JP2023043574A - 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物 - Google Patents

防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023043574A
JP2023043574A JP2021151274A JP2021151274A JP2023043574A JP 2023043574 A JP2023043574 A JP 2023043574A JP 2021151274 A JP2021151274 A JP 2021151274A JP 2021151274 A JP2021151274 A JP 2021151274A JP 2023043574 A JP2023043574 A JP 2023043574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion
resin
layer
coating structure
resistant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021151274A
Other languages
English (en)
Inventor
尚男 北川
Hisao Kitagawa
賢一 内田
Kenichi Uchida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2021151274A priority Critical patent/JP2023043574A/ja
Publication of JP2023043574A publication Critical patent/JP2023043574A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】耐食性金属層が設けられた防食被覆領域と、耐食性金属層が設けられていない防食被覆領域との境界部において、防食被覆に損傷が生じることが抑制された防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物を提供する。【解決手段】金属基材80の表面に形成された樹脂防食層12と、樹脂防食層12の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔14と、金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層18と、を有してなる。【選択図】図1

Description

本発明は、金属基材の表面を被覆する防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物に関する。
鋼材は安価でありながら機械的特性に優れており、多くの分野で用いられているが、腐食しやすいという弱点を抱えている。鋼材を効果的に防食する防食法としては、重防食塗装、耐食性金属ライニングや電気防食等がある。海洋鋼構造物は、部位によって腐食環境の厳しさが異なっており、最も厳しい腐食環境である飛沫帯および干満帯に対しては耐食性金属ライニングを施し、それよりも上方の部位には重防食塗装を施し、海中部に対しては電気防食を施すことがある。
この場合、重防食塗装と耐食性金属ライニングとの境目となる境界部が生じることになるが、この境界部において、重防食塗装および耐食性金属ライニングの剥離が生じる可能性がある。
前記境界部における重防食塗装および耐食性金属ライニングの剥離を防止する技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1によれば、特許文献1に記載の発明(防食被覆構造)は、耐食性金属薄板と防食性に優れたジンクリッチ塗膜の境界部上にプライマー塗膜層を設けることにより、桟橋、護岸、消波堤等の港湾構造物、石油掘削関連施設、シーバース、洋上備蓄基地等の海洋エネルギー開発関連構造物、沈埋トンネル、海上空港等の交通施設などの厳しい腐蝕環境下に晒される港湾・海洋鋼構造物に、長期に亘って高い防食性を付与することができ、特に、プライマー塗膜として特定の塗膜層を採用することにより、ジンクリッチ塗膜層、耐食性金属層及びエポキシ樹脂被覆層のいずれにも優れた付着性を確保することが可能となる、と記載されている。
そして、特許文献1においては、被防食金属面への耐食性金属薄板の固定方法として、溶接、爆発接合、接着剤による接合が挙げられている。
しかしながら、耐食性金属薄板の固定方法として溶接を用いる場合、溶接接合部およびその周辺が高温になるため、溶接接合部およびその周辺に亜鉛が存在していると亜鉛脆化割れが発生するおそれがある。このため、亜鉛含有塗料を用いる場合、溶接接合部およびその周辺から離して塗装する必要がある。また、溶接を用いて固定を行う場合、溶接に用いる電源や機器が必要となる。
また、耐食性金属薄板の固定方法として爆発接合を用いる場合、特殊な機器が必要であり、爆発接合を現地で行うことは困難である。
また、耐食性金属薄板の固定方法として接着剤を用いる場合、接着剤は衝撃に弱いため、衝撃が加わると耐食性金属薄板が剥離するおそれがある。また、耐食性金属薄板の接着に用いる接着剤と鋼材との間に気泡やしわが入ることがあり、ここから水分が浸透して鋼材の腐食の原因になるおそれがある。
特開2006-218699号公報
さらに、本発明者は、特許文献1に記載の発明(防食被覆構造)では、高温と低温の繰り返しを長期間受けると、ジンクリッチ塗膜層と耐食性金属薄板との熱膨張係数の差により、ジンクリッチ塗膜層と耐食性金属薄板との境界部で、プライマー塗膜層とエポキシ樹脂被覆層に割れ、膨れや剥離等の損傷が生じるおそれがあると考えた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、耐食性金属層が設けられた防食被覆領域と、耐食性金属層が設けられていない防食被覆領域との境界部において、防食被覆に損傷が生じることが抑制された防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物を提供することを課題とする。
本発明は前記課題を解決する発明であり、以下のような防食被覆構造および海洋構造物である。
即ち、本発明に係る防食被覆構造の一態様は、金属基材の表面に形成された樹脂防食層と、前記樹脂防食層の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔と、前記金属基材の前記表面と直交する方向から見たときの、前記耐食性金属箔と前記樹脂防食層との境界部に、前記耐食性金属箔と前記樹脂防食層との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層と、を有してなることを特徴とする防食被覆構造である。
前記耐食性金属箔は、前記樹脂防食層の表面に粘着剤層によって取り付けられているようにしてもよい。
本願において、粘着剤とは、固化せず、貼った直後から物と物を付着させることができ、かつ、貼り付けた後でも圧力を加えると変形する性質を持ったものを意味し、一方、接着剤とは、使用前は液体で貼り付けた後に固体になる性質を持ったものを意味する。
前記耐食性金属箔と前記樹脂含浸繊維層との間には、プライマー層が設けられているように構成してもよい。
前記プライマー層は、アクリル系、エポキシ系、およびウレタン系のプライマーのうちのいずれかで形成されているようにしてもよい。
前記金属基材の前記表面と前記樹脂防食層との間には、亜鉛含有塗装層またはエポキシプライマー層のうちの少なくとも一方が設けられているように構成してもよい。
前記耐食性金属箔は、純チタン、チタン合金、ニッケル基合金またはステンレス鋼のうちのいずれかで形成されていてもよい。
