JP4900631B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線基板やIC封止材等の電気電子材料に適用するアミノトリアジン変性ノボラック樹脂配合エポキシ樹脂組成物として作業性を改良した組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板やIC封止材等の電気電子材料にエポキシ樹脂がその硬化剤等とともに多く適用されているが、非ハロゲンで難燃性を有ししかも必要な機械的特性、電気的特性、熱的特性を保持したエポキシ樹脂組成物として、本研究者らはアミノトリアジン環構造とフェノール構造とがメチレン基を介しランダムに結合したアミノトリアジン変性ノボラック樹脂を硬化剤成分に含むエポキシ樹脂組成物を提案してきた。
【0003】
硬化剤成分としてアミノトリアジン変性ノボラック樹脂配合が配合されたエポキシ樹脂組成物では、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂中のアミノ基や水酸基がエポキシ樹脂中のエポキシ基として反応する。その際、フェノール性水酸基が、アミノ基よりも優先的にエポキシ基と反応し、エポキシ樹脂硬化物を形成する。そのため、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のフェノール性水酸基のモル数(a)と該エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基のモル数(b)が特開平11−21419の推奨のように〔(a)/(b)=0.9〜1.4〕、一般的には、〔(a)/(b)≒1.0〕となるように配合していた。しかるに、適用状況によってはアミノトリアジン変性ノボラック樹脂配合エポキシ樹脂組成物の硬化速度が速いため、貯蔵安定性が悪く、前記のアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)とを配合した後のポットライフが短かかったり、或いは、前記のアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)を含む組成物を用いて作成したプリプレグの貯蔵安定性が悪い(ゲルタイムが変動して管理しにくい)等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂を配合したエポキシ樹脂組成物で、貯蔵安定性に優れ、かつ、成形時の硬化性やその硬化物の物性を低下させることのない処方の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の要求を克服するため、鋭意検討の結果、アミノトリアジン環構造とフェノール構造とがメチレン基を介しランダムに結合したアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)等のフェノール樹脂とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分とするエポキシ樹脂組成物において、フェノール性水酸基とエポキシ樹脂中のエポキシ基を特定の比率で配合することで、その組成物の成形時の硬化性や硬化物の物性を低下させることなく、その硬化速度を容易に制御することを見出し本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、▲1▼アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分とし、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)の配合割合が、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のフェノール性水酸基のモル数(a)と該エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基のモル数(b)が〔(a)/(b)=0.30〜0.80〕となるように配合した組成物であることを特徴としたエポキシ樹脂組成物、▲2▼アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)及びその他のノボラック樹脂(C)とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分とし、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のフェノール性水酸基のモル数(a)と該ノボラック樹脂(C)中のフェノール性水酸基のモル数(c)との総和{(a)+(c)}と該エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基のモル数(b)が〔{(a)+(c)}/(b)=0.30〜0.80〕となるように配合した組成物であることを特徴としたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられるアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とは、アミノトリアジン環構造とフェノール構造とがメチレン基を介しランダムに結合したアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)を表わし、特に限定されないが,たとえば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のアミノトリアジン化合物類とフェノール、ビスフェノールA、クレゾール、ブチルフェノール、フェニルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドとをアルキルアミン類等の弱アルカリ性触媒の存在下または無触媒において中性付近で共縮合反応させるか、メチルエーテル化メラミン等のアミノトリアジン化合物のアルキルエーテル化物とフェノール類とを反応させる等により得られるアミノトリアジン構造とフェノール構造とそれらを結合するメチレン基とを1分子中に有し、メチロール基を実質的に有していないノボラック樹脂が挙げられる。アミノトリアジン構造のみがメチレン結合した分子やフェノール構造のみがメチレン結合した分子や若干量の未反応モノマーが特に意図せず含有されていてもさしつかえない。
【0008】
