JP4900126B2 - 半導体デバイスの作製方法 - Google Patents

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本発明は、半導体デバイスの作製方法に関するものである。
基板上に化合物半導体層を形成する際には、化合物半導体結晶を基板上に成長させたのち該化合物半導体結晶に対し熱処理(アニール)を行う。これにより、化合物半導体結晶の結晶性が向上し、良好な光学的特性を有する半導体層が得られる。
例えば、特許文献1には、GaInNAs層の成長後に、窒素雰囲気中でアニールを行うことが記載されている。また、特許文献2には、GaAs基板上にAlGaAs層、GaInNAs層、およびAlGaAs層を順次成長させたのち、窒素ガス雰囲気中で熱処理を行ったことが記載されている。また、非特許文献1には、GaInNAs結晶の結晶性改善のため、該GaInNAs結晶を成長させた炉内においてターシャリブチルアルシン(TBAs)雰囲気でアニールを行うことが記載されている。
特開2002−118329号公報 特開2002−319548号公報 T.Hakkarainen etal., "GaInNAs quantum well structures for 1.55 μm emission on GaAs byatmospheric pressure metalorganic vapor phase epitaxy", Journal of CrystalGrowth 234 pp631-636 (2002)
従来より、化合物半導体結晶に対し熱処理を施す際には、前述した各文献に記載されているように、或る雰囲気下で一回のみ行うことが一般的である。しかしながら、本発明者は、このような従来の熱処理方法では窒素原子(N)および砒素原子(As)を含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性が十分に改善され難いことを見出した。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性を良好にできる半導体デバイスの作製方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による半導体デバイスの作製方法は、V族元素として窒素原子および砒素原子を含むアンドープIII−V族化合物半導体層を有する半導体デバイスを作製する方法であって、III−V族化合物半導体層を基板上に成長させる成長工程と、III−V族化合物半導体層の周辺を砒素原子を含む第1の雰囲気とし、成長工程における成長温度より高い第1の温度でIII−V族化合物半導体層の熱処理を行うことにより、砒素原子の離脱を抑制しつつ点欠陥を低減する第1の熱処理工程と、III−V族化合物半導体層の周辺を水素化合物を含まない第2の雰囲気または真空雰囲気とし、第1の温度より低い第2の温度でIII−V族化合物半導体層の熱処理を行うことにより、III−V族化合物半導体層に含まれる水素原子と窒素原子との結合を解離させて水素原子を脱離させる第2の熱処理工程とを備え、第1及び第2の熱処理工程を、当該半導体デバイスの電極を形成する前に行うことを特徴とする。
窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶に熱処理を施すことによる結晶欠陥の消滅過程には次の二つのパターンがあることを、本発明者は見出した。すなわち、(一)熱エネルギーにより格子間原子が拡散し正常な格子サイトに収まる、或いは熱エネルギーにより空格子欠陥の拡散が起こりIII−V族化合物半導体結晶中から脱離するといった一般的な点欠陥の消滅過程、および(二)欠陥を誘発する水素原子と窒素原子との結合が熱エネルギーにより解離し、水素原子がIII−V族化合物半導体結晶中から脱離するという水素起因欠陥の消滅過程、の二つである。そこで、上記した半導体デバイスの作製方法においては、第1の熱処理工程として、砒素原子を含む第1の雰囲気で比較的高温の熱処理を行う。このように比較的高温の熱処理を行うことによって、上記消滅過程(一)を生じさせて一般的な点欠陥を低減できる。更に、砒素原子を含む第1の雰囲気で熱処理を行うことによって、高温の熱処理に伴う砒素原子の脱離を抑制できる。
しかし、この第1の雰囲気が活性水素を更に含む場合には、上記消滅過程(二)のような水素原子の脱離は期待できない。そこで、上記した半導体デバイスの作製方法においては、第2の熱処理工程として、水素化合物を含まない第2の雰囲気または真空雰囲気で比較的低温の熱処理を行う。このように水素化合物を含まない雰囲気または真空雰囲気で熱処理を行うことによって、上記消滅過程(二)を生じさせて水素起因欠陥を低減できる。また、比較的低温の熱処理を行うことによって、砒素原子の脱離を抑制できる。