前記粘着剤層は、ゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、およびシリコーン樹脂系の粘着剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着剤よりなるようにしてもよい。
前記樹脂含浸繊維層は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、およびポリエステル繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維を含むようにしてもよい。
前記樹脂含浸繊維層は、溶液乾燥型、湿気硬化型、硬化剤混合型、およびUV硬化型の樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むようにしてもよい。
前記樹脂含浸繊維層は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびシリコン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むようにしてもよい。
前記樹脂防食層は、アクリル樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコン変性エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、および超厚膜形エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の塗料よりなるようにしてもよい。
色合わせのための耐候性層を、最外層としてさらに設けてもよい。
本願において、本発明に係る防食被覆構造の「最外層」とは、当該防食被覆構造が防食する金属基材の表面と直交する方向から見て視認できる層のことである。
前記耐候性層は、フッ素樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、およびシリコン変性エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の耐候性塗料よりなるようにしてもよい。
本発明に係る海洋構造物の一態様は、前記いずれかに記載の防食被覆構造を備えることを特徴とする海洋構造物である。
前記海洋構造物であって、飛沫帯または干満帯に位置する部位を有し、前記防食被覆構造の前記耐食性金属箔の少なくとも一部は、前記飛沫帯または前記干満帯に位置する部位に設けられている、ように構成してもよい。
本願において、干満帯とは、潮汐で海中への没水と大気露出が繰り返される範囲を意味し、飛沫帯とは、直接海水に浸されることはないが、波のしぶきを浴びる部位で海洋生物が生息可能な部位を意味する。
前記海洋構造物であって、干満帯または干満帯よりも上方に位置する角部を有し、前記防食被覆構造の前記耐食性金属箔の少なくとも一部は、前記角部を覆うように設けられている、ように構成してもよい。
本発明によれば、耐食性金属層が設けられた防食被覆領域と、耐食性金属層が設けられていない防食被覆領域との境界部において、防食被覆に損傷が生じることが抑制された防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10を模式的に示す断面図 本発明の第2実施形態に係る防食被覆構造20を模式的に示す断面図 本発明の第3実施形態に係る防食被覆構造30を模式的に示す断面図 本発明の第4実施形態に係る防食被覆構造40を模式的に示す断面図 港湾の船揚場における構造物の一例である海洋構造物50を模式的に示す側面図 鋼構造物の上部構造の水平鋼部材の一例のH形鋼60を模式的に示す断面図 鋼構造物の上部構造の主桁200の端部を拡大して模式的に示す側面図 実施例1の防食被覆構造10Aを模式的に示す断面図 実施例1の試験片を上方から見た模式的な平面図 実施例2の防食被覆構造10Bを模式的に示す断面図 実施例3の防食被覆構造10Cを模式的に示す断面図 実施例4の防食被覆構造20Aを模式的に示す断面図 実施例5の防食被覆構造30Aを模式的に示す断面図 実施例6の防食被覆構造40Aを模式的に示す断面図 比較例1の防食被覆構造300を模式的に示す断面図
以下、図面を参照して、本発明に係る防食被覆構造の実施形態(第1~4実施形態)を詳細に説明する。それら実施形態の説明において、金属基材80を防食対象にして説明をするが、防食対象にした金属基材80は特には限定されない。防食対象とする金属基材80は、具体的には例えば、炭素鋼の他、低合金鋼、ステンレス、亜鉛めっき鋼材、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼材、溶射や肉盛をした鋼材、アルミニウム等を挙げることができる。
また、本発明に係る防食被覆構造の実施形態の説明の際、当該防食被覆構造の構成要素の配置位置に関し、「上」または「下」という語を使って位置関係を述べることがあるが、「上」は防食対象の金属基材80の表面から遠い側の位置、「下」は防食対象の金属基材80の表面に近い側の位置を意味するものとする。
(1)第1実施形態
(1-1)構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10を模式的に示す断面図である。
本第1実施形態に係る防食被覆構造10は、図1に示すように、防食対象の金属基材80の表面に設けられており、金属基材80を防食する防食被覆構造である。
本第1実施形態に係る防食被覆構造10は、金属基材80の表面に形成された樹脂防食層12と、樹脂防食層12の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔14と、耐食性金属箔14を樹脂防食層12に取り付ける粘着剤層16と、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層18と、を有してなる。
樹脂防食層12は、腐食因子(水、酸素)と腐食促進因子(塩化物イオンなど)が浸透することを抑制する役割を有する層であり、具体的には例えば、アクリル樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコン変性エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、および超厚膜形エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の塗料を用いて形成することができる。
樹脂防食層12の厚さは、腐食因子(水、酸素)および腐食促進因子(塩化物イオンなど)が浸透することを抑制する観点、および清浄化処理によって生じた金属基材80の表面の凹凸を埋める観点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。一方、樹脂防食層12の厚さを厚くすると、乾燥しにくくなることや、剥離しやすくなることがあるため、樹脂防食層12の厚さは、5000μm以下にすることが好ましく、3000μm以下にすることがより好ましい。したがって、樹脂防食層12の厚さは、10μm以上5000μm以下にすることが好ましく、20μm以上3000μm以下にすることがより好ましい。
後述するように、樹脂防食層12の上に、耐食性金属箔14を粘着剤層16によって取り付けるところ、その取り付けの際に粘着剤層16の下方(粘着剤層16と樹脂防食層12との間)に気泡やしわが生じることも考えられるが、樹脂防食層12を金属基材80の表面に設けることにより、腐食因子(水、酸素)や腐食促進因子(塩化物イオンなど)が金属基材80の表面に直接接触することが防止され、たとえ粘着剤層16の下方(粘着剤層16と樹脂防食層12との間)に気泡やしわが生じても、金属基材80が腐食することは抑制される。