上記のアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)におけるフェノール構造としては、フェノール残基、クレゾール残基、ビスフェノールA残基、ブチルフェノール残基、フェニルフェノール残基、ナフトール残基、レゾルシン残基の群から選ばれる構造が好ましい。ここで、上記の残基とは、芳香環の炭素に結合している水素原子が少なくとも1個抜けた構造を有するものを意味する。例えば、フェノールの場合は、ヒドロキシフェニル基を意味する。
【0009】
上記のアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)におけるトリアジン骨格としては、特に限定されないが、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のアミノトリアジン化合物類の構造を持つことが好ましい。
【0010】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(B)としては、特に限定されないが、硬化後の架橋密度が高くなり、強固な硬化物を得ることができる点から、1分子内にエポキシ構造を複数個、有する化合物、及び、1分子内にエポキシ構造を複数個含有する化合物を含む混合物で分子内にエポキシ構造を有する化合物の1分子あたりのエポキシ基が平均1.3個以上になるものの群から選ばれる単独または2種以上の混合物が好ましく、1分子内のエポキシ基数は2個以上であることがとくに好ましい。
【0011】
また、上記のエポキシ樹脂(B)をその構造から例示すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂類、ビスフェノールF型エポキシ樹脂類、ビフェニル型エポキシ樹脂類、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂類、フェノールノボラック型エポキシ樹脂類、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂類、アルコールエーテル型エポキシ樹脂類、テトラブロムビスフェノールA等をベースとした含ハロゲン難燃型エポキシ樹脂類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド誘導体等をベースとする含リンエポキシ化合物類、ナフタレン型エポキシ樹脂類、ジシクロペンタジエン誘導体を構造に含むエポキシ樹脂類、グリシジルアミン類、エポキシ化大豆油等の油脂類のエポキシ化物等を挙げることができる。
【0012】
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂類、ビスフェノールF型エポキシ樹脂類、ビフェニル型エポキシ樹脂類、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂類、フェノールノボラック型エポキシ樹脂類、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂類が、硬化物の物性が優れている点で好ましい。
【0013】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(B)としては、一般に樹脂とは呼ばれないエポキシ化合物をも含む
【0014】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その他のノボラック樹脂(C)を含有していても良い。
【0015】
本発明に用いる、その他のノボラック樹脂(C)とは、フェノール構造がメチレン基を介し結合したノボラック樹脂(C)を表わし、特に限定されないが、例えば、フェノールの他、クレゾール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール等の各種異性体に代表されるのアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS等のビスフェノール類、フェニルフェノール、ナフトール、レゾルシン、カテコールおよびその他のフェノール性水酸基を有する化合物の群から選ばれた単独または2種以上のフェノール構造をもったモノマーとホルムアルデヒドとを反応させて得られる実質的にメチロール基を持たないノボラック樹脂が挙げられる。中でも、フェノール、クレゾール、またはビスフェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得られるノボラック樹脂が好ましい。また、必要に応じてゴム、キシレン樹脂等を変性剤として同時に反応させた変性ノボラック樹脂をも含んで意味する。
【0016】
上記のその他のノボラック樹脂(C)中のフェノール構造としては、フェノール残基、クレゾール残基、ビスフェノールA残基、ブチルフェノール残基、フェニルフェノール残基、ナフトール残基、レゾルシン残基の群から選ばれる構造が好ましい。ここで、上記の残基とは、芳香環の炭素に結合している水素原子が少なくとも1個抜けた構造を有するものを意味する。例えば、フェノールの場合は、ヒドロキシフェニル基を意味する。
【0017】
上記のその他のノボラック樹脂(C)を例示すると、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのなかでも、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂類が、得られる硬化物の物性に優れることから好ましい。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物のノボラック樹脂に含まれるフェノール性水酸基とエポキシ樹脂に含まれるエポキシ基のモル比(当量比)について説明する。
【0019】
まず、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分としたエポキシ樹脂組成物の場合について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物の場合、エポキシ樹脂組成物の上記のノボラック樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の配合割合は、配合時のポットライフやプリプレグの硬化速度を制御しやすい点から、上記ノボラック樹脂(A)中のフェノール性水酸基のモル数(a)と該エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基ののモル数(b)とすると、(a)/(b)が0.80以下となるような割合で配合することが必要である。前記(a)/(b)が0.80を超えると、強固な硬化物が得られるものの、エポキシ樹脂と上記のノボラック樹脂(A)との配合物のポットライフが短くなり、またプリプレグの貯蔵安定性が悪くなったり、硬化速度も早くなりすぎて、作業性に難点が生ずる。また、硬化物が強固に硬化する点から、前記(a)/(b)が0.30以上となるような割合で配合することが必要である。前記(a)/(b)が0.30未満の場合は、硬化が不十分で、強固な硬化物を得るこしができない。したがって、(a)/(b)=0.30〜0.80が好ましい。また、更に、得られた硬化物の耐熱性まで加味すると、従来のように(a)/(b)=0.9〜1.4となるような割合で配合して硬化させて得られた硬化物に比較して、(a)/(b)が0.50〜0.75となる割合で配合して得られた硬化物は、硬化物のガラス転移温度は同等以上となり、特に好ましい。
