JP5785421B2 - セメント組成物及び空洞充填方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種土木工事における道路、道路トンネル及び鉄道トンネル等の隙間にセメントモルタルやセメントミルクを流し込むセメント混和材及び空洞充填方法に関する。本発明は、トンネル裏込め注入、地盤改良工事、止水工事及び土木工事で用いられる地盤注入及び基礎部の補強等の空隙充填に使用するセメント混和材及び空洞充填方法に関する。
土木、建築分野において、良好な流動性を示し、かつ、ブリーディングや材料分離がないセメント材料は、用途範囲が極めて広い。このセメント材料は、グラウト材、空洞充填材、裏込め材に使用されている。グラウト材、空洞充填材、裏込め材は、空港、港湾、道路、鉄道、既設トンネル等の空隙充填工事に使用されている。具体的には、機械基礎のベースプレート下の充填工事や既設トンネルの覆工コンクリート裏の空洞充填、橋脚の耐震補強工事を鋼板巻き立て工法で行う際の鋼板と既設コンクリートとの空隙充填等、建築構造物の補修・補強等に使用されている。この用途に求められる性能は、モルタルフローの経時低下が少ないこと、良好な流動性を示すこと、ブリーディングや材料分離が少ないこと、強度発現性が優れることである。
良好な流動性を示し、かつ、ブリーディングや材料分離がないことを要求されるセメント組成物は、一般に減水剤を組み合せ、単位水量を調整することで、流動性を保持しながらブリーディングと材料分離の防止を図っている。しかし、このセメント組成物は、減水剤を用いて単位水量を低減するため、適正な水比の範囲は狭くなる。
材料分離抵抗性の向上策としては、セメント混和材の粉末度を高くすることで微粉部分を増やし、粘性を上昇することが考案されている。その他にも、セメントよりも粉末度の高いポゾラン物質と減水剤を併用することで材料分離抵抗性を向上させることが多数考案されている。しかし、砂セメント比が2以上では、セメント等の結合材の単位量が小さいため、結合材全体の粉末度を高くしてもセメント組成物の粘性は上がらず、材料分離傾向が強くなる。
単位水量を少なくし、粉末度の高いフライアッシュ又は高炉スラグ微粉末を使用した場合、流動性が低下し、施工性が低下する。流動性を向上するためには、単位水量を増やすか減水剤の量を増やすかしかない。砂セメント比が2以上(セメント/骨材比0.5以下)でポルトランドセメントを使用した場合、このような方策では、材料分離を起こし、ブリーディングが発生する。砂セメント比が2未満でも、流動性を向上させるためには、単位水量を増やすか減水剤の量を増やすかしかない(特許文献1、特許文献2)。しかし、本発明のように、単位水量や減水剤の量を増やさなくても、材料分離を発生させず、強度低下を起こさないことができることについて記載がない。
その他には、カルシウムアルミネートと石膏類を膨張材と併用することで急硬性を付与し、材料分離を防止することが考案されている(特許文献3)。しかし、本発明のように、凝結時間を短くしないことにより、施工時間と施工量の制約を受けないようにできることについて記載がない。
特開2004−345898号公報 特開2003−171162号公報 特開2000−272943号公報
本発明の目的は、流動性がよく、ブリーディングが生じないグラウト材、空洞充填材、裏込め材等に用いるセメント混和材を提供することにある。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、アルミノケイ酸カルシウム、石膏、セルロース誘導体及びポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を使用することにより、流動性改善に優れた混和材が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)セメント100質量部と、(2)アルミノケイ酸カルシウム100質量部、石膏50〜200質量部、アルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して10〜100質量部のセルロース誘導体及びアルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して30〜200質量部のポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を含有してなるセメント混和材0.3〜5質量部を含有してなるセメント組成物であり、(1)セメント100質量部と、(2)(2−1)アルミノケイ酸カルシウム100質量部、石膏50〜200質量部、アルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して10〜100質量部のセルロース誘導体及びアルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して30〜200質量部のポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を含有してなるセメント混和材100質量部と(2−2)スラリー水70〜300質量部を含有してなるセメント混和材スラリー0.3〜5質量部(固形分換算)を含有してなるセメント組成物であり、更に、セメント混和材がフライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグを含有してなる該セメント組成物であり、フライアッシュのブレーン比表面積が2500cm /g以上であり、フライアッシュの密度が1.95g/cm 以上であり、高炉水砕スラグのブレーン比表面積が3000cm /g以上であり、フライアッシュと高炉水砕スラグの割合が、フライアッシュと高炉水砕スラグの合計100質量部中、質量比で、フライアッシュ25〜75:高炉水砕スラグ25〜75であり、フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグの使用量が、アルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏とポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の合計100質量部に対して、50質量部以上500質量部以下である該セメント組成物であり、ポリエーテル・ポリカルボン酸が、ポリオールと多塩基酸無水物との反応物である該セメント組成物であり、該セメント組成物と、水セメント比で40〜80質量%の水と、砂セメント比で2以上の細骨材を含有し、単位セメント量が280〜700kg/m であるセメントコンクリートであり、該セメント組成物を含有してなる空洞充填材であり、セメント混和材をセメントコンクリートに混合して該セメント組成物を調製し、このセメント組成物を空洞に充填してなる空洞充填方法であり、セメント混和材とスラリー水を含有してなるセメント混和材スラリーをセメントコンクリートに混合して該セメント組成物を調製し、このセメント組成物を空洞に充填してなる空洞充填方法である。
本発明のセメント混和材を用いることにより、ブリーディングが少なく、流動性に優れるといった効果を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、セメントミルク、モルタル、コンクリートの総称をセメントコンクリートという。
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウム(以下、CASという)は、CaO、Al及びSiOを含有するものである。CASは、石膏との併用により、セメントミルク、モルタル又はコンクリート(以下セメントコンクリートという)に可塑性を生じさせ、緩やかに凝結促進し、ブリーディングを防止するものである。
CASの組成は、CaO含有率20〜60%、Al含有率20〜70%、及びSiO含有率5〜30%が好ましく、CaO含有率30〜55%、Al含有率30〜60%、及びSiO含有率10〜20%がより好ましい。この範囲外では短期強度が小さくなる場合がある。
CASは、石灰石等のカルシア原料、アルミナ、ボーキサイト、長石及び粘土等のアルミナ原料、並びに、ケイ石、ケイ砂、石英及びケイ藻土等のシリカ原料等を所定の割合で配合した後、ロータリーキルン等で焼成、又は、電気炉や高周波炉等で溶融することにより製造する。
CASとしては、2CaO・Al2O・SiOやCaO・Al・2SiO等の結晶性化合物を使用することも可能であるが、短期強度が大きい点で、溶融物を急冷して得られるガラス質のものが好ましい。
CASのガラス化率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。ガラス化率が70%未満だと十分な水和活性が得られない場合がある。ガラス化率の測定方法は、下記に示すX線回折リートベルト法により行う。粉砕した試料に酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の内部標準物質を所定量添加し、メノウ乳鉢で十分混合した後、粉末X線回折測定を実施する。測定結果を定量ソフトで解析し、ガラス化率を求めた。定量ソフトには、Sietronics社製の「SIROQUANT」等を用いることができる。
CASの粉末度は、ブレーン比表面積値(以下ブレーン値という)で4,000cm/g以上が好ましい。4,000cm/g未満だと、セメントコンクリート等の可塑性が低下したり、短期の強度発現性が向上しなかったりする場合がある。
本発明で使用する石膏としては、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏が挙げられる。更に天然石膏や、リン酸副生石膏、排脱石膏、及びフッ酸副生石膏等の化学石膏、又はこれらを熱処理して得られる石膏等が挙げられる。これらの中では、強度発現性が大きい点で、無水石膏が好ましい。
石膏の粉末度は、ブレーン値で4,000cm/g以上が好ましい。4,000cm/g未満だと、セメントモルタル等の短期の強度発現性が向上しない場合がある。
石膏の使用量は、CAS100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましい。50質量部未満では流動性が小さい場合があり、200部を超えると短期強度が悪くなる場合がある。
本発明で使用するセルロース誘導体は、ブリーディングの防止に寄与するものであれば、特に限定されるものではない。セルロース誘導体としては、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているもの、例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。セルロース誘導体は、セメントコンクリート等の分離低減や圧送性の向上の効果がある。
セルロース誘導体の使用量は、CASと石膏の合計100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。10質量部未満では、ブリーディングの防止効果が少ない場合があり、100質量部を超えるとセメントコンクリート等の粘度が上がり、圧送性が悪くなり、経済的でない場合がある。
セルロース誘導体の混合方法としては、特に限定されるものではないが、予めセメント混和材(以下、混和材という)と混合したり、若しくは水に溶解したりして、別途セメントコンクリート等と混合する方法が挙げられる。
本発明では、モルタルフローの経時低下を少なくし、ポンプでセメントコンクリート等を圧入し、注入性や充填性を向上する点で、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を使用する。
ポリエーテル・ポリカルボン酸としては、PEG系、PPG系、PTG系等のポリオールと多塩基酸無水物との反応物が挙げられる。PEG系ポリオールは、活性水素を有する化合物を反応開始剤として、エチレンオキサイドを付加重合させたものである。PPG系ポリオールは、活性水素を有する化合物を反応開始剤として、プロピレンオキサイドを付加重合させたものである。PTG系ポリオールは、テトラヒドロフランのカチオン重合によって合成されたものである。
ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の使用量は、CASと石膏の合計100質量部に対して、30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。30質量部未満では、モルタルフローの経時低下が大きくなり、セメントコンクリートの粘度が上がり、圧送性が悪くなる場合があり、200質量部を超えると、セメントコンクリートの分離が発生し、ブリーディングの防止効果が無くなり、強度が小さくなる場合がある。
ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の混合方法は、特に限定されるものではないが、粉末の場合は、予め混和材と混合したり、若しくは水に溶解したりして、別途セメントコンクリート等と混合することができる。
本発明は、流動性向上の点で、フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグを使用することが好ましい。
本発明で使用するフライアッシュとは、例えば、火力発電所のボイラから排出される石炭燃焼灰等、手段を問わず、石炭を燃焼させて得られた燃焼灰の総称をいう。石炭灰とは、例えば、石炭火力発電所から発生する灰であり、微粉炭燃焼によって生成する。石炭灰としては、燃焼ボイラの燃焼ガスから空気余熱器又は節炭器等を通過する際に落下採取された石炭灰、電気集塵機で採取された石炭灰、燃焼ボイラの炉底に落下した石炭灰等が挙げられる。これらの中では、JIS規格のフライアッシュが好ましい。石炭灰のブレーン比表面積は、2500cm/g以上が好ましく、3000〜4500cm/gがより好ましい。石炭灰の密度は、1.95g/cm以上が好ましく、2.2〜2.4g/cmがより好ましい。
本発明で使用する高炉水砕スラグは、鉄鋼製造の過程で高炉から排出される溶融状態のスラグを水等で急冷してガラス質にし、粉砕して粉末化したものである。高炉水砕スラグは、潜在水硬性を有しており、アルカリの刺激作用により硬化する性質を持つものである。これ以外の、例えば、都市ゴミや下水汚泥等を溶融したスラグ、脱燐スラグ、徐冷スラグ等も使用することができる。
高炉水砕スラグの粉末度は、ブレーン値で3000cm/g以上が好ましく、4000cm/g以上がより好ましい。3000cm/g未満では、ブリーディングの防止効果が少ない場合がある。
フライアッシュと高炉水砕スラグの割合は、流動性向上の点で、フライアッシュと高炉水砕スラグの合計100質量部中、質量比で、フライアッシュ0〜100:高炉水砕スラグ100〜0が好ましく、フライアッシュ25〜75:高炉水砕スラグ25〜75がより好ましい。
フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグの使用量は、アルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏とポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の合計100質量部に対して、500質量部以下が好ましく、300質量部以下がより好ましい。500質量部を超えると、流動性の低下による圧送性が悪くなる場合がある。
フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグの使用量は、アルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏の合計とポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤との合計100質量部に対して、50質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましい。
CAS、石膏、セルロース誘導体、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤、必要に応じて使用するフライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグを含有する、セメント混和材の使用量は、セメント100質量部に対して、0.3〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。0.3質量部未満では、流動性の低下や圧送性の問題が生ずる場合があり、5質量部を超えると、ブリーディング防止効果が少なくなり、分離抵抗性、圧送性、強度が悪くなる場合がある。
セメント混和と混合するセメントとしては、普通、早強、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ又はフライアッシュ等を混合した各種混合セメント、エコセメント、微粒子セメント、並びに超微粒子セメント等が挙げられる。これらの中では、流動性、圧送性の点で、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントからなる群のうちの1種以上が好ましい。
セメントへセメント混和材を混合する混合方法としては、セメント投入時にセメント混和材も同時に混合する方法や、セメント混和材とスラリー水を混合したセメント混和材スラリーを、セメントコンクリートを混練した後に投入し、混合する方法等何れも可能である。セメント混和材とスラリー水を混合したセメント混和材スラリーを投入する方法が、セメントコンクリート等の経時変化による混練直後の流動性低下を発現しにくい点で、好ましい。
スラリー水の使用量は、セメント混和材100質量部に対して、スラリー水70〜300質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましい。セメント混和材と混合するスラリー水の使用量は、70質量部未満では短時間(混練り直後)でスラリーの粘度が上昇し、混合が不十分となる場合があり、300質量部を超えると、セメントコンクリート等の分離や強度低下の原因となる場合がある。
