JP3894780B2 - セメント系グラウト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築分野において使用されるセメント系グラウト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラウト用のセメント混和材として、膨張材と減水剤を主成分とするものが提案されている。これらグラウト組成物は、モルタル、コンクリートの作業性や充填性を改善し、グラウト工事を円滑に行うために使用されている。
グラウト材料に要求される性能は益々高まってきており、その要求物性としては、▲1▼無収縮であること、▲2▼広い温度範囲において流動性・充填性が良好でその保持性が優れること、▲3▼ブリーディングがないこと、さらに最近では、大容量・大量打設の施工が増える傾向にあるため、▲4▼水和熱による温度ひび割れを防止すること、また、今後の構造物では設計耐用期間を100年とする設計施工・指針(案)(自己充填型高流動高強度高耐久コンクリート構造物設計・施工指針(案)2001年土木学会発行)が提案されており、▲5▼高強度・高耐久性であることが必要とされており、これら全ての要求性能を満足することが求められる。
近年では、グラウト材を用いる対象である構造物が複雑化し、さらなる高性能化が求められる傾向にある。例えば、原子炉格納容器下グラウトをはじめ、プレキャストPC床版の長距離裏込めグラウト、鋼材継手グラウト等新たな用途に適応するグラウト材が求められている。このような用途に適応するためには、従来のグラウト材に比べ広い温度範囲においてより高い充填性を長時間保持し、高強度・高耐久であることが求められる。
無収縮性を得るために使用される膨張材としては、例えば、3CaO・3Al2O3・CaSO4(アウイン)、CaSO4及びCaOを主成分とするカルシウムサルホアルミネート系(以下、アウイン系膨張材という。)とCaOを主成分とする石灰系(以下、石灰系膨張材という。)の2種類がある。
しかしながら、アウイン系膨張材は、焼成時にSOxの揮散を生じ、所定の鉱物組成にすることが難しいこと、揮散するSOxを公害対策上捕集する設備費用が嵩む点で不経済であり、石灰系膨張材は、高い膨張量が得られる反面、養生等により膨張量が不安定になる場合があり、その制御方法も細心の注意を要していた。
流動性改善のために使用される減水剤としては、既調合で供給されるセメント系グラウト組成物では、メラミンスルホン酸塩系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、リグニンスルホン酸塩系減水剤、ポリカルボン酸系減水剤等の粉末が使用されているが、これら粉末状の減水剤を単独で使用した場合、流動性保持時間が短縮したり、流動性の温度依存性が大きくなったりする場合があった。そのため、粉末状減水剤の添加量を増やしたり、水セメント比を高くしたり、材料温度や水温を調整するなどの対策を行っていた。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉末状減水剤の添加量を増やしたり、水セメント比を高くした場合には、材料分離やブリーディングが発生し易く、強度低下も伴うため、高強度・高耐久性を満足することが難しくなったりする場合があった。そのため、現場で材料温度や水温を調整するための機材が必要となり、費用が嵩むため不経済であるなどの課題があった。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決すべく種々の検討を重ねた結果、特定の減水剤を組み合わせたセメント系グラウト組成物を使用することにより、温度依存性が少なく、流動性・充填性保持効果が著しく高く、長期に亘り強度増進効果が期待できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0003】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、セメント、細骨材、減水剤、膨張材、無機質微粉末及び発泡物質を含有してなる組成物において、減水剤の配合量がセメント100質量部に対し0.05〜4質量部であり、該減水剤100質量部中のメラミンスルホン酸塩系減水剤が10〜30質量部、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤が55〜85質量部、リグニンスルホン酸塩系減水剤が5〜20質量部であることを特徴とするセメント系グラウト組成物であり、膨張材が、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を熱処理して得られる、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを主成分とする膨張材である該セメント系グラウト組成物であり、無機質微粉末がブレーン比表面積が4000cm2/g以上、強熱減量が3.5%以下のフライアッシュである該セメント系グラウト組成物であり、デキストリンを含有してなる該セメント系グラウト組成物である。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0005】
本発明に使用される減水剤は、メラミンスルホン酸塩系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤の混合物である。これら減水剤の形態は、特に限定されるものではないが、全て粉末状で使用することができる。
減水剤の配合量は、セメント100質量部に対し、0.05〜4質量部が好ましく、0.5〜2.5質量部がより好ましい。減水剤の配合量が0.05質量部未満では十分な流動性及び流動保持性が得られない場合があり、4質量部を超えると、材料分離を起こしたり泡が発生する場合がある。