【0020】
次いで、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)及びその他のノボラック樹脂(C)とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分とした場合でも、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)に含まれるフェノール性水酸基のモル数(a)とノボラック樹脂(C)に含まれるフェノール性水酸基のモル数(c)の総和である全フェノール性水酸基のモル数{(a)+(c)}と該エポキシ樹脂(B)に含まれるエポキシ基ののモル数(b)が〔{(a)+(c)}/(b)=0.30〜0.80〕となるように配合することが上記と同様に必要である。この場合も、〔{(a)+(c)}/(b)=0.50〜0.75〕である範囲で配合することが特に好ましい。
【0021】
本発明の組成物で用いられるアミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とその他のノボラック樹脂(C)との配合割合は、特に限定されないが、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とその他のノボラック樹脂(C)の合計100重量部当たり、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)が10重量部から90重量部が好ましく、20〜80重量部が特に好ましい。
【0022】
以上のように、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる全フェノール性水酸基とエポキシ樹脂(B)中のエポキシ基のモル比が、従来のように1.0付近では、硬化速度が速くなるために配合物のライフが短いとかプリプレグとした場合の貯蔵安定性が悪い等の作業性上の問題があったものを、本発明のように当該モル比(当量比)を0.3〜0.8の範囲から選ぶことによって、成形時の硬化性や硬化物の物性、特に硬化物のガラス転移温度等を損なうことなく、配合時のポットライフやプリプレグの貯蔵安定性を調整することができる。
【0023】
次いで、トリアジン変性ノボラック樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応について説明する。本発明に用いるトリアジン変性ノボラック樹脂(A)は、エポキシ基と反応する官能基として、フェノール性水酸基とアミノ基を含有している。その反応機構から、トリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のエポキシ基と反応する官能基のうち、フェノール性水酸基が優先的にエポキシ基と反応するが、更に、トリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のアミノ基もエポキシ基と反応することができる。そのため、水酸基がエポキシ基に対して不足してもアミノ基がこれを補うため、水酸基とエポキシ基の反応に係る当量関係が上記の〔(a)/(b)=0.9〜1.4(水酸基モル数)/(エポキシ基モル数)〕から外れていても、硬化時の架橋密度を上げることができる。また、物性的には強固な硬化物となる一方で、アミノ基が硬化に係わる反応速度はフェノール性水酸基のそれより遅いので系全体の硬化速度は当量比をさげてフェノール性水酸基量が少なくなるほど遅くなって行く。そのため、配合された樹脂が強固に硬化するにもかかわらず、上記のアミノ基とエポキシ基の反応が遅いため、配合物のポットライフや積層板に応用した際のプリプレグの貯蔵安定性が良好となる。
【0024】
水酸基とエポキシ基のモル比(当量比)の最適値はトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のアミノ基含有量と硬化速度の要求水準によって変わるため、特に限定されないが、アミノ基含有量大であるほど当量比の低いところに物性的な最適値がある。そのため、硬化速度は上記のモル比(当量比)が低いほど遅くすることができるので、作業性にあわせて、0.30〜0.80モル比(当量比)の範囲から選択できる。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物には必須成分であるトリアジン変性ノボラック樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)、またはトリアジン変性ノボラック樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及びノボラック樹脂(C)の組み合わせの他に、その他の成分を配合しても何ら差し支えない。例えば、ジアザビシクロウンデセン類、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等のリン化合物等に代表される硬化促進剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等に代表される溶剤類、ゴム類、アクリル樹脂類、石油樹脂等に代表される変性剤、シリカ、タルク、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボン、アラミド等の粉末に代表される充填剤、各種ハロゲン化物、リン化合物、水酸化アルミニウム等に代表される難燃剤をはじめとして、離型剤、顔料、染料、カップリング剤、等を必要に応じて適宜配合できる。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物の加工方法や適用分野は全く限定されないが、必要に応じて上記の他成分を配合して、各種の成形方法により熱硬化させて、塗料、フィルム、成形物、プリプレグ、含浸成形物等に加工することができ、たとえば、プリント配線基板、IC封止材等の電気電子用途の構成材料として使用される。