このように、上記した半導体デバイスの作製方法によれば、前述した二つの欠陥消滅過程を十分に生じさせることができるので、窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性を、従来の熱処理方法と比較して極めて良好にできる。
また、半導体デバイスの作製方法は、第1の熱処理工程の際に、III−V族化合物半導体層の周辺にターシャリブチルアルシン及びアルシンのうち少なくとも一方を供給することにより第1の雰囲気とすることを特徴としてもよい。このように、砒素(As)を含むIII−V族化合物半導体の成長に多く用いられるターシャリブチルアルシン(TBAs)やアルシン(AsH3)を利用することにより、Asを含む第1の雰囲気を容易に実現できる。
また、半導体デバイスの作製方法は、第2の雰囲気が、水素ガス、窒素ガス、および不活性ガスのうち少なくとも一種類のガスからなる雰囲気であることを特徴としてもよい。水素ガス、窒素ガス、および不活性ガスといった高温でも分解しない安定なガスによって第2の雰囲気が構成されることにより、第2の熱処理工程を好適に行うことができる。なお、ここでいう不活性ガスとは、アルゴン等の希ガス元素からなる気体を指すものとする。
また、半導体デバイスの作製方法は、第1の熱処理工程における熱処理を終えて降温する際に、該降温処理を水素化合物を含まない雰囲気中で行うことを特徴としてもよい。この降温処理の際の雰囲気に水素化合物が含まれると、この水素化合物から分離した活性水素が化合物半導体結晶内に混入し、水素起因欠陥が増加してしまう。したがって、水素化合物を含まない雰囲気中で上記降温処理を行うことにより、水素起因欠陥の増加を抑えることができる。
また、半導体デバイスの作製方法は、第1の熱処理工程を成長工程に引き続いて成長炉内で行い、第2の熱処理工程を成長炉とは別の炉内で行うことを特徴としてもよい。これにより、第1の熱処理工程における第1の雰囲気、および第2の熱処理工程における第2の雰囲気のそれぞれを容易に実現できる。
本発明による半導体デバイスの作製方法によれば、窒素原子および窒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性を良好にできる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による半導体デバイスの作製方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明に係る半導体デバイスの作製方法の一実施形態を示すフローチャートである。この作製方法は、窒素原子(N)および砒素原子(As)を含むIII−V族化合物半導体層を有する半導体デバイスを作製する方法である。図1に示すように、本実施形態による作製方法は、成長工程S1、第1の熱処理工程S2、第2の熱処理工程S3、および半導体デバイス作製の為の後工程S4を含んでいる。成長工程S1では、例えばGaInNAsなどのIII−V族化合物半導体結晶からなる化合物半導体層を基板上に成長させる。第1の熱処理工程S2では、成長工程S1において成長させた化合物半導体層の周辺を、砒素原子を含む雰囲気(第1の雰囲気)とし、成長工程S1における化合物半導体層の成長温度より高い温度(第1の温度)で該化合物半導体層の熱処理を行う。第2の熱処理工程S3では、化合物半導体層の周辺を水素化合物を含まない雰囲気(第2の雰囲気)または真空雰囲気とし、第1の熱処理工程S2における熱処理温度(第1の温度)より低い温度(第2の温度)で化合物半導体層の熱処理を行う。以下、これらの工程について詳細に説明する。
図2は、成長工程S1によって作製される基板生産物の一例として、単一量子井戸層を有するウェハ生産物10を示す側面断面図である。図2を参照すると、ウェハ生産物10では、基板11上に、n型バッファ層12、n型クラッド層13、下部バリア層兼SCH層14、井戸層15、上部バリア層兼SCH層16、p型クラッド層17、およびp型コンタクト層18が、順に積層されている。
基板11は、n型(第1導電型)のIII−V族化合物半導体からなるウェハであり、例えばn型GaAsからなる。基板11の面方位は(100)が好ましく、2°程度のオフ角があると更に好ましい。基板11のn型不純物濃度は、例えば1×1018[cm−3]である。また、n型バッファ層12は、基板11の主面11a上に成長したn型のIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えば基板11と同一の組成(n型GaAs)を有している。n型バッファ層12の好適な層厚は例えば0.2[μm]であり、n型バッファ層12の好適なn型不純物濃度は例えば2×1018[cm−3]である。
n型クラッド層13は、n型バッファ層12上に成長したn型のIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えばAlGaAsからなる。n型クラッド層13の好適な層厚は例えば1.5[μm]であり、n型クラッド層13の好適なn型不純物濃度は例えば7×1017[cm−3]である。また、下部バリア層兼SCH層14は、n型クラッド層13上に成長したアンドープIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えばGaAsからなる。下部バリア層兼SCH層14の好適な層厚は例えば0.14[μm]である。