樹脂防食層12を形成する方法は特には限定されず、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなどの一般的に用いられている手段で行なうことができる。ただし、樹脂防食層12を、金属基材80の表面に塗布する前に、金属基材80の表面を清浄化処理することが好ましい。金属基材80の表面の清浄化処理は、金属基材80の表面の汚れや酸化皮膜を除去することで、金属基材80の表面への樹脂防食層12の付着力を向上させることを目的とする。また、金属基材80の表面に凹凸を設けることにより、アンカー効果により金属基材80の表面への樹脂防食層12の付着力を向上させることも目的とする。金属基材80の表面の清浄化処理は、具体的には例えば、スチールグリッド、スチールショット、珪砂、ガーネット、銅がらみ等を研掃材とするブラスト処理、電動工具や手動工具等によるケレン処理、ウォーターブラスト処理、研磨紙による研磨等によって行うことができる。
耐食性金属箔14は、粘着剤層16によって樹脂防食層12の上に貼り付けられており、腐食因子(水、酸素)および腐食促進因子(塩化物イオンなど)が浸透することを断つとともに、紫外線が樹脂防食層12の樹脂に当たらないようにする役割を有する。
耐食性金属箔14は、本第1実施形態に係る防食被覆構造10の防食対象の金属基材80の部位のうち、特に腐食が進みやすい環境の部位(湿潤状態になりやすい部位や飛来塩分が付着・蓄積しやすい部位)、および部材の角部(エッジ部)のように適切な塗膜厚を確保することが困難で塗装による防食効果を発揮させにくい部位への適用を想定しており、耐食性金属箔14としては、例えば、純チタン、チタン合金、ニッケル基合金またはステンレス鋼等を使用することができ、具体的な鋼種としては、ステンレス鋼の場合は、例えばSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS329J3L SUS312L、SUS836L、SUS329J4Lを挙げることができ、ニッケル基合金の場合は、例えばUNS N06625、UNS N10276、UNS N06022を挙げることができ、チタンの場合は、例えばJIS 1種、2種を挙げることができる。なお、海洋構造物の飛沫帯または干満帯に耐食性金属箔14を位置させて使用する場合において、耐食性金属箔14にステンレス鋼を用いる場合は、孔食指数が35以上のステンレス鋼を用いるのがよい。
耐食性金属箔14の厚さは、腐食因子(水、酸素)および腐食促進因子(塩化物イオンなど)が浸透することを確実に断つ観点、ならびに破れにくくする観点から、10μm以上にすることが好ましく、20μm以上にすることがより好ましい。一方、スプリングバックを防止し、部材の角部(エッジ部)へのつきまわり性をよくする観点から、耐食性金属箔14の厚さは、200μm以下にすることが好ましく、120μm以下にすることがより好ましい。したがって、耐食性金属箔14の厚さは、10μm以上200μm以下にすることが好ましく、20μm以上120μm以下にすることがより好ましい。
粘着剤層16は、樹脂防食層12と耐食性金属箔14との間に位置して、耐食性金属箔14を樹脂防食層12に取り付ける役割を有し、具体的には例えば、ゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、およびシリコーン樹脂系の粘着剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着剤を用いて形成することができる。
前述したように、本願において、粘着剤とは、固化せず、貼った直後から物と物を付着させることができ、かつ、貼り付けた後でも圧力を加えると変形する性質を持ったものを意味し、貯蔵弾性率が、0℃~80℃の範囲で8×103~3×106Paの範囲にあるものをいい、好ましくは0℃~80℃の範囲で1×104~9×105Paの範囲にあるものをいう。一方、接着剤とは、使用前は液体で貼り付けた後に固体になる性質を持ったものを意味する。
粘着剤層16の厚さは、耐食性金属箔14同士をラップさせても、隙間が生じないようにする観点(ラップさせて生じた耐食性金属箔14同士の間の段差を粘着剤層16で埋めるようにする観点)および樹脂防食層12の表面の凹凸を吸収する観点から、標準的には0.05mm以上であり、好ましくは0.1mm以上である。一方、粘着剤層16の厚さが厚くなりすぎると、重ねた場合の自身の厚さによる段差が大きくなりすぎて未付着部ができるおそれがあるので、粘着剤層16の厚さは、標準的には2.0mm以下であり、好ましくは1.0mm以下である。したがって、粘着剤層16の厚さは、標準的には0.05mm以上2.0mm以下であり、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下である。なお、ここで記した粘着剤層16の厚さは、その上に耐食性金属箔14等が設けられた状態における粘着剤層16の物理的厚さである。
樹脂含浸繊維層18は、繊維に樹脂を含浸させた層である。樹脂含浸繊維層18は、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設ける。樹脂含浸繊維層18が、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部を、金属基材80の反対側から拘束することにより、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部において樹脂防食層12に割れ、膨れや剥離等の損傷が発生することを抑制する。また、耐食性金属箔14を粘着剤層16によって樹脂防食層12の上に貼り付けると、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との間から粘着剤層16がはみ出すことがあり、はみ出した粘着剤層16にごみや砂が付着し、外観が悪くなるおそれがあるが、樹脂含浸繊維層18を金属基材80の反対側から耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に設けることで、はみ出した粘着剤層16を樹脂含浸繊維層18が覆うことになり、はみ出した粘着剤層16にごみや砂が付着し、外観が悪くなるという問題を解消させることもできる。
樹脂含浸繊維層18を設ける領域は、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部を、金属基材80の反対側から効果的に拘束する観点から、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界70から、耐食性金属箔14側およびそれとは反対側に、それぞれ30mm以上にするのが標準的であり、50mm以上とすることが好ましい。一方、樹脂含浸繊維層18を設ける領域は、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界70から、必要以上に幅をとってもコストが嵩むので、樹脂含浸繊維層18を設ける領域は、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界70から、耐食性金属箔14側およびそれとは反対側に、それぞれ150mm以下にするのが標準的であり、100mm以下とすることが好ましい。したがって、樹脂含浸繊維層18を設ける領域は、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界70から、耐食性金属箔14側およびそれとは反対側に、それぞれ30mm以上150mm以下にするのが標準的であり、50mm以上100mm以下とすることが好ましい。図1に即して言えば、境界70からの樹脂含浸繊維層18の耐食性金属箔14側への幅18Xおよび耐食性金属箔14とは反対側への幅18Yは、それぞれ30mm以上150mm以下にするのが標準的であり、50mm以上100mm以下とすることが好ましい。
