JP2019112259A - 空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法 - Google Patents

空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法 Download PDF

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秀弘 田中
佐々木 崇
Takashi Sasaki
崇 佐々木
泰一郎 森
Taiichiro Mori
泰一郎 森
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Minoru Morioka
実 盛岡
佐々木 猛
Takeshi Sasaki
猛 佐々木
恵巳 赤土
Megumi Akado
恵巳 赤土
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Yasuyuki Hayakawa
康之 早川
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Abstract

【課題】ノロの有効利用が可能で、特に空洞充填材用の混和材に好適な空洞充填材用混和材、及び空洞充填材等を提供する。【解決手段】遠心成形を行ってコンクリート製品を成形する際に発生するノロの乾燥物を含有する、空隙充填材用混和材、及びセメントと、当該空洞充填材用混和材を含む空洞充填材等である。【選択図】なし

Description

本発明は、空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法に関し、特に、土木・建築分野、例えば、トンネルと地山の間に生ずる空洞、空隙の裏込めや、シールドセグメント裏面の充填、また、廃坑、防空壕、砕石場跡地等の地下空洞の充填に用いる空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法に関する。
トンネルと地山の間に生ずる空洞、空隙の裏込めや、シールドセグメント裏面の充填、また、廃坑、防空壕、砕石場跡地等の地下空洞の充填に空洞充填材が用いられている。空洞充填材に求められる性能としては、長距離圧送を可能にするために流動性に優れることや、土質に合わせた強度設計が容易であること、充填後には材料分離が生じにくいことなどが挙げられる。流動性の確保と材料分離抵抗性の付与は相反する要求性能であり、トレードオフの関係にあることから、これらを両立できる材料技術の開発が求められている。
また、流水の影響を受ける用途、例えば、トンネルの覆工においては、さらに要求性能が厳しくなる。トンネルでは、施工時や施工後に、覆工コンクリート背面に空洞が発生する場合があり、この空洞をそのまま放置すると、(1)空洞部への地山の崩落に伴い、地表面が沈下する、(2)地山崩落が激しい場合には、覆工コンクリートの変形や破壊、特に、トンネルの崩落が発生する、(3)空洞への地下水の流入により、覆工コンクリートが劣化する、(4)それに伴う劣化コンクリート片の走行車線への落下や、クラック部からの漏水により、冬季に走行車線が凍結する等の課題があった。
近年、施工件数が増加しているトンネル補修工事の中に、覆工コンクリート背面の空洞に空隙充填材を充填し、トンネルの安定化を図る方法がある。
従来、空隙充填材として、セメント−ベントナイトやセメント−石炭灰(フライアッシュ)が用いられてきた。これらはそのままで用いられる場合もあるが、流動性が大きいために遠方まで不必要に逸流したり、湧水がある場合には空隙充填材が流出したり、希釈されて強度が低下したりすることもある。これらの課題を解決する目的で、高吸水性樹脂や水ガラスを添加して粘度を大きくする方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
一方、産業副産物のうち、有効利用の推進が望まれるもののひとつとしてコンクリート製品工場から発生する遠心成型時のノロと呼ばれるスラッジ(以下、「ノロ」と略記することがある)がある。ノロの利用法としては、ノロを乾燥させた粉末を水質浄化材として用いる提案がなされている(特許文献3、特許文献4)。
特開平10−237446号公報 特開平11−61123号公報 特開2011−173045号公報 特開2013−039551号公報
しかし、特許文献1、2のように混和材としてベントナイトを用いる方法は経済性に乏しく、石炭灰やフライアッシュを用いる方法は、材料分離抵抗性が十分でない場合や強度設計が難しい等の課題があった。具体的には、1.5N/mm〜5.0N/mmの範囲に制御することが望まれる。土と同じレベルの強度が要求され、1.5N/mm未満では、強度が十分でなく、一方、5.0N/mmを超える強度も過剰強度となり、事後に掘り起こすことが困難となるため、避けなければならない。