井戸層15は、下部バリア層兼SCH層14上に成長したアンドープIII−V族化合物半導体からなる層(特許請求の範囲における化合物半導体層)であり、窒素原子および砒素原子を含む。一実施例としては、井戸層15はGaInNAs結晶からなる。井戸層15の厚さは、例えば7[nm]である。
上部バリア層兼SCH層16は、井戸層15上に成長したアンドープIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えばGaAsからなる。上部バリア層兼SCH層16の好適な層厚は例えば0.14[μm]である。また、p型クラッド層17は、上部バリア層兼SCH層16上に成長したp型のIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えばAlGaAsからなる。p型クラッド層17の好適な層厚は例えば1.5[μm]であり、p型クラッド層17の好適なp型不純物濃度は例えば1×1018[cm−3]である。また、p型コンタクト層18は、p型クラッド層17上に成長したp型のIII−V族化合物半導体からなる層であり、例えばGaAsからなる。p型コンタクト層18の好適な層厚は例えば0.2[μm]であり、p型コンタクト層18の好適なp型不純物濃度は例えば7×1018[cm−3]である。
成長工程S1では、上述したn型バッファ層12、n型クラッド層13、下部バリア層兼SCH層14、井戸層15、上部バリア層兼SCH層16、p型クラッド層17、およびp型コンタクト層18を、例えば有機金属気相成長法(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)により成長させる。このとき、Al,Ga,In,N,およびAsの各元素に対応する原料ガスとしては、例えばトリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、ジメチルヒドラジン(DMHy)、ターシャリブチルアルシン(TBAs)又はアルシン(AsH3)を供給するとよい。また、n型ドーパントであるSiの原料ガスとしては例えばテトラエチルシラン(TeESi)を、p型ドーパントであるZnの原料ガスとしては例えばジエチル亜鉛(DEZn)をそれぞれ供給するとよい。
次に、第1の熱処理工程S2および第2の熱処理工程S3について説明する。第1の熱処理工程S2では、成長工程S1において作製されたウェハ生産物10の周辺を、砒素原子(As)を含む雰囲気(第1の雰囲気)とし、成長工程S1における成長温度より高い温度(第1の温度)で各半導体層12〜18の熱処理を行う。また、第2の熱処理工程S3では、ウェハ生産物10の周辺を水素化合物を含まない雰囲気(第2の雰囲気)または真空雰囲気とし、第1の熱処理工程S2における処理温度より低い温度(第2の温度)で各半導体層12〜18(特に井戸層15)の熱処理を行う。
第1の熱処理工程S2における第1の雰囲気を実現する際には、砒素原料ガスを熱処理時においても供給し続けるとよい。例えば、Asの原料ガスであるターシャリブチルアルシン(TBAs)又はアルシン(AsH3)を炉内に供給しながらウェハ生産物10の熱処理を行うとよい。このため、第1の熱処理工程S2は、成長工程S1において各半導体層12〜18を成長させた成長炉と同じ炉内で引き続き実施することができる(いわゆるin−situアニール)。
また、第2の熱処理工程S3における第2の雰囲気を実現する際には、例えばアルゴンガス(Ar)などの不活性ガスや、窒素ガス(N)、及び水素ガス(H)のうち少なくとも一種類のガスからなる雰囲気とするとよい。また、第2の熱処理工程S3においては、各半導体層12〜18からV族原子が脱離することを極力防ぐため、III−V族化合物基板(GaAs基板など)でウェハ生産物10を挟み込んだ状態で熱処理を行うことが好ましい。
ここで、図3は、成長工程S1、第1の熱処理工程S2および第2の熱処理工程S3における処理温度および供給ガスの遷移の一例を示すグラフである。
成長工程S1では、基板11をMOVPE成長炉内に設置したのち、成長炉内へTBAs又はAsH3といった砒素原料ガスを供給しながら、図3に示すように成長炉内の温度を所定の成長温度(図では510℃)まで上昇させる(図中の区間A)。そして、所定の成長温度に達したらその温度を維持しつつ、TEGa、TMAl、TMInといったIII族原料ガスやDMHyといったV族原料ガスを更に供給して各半導体層(n型バッファ層12、n型クラッド層13、下部バリア層兼SCH層14、井戸層15、上部バリア層兼SCH層16、p型クラッド層17、およびp型コンタクト層18)を成長させる(区間B)。例えば、次の手順により、各半導体層を成長させる。