樹脂含浸繊維層18の厚さは、樹脂防食層12に割れ、膨れや剥離等の損傷が発生することを抑制する観点から、標準的には0.2mm以上であり、好ましくは0.5mm以上である。一方、樹脂含浸繊維層18の厚さが厚くなると、樹脂含浸繊維層18を設けた部位が外観から目立つようになり、また、コストも嵩むことになるので、樹脂含浸繊維層18の厚さは、標準的には5.0mm以下であり、好ましくは2.5mm以下である。したがって、樹脂含浸繊維層18の厚さは、標準的には0.2mm以上5.0mm以下であり、好ましくは0.5mm以上2.5mm以下である。
樹脂含浸繊維層18の繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、およびポリエステル繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維を用いることができる。また、標準的には、繊維はクロスに織ってシート状にしたものを用いるが、一方向に引き並べられた連続繊維を用いることも可能である。一方向に引き並べられた連続繊維を用いる場合は、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部を効果的に拘束する観点から、連続繊維の長手方向が、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界70と、所定以上の角度(例えば45度以上)で交差するように配置するのがよく、略直交するように配置することが好ましい。
また、樹脂含浸繊維層18として、短繊維を樹脂中に分散させた層を用いることもできる。
樹脂含浸繊維層18において繊維に含浸させる樹脂としては、溶液乾燥型、湿気硬化型、硬化剤混合型、およびUV硬化型の樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を用いることができる。
また、樹脂含浸繊維層18において繊維に含浸させる樹脂としては、具体的には例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびシリコン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を用いることができる。
(1-2)形成方法
本第1実施形態に係る防食被覆構造10を形成する方法は、具体的には例えば、次のステップS1~S4の手順で形成することができる。
(ステップS1)金属基材80の表面を清浄化処理する。金属基材80の表面の清浄化処理は、具体的には例えば、スチールグリッド、スチールショット、珪砂、ガーネット、銅がらみ等を研掃材とするブラスト処理、電動工具や手動工具等によるケレン処理、ウォーターブラスト処理、研磨紙による研磨等によって行うことができる。
(ステップS2)清浄化処理を終えた金属基材80の表面に樹脂防食層12を塗布する。
(ステップS3)樹脂防食層12を十分に乾燥させた後、樹脂防食層12の上に粘着剤層16を用いて耐食性金属箔14を取り付ける。
(ステップS4)金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように樹脂含浸繊維層18を設ける。
なお、ステップS1は必須の工程ではないが、防食被覆構造10の金属基材80への付着力を向上させる観点から、ステップS1も行うことが好ましい。
また、ステップS3においては、予め耐食性金属箔14に粘着剤層16を取り付けてテープ状にしておき、樹脂防食層12の上に粘着剤層16を取り付けると同時に耐食性金属箔14を取り付けるようにしてもよく、このようにした方が、施工性の観点から好ましい。また、このようにする場合には、耐食性金属箔14に粘着剤層16を予め取り付けてテープ状にするとともに、この粘着剤層16に予め離型紙を貼り付けておくのがよい。そして、この離型紙を剥がして樹脂防食層12の上に、粘着剤層16を貼り付けて耐食性金属箔14を取り付けるようにすることで、さらに施工性を向上させることができる。
(2)第2実施形態
図2は、本発明の第2実施形態に係る防食被覆構造20を模式的に示す断面図である。
本第2実施形態に係る防食被覆構造20は、図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10において、樹脂含浸繊維層18の下方(樹脂含浸繊維層18と、樹脂防食層12および耐食性金属箔14との間)に、プライマー層22を設けた実施形態であり、他の点は第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様であるので、第1実施形態に係る防食被覆構造10の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付して説明は原則として省略する。
本第2実施形態に係る防食被覆構造20は、第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様に防食対象の金属基材80の表面に設けられており、金属基材80を防食する防食被覆構造である。
本第2実施形態に係る防食被覆構造20は、金属基材80の表面に形成された樹脂防食層12と、樹脂防食層12の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔14と、耐食性金属箔14を樹脂防食層12に取り付ける粘着剤層16と、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層18と、樹脂含浸繊維層18の下方(樹脂含浸繊維層18と、樹脂防食層12および耐食性金属箔14との間)に設けられたプライマー層22と、を有してなる。
プライマー層22は、樹脂含浸繊維層18と、樹脂防食層12および耐食性金属箔14との接着力を向上させる機能を有しており、樹脂含浸繊維層18の下方(樹脂含浸繊維層18と、樹脂防食層12および耐食性金属箔14との間)にプライマー層22を設けることにより、樹脂含浸繊維層18が、耐食性金属箔14および樹脂防食層12から剥離しにくくなるとともに、樹脂含浸繊維層18が、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部を拘束する効果がさらに向上する。したがって、プライマー層22を設けることにより、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部において樹脂防食層12に割れ、膨れや剥離等の損傷が発生することをさらに強力に抑制することができるようになる。
プライマー層22は、具体的には例えば、アクリル系、エポキシ系、およびウレタン系のプライマーのうちのいずれかを用いて形成することができる。
また、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼のように、表面に不動態被膜をつくる耐食性金属を耐食性金属箔14に用いる場合には、耐食性金属箔14と樹脂含浸繊維層18との接着力が小さくなるおそれがあるので、この場合は、樹脂含浸繊維層18と耐食性金属箔14との間にプライマー層22を設けることの効果が特に大きくなる。したがって、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼のように、表面に不動態被膜をつくる耐食性金属を耐食性金属箔14に用いる場合には、少なくとも耐食性金属箔14と樹脂含浸繊維層18との間にはプライマー層22を設け、樹脂防食層12と樹脂含浸繊維層18との間にはプライマー層22を設けないという考え方も取り得る。
(3)第3実施形態
図3は、本発明の第3実施形態に係る防食被覆構造30を模式的に示す断面図である。
