JP4068756B2 - 海洋構造物用重防食被覆鋼矢板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、港湾・河川の桟橋や護岸などの激しい腐食環境のために外面防食が必要とされる海洋構造物用として用いられ、長期の防食性を確保するための重防食被覆鋼矢板に関し、特に、海中部分の電気防食無し、あるいは電気防食との併用においても、より安価で長期の防食性確保が可能な海洋構造物用重防食被覆鋼矢板に関する。
【0002】
【従来の技術】
外面防食が必要とされる鋼矢板において数十年に及ぶ長期耐久性が必要とされる場合、電気絶縁性、耐薬品性等の種々の防食性に優れ、安価な樹脂であるポリオレフィン、あるいはポリウレタンといった樹脂を被覆材として使用した重防食被覆鋼矢板が製造されている。特に、数十年に渡る長期防食性と耐衝撃性を確保するため、厚みとしては数mm程度に積層した被覆が一般的に用いられる。重防食被覆を外面全面に行うことが、防食技術の観点からは好ましいが、施工時の疵等の問題もあり、腐食の激しい干満帯領域を中心とした数mの範囲のみに重防食を実施する場合が多い。
【0003】
このように腐食環境の厳しい部分にのみ重防食被覆を施すことは、経済的観点からは有効であるが、海洋構造物の腐食環境は鋼材の設置される環境(温度、水質、水深、土壌、波等)によって異なるため、防食設計時点との環境変化により、被覆を施していない海中部分が設計以上に腐食が進行する場合がある。このため裸鋼材である海中部の防食には電気防食を併用する方法が用いられるが、一般的な犠牲陽極方式では電極の消耗による交換にメンテナンスコストが必要であるという問題がある。これに対しては特開平4−346683号公報のように、太陽電池を用いた電気方法等も提案されているが、太陽電池装置の安定性や場所の確保、コスト等の問題も多い。また、外部電源方式では電気化学的電位のモニタリングも必要であり、長期の維持管理を完全に行うことが難しいという問題があった。さらに、鋼矢板では嵌合する爪部に防食被覆を行うと、嵌合の妨げとなることから爪部には重防食被覆が行われておらず、爪部が腐食するという問題があった。これに対しては特開昭61−5921号公報のように、粉末ポリオレフィン接着剤を用いて爪部分を被覆する方法が提案されている。しかしながら、単にポリオレフィンの薄手の被覆層を設けるだけでは防食性が十分ではなく、被覆のめくれやブリスターが発生しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、海洋鋼構造物用の鋼矢板において、従来の重防食被覆の問題であった嵌合部の防食方法と、海中部の防食コストと耐疵性に対して、嵌合部と海中部にも重防食被覆に準ずる高い防食性を持った被覆を全面に施すことにより、従来の海中部まで重防食被覆を行った場合の問題であった初期投資コストを抑制し、また、電気防食併用時の犠牲陽極の消耗が殆ど無いことから、特殊な電気防食法やモニタリングも不要で、長期の防食を低コストで実現することができるものである。
【0005】
本発明者らは、上記の問題を解決する手段として、従来の重防食被覆に加えて嵌合部と腐食の比較的穏やかな海中部においては、重防食被覆に準ずる高耐久性の薄膜被覆を行うことで防食を行うとともに、また、従来行われなかった全面被覆と電気防食との併用を可能とすることで、より信頼性の高い防食システムを提供するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
すなわち、本発明の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板は以下のとおりである。
(1)下地処理を行った後、海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域では嵌合部を除いて1mm以上、嵌合部と海中領域においては0.3〜1.0mmの厚みを持つ塗装又は有機樹脂被覆を施すことで、施工後に腐食される全外面を被覆した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域の有機樹脂の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じ樹脂であり、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴としている。
(2)下地処理を行った後、嵌合部を除いて海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域ではプライマー層、ウレタン樹脂防食層を嵌合部を除いて1mm以上、嵌合部及び海中領域部分ではプライマー層、ウレタン樹脂防食層を0.3〜1.0mmの膜厚となるように全面を塗装した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域のプライマー層、ウレタン樹脂防食層の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じ樹脂で、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴としている。
(3)下地処理を行った後、嵌合部を除いて海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域ではプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤、ポリオレフィン層を順に1mm以上、嵌合部及び海中領域部分ではプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤層を防食層として0.3〜1.0mmの膜厚となるように全面を被覆した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域のプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤、ポリオレフィン層の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じポリオレフィンであり、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は図1の施工断面図に示すが如く、海洋に使用する鋼矢板1の片面又は両面において嵌合部を除いた海上大気部から最低海水面下−1m以上までの腐食領域に対しては、従来の1mm以上の膜厚を有する重防食被覆部分2と、嵌合部及び海中部での腐食領域に対しては厚み0.3〜1.0mmの膜厚を有する防食被覆部分3を有する海洋構造物用重防食被覆鋼矢板である。
【0008】
ここで用いる重防食被覆は、下地処理を行った鋼矢板に従来の防食性とコストに優れるポリオレフィン、ポリウレタンを被覆したものであるが、本発明の骨子である腐食環境に適した重防食皮膜厚みを海洋深度方向に付与できるものであれば、防食性に優れた樹脂であれば何でも良い。また、従来と同様の1mm以上の重防食被覆を行う被覆深度としては、裸鋼材では深度−2m程度までは集中腐食が発生することがあるため、海面下から−2m以上の深さ方向まで被覆することが望ましい。また、上部被覆範囲に関しては、大気中では電気防食の効果がないことから、コンクリート等の上部被覆構造物と重なる部分まで被覆することが望ましい。また、フランジ〜爪の横方向への被覆範囲として、山ではフランジの爪部の直前、谷では爪のフランジからの最初の平面部で、嵌合時に被覆が重なる直前まで被覆を行うことが好ましい。
【0009】
一方、嵌合部及び海中領域での0.3〜1.0mm厚みの薄膜被覆とは、特に従来防食被覆と同じ樹脂を用いると、下地処理、プライマー処理等の共通化が可能なために生産効率が良く、かつ、厚みが異なる部分の境界での異樹脂の接着の問題も無いため、安定した品質を有する被覆を形成することが出来る。下地処理が無い場合はブリスターが発生しやすいため、本発明では被覆が外面に露出される部分には必ず下地処理を行う。一方、被覆の厚みとしては0.3〜1.0mmの厚みを確保する。嵌合部の被覆範囲としては、嵌合の余裕から外面に露出する可能性がある山被覆の爪の内部と谷被覆の爪外部との併せ面まで、前記の膜厚を確保する。製造時にピンホールが生じない被覆厚みとしては覆厚みは0.3mm以上が必要である。また、海中部の被覆厚みは経済的観点、また嵌合部は嵌合作業の妨げにならない厚みとして1mm以下とすると良い。さらに、嵌合部と海中部分に被覆を施すことで剥離の起点が消失し、従来の海上大気部から最低海水面下−1m以上までの厚膜被覆部分の信頼性も向上する。
