注入材料を普通硬化性セメント瀝青系モルタルに凝結調節剤として遅延型高性能減水剤を添加するA材と急硬性混合物スラリーに凝結調節剤として無機塩類や有機酸の配合物を添加するB材との二液に分けて別々に混練りした後、それぞれ別々にして運搬し、注入現場においてA材とB材を一体混練りしてなる混合物としたことを特徴とする鉄道用セメント瀝青系注入材料が提案されている。しかしながら、消泡剤をA材に添加するものであり、B材に添加する本発明とは異なる。
特許第3378501号公報 特許第3435122号公報 特開2003−082653号公報 特開平10−236862号公報 特開2002−179447号公報 特開平9−227194号公報
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の可塑化材を使用することにより、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、セメントを含有するセメントミルクA材と、カルシウムアルミネート、石膏、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、及び、カルシウムアルミネートと石膏の合計100部に対して0.05〜2.0部の、シリコーン系とノニオン系からなる群のうちの1種以上である消泡剤を含有する可塑化材B材を、注入ノズルの先端から0.5〜30mの位置で混合して注入する注入工法であり、セメント量が1m 当たり300〜800kgであり、カルシウムアルミネートの組成がCaO含有率20〜60%、Al 含有率20〜70%であり、カルシウムアルミネート100部と石膏50〜200部を含有する混合物の使用量が1m 当たり5〜50kgであり、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物の共重合比(モル比)=20:1〜1:20である共重合体であり、その固形分濃度10〜50%であり、その使用量がセメント100部に対して固形分濃度で0.05〜2部である該注入工法であり、セメントミルクA材が総粉体量で1m 当たり800kg以下の石炭灰及び/又は総粉体量で1m 当たり300kg以下のベントナイトを含有する該注入工法でる。
本発明の可塑性注入材や注入工法を使用することにより、山岳トンネルの背面空洞に充填し、土木構造物の空洞や隙間の充填部に確実に注入し、周辺の隙間等への漏れがなく、注入材が地下水や流水に希釈されるのを防ぎ、A材、B材の長距離圧送が可能で、ブリーディング量を減じた安価な可塑性注入材を提供することができる。
本発明で使用する部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグやフライアッシュ等を混合した各種混合セメント、並びに、通常市販されている各種微粒子セメントやエコセメント等が挙げられる。これらの中では、経済性や作業性が良く、スランプロスが少ない点で、普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
セメントの粉末度は、3000cm/g以上が好ましく、3000〜7000m/gがより好ましい。3000cm2/g未満では、初期の強度発現性の向上を十分示さない場合がある。
セメント量は1m当たり300〜800kgが好ましく、350〜600kgがより好ましい。250kg未満では、短・長期強度の発現不良やブリーディング過多の場合があり、800kgを超えると、セメントミルクの粘度が高く、圧送性に問題が生じ、経済的で無い場合がある。
本発明で使用するカルシウムアルミネート(以下、CAという)は、CaO、Al、及びSiOを含有するものであり、石膏との併用により主として短期強度の発現に寄与するものである。
CAの組成は、CaO含有率20〜60%、Al含有率20〜70%が好ましく、CaO含有率30〜55%、Al含有率30〜60%、及びSiO含有率0〜20%がより好ましい。この範囲外では短期強度が小さくなる場合がある。
CAは、石灰石等のカルシア原料、アルミナ、ボーキサイト、長石、及び粘土等のアルミナ原料に、更には、ケイ石、ケイ砂、石英、及びケイ藻土等のシリカ原料等を配合した後、ロータリーキルン等で焼成、又は、電気炉や高周波炉等で溶融することにより製造される。
CAとしては、C12、CA、CA、2CaO・Al・SiOやCaO・Al・2SiO等の結晶性化合物を使用することも可能であるが、短期強度が大きい点で、溶融物を急冷して得られるガラス質のものが好ましい。
CAのガラス化率は、CAを1,000℃で2時間加熱後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピークの面積Sを求め、CAの結晶のメインピークSから、X(%)=100×(1−S/S)として求められるものである。CAのガラス化率は、短期強度の点から50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。50%未満では短期強度が小さい場合がある。