(1)TBAs及びTEGaを供給してn型バッファ層12としてのGaAs層を成長させる。
(2)TBAs、TEGa、及びTMAlを供給してn型クラッド層13としてのAlGaAs層を成長させる。
(3)TBAs及びTEGaを供給して下部バリア層兼SCH層14としてのGaAs層を成長させる。
(4)TBAs、TEGa、TMIn、およびDMHyを供給して井戸層15としてのGaInNAs層を成長させる。
(5)TBAs及びTEGaを供給して上部バリア層兼SCH層16としてのGaAs層を成長させる。
(6)TBAs、TEGa、及びTMAlを供給してp型クラッド層17としてのAlGaAs層を成長させる。
(7)TBAs及びTEGaを供給してp型コンタクト層18としてのGaAs層を成長させる。
こうして、図2に示したウェハ生産物10が形成される。なお、各半導体層の成長温度は450℃以上700℃以下が好ましく、典型的な成長温度は510℃である。
続いて、ウェハ生産物10をMOVPE成長炉内に設置した状態で、第1の熱処理工程S2に移る。第1の熱処理工程S2では、成長炉内の雰囲気を前述した第1の雰囲気とする。そして、第1の雰囲気下で成長炉内の温度を所定の第1の温度(図では650℃)まで更に上昇させる(区間C)。所定の第1の温度に達したらその温度を維持しつつ、ウェハ生産物10の各半導体層の熱処理を所定時間行う(区間D)。なお、所定の第1の温度は575℃以上700℃以下が好ましく、650℃が最も好適である。
第1の熱処理工程S2において所定時間の熱処理が完了すると、成長炉内を降温する(区間E)。このとき、TBAsやAsH3などの水素化合物は、供給を停止されることが好ましい。
続いて、ウェハ生産物10をMOVPE成長炉とは別の炉(以下、熱処理炉という)へ移し、第2の熱処理工程S3を行う。第2の熱処理工程S3では、熱処理炉内の雰囲気を前述した第2の雰囲気とする。そして、第2の雰囲気下で熱処理炉内の温度を所定の第2の温度(図では500℃)まで上昇させる(区間F)。所定の第2の温度に達したらその温度を維持しつつ、ウェハ生産物10の各半導体層(特に井戸層15)の熱処理を所定時間行う(区間G)。なお、所定の第2の温度は500℃以上650℃未満が好ましく、500℃が最も好適である。
第2の熱処理工程S3において所定時間の熱処理が完了すると、熱処理炉内を降温する(区間H)。なお、この降温処理の際においても、上述した第2の雰囲気を維持するとよい。
以上の工程(成長工程S1、第1の熱処理工程S2、および第2の熱処理工程S3)の後、ウェハ生産物10を加工することにより半導体デバイスを作製する(図1に示す工程S4)。半導体デバイスの一例として、図4に示す利得ガイド型レーザ素子30の作製方法を説明すると、まず、通常のフォトリソグラフィー技術によりストライプ状のレジストパターンを図2に示したp型コンタクト層18上に形成する。次に、p型コンタクト層18のうちレジストパターンに覆われない部分をエッチングして除去することにより、図4に示すようにp型コンタクト層18をストライプ状に成形する。そして、プラズマCVD法によりウェハ生産物10上の全面にSiN等の絶縁膜32を形成したのち、p型コンタクト層18上の絶縁膜32のみ除去する。続いて、p型コンタクト層18上に金属製のアノード電極34を形成すると共に、基板11の裏面上に金属製のカソード電極36を形成する。最後に、当該ウェハ生産物をチップ状に分割することにより、図4に示す利得ガイド型レーザ素子30が完成する。
本実施形態による半導体デバイスの作製方法の作用効果について説明する。[課題を解決する手段]欄で既に述べたように、窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶に熱処理を施すことによる結晶欠陥の消滅過程には、次の二つのパターンがある。すなわち、(一)熱エネルギーにより格子間原子が拡散し正常な格子サイトに収まる、或いは熱エネルギーにより空格子欠陥の拡散が起こりIII−V族化合物半導体結晶中から脱離するといった一般的な点欠陥の消滅過程、および(二)欠陥を誘発する水素原子と窒素原子との結合(以下、N−H結合とする)が熱エネルギーにより解離し、水素原子がIII−V族化合物半導体結晶中から脱離するという水素起因欠陥の消滅過程、の二つである。なお、(二)のN−H結合は、窒素原子(N)を含むIII−V族化合物半導体結晶を成長させる際に用いられるDMHyといった原料ガスのN−H結合が切れずに結晶内に堆積することによって生じるものと推測される。
本実施形態による半導体デバイスの作製方法においては、基板上に各半導体層を成長させたのち、第1の熱処理工程S2として、Asを含む第1の雰囲気下で比較的高温(第1の温度)の熱処理を行う。このように第1の熱処理工程S2において比較的高温の熱処理を行うことによって、上記消滅過程(一)を生じさせ、GaInNAs井戸層15等の各半導体層に含まれる一般的な点欠陥を低減できる。更に、Asを含む第1の雰囲気下で熱処理を行うことによって、図5(a)に示すように、高温の熱処理に伴いAsがGaInNAs井戸層15等から脱離することを抑制できる。