【0010】
嵌合部の薄膜塗装を行う範囲としては代表例を谷の場合を図2、山の場合を図3に断面図で示す。また、海中部を全て薄膜塗装で行う領域の谷の場合の断面図を図4、山の場合の断面図を図5に示す。1mm以上の厚膜の被覆端部から薄膜の被覆先端部までの塗装距離が短いと、厚膜部も品質が低下しやすいことから、嵌合部における0.3〜1.0mm薄膜被覆は厚膜端部から3cm以上の被覆距離を確保することが望ましい。また、被覆の深さ方向の先端部は腐食及び剥離の起点とならないように、先端の土中になる部分まで塗装することが望ましい。
【0011】
防食を施す鋼矢板の鋼材種類は何でも良いが、下地処理が不十分だとブリスター発生の原因となるため、被覆範囲全面に十分な下地処理を行う。処理は、汚れ、酸化被膜を十分除去する方法であれば良い。具体的には、十分時間をかけた脱脂・酸洗処理や、ブラスト処理を行う。さらに、必要に応じてクロメート処理等の化成処理を行い、有機樹脂との密着性や耐水剥離性を向上させる。この後、有機樹脂と顔料を混合したプライマー層を30〜500μmの範囲で塗装する。嵌合部を除いた海上大気部から最低海水面下−1m以上まで領域近傍は1mm以上の全膜厚を形成する防食被覆を行い、嵌合部と海中領域部分は0.3〜1.0mmの範囲で被覆を行う。たとえば、ポリオレフィン被覆の場合は加熱した鋼材に変性ポリオレフィン接着剤の粉体を静電塗装して0.3〜1mmの厚みの層を、嵌合部を含めた片面全面に塗装して溶融させて皮膜を形成した後に、厚膜のポリオレフィン防食被覆層シートを貼り合わせる。一方、ポリウレタンの場合はプライマーを全面に塗装した後、嵌合部と海中部分厚みを薄膜に調整しながら、直接ポリウレタン防食被覆層を塗装する。本発明の代表的なポリオレフィン防食被覆鋼材の被覆構成の一例を断面図6、ポリウレタン防食被覆の場合の一例を断面図7に示す。
【0012】
【実施例】
<実施例1>
FSP−VL型の長さ10mの鋼矢板を2本用いて、それぞれ山又は谷の表面に下地処理としてグリッドブラスト処理を施し、スケール等を除去した後、クロム酸シリカ系のクロメート処理剤を塗布、乾燥して下地処理を行った。この後、シリカ顔料を含むエポキシ樹脂系プライマーを30〜70μmの膜厚になるようにスプレー塗装した。次いで、鋼矢板を200℃に加熱し、変性ポリエチレン接着剤層を粉砕して粉体化したものを静電スプレー塗装して、溶融後に400μmの厚みを有するように塗装した。粉体接着剤が半溶融した時点で、2.1mm厚みで長さ3mのポリエチレンシートを押さえロールを用いて被覆し、本発明の実施例である山又は谷に重防食被覆を行った鋼矢板を作成した。
【0013】
<比較例1〜2>
実施例1と同様の方法で山および谷の鋼矢板の長さ方向の一部に、ブラスト処理、クロメート処理、プラマー処理を行い、粉体変性ポリエチレン接着剤の溶融層(厚み:0.4mm)を介して3m長のポリエチレンシート(厚み:2.1mm)の被覆を行った。ポリエチレンシートの3m長前後で塗布された粉体ポリエチレン接着剤は全て除去し、下地処理のプライマーのみ前後20cmの範囲で残るようにし、比較例1の重防食被覆鋼矢板を作成した。また、山又は谷の全面に同様の方法で2.5mmの厚膜の被覆を行った重防食被覆の比較例2を作成した。
【0014】
<実施例2〜6>
FSP−VL型の長さ10mの鋼矢板を2本用いて、それぞれ山又は谷の表面にグリッドブラスト処理を施し、スケール等を除去した後、液状のウレタン系プライマーを30〜70μmの膜厚範囲となるようにスプレ−塗装した。この後、2液硬化タイプのポリウレタン樹脂を混合して吹き付け塗装し、その全面に0.3〜1mmの厚みの被覆を形成した。さらに爪部を除いた鋼矢板の一部に約3mの範囲で塗り重ねを行い、1〜4mmの厚みのポリウレタン被覆を塗装した。これにより嵌合部と海中部用の薄膜塗装と、海上大気部から最低海水面下−1m以上まで領域用の1mm以上の厚膜塗装を行い、本発明の実施例2〜6の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板を製造した。
【0015】
<比較例3〜6>