減水剤の配合割合は、減水剤100質量部中、メラミンスルホン酸塩系減水剤は、10〜30質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。ナフタレンスルホン酸塩系減水剤は、55〜85質量部が好ましく60〜80質量部がより好ましい。リグニンスルホン酸塩系減水剤は、5〜20質量部が好ましく、10〜15質量部がより好ましい。
【0006】
本発明に使用される膨張材は、特に限定されるものではなく、アウイン系膨張材や石灰系膨張材の他に、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及びセッコウ類を含有してなる膨張材等が挙げられる。中でも遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを含有してなる膨張材が好ましい。
【0007】
遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを含有してなる膨張材のその割合は、特に限定されるものではないが、膨張材100質量部中、遊離石灰は、30〜60質量部が好ましく、40〜50質量部がより好ましい。カルシウムアルミノフェライトは、10〜40質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。無水セッコウは、10〜40質量部が好ましく、20〜30質量部がより好ましい。膨張材中の各化合物の組成割合が前記の範囲外であると、十分な寸法安定性が得られない場合がある。
【0008】
カルシウムアルミノフェライトとは、CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物を総称するものであり、特に限定されるものではないが、CaOをC、Al2O3をA、Fe2O3をFとすると、C4AFやC6A2F等の化合物がよく知られている。通常は、C4AFとして存在していると考えて良い。本発明では、カルシウムアルミノフェライトを以下、C4AFと略記する。
【0009】
本発明の遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを含有してなる膨張材を製造する際、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を熱処理して、遊離石灰、C4AF及び無水セッコウからなるクリンカーを合成してこれを粉砕して製造される。遊離石灰、C4AF及び無水セッコウを別々に合成し、これらを混合したものでは、十分な効果は得られない。
CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を熱処理して、遊離石灰、C4AF及び無水セッコウからなるクリンカーを合成してこれを粉砕して製造されたものか否かを確認する方法としては、例えば、セメント混和材の粗粒子、具体的には100μmよりも大きな粒子を顕微鏡等により観察して組成分析を行い、粒子中に遊離石灰、C4AF及び無水セッコウが混在していることを確認することによって容易に判別できる。
【0010】
本発明の遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを含有してなる膨張材を製造する際の熱処理温度であるが、1100〜1600℃の範囲が好ましく、1200〜1500℃の範囲がより好ましい。1100℃未満では、得られた膨張材の膨張性能が十分でなく、1600℃を超えると無水セッコウが分解する場合がある。
【0011】
CaO原料としては、石灰石や消石灰等が挙げられ、Al2O3原料としては、ボーキサイト、アルミ残灰等が、Fe2O3原料としては、銅カラミ、鉄粉、市販の酸化鉄等が挙げられ、CaSO4原料としては、二水セッコウ、半水セッコウ及び無水セッコウ等が挙げられる。
【0012】
これら原料中には不純物が存在する。その具体例としては、SiO2、MgO、TiO2、P2O5、Na2O、K2O等が挙げられ、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならないが、これらのうちで特にSiO2は、クリンカー中5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。5.0質量%を超えると優れた寸法安定性が得られない場合がある。
【0013】
膨張材の配合量は、セメント100質量部に対して0.5〜25質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。
【0014】
本発明に使用される無機質微粉末は、特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積4000cm2/g以上、強熱減量が3.5%以下のフライアッシュであり、ブレーン比表面積5000〜7000cm2/gがより好ましく、強熱減量は3.0%以下がより好ましい。ブレーン比表面積4000cm2/g未満であるとブリーディングを生じる場合があり、ブレーン比表面積7000cm2/gを超えると所定の流動性を付与するために減水剤の添加量が増加する場合があり不経済である。また、強熱減量が3.5%を超えた場合も所定の流動性を付与するために減水剤の添加量が増加する場合があり不経済である。
【0015】
無機質微粉末の配合量は、セメント100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく5〜25質量部がより好ましい。
【0016】
本発明に使用されるデキストリンとは、デンプンを酸と共に加熱分解して得られる可溶性デンプンを総称するものであり、別名ばい焼デンプンとも呼ばれている。グラウトを大量に打設する際に発生する水和熱を抑制する目的で使用されるものである。デキストリンの冷水可溶分は、特に限定されるものではないが、冷水可溶分が5〜55%のものが好ましく、冷水可溶分が10〜50%のものがより好ましい。冷水可溶分が5%未満では十分な水和熱抑制効果が得られない場合があり、55%を超えると強度発現性が悪くなる場合がある。
