JP6993185B2 - 土壌改質材及び土壌改質方法 - Google Patents

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本発明は土壌改質材及び土壌改質方法に関するものである。
2011年3月の東日本大震災のように、震災時に発生した土砂や瓦礫は、雨や津波に曝されることにより、水分を大量に含む場合が多い。そのため、そのままの状態で集積地に搬送することは困難であり、また、中間貯蔵施設の受入れ許容量にも限界があるため、土壌を土以外の草木等と選別する作業が必要である。
しかし、高含水比の粘度の高い土砂、その土砂を含む瓦礫をそのまま選別機械に投入すると、うまく機械が作動しないという問題点がある。
例えば、特許文献1では含水率の高い土砂を含む瓦礫等の廃棄物の分別方法として、所定の共重合体を添加する方法が提案されている。また、特許文献2では各種建設工事に伴って発生する残土のような汚染土壌の無害化処理方法として、汚染土壌に鉄や吸水性ポリマーを添加する工程等を含む方法が提案されている。
特開2012-176394号公報 特開2017-039092号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2で提案された方法では、草木等の異物を含んだ土砂や瓦礫から土壌を分離することはできるが、硬化時間が長く、初期強度も低いという課題がある。
なお、ここでいう硬化時間とは、含水粘性土壌を構成する土が凝集若しくは固まって粒状物となり触った感覚として粘性がほとんどなくなるまでの時間をいい、初期強度とは例えば改質処理から1日後の上記粒状物の強度をいう。硬化時間と初期強度が適切でないと、次の工程での作業性が低下したり、コストアップを招いたりしてしまう。
以上から、本発明は、含水率が高く粘性のある粘土状もしくは泥状の含水粘性土壌を、適切な硬化時間内で、良好な初期強度を有する粒状物に改質できる土壌改質材及びこれを用いた土壌改質方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末をそれぞれ所定量含有する土壌改質材により、上記課題が解決できることを見出し、本発明に想到した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末を含有してなる粉状の土壌改質材であって、前記カルシウムアルミネート粉末100質量部に対して、前記石膏粉末を45~105質量部、前記消石灰粉末を0.5~18質量部、シリカ質粉末を40~150質量部含有してなる土壌改質材。
[2] 前記シリカ質粉末が、シリカフューム、焼成カオリン、及びベントナイトの少なくともいずれかである[1]に記載の土壌改質材。
[3] さらに、吸水性ポリマー粒子を含む[1]又は[2]に記載の土壌改質材。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載の土壌改質材を含水粘性土壌と混合し、前記含水粘性土壌の改質を行う土壌改質方法。
[5] 前記含水粘性土壌を粒状化する[4]に記載の土壌改質方法。
[6] 前記含水粘性土壌が有害物質を含有してなる[4]又は[5]に記載の土壌改質方法。
[7] 前記有害物質が、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素、及びホウ素の少なくともいずれかを含む[6]に記載の土壌改質方法。
[8] 前記有害物質が放射性物質を含む[6]に記載の土壌改質方法。
本発明によれば、含水率が高く粘性のある粘土状もしくは泥状の含水粘性土壌を、適切な硬化時間内で、良好な初期強度を有する粒状物に改質できる土壌改質材及びこれを用いた土壌改質方法を提供することができる。
また、含水粘性土壌に有害物質が含まれる場合、当該改質に伴って、当該有害物質を上記粒状物に固定化することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の「部」や「%」は、特に規定しない限り質量基準である。
[1.土壌改質材]
本発明の実施形態に係る土壌改質材は、カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末を含有してなり、全体として粉状となっている。粉状となっていることで、貯蔵や運搬等において取扱い性がよいという利点がある。
また改質の際には、カルシウムアルミネート粉末と石膏粉末とからエトリンガイトが生成するが、この生成に伴い含水粘性土壌中の水が除去される。シリカ質粉末においても当該水が吸着されて除去される。さらに、消石灰粉末中のカルシウムイオンと粘性土粒子表面の負電荷との電気的作用により、これらが互いに凝集するので、粘性土中の水分もこの凝集の際に固定化される。
本発明ではこれらの効果に加えて、消石灰粉末のカルシウムイオンが、上記エトリンガイトの生成を促進し、また、消石灰粉末はシリカ質粉末とも反応するため、これらの相互作用により粘性の高い土粒子の凝集効果を高めることができると推定される。その結果、ドロドロ若しくはベトベトな含水粘性土壌を、さらさらとした土壌(粒状物)に改質できると考えられる。
なお、このような効果は後述するように、上記各成分の含有量を所定の範囲とすることで得られやすくなる。
以下、各成分について説明する。
(カルシウムアルミネート粉末)
カルシウムアルミネート粉末は、カルシア原料とアルミナ原料等を混合して、キルンで焼成し、あるいは、電気炉で溶融し冷却して得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称であり、硬化時間が早く、初期強度発現性が高い材料である。
カルシウムアルミネート粉末は、CaOとAlとのモル比(CaO/Alモル比)が1.0~2.7であることが好ましく、2.0~2.5であることがより好ましい。モル比が1.0~2.7であることで十分な硬化時間をとることができる。
カルシウムアルミネート粉末に含まれるCaOやAl以外の不純物が15%以下であることが初期強度発現性の観点から好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。不純物が15%以下であることで、十分な硬化時間をとることができ、低温時でも良好に固めることができる。
不純物の代表例としては酸化ケイ素があり、その他、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等がCaOやAlの一部に置換したものがあるが、特に限定されるものでない。
なお、CaO、Al、及び不純物等の含有量は蛍光X線分析によって求めることができる。
カルシウムアルミネート粉末のガラス化率は、反応活性の面で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。70%以上であると初期強度発現性を高めることができる。
カルシウムアルミネート粉末のガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1~10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、さらに、これらのS及びSの値を用い、下記式を用いてガラス化率を算出する。
ガラス化率(%)=100×(1-S/S
カルシウムアルミネート粉末の粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値3000cm/g以上が好ましく、4500cm/g以上がより好ましい。3000cm/g未満であると初期強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムアルミネート粉末の平均粒径は、300μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。平均粒径は、カルシウムアルミネート粉末をエタノール中に均一に分散させ、例えば、レーザ回折法等の粒度分布測定装置により測定することで得ることができる。なお、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末の平均粒径についても同様である。
(石膏粉末)
石膏粉末の含有量は、カルシウムアルミネート粉末100部に対して、45~105部であり、50~100部であることが好ましい。45部未満では、作業時間が取れなくなり、強度発現性が低下する場合がある。105部を超えると作業時間は十分に取れるが、初期強度が得られない場合がある。
石膏粉末としては、半水石膏、二水石膏、無水石膏が使用でき、強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏粉末を水に浸漬させたときのpHは、8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pHが8以下であることで石膏成分の溶解度が低くなり、初期の強度発現性を良好にすることができる。
なお、ここでいうpHとは、石膏粉末/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHを、イオン交換電極等を用いて測定したものである。
石膏粉末の粒度は、ブレーン比表面積で3000cm/g以上が好ましく、4500cm/g以上が初期強度発現性と、適正な作業時間が得られる観点から好ましい。石膏粉末の平均粒径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
(消石灰粉末)
消石灰粉末の含有量は、カルシウムアルミネート粉末100部に対して、0.5~18部であり、1~15部であることが好ましい。0.5部未満では硬化時間が長引いてしまい、18部を超えると強度発現性が低下する。
消石灰(Ca(OH))粉末としては、JIS R9001に規定する特号、1号又は2号等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、その不純物も環境に有害なものを含まなければ特に限定されるものではない。消石灰粉末は、Ca(OH)含有量で80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。不純物としては、炭酸カルシウムや酸化カルシウムを含む場合がある。
消石灰粉末の比表面積は特に限定されるものではないが、通常、BET比表面積で20m/g以下が好ましく、15m/g以下がより好ましい。消石灰粉末のBET比表面積が20m/g以下であると、流動性が良好で、硬化時間も確保しやすくなる傾向がある。消石灰粉末の平均粒径は、7μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。
