JPH059049A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物

Info

Publication number
JPH059049A
JPH059049A JP18165691A JP18165691A JPH059049A JP H059049 A JPH059049 A JP H059049A JP 18165691 A JP18165691 A JP 18165691A JP 18165691 A JP18165691 A JP 18165691A JP H059049 A JPH059049 A JP H059049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
concrete
component
reducing agent
thickener
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18165691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3171879B2 (ja
Inventor
Yoshiharu Watanabe
芳春 渡辺
Hitoshi Moriyama
等 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP18165691A priority Critical patent/JP3171879B2/ja
Publication of JPH059049A publication Critical patent/JPH059049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171879B2 publication Critical patent/JP3171879B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 型枠にコンクリートを打設する時は流動性が
良好で、打設した後それが速やかに低下して凝結を速
め、硬化することによってコンクリートの型枠にかかる
側圧を減少させる効果を有するセメント混和材などを提
供すること。 【構成】 炭酸マグネシウム類、硫酸アルミニウム類、
及びカルシウムアルミネートからなる群より選ばれた一
種又は二種以上の成分αと、増粘剤及び/又は減水剤と
を有効成分とするセメント混和材、また、成分αと、ホ
ウ酸類、ベントナイト、石灰類、及びセッコウ類からな
る群より選ばれた一種又は二種以上の成分βと、増粘剤
及び/又は減水剤とを有効成分とするセメント混和材、
さらにはセメントと該セメント混和材とを含有してなる
セメント組成物を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント混和材、セメ
ント組成物、及びそれらを使用したモルタル又はコンク
リートに関し、詳しくは、型枠にコンクリートを打設す
る時はコンクリートの流動性が良好で、打設した後、流
動性が速やかに低下し、かつ、凝結を速め、硬化するこ
とによって、コンクリートの型枠にかかる側圧を減少さ
せる効果を有するセメント混和材、セメント組成物、及
びそれらを使用したモルタル又はコンクリートに関す
る。
【0002】なお、本発明でいう側圧とは、コンクリー
トを型枠内に打設した後、コンクリートが凝結するまで
型枠を押し開こうとする圧力であり、コンクリートに、
ブリージング等の材料分離がなく、流動性が大きい場
合、側圧は大きく、コンクリートの打設量が多いほど、
また、コンクリートを打設する高さが高いほど側圧は大
きく、側圧が大きすぎると型枠の破損にまでつながるも
のである。
【0003】
【従来の技術とその課題】一般に、コンクリートに要求
される性質として、コンクリートの硬化前の性質と硬化
後の性質がある。コンクリートの硬化前の性質は主に施
工のしやすさに関係し、具体的には、適度な軟らかさと
作業時間を有し、ブリージング等の材料分離のないワー
カブルで締め固めの容易な性質が要求されている。
【0004】さらに、水中コンクリート等特殊なコンク
リートでは、セメントが水中に流れでないことやアルカ
リが溶出しないことなども要求されている。
【0005】一方、コンクリートの硬化後の性質として
は、コンクリートの圧縮強度等一般的な物理的性質や各
種耐久性などが要求される他に、大型構造物などの場合
は発熱温度が低いことなども要求されている。
【0006】即ち、要求される理想的なコンクリートと
は、適度な作業時間が取れ、ブリージングや、粗骨材と
モルタル分との材料分離などがなく、かつ、振動締め固
めをしなくてもコンクリート自身の流動性で型枠内に充