また、特許文献3、4のようなノロの利用方法であっても、ノロは未だ廃棄処分されることが多く、その処分に多大な費用を要するため、さらなる有効な利用方法の確立が望まれる。
以上から、本発明は、ノロの有効利用が可能で、特に空洞充填材用の混和材に好適な空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、有効利用の推進が望まれるノロについて、その有効利用法を鋭意検討した結果、空洞充填材用の混和材として有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 遠心成形を行ってコンクリート製品を成形する際に発生するノロの乾燥物を含有する、空隙充填材用混和材。
[2] セメントと、[1]に記載の空洞充填材用混和材を含む空洞充填材。
[3] 前記セメント100質量部に対して、前記空洞充填材用混和材を、30〜350質量部含有する[2]に記載の空洞充填材。
[4] 可塑剤を含有する[2]又は[3]に記載の空洞充填材。
[5] 前記可塑剤が、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンである[4]に記載の空洞充填材。
[6] 前記アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンが、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合物である[5]に記載の空洞充填材。
[7] さらに、硬化促進剤を含有する[2]〜[6]のいずれかに記載の空洞充填材。
[8] セメント、[1]に記載の空洞充填材用混和材、及び水をあらかじめ混合してA液とし、可塑剤と水とを混合してB液とし、使用直前に、A液とB液とを混合する空洞充填材の使用方法。
本発明によれば、ノロの有効利用が可能で、特に空洞充填材用の混和材に好適な空洞充填材用混和材、空洞充填材及びその使用方法を提供することができる。
また、本発明の空洞充填材を用いることにより、フライアッシュを用いた場合よりも強度設計が容易で、分離抵抗性に優れる空洞充填材が調製できる。さらに、可塑剤や硬化促進材を組み合わせることにより、水中不分離性が良好で、限定注入が可能となり、寸法安定性にも優れる空洞充填材を製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
[1.空隙充填材用混和材]
本発明の空隙充填材用混和材は、遠心成形を行ってコンクリート製品を成形する際に発生するノロの乾燥物を含有する。
ここで、「ノロ」とは、遠心成型して製造されるコンクリート製品、例えば、パイル、ポール、ヒューム管等を製造する際に発生するコンクリートスラッジである。本発明では、ノロの乾燥物を空洞充填材用混和材として活用する。その成分は、通常、CaO、SiO、Al、Fe、NaO、KO、MgO、SO等を含んでいる。各成分の含有量は、特に限定されるものではないが、CaOが25〜35%、SiOが15〜25%、Feが0.5〜1.5%、Alが3〜7%、MgOが0.5〜2%、NaOが1%以下、KOが0.1〜1%、強熱減量が25〜40%、SOが2〜6%の範囲である。化合物としては、エトリンガイトやAFm相(ハイドロカルマイト族)、水酸化カルシウム、C−S−Hゲルといったセメント水和物に加え、炭酸カルシウムや骨材由来のシリカ質も含まれる。密度は1.90〜2.30g/cmの範囲にある。
ノロの乾燥物における残留水分量は、10%以下であることが好ましく1%以下であることがより好ましい。10%以下であることで、セメントと混合した際にダマ(凝集物)の発生を抑え、作業性を良好にすることができる。残留水分量は乾燥器での加熱乾燥や加熱乾燥式水分計等により確認できるが、150℃程度の乾燥処理により、容易に1%以下とすることができる。
空洞充填材用混和材(以下、「本混和材」ということがある)の粉末度は、ブレーン比表面積で3000cm/g〜10,000cm/gが好ましく、ブレーン比表面積で4000cm/g〜8,000cm/gがより好ましい。ブレーン比表面積で3000cm/g以上であると材料分離抵抗性が十分となり、10,000cm/g以下であると良好な効果を期待し、粉砕に係るコストを削減できる。
空隙充填材用混和材中、ノロの乾燥物は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。ノロの乾燥物が90質量%以上であることで、ノロの有効利用が可能で、特に空洞充填材用の混和材としても有効に機能する。
また、ノロの乾燥物以外の成分として、水分、細骨材、セメント等を適宜含有していてもよい。
[2.空洞充填材]