第1の雰囲気を実現するためには、例えば砒素原子の原料ガス(TBAs、AsH3など)を供給するとよい。この場合、原料ガスから分離した活性水素(水素イオン等)が第1の雰囲気に更に含まれることとなる。例えば、TBAsは次の化学式で表されるが、
Figure 0004900126

このTBAsが熱分解すると、As、H(活性水素)、C、およびCHが生成する。したがって、図5(a)に示すように炉内に水素分圧も付加されるので、上記消滅過程(二)によってGaInNAs井戸層15から水素原子が脱離することは期待できない。
そこで、本実施形態による半導体デバイスの作製方法においては、第2の熱処理工程S3として、TBAsやAsH3などの水素化合物を含まない第2の雰囲気下または真空雰囲気下で比較的低温(第2の温度)の熱処理を行う。このように、水素化合物を含まない雰囲気下または真空雰囲気下で熱処理を行うことによって、GaInNAs井戸層15において図5(b)に示すように上記消滅過程(二)を生じさせ、水素起因欠陥を低減できる。また、比較的低温の熱処理を行うことによって、Asの脱離を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態による半導体デバイスの作製方法によれば、二つの欠陥消滅過程を十分に生じさせることができるので、窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶(例えばGaInNAs井戸層15)の結晶性を、従来の熱処理方法と比較して極めて良好にできる。
また、本実施形態のように、ウェハ生産物10の各半導体層の組成に窒素以外のV族原子としてAsが含まれている場合には、第1の熱処理工程S2の際に、ウェハ生産物10の周辺にTBAs及びAsH3のうち少なくとも一方を供給することにより第1の雰囲気とするとよい。Asを含む化合物半導体の成長に多く用いられるTBAsやAsH3を利用することにより、Asを含む第1の雰囲気を容易に実現できる。なお、TBAsやAsH3以外にも、砒素原料として、ジエチル砒素水素((C252AsH)、エチルアルシン((C25)AsH2)、トリエチル砒素((C253As)、トリメチル砒素((CH33As)、トリスジメチルアミノ砒素((C618)N3As)などの有機砒素原料ガスを用いることができる。
また、本実施形態のように、第2の熱処理工程S3における第2の雰囲気は、アルゴン等の不活性ガス、水素ガス、および窒素ガスのうち少なくとも一種類のガスからなる雰囲気であるとよい。これらのガスは高温でも分解しない安定な性質を有するので、第2の熱処理工程S3を好適に行うことができる。
また、本実施形態のように、第1の熱処理工程S2において熱処理を終えて降温する際には、TBAsやAsH3といった水素化合物を含まない雰囲気中で該降温処理を行うとよい。この降温処理の際の雰囲気に水素化合物が含まれると、図6に示すように、この水素化合物から分離した活性水素がIII−V族化合物半導体結晶(例えばGaInNAs井戸層15)内に混入し、水素起因欠陥が増加してしまう。したがって、第1の熱処理工程S2における降温処理を水素化合物を含まない雰囲気中で行うことにより、水素起因欠陥の増加を抑えることができる。
また、本実施形態のように、第1の熱処理工程S2における処理温度(第1の温度)は650[℃]以上であり、第2の熱処理工程S3における処理温度(第2の温度)は650[℃]未満であるとよい。第1の温度を650[℃]以上とすることにより、前述した欠陥消滅過程(一)を好適に発生させ得る。また、第2の温度を650[℃]未満とすることにより、Asの脱離を抑えつつ欠陥消滅過程(二)を好適に発生させ得る。
また、本実施形態のように、第1の熱処理工程S2を成長工程S1に引き続いて成長炉内で行い、第2の熱処理工程S3を成長炉とは別の炉(熱処理炉)内で行うとよい。これにより、第1の熱処理工程S2における第1の雰囲気、および第2の熱処理工程S3における第2の雰囲気のそれぞれを容易に実現できる。
本発明者は、第1の熱処理工程S2および第2の熱処理工程S3による上記作用効果を、実際に半導体デバイスを作製して確認した。以下、その結果について説明する。
<第1の実施例>
図7に示すように、n型GaAsウェハ51上にアンドープGaAsバッファ層52、アンドープGaInNAs井戸層53、およびアンドープGaAsバッファ層54を減圧MOVPE法により順に成長させて、GaInNAs/GaAs単一量子井戸構造を有するウェハ生産物50を2枚作製した(成長工程)。このウェハ生産物50において、井戸層53の厚さを7[nm]とし、その組成をGa0.66In0.340.01As0.99とした。この組成により、井戸層53のフォトルミネッセンス(PL)波長は1250[nm]となる。井戸層53のGa、In、N、及びAsの各原料ガスとしてそれぞれTEGa、TMIn、DMHy、及びTBAsを用いた。ウェハ51としてはSiドープGaAsウェハであって面方位が(100)であり2°のオフ角を有するものを用いた。井戸層53の成長温度を510℃とし、井戸層53の成長速度を0.9[μm/h]とし、TEGa、TMIn、DMHy、及びTBAsの流量および流量比を下の表1のようにした。また、井戸層53の成長圧力を10.1[kPa](76[Torr])とした。
