JPH0891896A - 高水和活性物質、セメント用急結材及びコンクリートまたはモルタルの凝結、硬化を促進する方法 - Google Patents

高水和活性物質、セメント用急結材及びコンクリートまたはモルタルの凝結、硬化を促進する方法

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JPH0891896A
JPH0891896A JP6250053A JP25005394A JPH0891896A JP H0891896 A JPH0891896 A JP H0891896A JP 6250053 A JP6250053 A JP 6250053A JP 25005394 A JP25005394 A JP 25005394A JP H0891896 A JPH0891896 A JP H0891896A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モルタルまたはコンクリートの凝結及び硬化
を促進する高水和活性物質、セメント用急結材を得る。 【構成】 CaOとAl23からなるカルシウムアルミ
ネート系の結晶質の焼成物で、C127とC3Aの合量が
70重量%以上の高水和活性物質。CaOとAl23
Na2Oからなるカルシウムアルミネート系の結晶質の
焼成物で、C127とC3Aの合量が70重量%以上、ア
ルミン酸ソーダが20重量%以下、未反応CaOが10
重量%以下の高水和活性物質。この高水和活性物質に石
こう、石灰、炭酸アルカリ金属塩、アルミン酸ソーダ及
び水酸化アルミニウムのうち少なくとも1種を混合した
セメント用急結材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメントペースト、モ
ルタル及びコンクリート用の急結材、速硬材、硬化促進
材等の主成分となる高水和活性物質、この高水和活性物
質を用いたセメント用急結材及びこのセメント用急結材
を用いてトンネル工事などで使用される吹き付け用等の
コンクリートまたはモルタルの凝結、硬化を促進する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】非常に短時間でセメントを凝結、硬化さ
せるためには、生成スピードの極めて速い水和物を生成
するように調整された混和材をセメントに混合する必要
がある。また、凝集性のある水和物の生成速度を速くす
ることが可能となれば、このことによりコンクリートま
たはモルタルの初期強度を著しく高めたり、凝結時間を
極端に短くする等、凝結、硬化スピードを調整し、道路
の緊急舗装工事などの様々な用途に活用することが出来
る。また、このような特性をもつセメント用急結材を用
いて、トンネルの天井部、橋台下などの天板にコンクリ
ートやモルタルを吹きつける、いわゆる吹き付け工法が
広く行われている。
【0003】この工法に適用するためのセメント用急結
材として、従来から様々なものが使用されている。吹き
付け工事に使用するコンクリートとして必要な特性は、
付着性が良好で、跳ね返りが少ないこと、コンクリート
の凝結が早く、付着後直ちに硬化すること、芯材となる
鋼材を腐食させないことなどが挙げられる。すでに公知
の多くのセメント用急結材を大別すると、高水和活性物
質のうち水ガラスを主体とするもの、アルミン酸塩を主
体とするもの、か焼明ばん石を主体とするもの、カルシ
ウムアルミネート系材料を主体とするものなどがある。
【0004】水ガラスを主体とするものは、硬化後のコ
ンクリートの強度が向上せず、長期安定性が不十分で、
しかもアルカリ量も多く、アルカリ公害を生じる恐れが
ある。また、アルミン酸ソーダと炭酸ソーダとからなる
急結材は、その添加量の変動により凝結時間、初期強度
が大きく変化し、品質が安定しないという問題点が指摘
されている。また、これは吸湿性が高く、アルカリ量も
多く長期安定性にも問題があった。か焼明ばん石を主体
とするものは、付着性が低く初期強度発現性も低い。
【0005】C3A 、C127 、11CaO・7Al2
3・CaF2 (以下C117 ・CaF2 と略記す
る)、CaO・Al23(以下CAと略記する)等のカ
ルシウムアルミネート系材料を主体とする急結材は、近
年最も広く使用されている。焼成法による結晶質カルシ
ウムアルミネートでは、急結性能や速硬性が安定せず、
初期強度発現性も低いという問題点が指摘されている。
結晶質のC127 、C117 ・CaF2 及びCAでは、
水和活性が十分でなく、セメント中に半水石膏が存在し