填でき、物理的性質や各種耐久性に優れているものであ
る。そして、水中コンクリート等ではセメントの流出や
アルカリの溶出がなく、大型構造物用では水和熱が小さ
いコンクリートが要求されている。
【0007】このような理想的なコンクリートとして
は、東京大学岡村教授が提唱した超流動性のハイパフォ
ーマンスコンクリートがあり(信頼されるコンクリート
への途、コンクリート工学、Vol.26、No.1、1988)、ま
た、材料が分離しない特性、即ち、材料不分離性と、締
め固め不要の特性を有し、増粘剤が主成分の水中不分離
性混和剤を用いた水中コンクリートがあり、既に実用化
されている。
【0008】そして、これらのコンクリートに共通する
特性としては、ブリージングはもとより粗骨材とモルタ
ル分との材料分離がなく、充分な作業時間と、超流動
性、即ち、セルフレベリング性を有し、コンクリート自
身の流動性により締め固め不要で施工できるものであ
り、材料分離がないという観点から、これらのコンクリ
ートは、空隙等の構造欠陥が生じにくく、物理的性質や
耐久性に優れているとされるものである。
【0009】さらに、コンクリート材料面では、材料不
分離、セルフレベリング性が付与されているため締め固
め不要、充分な作業時間の確保、即ち、超流動性の保持
という特性を確保するために、増粘剤及び/又は比較的
多量の減水剤の併用添加が基本となっているものであ
り、その他、目的に応じてフライアッシュやシリカヒュ
ームなどが粘性の低下と流動性改良助材として適宜配合
されている。
【0010】また、大型構造物などの施工では、水和熱
抑制やコールドジョイント防止のために高炉スラグ粉末
や超遅延剤の使用が、さらには、近年、その開発が活発
になっている高炉スラグ−フライアッシュ−ポルトラン
ドセメント系やダイカルシウムシリケートクリンカーを
ベースとした超低発熱セメントの使用が、そして、寸法
安定化のために適量の膨張材の使用が実施されている。
【0011】しかしながら、通常のコンクリートに、増
粘剤及び/又は減水剤を使用したり、超低発熱セメント
を使用したりする場合は、コンクリートの凝結するまで
の時間が著しく遅延し、特に、超低発熱セメントを使用
したコンクリートの場合では、20℃の温度でも始発がく
るまでに9〜12時間以上かかり、増粘剤の添加量を多く
して不分離性を強くした水中コンクリートにいたっては
凝結始発時間が24時間以上遅延されるという課題があっ
た。
【0012】また、このようなコンクリートを大型構造
物等に打設すると側圧が大きくなり、かつ、その側圧が
長時間かかり続けることになり、水中コンクリートでは
天候の急変による増水等によるコンクリートの流出が課
題となっている。水中コンクリートの場合は、打設時の
天候を予測するとか、増水に対して対処するなどある程
度対策が可能であるが、側圧に対しては、型枠を無制限
に強くできないため打設効率が著しく低下するという課
題が残されている。
【0013】この側圧という課題を解決するためには、
理論的には、コンクリートの打設が終了すると同時にコ
ンクリートの流動性がなくなり、凝結が始まれば良く、
そのためには、凝結促進剤、急硬材、及び急結材等の利
用が考えられるが、その前提条件は、コンクリートの不
分離性や自身の超流動性、即ち、セルフレベリング性に
悪影響を与えないことなどである。そのうち、最も重要
な点は超流動性を保持する時間を任意にコントロールす
ることができることである。そして、コンクリートの物
理的性質や耐久性に影響を与えず、かつ、経済的である
ことが要求され、現在、そのようなセメント混和材が強
く要望されている。
【0014】本発明者らは、前記課題を解消するため鋭
意検討した結果、特定の材料を使用することによって、
モルタルやコンクリートの材料不分離性と締め固め不要
性という特有のワーカビリティを維持したまま、始めの
超流動性を任意の時間保持し、その後、急速に流動性を
失わせて凝結を促進して側圧を低減する効果を有し、硬
化後の物性にも悪影響を与えないセメント混和材が提供
できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、炭酸マ
グネシウム類、硫酸アルミニウム類、及びカルシウムア
ルミネートからなる群より選ばれた一種又は二種以上の
成分αと、増粘剤及び/又は減水剤とを有効成分とする
セメント混和材であり、成分αと、ホウ酸類、ベントナ
イト、石灰類、及びセッコウ類からなる群より選ばれた
一種又は二種以上の成分βと、増粘剤及び/又は減水剤
とを有効成分とするセメント混和材であり、セメントと
該セメント混和材とを含有してなるセメント組成物であ
り、さらには、該セメント組成物、骨材、及び水を含有
