JPH1190918A - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
コンクリート製品の製造方法Info
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- JPH1190918A JPH1190918A JP9273287A JP27328797A JPH1190918A JP H1190918 A JPH1190918 A JP H1190918A JP 9273287 A JP9273287 A JP 9273287A JP 27328797 A JP27328797 A JP 27328797A JP H1190918 A JPH1190918 A JP H1190918A
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Abstract
リート製品の製造方法を提供する。 【解決手段】 単位水量が100kg/m3 以下の超硬
練りコンクリートを練混ぜて一次コンクリートを作製す
る工程、該一次コンクリートを適当量秤りとり、少なく
とも水、減水剤及び凝結促進剤(材)を添加して再度練
混ぜて軟練りの二次コンクリートを作製する工程、該二
次コンクリートを型枠に成型する工程を有するコンクリ
ート製品の製造方法。
Description
品の製造方法に関し、詳しくは凝結硬化促進剤(材)を
添加したモルタルやコンクリートを効率良く製造して短
時間に脱型できるコンクリート製品の製造方法に関す
る。
振動成形による方法ではスランプが5〜12cm程度の
コンクリートを練混ぜた後、型枠に投入して振動成形
し、約2時間前置き養生してブリージングが止まってか
らコテ仕上げをした後、1〜2時間掛けて加熱昇温し、
最高温度(65〜75℃)に達してから2〜3時間保持
して取り出し、30分〜1時間冷却してから脱型してい
る。
空の斜壁等の場合では、10cm程度のスランプのコン
クリートを型枠に投入して振動成形と軽度の遠心力成形
を行ってから、1〜2時間前置き養生してブリージング
が止まってから上部をコテ仕上げした後、1時間程度を
掛けて昇温し、最高温度に達してから2〜3時間保持し
て取り出し、30分〜1時間冷却してから脱型してい
る。
リートの練混ぜから脱型までに5〜8時間程度の長時間
を要しているのが現状であり、脱型強度はコンクリート
製品の形状や吊り方、重量によって異なるが、小型の製
品で数N/mm2 〜10N/mm2 、大型の製品でも1
0〜15N/mm2 程度は必要である。なお、最近は高
流動コンクリートによる無振動での製造方法も検討され
ており、益々、脱型までの時間は延長される傾向にあ
る。
・多品目であり、同じ種類の製品でも種々のサイズがあ
るにも拘わらず、一度に大量に出荷されることから、こ
れらの需要に答えるためには多種多数の高価な型枠を保
有しなければならないし、広大な製品ヤードも必要であ
る等の宿命的な課題を有している。
水硬性が高く早期に強度を発現し易いセメントを使用す
るか、加えて塩化物等で代表される凝結促進剤等を添加
してコンクリートの凝結硬化を速めて生産効率を上げる
ことが考えられるが、水硬性の高いセメントや凝結促進
剤を使用する場合は、コンクリートのスランプドロップ
も著しく大きくなるので、練混ぜたコンクリートは速い
時間内に処理する必要がある。したがって、一度に大量
にコンクリートを練ることは出来なく、作業可能な時間
と成形可能なコンクリート製品の数からコンクリートの
ボリュームを計算して小刻みにコンクリートを練混ぜる
必要があり、作業効率が悪いことが大きな課題となって
いる。
成形、加熱養生、脱型、掃除、組立の製造サイクルを連
続して自動又は半自動のシステムで行おうとした場合、
始めに一度に大量のコンクリートを練混ぜてしまうと、
スランプドロップにより型詰めが不可能となり、途中で
コンクリートを廃棄しなければならなくなるだけでな
く、システムがストップすることになる。
結硬化を促進し、加えて加熱養生することは、短時間で
脱型強度は得られても長期強度が低下する等の課題があ
る。
の増大と長期強度の低下防止という二律背反を解決する
ために、セッコウと、硫酸アルミニウムやミョウバン石
と、亜硫酸ナトリウム等を組み合わせたエトリンガイト
を生成するセメント混和材を提案した。(特開平4−1
60042号公報)しかしながら、この中では、コンク
リートの製造方法を言及した作業効率の改善までは示さ
れていない。
ートの製造方法により作業効率を改善したコンクリート
製品の製造方法と、短時間強度の増進と長期強度の低下
