JP4722322B2 - 水硬性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木・建築分野で使用するセメント・コンクリート代替の水硬性組成物、具体的にはスラグを含有する水硬性組成物に関する。好ましくは、トンネルをはじめとする地下構造物の掘削、既設コンクリートの補修・補強、及び法面の安定化・被覆等に用いる吹付コンクリート、上向きへの注入や亀裂を有する地盤への注入に用いるロックボルト工法やアンカー工法に用いるコンクリート、水中コンクリート、こて塗り材、並びに押し出し成型用セメント等、セメント組成物を使用したセメントミルク、セメントモルタル、又はコンクリートの粘度を急激に上昇させる必要がある用途等、従来セメントを用いていた用途に使用する水硬性組成物に関する。
尚、本発明でいう部や%の単位は、特に規定のない限り質量単位を表す。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメントミルク、セメントモルタル、及びコンクリートの粘度を急激に上昇させる添加剤としては、セピオライトやアタパルジャイト等のホルマイト系鉱物(特開平6−264449号公報)、ラムザンガム(特開平7−10623号公報)、サイリウムシードガム(特開平7−206498号公報)、ウエランガム(特開平7−208097号公報)、β−1,3グルカン(特開平8−157249号公報)、及びヒドロキシエチルセルロース(特開平8−245255号公報)等が知られている。
【0003】
一方、スラグは潜在水硬性物質とも呼ばれ、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ刺激剤により硬化する。スラグは、6価クロムの溶出量が少ないため、セメントの代替材料として検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スラグは水和反応速度が極めて小さく、上記のアルカリ刺激剤を併用しても粘度を上昇させることは困難であるという課題があった。
【0005】
本発明者は、種々検討を重ねた結果、特定の物質を併用すると、スラグを含有する水硬性組成物が急激な粘度上昇を示し、かつ、強度発現性に優れる等の知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、スラグと(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとアルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤とからなり、スラグ100部に対して、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが固形分で0.01〜10部、硬化促進剤が0.5〜60部である水硬性組成物であり、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合により得られるポリマーエマルジョンである該水硬性組成物である。
そして、スラグ、アルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤、及び水を含有してなる混合物と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法であり、スラグと水を含有してなる混合物と、アルミン酸カルシウム及び硫酸塩を含有する硬化促進剤、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、及び水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法であり、スラグと水を含有してなる混合物と、アルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤と水を含有してなる混合物及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明のスラグとしては、高炉から副生される高炉スラグや転炉・電炉等の製鋼炉から副生される製鋼スラグ等が挙げられる。これらの中では、強度発現性の点から、高炉スラグが好ましく、非晶質の高炉スラグがより好ましい。
【0009】
本発明のスラグの粒度は、ブレーン値で3000cm2/g以上が好ましく、6000cm2/g以上がより好ましく、9000cm2/g以上が最も好ましい。3000cm2/g未満だと強度発現性が低下するおそれがある。
【0010】
本発明の水硬性組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとしてはいろいろ挙げられるが、より優れた効果を示す点で、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合により得られるポリマーエマルジョンが好ましい。ポリマーエマルジョンの重合方法としては、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物を、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法により、共重合する方法等が挙げられる。
【0011】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンは、特にアルカリと併用すると増粘効果が大きくなる。
【0012】
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸や無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、並びに、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、及びマレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン半エステルが挙げられる。これらの中では、より優れた効果を示す点で、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸及び/又はメタクリル酸がより好ましい。
【0013】
