JP2004165349A - 化合物半導体の結晶成長方法および発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な結晶品質の化合物半導体結晶を得ることができる化合物半導体の結晶成長方法を提供する。
【解決手段】本発明の結晶成長方法は、有機金属気相成長法によりV族元素中に窒素を含むIII−V族化合物半導体を結晶成長させる方法であって、水素雰囲気中でIII−V族化合物半導体を結晶成長した後に、窒素雰囲気中で前記III−V族化合物半導体に熱処理を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体の結晶成長方法および発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
インターネットの普及に伴い、FTTH(Fiber To The Home)と言われるように各家庭内への光ファイバの敷設が進められている。このような家庭内などの非幹線系光通信では、幹線系の光通信(基地局間の光通信)とは異なり、低コスト、低消費電力であることが重視される。そのため、これまで幹線系の光通信で用いられてきた光通信機器をそのまま家庭内などの非幹線系光通信に用いることはできない。
【0003】
幹線系においては、例えば、発振波長1.3μm帯の半導体レーザとして、一般にInGaAsPを用いた半導体レーザが用いられている。しかし、近年、この半導体レーザに置き換わる安価で消費電力が小さい発光素子として、窒素を原料に含む例えば、GaInNAsなどを用いた発振波長1.3μm帯の半導体レーザの開発が盛んに行われている。例えば、GaInNAsを用いた発振波長1.3μm帯の半導体レーザは、安価で消費電力が小さいという利点がある。特に、GaInNAs結晶を用いた1.3μm帯半導体レーザは、従来の発光素子の使用に必要であったペルチェ素子などの温度制御素子が不要となることから、現在最も有力な1.3μm帯半導体レーザ用材料と考えられている。また、その他の発振波長帯の半導体レーザーの分野においても例えば、GaNなどを用いた短波長帯半導体レーザーなど窒素を構成元素に含む化合物半導体が注目されている。
【0004】
【非特許文献1】
Z.Pan,et al,Applied Physics Letters,Vol.77,No.9,28 August 2000,p.1280−p.1282
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な結晶品質の化合物半導体結晶を得ることができる化合物半導体の結晶成長方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、かかる化合物半導体の結晶成長方法を適用した発光素子の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物半導体の結晶成長方法は、
有機金属気相成長法によりV族元素中に窒素を含むIII−V族化合物半導体を結晶成長させる方法であって、
水素雰囲気中でIII−V族化合物半導体を結晶成長した後に、窒素雰囲気中で前記III−V族化合物半導体に熱処理を行う。
【0008】
本発明によれば、キャリアガスを水素としてIII−V族化合物半導体を結晶成長した後に、窒素雰囲気中で熱処理を行うことにより、キャリアガスである水素雰囲気中で熱処理を行う場合に比べて、水素による結晶表面への不活性膜の形成や結晶中への水素原子の取り込みによる結晶品質の低下を防止し、熱処理による結晶品質の向上効果をより確かなものとすることができる。
【0009】
なお、本発明の化合物半導体の結晶成長方法は、以下に示す態様を取り得る。
【0010】
(A)前記熱処理を、前記III−V族化合物半導体を結晶成長するための結晶成長装置の反応室で行うことができる。
【0011】
かかる態様によれば、外部の熱処理炉を用いる場合のように結晶をいったん外部に取り出す必要が無いため、結晶を大気中にさらすことなく熱処理を行うことができる。
【0012】
(B)前記熱処理を、前記III−V族化合物半導体を結晶成長する際の基板温度より高い温度で行うことができる。
【0013】
かかる態様によれば、結晶成長後の結晶に含まれる格子欠陥などを改善して、結晶品質の向上を図ることができる。
【0014】
また、かかる態様によれば、量子井戸構造を形成する場合など、他の結晶層の成長と連続的に行われるような場合に、他の結晶層の成長温度が本発明のIII−V族化合物半導体の成長温度より高い場合には、かかる他の結晶層の成長温度を利用して熱処理を行うことができる。
【0015】
(C)前記III−V族化合物半導体は、V族元素中に砒素を含み、前記熱処理を、砒素原料を供給しながら行うことができる。
【0016】
かかる態様によれば、結晶成長後のIII−V族化合物半導体から砒素が抜けて結晶表面が荒れるのを防止しつつ、結晶品質の向上を図ることができる。かかる態様を適用することができるIII−V族化合物半導体としては、例えば、GaInNAsやGaNAsなどを例示することができる。
【0017】