Figure 0004900126
このようにして作製した2枚のウェハ生産物50のうち1枚に対し、各半導体層(バッファ層52、井戸層53、バッファ層54)の成長に引き続きMOVPE成長炉内で熱処理を行った(第1の熱処理工程)。このときの熱処理条件としては、井戸層53のPL強度が最大となるように熱処理温度(第1の温度)を650℃とし、熱処理時間を10分間とした。また、熱処理中にウェハ生産物50の表面からAsが脱離することを防ぐため、TBAs雰囲気(第1の雰囲気)で熱処理を行った。熱処理後は水素の混入を防ぐため、TBAs原料を流さずに水素雰囲気にて降温を行った。
その後、このウェハ生産物50を成長炉から取り出したのち4つに分割し、成長炉とは別の熱処理炉を用いて熱処理を行った(第2の熱処理工程)。その際、ウェハ生産物50の表面からAsが脱離することを極力防ぐため、2枚のGaAs基板でウェハ生産物50を挟み込んだ状態で熱処理を行った。また、ウェハ生産物50の周囲を窒素ガス雰囲気(第2の雰囲気)とし、4分割したウェハ生産物50の熱処理温度(第2の温度)をそれぞれ500℃、550℃、600℃、及び650℃とした。熱処理時間は各々15秒とした。
成長工程において作製した2枚のウェハ生産物50のうち残りの1枚については、各半導体層(バッファ層52、井戸層53、バッファ層54)の成長後に成長炉から取り出し、成長炉とは別の熱処理炉でのみ熱処理を行った。その際、上述した第2の熱処理工程と同様にウェハ生産物50を4つに分割して熱処理を行った。また、2枚のGaAs基板でウェハ生産物50を挟み込んだ状態で熱処理を行った。ウェハ生産物50の周囲は窒素ガス雰囲気とし、4分割したウェハ生産物50の熱処理温度をそれぞれ500℃、550℃、600℃、及び650℃とした。熱処理時間は各々15秒とした。
以上の工程を経たのち、各ウェハ生産物50の光学特性を室温PL測定により評価した。図8は、各熱処理方法におけるPL強度と熱処理温度との相関を示すグラフである。図8において、グラフG1は第1及び第2の熱処理工程を経たウェハ生産物50の特性を示しており、グラフG2は熱処理炉でのみ熱処理を行ったウェハ生産物50の特性を示している。なお、図8においては、PL強度として基準強度に対する相対値を示している。また、参考のため、図8には各半導体層(バッファ層52、井戸層53、バッファ層54)の成長に引き続きTBAs雰囲気での熱処理のみ行った場合(グラフG3)についても示している。以下、各グラフG1〜G3に基づいて各熱処理方法を評価する。
(1)TBAs雰囲気中での熱処理のみ行った場合(グラフG3)
TBAs雰囲気中での熱処理のみ行った場合、Asの脱離による欠陥形成を抑制しながら比較的高い温度まで昇温することが可能となり、非発光再結合中心として働く格子間原子や空格子欠陥等の点欠陥を消滅させることができる。それによりGaInNAs結晶中の発光効率が高くなり、光学特性(PL強度)が向上する。なお、その最適温度は650℃であり、更に高温とすると量子井戸界面における原子の相互拡散が顕著になり、結晶構造が乱れ結晶欠陥が増加し、光学特性(PL強度)は急激に悪化する。
しかし、TBAs雰囲気中で熱処理を行った場合、該処理の際にTBAsが熱分解して活性水素が発生する。従って、雰囲気中の水素分圧が高くなり、GaInNAs結晶中の水素原子が結晶外へ離脱することが抑制される。そのため、TBAs雰囲気での熱処理では水素起因欠陥を減少させる効果はあまり期待できない。
(2)窒素ガス雰囲気での熱処理のみ行った場合(グラフG2)
窒素ガス雰囲気中での熱処理のみ行った場合、窒素ガス雰囲気では水素分圧が低いので、水素原子がGaInNAs結晶から脱離しやすい。GaInNAs結晶中において水素原子はN−H結合として存在していると考えられており、このN−H結合が切れることにより水素原子がGaInNAs結晶から脱離する。なお、N−H結合を解離させ得る温度は500℃以上である。また、水素原子は窒素原子と結合することにより結晶欠陥を形成する。したがって、500℃以上の温度で水素原子を脱離させることによって、GaInNAs結晶の光学特性を向上させることができる。
図8のグラフG2を参照すると、熱処理温度が500℃から高くなるに従ってPL強度が大きくなるが、これは、水素原子が脱離して水素起因欠陥が低減する効果および熱による点欠陥消滅効果によるものである。しかし、グラフG2では熱処理温度600℃でPL強度が最大となり、それより高い温度では光学特性は劣化している。これは、高温の熱処理によるGaAs結晶からのAsの脱離による新たな欠陥形成を意味しており、窒素ガス雰囲気中での熱処理を行うのみでは点欠陥を完全に消滅させることは難しい。