エチレン性不飽和化合物としては、エチレン、アクリルニトリルやメタクリロニチリル等のシアノビニルモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びグリシジルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びグリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、及びネオデカン酸ビニルエステル(商品名「ベオバ10」(シェルジャパン製))等のC3〜18脂肪族カルボン酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びフェニルビニルエーテル等のビニルエーテルモノマー、アクリルアミドやメタクリルアミド等のアミド系モノマー、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−トルイルマレイミド等のマレイミド系モノマー、塩化ビニルや塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、N−ビニルピロリドン、並びに、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルアクリレート、及びアリルメタクリレート等の多官能性ビニルモノマー等が挙げられる。これらの中では、より優れた効果を示す点で、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
【0014】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン中、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合比(質量比)は、より優れた効果を示す点で、不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物=20:1〜1:20が好ましく、5:1〜1:5がより好ましい。
【0015】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの使用量は、スラグ100部に対して、固形分で0.01〜10部が好ましく、0.1〜5部がより好ましい。0.01部未満だと増粘効果が少なくなり、流動性が大きくなるおそれがあり、10部を越えると初期強度発現性が悪くなるおそれがある。
【0016】
本発明の水硬性組成物に用いられる硬化促進剤としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、カリウム明礬、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、及び硫酸鉄等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウム等の水酸化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及び塩化鉄等の塩化物、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸カルシウム等のアルミン酸塩、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、及びケイ酸カリウム等のケイ酸塩、ジエタノールアミンやトリエタノールアミン等のアミン類、ギ酸カルシウムや酢酸カルシウム等の有機酸のカルシウム塩、並びに、シリカゾルやアルミナゾル等のコロイド等が挙げられる。これらの硬化促進剤の一種又は二種以上を併用しても良い。これらの中では、強度発現性が優れ、6価クロムの溶出量を低減できる点で、アルミン酸塩及び/又は硫酸塩が好ましく、アルミン酸塩と硫酸塩を併用したものが好ましい。
【0017】
アルミン酸塩の中では、強度発現性が最も優れる点で、アルミン酸カルシウムが好ましい。
【0018】
本発明のアルミン酸カルシウムとは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAl23とを主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAl23の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩等と置換した物質、あるいは、CaOとAl23とを主たる成分とするものに、これらが固溶した物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであってもよい。
【0019】
これらの中では、反応活性の面で、非晶質のアルミン酸カルシウムが好ましく、12CaO・7Al23組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のアルミン酸カルシウムがより好ましい。
【0020】
アルミン酸カルシウムの粒度は、ブレーン値で3000cm2/g以上が好ましく、5000cm2/g以上がより好ましい。3000cm2/g未満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0021】
本発明の硫酸塩の中では、強度発現性の点で、硫酸カルシウム及び/又は硫酸アルミニウムが好ましい。硫酸カルシウムとしては、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏等が挙げられる。これらの中では、強度発現性の点で、無水石膏が好ましい。
【0022】
硫酸塩の粒度は、ブレーン値で3000cm2/g以上が好ましく、5000cm2/g以上がより好ましい。3000cm2/g未満だと強度発現性が低下するおそれがある。
【0023】
硬化促進剤としてアルミン酸塩と硫酸塩を併用した場合、硫酸塩の使用量は、アルミン酸塩100部に対して、20〜500部が好ましく、50〜150部がより好ましい。20部未満だと強度発現性が小さくなるおそれがあり、500部を越えるとフローが大きくなり、水中不分離性や厚塗り性が悪くなり、長期強度発現性が小さくなるおそれがある。
【0024】
硬化促進剤の使用量は、スラグ100部に対して、0.5〜60部が好ましく、1〜20部がより好ましい。0.5部未満だとフローが大きくなり、水中不分離性や厚塗り性が悪くなり、強度発現性が小さくなるおそれがあり、60部を越えると長期強度発現が小さくなるおそれがある。
【0025】
本発明の水硬性組成物に、砂や砂利等の骨材、AE剤、減水剤、高性能減水剤、気泡剤、消泡剤、収縮低減剤、防錆剤、防水剤、膨張剤、及び防凍剤等を併用してもよい。
【0026】
水の使用量は、特に限定されるものではないが、スラグ100部に対して、25〜200部が好ましく、30〜60部がより好ましい。25部未満だと水硬性組成物の混練が困難になるおそれがあり、200部を越えると流動性が大きくなるおそれがある。
【0027】
スラグと(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの混合方法は特に規定されないが、例えば、スラグと水を混合し、続けて(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと混合することにより増粘させる方法が好ましい。