本第3実施形態に係る防食被覆構造30は、図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10において、樹脂防食層12の下方(樹脂防食層12と金属基材80との間)に、亜鉛含有塗装層32を設けた実施形態であり、他の点は第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様であるので、第1実施形態に係る防食被覆構造10の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付して説明は原則として省略する。
本第3実施形態に係る防食被覆構造30は、第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様に防食対象の金属基材80の表面に設けられており、金属基材80を防食する防食被覆構造である。
本第3実施形態に係る防食被覆構造30は、金属基材80の表面に形成された亜鉛含有塗装層32と、亜鉛含有塗装層32上に形成された樹脂防食層12と、樹脂防食層12の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔14と、耐食性金属箔14を樹脂防食層12に取り付ける粘着剤層16と、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層18と、を有してなる。
亜鉛含有塗装層32は金属基材80の表面に形成されていて、含有する亜鉛が犠牲陽極として機能する。したがって、亜鉛含有塗装層32を備える本第3実施形態に係る防食被覆構造30は、亜鉛含有塗装層32を備えない第1実施形態に係る防食被覆構造10よりも、さらに防食性能が向上している。
亜鉛含有塗装層32は、具体的には例えば、無機ジンクリッチペイントまたは有機ジンクリッチペイントを用いて形成することができる。
なお、ステンレス鋼は亜鉛含有塗料中に含まれる亜鉛と接触した状態で溶接をすると亜鉛脆化割れを起こすおそれがあるが、本第3実施形態に係る防食被覆構造30では、耐食性金属箔14を粘着剤層16で樹脂防食層12の表面に取り付けており溶接は用いていないので、耐食性金属箔14にステンレス鋼を用いた場合でも、耐食性金属箔14の下方の樹脂防食層12の下にも亜鉛含有塗装層32を問題なく用いることができる。
また、本第3実施形態に係る防食被覆構造30では、金属基材80の表面に亜鉛含有塗装層32を設け、その上に樹脂防食層12を設けて、第1実施形態に係る防食被覆構造10よりも防食性能を向上させたが、防食性能の向上よりも接着性能の向上を図る場合には、亜鉛含有塗装層32を設けることに替えて、接着性能の向上に寄与するプライマー層(例えばエポキシプライマー層)を設けるようにすればよい。
また、第2実施形態に係る防食被覆構造20および後述する第4実施形態に係る防食被覆構造40においても、金属基材80の表面に、亜鉛含有塗装層32または接着性能の向上に寄与するプライマー層を設け、その上に樹脂防食層12を設けるようにしてもよい。
(4)第4実施形態
図4は、本発明の第4実施形態に係る防食被覆構造40を模式的に示す断面図である。
本第4実施形態に係る防食被覆構造40は、図4に示すように、本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10において、最外層に耐候性層42をさらに設けた実施形態であり、他の点は第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様であるので、第1実施形態に係る防食被覆構造10の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付して説明は原則として省略する。
本第4実施形態に係る防食被覆構造40は、第1実施形態に係る防食被覆構造10と同様に防食対象の金属基材80の表面に設けられており、金属基材80を防食する防食被覆構造である。
本第4実施形態に係る防食被覆構造40は、金属基材80の表面に形成された樹脂防食層12と、樹脂防食層12の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔14と、耐食性金属箔14を樹脂防食層12に取り付ける粘着剤層16と、防食対象の金属基材80の表面と直交する方向から見たときの、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層18と、最外層として設けられた耐候性層42と、を有してなる。
耐候性層42は、金属基材80の表面から最も離れた位置に位置する最外層で、金属基材80の表面と直交する方向から見て視認できる層であり、色合わせのために設ける層である。耐候性層42を設ける場合は、具体的には例えば、金属基材80の表面に第1実施形態に係る防食被覆構造10を設けると、設けていない箇所との色相が異なって景観上問題となる場合等であるが、耐食性金属箔の上には耐候性層を設けないことが多く、本第4実施形態に係る防食被覆構造40でも耐食性金属箔14の上には耐候性層42を設けていない。
耐候性層42は、色合わせのために設ける層であるが、金属基材80の表面から最も離れた位置に位置する最外層であり、紫外線や風雨にさらされるため、耐候性が要求される。耐候性層42は、具体的には例えば、フッ素樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、およびシリコン変性エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の耐候性塗料を用いて形成することができる。
なお、第2、第3実施形態に係る防食被覆構造20、30において、耐候性層42を最外層としてさらに設けてもよい。
(5)海洋構造物への具体的な適用例
本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10を海洋構造物へ具体的に適用した例について説明するが、本発明の第2、第3、第4実施形態に係る防食被覆構造20、30、40についても同様に適用可能である。また、ここで示す具体例は本発明を適用可能な例を示しているだけであり、本発明の適用対象がここで示す具体例に限定されるわけではない。
(5-1)海洋構造物の飛沫帯または干満帯への適用
図5は、港湾の船揚場における構造物の一例である海洋構造物50を模式的に示す側面図である。
海洋構造物50は、海底地盤100に打設された複数の鋼管杭52と、鋼管杭52に固定されて支持された上部鋼構造部54と、上部鋼構造部54の上方に設けられた荷揚げ設備56と、を有して構成されている。また、海洋構造物50は、海底地盤100から近い順に、海水中50Aの領域、干満帯50Bの領域、飛沫帯50Cの領域、海上大気中50Dの領域に分かれている。上部鋼構造部54の下部54Aは飛沫帯50Cの領域にあり、上部鋼構造部54の上部54Bは海上大気中50Dの領域にある。
本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10の耐食性金属箔14は、干満帯50Bおよび飛沫帯50Cの領域に設け、海上大気中50Dの領域にある、上部鋼構造部54の上部54Bおよび荷揚げ設備56には、樹脂防食層12のみを設ける。そして、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように樹脂含浸繊維層18を設ける。なお、図5では、防食被覆構造10およびその構成要素の図示は省略している。
なお、鋼管杭52の海水中50Aの領域については、電気防食58を行う。
(5-2)鋼構造物の上部構造の水平鋼部材への適用
図6は、鋼構造物の上部構造の水平鋼部材の一例のH形鋼60を模式的に示す断面図である。
H形鋼60に付着した雨水や塩分は、H形鋼60の表面を伝ってH形鋼60の下部60Aに集まる。このため、H形鋼60の下部60AはH形鋼60の上部60Bよりも腐食しやすい環境にある。