実施例2〜6と同様の方法で鋼矢板の山又は谷の表面にブラスト処理を行った後、プラマー処理を行い、片面全面に0〜2mmまでのポリウレタン被覆し、海上大気部から最低海水面下−1m以上まで予定領域の長さ3.0mの部分の嵌合部を除いた表面に塗り重ねを行い、0.3〜2.5mmの厚みのポリウレタン被覆を塗装し、比較例3〜6の防食被覆鋼矢板を製造した。
【0016】
<比較例7>
実施例2〜6と同様の方法で鋼矢板の山又は谷の表面で嵌合部と施工後に水中領域が予想される部分を除いてブラスト処理、プラマー処理を行い、片面全面に0.5mmのポリウレタンを被覆した。海上大気部から最低海水面下−1m以上まで予定領域の長さ3.0mの部分には、嵌合部を除いて塗り重ねを行い、2.5mmの厚みのポリウレタン被覆を塗装し、比較例7の下地処理を行わない薄膜塗装を持つ防食被覆鋼矢板を製造した。
【0017】
<比較例8>
実施例2〜6と同様の方法で被覆長方向の一部にブラスト処理を行った後、プラマー処理を行い、嵌合部を除いて2.5mmの厚みのポリウレタン被覆を3m長に塗装した。嵌合部と海中部にはケレン処理後にタールエポキシ塗料を200μm狙いで塗装し、比較例8の重防食被覆鋼矢板を製造した。
【0018】
上記の実施例および比較例の鋼矢板は被覆後、海上部分となる後端部の0.5mは仮設固定台との固定用に被覆を除去した。この後、山、谷それぞれの鋼矢板の先端から4.5mの位置に5.0kgの犠牲アルミニウム合金陽極を取り付け、被覆がある場合は先端から5mの位置に施工疵を想定した10×50mmの被覆除去部分を長さ方向と垂直に設けた。同種の被覆材で山谷が嵌合するように、水深約6mの護岸に2.5m深さで仮説し、上部0.5mをコンクリートで覆い、海洋暴露試験を実施した。5年暴露後に取り外し、表面外観、水中疵部、同種の鋼矢板の嵌合部の観察と犠牲陽極の消耗量を調査した。犠牲陽極は同種の被覆の山と谷を併せた重量で評価した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1の結果から明らかなように、従来公知の比較例1のポリエチレンおよび比較例2のポリウレタンの厚膜被覆は、海上大気部から最低海水面下−1m以上まで付近に行った場合、その部分の防食性能は極めて優れる。しかしながら、比較例1のように電気防食を施さない場合は海中の鋼材露出部では腐食が発生する。嵌合部に被覆を施さない比較例2及び3では電気防食の有無に関わらず、海上大気部から最低海水面下−1m以上までの部分では赤錆が発生し、比較例3のように主被覆部分の品質も低下する場合がある。また、比較例3のように電気防食を行った場合は、陽極の損耗量が大きい。
【0021】
これに対して、本発明の実施例では海中部の大部分が防食被覆で覆われているために、陽極があまり溶解せず、長期防食の安定性や点検・補修・交換等のコストを大きく引き下げることが可能である。同様に比較例2のように全面に1mm以上の厚みの被覆を行った場合も、海中部の防食や陽極の溶解防止には非常に有効であるが、初期の被覆コストが問題となる。さらに、実施例との比較からも明らかなように海中部では0.3mm以上の被覆膜厚であると防食性に優れる。一方で、海中部に何も塗装しない状態と比較すると、比較例4〜6のような膜厚が0.3mmに満たない薄膜塗装や、下地処理無しの被覆が行ってある比較例7、現場塗装用のタールエポキシ塗装を行った比較例8でも、電気防食に使用する陽極の消耗を防止する効果は数年は大きいものと考えられる。しかし、いずれも被覆に激しくブリスターが発生しているため、時間とともに被覆剥離が生じ、長期に優れた効果は期待できない。特に比較例8のタールエポキシを現地で塗装する場合も塗装コストも大きい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板は実施例からも明らかな様に、鋼矢板の表面に下地処理を行った後、その嵌合部を除いた海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域では主として1mm以上、嵌合部及び海中領域においては0.3〜1.0mmの厚みを持つ塗装又は有機樹脂被覆を施すことで、腐食される全外面に被覆を行う。この結果、腐食の少ない海中部と嵌合部では0.3mm以上の膜厚があれば、従来の重防食被覆と同様の防食性を保持する事ができる。それと共に、施工疵を想定して犠牲陽極との併用を行う場合にも、疵周辺部分の被覆剥離が小さく、また電気防食を効率的に行うことができるため、長期の防食の信頼性と経済性に優れる安価な製品を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板の施工後の断面図の一例を示す。