防止という課題を解決するために鋭意研究した結果、始
めに練混ぜる一次コンクリート(凝結促進剤(材)は添
加しない)を超硬練りとして、その中からコンクリート
製品の製造に必要な分を適宜別に秤り取り、水、減水
剤、凝結促進剤(材)を添加して任意の軟らかさの二次
コンクリートを練混ぜ、型枠に成形後、40〜100℃
の加熱養生をすることにより、作業効率が良く、短時間
で脱型可能なコンクリート製品の製造方法を知見して本
発明を完成させたものである。
量が100kg/m3 以下の超硬練りコンクリートを練
混ぜて一次コンクリートを作製する工程、該一次コンク
リートを適当量秤りとり、少なくとも水、減水剤及び凝
結促進剤(材)を添加して再度練混ぜて軟練りの二次コ
ンクリートを作製する工程、該二次コンクリートを型枠
に成型する工程を有することを特徴とするコンクリート
製品の製造方法である。
回に対して、二次コンクリートを作製する工程が複数回
であるのが好ましい。前記一次コンクリートを練り置き
し、該練り置きした一次コンクリートを複数回に分けて
秤りとり二次コンクリートを作製するのが好ましい。前
記一次コンクリートを、複数回に分けて時間的に間隔を
置いて適当量秤りとり二次コンクリートを作製するのが
好ましい。
生成する成分及びチオ硫酸塩、ロダン酸塩、蟻酸塩、硝
酸塩の中の塩類の一種又は二種以上からなるのが好まし
い。前記二次コンクリートを型枠に成型後、40〜10
0℃の加熱養生を行うのが好ましい。前記一次コンクリ
ートは凝結促進剤(材)を含有しないのが好ましい。
本発明のコンクリート製品の製造方法は、始めに練混ぜ
る一次コンクリートは単位水量を100kg/m3 以下
の超硬練りコンクリートとし、次いで任意の時間にその
中の適当量を秤りとり、水、減水剤、凝結促進剤(材)
を添加して再度練混ぜて軟練りの二次コンクリートとし
てから型枠に成型する方法である。
促進剤(材)は添加しないで、セメントと骨材(粗骨材
と細骨材)、必要に応じて適量の減水剤や、むしろ凝結
遅延剤等が任意に配合されて練り混ぜられるが、単位水
量が100kg/m3 以下であり、スランプとしては0
cm以下で、状態としては濡れた砂と骨材を混合したよ
うなバサバサのコンクリートとするものである。
ン酸、多価カルボン酸、多価オキシカルボン酸などの有
機酸及びその塩類、オリゴ糖類、及び、ホウ酸、リン
酸、ケイフッ化物等の無機塩類等が挙げられる。
に限定する理由は、100kg/m3 を超えるとコンク
リート配合の違いに拘らず、練混ぜ時にコクリートが部
分的に増粒されダンゴ状になる場合があるので好ましく
なく、100kg/m3 以下でダンゴ状とならなければ
特に下限は限定されないが、後述する二次コンクリート
の製造において減水剤の後添加による減水率の向上作用
も期待する場合は、骨材の表面水量程度の単位水量で練
混ぜるのが好ましく、粉塵を抑える程度の湿分は一次コ
ンクリートの均一性保持の観点からも好ましい。
材は表面乾燥状態や絶乾状態には出来なく、骨材全体で
1〜5重量%程度の表面水を有していることから、単位
水量に換算して20〜90kg/m3 で練混ぜるのが最
も好ましい。
は、処理時間が多少長くなって水和反応が進んだとして
も逆に簡単にほぐれるし、運搬や計量等のハンドリング
性はむしろ良くなるものであり、大量に練り置くことが
可能になることと、二次コンクリートを練る際に減水剤
を使用することで全体の単位水量を減少させることがで
き、かつ、この減水剤の後添加による単位水量の低減作
用は一次コンクリートの練り置き時間が長くなるほど大
きくなる利点がある。
トを必要分秤り取り、少なくとも水、減水剤及び凝結促
進剤(材)を添加して、二次コンクリートを任意の軟ら
かさに練混ぜる。
ト比は50wt%以下とする。但し、水セメント比の水
の量は、最終的な二次コンクリートに含有される水の量
を示す。
期強度の発現が大きくなるが、好ましくは45wt%以
下、最も好ましくは42〜20wt%である。50wt
%を超えると短時間強度が得られ難く、また、20wt
%未満とするには単位セメント量が多くなり過ぎて、適
正なスランプ又はスランプフローを得るために必要な減
水剤量も多くなるので凝結遅延性が大きくなり短時間強
度が得られ難くなるので好ましくない。
かさは、打設可能であれば限定されないが、振動成形で
はスランプ5cm以上が好ましく、スランプフローで5
0〜70cmとした高流動コンクリートとすることもで
きる。
コンクリートの水セメント比及びスランプの調節や高流
動化を行うため、さらにはブリージングの発生や、骨材
の沈下を防止するために高性能減水剤や高性能AE減水