してなるモルタル又はコンクリートである。
【0016】以下、本発明を詳しく説明する。
【0017】本発明に係るセメント混和材は、炭酸マグ
ネシウム類、硫酸アルミニウム類、及びカルシウムアル
ミネートからなる群より選ばれた一種又は二種以上の成
分αと、増粘剤及び/又は減水剤とを有効成分とするも
のであり、さらには、成分αと、ホウ酸類、ベントナイ
ト、石灰類、及びセッコウ類からなる群より選ばれた一
種又は二種以上の成分βと、増粘剤及び/又は減水剤と
を有効成分とするものである。
【0018】本発明において、成分αを併用すること
は、モルタル又はコンクリートの超流動性を保持しなが
ら、添加量によって任意の時間に流動性を急速に失わ
せ、次いで凝結を促進するものであり、強度などの物理
的性質に全く影響を与えないものである。そして、超流
動性に関しては、流動化速度が速くなるという効果も示
すものである。本発明の成分αは、炭酸マグネシウム
類、硫酸アルミニウム類、及びカルシウムアルミネート
からなる群より選択された一種又は二種以上の成分であ
る。
【0019】本発明に係る炭酸マグネシウム類とは、炭
酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、及びドロマ
イト等であり、工業用に粉末状態で市販されているもの
はそのまま使用することが可能である。
【0020】また、本発明に係る硫酸アルミニウム類と
しては、硫酸アルミニウム、また、カリウムミョウバ
ン、ナトリウムミョウバン、及び鉄ミョウバンなどのミ
ョウバン類、ミョウバン石、並びに仮焼ミョウバン石等
が挙げられ、工業用に粉末状態で市販されているものは
そのまま使用可能であるが、ミョウバン石や、ミョウバ
ン石を400〜800℃程度で焼成して得られる仮焼ミョウバ
ン石は、ブレーン比表面積が1,500cm2/g以上となるよう
に粉砕して使用することが好ましい。
【0021】さらに、本発明に係るカルシウムアルミネ
ートとは、CaOをC、Al2O3をAとすると、C3A、C4A・Fe
2O3、C12A7、C11A7CaF2、C4A3SO3、C3A3CaF2、CA、及び
CA2等と示されるもので、これらの内の一種又は二種以
上の混合物や、冷却過程で急冷により非晶質化して活性
を高めたものなどを粉砕によりブレーン比表面積2,000c
m2/g以上にしたものが使用可能である。
【0022】以上のうち、好ましい成分は炭酸マグネシ
ウム類で、その使用量が少なくても効果が大きく、次い
で硫酸アルミニウムや仮焼ミョウバン石である。特に、
炭酸マグネシウムと硫酸アルミニウムの併用はより好ま
しい。
【0023】成分αの使用量は、その種類、凝結遅延の
原因となる高炉スラグやフライアッシュなどの配合量、
並びに増粘剤及び/又は減水剤の使用量によっても異な
るが、無水物換算で、コンクリート1m3に対して、0.05
〜10kg/m3が好ましく、使用量が多いほど凝結は速くな
る傾向がある。10kg/m3を超えると、高炉スラグ、フラ
イアッシュ、並びに増粘剤及び/又は減水剤の使用量が
多くても凝結は速くなるが、超流動性を保持する時間が
短くなるので好ましくなく、0.05kg/m3未満では高炉ス
ラグやフライアッシュ、並びに増粘剤及び/又は減水剤
の使用量が少なくても凝結を促進する効果が小さくなり
好ましくない。
【0024】本発明に係る成分βは、ホウ酸類、ベント
ナイト、石灰類、及びセッコウ類からなる群より選択さ
れた一種又は二種以上の成分であり、成分βのみでは凝
結促進などの効果はなんら示さないが、成分αと併用す
ることによって、成分αの使用効果を助長し、かつ、流
動性を向上させる作用をも有するものである。即ち、成
分α単独使用では時間の経過と共に始めの流動性が徐々
に低下する場合でも、成分βの併用によりそれを防止す
るだけでなく、一度、流動性を大きくしてから急速に流
動性を失い凝結を促進する効果をも奏するものである。
【0025】本発明に係るホウ酸類とは、ホウ酸や、ホ
ウ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、及びマンガンその他の金属塩等を示し、工業用
に市販されているものがそのまま使用可能である。
【0026】本発明に係るベントナイトとしては、工業
用がそのまま使用可能である。
【0027】本発明に係る石灰類としては、消石灰、生
石灰、及び炭酸カルシウム等を示し、工業用に市販され
ているものの使用が可能である。石灰類の粉末度はブレ
ーン比表面積で1,500cm2/g以上が好ましい。
【0028】本発明に係るセッコウ類としては、二水、
半水、可溶性無水、及び不溶性又は難溶性無水の各種セ
ッコウの使用が可能である。セッコウ類の粉末度はブレ
ーン比表面積で1,500cm2/g以上が好ましい。