(シリカ質粉末)
シリカ質粉末の含有量は、カルシウムアルミネート粉末100部に対して、40~150部であり、60~120であることが好ましく、80~100部であることがより好ましい。40部未満では、粘性が下がらず、粒状物が得られない場合があり、150部を超えると、粘性が下がり硬化に至らない場合がある。
シリカ質粉末は、シリカ質(SiO)を主成分とし潜在水硬性を有する粉末を総称するものであり、例えば、シリカフューム、カオリン(焼成カオリンを含む)、ベントナイト、シリカダスト、珪藻土、珪藻白土、フライアッシュ等が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を使用することが可能である。シリカ質粉末としては、シリカフューム、焼成カオリン、ベントナイトが好ましい。
シリカ質粉末中のSiO含有量は60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。SiO含有量は、蛍光X線分析によって求めることができる。
シリカ質粉末のブレーン比表面積は、5000cm/g以上が好ましく、6000~9000cm/gがさらに好ましい。シリカ質粉末の平均粒径は、1~20μmであることが好ましく、5~10μmであることがより好ましい。
カルシウムアルミネート粉末、消石灰粉末、及びシリカ質粉末においては、エトリンガイトの生成とシリカ質粉末との反応の観点から、カルシウムアルミネート粉末と消石灰粉末との質量比(カルシウムアルミネート粉末/消石灰粉末)が5~25であり、かつ、シリカ質粉末と消石灰粉末との質量比(シリカ質粉末/消石灰粉末)が5~20であることが好ましく、10~20であり、かつ、7~15であることがより好ましい。
本実施形態に係る土壌改質材中のカルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、及びシリカ質粉末の合計量は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
(吸水性ポリマー粒子)
本実施形態に係る土壌改質材は、さらに、吸水性ポリマー粒子が含有されてなることが好ましい。吸水性ポリマー粒子が含有されることで、改質時の硬化時間を長くしたり、改質後は良好な強度を発現させたりすることができる。
吸水性ポリマーとしては、ポリオキシアルキレン化合物;アクリル系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系樹脂;カルボン酸又はその1価塩を主要構成単量体単位とするポリマー;等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン化合物としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール類のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコール(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック及び/又はランダム共重合体)等が挙げられる。
カルボン酸又はその1価塩(以下、「不飽和カルボン酸(塩)」という。)を主要構成単量体単位とするポリマーにおける、不飽和カルボン酸(塩)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびケイヒ酸ならびにその1価塩等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸(塩)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本実施形態においては、アクリル酸(塩)またはメタクリル酸(塩)を用いることが好ましく、アクリル酸(塩)を用いることが特に好ましい。また、1価塩としては、NaおよびK等のアルカリ金属塩、エチルアミン等のアミン塩等が挙げられ、好ましいものはアルカリ金属塩であり、特に好ましいものはNa塩である。
当該ポリマーはポリカルボン酸(塩)を主要構成単量体単位とするものであり、不飽和カルボン酸(塩)のみからなるものが主体であるが、対象土の物性、求められる流動性等に応じて、他の重合性単量体、例えば不飽和スルホン酸またはその塩(以下、「不飽和スルホン酸(塩)」という。)、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリル酸(ポリ)アルキレングリコールエステル、メタクリル酸(ポリ)アルキレングリコールエステル、メタクリル酸アルキルエステル等が、構成単量体成分として使用される。例えば、対象地盤が粘性土である場合、アクリル酸(塩)80部以上と不飽和スルホン酸(塩)20部以下との共重合体を本発明の高分子重合体の1つとして用いることができる。上記不飽和スルホン酸(塩)の具体例としては、2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホアルキルアクリレート、スルホアルキルメタクリレート、アリールスルホン酸、メタリルスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロピルスルホン酸、スルホン酸アクリレートならびにそのアルカリ塩が挙げられる。このうち、ポリアクリル酸ナトリウムが好ましく用いられる。
当該ポリマーは、分散剤、コンクリート用混和剤、洗剤ビルダーあるいはキレート剤として用いられている高分子量の重合体であり、より具体的には重量平均分子量10,000程度以上のものであり、本実施形態で好ましいものは重量平均分子量20,000以下のものであり、特に好ましいものは15,000以下のものである。
なお、上記の重量平均分子量は、標準物質としてポリアクリル酸ナトリウムを使用して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより得られた分子量をいう。
当該ポリマーは、不飽和カルボン酸(塩)又はこれと他の重合性単量体から選択された単量体を常法により重合することにより得られる。また、塩型の高分子重合体を得る方法としては、不飽和カルボン酸またはこれと他の重合性単量体とを重合させたのち得られた重合体の一部または全部をアルカリ金属水酸化物等により中和する方法、不飽和カルボン酸塩またはこれと他の重合性単量体とを重合させる方法のいずれでもよいが、重合後に中和する方法が好ましい。高分子重合体は酸型で中和されていないものでもよく、重合体の一部が中和されたものでもよく、完全に中和されたものでもよいが、完全に中和されたものが好ましい。
本実施形態に係る吸水性ポリマー粒子の含有量は、カルシウムアルミネート粉末100部に対して、4.5~10.5部が好ましく、5~10部がより好ましい。4.5~10.5部であることで、硬化時間を確保することができ、良好な強度発現性を得ることができる。
吸水性ポリマー粒子の平均粒径は、10~2000μmであることが好ましく、50~1000μmであることがより好ましい。当該平均粒径はSEMにより測定して求めることができる。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る粉状の土壌改質材には、本発明の効果を阻害しない範囲で種々の添加剤を含有させることができる。
例えば、珪石粉末、頁岩粉末、及び、高炉スラグ微粉末等が挙げられる。
実施形態に係る粉状の土壌改質材は、例えば、カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末、必要に応じて、吸水性ポリマー粒子等を混合しミキサ等で練り混ぜることで製造することができる。
上記のミキサは、均一に練混ぜることができれば、どのような機材を使用してもよい。好ましくは、強制二軸ミキサ、単槽式グラウトミキサ、横型二槽式グラウトミキサ、縦型二槽式グラウトミキサ等のグラウトミキサや、モルタルミキサなどが使用される。なかでも、強制二軸ミキサが撹拌効率の点からより好ましい。
[2.土壌改質方法]
本実施形態に係る土壌改質方法は、既述の本発明の土壌改質材を含水粘性土壌と混合し、当該含水粘性土壌の改質を行う土壌改質方法である。
ここで、「土壌改質」とは少なくとも、含水粘性土壌を粒状物にすることをいう。また、含水粘性土壌の具体例としては、泥土やヘドロを含むような、建設発生土、建設汚泥、土木汚泥等や、自然災害で発生した草木や瓦礫を含む土砂等が挙げられる。
上記粒状物は、例えば、5mmメッシュの篩に質量90%以上が通過できることが好ましい。この程度であれば、触った感覚としてサラサラしており、草木や瓦礫との分別がしやすくなる。また、粒状物は、後述の実施例で測定する1日圧縮強度が0.1N/mm以上であることが好ましい。0.1N/mm以上であることで、六価クロムが含まれていても溶出し難くすることができる。また、粒状物とするまでの時間、すなわち硬化時間は、1.5~115分であることが好ましい。1.5~115分であることで実用的で十分な作業時間を確保することができる。
改質の具体的な方法としては、上記のような含水粘性土壌を採取しこれをミキサ等に装填し、本実施形態の土壌改質材を混合しながら撹拌すればよい。撹拌時間や撹拌速度等の撹拌条件は、含水粘性土壌の種類や粘度等に応じて適宜設定する。
また、土壌の含水比等を考慮し、水を加えずに土壌改質材をそのまま添加するか、土壌改質材に水を加えて混合するか、適宜方法を変更する。水を添加する場合は、水/土壌改質材比が50~150%となるのが好ましい。
ここで、含水粘性土壌としては有害物質を含有していてもよい。当該有害物質としては、(1)砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素、及びホウ素の少なくともいずれか、又は、(2)放射性物質等挙げられる。
本実施形態の土壌改質材によれば、改質の際に、エトリンガイトの結晶化の段階で、Al原子の位置にPb、Cd、Hg等の金属イオンが容易に置換する。エトリンガイトのSO 2-イオンも、CrO 2-、Cr 2-、AsO 3-、AsO 3-、SeO 2-、BO 3-、CN、F等の各種陰イオンと置換することが可能である。
したがって、本実施形態の土壌改質材によれば、上記(1)の有害物質を効率よく補足し、固定化することができる。すなわち、粒状化しながらその粒状物である土に有害物質を固定化することができる。
また、(2)の場合において、放射性物質の放射性核種としては、137Cs、90Sr、131I、14C等が挙げられる。本実施形態の粉状の土壌改質材によれば、エトリンガイトの結晶構造中に上記放射性物質が取り込まれ、固定化がされると考えられる。すなわち、粒状化しながらその土に放射性物質を固定化することができる。
なお、(2)の場合の改質方法としては、例えば、1.5mの鋼製容器内に1mの汚染土壌を投入し、本実施形態の粉状の土壌改質材を加えて撹拌混合する。特に高濃度の汚染土壌での設備としては、放射線を出す核種に対する安全性の点で、人の近づく必要のない、遠隔操作ができる設備が好ましい。
以下、本発明を実験例に基づいて説明する。
(実験例1)
温度20℃、相対湿度60%の環境下で、含水比40%に調整した粘性土(含水粘性土壌)200gに、下記表1に示すように、カルシウムアルミネート粉末100部に対して、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ粉末、吸水性ポリマー粒子の添加量を変えた土壌改質材6gと、水6gとを混合したものを振撒き、撹拌した。
練混ぜた材料の改質(粒状化)効果と硬化時間を確認し、型枠に敷設後、圧縮強度の測定を行った。
なお、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積は、5000cm/gとなるように調整した。結果を下記表1に示す。
<使用材料>
(1)カルシウムアルミネート粉末:CaO/Alモル比2.2、ガラス化率97%、不純物含有量2.0%、ブレーン比表面積5000cm/g
(2)石膏粉末:天然無水石膏、ブレーン比表面積5000cm/g
(3)消石灰粉末:消石灰1号(上田消石灰製造(株))、CaO含有量70%、
(4)シリカ質粉末A:シリカフュームSF-R 巴工業(株)製、SiO含有量93.9%、ブレーン比表面積18.9m/g
(5)シリカ質粉末B:焼成カオリン Satintone5HB 林化成(株)製、SiO含有量52.3%、
(6)シリカ質粉末C:ベントナイト クニゲルV1 クニミネ工業(株)製、SiO含有量69.4%、
(7)吸水性ポリマー粒子A:ポリビニルピロリドンK90 東京化成工業(株)製、平均分子量360000
(8)吸水性ポリマー粒子B:ポリエチレングリコール4,000 東京化成工業(株)製 平均分子量2600~3800
(9)水:水道水
<測定方法>
(1)改質(粒状化)効果:触手および目視にて、粘性土が粒状物になり他の混合物と分別し易くなったか判断した。分別しやすくなったものを改質(粒状化)効果「有」とし、そうでないものを改質(粒状化)効果「無」とした。
(2)硬化時間:触手で粘性が無くなる時点、すなわち粒状物となる時点を確認した。硬化時間は1.5分~115分であることが好ましい。
(3)圧縮強度:JIS A1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」及びJIS A1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。2×2×8cmの型枠に成型して、1日後に測定した。当該圧縮強度は0.1N/mm以上であることが好ましい。
Figure 0006993185000001
表1より、本実施例の土壌改質材によれば、適切な硬化時間内で、良好な初期強度を有する粒状物に改質できることが分かる。
本発明の土壌改質材によれば、含水率の高い粘性土砂、及び瓦礫や草木等を含む粘性土砂に対し、粘性土を効率的に粒状化できるので、瓦礫草木等等から土砂を容易に分別できるという効果を奏する。そのため、種々の建設現場、土木作業現場に適用できる。また、これら以外にも、地震や土砂崩れが発生した災害地、各種有害物質を含む土砂にも適用できる。

Claims (8)

  1. カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ質粉末を含有してなる粉状の土壌改質材であって、
    前記カルシウムアルミネート粉末100質量部に対して、前記石膏粉末を45~105質量部、前記消石灰粉末を0.5~18質量部、シリカ質粉末を40~150質量部含有してなり、
    前記シリカ質粉末中のSiO 含有量が60質量%以上であり、
    前記土壌改質材中の前記カルシウムアルミネート粉末、前記石膏粉末、前記消石灰粉末、及び前記シリカ質粉末の合計量が90質量%以上である土壌改質材。
  2. 前記シリカ質粉末が、シリカフューム、焼成カオリン、及びベントナイトの少なくともいずれかである請求項1に記載の土壌改質材。
  3. さらに、吸水性ポリマー粒子を含む請求項1又は2に記載の土壌改質材。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の土壌改質材を含水粘性土壌と混合し、前記含水粘性土壌の改質を行う土壌改質方法。
  5. 前記含水粘性土壌を粒状化する請求項4に記載の土壌改質方法。
  6. 前記含水粘性土壌が有害物質を含有してなる請求項4又は5に記載の土壌改質方法。
  7. 前記有害物質が、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素、及びホウ素の少なくともいずれかを含む請求項6に記載の土壌改質方法。
  8. 前記有害物質が放射性物質を含む請求項6に記載の土壌改質方法。


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