なお、本発明の化合物半導体の結晶成長方法は、発光素子の製造方法に適用することができる。かかる製造方法においては、前記発光素子として、少なくとも半導体発光ダイオード、面発光型半導体レーザー、およびストライプレーザーのいずれかを形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
1.GaInNAsの結晶成長方法
[第1の実施形態]
第1の実施形態においては、窒素をV族元素として含むIII−V族化合物半導体としてGaInNAsを結晶成長する場合を例にとり説明する。
【0020】
1−1.製造装置
以下、本実施の形態に係るGaInNAsの結晶成長方法に適用されるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置について説明する。図1は、MOCVD装置を模式的に示す図である。
【0021】
MOCVD装置100は、反応室10と、第1〜第4原料室20,22,24,26とを有する。反応室10の周囲には、反応室10内の基板50の温度を制御するためのヒーター40が設けられている。第1〜第4原料室20,22,24,26のそれぞれと、反応室10とは、ガス供給ライン30により接続されている。MOCVD装置100は、ガス供給ライン30に主としてキャリアガスたる水素(H)ガスが供給されているが、必要に応じて、窒素(N)ガスを供給可能に形成されている。
【0022】
第1原料室20には、ガリウム原料20aが充填されている。ガリウム原料20aとしては、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)を挙げることができる。
【0023】
第2原料室22には、インジウム原料22aが充填されている。インジウム原料22aとしては、例えば、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)を挙げることができる。
【0024】
第3原料室24には、窒素原料24aが充填されている。窒素原料24aとしては、例えば、ジメチルヒドラジン(DMHy)、モノメチルヒドラジン(MMHy)を挙げることができる。
【0025】
第4原料室26には、砒素原料26aが充填されている。砒素原料26aとしては、例えば、ターシャリーブチルアルシン(TBAs)を挙げることができる。
【0026】
また、必要に応じて、砒素原料としてのアルシン(AsH)ガスが充填された第5原料室28を設けてもよい。
【0027】
1−2. GaInNAs層の形成方法
第1〜第4原料室20,22,24,26に充填されている原料20a,22a,24a,26aは、それぞれ、キャリアガスとしての水素(H)によりバブリングされ、反応室10に輸送される。そして、それぞれの原料20a,22a,24a,26aは、反応室10において熱分解され、基板(例えばGaAs基板)50上に堆積し、図2に示すようにGaInNAs層60が形成される。なお、GaInNAsの組成比は、一般に、Ga1−xInAs1−yで表される。
【0028】
GaInNAsの結晶成長の際、供給される原料において、III族(Ga、In)の原子数に対するV族(N、As)の原子数の比V族/III族)は、例えば、1〜200であることができる。また、V/VAs比は、1〜1000であることができる。GaInNAsの結晶成長時の基板温度は、例えば、400〜600℃である。また、反応室10内の圧力は、例えば、10〜200hPa(10mbar〜200mbar)であることができる。
【0029】
なお、GaInNAsの結晶成長の際、第5の原料室28に充填されたアルシンガスを、キャリアガスの窒素により反応室10に導入してもよい。
【0030】
ここで、本実施の形態の結晶成長方法では、上記ようにGaInNAsを結晶成長させた後に、ガス供給ライン30に流れるキャリアガスを水素ガスから窒素ガスに切り替える。これにより、反応室10内の雰囲気は、水素雰囲気から窒素雰囲気に置き換わる。そして、反応室10に基板50を装填したまま、ヒーター40を用いて結晶の成長温度より高い温度で熱処理(アニール)を行い、結晶品質の改善を行う。このように、本実施の形態では、反応室10内で熱処理を行うため、外部の熱処理炉を用いる場合のように結晶をいったん外部に取り出す必要が無く、結晶を大気中にさらすことなく熱処理を行うことができる。
【0031】
かかる熱処理においては、水素雰囲気中で行うことも考えられる。しかし、この場合、水素がGaInNAsの結晶内にとり込まれ、GaInNAsの結晶品質が劣化してしまうおそれがある。また、かかる場合、水素によりGaInNAsの結晶表面に不活性膜が形成されるおそれもあり、GaInNAs結晶の上にさらに他の結晶層を形成する際に、各層の界面状態に望ましからぬ影響を与えるおそれがある。
【0032】
一方、本実施の形態に係る手法では、窒素雰囲気中で熱処理を行うことにより、水素雰囲気中で熱処理を行った場合のように結晶品質に望ましからぬ影響を与えるおそれがない。その結果、GaInNAs結晶の品質を例えば、単に結晶成長のみを行った場合や水素雰囲気中で熱処理を行った場合に比べて向上させることができる。