【0029】成分βの使用量は、その種類によって異な
るが、無水物換算でモルタル1m3当たり0.02〜10kg/m3
が好ましい。このうち、ホウ酸類の使用量は多くても0.
5kg/m3が好ましく、ベントナイト、炭酸カルシウム、及
びセッコウ類の使用量は10kg/m3以下が、さらには、消
石灰や生石灰の使用量は5kg/m3以下が好ましく、これ
らの範囲外では流動性を保持する時間が短くなりすぎた
り、凝結を遅延したりして作業性に支障をきたす可能性
がある。
【0030】なお、成分βの二種以上の併用はより好ま
しく、特に、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、及
び仮焼ミョウバンからなる群から選ばれた一種又は二種
以上と、ホウ酸類、ベントナイト、及び炭酸カルシウム
からなる群から選ばれた一種又は二種以上との併用が好
ましく、そのうち、カルシウムアルミネートは、ホウ酸
類、消石灰や生石灰、及びセッコウ類との併用が好まし
い。さらに、経済性を加味すると、硫酸アルミニウム
と、ホウ酸、ベントナイト、及び/又は炭酸カルシウム
との併用が好ましい。
【0031】本発明において、成分α又は成分α及び成
分βと、凝結遅延時間が異常に長くなる増粘剤や減水剤
とを併用することが、側圧を低減させ、効率良くモルタ
ル又はコンクリートを打設する面で必要である。
【0032】ここで増粘剤とは水溶性高分子を示し、メ
チルセルロース系、ポリエチレングリコールやエチレン
オキサイド系、ポリアクリルアマイド等のアクリル系、
及びポリビニルアルコール系等が挙げられるが、既に、
水中不分離性混和剤として市販されているものを使用す
ることも可能である。水中不分離性混和剤としては、例
えば、セルロース系として、信越化学工業社製商品名
「アスカクリーン」、竹本油脂社製商品名「アクアセッタ
ー」、及び電気化学工業社製商品名「デンカスタビコン
A」等が挙げられ、アクリル系として、三共化成工業社
製商品名「シーベター」や東亜合成化学社製商品名「アロ
ンシークリートW」などが挙げられる。これら増粘剤の
使用量は、メーカーの指定量で良いが、通常、増粘剤の
使用量を多く必要とする水中コンクリートの場合は、コ
ンクリート1m3当たり、2〜7kg/m3程度が好ましく、
ハイパフォーマンスコンクリートや超低発熱コンクリー
トの場合は、0.01〜2kg程度が好ましく、目的や状況に
よって使用量を適宜変化することが好ましい。
【0033】減水剤は特に制限されるものではないが、
特に、高性能減水剤、高性能AE減水剤、及び流動化剤
の使用が好ましい。高性能減水剤、高性能AE減水剤、
及び流動化剤は、大別してナフタリン系、メラミン系、
及びポリカルボン酸系に分類される。その代表例として
は、ナフタリン系として、花王社製商品名「マイティ10
0」や「マイティ2000WH」、デンカグレース社製商品名「ダ
ーレックススーパー100PH」、及び電気化学工業社製商品
名「デンカFT-500」や「デンカFT-80」等が挙げられ、メラ
ミン系として、昭和電工社製「メルメントF-10」等が挙げ
られ、ポリカルボン酸系として、藤沢薬品工業社製商品
名「パリックFP-100S」等が挙げられる。その他、日曹マ
スタービルダーズ社、日本ゼオン社、日本シーカ社、神
戸材料社、山陽国策パルプ社、竹本油脂社、福井化学工
業社、及び第一工業製薬社等各社より同様な減水剤が市
販されている。特に、増粘剤と併用する場合の減水剤と
しては、メラミン系やポリカルボン酸系の使用が好まし
い。これらの減水剤の使用量は、メーカーの指定の範囲
量で十分ではあるが、ナフタリン系やメラミン系は、市
販の原液の形態でセメント100重量部に対して、1〜4
重量部、ポリカルボン酸系は1〜2重量部が好ましい。
【0034】本発明に係るセメント組成物とは、セメン
トと前述のセメント混和材を含有するものである。本発
明に係るセメントとしては、JIS R 5201に規定されてい
る普通、早強、超早強、及び中庸熱等の各種ポルトラン
ドセメントや、これらポルトランドセメントに高炉スラ
グ、フライアッシュ、及びシリカを配合した各種混合セ
メントのほか、JIS 規格以上に高炉スラグを配合したセ
メントも使用可能であり、さらに、任意に配合した高炉
スラグ−フライアッシュ−ポルトランドセメント系やダ
イカルシウムシリケートクリンカーを主体とした超低熱
セメントとの混合物も使用可能である。
【0035】また、本発明では、膨張材、セッコウを主
体とした高強度混和材、及びシリカヒューム等を適宜配
合したセメントも使用可能である。
【0036】本発明のセメント混和材を用いたモルタル
又はコンクリートは、前述のセメント組成物に、骨材や
練り混ぜ水を適宜配合したものである。その配合は、設