【0028】
さらに、硬化促進剤を使用した場合、スラグ、硬化促進剤、及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの混合方法は特に規定されないが、例えば、(1)(a)スラグ、硬化促進剤、及び水の混合物、(b)(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水の混合物の2種類の混合物を用意し、これら2種類の混合物を混合することにより増粘する方法、(2)(a)スラグと水の混合物、(b)硬化促進剤、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、及び水の混合物の2種類の混合物を用意し、これら2種類の混合物を混合することにより増粘する方法、(3)(a)スラグと水の混合物、(b)硬化促進剤と水との混合物、(c)(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水の混合物の3種類の混合物を用意し、これら3種類の混合物を混合することにより増粘する方法が挙げられる。(1)の場合、スラグ、硬化促進剤、及び水の混合物が直ぐに硬化しないように、さらに硬化遅延剤を併用することが好ましい。(2)や(3)の場合、アルミン酸塩単独の硬化促進剤やアルミン酸塩と硫酸塩を併用した硬化促進剤を使用すると、水と混合してから1時間以内に硬化するおそれがあるので、硬化遅延剤を併用することが好ましい。
【0029】
硬化遅延剤としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、及びリンゴ酸等のオキシカルボン酸、これらのオキシカルボン酸塩、ホウ酸、トリポリリン酸塩、並びにピロリン酸塩等が挙げられる。これらの硬化遅延剤の一種又は二種以上を併用しても良い。これらの中では、遅延効果が大きい点で、オキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩が好ましく、クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウムがより好ましい。
【0030】
硬化遅延剤の使用量は、スラグ100部に対して、0.01〜10部が好ましく、0.05〜5部がより好ましい。0.01部未満だと遅延効果が小さいおそれがあり、10部を越えると強度発現性が小さくなるおそれがある。
【0031】
実際の施工にあたっては、吹付材等に使用する場合は、スラグと水からなる混合物と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを別々に圧送して、吐出口先端で合流混合しながら施工することが好ましい。
【0032】
合流混合の方法としては、Y字管等の混合管を使用する方法、二重管を使用する方法、及び水硬性組成物を液状にし、シャワー状に合流混合させるインレットピースを使用する方法等が挙げられる。又、合流混合後の管中にスパイラル状のミキサをセットし、さらに混合する方法も挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
実験例1
スラグA100部と水40部をミキサーで混練してA剤を作製した。次に、スラグ100部に対して固形分で表1に示す量の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンαと水5部を混合してB剤を作製した。
A剤とB剤をミキサーに続けて投入し、30秒間混練した。混練物につき、流動性、水中不分離性、厚塗り性、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定した。水中不分離性は表1に基づいて評価し、厚塗り性は表2に基づいて評価した。結果を表3に併記した。
【0035】
<使用材料>
スラグA:高炉スラグ粉砕品、非晶質、ブレーン値10500cm2/g、市販品
硬化促進剤a:アルミン酸塩(アルミン酸カルシウム、12CaO・7Al23組成に対応する熱処理物を急冷したもの、非晶質、ブレーン値6000cm2/g)100部と硫酸塩(無水石膏、ブレーン値5400cm2/g)100部からなる混合物
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンα:固形分濃度30%、エチルアクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーエマルジョン、ポリマー組成はエチルアクリレート:メタクリル酸 = 45:55(質量比)
【0036】
<測定方法>
流動性:内径80mm、高さ80mmのシリンダーに混練物を入れ、シリンダーを引き抜いた後の広がりを2分後に測定した。
水中不分離性:土木学会の水中不分離コンクリート設計施工指針付属書の水中分離度試験に準じて実施した。評価基準を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
厚塗り性:日本道路公団の断面修復材料規格の厚塗り性試験に準じて実施した。
評価基準を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
圧縮強度:JIS R 5201に準じて実施し、所定材齢の圧縮強度を測定した。
【0041】
6価クロム溶出量:環境庁告示第46号に準じて測定した。測定材齢は1日。
【0042】
【表3】
【0043】
実験例2
スラグA100部、水40部、硬化促進剤a3部、及び、スラグA100部に対して硬化遅延剤2部をミキサーで混練してA剤を作製した。次に、スラグ100部に対して固形分で1部の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンαと水5部を混合してB剤を作製した。
A剤とB剤をミキサーに続けて投入し、30秒間混練した。混練物につき、流動性、水中不分離性、厚塗り性、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定した。
結果を表4に併記した。
【0044】
<使用材料>
硬化遅延剤:オキシカルボン酸、クエン酸、市販品
【0045】
【表4】
【0046】
実験例3
スラグA100部と水40部をミキサーで混練してA剤を作製した。次に、スラグA100部に対して硬化促進剤a3部、固形分で1部の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンα、及び水5部を混合してB剤を作製した。
A剤とB剤をミキサーに続けて投入し、30秒間混練した。混練物につき、流動性、水中不分離性、厚塗り性、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定した。