(3)第1及び第2の熱処理工程を経た場合(グラフG1)
TBAs雰囲気中での熱処理(第1の熱処理工程)においては、ウェハ生産物50の周囲を650℃まで昇温させることにより、非発光再結合中心として働く格子間原子や空格子欠陥等の点欠陥を消滅させることができる。そして、窒素雰囲気中において500℃以上で熱処理(第2の熱処理工程)を行うことにより、GaInNAs結晶中から水素原子を脱離させることができる。これらの工程によって点欠陥および水素起因欠陥の双方を効率良く除去することが可能となり、特に第2の熱処理工程における処理温度(第2の温度)が600℃未満の場合にはPL強度が飛躍的に向上する。なお、第2の温度が600℃より高い場合には、熱の過負荷により新たな結晶欠陥が形成されるのでPL強度は低下すると考えられる。したがって、第2の熱処理工程では熱処理温度を500℃以上であってなるべく低い温度とすることが望ましい。
すなわち、本実施例によれば、第1及び第2の熱処理工程を行って二つの欠陥消滅過程を十分に生じさせることにより、NおよびAsを含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性を極めて良好にできることがわかる。
<第2の実施例>
次に、図2に示した構造のウェハ生産物10を減圧MOVPE法により2枚作製した(成長工程)。このウェハ生産物10において、井戸層15の厚さを7[nm]とし、その組成をGa0.66In0.340.01As0.99とした。また、バリア層兼SCH層14,16はGaAsにより形成し、それらの層厚を140[nm]とした。n型クラッド層13およびp型クラッド層17はAl組成30%のAlGaAsにより形成し、それぞれにSi,Znをドープした。また、これらクラッド層13,17の層厚を1.5[μm]とした。p型コンタクト層18をGaAsにより形成し、その厚さを0.2[μm]とした。Ga、In、N、及びAsの各原料ガスとしてそれぞれTEGa、TMIn、DMHy、及びTBAsを用い、n型およびp型のドーパント(Si、Zn)の原料ガスとしてそれぞれTeESi、DEZnを用いた。基板11としてはSiドープGaAsウェハであって面方位が(100)であり2°のオフ角を有するものを用いた。井戸層53の成長温度を510℃とし、井戸層53の成長速度を0.9[μm/h]とし、TEGa、TMIn、DMHy、及びTBAsの流量および流量比を先の表1のようにした。また、井戸層53の成長圧力を10.1[kPa](76[Torr])とした。
このようにして作製した2枚のウェハ生産物10に対し、各半導体層の成長に引き続きMOVPE成長炉内で熱処理を行った(第1の熱処理工程)。このときの熱処理条件としては、熱処理温度(第1の温度)を650℃とし、熱処理時間を10分間とした。また、熱処理中にウェハ生産物10の表面からAsが脱離することを防ぐため、TBAs雰囲気(第1の雰囲気)で熱処理を行った。熱処理後は水素の混入を防ぐため、TBAs原料を流さずに水素雰囲気にて降温を行った。
続いて、2枚のウェハ生産物10のうち1枚に対し、成長炉とは別の熱処理炉を用いて熱処理を行った(第2の熱処理工程)。その際、ウェハ生産物10の表面からAsが脱離することを極力防ぐため、2枚のGaAs基板でウェハ生産物10を挟み込んだ状態で熱処理を行った。また、ウェハ生産物10の周囲を窒素ガス雰囲気(第2の雰囲気)とし、熱処理温度(第2の温度)を500℃として15秒間の熱処理を行った。
その後、2枚のウェハ生産物10を加工して図4に示した利得ガイド型レーザ素子30を作製した。まず、フォトリソグラフィー技術によりp型コンタクト層18上にレジストパターンを形成し、エッチングによりコンタクト層18をストライプ状に加工した。このとき、コンタクト層18のストライプ幅を5[μm]とした。そして、プラズマCVD法によりウェハの全面にSiN絶縁膜32を形成し、フォトリソグラフィーおよびフッ酸エッチングによりコンタクト層18上のSiN絶縁膜32を除去した。その後、コンタクト層18上にアノード電極を形成し、基板11の裏面にカソード電極を形成したのち、当該ウェハ生産物を幅300[μm](すなわち共振器長)のバー状にへき開し、この状態でレーザの特性評価を行った。
こうして作製した利得ガイド型レーザ素子30の電流−光出力特性を図9に示す。なお、図9において、グラフG4は第1及び第2の熱処理工程の双方を行った場合の電流−光出力特性を示しており、グラフG5は第1の熱処理工程のみ行った場合の電流−光出力特性を示している。図9より明らかなように、第1及び第2の熱処理工程の双方を行ったレーザ素子の閾値電流Ithは、第1の熱処理工程のみ行ったレーザ素子の閾値電流Ithよりも低い結果となった。また、第1及び第2の熱処理工程の双方を行ったレーザ素子のスロープ効率は、第1の熱処理工程のみ行ったレーザ素子のスロープ効率よりも高い結果となった。これらの結果から、第1及び第2の熱処理工程を行って二つの欠陥消滅過程を十分に生じさせることにより、NおよびAsを含むIII−V族化合物半導体結晶の結晶性を極めて良好にできることが示された。