なお、本発明で言う冷水可溶分とは、デキストリンが温度21℃の蒸留水に溶解した量を意味するものであり、具体的には、デキストリン10gを200mlのフラスコに入れ、温度21℃の蒸留水150mlを加えて1時間後にろ別し、そのろ液を蒸留乾固して得られたデキストリンを供試デキストリンに対する質量割合で示したものである。
【0017】
デキストリンの配合量は、セメント100質量部に対して0.05〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
【0018】
本発明に使用されるガス発泡物質とは、特に限定されるものではないが、水と混練した際に気体を発生する物質を総称するものであり、この作用によりグラウト材の沈下現象を防止し、構造物との一体化を図る目的で使用される。その具体例としては、例えば、アルミ粉や過酸化物質等が挙げられる。
【0019】
発泡物質の配合量は、セメント100質量部に対して0.0001〜0.1質量部が好ましく、0.0005〜0.02質量部がより好ましい。
【0020】
本発明に使用されるセメントとしては、特に限定されるものではないが、普通セメント、早強、超早強、低熱及び中庸熱等各種ポルトランドセメントと、これらセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカを混合した各種混合セメント、並びに石灰石粉末等を混合したフィラーセメント等がある。
【0021】
本発明に使用される細骨材は、特にその材質は限定されないが、その最大粒径は、5.0mm以下でFM1.5〜3.0のものが好ましい。
【0022】
本発明では、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン及び凝結調整剤、並びにセメント急硬材、ベントナイト等の粘土鉱物及びハイドロタルサイト等のアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0023】
本発明では、各材料の混合方法は、特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、予めその一部、或いは全部を混合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ及びナウタミキサ等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
メラミンスルホン酸塩系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、リグニンスルホン酸塩系減水剤及びポリカルボン酸系減水剤の配合割合を表1、膨張材の組成を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
本発明に係る膨張材の製造は、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を配合し、混合粉砕した後、1350℃で3時間熱処理して表2に示すような組成の膨張材を合成し、ボールミルを用いて、ブレーン比表面積4000cm2/g(JIS R 5201に準じて測定)に粉砕した。この膨張材を粉末X線回折法で同定したところ、遊離石灰、C4AF及び無水セッコウを含有していることを確認した。膨張材の化合物組成は、化学組成(JIS R 5202)を基に計算により算出した。また、市販のアウイン系膨張材と石灰系膨張材の化合物組成を表2に示した。
【0029】
セメント100質量部に対し、細骨材100質量部、膨張材5質量部、減水剤1.5質量部、無機微粉末イ10質量部、金属アルミ粉末0.001質量部とを配合してグラウト組成物を調整し、グラウト組成物100質量部に対し、水を水温5℃のとき19質量部、水温20℃のとき18質量部、水温30℃のとき17質量部を加えモルタルを調整し、コンシステンシーの評価としてフロー値及びJ14漏斗流下時間を90分まで30分ごとに測定した。また、材料分離の評価としてブリーディング率を測定した。さらに、初期膨張率と材齢7日の長さ変化率と材齢28日と120日の圧縮強度を測定した。結果を表3〜表8に示す。
【0030】
<使用材料>
セメント:市販普通ポルトランドセメント
膨張材:遊離石灰、C4AF及び無水セッコウを含有する膨張材、市販のアウイン系膨張材、市販の石灰系膨張材
細骨材:石灰石砕砂F.M=2.5
減水剤:市販のメラミンスルホン酸塩系減水剤、市販のナフタレンスルホン酸塩系減水剤、市販のリグニンスルホン酸塩系減水剤、市販のポリカルボン酸系減水剤
無機質微粉末イ:フライアッシュ、ブレーン比表面積5200cm2/g、強熱減量2.2%
発泡物質:市販金属アルミ粉末
【0031】
<測定方法>
フロー値:JIS R 5201に準じて測定した。ただし、フローテーブルに落下運動を与えず、フローコーンを静かに鉛直に引き上げ広がったモルタルの径を測定した。
J14漏斗流下時間:土木学会標準示方書(JSCE−F541)のJ漏斗(J14漏斗)によるコンシステンシーの測定に準じて流下値を測定。
ブリーディング率:土木学会標準示方書(JSCE−F542)のブリーディング率試験方法に準じて測定した。
初期膨張率:土木学会標準示方書(JSCE−F542)の膨張率試験方法に準じて測定した。
長さ変化率:JIS A 6202に準じて測定。材齢7日の長さ変化率を測定して表記した。
圧縮強度:土木学会標準示方書(JSCE−G505)の圧縮強度試験方法に準じて測定した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