【0033】
なお、かかる熱処理においては、GaInNAs結晶中のAsが熱処理によって抜けることがないように、砒素原料(TBAsまたはAsH)をガス供給ライン30を通じて窒素ガスとともに供給しておくことが好ましい。これにより、熱処理による結晶品質の向上効果をより確実に奏することができる。
【0034】
また、上記熱処理では、熱処理温度を例えば、500℃以上、より好ましくは600〜800℃とすることができる。また、熱処理の時間は、例えば、10分間〜1時間程度とすることができる。また、熱処理中の窒素ガスや砒素原料ガスの流量や流速、反応室内の圧力を適宜設定または制御することで、さらなる結晶品質の向上が可能である。
【0035】
以上、第1の実施形態では、GaInNAsを結晶成長する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、窒素を構成元素に含むIII−V族化合物半導体の結晶成長に適用することができる。このようなIII−V族化合物半導体としては、例えば、GaNAsなどが挙げられる。
【0036】
2.発光素子の製造方法
以下、第2の実施の形態に係る発光素子の製造方法を説明する。なお、発光素子として、ストライプレーザーおよび面発光型レーザを例にとり説明する。
【0037】
2−1. ストライプレーザーの製造方法
以下、実施の形態に係るストライプレーザーの製造方法について説明する。図3は、実施の形態に係るストライプレーザーの製造工程を模式的に示す断面図である。
【0038】
まず、図3(A)に示すように、n型GaAs基板210上に、有機金属気相成長法(MOCVD法)を利用して、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、n型バッファ層220、n型クラッド層222およびバリア層224を順次積層する。
【0039】
n型バッファ層220は、例えば、シリコンがドープされたn型GaAsからなる。n型クラッド層222は、例えば、シリコンがドープされたn型Al0.4Ga0.6Asからなる。n型クラッド層222の厚さは、例えば、1500nmとすることができる。バリア層224は、例えば、GaAsからなる。バリア層224の厚さは、例えば、100nmとすることができる。
【0040】
なお、n型バッファ層220、n型クラッド層222およびバリア層224のそれぞれは、その層を構成する原子の原料を反応室に導入し、熱分解することにより形成することができる。この場合において、基板温度を例えば500〜800℃とし、反応室の圧力は、例えば、100mbar(10Pa)とすることができる。アルミニウム原料は、例えば、トリメチルアルミニウム(TMAa)、トリエチルアルミニウム(TEAa)を用いることができる。シリコン原料は、例えば、ジシラン(Si)、モノシラン(SiH)を用いることができる。ガリウム原料および砒素原料は、第1の実施の形態で示したものを挙げることができる。
【0041】
次に、井戸層としてのGaInNAs層230を形成する。GaInNAs層230の組成比は、例えば、Ga0.65In0.350.01As0.99とすることができる。GaInNAs層230は、第1の実施形態に係るGaInNAsの結晶成長方法により形成することができる。GaInNAs層230の厚さは、例えば、10nmとすることができる。
【0042】
次に、GaInNAs層230の上に、有機金属気相成長法(MOCVD法)を利用して、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、バリア層240、p型クラッド層242およびp型コンタクト層244を順次積層する。
【0043】
バリア層240は、例えば、GaAsからなる。バリア層240の厚さは、例えば100nmとすることができる。p型クラッド層242は、例えば、Znがドープされたp型Al0.4Ga0.6Asからなる。p型クラッド層242の厚さは、例えば1500nmとすることができる。p型コンタクト層244は、例えば、ZnがドープされたGaAsからなる。p型コンタクト層244の厚さは、例えば、50nmとすることができる。
【0044】
なお、バリア層240、p型クラッド層242およびp型コンタクト層244のそれぞれは、その層を構成する原子の原料を反応室に導入し、熱分解することにより形成することができる。この場合、基板温度を例えば500〜800℃とし、反応室の圧力は100mbar(10Pa)とすることができる。ドープ材料としての亜鉛原料は、例えば、ジエチルジンク(DEZn)、ジメチルジンク(DMZn)を用いることができる。アルミニウム原料、ガリウム原料および砒素原料は、上記で例示したものを挙げることができる。
【0045】
次に、図3(B)に示すように、p型コンタクト層244の上に、公知の方法により、絶縁層250を形成する。絶縁層250は、ストライプ状の貫通孔252を有する。貫通孔252の幅は、例えば、5μmとすることができる。絶縁層250は、例えば、酸化シリコン(SiO)から形成することができる。
【0046】