た場合、凝結時間が非常に長くなることが知られてい
る。また結晶質のC3A ではその添加量により膨張等の
クラックによる強度低下が認められることがある。ま
た、溶融法により非晶質化した無定形カルシウムアルミ
ネートを使用したものは、水和活性が高く急結性能に優
れている。しかしながら、融点の高いCaOやAl23
を溶融させることは非常に多くの熱量を要し、コストが
懸かり過ぎるといった面もある。
【0006】また、一般的に、この種の急結材では、厳
冬期に急結性能が低下したり、硬化後の強度発現が低か
ったりするという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セメントペ
ースト、モルタル及びコンクリートに添加することによ
り、凝結及び硬化を著しく促進させ、しかも高い初期及
び長期強度発現性が期待できる高水和活性物質及びセメ
ント用急結材、並びにこのセメント用急結材を使用した
コンクリートまたはモルタルの凝結、硬化を促進する方
法を得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の原理は、セメン
トに添加することにより、セメントの水和を促進すると
ともに、添加した組成物がセメントペースト液相中の各
イオンと反応して急速に凝集性のある水和物を生成させ
ることによって、凝結及び硬化を促進することにある。
一般に焼成法による結晶質カルシウムアルミネートで
は、急結性能や速硬性が安定せず、初期強度発現性も低
いという問題点が指摘されているが、本発明のCaOと
Al23を焼成して得られるカルシウムアルミネート系
の結晶質の焼成物で、C127 とC3A の合量が70重
量%以上である高水和活性物質(請求項1)は、カルシ
ウムアルミネート系の結晶質の焼成物のうちでも、特に
セメントペースト、モルタル、コンクリートに添加した
場合に、水和して得られる水和物の凝集力及び生成量が
非常に高く、凝結時間が短くなる。C127 とC3A の
合量が70重量%以下の含有量の組成物を添加した場合
には、十分な凝結時間の短縮ができない。なお、C12
7 とC3A を組み合わせた場合、C127 及びC3A を
単独で水和させた場合よりも、非常に凝集性の優れた水
和物が多量に生成する。
【0009】また、CaO、Al23及びNa2O を焼
成して得られるカルシウムアルミネート系の結晶質の焼
成物で、C127 とC3A の合量が70重量%以上で、
かつアルミン酸ソーダが20重量%以下、かつ未反応C
aOが10重量%以下である高水和活性物質(請求項
2)は、Na2O を添加してカルシウムアルミネートを
焼成することにより、C127 、C3A 、アルミン酸ソ
ーダ及び未反応CaOが生成する。この焼成物中のC12
7 、C3A 中には0.5〜5%のNa2O が含有され
る。このNa2O を固溶もしくは置換したC127 、C
3A は、Na2O 無添加の場合に比べ低温時における水
和活性の低下が低く、低温時にも非常に水和活性に優れ
た性能を示すカルシウムアルミネート系の結晶質の焼成
物となる。この高水和活性物質をセメントモルタルやコ
ンクリートに添加した場合、注水直後のゲル状物質の生
成と、これに続くカルシウムアルミネート水和物の生
成、さらにこれに続くモノサルフェート水和物及びエト
リンガイトの生成が多量に短時間で行われ、凝結、硬化
を促進することができる。
【0010】また、このようなC127 とC3A が共存
したカルシウムアルミネート系の結晶質の焼成物で、C
127 とC3A の重量比(C127 /C3A )が0.5
以下である高水和活性物質(請求項3)は、さらに良好
な急結性能が得られる。C127 とC3A の重量比(C
127 /C3A )が0.5を越える場合には、急結性能
の向上が少ない。
【0011】また、上述した請求項1ないし3のいずれ
かに記載の高水和活性物質に対し、石こう、石灰、炭酸
アルカリ金属塩、アルミン酸ソーダ及び水酸化アルミニ
ウムの少なくとも1種以上を混合したセメント用急結材
(請求項4)は、これら副材を添加することにより、生
成する水和物の量比や生成時期を調整することができ、
これにより凝結時間の調整が可能になる。また、上述し
た請求項1ないし3のいずれかに記載の高水和活性物質
100重量部に対し、石こうを2〜30重量部、石灰を
5〜50重量部、炭酸アルカリ金属塩を5〜60重量
部、アルミン酸ソーダを10〜50重量部添加したセメ
ント用急結材(請求項5)及びこれに加えて水酸化アル
ミニウムを25重量部以下添加したセメント用急結材(
請求項6) は、特に極短時間で凝結する必要がある場合
の配合である。
【0012】請求項7は、コンクリートまたはモルタル
を混練する際に、請求項4〜6のいずれかに記載したセ
メント用急結材をセメントに対して2〜25重量%添加
することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの凝
結、硬化を促進する方法である。
【0013】さらに詳細な説明をすると、本願の第1の
発明の高水和活性物質( 請求項1)は、CaOとAl2
3を焼成して得られるカルシウムアルミネート系の結
晶質の焼成物で、C127 とC3A の合量が70重量%
以上であることを特徴とし、CaOが50〜70重量
%、Al23が50〜30重量%の範囲で原料調合し
て、粒径10〜20mmのペレットに造粒し、1000℃
以上の温度で電気炉、キルン等の適切な設備により焼成
されるが、好ましい焼成温度は1200〜1400℃で
ある。また、原料中には微量成分としてSiO2 、K2
O 、MgO、TiO2 等を5%程度含有していても良
く、未反応CaOが存在しても良い。現場施工で実際に
この焼成物を使用する際は、適切な粉末度に粉砕して使
用する。ブレーン比表面積は3000〜7000cm2
gの範囲とするが、好ましくは4000〜6000cm2
/gである。
【0014】また、本願の第2の発明の高水和活性物質
( 請求項2)は、CaO、Al23及びNa2Oを焼成
して得られるカルシウムアルミネート系の結晶質の焼成
物で、C127 とC3A の合量が70重量%以上で、か
つアルミン酸ソーダが20重量%以下、かつ未反応Ca
Oが10重量%以下であることを特徴とし、CaOが4
0〜60重量%、Al23が30〜50重量%、及びN
2O が2〜20重量%の範囲で原料調合して、粒径1
0〜20mmのペレットに造粒し、1000℃以上の温度
で電気炉、キルン等の適切な設備により焼成されるが、
好ましい焼成温度は1200〜1400℃である。ま
た、原料中には微量成分としてSiO2 、K2O 、Mg
O、TiO2 等を5%程度含有していても良い。また、
現場施工で実際に使用する際のブレーン比表面積は30
00〜7000cm2 /gの範囲とするが、好ましくは4
000〜6000cm2 /gである。ここで使用されるN
2O は、組成物中にアルミン酸ソーダを生成させて、
より水和活性を向上させるという役割があるとともに、
127 とC3A 中に0.5〜5%置換され、C127
とC3A の水和活性を著しく向上させ、Na2O 無添加
の場合に比べ低温時における水和活性の低下を極力最小
にする役割を果たす。
【0015】上述した第1または第2の発明の高水和活
性物質のC127 とC3A の重量比(C127 /C3
)を0.5以下に調整した第3の発明の高水和活性物
質(請求項3)は、さらに水和活性を高めたカルシウム
アルミネート系の結晶質の焼成物である。ここで、C12
7 とC3A の重量比(C127 /C3A )を0.5以
下にコントロールするには、CaOとAl23の原料配
合で行うが、Na2O を添加すると、C127 とC3
の生成量を原料配合による範囲を越えて広い範囲でコン
トロールすることができる。原料中のCaOとAl23
のモル比(CaO/Al23)が低くアルミリッチな場
合、Na2O 無添加ではCAが主に生成するが、Na2
O を添加すると容易にC127 とC3A を多く生成さ
せることが可能であり、また逆にカルシウムリッチの場
合、Na2O 無添加ではC127 と未反応CaOが生成
してしまうが、Na2O を添加することで容易にC12
7 とC3A を多く生成させることが可能となる。
【0016】良好な急結性能を示した急結材について検
討を加えた結果、急結反応のメカニズムとして、ゲルの
生成→カルシウムアルミネート水和物の生成→エトリン
ガイト及びモノサルフェート水和物の生成の順で水和が
進行し、この反応の速度、水和物の形態及び生成量等が
急結性能に影響することが明らかとなった。そこで、第
4の発明のセメント用急結材(請求項4)は、このよう
な反応性をより高め、良好な急結性能を得るために、上
述した第1ないし第3の発明の高水和活性物質(請求項
1ないし3)を主成分として、さらに石こう、石灰、炭
酸アルカリ金属塩、アルミン酸ソーダ及び水酸化アルミ
ニウムのうち少なくとも1種以上を混合してセメントに
添加することで、水和物の形態、生成量に大きく寄与
し、非常に良好な急結性能を得ることに有効的であるこ
とを見出した。また、第5及び第6の発明のセメント用