剤、増粘剤が適宜使用される。高性能減水剤とは、例え
ばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系やメチルナ
フタレンスルホンホルマリン縮合物系およびアントラセ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物系等やこれらとリグニン
の共縮合物系等のポリアルキルアリルスルホン酸塩系
や、メラミンホルマリン樹脂スルホン塩系等の減水剤で
あり、比較的多量に添加しても空気連行性がなく、減水
率も大きく、凝結の過遅延や異常凝結などを生じないも
のである。
酸塩系の空気連行性のある減水率の大きい減水剤であ
る。
が、通常の使用量から高性能減水剤の好ましい範囲は固
形分でセメント100重量部に対して0.4〜1.5重
量部、高性能AE減水剤は高減水性と同時に凝結遅延性
もあるのでメーカー指定量の最大値の2倍程度までが好
ましい。
リンガイトを生成する成分及びチオ硫酸塩、ロダン酸
塩、蟻酸塩、硝酸塩等の中の塩類の一種又は二種以上を
使用する。
Ft成分等という)とは、AFt(C3 A・3CaSO
4 ・32H2 O,C=CaO,A=Al2 O3 )の分子
式が示すように、可溶性または反応性の硫酸塩化合物の
単独添加又は硫酸塩化合物とカルシウムアルミネートや
アルミン酸塩化合物の組み合わせであれば特に制限され
ない。
にNa2 OやK2 Oを固溶させたアルミネート、CA,
C12A7 ,C3 A3 CS(S=SO3 )等を主成分とす
る結晶質またはそれらの化学成分を有する非晶質のカル
シウムアルミネート及びアルミン酸ナトリウムやカリウ
ム等のアルミン酸塩化合物(以下、C−A等という)等
の一種または二種以上の組み合わせがある。
ムやミョウバン及びミョウバン石(仮焼品も含む、以
下、バン土類という)は単独添加も可能であり、それ自
身がセメントの水和反応によって放出される消石灰と瞬
時に反応してAFtを生成させて凝結硬化も促進させる
が、セッコウ類及び/又はC−A等との併用添加も可能
である。
のC3 A,C4 AF等のカルシウムアルミネート等と反
応してAFtを生成させるが、アリット(Alite)
の水和速度を遅延させ、結果的に長期強度は増大するが
短時間強度の発現を遅延させるので好ましくないが、セ
ッコウ類はC−Aやバン土類と併用添加することにより
短時間強度と長期強度の増大の両立を達成するものであ
る。
進剤として知られているチオ硫酸塩、ロダン酸塩、蟻酸
塩、硝酸塩等のナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム塩(以下、チオ硫酸塩等という)も使用可能
である。
アリット(Alite)の水和反応を促進し、単独添加
では添加量が多くなるほど短時間強度を高めるが長期強
度を害するようになるので、セッコウ類や、その他のエ
トリンガイトを生成する成分と併用することにより長期
強度の低下を防止又は低減できるので単独添加よりは併
用添加の方がより好ましい。
特に限定されなく、不溶性や難溶性のII型無水セッコ
ウの他に、二水セッコウ、半水セッコウ、III型無水
セッコウが使用されるが、長期強度の伸びから好ましい
のは不溶性や難溶性セッコウと呼称されるII型無水セ
ッコウである。
土類等及びチオ硫酸塩等の中の1種又は2種以上と併用
添加する場合において、セメント100重量部に対して
CaSO4 換算で、多くても9重量部であり、0.5〜
6重量部が好ましく、1〜4重量部が最も好ましい。9
重量部を超えるようになるとアリット(Alite)の
水和の遅延作用が大きくなり過ぎて短時間強度が得られ
難くし長期強度の伸びも抑制されるようになる。また、
0.5重量部未満では長期強度の増大効果が小さくなる
ので好ましくない。
急結や偽凝結を生じさせない範囲で使用するのが好まし
い。例えば、C−A等の中でカルシウムアルミネートの
添加量はセメント100重量部に対して3重量部以下と
して、セッコウ類をC−A等の量の0.5〜3倍(重量
部)、両者合量の添加量を12重量部以下とするのが好
ましい。より好ましくはC−A等/セッコウ類の重量比
で1/0.8〜1/2倍で、合量の添加量は1.8〜9
重量部である。また、セッコウとの配合比率に拘わらず
C−A等の量が3重量部を超えると急結が生じ易く、両
者合量の添加量が1.8重量部未満では短時間強度も長
期強度も得られ難くなり、12重量部を超えるとセッコ
ウ類の比率が大きくなり過ぎ、短時間強度が得られ難く
なるものである。
は、共存するセッコウ類の多少に拘らずセメント100
重量部に対して多くても1重量部であり、多くても0.
8重量部が好ましく、0.2〜0.5重量部がより好ま
しい。1重量部を超えるようになると急結が生ずる場合
があり、0.2重量部未満では短時間強度が小さくな
る。
独添加の場合も、セッコウ類やセッコウ類とC−A等と
を併用して添加した場合も、その無水物換算の合計量
で、セメント100重量部に対して多くても2.5重量
部であり、0.1〜2.0重量部が好ましく、最も好ま
しくは0.2〜1.5重量部である。0.1重量部未満
では短時間強度の発現効果が小さくなるので好ましくな
く、2.5重量部を超えるようになると長期強度の低下
が著しく、また、同じ種類のセメントでも、その銘柄や
ロットの違いによっても急結する場合もあるので好まし
くない。
ウ類や、セッコウ類とC−A等、バン土類等や、バン土
類等とセッコウ類、バン土類等とセッコウ類とC−A等
との併用の有無に拘らずセメント100重量部に対して
無水物換算で0.1〜3重量部であり、好ましくは0.
2〜2重量部、最も好ましくは0.3〜1.5重量部で
ある。0.1重量部未満では短時間強度は得られ難く、
3重量部を超えるとセッコウ類と併用しても長期強度の
低下が著しくなるだけでなく急結する成分もあるので好
ましくない。
状態で添加しても良いが、懸濁液や水溶液で添加すると
コンクリートへの分散性が良くなり、コンクリートの強
度発現効果も向上し、短時間強度や長期強度も高くなる
ので好ましい。この際、懸濁又は溶解する水は一次コン
クリートを練るのに残った練混ぜ水の一部又は全量を用
いても良く、減水剤を適量添加しても良い。また、懸濁
液や水溶液の作製はコンクリートを練混ぜる直前に行っ
ても、凝結促進剤(材)の組み合わせによっては数日前
から予め作製して置いても性能は変化しない場合もある
ので適宜運用するものである。
た軟度(スランプ又はスランプフロー)に練混ぜられて
型枠に成形された後、加熱養生される。この際、最高温
度は40〜100℃であり、最高温度が高いほど短時間
で脱型強度は得られるが、100℃を超えると長期強度
の伸びが阻害される傾向が強くなり、40℃未満では短
時間強度の発現が遅れるので好ましくなく、45〜90
℃が好ましく、50〜80℃が最も好ましい。
昇温時間や昇温方法には特に制限はなく、斜壁のように
円錐系の型枠で拘束が強い場合はすぐ加熱養生を行って
もコンクリートは熱膨張しないし、上部が全てオープン
で拘束の無いプレキャスト板の場合でも40〜50℃程
度の熱膨張しない温度範囲で30分〜1時間プレ養生し
て凝結硬化を促進させてから高温で養生することによっ
て熱膨張の防止と、短時間での脱型強度と優れた長期強
度が得られるものである。
具体的には常法のように蒸気による加熱でも良いし、養
生槽床面にパイプを配してその中に温度をコントロール
した熱湯や熱い油を通し、雰囲気温度をコントロールさ
せても良い。さらに型枠をジャケットにしてその中に温
度をコントロールした熱湯や熱い油を循環しても良い。
また、型枠を直接的、間接的に電気抵抗を利用して加熱
する等の方法や電磁波等により直接コンクリート内部を
加熱する方法等も採用される。
るためにシリカフュームやメタカオリン及び酸性白土、
活性白土、ゼオライト、ベントナイト等の粘土鉱物の焼
成物(以下、活性シリカ等という)の中の1種又は2種
以上を併用することは好ましい。この場合、シリカフュ
ームや粘土鉱物の焼成物の単独添加する場合の量及び併
用添加する場合の合量で、セメント100重量部に対し
て10重量部以下、好ましくは6重量部以下、より好ま
しくは0.2〜3重量部である。0.2重量部未満では
長期強度の改善効果は小さく、10重量部を超えて添加
してもより一層の改善効果は期待出来ないし、不経済と
なるので好ましくない。なお、活性シリカ等の添加は、
一次コンクリート又は二次コンクリートのいずれの練り
混ぜ時でも良いものである。
第一工程で先ず単位水量が100kg/m3 以下の超硬
練りコンクリートを練混ぜて一次コンクリートを作製す
る。次に、第二工程で一次コンクリートを適当量秤りと
り、少なくとも水、減水剤及び凝結促進剤(材)を添加
して再度練混ぜて軟練りの二次コンクリートを作製す
る。さらに第三工程で二次コンクリートを型枠に成型す
る。
ンクリートを練り置きしておき、第二工程でその練り置
きした一次コンクリートを随時に複数回に分けて秤りと
り二次コンクリートを作製することができる。具体的に
は、一次コンクリートを作製する第一工程を1回行なっ
て一次コンクリートを練り置きしておくのに対して、二
次コンクリートを作製する第二工程は複数回行なうこと
ができる。
ート配合は限定されない。即ち、現在使用されているコ
ンクリート配合に本発明の凝結促進剤(材)を添加し
て、減水剤の添加量によって水セメント比を一定に保つ
ことにより、無混和のコンクリートよりも短時間に脱型
強度が得られ、かつ、無混和の場合と同等以上の長期強
度が得られるものである。
ポルトランドセメント、ビーライトセメントの他に、高
炉スラグやフライアッシュ、シリカ等の混和材料を混合
した混合セメントであり、C11A7 CaF2 や、非晶質
C12A7 およびCAを多量に含有する急硬性を呈するセ
メントに対しては使用できない。
振動成形や遠心力成形するコンクリート製品の製造に好
適であり、例えば、ヒューム管、マンホール(斜壁)、
セグメント、プレキャスト板、ボックスカルバート、ポ
ンツーン、U字溝、L型擁壁、梁、桁、道路や陸路用品
及び各種ブロック等が挙げられるが、これらに限られる
ものではない。
これらに限られるものではない。
調製した。セメント、表面水が5%の細骨材(砂)と
0.5%の粗骨材(砕石)を用いて(単位水量で46k
g/m3 )、20リットル分のコンクリートを練混ぜて
一次コンクリートとした。20分後、一次コンクリート
の中のセメント分に対して、表2〜7に示す様に相当量
のAFt生成成分であるセッコウ類と、硫酸アルミニウ
ム、仮焼ミョウバン、ミョウバン石を600℃で仮焼し
たもの(バン土類等)及びC−A等やチオ硫酸塩等の凝
結促進剤(材)を任意に組み合わせて、さらに添加量も
変えて、残りの練混ぜ水(単位水量で116kg/
m3)および減水剤を添加して二次コンクリートを練混
ぜた。この際、スランプは減水剤原液の添加量の加減で
調整し、記録した。
のφ10cm×20cmの型枠に棒状バイブレーターで
成型して、打ち込み面は厚さ2cmの鉄板を乗せて抑え
てから、既に65℃に設定してある蒸気養生槽に入れ、
2.5時間で取り出し脱型して、直ちに圧縮強度を測定
した。また、2.5時間で脱型した別の供試体を標準養
生して28日強度を測定した。その結果を表2〜7に示
す。
0±3℃の室内で行い、凝結促進剤(材)等は一次コン
クリートに直接粉末状態で添加して20秒間空練りして
から前述の要領で、容量30リットルのパン型の強制練
りミキサーにより120秒間練り混ぜた。
類等の凝結促進剤(材)はセメント100重量部に対し
て無水物換算した重量部で添加し、さらにバン土類等の
ミョウバン石については純度も換算して添加した。
ト(株)製) ロ:砂 :新潟県姫川産 ハ:砕石 :新潟県姫川産砕石 ニ:減水剤 :デンカFT500(電気化学工業(株)
製、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、液体,固形分
43重量%)
6000cm2/g) A−2:二水セッコウ(試薬,粉末度3000cm2/
g) A−3:半水セッコウ(試薬,粉末度5400cm2/
g) A−4:III型無水セッコウ(A−2を180℃で熱
処理)
状) B−2:仮焼ミョウバン石(勝光山産,純度90%,粉
末度1500cm2/g) B−3:カリウムミョウバン(仮焼品)
たもの(粉末度で6000cm2/g) C−2:CA,市販のアルミナセメント(アルミナ2
号,電気化学工業(株)製) C−3:アルミン酸ナトリウム(試薬)
鉱業社産のものを焼成粉砕,粉末度8500cm2/
g)
て、2.5時間で強度が出ていない場合は、蒸気養生槽
から取り出して20℃の室内で翌日まで養生してから脱
型し、その後、標準養生した。
例及びAFtを生成させる成分としてセッコウ類のみを
添加した参考例では添加量が多くなるほど28日強度は
高くなるが、2.5時間で脱型強度は全く得られなく
(実験No.1−1〜1−7)、好ましくないことが示
される。
せ、添加量が多くなるほど脱型強度を高める。脱型強度
は添加量が0.1重量部を超え、0.2重量部以上で顕
著に増大するが、1.5重量部を超えるようになると2
8日強度が低下するようになり、2.5重量部以下が好
ましく、2.0重量部以下がより好ましく、1.5重量
部以下が最も好ましいことが示される(実験No.1−
8〜1−14)。
バン土類の添加量が多くなってもセッコウ類の添加量を
多くすることによって28日強度は伸びるが、多くなり
過ぎると伸びなくなり、セッコウ類は9重量部以下が好
ましく、0.5〜6重量部がより好ましく、1〜4重量
部が最も好ましいことが示される(実験No.1−15
〜1−21)。
添加量が多い場合は、2.5時間の脱型強度は高いが、
28日強度の伸びが抑えられ、逆の場合は2.5時間の
脱型強度は抑えられるが、28日強度は伸びる傾向とな
っている。(実験No.1−22〜1−25)。
等との併用では、2.5時間の脱型強度及び28日強度
はほぼ同様の値が示されるが、II型無水セッコウの2
8日強度のみ高くなる傾向が示される。(実験No.1
−17、実験No.1−26〜1−28)。バン土類等
の種類を変えた場合も2.5時間の脱型強度と28日強
度の発現は同様の傾向となっている(実験No.1−1
5〜1−21、実験No.1−29〜1−38)。
はセッコウ類の配合割合が少なくなると長期強度が伸び
なくなり、多くなると短時間強度が小さくなる傾向が示
され、C−A等/セッコウ類の重量比で1/0.8〜1
/2の範囲が最も良いことが示される(実験No.1−
39〜1−43)。
時間強度と長期強度のバランスから1.8〜12重量部
の範囲が好ましいことが示される(実験No.1−44
〜1−49)。
A等の組み合わせ、及び、バン土類とC−A等の組み合
わせでは短時間強度がより高くなり、かつ、長期強度の
伸びに大きな影響を与えないのでより好ましいものであ
る(実験No.1−50,1−51,1−53)。
間強度の発現を促進するが、長期強度は低下する傾向が
示され、特に、0.3重量部以上で短時間強度は高くな
り、1.5重量部を超えると長期強度の低下が大きくな
る(実験No.1−54〜1−61)。セッコウ類との
併用では長期強度の低下が防止でき、短時間強度と長期
強度のバランスが良くなることが示される(実験No.
1−65〜1−68)。
バン土類、C−A等1又は2種以上の組み合わせは短時
間強度がより高くなり、かつ、長期強度の伸びに大きな
影響を与えないのでより好ましい(実験No.1−69
〜1−72)。
合例を用いて、細骨材と粗骨材の表面水を調節して、単
位水量に換算して0,20,30,60,70,90,
100,120kg/m3 として一次コンクリートを練
り混ぜた以外は、実施例1と同様の試験を行った結果を
表8に示す。
行くと、二次コンクリートでは同一全水量で同一スラン
プを得るのに減水剤量が少なくなる傾向が示され、それ
に伴って短時間強度の発現と長期強度の伸びが改善され
るが、多くなり過ぎると一次コンクリートは増粒し、二
次コンクリートの練り混ぜで良く分散しないためか、短
時間強度も長期強度も低下するようになり、単位水量の
上限は100kg/m3 であることが示される。なお、
発塵防止と骨材の表面水だけで簡単に練り混ぜるという
観点から20〜90kg/m3 が好ましい。
1−69の凝結促進剤(材)を、練り混ぜ水に懸濁して
二次コンクリートを練り混ぜた以外は実施例1と同様の
試験を行った。その結果を表9に示す。
加した方が短時間強度も長期強度も高くなる傾向が示さ
れ、懸濁液での添加はより好ましいものである。
合例を用いて、養生温度を40,45,50,70,8
0,90,100℃に設定した養生槽で養生した以外は
実施例1と同様の試験を行った結果を表10に示す。
発現するが、高くなり過ぎると長期強度の伸びを害すよ
うになり、両者のバランスでより好ましくは45〜90
℃、最も好ましくは50〜80℃であるとが示される。
して30,40,60,90分後に二次コンクリートを
練混ぜた以外は実施例1と同様の試験を行った結果を表
11に示す。
ど二次コンクリートでは同一全水量で同一スランプを得
るのに減水剤量は少なくなる傾向があり、短時間強度も
高くなるが長期強度は僅かづつ低下する。しかしなが
ら、処理時間が90分程度であれば特に、問題ないこと
が示される。これによりコンクリートの連続的に供給と
処理が可能となり、自動化等のラインを構築する場合は
作業効率が著しく向上するものである。
合例を用いて、活性シリカ等の種類と添加量を変えた以
外は実施例1と同様の試験を行った結果を表12に示
す。なお、活性シリカ等の添加によりスランプが小さく
なる場合は減水剤原液の後添加で調整した。また、活性
シリカ等は一次コンクリートを練混ぜるときに添加し
た。
0重量部に対しての添加量である。
量が短時間強度と長期強度の増大効果を示すが、6重量
部を超えて添加すると短時間強度は低下する傾向が認め
られる。これは同一スランプとするために必要な減水剤
量が増加するためである。さらに長期強度の伸びも頭打
ちとなることが示される。
次コンクリートの単位水量を100kg/m3 以下とし
て超硬練りコンクリートとし、そこから適宜必要分のコ
ンクリートを秤り取り、減水剤と凝結促進剤(材)と残
りの練混ぜ水で軟練りコンクリートを練混ぜて成形する
ことにより、作業効率の良いコンクリート製品の製造が
可能となる。また、このコンクリートを40〜100℃
で加熱養生することにより、短時間強度と長期強度の優
れたコンクリート製品の製造が可能となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 単位水量が100kg/m3 以下の超硬
練りコンクリートを練混ぜて一次コンクリートを作製す
る工程、該一次コンクリートを適当量秤りとり、少なく
とも水、減水剤及び凝結促進剤(材)を添加して再度練
混ぜて軟練りの二次コンクリートを作製する工程、該二
次コンクリートを型枠に成型する工程を有することを特
徴とするコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項2】 前記一次コンクリートを作製する工程が
1回に対して、二次コンクリートを作製する工程が複数
回である請求項1記載のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項3】 前記一次コンクリートを練り置きし、該
練り置きした一次コンクリートを複数回に分けて秤りと
り二次コンクリートを作製する請求項1または2記載の
コンクリート製品の製造方法。 - 【請求項4】 前記一次コンクリートを、複数回に分け
て時間的に間隔を置いて適当量秤りとり二次コンクリー
トを作製する請求項1乃至3のいずれかの項に記載のコ
ンクリート製品の製造方法。 - 【請求項5】 前記凝結促進剤(材)がエトリンガイト
を生成する成分及びチオ硫酸塩、ロダン酸塩、蟻酸塩、
硝酸塩の中の塩類の一種又は二種以上からなる請求項1
記載のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項6】 前記凝結促進剤(材)を懸濁液又は水溶
液にしてコンクリートに添加して練混ぜる請求項1又は
5記載のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項7】 前記二次コンクリートを型枠に成型後、
40〜100℃の加熱養生を行う請求項1記載のコンク
リート製品の製造方法。 - 【請求項8】 前記一次コンクリートは凝結促進剤
(材)を含有しない請求項1記載のコンクリート製品の
製造方法。
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