計強度など対象となる構造物により異なり、特に制限さ
れるものではないが、単位セメント量は300kg/m3以上、
水/セメント比は60%以下、流動性の指標となるスラン
プフローは400mm以上が好ましい。
【0037】ここで、スランプフローとは、常法によっ
てコンクリートをスランプコーンに詰め、スランプ測定
の要領でコーンを抜き上げた時の広がりの直径を示す。
また、モルタルはプレパックド、グラウト、及び床用の
セルフレベリング材用として使用可能であり、その配合
は材料不分離性と超流動性を阻害しない限り、特に限定
されるものではない。
【0038】本発明において、セメント混和材の使用方
法は特に制限されるものではないが、粉末の状態でコン
クリートを練り混ぜるときに、他の材料と一緒にミキサ
ーに投入しても良いし、練り混ぜ水の全量又は一部に溶
解するか懸濁してコンクリートを練り混ぜるときに添加
しても良く、さらには、溶解又は懸濁したものをコンク
リート運搬のアジテーター車に投入することも可能であ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
【0040】実施例1 水150kg/m3、セメント192kg/m3、スラグ128kg/m3、細骨
材858kg/m3、粗骨材1,015kg/m3、減水剤イ9.6kg/m3、及
び増粘剤ニ1.0kg/m3の単位量で、Gmax15mm、水/粉体比
47%、air量2±1%、細骨材率48%、及びスランプフ
ロー500〜600mmとし、表1に示すように成分αの種類と
添加量を変え、20℃の室内で容量100リットルの強制練
りミキサーを用い、40リットル分のコンクリートを混練
した。このコンクリートを使用し、スランプフローの経
時変化、練り上がり直後のコンクリートの広がりに要す
る時間(時間)、凝結始発までの時間、及びφ10×20cmの
供試体の28日圧縮強度を測定した。結果を表1に併記す
る。
【0041】なお、スランプフローの経時変化はコンク
リートを静置しておいて、測定時間がきたらスコップで
練り返し測定した。圧縮強度は材令3日で脱型し標準養
生とした。
【0042】<使用材料> セメント:電気化学工業社製普通ポルトランドセメント
比重3.16 スラグ :川鉄リバメント社製スラグ、ブレーン比表面
積4,500cm2/g、比重2.75 細骨材 :新潟県姫川産川砂、比重2.62 粗骨材 :新潟県姫川産砕石、比重2.64 減水剤イ:高性能減水剤、電気化学工業社製商品名「デ
ンカFT-500」、主成分ナフタレン系 増粘剤ニ:三共化成工業社製商品名「シーベター」、主成
分アクリル系 成分αA:炭酸マグネシウム、工業用 〃 B:塩基性炭酸マグネシウム、試薬 〃 C:硫酸アルミニウム、試薬 〃 D:カリウムミョウバン、試薬 〃 E:仮焼ミョウバン石、広島県勝光山産ミョウバン
石を600℃で焼成してブレーン比表面積2,000cm2/gに粉
砕したもの。 〃 F:カルシウムアルミネート、生石灰と白ボーキサ
イトをC12A7の組成となるように調合した原料粉末を電
気炉で1,500℃で熔融し、空気で吹き飛ばして冷却し、
ガラス化したものをブレーン比表面積3,000cm2/gに粉砕
したもの、一部C12A7の結晶を含む。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、成分αを使用す
ることによりスランプフローを任意の時間維持しなが
ら、急速にフローを低下させ、凝結を促進させることが
可能である。そして、成分αの使用量を多くすることに
より、フローの維持する時間は短くなり凝結をより促進
できることが認められる。
【0045】実施例2 水225kg/m3、セメント450kg/m3、細骨材642kg/m3、粗骨
材970kg/m3、減水剤ロ4.5kg/m3、及び増粘剤ホ3kg/m3
の単位量で、水/粉体比を50%、細骨材率を40%とし、
表2に示すように成分αの種類と添加量を変えたこと以
外は実施例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0046】<使用材料> 減水剤ロ:高性能減水剤、昭和電工社製商品名「メルメ
ント」主成分メラミン系 増粘剤ホ:信越化学工業社製商品名「アスカクリーン」主
成分メチルセルロース系
【0047】
【表2】
【0048】実施例3 水159kg/m3、セメント155kg/m3、スラグ171kg/m3、フラ
イアッシュ202kg/m3、膨張材10kg/m3、細骨材733kg/
m3、粗骨材903kg/m3 、減水剤ハ6kg/m3、及び増粘剤ホ
0.02kg/m3の単位量で、水/粉体比を30%、細骨材率を4
5%とし、表3に示すように成分αの種類と添加量を変
えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に
併記する。
【0049】<使用材料> フライアッシュ:常磐発電産業社製フライアッシュ、比
重2.40 膨張材 :電気化学工業社製商品名「デンカCSA#20」 減水剤ハ:高性能AE減水剤、花王社製商品名「マイテ
ィ2000WH」主成分ナフタレン系
【0050】
【表3】
【0051】実施例4 成分αの炭酸マグネシウム又は硫酸アルミニウム0.5kg/
m3に、さらに表4に示すように成分αを併用したこと以
外は実施例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0052】
【表4】
【0053】表4から明らかなように、成分αの二種以
上の組み合わせでは、より効果的に凝結を促進すること
可能である。
【0054】実施例5 表5に示すように、成分αと成分βを用いたこと以外は
実施例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
【0055】<使用材料> 成分βa:ホウ酸、工業用 〃b:ベントナイト、関東ベントナイト鉱業社製商品名
「プレミアムゲル」 〃c:消石灰、石灰石をUCL炉で焼成し、水をかけ消
化させたものをブレーン比表面積5,000cm2/gに調整。 〃d:生石灰、石灰石をUCL炉で焼成し、ブレーン比
表面積2,500cm2/gに調整。 〃e:炭酸カルシウム、石灰石をブレーン比表面積3,00
0cm2/gに調整。 〃f:フッ酸発生セッコウ、不溶性無水セッコウををブ
レーン比表面積3,000cm2/gに調整。
【0056】
【表5】
【0057】表5から明らかなように、成分αと成分β
の併用は凝結を促進し、かつ、流動性を一度向上させる
ことが示される。
【0058】実施例6 表6に示すように、成分αと、二種以上の成分βとを用
いたこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表6
に併記する。
【0059】
【表6】
【0060】表6から明らかなように、成分αと、二種
以上の成分βとの併用は、少量でより効果的に凝結を促
進し、ホウ酸、ベントナイト、及び炭酸カルシウム等の
併用が特に好ましい。
【0061】実施例7 水260kg/m3、セメント450kg/m3、細骨材637kg/m3、粗骨
材960kg/m3、及び増粘剤ホ3kg/m3の単位量で、水/粉
体比を57.8%、細骨材率を40%とし、硫酸アルミニウム
50重量部、ホウ酸3重量部、ベントナイト17重量部、及
び炭酸カルシウム20重量部からなる混合物の添加量を表
7に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表7に併記する。なお、増粘剤としては、電
気化学工業(株)製商品名「デンカスタビコンA」主成分メ
チルセルロース系を使用。
【0062】
【表7】
【0063】実施例8 水125kg/m3、セメント500kg/m3、シリカヒューム100kg/
m3、細骨材655kg/m3、粗骨材1,077kg/m3、及び減水剤イ
18kg/m3の単位量で、水/粉体比を57.8%、細骨材率を3
8%とし、実施例8と同様に行った。結果を表8に併記
する。
【0064】
【表8】
【0065】
【発明の効果】以上、実施例で詳しく説明したように、
本発明のセメント混和材を使用することにより、 超流動性や圧縮強度などの物理的性質に影響を与える
ことなく、凝結の始発を速め、側圧等の低減に有効であ
り、打設効率を高めることが可能である。 超流動性を保持する時間や凝結は、使用量で任意に調
整可能である。 プレバックド、グラウト、及びセルフレベリング用の
モルタルに対しても材料不分離性と超流動性を任意の時
間確保しながら凝結時間を自在にコントロールでき、硬
化前の乾燥収縮等による沈下やプラスチックひび割れな
どに対して卓効を示す。 などの効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/38 C 2102−4G 28/04 8618−4G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸マグネシウム類、硫酸アルミニウム
    類、及びカルシウムアルミネートからなる群より選ばれ
    た一種又は二種以上の成分αと、増粘剤及び/又は減水
    剤とを有効成分とするセメント混和材。
  2. 【請求項2】 成分αと、ホウ酸類、ベントナイト、石
    灰類、及びセッコウ類からなる群より選ばれた一種又は
    二種以上の成分βと、増粘剤及び/又は減水剤とを有効
    成分とするセメント混和材。