【図2】本発明の海上大気部から最低海水面下−1m以上まで近傍で使用される厚膜と、嵌合部の薄膜の防食被覆を谷側に施した鋼矢板の断面図の一例を示す。
【図3】本発明の海上大気部から最低海水面下−1m以上まで近傍で使用される厚膜と、嵌合部の薄膜の防食被覆を山側に施した鋼矢板の断面図の一例を示す。
【図4】本発明の海中部で使用される薄膜の防食被覆を谷側に施した鋼矢板の断面図の一例を示す。
【図5】本発明の海中部で使用される薄膜の防食被覆を山側に施した鋼矢板の断面図の一例を示す。
【図6】本発明の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板でポリオレフィン被覆を用いた場合の被覆構成断面図の一例を示す。
【図7】本発明の海洋構造物用重防食被覆鋼矢板でポリウレタン被覆を用いた場合の被覆構成断面図の一例を示す。
【符号の説明】
1 鋼矢板
2 1mm以上の厚みを持つ塗装又は有機樹脂被覆
3 0.3〜1.0mmの厚みを持つ塗装又は有機樹脂被覆
4 海面
5 海底
6 上部構造物
7 鋼材下地処理
8 ポリオレフィン被覆用プライマー層
9 0.3〜1.0mmの厚みの変性ポリオレフィン接着剤層
10 1.0mm以上の厚みのポリオレフィン防食層
11 ウレタン被覆用プライマー層
12 0.3〜1.0mmの厚みのポリウレタン防食層
13 1.0mm以上の厚みのポリウレタン防食層
Claims (3)
- 下地処理を行った後、海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域では嵌合部を除いて1mm以上、嵌合部と海中領域においては0.3〜1.0mmの厚みを持つ塗装又は有機樹脂被覆を施すことで、施工後に腐食される全外面を被覆した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域の有機樹脂の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じ樹脂であり、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴とする海洋構造物用重防食被覆鋼矢板。
- 下地処理を行った後、嵌合部を除いて海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域ではプライマー層、ウレタン樹脂防食層を嵌合部を除いて1mm以上、嵌合部及び海中領域部分ではプライマー層、ウレタン樹脂防食層を0.3〜1.0mmの膜厚となるように全面を塗装した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域のプライマー層、ウレタン樹脂防食層の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じ樹脂で、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴とする海洋構造物用重防食被覆鋼矢板。
- 下地処理を行った後、嵌合部を除いて海上大気部から最低海水面下−1m以上までの領域ではプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤、ポリオレフィン層を順に1mm以上、嵌合部及び海中領域部分ではプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤層を防食層として0.3〜1.0mmの膜厚となるように全面を被覆した海洋構造物用鋼矢板であって、前者領域のプライマー層、変性ポリオレフィン接着剤、ポリオレフィン層の厚みが後者領域のものよりも厚く、且つ、両者が同じポリオレフィンであり、後者領域の被覆は前者領域の被覆端部から3cm以上の被覆距離としたことを特徴とする海洋構造物用重防食被覆鋼矢板。
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