本発明の空洞充填材は、セメントと、既述の本発明の空洞充填材用混和材、必要に応じて細骨材や粗骨材を含み、これに水を添加してなるセメントペースト、モルタル、コンクリートを総称して云う。ここで、「空洞充填材」とは、例えば既設トンネルの覆工背面やシールドトンネルの裏込め、空洞の埋め戻し等の空洞を充填する土工材料を指す。
本発明で使用するセメントは特に限定されるものではなく、通常のセメントが使用可能であり、具体的には、普通、早強、超早強、中庸熱、及び低熱等の各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、また、石灰石微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などを混合したフィラーセメント、廃棄物利用型セメント、いわゆるエコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
セメントと本混和材の比率は特に限定されるものではないが、セメント100質量部に対して、空洞充填材用混和材が、30〜350質量部であることが好ましく、100〜250質量部であることがより好ましい。30質量部以上であると、良好な材料分離抑制効果が得られ、ブリーディング水が多くなり過剰強度となるのを防ぐことができる。350質量部以下であると、十分な強度発現性が得られやすい。
本発明の空洞充填材は、可塑剤を含むことが好ましい。当該可塑剤とは、セメントを主材とした流動性の懸濁液を可塑状固結に変質させる材料であり、具体的には、水ガラス、アルミニウム塩、粘土鉱物、高吸水性ポリマー、及びアルカリ増粘型ポリマーエマルジョン等が挙げられ、そのうち、速効性、経済性、及び安全性の面から、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンが好ましい。
上記のアルカリ増粘型ポリマーエマルジョン(以下、「本エマルジョン」ということがある)とは、アルカリにより増粘するポリマーエマルジョンをいう。
本エマルジョンとしては、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合物等、種々挙げられるが、より優れた効果を示す面で、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合物であるポリマーエマルジョンが好ましい。不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法により、共重合する方法等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸や無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、並びに、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、及びマレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン半エステルが挙げられ、これらの中では、より優れた効果を示す面で、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸及び/又はメタクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、エチレン、アクリルニトリルやメタクリロニチリル等のシアノビニルモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、及びブチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びグリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、及びネオデカン酸ビニルエステルなどのC3〜18脂肪族カルボン酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びフェニルビニルエーテル等のビニルエーテルモノマー、並びに、アリルメタクリレートなどの多官能性ビニルモノマーなどが挙げられ、そのうち、より優れた効果を示す面で、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
本エマルジョンの不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合比は、より優れた効果を示す面で、不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物=20:1〜1:20が好ましく、5:1〜1:5がより好ましい。この範囲内であれば良好なアルカリ増粘性が得られやすい。
本エマルジョンの使用量は、セメント100部に対して、固形分換算で、0.05〜2.5部が好ましく、0.1〜2部がより好ましく、0.2〜1部がさらに好ましい。0.05部以上であることで良好な増粘効果が得られ、フローが大きくなったり水中不分離性が悪くなったりすることを防ぐことできる。また、2.5部以下であることで、良好な初期強度発現性得られやすくなる。