  3. 【請求項3】 セメントと請求項1又は2記載のセメン
    ト混和材とを含有してなるセメント組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセメント組成物、骨材、
    及び水を含有してなるモルタル又はコンクリート。
JP18165691A 1991-06-27 1991-06-27 セメント混和材及びセメント組成物 Expired - Fee Related JP3171879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18165691A JP3171879B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 セメント混和材及びセメント組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18165691A JP3171879B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 セメント混和材及びセメント組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH059049A true JPH059049A (ja) 1993-01-19
JP3171879B2 JP3171879B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=16104565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18165691A Expired - Fee Related JP3171879B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 セメント混和材及びセメント組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171879B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0682954U (ja) * 1993-05-12 1994-11-29 株式会社内田洋行 椅 子
JPH07232943A (ja) * 1993-12-22 1995-09-05 Chichibu Onoda Cement Corp セメント急結材およびそれを添加したセメント硬化体の製造方法
JPH09211194A (ja) * 1996-01-30 1997-08-15 Toshiba Corp 放射性廃棄物の固型化方法
JP2001048616A (ja) * 1999-08-11 2001-02-20 Yoshiro Wakimura セメント急結剤およびセメント
US6409824B1 (en) * 2000-04-25 2002-06-25 United States Gypsum Company Gypsum compositions with enhanced resistance to permanent deformation
JP2005187353A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 有害生物駆除材及びその製法
JP2006076825A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Nippon Steel Corp 炭酸ガスの利用方法
JP2007217212A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 急硬性組成物、急硬スラリー、急硬性セメントコンクリート、及びその施工法
JP2010100469A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材及びセメント組成物
JP2011201747A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Ube Industries Ltd 自己流動性水硬性組成物及びこれを用いたモルタル

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0682954U (ja) * 1993-05-12 1994-11-29 株式会社内田洋行 椅 子
JPH07232943A (ja) * 1993-12-22 1995-09-05 Chichibu Onoda Cement Corp セメント急結材およびそれを添加したセメント硬化体の製造方法