本発明による半導体デバイスの作製方法は、上記した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、本発明の作製方法により作製される半導体デバイスは、図4に示した利得ガイド型レーザ素子に限定されることなく、半導体光増幅器、半導体光変調器、フォトダイオード、太陽電池、センサーなど、窒素原子および砒素原子を含むIII−V族化合物半導体結晶を用いた全ての半導体デバイスに応用できる。
図1は、本発明に係る半導体デバイスの作製方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図2は、成長工程によって作製される基板生産物の一例として、単一量子井戸層を有するウェハ生産物を示す側面断面図である。 図3は、成長工程、第1の熱処理工程および第2の熱処理工程における処理温度および供給ガスの遷移の一例を示すグラフである。 図4は、基板生産物から作製される半導体デバイスの一例として、利得ガイド型レーザ素子の構成を示す側面断面図である。 図5(a)は、高温の熱処理に伴い砒素原子がGaInNAs井戸層等から脱離することを砒素雰囲気により抑制する様子を示している。図5(b)は、GaInNAs井戸層において水素起因欠陥が消滅する様子を示している。 図6は、第1の熱処理工程における降温処理の際の雰囲気に水素化合物が含まれる場合に、この水素化合物から分離した活性水素がGaInNAs井戸層内に混入して水素起因欠陥が増加する様子を示している。 図7は、第1実施例において作製された、GaInNAs/GaAs単一量子井戸構造を有するウェハ生産物の構成を示す側面断面図である。 図8は、第1実施例において作製されたウェハ生産物のPL強度と熱処理温度との相関を示すグラフである。 図9は、第2実施例において作製された利得ガイド型レーザ素子の電流−光出力特性を示すグラフである。
符号の説明
10,50…ウェハ生産物、11…基板、12…n型バッファ層、13…n型クラッド層、14…下部バリア層兼SCH層、15,53…井戸層、16…上部バリア層兼SCH層、17…p型クラッド層、18…p型コンタクト層、30…利得ガイド型レーザ素子、32…絶縁膜、34…アノード電極、36…カソード電極、51…ウェハ、52,54…バッファ層。

Claims (5)

  1. V族元素として窒素原子および砒素原子を含むアンドープIII−V族化合物半導体層を有する半導体デバイスを作製する方法であって、
    前記III−V族化合物半導体層を基板上に成長させる成長工程と、
    前記III−V族化合物半導体層の周辺を前記砒素原子を含む第1の雰囲気とし、前記成長工程における成長温度より高い第1の温度で前記III−V族化合物半導体層の熱処理を行うことにより、砒素原子の離脱を抑制しつつ点欠陥を低減する第1の熱処理工程と、
    前記III−V族化合物半導体層の周辺を水素化合物を含まない第2の雰囲気または真空雰囲気とし、前記第1の温度より低い第2の温度で前記III−V族化合物半導体層の熱処理を行うことにより、前記III−V族化合物半導体層に含まれる水素原子と窒素原子との結合を解離させて水素原子を脱離させる第2の熱処理工程と
    を備え
    前記第1及び第2の熱処理工程を、当該半導体デバイスの電極を形成する前に行うことを特徴とする、半導体デバイスの作製方法。
  2. 前記第1の熱処理工程の際に、前記III−V族化合物半導体層の周辺にターシャリブチルアルシン及びアルシンのうち少なくとも一方を供給することにより前記第1の雰囲気とすることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイスの作製方法。
  3. 前記第2の雰囲気が、水素ガス、窒素ガス、および不活性ガスのうち少なくとも一種類のガスからなる雰囲気であることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体デバイスの作製方法。
  4. 前記第1の熱処理工程における熱処理を終えて降温する際に、該降温処理を水素化合物を含まない雰囲気中で行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体デバイスの作製方法。
  5. 前記第1の熱処理工程を前記成長工程に引き続いて成長炉内で行い、前記第2の熱処理工程を前記成長炉とは別の炉内で行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体デバイスの作製方法。
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