本発明の空洞充填材では、強度発現性や材料の分離抵抗性の面から、例えば、アルミン酸塩と硫酸塩を含有する硬化促進剤を含有することが好ましい。
ここで、アルミン酸塩としては、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸カルシウム等が挙げられ、強度発現性の面でアルミン酸カルシウムが好ましい。
アルミン酸カルシウムとは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAlとを主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した物質、あるいは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが固溶した物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであってもよい。これらの中では、反応活性の面で、非晶質のアルミン酸カルシウムが好ましく、12CaO・7Al組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のアルミン酸カルシウムがより好ましい。
アルミン酸カルシウムの粒度は、ブレーン値で3,000cm/g以上が好ましく、5,000cm/g以上がより好ましい。3,000cm/g以上であることで、初期強度発現性を向上させることができる。
本発明では、本発明の目的を阻害しない範囲でClやFなどのハロゲン類等を含有していても差し支えない。なお、本発明において、アルミン酸カルシウムは硫酸塩と併用せず、単独でも本エマルジョンの可塑化助剤として使用することが可能である。
硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、カリウム明礬、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、及び硫酸鉄等が挙げられ、強度発現性の面で、硫酸カルシウム及び/又は硫酸アルミニウムが好ましい。硫酸カルシウムとしては、無水石膏、半水石膏、又は二水石膏等が挙げられ、これらのなかでは、強度発現性の面で、無水石膏が好ましい。硫酸塩の粒度は、ブレーン値で3,000cm/g以上が好ましく、5,000cm/g以上がより好ましい。3,000cm/g以上であることで、初期強度発現性を向上させることができる。
アルミン酸塩と硫酸塩の配合割合は、アルミン酸塩100部に対して、硫酸塩20〜500部が好ましく、50〜150部がより好ましい。20部以上であることで強度発現性が良好にすることができ、500部以下であることでフローが大きくなったり、水中不分離性が悪くなったり、長期強度発現性が小さくなったりすることを防ぐことができる。
硬化促進剤の使用量は、セメント100部に対して、0.5〜25部が好ましく、1〜20部がより好ましく、2〜10部がさらに好ましい。0.5部以上であることで、フローが大きくなったり、水中不分離性が悪くなったり、さらに、強度発現性が小さくなったりすることを防ぐことができる。また、25部を以下であることで硬化が早くなることを防ぐことができる。
本発明の空洞充填材は、セメントと、本混和材を必須成分とし、必要に応じて、本エマルジョン、さらに硬化促進剤等が混合されてなり、さらに水と混合して空洞充填が得られる。混合法としては、基本的には、セメントと本混和材、硬化促進剤が粉体で本エマルジョンは主に水に分散した液体であることから、粉体は各粉体単独で水と混合する方法や粉体同士を予め混合してから水と混合する方法がある。一方、本エマルジョンは液体であるので、単独で添加混合する方法が好ましい。さらに、セメントと本混和材を水と混合した後、硬化促進剤、本エマルジョンの順に添加混合する方法が好ましい。その場合、添加混合性の点から水で希釈して用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。
上記空洞充填に求められる強度は、28日後で1.5N/mm〜5.0N/mmの範囲に制御することが望まれる。土と同じレベルの強度が要求され、1.5N/mm以上であることで、強度が十分となる。一方、5.0N/mm以下であることで、過剰強度となることを防ぎ、事後に掘り起こすことが容易となる。ただし、構造物との一体化や保護の観点から下限値を0.5N/mmにするのが好ましい。
[3.空洞充填材の使用方法]
空洞充填材の使用方法は特に限定されるものではないが、水と混合しスラリー状に調製して使用する方法が、混合性が良好となり増粘性の面から好ましい。すなわち、セメント、空洞充填材用混和材、及び水をあらかじめ混合してA液とし、可塑剤と水とを混合してB液とし、使用直前に、A液とB液とを混合する空洞充填材の使用方法である。