結果を表5に併記した。
【0047】
【表5】
【0048】
実験例4
スラグB100部と水40部をミキサーで混練してA剤を作製した。次に、スラグB100部に対して表6に示す硬化促進剤3部と水5部を混合してB剤を作製した。さらに、スラグ100部に対して固形分で1部の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンαと水5部を混合してC剤を作製した。
A剤、B剤、及びC剤をミキサーに続けて投入し、30秒間混練した。混練物につき、流動性、水中不分離性、厚塗り性、及び圧縮強度を測定した。結果を表6に併記した。
なお、比較のため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの代わりにアルカリ増粘性を有さない非(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを用いて同様な実験を行った。
【0049】
<使用材料>
スラグB:高炉スラグ粉砕品、非晶質、ブレーン値9500cm2/g、市販品
硬化促進剤b:硫酸塩、硫酸アルミニウム、市販品
硬化促進剤c:炭酸塩、炭酸ナトリウム、市販品
硬化促進剤d:水酸化物、水酸化カルシウム、市販品
硬化促進剤e:アルミン酸塩、アルミン酸ナトリウム、市販品
硬化促進剤f:コロイド、シリカゾル、市販品
硬化促進剤g:アルミン酸塩、アルミン酸カルシウム、12CaO・7Al23組成に対応する熱処理物を急冷したもの、非晶質、ブレーン値6000cm2/g)
非(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン:固形分濃度30%、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート共重合ポリマーエマルジョン、ポリマー組成はスチレン:2−エチルヘキシルアクリレート = 45:55(質量比)
【0050】
【表6】
【0051】
実験例5
スラグA100部と水40部を混練してA剤を作製し、スラグA100部に対して表7に示す量の硬化促進剤aと水5部を混練してB剤を作製し、スラグA100部に対して固形分で1部の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンβと水5部を混合してC剤を作製し、流動性、水中不分離性、厚塗り性、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定したこと以外は、実験例4と同様に行った。
結果を表7に併記した。
【0052】
<使用材料>
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンβ:固形分濃度30%、エチルアクリレート/アクリル酸共重合ポリマーエマルジョン(ポリマー組成はエチルアクリレート:メタクリル酸 =45:55(質量比))70部とエチレン/酢酸ビニル共重合ポリマーエマルジョン(ポリマー組成はエチレン:酢酸ビニル= 18:82(質量比))30部からなるブレンド物
【0053】
【表7】
【0054】
実験例6
スラグB100部と水40部を混練してA剤を作製し、スラグB100部に対して硬化促進剤a3部と水5部を混練してB剤を作製し、スラグB100部に対して固形分で表8に示す量の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンβと水5部を混合してC剤を作製し、流動性、水中不分離性、厚塗り性、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定したこと以外は、実験例4と同様に行った。結果を表8に併記した。
【0055】
【表8】
【0056】
実験例7
スラグを用いず、セメントを用いた。セメント100部と水40部を混練してA剤を作製し、セメント100部に対して硬化促進剤a3部と水5部を混練してB剤を作製し、セメント100部に対して固形分で1部の(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンβと水5部を混合してC剤を作製し、6価クロム溶出量を測定したこと以外は、実験例4と同様に行った。結果を表9に併記した。
【0057】
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
【0058】
【表9】
【0059】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物を用いることにより、以下の特性が得られる。
1.粘度を急激に上昇させることができる。
2.水中不分離性や厚塗り性が良好になる。
3.強度発現性が良好になる。
4.6価クロム量を溶出するおそれがない。

Claims (5)

  1. スラグと(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとアルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤とからなり、スラグ100部に対して、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが固形分で0.01〜10部、硬化促進剤が0.5〜60部である水硬性組成物。
  2. (メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンが不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合により得られるポリマーエマルジョンである請求項1記載の水硬性組成物。
  3. スラグ、アルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤、及び水を含有してなる混合物と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法。
  4. スラグと水を含有してなる混合物と、アルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、及び水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法。
  5. スラグと水を含有してなる混合物と、アルミン酸カルシウム及び硫酸カルシウムである硫酸塩からなる硬化促進剤と水を含有してなる混合物及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと水を含有してなる混合物を使用直前に混合して使用することを特徴とする水硬性組成物の使用方法。
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