JP3096470B2 - 急硬性aeコンクリート組成物 - Google Patents

急硬性aeコンクリート組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として土木・建築分野において使用され
るコンクリート混和材及びそれを使用した急硬性AEコン
クリート組成物に関する。
〔従来の技術とその課題〕
従来より、土木・建築分野において、緊急補修工事用
に、あるいは工期の短縮のために、急結剤が広範に使用
されており、急結剤はJIS A 0203で「セメントの水和反
応を早め、凝結時間を著しく短くするために用いる混和
材」と定義されている。
急結作用を示す急結剤としては、CaCl2、Al(O
H)、Na2CO3、NaOH、NaAlO2、カルシウムアルミネー
ト類、仮焼用ばん石及び水ガラス等が知られている(新
・コンクリート用混和材料、シーエムシー社昭和63年発
行)が、本発明はこのうちのカルシウムアルミネート類
を急結剤として使用するものである。
一方、AE剤は、コンクリート中に多数の独立微細気泡
を発生させることにより、ワーカビリティーや耐凍結融
解性などを改善するために用いられる混和剤の一つであ
り、現在ではコンクリートの品質向上に必要不可欠な材
料として広く普及しており、昭和57年には、AE剤の品質
規格としてJIS A 6204が制定されている。
しかしながら、従来、カルシウムアルミネート類を急
結剤として使用した急硬性コンクリートは、空気連行性
が比較的低いという課題があった。
本発明者らは、急硬性コンクリートに係る前記課題を
解決すべく種々検討を重ねた結果、特定の成分のAE剤を
含有させれば、前記課題の解決のために有効であるとの
知見を得て本発明を完成するにいたった。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明は、カルシウムアルミネート類、無機硫
酸塩、凝結調節剤、及び、アビエチン酸塩を有効成分と
するAE剤を主成分とするコンクリート混和材であり、セ
メント、骨材及び該コンクリート混和材を主成分とする
急硬性AEコンクリート組成物である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に係るカルシウムアルミネート類とは、通常、
電気炉もしくはロータリーキルンなどにより高温で生成
するカルシウムアルミネート鉱物をいい、結晶質のもの
又は非晶質のものを問わず使用可能であり、これらの生
成過程での他成分や不純物の存在も特に限定されるもの
ではない。
結晶質のカルシウムアルミネート鉱物としては、CaO
をC、Al2O3をAとすると、CA、C5A3、C12A7及びC3A等
と示されるもの、並びに、Fe2O3をF、CaSO4をC及び
Xをハロゲンとすると、他成分が結晶中に存在する結晶
質として、C11A7CaX2、C3A3CaX2、C4AF及びC3A3C等と
示されるものが挙げられ、そのうちの一種又は二種以上
が使用可能である。
代表的な非晶質のカルシウムアルミネート鉱物として
は、成分的には結晶質のものと同一であるが、急冷によ
り非晶質化したものであり、X線的にはそのままでは特
定できない。
カルシウムアルミネート類の反応性の面からは、結晶
質のものより非晶質のものが好ましく、成分の面から
は、カルシウムアルミネート中のCaOの含有量が30〜60
重量%のものが好ましく、38〜52重量%のものがより好
ましい。
本発明に係る無機硫酸塩とは、アルカリ金属又はアル
カリ土類金属の硫酸塩をいい、例えば、無水、半水並び
に二水の硫酸カルシウムが好ましいものとして挙げら
れ、その中でもII型無水セッコウのような難溶性又は不
溶性のものが特に好ましいものとして挙げられる。
無機硫酸塩の使用量は、カルシウムアルミネート類10
0重量部に対して、50〜500重量部が好ましく、100〜300
重量部が特に好ましい。50重量部未満では、初期の強度
発現が不十分になる恐れがあり、500重量部を越えると
急硬性AEコンクリート組成物の寸法安定性が低下する場
合がある。
本発明に係る凝結調節剤としては、クエン酸、酒石
酸、グルコン酸、コハク酸及びマレイン酸等の有機酸や
それらの塩類、炭酸アルカリ、リン酸類やそれらの塩
類、ホウ酸、ホウ酸アルカリ、ケイフッ化物、でん粉、
糖及びアルコール類等やそれらの混和物が挙げられる
が、中でも有機酸の使用が好ましい。
凝結調節剤の使用量は、カルシウムアルミネート類10
0重量部に対して、0.1〜30重量部程度が適度なオープン
タイム(作業時間)を得る面から好ましい。
本発明に係るAE剤は、アビエチン酸塩を有効成分とす
るものであり、アビエチン酸塩の構造式はナトリウム塩
として例示すると次の通りである。
前記構造式を有するアビエチン酸塩を有効成分とする
本発明のAE剤(以下本AE剤という)は、現在市販品とし
て入手が容易である。
本AE剤の使用量は、カルシウムアルミネート類100重
量部に対して、0.1〜1.0重量が好ましい。0.1重量部未
満では起泡作用が十分でなく、1.0重量部を越えると経
済的に好ましくない。
本発明で使用するセメントとしては、普通・早強・超
早強等の各種ポルトランドセメントや、これらに高炉ス
ラグ、フライアッシュ又はシリカを混合した各種混合セ
メント、あるいは、ポルトランドセメントに膨張材を混
合した膨張セメントなどの特殊セメント等が挙げられ
る。
セメントの使用量は、カルシウムアルミネート類100
重量部に対して、200〜5,000重量部が好ましい。200重
量部未満では経済的に好ましくなく、5,000重量部を越
えると急硬性能の発現が不十分となる傾向がある。
本発明で使用する骨材は、通常コンクリートに使用さ
れるものであれば特に制限されるものではないが、天然
骨材の使用が最も一般的である。
本発明では、さらに、ガラス繊維、カーボン繊維及び
鋼繊維等の繊維質、ポリマーエマルジョン、減水剤、防
錆剤、増粘剤、保水剤及び防凍剤等の混和材又は混和剤
のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に
阻害しない限り併用することが可能である。
本発明のコンクリート混和材あるいは急硬性AEコンク
リート組成物の混合には、既存のどのような撹拌装置も
使用可能であり、例えば傾胴ミキサー、オムニミキサ
ー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー及びナウターミ
キサー等が使用可能である、また混合は、各々の材料を
施工時に混合してもよいし、予め一部もしくは全部を混
合しておいても差し支えない。
施工に関しては、従来のコンクリートの施工に準拠す
ればよく、特別な装置や工法などは特に必要としない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によって詳しく説明する。
実施例1 第1表に示すような配合の組成物を調製した。第1表
中の粉体は、セメントとコンクリート混和材の混合物を
表わす。
〔使用材料〕
セメント :アンデスセメント社製普通ポルトランドセ
メント カルシウムアルミネート類:カルシウムアルミネート、
CaO含有量45重量%、非晶質、ブレーン6,500cm2/g 無機硫酸塩:II型無水セッコウ、ブレーン6,100cm2/g 凝結調節剤:電気化学工業社製商品名「コスミックNo.1
セッター」主成分有機酸 AE剤 :山宗化学社製商品名「ヴィンソル」主成分
アビエチン酸石けん 細骨材 :新潟県姫川産川砂 粗骨材 :新潟県姫川産砕石骨材、Gmax25m/m 次に、得られた組成物の物性をJIS R 5201に準拠し、
20℃×65%RHの条件で養生し、圧縮強度を測定した。
また、ASTM C−666の「水中凍結融解法」に準拠し、2
0℃×65%RHの雰囲気下で10×10×40mの型枠に型詰め
し、供試体を作成し、24時間後脱型し、14日間水中養生
し、その後耐凍結融解性を測定した。結果を第1表に併
記する。結果は300サイクル後の相対動弾性係数の百分
率(%)で示した。
〔発明の効果〕 本発明のコンクリート混和材及び急硬性AEコンクリー
ト組成物を使用することにより、適度な空気量の急硬性
AEコンクリートが得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/04 C04B 24/04 C04B 24/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウムアルミネート類、無機硫酸塩、
    凝結調節剤、及び、アビエチン酸塩を有効成分とするAE
    剤を主成分とするコンクリート混和材。
  2. 【請求項2】セメント、骨材及び請求項1記載のコンク
    リート混和材を主成分とする急硬性AEコンクリート組成
    物。
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