したがって、本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10をH形鋼60に適用するにあたっては、防食被覆構造10の樹脂防食層12はH形鋼60の表面全面に設けるが、防食被覆構造10の耐食性金属箔14は、粘着剤層16を用いてH形鋼60の下部60Aのみに設けるのがよい。そして、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように樹脂含浸繊維層18を設ける。
(5-3)鋼構造物の上部構造の主桁端部への適用
図7は、鋼構造物の上部構造の主桁200の端部を拡大して模式的に示す側面図である。図7に示すように、橋脚202の天端上に支承204が設けられ、支承204の上に主桁200が設けられ、主桁200の上に床版206が設けられている。橋軸方向に隣り合う床版206同士の間には伸縮装置208が設けられている。
前述したように、部材の角部(エッジ部)へ塗装しても、適切な塗膜厚を確保することは困難であり、塗装による防食効果を発揮させにくく、例えば、角部(エッジ部)が多い主桁200の端部は、塗装では防食効果を発揮させにくい。
また、部材の角部(エッジ部)へ塗装しても、適切な塗膜厚を確保することは困難であり、塗装による防食効果を発揮させにくいことから、腐食しやすい環境(例えば、干満帯または干満帯よりも上方の領域)に位置する部材の角部(エッジ部)に、効果的な防食被覆を如何に施すかということは重要な問題である。
一方、耐食性金属箔14は、角部(エッジ部)へ取り付けても、厚さは変わらず、一定の厚さを確保しやすく、防食効果を安定的に発揮させやすい。
したがって、鋼構造物の上部構造の主桁200に本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10を適用する場合には、角部(エッジ部)が多い部位である、主桁200の端部に対しては、図7に示すように、防食被覆構造10の耐食性金属箔14を設けて防食を行うことが好ましい。したがって、主桁200に防食被覆構造10を設ける場合、主桁200の表面全面に樹脂防食層12を設けた後、図7に示すように、主桁200の端部の表面全面を、角部(エッジ部)を含めて覆うように粘着剤層16を用いて耐食性金属箔14を取り付け、そして、耐食性金属箔14と樹脂防食層12の境界部に、耐食性金属箔14と樹脂防食層12との両方にまたがるように樹脂含浸繊維層18を設けるのがよい。なお、粘着剤層16は耐食性金属箔14の内面(主桁200に近い側の面)に付着し、外部から視認できないため、側面図である図7においては描かれていない。
以下、実施例および比較例を挙げてさらに本発明について説明するが、先に説明した第1~第4実施形態に係る防食被覆構造10、20、30、40の各構成要素と対応する各実施例の各構成要素については、理解しやすくする観点から、先に説明した第1~第4実施形態に係る防食被覆構造10、20、30、40の各構成要素に付した番号にアルファベットを付した符号を原則として用いて説明する。また、実施例および比較例の説明の際、当該防食被覆構造の構成要素の配置位置に関し、「上」または「下」という語を使って位置関係を述べることがあるが、「上」は防食対象の炭素鋼(SS400)80Aの表面から遠い側の位置、「下」は防食対象の金属基材80の表面に近い側の位置を意味するものとする。
[1]本発明の第1実施形態に係る防食被覆構造10を対応する実施例(実施例1~3)
(実施例1)
図8は、実施例1の防食被覆構造10Aを模式的に示す断面図であり、図9は、実施例1の試験片を上方から見た模式的な平面図である。具体的には次のようにして、本実施例1の試験片を作成した。
長さ150mm×幅75mm×厚さ6mmの炭素鋼(SS400)80Aの片方の表面の全面にスチールグリッドでブラスト処理を行い、ISO Sa2.5とした後、関西ペイント株式会社製エポマリンSHBグレーを厚さ200μmとなるようにスプレー塗装して、24時間乾燥させて、樹脂防食層12Aを形成した。試験片の片方の表面の全面に形成した樹脂防食層12Aの左側半分(図9参照)に、厚さ400μmのブチルゴム粘着剤層16Aを用いて厚さ100μmの耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aを貼り付けた。耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aと樹脂防食層12Aとの境界部に、ガラス繊維にウレタン系樹脂を含浸させた樹脂含浸テープ(株式会社スリーボンド製4550D)18Aを貼り付け、24時間大気中に放置して硬化させた。貼り付けた樹脂含浸テープ18Aの大きさは長さ100mm×幅50mm程度であり、図9に示すように、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aと樹脂防食層12Aとの境界で2等分されるように貼り付けた。貼り付けた樹脂含浸テープ18Aの硬化後の厚さは約0.5mm程度であった。
作製した試験片に対して腐食促進試験を行った。具体的には、作製した試験片を、JIS K 5600 サイクル腐食試験方法 サイクルD(塩水噴霧 → 湿潤(95±3)%RH → 熱風乾燥 → 温風乾燥)の28サイクル(168時間)および56サイクル(336時間)に供した。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片については、異常は見られなかったが、56サイクル(336時間)の試験後の試験片については、樹脂含浸テープ18Aの端部に2.3mmの剥離が観察された。
(実施例2)
図10は、実施例2の防食被覆構造10Bを模式的に示す断面図である。
本実施例2は、実施例1の防食被覆構造10Aの耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aを、厚さ100μmの純チタン(JIS1種)箔14Bに置き換えた実施例であり、他の構成要素は実施例1と同様である。また、作製した試験片に対して、実施例1と同様に腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片については、異常は見られなかったが、56サイクル(336時間)の試験後の試験片については、樹脂含浸テープ18Aの端部に2.6mmの剥離が観察された。
(実施例3)
図11は、実施例3の防食被覆構造10Cを模式的に示す断面図である。
本実施例3は、実施例1の防食被覆構造10Aの、「ガラス繊維にウレタン系樹脂を含浸させた樹脂含浸テープ(株式会社スリーボンド製4550D)18A」を、「ガラス繊維にポリエステル樹脂を含浸させた樹脂含浸テープ(阿南電機株式会社製ウルトラパッチ)18B」に置き換えた実施例であり、他の構成は実施例1と同様である。ただし、「ガラス繊維にポリエステル樹脂を含浸させた樹脂含浸テープ(阿南電機株式会社製ウルトラパッチ)18B」で用いているポリエステル樹脂は紫外線硬化型の樹脂であるため、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aと樹脂防食層12Aとの境界部に、樹脂含浸テープ18Bを貼り付けた後、太陽光を1.5時間当てて樹脂含浸テープ18Bの樹脂を硬化させた。そして、作製した試験片に対して、実施例1と同様に腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片については、異常は見られなかったが、56サイクル(336時間)の試験後の試験片については、樹脂含浸テープ18Bのガラス繊維のうちの数本が剥離していることが観察された。
[2]本発明の第2実施形態に係る防食被覆構造20を対応する実施例(実施例4)
図12は、実施例4の防食被覆構造20Aを模式的に示す断面図である。