次に、p型コンタクト層244および絶縁層250の上に、蒸着法により、金属膜からなるp電極260を形成する。p電極は、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜が順次積層された構造を採用することができる。
【0047】
次に、n型GaAs基板210の裏面を、例えば、100μmの厚さにまで研磨する。次に、n型GaAs基板210の裏面に、蒸着法により、金属膜からなるn電極262を形成する。n電極262は、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜が積層された構造を採用することができる。こうして、ストライプレーザー200を形成することができる。
【0048】
以上に説明したストライプレーザー200の製造方法は、次の効果を有する。
【0049】
このストライプレーザー200のGaInNAs層230は、第1の実施の形態のGaInNAsの結晶成長方法により形成されている。このため、結晶品質が向上したGaInNAs層230を形成することができる。その結果、優れた特性のストライプレーザー200を製造することができる。
【0050】
また、かかるストライプレーザー200の層構造のように、GaInNAs層の上に、GaInNAsの成長温度(500℃〜550℃)よりも成長温度の高い結晶層を形成する場合には、かかる他の結晶層を形成するために行う基板温度の昇温過程を利用して熱処理を行うことができる。
【0051】
2−2. 面発光型半導体レーザの製造方法
以下、実施の形態に係る面発光半導体レーザ(以下「面発光レーザー」という)の製造方法について説明する。図4および図5は、実施の形態に係る面発光レーザーの製造工程を模式的に示す断面図である。
【0052】
まず、図4(A)に示すように、n型GaAs基板310上に、有機金属気相成長法(MOCVD法)を利用して、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、バッファ層320、n型下部DBRミラー322、n型クラッド層324およびバリア層326を順次積層する。
【0053】
バッファ層320は、例えば、シリコンがドープされたGaAsからなることができる。n型下部DBRミラー322は、例えば、n型GaAs層と、n型AlAs層とが交互に積層された35ペアの分布反射型多層膜ミラーからなることができる。n型GaAs層およびn型AlAs層のそれぞれの厚さは、面発光レーザーの発振波長の1/4に相当する厚さとすることができる。n型クラッド層は、例えば、シリコンがドープされたAl0.3Ga0.7Asからなることができる。バリア層は、例えば、GaAsからなることができる。
【0054】
なお、バッファ層320、n型下部DBRミラー322、n型クラッド層324およびバリア層326のそれぞれは、その層を構成する原子の原料を反応室に導入し、熱分解することにより形成することができる。この場合、基板温度を例えば500〜800℃とし、反応室の圧力は、例えば、100mbar(10Pa)とすることができる。なお、ガリウム原料および砒素原料は、第1の実施の形態で示したものを適用することができる。アルミニウムの原料およびシリコンの原料は、ストライプレーザーの製造方法で示したものを挙げることができる。
【0055】
次に、井戸層としてのGaInNAs層330を形成する。GaInNAs層330の組成比は、Ga0.65In0.350.01As0.99であることができる。GaInNAs層330は、第1の実施形態に係るGaInNAsの結晶成長方法により形成することができる。GaInNAs層330の厚さは、例えば、10nmとすることができる。
【0056】
次に、GaInNAs層330の上に、有機金属気相成長法(MOCVD法)を利用して、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、バリア層340、p型クラッド層342、p型上部DBRミラー344およびp型コンタクト層346を順次積層する。
【0057】
バリア層340は、例えば、GaAsからなることができる。p型クラッド層342は、例えば、亜鉛がドープされたp型Al0.3Ga0.7Asからなることができる。p型上部DBRミラー344は、例えば、p型GaAs層とp型AlAs層とが交互に積層された23ペアの分布反射方多層膜ミラーからなることができる。p型GaAs層およびp型AlAs層のそれぞれの厚さは、面発光レーザーの発振波長の1/4に相当する厚さとすることができる。p型コンタクト層346は、例えば、亜鉛がドープされたp型GaAsからなることができる。p型コンタクト層346の厚さは、例えば、50nmとすることができる。
【0058】
なお、バッファ層340、p型クラッド層342、p型下部DBRミラー344およびp型コンタクト層346のそれぞれは、その層の構成原子の原料を反応室に導入し、熱分解することにより形成することができる。この場合、基板温度を例えば500〜800℃とし、反応室の圧力は、例えば、100mbar(10Pa)とすることができる。なお、ガリウム原料および砒素原料は、第1の実施の形態で示したものを適用することができる。アルミニウムの原料および亜鉛の原料は、ストライプレーザーの製造方法で示したものを挙げることができる。