使用するCAの粉末度は、粉末度で3000cm/g以上が好ましく、4000〜7000m/gがより好ましい。3000cm2/g未満では、初期の強度発現性の向上を十分示さない場合がある。
本発明で使用する石膏は、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏が挙げられ、更に天然石膏や、リン酸副生石膏、排脱石膏、及びフッ酸副生石膏等の化学石膏、又はこれらを熱処理して得られる石膏等が含まれる。これらの中では、強度発現性が大きい点で、無水石膏が好ましい。
石膏の粉末度は、3000cm2/g以上が好ましく、4000〜7000m2/gがより好ましい。3000cm2/g未満では、初期の強度発現性の向上を十分示さない場合がある。
石膏の使用量は、CA100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましい。50質量部未満では短期強度が小さい場合があり、200部を超えても短期強度が小さい場合がある。
CAと石膏の混合品(以下急硬材という)使用量は、1m当たり5〜50kgが好ましく、10〜30kgが好ましい。5kg未満では、短期強度の発現が不良である場合があり、50kgを超えると硬化時間の制御が難しく、ミキサやポンプを固めてしまう場合がある。又、長期強度発現に問題が生ずる可能性があり、経済的で無い場合がある。
本発明で使用するアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(以下エマルジョンと言う)は、急硬スラリーの練り置き性能、安全性、及び可塑性の点で、使用することが好ましい。エマルジョンは、不飽和カルボン酸と、不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物とを、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法を用いて共重合することにより得られるポリマーエマルジョンである。
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸や無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、並びに、マレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン酸半エステル等が挙げられる。これらの中では、凝結性状が大きい点で、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸及び/又はメタクリル酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、エチレン、アクリルニトリル等のシアノビニルモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマーや脂肪族カルボン酸ビニルエステル、ビニルエーテルモノマー等の多官能性ビニルモノマー等が挙げられる。これらの中では、より優れた効果を示す点で、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
エマルジョン中、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合比(モル比)は、より優れた効果を示す点で、不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物の共重合比(モル比)が20:1〜1:20であることが好ましく、5:1〜1:5であることがより好ましい。この範囲外では可塑効果が悪くなる場合がある。
エマルジョンの固形分濃度は、10〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましい。
エマルジョンの使用量は、セメント100部に対して、固形分濃度で0.05〜2部が好ましく、0.1〜1部が好ましい。0.05部未満ではセメントミルクの注入後の可塑性が弱く、隙間等への漏れが発生し、セメントミルクが地下水や流水に希釈される場合があり、2部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか、短・長期強度が悪くなる場合がある。
本発明の消泡剤を使用することにより、可塑化材B材の混練り時の泡立ちが無くなり、可塑化材B材の圧送性が均一となり、セメントミルクA材との混合性が一定となり、均一な可塑性注入材を流し込むことが可能となる。
本発明で使用する消泡剤としては、シリコーン系、ノニオン系、アルコール系、脂肪酸、エーテル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ポリエーテル系、及びフッ素系等が挙げられる。