例えば、セメントと本混和材をあらかじめ水と混合したセメント−本混和材スラリーをA液とし空洞に充填する。また、必要に応じて、本エマルジョンと水とを混合してなる本エマルジョン液をB液とし、さらには硬化促進剤と水とを混合してなるC液をし、使用直前にA液にC液を混合、さらにはB液を混合することにより、粘度を急激に上昇させることができる。
セメントと本混和材と混合する水の量は特に限定されるものではないが、空洞充填材100部に対して、50〜120部が好ましい。50部以上とすることで、空洞充填材の混練がしやすくなり、120部以下とすることでフローが大きくなり、水中不分離性が悪くなることや強度発現性が十分でないといったことを防ぐことできる。
本エマルジョンや硬化促進剤も、添加混合がしやすい面から、水と混合して使用することが好ましい。その場合の水の使用量は特に限定されるものではないが、本エマルジョンの場合は、本エマルジョンの固形分の20〜100倍の水で希釈することが好ましい。
硬化促進剤の場合は、その1〜5倍に希釈することが好ましい。水の量がこの範囲にあると、粘性が高くならずに混合性がよくなり、水中不分離性をも良好にすることができる。
空洞充填の調整方法としては、特に限定されるものではないが、Y字管等の混合管を使用する方法、三重管を使用する方法、及び本エマルジョン液のB液と硬化促進剤液のC液を、それぞれシャワー状にセメント−本混和材系のスラリーのA液に合流混合させるためのインレットピースを使用する方法等が挙げられる。また、空洞充填材をより均一に混合するため、合流混合後の管中にスパイラル状のミキサをセットし、さらにセメントコンクリート材を混合する方法も挙げられる。
上記のようにして本発明の空洞充填材を用いることにより、フライアッシュを用いた場合よりも材料分離抵抗性が有り、空洞充填性に優れたが材料に調製でき、必要以上の高強度になることがなく強度設計が容易である。さらに可塑剤や硬化促進材を組み合わせることにより、水中不分離性が良好で、限定注入が可能となり、寸法安定性にも優れる空洞充填材を調製することができる。
以下、実験例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例1)
セメント100部と、下記表1に示す本混和材と水をミキサーで混練してセメントコンクリートを調製した。調製したセメントコンクリートについて、フロー、ブリーディング率、及び圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
なお、比較のため、本混和材の代わりにベントナイト及びフライアッシュを用いて同様な実験を行った。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
本混和材A:ブレーン値5,000cm/g、強熱減量が35.0%、SiOが20.0%、Feが0.8%、Alが5.2%、CaOが31.7%、MgOが1.1%、NaOが0.1%、KOが0.4%、及びSOが4.0%、密度2.10。
本混和材B:ブレーン値6,800cm/g、強熱減量が32.1%、SiOが23.1%、Feが1.1%、Alが5.8%、CaOが27.9%、MgOが1.6%、NaOが0.2%、KOが0.4%、及びSOが4.4%、密度2.21。
ベントナイト:市販品
フライアッシュ:市販品、ブレーン値4,000cm/g、密度2.35。
<測定方法>
フロー:内径80mm×高さ80mmのシリンダーに混練物を入れ、シリンダーを引き抜いた後の広がりを2分後に測定。
ブリーディング:JSCE−F 522に準じて測定。
圧縮強度:JSCE−F 522のチューブ内で、材齢28日まで養生を行い、その後、試料を長さ100mmに切断して直径50mm、高さ100mmの円柱供試体とし、圧縮強度測定を行った。
なお、全ての試験において、養生温度および測定温度は、20℃とした。
表1より、本発明の混和材を使用することにより、流動性が良好で、ブリーディングが少ないことがわかる。また、強度発現性が良好であることがわかる。一方、ベントナイトを用いた場合は流動性に劣り、混和材を使用しない場合や、フライアッシュを用いた場合にはブリーディングが発生しやすく、5.0N/mmを超えて過剰強度になることがわかる。
(実験例2)
セメント100部、下記表2に示す本混和材200部、及び水215部をミキサーで混練してA液を作製し、セメント100部に対して、固形分換算で表2に示す量のエマルジョンと、エマルジョンの50倍量の水とを混合してB液とした。その後、A液にB液を投入し5秒間混練し、混練物(セメントコンクリート)を調製した。結果を表2に併記する。
なお、比較のため、本エマルジョンの代わりにアルカリ増粘性を有さない非本エマルジョンを用いて同様な実験を行った。結果を表2に併記する。
<使用材料>