本実施例4は、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aの上に、関西ペイント株式会社製エポマリンGXを40μm塗布して、エポキシ樹脂プライマー層22Aを形成させ、樹脂含浸テープ18Aと、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aとの間に、エポキシ樹脂プライマー層22Aを設けた実施例であり、他の構成は実施例1と同様である。また、作製した試験片に対して、実施例1と同様に腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片のどちらにおいても、異常は見られなかった。
[3]本発明の第3実施形態に係る防食被覆構造30を対応する実施例(実施例5)
図13は、実施例5の防食被覆構造30Aを模式的に示す断面図である。
本実施例5は、長さ150mm×幅75mm×厚さ6mmの炭素鋼(SS400)80Aの片方の表面の全面にスチールグリッドでブラスト処理を行い、ISO Sa2.5とした後、亜鉛含有塗料である関西ペイント株式会社製SDジンク500を75μm塗布して24時間乾燥させて亜鉛含有塗装層32Aを形成し、形成した亜鉛含有塗装層32Aの上に樹脂防食層12Aを形成させた実施例であり、他の構成は実施例1と同様である。また、作製した試験片に対して、実施例1と同様に腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片のどちらにおいても、異常は見られなかった。
[4]本発明の第4実施形態に係る防食被覆構造40を対応する実施例(実施例6)
図14は、実施例6の防食被覆構造40Aを模式的に示す断面図である。
本実施例6は、実施例1の防食被覆構造10Aの樹脂含浸テープ18Aの上に、ポリウレタン塗料(関西ペイント株式会社製レタンE中塗(30μm)とレタン6000(上塗35μm))を塗装し、最外層として、ポリウレタン耐候性層42Aを設けた実施例であり、他の構成は実施例1と同様である。また、作製した試験片に対して、実施例1と同様に腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片および56サイクル(336時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、28サイクル(168時間)の試験後の試験片については、異常は見られなかったが、56サイクル(336時間)の試験後の試験片については、樹脂含浸テープ18Aの端部に1.1mmの剥離が観察された。
[5]樹脂含浸繊維層を設けていない比較例(比較例1)
図15は、比較例1の防食被覆構造300を模式的に示す断面図である。
本比較例1は、実施例6の防食被覆構造40Aにおいて、樹脂含浸テープ18Aを設けていない比較例であり、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aと樹脂防食層12Aとの境界部に、樹脂含浸テープ18Aを貼り付けることなく、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aの上に、ポリウレタン塗料(関西ペイント株式会社製レタン中塗E(30μm)とレタン6000(上塗35μm))を塗装し、最外層として、ポリウレタン耐候性層42Aを設けた比較例であり、他の構成は実施例6と同様である。また、作製した試験片に対して、実施例1と同様の試験条件で28サイクル(168時間)の腐食促進試験を行った。
28サイクル(168時間)の試験後の試験片を水洗して外観検査を行ったところ、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aと樹脂防食層12Aとの境界部の上方のポリウレタン耐候性層42Aに膨れが観察された。
[6]実施例1~6および比較例1の腐食促進試験結果のまとめ
実施例1~6および比較例1の腐食促進試験結果を次の基準で評価した。その評価結果を次の表1に示す。
◎:防食被覆構造に損傷なし
〇:防食被覆構造にわずかな損傷のみ生じた
×:防食被覆構造に損傷が生じた
Figure 2023043574000002
表1に示すように、耐食性金属箔と樹脂防食層との境界部に、耐食性金属箔と樹脂防食層との両方にまたがるように樹脂含浸繊維層を設けた実施例1~6では、いずれにおいても28サイクルの腐食促進試験において防食被覆構造に損傷が生じていないが、樹脂含浸繊維層を設けていない比較例1では、28サイクルの腐食促進試験により防食被覆構造に損傷(膨れ)が生じた。
また、実施例1~3、6は、28サイクルの腐食促進試験においては防食被覆構造に損傷が生じていないものの、56サイクルの腐食促進試験により、防食被覆構造にわずかな損傷が生じた。
実施例4(樹脂含浸テープ18Aと、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aとの間に、エポキシ樹脂プライマー層22Aを設けた実施例)においては、56サイクルの腐食促進試験においても、防食被覆構造20Aに損傷が生じなかった。樹脂含浸テープ18Aと、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aとの間にエポキシ樹脂プライマー層22Aを設けることにより、樹脂含浸テープ18Aが、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aから剥離しにくくなるとともに、樹脂含浸テープ18Aが、耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔14Aおよび樹脂防食層12Aとの境界部を拘束する効果がさらに向上したためと考えられる。
また、実施例5(炭素鋼(SS400)80Aの表面に亜鉛含有塗装層32Aを設け、その亜鉛含有塗装層32Aの上に樹脂防食層12Aを形成させた実施例)においても、56サイクルの腐食促進試験において、防食被覆構造30Aに損傷が生じなかった。
10、10A、10B、10C、20、20A、30、30A、40、40A、300…防食被覆構造
12、12A…樹脂防食層
14…耐食性金属箔
14A…耐海水性ステンレス鋼(SUS312L)箔
14B…純チタン(JIS1種)箔
16…粘着剤層
16A…ブチルゴム粘着剤層
18…樹脂含浸繊維層
18A…樹脂含浸テープ(株式会社スリーボンド製4550D)
18B…樹脂含浸テープ(阿南電機株式会社製ウルトラパッチ)
18X、18Y…幅
22…プライマー層
22A…エポキシ樹脂プライマー層
32、32A…亜鉛含有塗装層
42…耐候性層
42A…ポリウレタン耐候性層
50…海洋構造物
50A…海水中
50B…干満帯
50C…飛沫帯
50D…海上大気中
52…鋼管杭
54…上部鋼構造部
54A…下部
54B…上部
56…荷揚げ設備
58…電気防食
60…H形鋼
60A…下部
60B…上部
70…境界
80…金属基材
80A…炭素鋼(SS400)
100…海底地盤
200…主桁
202…橋脚
204…支承
206…床版
208…伸縮装置

Claims (16)

  1. 金属基材の表面に形成された樹脂防食層と、
    前記樹脂防食層の表面の一部に取り付けられた耐食性金属箔と、
    前記金属基材の前記表面と直交する方向から見たときの、前記耐食性金属箔と前記樹脂防食層との境界部に、前記耐食性金属箔と前記樹脂防食層との両方にまたがるように設けられた樹脂含浸繊維層と、
    を有してなることを特徴とする防食被覆構造。
  2. 前記耐食性金属箔は、前記樹脂防食層の表面に粘着剤層によって取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防食被覆構造。
  3. 前記耐食性金属箔と前記樹脂含浸繊維層との間には、プライマー層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の防食被覆構造。
  4. 前記プライマー層は、アクリル系、エポキシ系、およびウレタン系のプライマーのうちのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の防食被覆構造。