具体的には、シリコーン系は、オイル型若しくはそのオイル型をトルエン等の溶剤で溶かした溶液型、シリコーンオイルに無機質の微粉末を添加したコンパウンド型、並びに、各種の乳化剤を用いたエマルジョン型等が挙げられる。これらの中では、消泡効果や可塑化材の物性の点から、シリコーン系やノニオン系が好ましい。
消泡剤の使用量は、急硬材100部に対して、0.05〜2.0部が好ましく、0.1〜1.5部がより好ましい。0.05部未満では可塑化材B材の混練り時の泡立ちの低減効果が弱い場合があり、2.0部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか、短期強度や長期強度が低下する場合がある。
消泡剤の混合方法は、可塑化材B材混練り時に水に投入する方法や、急硬材にコンパウンドとして混合する方法が好ましい。
可塑化材のセメントミルクへの混合は、圧送されているセメントミルク圧送管中の枝管(Y字管又はシャワーリング)へ可塑化材用ポンプ等により圧入され、無駆動ミキサ(スタッティックミキサ)により混合し、注入する方法が好ましい。
混合位置は、注入ノズルの先端から0.5〜30mが好ましく、1〜10mがより好ましい。0.5m未満では、混合が不十分で、セメントミルクが流れ出る場合があり、30mを超えると、可塑したモルタルでホースに圧力が掛かり、注入に不具合が生ずる場合がある。
本発明で使用する石炭灰とは、例えば、火力発電所のボイラから排出される石炭燃焼灰等、手段を問わず、石炭を燃焼させて得られた燃焼灰の総称をいう。石炭灰とは、例えば、石炭火力発電所から発生する灰であり、微粉炭燃焼によって生成し、燃焼ボイラの燃焼ガスから空気余熱器、又は節炭器等を通過する際に落下採取された石炭灰、電気集塵機で採取された石炭灰、更には燃焼ボイラの炉底に落下した石炭灰等が該当する。これらの中では、JIS規格のフライアッシュが好ましい。石炭灰のブレーン比表面積は、2500cm/g以上が好ましく、3800〜4000cm/gがより好ましい。石炭灰の密度は、1.95g/cm以上が好ましく、2.2〜2.3g/cmがより好ましい。
石炭灰の使用量は、総粉体量で1m当たり800kg以下が好ましく、100〜600kgがより好ましく、200〜500kgが最も好ましい。100kg未満では、ブリーディングが多くなり空洞充填が不良である場合があり、600kgを超えると、長期強度発現に問題が生ずる場合があり、セメントミルクの粘度が高くなり圧送性に問題が生ずる場合がある。
本発明で使用するベントナイトとは、例えば、モンモリロナイト粘土鉱物をいう。ベントナイトとしては、ホージュン社製榛名ベントナイト等が挙げられる。ベントナイトの粒度は、45μm湿式残渣が10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。
ベントナイトの使用量は、総粉体量で1m当たり300kg以下が好ましく、50〜150kgがより好ましい。300kgを超えると、長期強度発現に問題が生ずる場合があり、セメントミルクの粘度が高くなり圧送性に問題が生ずる場合がある。
本発明では、凝結調整剤を使用してもよい。
本発明で使用する可塑性注入材は、セメントミルクA材と可塑化材B材とを攪拌混合して形成される可塑性注入材であり、A材及びB材を混合することにより、可塑化させることができるものである。
A剤とB材との混合割合は、使用目的に応じて適宜決定されるが、必要に応じて、B材の濃度を調整したり、又A材とB材との混合比率を調整したりしてもよい。例えば、水中部や滞水部には可塑性を大きくして可塑性注入材を充填し、その他の箇所は可塑性を小さくして可塑性注入材を充填する等、使用目的に応じて適宜決定されるものである。A材とB材との混合割合は、容積比率で4:1〜30:1が好ましく、5:1〜20:1がより好ましい。
混練時間は特に材料分離が生じなければ限定されるものではなく、例えば、ハンドミキサで10秒程度が好適である。
本発明で使用する可塑性注入材は、日本道路公団規格試験法であるシリンダー法によって測定されたフロー値が、80〜150mmであることが好ましく、80〜120mmであることがより好ましい。可塑性注入材は、内径80mmのシリンダーを使用するので、当該フロー値が80mm未満とはならず、150mmを超えると限定注入等には適さない場合がある。本発明で使用する可塑性注入材は、優れた可塑性能を有し、限定注入にも適している。
本発明で使用する可塑性注入材の注入方法は、セメントミルクA材と可塑化材B材とを、施工現場で、又は施工現場とは異なる場所で予め製造し、現場で混合するものである。これらの材の製造装置については、従来と同様でよく、グラウトミキサ、モルタルミキサ、ハンドミキサ、往復攪拌ミキサ等、通常の注入材用のセメントミルクや可塑化液を作製する際に使用されているミキサを用いることができる。
以下、実験例に基づき詳細に説明する。
実験例1