【0059】
次に、図4(B)に示すように、リソグラフィおよびエッチング技術により、p型コンタクト層346およびp型DBRミラー344をパターニングして柱状部372を形成する。これにより、面発光レーザーの共振器370が形成される。次に、図5に示すように、柱状部372の周囲に、絶縁層(例えばポリイミド層)350を形成する。具体的には、ポリイミドを塗布し、硬化させた後、平坦化することにより、絶縁層350を形成することができる。
【0060】
次に、柱状部372および絶縁層350の上に、公知の方法により、第1電極360を形成する。第1電極は、ストライプレーザーにおけるp電極260と同様の金属膜からなることができる。次に、n型GaAs基板310の裏面に、公知の方法により、第2電極362を形成する。第2電極362は、ストライプレーザーにおけるn電極262と同様の金属膜からなることができる。こうして、面発光レーザー300を形成することができる。
【0061】
以上に説明した面発光レーザー300の製造方法は、次の効果を有する。
【0062】
この面発光レーザー300のGaInNAs層330は、第1の実施の形態のGaInNAsの結晶成長方法により形成されている。このため、結晶品質が向上したGaInNAs層330を形成することができる。その結果、優れた特性の面発光レーザー300を製造することができる。
【0063】
また、かかる面発光レーザー300の層構造のように、GaInNAs層の上に、GaInNAsの成長温度(500℃〜550℃)よりも成長温度の高い結晶層を形成する場合には、かかる他の結晶層を形成するために行う基板温度の昇温過程を利用して熱処理を行うことができる。
【0064】
また、GaInNAs層330により構成される面発光レーザー300によれば、長波長帯域(例えば1300〜1550nm)のレーザを実現することができる。
【0065】
以上に、本発明に好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の態様を取り得る。
【0066】
例えば、第2の実施形態では、発光素子として、ストライプレーザーおよび面発光レーザーを形成する場合を例に取り説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、活性層に少なくとも窒素を構成元素として含むIII−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードの製造方法などにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MOCVD装置を模式的に示す図である。
【図2】GaInNAs層の形成工程を模式的に示す断面図である。
【図3】ストライプレーザーの製造工程を模式的に示す断面図である。
【図4】面発光レーザーの製造工程を模式的に示す断面図である。
【図5】面発光レーザーの製造工程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 反応室、20 第1原料室、22 第2原料室、24 第3原料室、26第4原料室、28 第5原料室、30 ガス供給ライン、40 ヒーター、50 基板、60 GaInNAs層、100 MOCVD装置、200 ストライプレーザー、300 面発光レーザー

Claims (6)

  1. 有機金属気相成長法によりV族元素中に窒素を含むIII−V族化合物半導体を結晶成長させる方法であって、
    水素雰囲気中でIII−V族化合物半導体を結晶成長した後に、窒素雰囲気中で前記III−V族化合物半導体に熱処理を行う、化合物半導体の結晶成長方法。
  2. 請求項1において、
    前記熱処理は、前記III−V族化合物半導体を結晶成長するための結晶成長装置の反応室で行われる、化合物半導体の結晶成長方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記熱処理は、前記III−V族化合物半導体を結晶成長する際の基板温度より高い温度で行われる、化合物半導体の結晶成長方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記III−V族化合物半導体は、V族元素中に砒素を含み、
    前記熱処理は、砒素原料を供給しながら行われる、化合物半導体の結晶成長方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物半導体の結晶成長方法を含む、発光素子の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記発光素子は、少なくとも半導体発光ダイオード、面発光型半導体レーザー、およびストライプレーザーのいずれかである、発光素子の製造方法。
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