表3〜表8より、本発明のセメント系グラウト組成物のフレッシュ性状は、比較例に比べ温度依存性が少なく、J14漏斗流下時間及びフロー値の経時変化が少なく、高流動性を長時間保持することが可能であり、ブリーディングや材料分離が無く、初期膨張率や長さ変化率は膨張側で良好な寸法安定性を示している。さらに、硬化後の圧縮強度が長期に亘り増進し高強度を発現していることが分かる。
【0039】
実施例2
膨張材d及び減水剤Cを使用し、セメント100質量部に対する配合量を変え、水温20℃の水を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表9、表10に示す。
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
表9、表10より、本発明のセメント系グラウト組成物のフレッシュ性状は、比較例に比べJ14漏斗流下時間及びフロー値の経時変化が少なく、高流動性を長時間保持することが可能であり、ブリーディングや材料分離が無く、初期膨張率や長さ変化率は膨張側で良好な寸法安定性を示している。さらに、硬化後の圧縮強度が長期に亘り増進し高強度を発現していることが分かる。
【0043】
実施例3
セメント100質量部に対し膨張材dを5質量部、減水剤Cを1.5質量部配合し、さらに、無機質微粉末の種類と量を変え、水温20℃の水を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表11、表12に示す。
【0044】
<使用材料>
無機質微粉末イ:フライアッシュ、ブレーン比表面積5200cm2/g、強熱減量2.2%
無機質微粉末ロ:フライアッシュ、ブレーン比表面積3000cm2/g、強熱減量3.0%
無機質微粉末ハ:フライアッシュ、ブレーン比表面積3200cm2/g、強熱減量5.5%
無機質微粉末ニ:フライアッシュ、ブレーン比表面積8000cm2/g、強熱減量2.5%
無機質微粉末ホ:石灰石微粉末、ブレーン比表面積5300cm2/g
【0045】
【表11】
【0046】
【表12】
【0047】
表11、表12より、無機質微粉末を使用することにより、本発明のセメント系グラウト組成物のフレッシュ性状は、比較例に比べJ14漏斗流下時間及びフロー値の経時変化が少なく、高流動性を長時間保持することが可能であり、ブリーディングや材料分離が無く、初期膨張率や長さ変化率は膨張側で良好な寸法安定性を示している。さらに、硬化後の圧縮強度が長期に亘り増進し高強度を発現していることが分かる。
【0048】
実施例4
セメント100質量部に対し、細骨材200質量部、膨張材d5質量部、減水剤C1.5質量部、無機質微粉末イ10質量部、金属アルミ粉末0.001質量部を配合し、デキストリンの種類と量を表13のように変えてグラウト組成物を調製した。グラウト組成物100質量部に対し、水温30℃の水15質量部を加えモルタルを調製して断熱温度上昇量を測定したこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表13、表14に示す。
【0049】
<使用材料>
デキストリン▲1▼:冷水可溶分5%
デキストリン▲2▼:冷水可溶分10%
デキストリン▲3▼:冷水可溶分30%
デキストリン▲4▼:冷水可溶分50%
デキストリン▲5▼:冷水可溶分55%
【0050】
<測定方法>
断熱温度上昇量は:試料容量0.01m3の断熱ポットを小型の変温室に入れ、モルタルの温度と変温室の温度が常に同じになるように制御する東京理工社製の断熱温度上昇量測定装置を用いて、測定した。
【0051】
【表13】
【0052】
【表14】
【0053】
表13、表14より、デキストリンを使用することにより、本発明のセメント系グラウト組成物は、モルタルの断熱温度上昇量が減少し、水和熱を抑制していることが分かる。また、比J14漏斗流下時間及びフロー値の経時変化が少なく、高流動性を長時間保持することが可能であり、初期膨張率及び長さ変化率も膨張側で良好な寸法安定性を示している。さらに、硬化後の圧縮強度が長期に亘り増進し高強度を発現していることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のセメント系グラウト組成物は、▲1▼無収縮であり、▲2▼流動性・充填性の温度依存性が少なく、▲3▼ブリーディングや材料分離が無く、▲4▼水和熱による温度ひび割れを防止し、▲5▼高強度で長期に亘り強度増進が期待でき高耐久性である、等の効果を奏し、従来のセメント系グラウト組成物に比べ優れた品質のグラウト材料が得られる。
Claims (4)
- セメント、細骨材、減水剤、膨張材、無機質微粉末及び発泡物質を含有してなる組成物において、減水剤の配合量がセメント100質量部に対し0.05〜4質量部であり、該減水剤100質量部中のメラミンスルホン酸塩系減水剤が10〜30質量部、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤が55〜85質量部、リグニンスルホン酸塩系減水剤が5〜20質量部であることを特徴とするセメント系グラウト組成物。
- 膨張材が、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料及びCaSO4原料を熱処理して得られる、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水セッコウを主成分とする膨張材である請求項1記載のセメント系グラウト組成物。
- 無機質微粉末がブレーン比表面積が4000cm2/g以上、強熱減量が3.5%以下のフライアッシュである請求項1又は2記載のセメント系グラウト組成物。
- デキストリンを含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載のセメント系グラウト組成物。
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