表1に示す配合をA材、B材を別々にハンドミキサで混練りして調製した。但し、表3に示す量の消泡剤をB材に添加し、調製した。調製したA材、B材をハンドミキサで5秒間均一混合し、モルタルフロー、ブリーディング率、圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005591483
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3200cm/g、密度3.15g/cm
石炭灰:碧南火力JISII種、ブレーン値3200cm/g、密度2.26g/cm
ベントナイト:ホージュン社製榛名ベントナイト、5μm湿式残渣が5%以下
エマルジョン:エチルアクリレート/メタクリル酸を共重合したポリマーエマルジョン(モル比45/55)固形分濃度30%
急硬材:カルシウムアルミネートC12組成、非晶質、ブレーン値6050cm/g、ガラス化率100%、市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5900cm/gを同等で混合。
消泡剤:ノニオン系界面活性剤、市販品、商品名「プロナール502」(東邦化学工業社製)
<測定方法>
泡の状態:表1に示す量の消泡剤を混和したB材10リットルを容量20リットルのポリバケツで5分間混練りし、泡の状態を観察した。注入材表面からの高さを測定した。
モルタルフロー:JHS 313、コンシステンシ−試験方法のシリンダ−法に準じた(φ80×80mm)。
ブリーディング率:土木学会法(Φ5cmチュ−ブ法)による。
水中不分離性:土木学会の水中不分離コンクリート設計施工指針付属書の水中分離度試験に準じて実施した。評価基準を表2に示した。
圧縮強度:JSCE−F56及びJIS R 5201に準じた(4cm×4cm×16cmの供試体を使用)。
Figure 0005591483
Figure 0005591483
実験例2
表4に示すようにA材の配合を変え、急硬材100部に対して消泡剤0.5部をB材に添加し、実施例1と同じく、A材、B材を別々にハンドミキサで混練りして調製した。結果を表4に示す。
Figure 0005591483
実験例3
表5に示す実験No.のA材とB材を混練りし、A材を10リットル/分でスクイズポンプより1.5インチのホースで10m圧送した。B材は1.1リットル/分でスクイズポンプより、内径12mmのホースで30m圧送し、先端より3m手前で、A材とB材を混合し、吐出し、その性状・物性を確認した。その結果を表5に示す。
<測定方法>
水中不分離性:30cm立方体の水を張った容器にホース先端を差し込み、水の汚れ具合と注入材の流れ具合を観察した。
透過率:JIS K 0115吸光光度分析通則により、紫外可視分光度計(島津UV−160A)を用いて測定。純水の透過率を100%とした。
Figure 0005591483
本発明の可塑性注入材及び注入工法を使用することにより、山岳トンネルの背面空洞部に充填し、土木構造物の空洞や隙間の充填部に確実に注入し、周辺の隙間等への漏れがなく、注入材が地下水や流水に希釈されるのを防ぎ、A材、B材の長距離圧送が可能で、ブリーディング量を減じた安価な可塑性注入材を提供することができる。本発明は、山岳トンネルの背面空洞充填に極めて有用である。
本発明は、更に、周辺の隙間等への漏れがなく、注入材が地下水や流水に希釈されるのを防ぎ、A材とB材の長距離圧送が可能であり、施工性の向上を実現できる。
本発明は、山岳トンネルの背面空洞充填、土木構造物の空洞充填等の裏込め、軽量盛土、埋め立て等に、可塑性注入材として使用できる。

Claims (3)

  1. セメントを含有するセメントミルクA材と、カルシウムアルミネート、石膏、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、及び、カルシウムアルミネートと石膏の合計100部に対して0.05〜2.0部の、シリコーン系とノニオン系からなる群のうちの1種以上である消泡剤を含有する可塑化材B材を、注入ノズルの先端から0.5〜30mの位置で混合して注入する注入工法。
  2. セメント量が1m 当たり300〜800kgであり、カルシウムアルミネートの組成がCaO含有率20〜60%、Al 含有率20〜70%であり、カルシウムアルミネート100部と石膏50〜200部を含有する混合物の使用量が1m 当たり5〜50kgであり、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物の共重合比(モル比)=20:1〜1:20である共重合体であり、その固形分濃度10〜50%であり、その使用量がセメント100部に対して固形分濃度で0.05〜2部である請求項1記載の注入工法。
  3. セメントミルクA材が総粉体量で1m 当たり800kg以下の石炭灰及び/又は総粉体量で1m 当たり300kg以下のベントナイトを含有する請求項1又は2記載の注入工法。
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