  5. 前記金属基材の前記表面と前記樹脂防食層との間には、亜鉛含有塗装層またはエポキシプライマー層のうちの少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の防食被覆構造。
  6. 前記耐食性金属箔は、純チタン、チタン合金、ニッケル基合金またはステンレス鋼のうちのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の防食被覆構造。
  7. 前記粘着剤層は、ゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、およびシリコーン樹脂系の粘着剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着剤よりなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の防食被覆構造。
  8. 前記樹脂含浸繊維層は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、およびポリエステル繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の防食被覆構造。
  9. 前記樹脂含浸繊維層は、溶液乾燥型、湿気硬化型、硬化剤混合型、およびUV硬化型の樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の防食被覆構造。
  10. 前記樹脂含浸繊維層は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびシリコン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の防食被覆構造。
  11. 前記樹脂防食層は、アクリル樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコン変性エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、および超厚膜形エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の塗料よりなることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の防食被覆構造。
  12. 色合わせのための耐候性層を、最外層としてさらに設けたことを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の防食被覆構造。
  13. 前記耐候性層は、フッ素樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン変性アクリル樹脂塗料、およびシリコン変性エポキシ樹脂塗料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の耐候性塗料よりなることを特徴とする請求項12に記載の防食被覆構造。
  14. 請求項1~13のいずれかに記載の防食被覆構造を備えることを特徴とする海洋構造物。
  15. 請求項14に記載の海洋構造物であって、
    飛沫帯または干満帯に位置する部位を有し、
    前記防食被覆構造の前記耐食性金属箔の少なくとも一部は、前記飛沫帯または前記干満帯に位置する部位に設けられていることを特徴とする海洋構造物。
  16. 請求項14に記載の海洋構造物であって、
    干満帯または干満帯よりも上方に位置する角部を有し、
    前記防食被覆構造の前記耐食性金属箔の少なくとも一部は、前記角部を覆うように設けられていることを特徴とする海洋構造物。
JP2021151274A 2021-09-16 2021-09-16 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物 Pending JP2023043574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021151274A JP2023043574A (ja) 2021-09-16 2021-09-16 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021151274A JP2023043574A (ja) 2021-09-16 2021-09-16 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023043574A true JP2023043574A (ja) 2023-03-29

Family

ID=85725114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021151274A Pending JP2023043574A (ja) 2021-09-16 2021-09-16 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023043574A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN204098030U (zh) 用于海洋环境的混凝土桩结构
CN103600941A (zh) 立式储罐底部边缘板包覆防腐方法
JP2023043574A (ja) 防食被覆構造および該防食被覆構造を備えた海洋構造物
JP5361077B2 (ja) 防食方法
JP4614511B2 (ja) 高耐食性金属被覆鋼管の製造方法
JP6631105B2 (ja) 防護層を有する鋼製部材及び基礎構造物
JP2003096715A (ja) 河川内コンクリート橋脚の補強方法
JP4068756B2 (ja) 海洋構造物用重防食被覆鋼矢板
JP4823126B2 (ja) 継手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板の構造体及びその構造体に使用する鋼矢板
JPH01131731A (ja) 防食被覆鋼矢板
Munger et al. Marine coatings
JP2023166891A (ja) 防食被覆構造および鋼部材
JP3345313B2 (ja) ポリエステル被覆重防食鋼材
JP2001081583A (ja) 耐食性金属薄板貼付による防食構造および防食方法
KR100809532B1 (ko) 빙해역 운항 선박의 침수부위 보호방법
JP2004353405A (ja) 長期耐久性に優れた鋼矢板防食構造体
JP7083453B2 (ja) 鋼材補修方法
JPS5948529A (ja) 被防食構造物の被覆防食方法
JP7231387B2 (ja) 添接板の防食構造
US20200338862A1 (en) System and method for preventing or arresting corrosion on infrastructures with an impervious barrier
JP3165263U (ja) 鋼材の防食構造
Mandeno Thermal metal spray: Successes, failures and lessons learned
Klinge Altered specifications for the protection of Norwegian steel bridges and offshore structures against corrosion
JP2000303188A (ja) 海洋構造物用重防食被覆鋼材
JP4658879B2 (ja) 鋼構造物等の防食構造およびそれに用いる防食シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240208