急結材(請求項5及び6)は、上述した第1ないし第3
の発明の高水和活性物質に対して、石こう、石灰、炭酸
アルカリ金属塩、アルミン酸ソーダ及び水酸化アルミニ
ウムを一定の割合で混合することにより、より優れた急
結性能を示すことを筆者らは見出した。
【0017】石こうは、エトリンガイト及びモノサルフ
ェート水和物の生成のバランスを調節するものであり、
なかでも無水石こうが最も好ましい。その添加量は使用
温度により異なるが、上述した第1ないし第3の発明の
いずれかに記載の高水和活性物質100重量部に対し、
無水石こう換算で2〜30重量部の範囲とする。2重量
部未満であると、エトリンガイト及びモノサルフェート
水和物の生成量が減少し、十分な急結性能を得ることが
出来ず、また30重量部を越えると、コンクリートまた
はモルタルとした際に体積膨張を起こす恐れがあるので
好ましくない。使用温度が5〜10℃では石こうの配合
比は5〜10重量部がさらに好ましく、10〜30℃で
は10〜20重量部、30℃以上では20〜30重量部
がさらに良好な急結性能を示す。
【0018】石灰は、エトリンガイト及びモノサルフェ
ート水和物の生成量及び生成速度を制御する重要な役割
を果たす。CaOまたはCa(OH)2 のどちらでも良
く、添加量は上述した第1ないし第3の発明のいずれか
に記載の高水和活性物質100重量部に対し、CaO換
算で5〜50重量部の範囲とする。これが5重量部未満
であると十分な急結性能を示さず、50重量部を越える
と強度発現性が低下するので好ましくない。石灰は生石
灰を用いる場合は、高温で焼成した硬焼としてCa2+
オンの溶出を極力低下させたものがより良好な急結性能
を示す。
【0019】炭酸アルカリ金属塩は、炭酸ソーダ、炭酸
リチウム、炭酸カリウムなどで急結性能を付与する場合
の補完的役割を果たすものである。この添加量は炭酸ソ
ーダ換算で、上述した第1ないし第3の発明のいずれか
に記載の高水和活性物質100重量部に対し、5〜60
重量部とする。これが5重量部未満であるとAl3+イオ
ンの溶出を増進することが出来ず、十分な急結性能を示
すことが難しい。また、60重量部を越えると長期強度
及び耐久性が低下し好ましくない。
【0020】さらにアルミン酸ソーダは、セメントモル
タルまたはコンクリートの物性に寄与するものであり、
添加量は上述した第1ないし第3の発明のいずれかに記
載の高水和活性物質100重量部に対し、10〜50重
量部とする。これが10重量部未満であると急結性能が
著しく低下し、50重量部を越えると耐久性が低下する
ので好ましくない。
【0021】また、水酸化アルミニウムは、Al3+イオ
ンを溶出させるための補完的役割を果たすものであり、
アルミン酸ソーダの配合比が多い場合は可溶性アルミニ
ウムを多く必要としない。アルミン酸ソーダの配合比が
15重量部以下のときはこれを使用すると良好な急結性
能を示す。添加量は使用温度により異なるが、上述した
第1ないし第3の発明のいずれかに記載の高水和活性物
質100重量部に対し、20℃以下の時は10〜25重
量部、20℃以上の時は10重量部未満とすることが好
ましい。
【0022】本願の第7の発明は、コンクリートまたは
モルタルを混練する際に、第4ないし第6の発明のいず
れかに記載したセメント用急結材を、セメントに対し2
〜25重量%添加するものである。即ち、第4ないし第
6の発明のいずれかに記載したセメント用急結材を、セ
メントに予め混合しておかないで、コンクリートまたは
モルタルの混練に際して添加してコンクリートまたはモ
ルタルの凝結、硬化を促進する方法である。この方法
は、コンクリートまたはモルタルのいわゆる吹き付け工
法で行われるものであるが、この発明はこうした場合に
用いるセメント用急結材に第4ないし第6の発明のいず
れかに記載したものを用い、かつセメントに対し2〜2
5重量%添加するというものである。この添加量が2重
量%未満では、凝結、硬化速度が遅く吹き付け工事用と
しては十分な性能を発揮できず、またこれが25重量%
を超えると長期強度及び耐久性が低下して好ましくな
い。
【0023】本発明の構成は以上の通りであるが、この
発明の最も特徴とする点を述べる。良好な急結性能を示
した急結材について検討を加えた結果、急結反応のメカ
ニズムとして、ゲルの生成→カルシウムアルミネート水
和物の生成→エトリンガイト及びモノサルフェート水和
物の生成の順で水和が進行し、この反応の速度、水和物
の形態及び生成量等が急結性能に影響する。この点につ
いてカルシウムアルミネート系の結晶質の焼成物で、C
127 とC3A の合量が70重量% 以上である高水和活
性物質は非常に良好な凝結、硬化促進作用が得られる。
さらに、この高水和活性物質を使用してセメントの急結
性を得るのに必要なCa2+、Al3+及びSO4 2- イオン
の溶出を石こう、石灰、炭酸アルカリ金属塩、アルミン
酸ソーダ及び水酸化アルミニウムを混合することにより
コントロールして、より急結性能を高めたセメント用急
結材が得られ、このセメント用急結材を添加することに
よりコンクリートまたはモルタルの凝結、硬化を促進す
ることができる。
【0024】
【実施例】カルシウムアルミネート系の結晶質の焼成物 実験に使用したカルシウムアルミネート系の結晶質の焼
成物(以下、CA系焼成物と略す)の化学組成を表1に
示す。原料はCaO源に消石灰、Al23源に日本軽金
属株式会社製の工業用アルミナ(F−アルミナ)、Na
2O 源として特級試薬の炭酸ソーダを使用した。焼成
は、電気炉を用い焼成温度は1200℃で30分焼成し
た。粉砕はディスク型振動ミルを使用し、ブレーン比表
面積が5000cm2/gに成るように粉砕した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示す高水和活性物質を使用してセメ
ントの物理試験方法(JIS R 5201)に準じて凝結時間及
び圧縮強度試験を行った。高水和活性物質は普通ポルト
ランドセメントに対して10%の割合で混合した後にミ
キサーで混練した。結果を表2に示す。なお、圧縮強度
については、型枠に成形後10〜20分で脱型し、1時
間〜24時間強度までは20℃で湿空養生し、その後2
0℃で水中養生して、各材令について測定した。また、
練り温度10℃における低温での性状を確認するため、
本発明の焼成物2及び5について同様な実験を行った。
結果を表2に加えて示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示す通り、本発明の高水和活性物質
である焼成物1〜6を添加した場合、本発明の範囲外の
焼成物7〜10の場合に比して、凝結及び硬化を著しく
促進し、強度発現が期待できることが明らかとなった。
また、練り温度10℃における低温性状については、本
発明の高水和活性物質の中でもNa2O を添加した焼成
物5は、凝結時間の遅延が小さい。これに比してNa2
O 無添加の焼成物2は、Na2O を添加した焼成物5
よりやや凝結時間の遅延が大きい。
【0029】次に、それぞれ単独で焼成して得られたC
127 とC3A を、C127とC3Aの重量比が、0、
0.2、0.4、0.6、0.8、1.0となるように
混合し、得られた各種CA系焼成物について、レスカ株
式会社製の6点式微小熱量計を用いて水和1時間までの
水和発熱量を測定した。また、C127 及びC3A をそ
れぞれ単独で焼成し、この際にNa2O を2〜3%固溶
したものについても、同様に、上述した重量比となるよ
うに混合して水和1時間までの水和発熱量を測定した。
結果を図1に示す。なお、水和させる条件として、水/
焼成物重量比=10、養生温度20℃、注水直後からの
撹拌時間を2分間とし、その後の水和発熱量を算出し
た。
【0030】図1より、Na2O 無添加の場合につい
て、C127 とC3A の重量比が0.5を越える範囲で
は、極端に水和活性が低下することが明らかとなった。
また、Na2O が2〜3%固溶したC127 及びC3
の混合物についても同様に、C127 とC3A の重量比
が0.5付近を境界として、0.5を越える範囲では水
和1時間までの水和発熱量が極端に低下することが確認
された。
【0031】セメント用急結材 表3に示すとおり、上記で得られた各種CA系焼成物
(1〜10)を用い、これに無水石こう、生石灰、炭酸
ソーダ、アルミン酸ソーダ及び水酸化アルミニウムを配
合して急結材とした。
【0032】
【表3】
【0033】各種急結材を使用して、下記に示す評価方
法により急結性能を実施例1〜16と比較例1〜7で比
較した。結果を表4に示す。 〈急結材の評価方法〉口径10cm、高さ15cmのポリ容
器に普通セメント400gを秤取り、これに水240ml
(水セメント比0.6)を入れた後、直径5cmの羽根付
きハンドドリルで1000rpm の回転数で1分間混合
し、28gの急結材を添加後、5秒間撹拌し、セメント
ペーストの表面を完全に平滑した後、静置した。急結材
を添加した直後よりセメントペーストの表面が完全に乾
燥し始める時間を表乾時間とし、1/20in2 のプロク
ター貫入針を使用し1in. 貫入した時の抵抗値を1、
2、3、5及び10分後に測定した。なお、作業は室内
温度20℃の恒温室で実施した。この発明の急結材を用
いたモルタルは、凝結及び硬化が極めて迅速なうえに、
初期及び長期(28日)の強度発現も比較例と比べ格段
に良好である。また、室内温度5 ℃の条件下で同様な
試験を実施したところ、本発明の急結材を使用した場
合、非常に良好な急結性能を示した。
【0034】
【表4】
【0035】なお、この発明のセメント用急結材の吸湿
性について以下の要領で試験したところ、良好な結果が
得られた。 〈急結材の吸湿性試験〉20℃、相対湿度80%の室内
に1週間急結材を放置した後、性能試験を実施したが、
効果にほとんど変化は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の高水和活性物質
はモルタルまたはコンクリートの凝結及び硬化を著しく
促進できる。また、この高水和活性物質を使用したセメ
ント用急結材は、優れた急結性を示すとともに、初期及
び長期の強度発現も良く、これまでの問題点を解消した
急結材といえる。すなわち、このセメント用急結材をモ
ルタルまたはコンクリートの吹き付けに用いると、施工
が確実に出来て、一層強固な構造物を形成することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】C127 及びC3A の重量比と水和活性との関
係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C04B 103:12 (72)発明者 鈴木 寿 千葉県佐倉市大作2−4−2 小野田セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 宇智田 俊一郎 千葉県佐倉市大作2−4−2 小野田セメ ント株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaOとAl23を焼成して得られるカ
    ルシウムアルミネート系の結晶質の焼成物で、12Ca
    O・7Al23(以下C127 と略記する)と3CaO
    ・Al23(以下C3A と略記する)の合量が70重量
    %以上であることを特徴とする高水和活性物質。
  2. 【請求項2】 CaOとAl23とNa2O を焼成して
    得られるカルシウムアルミネート系の結晶質の焼成物
    で、C127 とC3A の合量が70重量%以上、アルミ
    ン酸ソーダが20重量%以下、未反応CaOが10重量
    %以下であることを特徴とする高水和活性物質。
  3. 【請求項3】 C127 とC3A の重量比(C127
    3A )が0.5以下であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の高水和活性物質。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の高
    水和活性物質に対し、石こう、石灰、炭酸アルカリ金属
    塩、アルミン酸ソーダ及び水酸化アルミニウムの少なく
    とも1種以上を混合したことを特徴とするセメント用急
    結材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の高
    水和活性物質100重量部に対し、石こうを2〜30重
    量部、石灰を5〜50重量部、炭酸アルカリ金属塩を5
    〜60重量部、アルミン酸ソーダを10〜50重量部添
    加したことを特徴とする請求項4に記載のセメント用急
    結材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載の高
    水和活性物質100重量部に対し、石こうを2〜30重
    量部、石灰を5〜50重量部、炭酸アルカリ金属塩を5
    〜60重量部、アルミン酸ソーダを10〜50重量部、
    水酸化アルミニウムを25重量部以下添加したことを特
    徴とする請求項4に記載のセメント用急結材。
  7. 【請求項7】 コンクリートまたはモルタルを混練する
    際に、請求項4ないし6のいずれかに記載のセメント用
    急結材を、セメントに対し2〜25重量%添加すること
    を特徴とするコンクリートまたはモルタルの凝結、硬化
    を促進する方法。
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