エマルジョンα:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート/メタクリル酸=45/55のエチルアクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーエマルジョン
エマルジョンβ:本エマルジョン、固形分濃度30%、エチルアクリレート/メタクリル酸=45/55のエチレン/酢酸ビニル共重合ポリマーエマルジョン70部と、エチレン/酢酸ビニル=18/82のエチルアクリレート/アクリル酸共重合ポリマーエマルジョン30部の混合物
エマルジョンγ:非本エマルジョン、固形分濃度30%、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート=45/55のスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート共重合ポリマーエマルジョン
<測定方法>
可塑性:内径80mm×高さ80mmのシリンダーに混練物を入れ、シリンダーを引き抜いた直後の広がりを測定し、80mmから120mmを「良好な可塑状態(○)」、120mmから160mmを「わずかに流れがあるが実用可能な可塑状態(△)」、160mm以上の場合を「流れあり可塑性が得られず(×)」とした。
水中不分離性:土木学会の水中不分離コンクリート設計施工指針付属書の水中分離度試験に準じて実施、水の濁りがない場合を「○」、水の濁りがわずかにあるが実用可能の場合を「△」、材料が分離し、水の濁りが大の場合を「×」とした。
表2より本エマルジョンを使用することにより、速効で可塑状になり、水中不分離性が良好になる。また、ブリーディングも少なくなり、空洞充填性に優れていることがわかる。
(実験例3)
セメント100部、本混和材B100部、及び水150部をミキサーで混練してA液を作製し、エマルジョンαをセメント100部に対して、固形分換算で0.5部を、エマルジョンの50倍量の水と混合してB液とし、セメント100部に対して、下記表3に示す量の硬化促進剤と該硬化促進剤の5倍量の水とを混合してC液とし、A液、B液、及びC液を混練したこと以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に併記する。
<使用材料>
硬化促進剤:12CaO・7Al組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質で、ブレーン値6,000cm/gのアルミン酸カルシウム100部と、ブレーン値5,400cm/gの無水石膏の100部の混合物
<測定方法>
寸法安定性:内径50mm×高さ100mmの容器に混練物を入れ、表面を平らにした後、乾燥防止を施し28日間養生する。表面からの収縮量を測定する。
寸法安定性=(28日後の収縮量(mm)/100mm)×100%
圧縮強度:寸法安定性測定後の試料を用いて測定。
表3より、硬化促進剤を併用することにより、寸法安定性や強度発現性にも優れることがわかる。
本発明の空洞充填材を用いることにより、フライアッシュを用いた場合よりも材料分離抵抗性が有り、空洞充填性に優れたが材料に調製できる。また、必要以上の高強度になることがなく強度設計が容易で、さらに可塑剤や硬化促進材を組み合わせることにより、水中不分離性や寸法安定性が良好になり、限定注入に優れた空洞充填が可能となる。
したがって、本発明は、土木・建築分野、例えば、トンネルと地山の間に生ずる空洞、空隙の裏込めや、シールドセグメント裏面の充填、また、廃坑、防空壕、砕石場跡地等の地下空洞の充填に好適である。

Claims (8)

  1. 遠心成形を行ってコンクリート製品を成形する際に発生するノロの乾燥物を含有する、空隙充填材用混和材。
  2. セメントと、請求項1に記載の空洞充填材用混和材を含む空洞充填材。
  3. 前記セメント100質量部に対して、前記空洞充填材用混和材を、30〜350質量部含有する請求項2に記載の空洞充填材。
  4. 可塑剤を含有する請求項2又は3に記載の空洞充填材。
  5. 前記可塑剤が、アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンである請求項4に記載の空洞充填材。
  6. 前記アルカリ増粘型ポリマーエマルジョンが、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合物である請求項5に記載の空洞充填材。
  7. さらに、硬化促進剤を含有する請求項2〜6のいずれか1項に記載の空洞充填材。
  8. セメント、請求項1に記載の空洞充填材用混和材、及び水をあらかじめ混合してA液とし、可塑剤と水とを混合してB液とし、使用直前に、A液とB液とを混合する空洞充填材の使用方法。
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