セメントコンクリートの水セメント比(W/C)は、40〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。ここでの水は、スラリー水を含まない。
セメントとセメント混和材を混合したセメント組成物は、ポンプ等で圧入し、各種土木工事における道路や道路トンネル及び鉄道トンネル等の隙間にセメントモルタルを流し込んで使用する。セメント組成物は、トンネル裏込め注入、地盤改良工事、止水工事や土木工事で用いられる地盤注入及び基礎部の補強等の空隙充填に使用する。
本発明で使用する骨材としては、細骨材や粗骨材が挙げられる。細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂及び珪砂等が挙げられる。粗骨材としては、砕石、川砂利、山砂利及び石灰砂利等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、細骨材が好ましい。
本発明の砂セメント比は、ポルトランドセメントを使用しても、材料分離を起こしにくく、ブリーディングが発生しにくい点で、2以上(セメント/骨材比0.5以下)が好ましく、0.20〜0.45がより好ましく、0.3〜0.4が最も好ましい。
セメントコンクリート中のセメントは単位セメント量で280〜700kg/mが好ましい。280kg/m未満では強度が十分でなく、材料分離を起こし、ブリーディングが発生する場合がある。700kg/mを超えるとセメントコンクリートの粘性が上昇し、作業性が悪くなり、経済的でない場合がある。
以下実験例により本発明を詳細に説明する。
実験例1
表1に示す配合のセメントモルタルを作製した。CAS100質量部と石膏100質量部からなる材料100質量部、セルロース誘導体30質量部、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤100質量部からなるセメント混和材を作製した。セメントモルタル中のセメント100質量部に対して表2に示すセメント混和材を混合し、モルタルフロー、その経時変化、ブリーディング率、圧縮強度の測定を行った。結果を表2に示した。実験No.1−8は、CASの代わりにCA(カルシウムアルミネート)を使用した。
Figure 0005785421
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント
砂:姫川産砂 密度=2.62g/cm、FM=2.92
CAS:CaO=45%、Al=40%、及びSiO=15%、ガラス化率95%、ブレーン値=5,500cm/g
石膏:天然無水石膏粉砕品、ブレーン値=5,700cm/g
セルロース誘導体:メチルセルロースSM10000(信越化学社製)
ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤:メルフラックスAP101F(BASFジャパン社製)、ポリオール等と多塩基酸無水物との反応物
CA:カルシウムアルミネート、CaO=49%、Al=51%、ガラス化率95%、ブレーン値=5,500cm/g
<測定方法>
モルタルフロー:JHS313、コンシステンシ−試験方法のシリンダー法に準じて測定した。調製直後、30分後、60分後、90分後に測定した。シリンダーは、直径80mm×高さ80mmのシリンダーを使用した。
ブリーディング率:JIS A 1123 「コンクリートのブリーディング方法」に準じて測定した。
1D圧縮強度:JIS R 5201に準じて測定した。供試体は、4×4×16cmの供試体を使用した。Dは日。型枠が脱枠できる圧縮強度は、0.5N/mm以上である。
Figure 0005785421
表2より、セメント混和材を混合することにより、モルタルフローの低下が抑えられ、ブリーディングを防止することが判った。CASの代わりにCAを使用した場合、圧送性が向上せず、本発明の効果が得られないことが判った。
実験例2
セメント100質量部に対してセメント混和材1質量部を混合し、CAS100質量部に対して表3に示す量の石膏を使用したこと以外は、実験例1と同様にセメント混和材を作製し、試験を実施した。結果を表3に示した。
Figure 0005785421

表3より、石膏を適量使用することにより、流動性と短期強度が大きくなることが判った。
実験例3
セメント100質量部に対してセメント混和材1質量部を混合し、CASと石膏の合計100質量部に対して表4に示す量のセルロース誘導体を使用したこと以外は、実験例1と同様にセメント混和材を作製し、試験を実施した。結果を表4に示した。実験No.3−7は、セルロース誘導体の代わりにPEO(ポリエチレンオキサイド)を使用した。
<使用材料>
PEO:ポリエチレンオキサイド、分子量200万、市販品
Figure 0005785421
表4より、セルロース誘導体を適量使用することにより、ブリーディングを防止し、流動性が大きいので圧送性がよくなることが判った。セルロース誘導体の代わりに、ポリエチレンオキサイドを使用した場合、圧送性が向上せず、強度が小さく、本発明の効果が得られないことが判った。
実験例4
セメント100質量部に対してセメント混和材1質量部を混合し、CASと石膏の合計100質量部に対して表5に示す量のポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を使用したこと以外は、実験例1と同様にセメント混和材を作製し、試験を実施した。結果を表5に示した。実験No.4−6は、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の代わりに無水マレイン酸を使用した。
<使用材料>
MA:無水マレイン酸、市販品
Figure 0005785421

表5より、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を適量使用することにより、ブリーディングを防止し、流動性が大きいので圧送性がよくなることが判った。ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の代わりに無水マレイン酸を使用した場合、圧送性が向上せず、本発明の効果が得られないことが判った。
実験例5
セメント100質量部に対して表1に示す量のセメント混和材を混合し、表6に示すように、高炉水砕スラグとフライアッシュの質量比を調製し、フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグの混合物を、アルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏とポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の合計100質量部に対して、250質量部混合したこと以外は、実験例1と同様にセメント混和材を作製し、試験を実施した。結果を表6に示した。
<使用材料>
高炉水砕スラグ:高炉水砕スラグ粉砕品 ブレーン値=5,500cm/g
フライアッシュ:碧南火力JIS II種、ブレーン値=3,200cm/g 密度=2.3g/cm
Figure 0005785421

表6より、フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグを適量使用することにより、流動性と強度がよくなることが判った。
実験例6
セメント混和材100質量部とスラリー水150質量部を混合してセメント混和材スラリーを作製した。セメント100質量部に対してセメント混和材スラリーを固形分換算で1質量部混合してセメント組成物を作製した。表1に示す配合のセメントモルタルを混練り後、セメントモルタルにセメント混和材スラリーを混合したこと以外は、実験例1と同様に試験を実施した。結果を表7に示す。
Figure 0005785421

表7より、セメント混和材スラリーを使用することにより、混練り直後にスラリーの粘度が上昇せず、強度がよくなることが判った。
本発明は、流動性がよく、材料分離がなく、ブリーディングが少ないといった効果が得られる。本発明は、注入材、空洞充填材、裏込め材等に用いることができる。セメントコンクリート基礎部等に流し込んだ、本発明のセメント組成物は、表面状態が良好で、基礎部との一体化が可能となり、長期耐久性に優れるといった効果が得られる。

Claims (9)

  1. (1)セメント100質量部と、(2)アルミノケイ酸カルシウム100質量部、石膏50〜200質量部、アルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して10〜100質量部のセルロース誘導体及びアルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して30〜200質量部のポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を含有してなるセメント混和材0.3〜5質量部を含有してなるセメント組成物。
  2. (1)セメント100質量部と、(2)(2−1)アルミノケイ酸カルシウム100質量部、石膏50〜200質量部、アルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して10〜100質量部のセルロース誘導体及びアルミノケイ酸カルシウムと石膏の合計100質量部に対して30〜200質量部のポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤を含有してなるセメント混和材100質量部と(2−2)スラリー水70〜300質量部を含有してなるセメント混和材スラリー0.3〜5質量部(固形分換算)を含有してなるセメント組成物。
  3. 更に、セメント混和材がフライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグを含有してなる請求項1又は2記載のセメント組成物
  4. フライアッシュのブレーン比表面積が2500cm /g以上であり、フライアッシュの密度が1.95g/cm 以上であり、高炉水砕スラグのブレーン比表面積が3000cm /g以上であり、フライアッシュと高炉水砕スラグの割合が、フライアッシュと高炉水砕スラグの合計100質量部中、質量比で、フライアッシュ25〜75:高炉水砕スラグ25〜75であり、フライアッシュ及び/又は高炉水砕スラグの使用量が、アルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏とポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤の合計100質量部に対して、50質量部以上500質量部以下である請求項4記載のセメント組成物。
  5. ポリエーテル・ポリカルボン酸が、ポリオールと多塩基酸無水物との反応物である請求項1〜4のうちの1項記載のセメント組成物。
  6. 請求項1〜5のうちの1項記載のセメント組成物と、水セメント比で40〜80質量%の水と、砂セメント比で2以上の細骨材を含有し、単位セメント量が280〜700kg/m であるセメントコンクリート。
  7. 請求項1〜5のうちの1項記載のセメント組成物を含有してなる空洞充填材。
  8. メント混和材をセメントコンクリートに混合して請求項1記載のセメント組成物を調製し、このセメント組成物を空洞に充填してなる空洞充填方法。
  9. メント混和材とスラリー水を含有してなるセメント混和材スラリーをセメントコンクリートに混合して請求項2記載のセメント組成物を調製し、このセメント組成物を空洞に充填してなる空洞充填方法。
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