【0027】
【実施例】
実施例1
エポキシ樹脂「EPICLON N690−75M」(大日本インキ化学工業株式会社製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分75%メチルエチルケトン溶液)とアミノトリアジン変性ノボラック樹脂「フェノライトLA−7054」(大日本インキ化学工業株式会社製メラミン変性ノボラック樹脂メチルエチルケトン溶液、固形分中窒素含有量13%)とを、上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、0.50となるように混合した。その後、2−エチル−4−メチルイミダゾールをエポキシ樹脂固形分の0.2%添加し、170℃熱板上のストロークキュアによりゲル化時間を測定し、一方、同配合の試料で70℃で溶剤を乾燥後、150℃で2時間硬化処理を行い、硬化物のガラス転移温度をDSCにて測定した。結果を表1に示す。
【0028】
実施例2
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、0.75となるように混合した以外は、全て実施例1と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、1.00となるように混合した以外は、全て実施例1と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、1.30となるように混合した以外は、全て実施例1と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004900631
【0032】
実施例3
エポキシ樹脂「EPICLON N690−75M」(大日本インキ化学工業株式会社製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液)とアミノトリアジン変性ノボラック樹脂「フェノライトLA−7055」(大日本インキ化学工業株式会社製ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂メチルエチルケトン溶液、固形分中窒素含有量20%)とを、変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、0.30となるように混合し、以下実施例1と全く同様の操作を行い、ゲル化時間とガラス転位点とを測定した。結果を表2に示す。
【0033】
実施例4
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、0.50となるように混合した以外は、全て実施例3と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表2に示す。
【0034】
実施例5
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、0.75となるように混合した以外は、全て実施例3と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表2に示す。
【0035】
比較例3
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、1.00となるように混合した以外は、全て実施例3と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表2に示す。
【0036】
比較例4
上記の変性ノボラック樹脂の水酸基と上記のエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が、1.30となるように混合した以外は、全て実施例3と同様な操作を行いゲル化時間と硬化物のガラス転移温度とを測定した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004900631
【0038】
上記結果より、フェノール性水酸基対エポキシ基の比率はモル比が1.0である領域付近で配合するよりも、エポキシ基が多い領域(つまりをフェノール性水酸基が少ない領域)で配合とした方が明らかにゲル化時間が長くなり、硬化速度を調節できることが示され、ガラス転移温度は、フェノール性水酸基対エポキシ基の比率はモル比が1.0である領域付近で配合して得た硬化物よりも、高いガラス転移温度をもつ硬化物が得られる。そのため、フェノール性水酸基対エポキシ基の比率はモル比が1.0よりも小さいところに最大値があって、エポキシ基の数がフェノール性水酸基の数よりも多い領域で硬化させても、物性としては低下しないことがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の方法によって、従来は作業性的に問題があったアミノトリアジン変性ノボラック樹脂を含むエポキシ樹脂硬化系の硬化物物性を低下させずに、または、より改良して、作業性不良の原因である硬化が速すぎる問題を解決することができる。

Claims (3)

  1. アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須の成分とし、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)の配合割合が、該アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のフェノール性水酸基のモル数(a)と該エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基のモル数(b)が〔(a)/(b)=0.30〜0.50〕となるように配合した組成物であることを特徴としたエポキシ樹脂組成物。
  2. アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)におけるアミノトリアジン環構造がメラミン残基、ベンゾグアナミン残基、アセトグアナミン残基の群から選ばれる環構造である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(A)中のフェノール構造が、フェノール残基、クレゾール残基、ビスフェノールA残基、ブチルフェノール残基、フェニルフェノール残基、ナフトール残基、レゾルシン残基の群から選ばれる請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
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