JPH09211194A (ja) * 1996-01-30 1997-08-15 Toshiba Corp 放射性廃棄物の固型化方法
JP2001048616A (ja) * 1999-08-11 2001-02-20 Yoshiro Wakimura セメント急結剤およびセメント
US6409824B1 (en) * 2000-04-25 2002-06-25 United States Gypsum Company Gypsum compositions with enhanced resistance to permanent deformation
JP2005187353A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 有害生物駆除材及びその製法
JP2006076825A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Nippon Steel Corp 炭酸ガスの利用方法
JP4625294B2 (ja) * 2004-09-09 2011-02-02 新日本製鐵株式会社 炭酸ガスの利用方法
JP2007217212A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 急硬性組成物、急硬スラリー、急硬性セメントコンクリート、及びその施工法
JP2010100469A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材及びセメント組成物
JP2011201747A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Ube Industries Ltd 自己流動性水硬性組成物及びこれを用いたモルタル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3171879B2 (ja) 2001-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2018202064B2 (en) Composition for use as a two component back filled grout comprising extracted silicate
JP2008094674A (ja) 鉄筋継手用充填材及びそれを用いた鉄筋継手充填施工方法
JP2003171162A (ja) セメント系グラウト組成物
JPH1179818A (ja) セメント混和材、セメント組成物、吹付材料、及びそれを用いた吹付工法
JP2000272943A (ja) セメント混和材、セメント組成物、及びグラウト材
JPH059049A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2001294469A (ja) 超速硬性無収縮グラウト材
JP3096470B2 (ja) 急硬性aeコンクリート組成物
JP2017031037A (ja) 水中不分離性コンクリート組成物およびその硬化体
JP2820953B2 (ja) 水中コンクリート組成物
JP4538108B2 (ja) 高性能減水剤組成物及びセメント組成物
JPH0522662B2 (ja)
JPH11302047A (ja) 膨張材組成物及び膨張セメント組成物
JP3289855B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JPH11302060A (ja) 速硬性気泡モルタル
JP3618117B2 (ja) 静的破砕材
JP3547150B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4527269B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP6985547B1 (ja) グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体
JPS5926963A (ja) 水硬性組成物
JPH1190918A (ja) コンクリート製品の製造方法
JP2001329263A (ja) グラウト用セメント混和材及びセメント組成物
JP3543828B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5383045B2 (ja) グラウト用セメント組成物およびそれを用いたグラウト材料
JP4093622B2 (ja) 急結性吹付コンクリート、及びそれを用いた吹付工法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees