JP4901305B2 - 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法 - Google Patents

継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4901305B2
JP4901305B2 JP2006150263A JP2006150263A JP4901305B2 JP 4901305 B2 JP4901305 B2 JP 4901305B2 JP 2006150263 A JP2006150263 A JP 2006150263A JP 2006150263 A JP2006150263 A JP 2006150263A JP 4901305 B2 JP4901305 B2 JP 4901305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
sheet pile
layer
anticorrosion
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006150263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007321363A (ja
Inventor
信樹 吉崎
義洋 宮嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Anti Corrosion Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nittetsu Anti Corrosion Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nittetsu Anti Corrosion Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006150263A priority Critical patent/JP4901305B2/ja
Publication of JP2007321363A publication Critical patent/JP2007321363A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4901305B2 publication Critical patent/JP4901305B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)

Description

本発明は、海洋等の厳しい腐食環境に対して、打設後の防食性に優れる鋼矢板を提供する。
ポリエチレンやポリウレタンを防食被覆として使用した重防食鋼矢板では数十年の耐久性が期待されることから、河川・海洋等での腐食環境での使用に対するライフサイクルコスト面での有効性から数多く使用されている。その使用に際して継ぎ手部嵌合面には嵌合の妨げになるため重防食を施すことが出来ず無被覆で、継ぎ手端部にシール剤塗布やタールエポキシ等の本体と異なる防食仕様の一般塗装が行われるが、この作業は本体塗装とは別途に実施されることから下地処理が十分に行うことができず、防食性も低いという課題があった。また、これらのシール剤や一般塗装による被膜は仮に嵌合面まで塗装を施しても、嵌合時に傷が付きやすく、継ぎ手部分に腐食が発生して腐食端部からの剥離が誘発されるという問題があった。
特に、従来のU型鋼矢板は、図1の断面図に示すように山谷面を組み合わせた被覆となり、谷面の被覆の爪部被覆の曲率が大きいために腐食によって被膜の残留歪みから剥離が進展しやすい。一方でハット型形状の鋼矢板被覆においては、図2の断面図に示すように同形状方向のみの被覆となることと、曲率の大きい部分が無いために部位の影響は小さい。
また、嵌合部の腐食と剥離進展を防止する方法として、例えば特許文献1に開示されているように鋼矢板を打設した後に継ぎ手部にカバーをする方法がある。しかしながら、施工後のカバー設置は水中作業となり施工性に問題がある。
特開2001-131957号公報
本発明は、これら問題点に鑑みなされたもので、その目的は、塗装鋼矢板において、防食性、特に継ぎ手部嵌合面における被覆端部からの剥離進展を抑制することのできる防食性に優れた塗装鋼矢板を提供することにある。
鋼矢板爪の嵌合部については打設時に爪同士が接触するため、数mmに及ぶ厚膜の重防食被覆を行うことは出来ない。このため、従来の重防食被覆鋼矢板では爪部以外に重防食被覆を施した後に、爪部にのみ別途柔らかいシール剤や、薄膜のタールエポキシ樹脂塗装を施していた。従来のシール剤を塗布したU型鋼矢板の被覆例を、図3の断面図に、また、ハット型鋼矢板への被覆例を図4の断面図に示す。
図3、図4から分かるように、従来の方法では未塗装部分が多く残るという問題がある。更には本体と別に塗装を実施するために下地処理が十分でなく、また塗装自体も弱く容易に破損し、その結果、爪部に腐食が発生し、腐食を起因とする被覆の剥離進展を抑制することが難しかった。また、爪近傍の曲面への厚膜重防食は、形状が複雑なことから塗膜収縮や波浪による応力で剥離進展が発生しやすいという課題を内在している。
爪嵌合部の防食塗膜には、1)嵌合作業によって容易に剥離しない塗膜強度と密着力を有する、2)嵌合可能な薄い膜厚みで防食性能を確保する、3)傷が付いた場合にも傷からの腐食進展や剥離進展が小さい、4)耐候性を有する、5)塗装性が容易、といった特性が要求される。
そこで、爪部と鋼矢板本体それぞれに要求される性能を考慮した結果、化成処理あるいはジンクリッチプライマー処理を行い、塗膜強度と密着性を満足する樹脂としてエポキシ樹脂を主成分とする塗膜を50μm以上の平均膜厚みで嵌合面まで防食膜を形成して嵌合爪部の防食性を確保した。更に、この防食仕様を本体部分にも同時に適用することで塗装作業性と耐剥離性を向上させた。しかしながら、鋼矢板本体部分では耐衝撃性が重要となることから保護被覆として従来の重防食にも用いられ、信頼性の高い厚膜のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア等の樹脂を1mm以上の膜厚でエポキシ樹脂上に被覆することで耐衝撃性と耐候性を確保した。嵌合爪部はその曲面形状によっては剥離応力が増大することもあり、曲率の大きい部分には厚膜保護被覆を形成しないことが望ましい。その場合、耐候性に劣るエポキシ樹脂が露出しないように、表面にアクリル、シリコンやフッ素樹脂を配合した耐候性に優れる着色塗膜を形成、あるいは耐候性を有するフィルムを粘着剤によって貼り付けて耐候性を確保したものである。このように爪部に厚膜被覆を用いないと、被膜が剥離しても本体の厚膜被覆部分に剥離応力が伝播しない。
本発明は上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)鋼矢板において、防食を必要とする側の面及び継ぎ手部の嵌合面が、鋼矢板表面に化成処理層あるいはジンクリッチプライマー層を形成し、その上にエポキシ樹脂層を主成分とする防食塗装層を50〜600μmの厚みで積層すると共に、嵌合面の防食塗装層の表面に、着色したアクリルウレタン、フッ素系樹脂の1種又は2種の耐候性塗膜を30〜200μm形成させたことを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
(2)前記防食塗装層の平面部における垂直密着力が5MPa以上であることを特徴とする(1)記載の継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
(3)前記化成処理層が、リン酸、シリカ微粒子、マグネシウムまたはカルシウムもしくは、マグネシウムとカルシウムの両方を含有することを特徴とする(1)記載の継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
(4)(1)〜(3)のいずれかの項に記載の鋼矢板において、前記嵌合面を除いた面の防食塗装層の表面に、更に1mm以上のウレタン樹脂、ウレア樹脂、ポリオレフィン樹脂のいずれかによる耐傷防止樹脂層を設けたことを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
)鋼矢板の製造方法において、防食を要する側の面及び継ぎ手部の嵌合面にブラスト処理を施し、次いで当該ブラスト処理を施した面に化成処理層あるいはジンクリッチ層を形成し、更にその上にエポキシ樹脂層を主成分とする防食塗装層を50〜600μmの厚みで積層し、次いで嵌合面の防食塗装層の表面に、着色したアクリルウレタン、フッ素系樹脂の1種又は2種の耐候性塗膜を30〜200μm形成することを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板の製造方法。
本発明は、河川・海洋域での鋼矢板を使用において、爪部の腐食及び爪部からの腐食及び剥離を大きく抑制する塗装鋼矢板を提供するもので、塗装鋼矢板は爪部を含めて薄膜の防食塗装、本体のみに厚膜塗装を行うことにより、爪部での腐食が発生し難く、例え剥離が発生しても本体への影響が少ないために長期間に渡って本体の防食効果を維持することが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に使用する塗装鋼矢板に用いる鋼矢板の鋼種は普通鋼、あるいはC、Si、Mn及び窒素、酸素を制御した鋼材、あるいは更に、Cu,Ni,Cr,Mo,Nb,Ti,Al,Mg,V,Ca等の元素を添加した合金鋼で熱延加工行程によって形状加工を行ったものである。その形状としては例えば一般的なU型やハット型のものがある。
本発明の塗装鋼矢板は前処理として塗装面及び爪部の除錆作業を十分行う必要がある。除錆作業にはスチールグリッド、スチールショット、あるいはサンドを用いたブラスト処理が一般的に用いられる。圧延傷や腐食が激しい場合にはグラインダー等でその部分を平滑にした後にブラスト処理を行うと良い。除錆作業が不十分な場合は防食性が低下する。
前処理後に化成処理又はジンクリッチプライマー処理を行う。化成処理は環境を考慮したクロムを含まない酸系の処理液を使用する。酸としては一般的にはリン酸を含有するものを使用する。その他の化成処理成分としては、シリカ微粒子、マグネシウムまたはカルシウムもしくは、マグネシウムとカルシウムの両方を成分として含有する処理液を使用することが好ましい。化成処理以外の方法としては微細な亜鉛粉を多量に含有したジンクリッチペイントがある。ジンクリッチペイントを大別すると、無機、有機に分類されるが、密着性の観点からは有機が有利である。有機ジンクは関西ペイント(株)、日本ペイント(株)、新日鐵化学(株)等の塗料メーカーより市販されているもので良い。
次にエポキシ樹脂を主成分とする塗装を鋼矢板本体と爪の嵌合面まで実施する。爪部への塗装に関しては、嵌合時に傷の発生が小さく、剥離し難い被膜特性が必要である。これまで重防食で用いられてきたタールエポキシやシール剤といった柔らかい樹脂ではこれらの要求特性を満たすことは困難であった。エポキシ樹脂は塗膜強度がウレタン樹脂に比べて高く、耐酸素透過性、密着性等にも優れた特性を持つことから、単独塗布でもウレタンの厚膜被覆と同等以上の耐酸素透過性を確保することが出来る。使用するエポキシ樹脂強度の目安として、5MPa以上の密着強度を有する特性を持つものを使用すると防食性能と耐剥離性の観点から良好な結果を得ることが出来ることがわかった。塗膜の膜厚範囲としては、鋼矢板爪部は熱間加工により表面に肌荒れ(凹凸)が発生することからピンホールを防止する膜厚みが必要である。
一方でエポキシ樹脂のように硬い塗膜は、膜厚みと共に剥離応力が大きくなるために薄膜塗装が望ましい。また嵌合の妨げにならないといった観点からも薄膜が望ましい。以上の点から実用的な平均膜厚範囲としては50〜600μmが適当である。エポキシ樹脂塗料は液体、あるいは粉体のいずれかの形態で供給される。エポキシ樹脂塗料の硬化剤は例えば、液体の場合にはアミン系、粉体の場合にはフェノール系のものが使用される。液体を用いる場合には予め鋼矢板を40℃以上、粉体を用いる場合には160℃以上に加熱してから塗布する。鋼矢板の温度が確保出来ない場合には硬化が不足して密着強度が不足するため、前述の5MPa以上の密着力を確保することが難しい。
次にエポキシ樹脂層上の爪部を除く鋼矢板本体部分に厚膜保護被覆を塗装する。厚膜保護被覆として塗装する樹脂としてはポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア等の樹脂を用いる。ポリオレフィン樹脂は耐衝撃性には劣るが価格メリットが大きいことから鋼矢板を160℃以上の高温加熱が可能な場合には粉体ポリオレフィンを使用して塗装を行う方法が使用出来る。一方、ポリウレタンやポリウレア樹脂は耐衝撃性や密着性に優れ、常温での塗装施工が可能なことから、大型構造物に適用し易いという特徴を持つ。これらの樹脂を使用する場合には一般的には耐候性を向上させるためにカーボンブラックを添加したものを用いる。これらの樹脂の厚みとしては保護被覆としての機能からは厚い方が良く、ポリオレフィンで1.5mm以上、ポリウレタンやポリウレア樹脂では1mm以上の膜厚を有することが望ましい。塗装範囲は爪の嵌合内部以外を主とする。爪部周辺の曲面では塗膜の収縮による剥離応力や波浪の影響が大きいため、得に収縮応力の大きいポリオレフィン樹脂では曲がりの大きい部分を避けて塗装を行うと剥離が進展しにくい。
爪近傍の厚膜保護被覆が行えない部分に耐候性が要求される場合には、厚膜エポキシ塗装被膜上に着色上塗り塗装を行って耐候性を確保する。着色上塗り塗装は勘合の妨げにならないように30〜200μm程度の厚みの塗装を行う。使用する樹脂は耐候性が確保出来るものであれば何でも良いが、アクリル系、又はフッ素系のウレタン樹脂を着色したものを用いる。その他シリコン系の変性樹脂を用いても良い
本発明をU型鋼矢板に適用した場合の被覆構成例として嵌合爪部の断面を図5に、またハット型の鋼矢板に適用した場合の被覆構成例として嵌合爪部の断面を図6に示す。1の鋼矢板爪部及び2の鋼矢板本体に対して、サンド、グリッド、ショット等のブラスト処理による除錆処理を行った後、化成処理あるいは有機ジンクリッチペイントによる下地処理層3を形成する。下地処理層はスプレー噴霧塗装、ローラー塗布、刷毛塗りといった方法を用いる。鋼矢板を適温に加熱した後、液体スプレー塗装又は粉体静電塗装によってエポキシ樹脂を主成分とする厚膜防食層4を50〜600μmの平均膜厚で形成する。この後、2の鋼矢板本体部分にのみ、粉体ポリオレフィンの静電塗装にて1.5mm以上、あるいは2液のイソシアネート硬化型ポリウレタン、あるいはポリウレア樹脂を1mm以上の膜厚で塗装して耐衝撃保護層5を形成する。更に爪部に耐候性が要求される場合、耐衝撃保護被覆5が形成されていないエポキシ樹脂上にアクリルウレタン、フッ素系樹脂等の耐候性塗膜あるいは耐候性を有するフィルム層6を形成する。
本発明においてアクリルウレタン、フッ素系樹脂等の耐候性塗膜あるいは耐候性を有するフィルム層6を省略した場合のハット型の鋼矢板に適用した場合の被覆構成例として嵌合爪部の断面を図7に示す。エポキシ樹脂を主成分とする厚膜防食層4は耐候性に課題があるため、ポリウレタン、あるいはポリウレア樹脂による耐衝撃保護層5を爪先端まで被覆する。
本発明の塗装鋼矢板としてハット形状の断面を有する鋼矢板の山面及び嵌合爪部にスチールグリッドを用いたブラスト処理を施した後、本発明例1ではリン酸カルシウム、シリカを主成分とする化成処理、本発明例2、3では有機ジンク(新日化製:NBジンクプライマー)を施し乾燥させた。その後、鋼矢板を50℃に加温してエポキシ樹脂を主成分とする塗料(新日化製:NSW1500)をスプレー塗装によって塗装して硬化させた後、爪部にマスキングを行って本体部分の表面に2液混合スプレー塗装機を用いてポリオールとイソシアネートを主成分とするポリウレタン塗料を混合して吹き付けて耐衝撃性保護層を形成した。爪部のポリウレタン用のマスキングを除去した後のエポキシ樹脂表面にはアクリルウレタン系の着色塗料を刷毛塗りによって塗布し、本発明の塗装鋼矢板を製作した。また同様に5L形状の鋼矢板の山1本と谷1本に同様の塗装を施して本発明例4の塗装鋼矢板を製作した。
また、ハット形状の鋼矢板を用いて下地に化成処理あるいは有機ジンクを塗布しないで本発明例3と同様の塗装を行って比較例1の塗装鋼矢板を製造した。比較例2としては同じくハット型鋼矢板の山面にブラスト処理、リン酸系化成処理を施し、次いで鋼矢板の予熱は実施しない状態でエポキシ樹脂を50μm狙いで塗装した。その後爪部を除いた範囲に厚膜ウレタン樹脂塗装を実施した。
比較例3としては従来重防食鋼矢板仕様のクロメートと薄膜ウレタン塗装を下塗りとして1mmの薄膜防食層を組合わせてハット形状の鋼矢板を施した。
更に、比較例4としてU型鋼矢板の山及び谷を1本ずつ用いて従来の重防食被覆鋼矢板を製作した。比較例4ではスチールグリッドを用いたブラスト処理を塗装面に施した後、クロメート処理を施し乾燥させた後、ウレタン系プライマーを50μm狙いでスプレー塗装して硬化させた、爪部にマスキングを行って、本体部分の表面に2液混合スプレー塗装機を用いてポリオールとイソシアネートを主成分とするポリウレタン塗料を混合して吹き付けて防食層を形成した。爪部のマスキングを除去した後、端部にはウレタンゴム系のシール剤を塗布して従来の重防食被覆鋼矢板を製作した。
作成したハット型では左右の鋼矢板のフランジ部分を、U型では山塗装と谷塗装の鋼矢板からぞれぞれ10cm長の長さに切り出した。裏面及び、切断端面をシールした後、爪部をセットで嵌合させた状態のものを試験片とした。腐食促進試験として50℃温度で乾燥3時間と40℃の3%食塩水に浸漬3時間を1サイクルとする海洋干満帯サイクル試験を90日間実施した。試験後、嵌合を外して爪部の腐食状況と爪部方向からの厚膜ウレタン被覆の接着劣化進展距離を測定した。評価結果を表1に示す。表1の結果から明らかな様に、比較例4の従来の重防食被覆鋼矢板では爪部ではプライマー残存が見られず全面腐食が発生した。加えて爪部からの剥離進展距離も大きく、6mm以上のの剥離が見られた。
一方、本発明の塗装鋼矢板ではエポキシ樹脂が50μmと薄い本発明例2と3では幾つか点錆びが見られたが、ブリスターは発生しておらず塗膜は健全であった。また、爪部方向からの厚膜ウレタン樹脂の剥離進展距離も数mm程度に留まった。
比較例1では本発明の下地処理が省略されたものであるが、下地処理が無い場合には塗膜の膨れや錆の発生が早くなることがわかる。また比較例2のようにエポキシ樹脂の強度が十分で無い場合にも錆や塗膜膨れが発生しやすい。
U型鋼矢板を連結した場合の断面図。 ハット型鋼矢板を連結した場合の断面図。 従来のU型重防食被覆鋼矢板で用いられる嵌合部の断面の一例を示す。 従来のハット型重防食被覆鋼矢板の嵌合部の断面の一例を示す 本発明の塗装U型鋼矢板の継ぎ手の被覆構成断面図の一例を示す。 本発明の塗装ハット型鋼矢板の継ぎ手の被覆構成断面図の一例を示す。 本発明の塗装ハット型鋼矢板の継ぎ手の被覆構成断面図の一例を示す。
符号の説明
1 鋼矢板の爪部
2 鋼矢板本体部
3 化成処理又はジンクリッチ下地処理
4 エポキシ樹脂を主成分とする厚膜防食層
5 保護被覆層
6 耐候性着色塗装又はフィルム
7 クロメート化成処理
8 薄膜プライマー処理
9 防食層
10 シール剤

Claims (5)

  1. 鋼矢板において、防食を必要とする側の面及び継ぎ手部の嵌合面が、鋼矢板表面に化成処理層あるいはジンクリッチプライマー層を形成し、その上にエポキシ樹脂層を主成分とする防食塗装層を50〜600μmの厚みで積層すると共に、嵌合面の防食塗装層の表面に、着色したアクリルウレタン、フッ素系樹脂の1種又は2種の耐候性塗膜を0〜00μm形成させたことを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
  2. 前記防食塗装層の平面部における垂直密着力が5MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
  3. 前記化成処理層が、リン酸、シリカ微粒子、マグネシウムまたはカルシウムもしくは、マグネシウムとカルシウムの両方を含有することを特徴とする請求項1記載の継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼矢板において、前記嵌合面を除いた面の防食塗装層の表面に、更に1mm以上のウレタン樹脂、ウレア樹脂、ポリオレフィン樹脂のいずれかによる耐傷防止樹脂層を設けたことを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板。
  5. 鋼矢板の製造方法において、防食を要する側の面及び継ぎ手部の嵌合面にブラスト処理を施し、次いで当該ブラスト処理を施した面に化成処理層あるいはジンクリッチ層を形成し、更にその上にエポキシ樹脂層を主成分とする防食塗装層を50〜600μmの厚みで積層し、次いで嵌合面の防食塗装層の表面に、着色したアクリルウレタン、フッ素系樹脂の1種又は2種の耐候性塗膜を30〜200μm形成することを特徴とする継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板の製造方法。
JP2006150263A 2006-05-30 2006-05-30 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4901305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006150263A JP4901305B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006150263A JP4901305B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007321363A JP2007321363A (ja) 2007-12-13
JP4901305B2 true JP4901305B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=38854420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006150263A Expired - Fee Related JP4901305B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4901305B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6494389B2 (ja) * 2015-04-15 2019-04-03 新日鐵住金株式会社 常温塗装エポキシプライマーを有するポリウレタン樹脂重防食被覆鋼材
JP6336173B2 (ja) * 2017-04-06 2018-06-06 楠本化成株式会社 層間密着性に優れた積層塗膜を与える塗料セット
JP6726332B1 (ja) * 2019-04-17 2020-07-22 株式会社第一基礎 防食被膜を有する鋼製部材、壁体構造物、防食被膜を有する鋼製部材の製造方法および壁体構造物の施工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS615921A (ja) * 1984-06-21 1986-01-11 Nippon Steel Corp 防食被覆鋼矢板およびその製造法
JPH072397B2 (ja) * 1988-10-31 1995-01-18 日本鋼管株式会社 プラスチック被覆鋼矢板の製造方法
JP4317501B2 (ja) * 2004-08-02 2009-08-19 新日本製鐵株式会社 継ぎ手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007321363A (ja) 2007-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11713398B2 (en) Corrosion protecting layer system, corrosion protected bearing component and method for protecting a bearing component against corrosion
JP4901305B2 (ja) 継ぎ手部防食性に優れた塗装鋼矢板及びその製造方法
JP5402337B2 (ja) 防錆塗装方法
JP5373988B1 (ja) 金属材料の重防食塗装構造及び方法
JP2006218699A (ja) 防食被覆構造
CN107216772A (zh) 一种带锈带湿防腐环氧底漆及其制备方法
JP4317501B2 (ja) 継ぎ手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板
JP5933095B1 (ja) 防食塗料組成物、塗膜、船舶及び海洋構造物
JP5640960B2 (ja) 重防食被覆鋼管
JP7135971B2 (ja) 重防食鋼管矢板及びその製造方法
JP2003268578A (ja) 耐候性鋼の防食法
JP4068756B2 (ja) 海洋構造物用重防食被覆鋼矢板
JP4427165B2 (ja) 端部固定構造を有する高強度重防食被覆鋼材
JP4595494B2 (ja) 樹脂被覆重防食鋼材
JP3213936B2 (ja) 重防食被覆鋼矢板及びその製造方法
JP2004332010A (ja) 耐剥離防食性に優れた重防食塗装鋼材
JP3345313B2 (ja) ポリエステル被覆重防食鋼材
JP6439569B2 (ja) 2層プライマーを有するウレタン重防食
JPH11291393A (ja) 高強度ポリウレタン重防食被覆鋼材
JP2001323431A (ja) 重防食ポリウレタン被覆鋼材
JP2008229998A (ja) 重防食被覆鋼材
JP2000192267A (ja) 重防食被覆鋼矢板
JP2006043934A (ja) 重防食被覆鋼材
JP5742259B2 (ja) 海洋・河川環境用被覆鋼材およびその製造方法
JP4299575B2 (ja) 耐剥離防食性に優れた重防食被覆鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4901305

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees