JP2000150398A - 化合物半導体層の形成方法、化合物半導体装置、および化合物半導体装置を用いたシステム - Google Patents

化合物半導体層の形成方法、化合物半導体装置、および化合物半導体装置を用いたシステム

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JP2000150398A JP25373899A JP25373899A JP2000150398A JP 2000150398 A JP2000150398 A JP 2000150398A JP 25373899 A JP25373899 A JP 25373899A JP 25373899 A JP25373899 A JP 25373899A JP 2000150398 A JP2000150398 A JP 2000150398A
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layer
crystal
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Koji Takahashi
幸司 高橋
Shusuke Kasai
秀典 河西
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な発光特性を有する、V族元素の砒素を
含むIII−V族化合物半導体に窒素を混晶化したIII−V
族化合物半導体層の形成方法を提供する。 【解決手段】 単結晶基板上に、V族元素として少なく
とも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層を
結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結晶
成長させる工程が、窒素原料がアルミニウムと、少なく
とも該化合物半導体層の結晶成長表面で相互作用するよ
うに、該単結晶基板上に窒素原料を供給する工程を包含
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化合物半導体層の形
成方法に関し、より詳しくは、V族元素として少なくと
も窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層の形
成方法に関する。更には、V元素として少なくとも窒素
および砒素を含むIII−V族化合物半導体装置、及び
該化合物半導体装置を搭載したシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オプトエレクトロニクス用材料と
してのIII−V族化合物半導体の利用分野を大きく広げ
る新しい材料系として、V族元素が砒素からなるIII−
V族化合物半導体(GaAsおよびGaInAsなど)に
窒素を混晶化したIII−V族化合物半導体が提案されて
いる。
【0003】特開平6-37355号公報(第一従来例)には、
GaAs基板に格子整合する新しい半導体材料として、
Ga1-yInyzAs1-z(z=約0.04)系化合物混晶
半導体材料などが開示されている。このような半導体材
料を用いることにより、それまでは不可能であった、安
価なGaAs基板上に長波長帯(1.3〜1.55μm)
の半導体レーザを作製することが可能となることが示さ
れている。
【0004】また、PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VO
L.10, NO.4, Apr. 1998, Page 487(第二従来例)には、
活性層をGa0.7In0.30.01As0.99からなる量子井
戸層とGaAsからなるガイド層とで構成し、この活性
層をAl0.3Ga0.7Asからなる上下クラッド層で挟ん
だ半導体レーザ構造をGaAs基板上に作製することが
開示されている。このような半導体レーザによれば、波
長1.31μmにおける室温連続発振が可能となること
が報告されている。これは、GaAs基板との格子整合
系で構築された半導体レーザとしては初めてである。
【0005】波長1.3μm、1.55μm帯で発振する
半導体レーザは、上記の新しい材料系が提案されるまで
は全てInP基板上に作製されたInGaAsPあるい
はAlGaInAs系混晶半導体を活性層に用いて作製
されており、高温動作時に特性が大きく劣化するという
大きな欠点を持っていた。一方で上記の新しい材料系で
あるGaInNAs系混晶半導体を活性層に用いた場合
には、この温度特性が大幅に改善できることが報告され
ている。これは、光通信システム、光計測システム、な
どの応用システムにおける低消費電力化の観点から非常
に好ましい。
【0006】これらの新しい半導体材料の結晶成長には
分子線エピタキシャル成長(MBE)法または有機金属気
相成長(MOCVD)法が用いられる。窒素原料として
は、ジメチルヒドラジン(DMeHy)、およびプラズマ
によって活性化された窒素ガス(N2)などが挙げられ
る。結晶成長時には、Ga、In、As原料と上記の窒
素原料とを同時に供給することによって結晶成長が行わ
れる。
【0007】このような、V族元素の砒素を含むIII−
V族化合物半導体にV族元素の窒素を混晶化したIII−
V族化合物結晶半導体材料は、近年になるまで積極的に
取り上げられてこなかった。この理由は、このような半
導体材料の結晶を成長させることが困難なことにある。
【0008】例えば、GaAsNは、V族元素として窒
素だけを含むGaNと、V族元素として砒素だけを含む
GaAsとの混晶と考えられる。この混晶系には非常に
大きな非混和領域(ミシビリティギャップ)があり、Ga
As中にわずか数%のNを取り込んで混晶化することさ
え難しく、結晶成長の方法および条件を慎重に選ぶ必要
がある。特にGaAsへの窒素の取り込みに関しては、
結晶成長時の基板温度に大きく影響されることが報告さ
れている。通常、このような結晶成長時の基板温度とし
て約500℃が選ばれる。この500℃という温度は、
III−V族化合物半導体の結晶成長温度としては比較的
低温である。
【0009】Jpn.J.Appl.Phys. Vol.36, No.12A, Dec.
1997, Page L1572(第三従来例)において、モノメチルヒ
ドラジン(MMeHy)をN原料に用いたMO-MBE法
によるGaAsNの結晶成長の場合について、結晶成長
時の基板温度と結晶中の窒素混晶比との相関を示してい
る。基板温度が500℃よりも低い場合には、MMeH
yの熱分解が十分に生じず、よって結晶中へのNの取り
込みが小さい。これに対して、基板温度が500℃より
も高い場合には、窒素原料種の熱的な蒸発が大きく、よ
ってNがGaAs中に取り込まれなくなる。従って、基
板温度が約500℃である場合がNを最も効率良く結晶
中に取り込むことができる温度であると報告している。
【0010】また、第二従来例においては、窒素原料と
してプラズマ分解されたN2が用いられているが、この
例においても結晶成長温度として約500℃が選ばれて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザの活性層
にGaInNAs層を用いた上記の例をはじめとして、
半導体レーザの活性層にGaAsおよびGaInAsな
どに窒素を混晶化した新規の化合物半導体材料を用いて
いる。この場合、窒素を混晶化しない化合物半導体材料
を用いて同等の構成を作製した場合と比較して、必ずし
も良好な発光特性が得られるとは限らない。例えば、前
述の第二従来例が示された文献においては、活性層(量
子井戸)に、窒素を混晶化しないGaInAsを用いた
場合と、窒素を混晶化したGaInNAsを用いた場合
とについて、同様の構成の半導体レーザを作製してい
る。このとき、窒素を1%混晶化した場合には発振閾値
電流が約4倍に増加し、発光効率は約3分の2に低下す
ることが報告され、窒素をほんの少し混晶化した場合に
は発光効率は著しく低下することが報告されている。
【0012】発光効率が低下する原因の一つとして、従
来の結晶成長方法では結晶成長温度が低すぎ、よって十
分な結晶性を備えた結晶が得られていない点を指摘する
ことができる。
【0013】例えばGaAsNは、GaAsとGaNとの混晶と見な
せる。GaAsの結晶成長において光学的に優れた特性を有
する結晶が得られる成長温度は600℃〜750℃であり、一
方でGaNの場合には900℃〜1000℃である。これらの温度
範囲と比較して、GaAsNの混晶系にとって、光学的に優
れた特性を有する結晶が得られる成長温度が500℃の低
温であるとは考え難い。
【0014】また例えば、活性層と、この活性層を挟む
上下のクラッド層とを含む半導体レーザにおいて、活性
層がGaInNAsからなり、上下クラッド層がAlG
aAs、GaInP、InGaAsP、およびAlGa
InPなどからなる場合について考える。このような半
導体レーザを作製する際に通常、AlhGaiIn1-h- i
Asj1-j(h≧0,i>0,j≧0)からなる上下クラ
ッド層の結晶成長温度を、GaInNAs活性層の結晶
成長温度に合わせて低い基板温度(約500℃)で行って
いる。よって、上記と同様に、このように低い基板温度
で結晶成長されたクラッド層の結晶性は十分ではない。
GaInNAs活性層の下地となるAl hGaiIn
1-h-iAsj1-j(h≧0,i>0,j≧0)下クラッド
層の結晶性が十分でなければ、その上に結晶成長するG
aInNAs活性層にも下地の下クラッド層の結晶欠陥
が伝搬する。従って、このように低温でレーザ構造を作
製すると、良好な発光特性が得られず、レーザ素子の劣
化も速い。
【0015】このような従来の低温結晶成長方法は、G
aAsNまたはGaInNAsの高温成長による発光特
性の向上に対する要求よりも、窒素の取り込みによる新
規な材料の提供に対する要求を優先させている結果と言
える。
【0016】これに対して、発光特性を改善する試みと
して、結晶成長後の熱処理の効果についての報告例があ
る。1998年度春季応用物理学会予稿集28p−ZM
−12においては、GaAsN(窒素組成0.79%)を
水素雰囲気下で700℃、10分間の熱処理することに
よって、発光強度が25倍に向上することが報告されて
いる。しかしながら、本発明者らが検討を行った結果で
は、結晶成長後の熱処理だけでは、活性層にGaInN
Asを用いた半導体レーザのレーザ特性を実用レベルに
まで十分に向上させることができないことがわかった。
さらに、このような結晶成長後の処理ではなく、結晶成
長中に良好な結晶を得る工夫が必要なことがわかった。
【0017】本発明は上記の問題を解決することを目的
としたものである。すなわち本発明の目的は、良好な発
光特性を有する、V族元素の砒素を含むIII−V族化合
物半導体に窒素を混晶化したIII−V族化合物半導体層
の形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物半導体層
の形成方法は、単結晶基板上に、V族元素として少なく
とも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層を
結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結晶
成長させる工程が、窒素原料とともにアルミニウム原料
を同時に該単結晶基板上に供給する工程を包含する。
【0019】別の局面において、本発明の化合物半導体
層の形成方法は、単結晶基板上に、V族元素として少な
くとも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層
を結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結
晶成長させる工程が、該化合物半導体層の結晶表面にア
ルミニウムを含むIII族原子が露出された状態で、該表
面に窒素原料を供給する工程を包含する。
【0020】別の局面において、本発明の化合物半導体
層の形成方法は、単結晶基板上に、V族元素として少な
くとも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層
を結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結
晶成長させる工程が、窒素原料がアルミニウムと、少な
くとも該化合物半導体層の結晶成長表面で相互作用する
ように、該単結晶基板上に窒素原料を供給する工程を包
含する。
【0021】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層におけるIII族元素中のアルミニウムの混晶比は
0.02以上である。
【0022】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層を結晶成長させる工程は、上記単結晶基板の温度
が500℃以上、750℃以下、より好ましくは600
℃以上、750℃以下の範囲内で行われる。
【0023】好適な実施態様においては、上記窒素原料
は、
【0024】
【化2】 を含み、ここで、R1、R2、R3、およびR4は水素また
は低級アルキル基である。
【0025】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層の結晶成長表面におけるV族原子の被覆率は0%
より大きく、50%未満である。
【0026】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層を結晶成長させる工程は、アルミニウムを含むII
I族原料を供給する工程と、砒素原料を供給する工程を
さらに包含し、該III族原料を供給する工程と、上記窒
素原料を供給する工程と、該砒素原料を供給する工程と
を順に含むプロセスを1回以上繰り返して行われる。
【0027】好適な実施態様においては上記単結晶基板
が{100}面を主面とする。
【0028】好適な実施態様においては、上記単結晶基
板上にAlhGaiIn1-h-iAsj 1-j(h≧0,i>
0,j≧0)からなる層を結晶成長させる工程をさらに
包含し、上記化合物半導体層を結晶成長させる工程と、
該AlhGaiIn1-h-iAsj 1-jからなる結晶を成長
させる工程とが、同じ温度下で行われる。
【0029】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層を結晶成長させる工程が、該AlhGaiIn
1-h-iAsj1-jからなる層を結晶成長させる工程の後
に行われる。
【0030】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層を結晶成長させる工程が、該AlhGaiIn
1-h-iAsj1-jからなる層を結晶成長させる工程の前
に行われる。
【0031】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体層がインジウムをさらに含む。
【0032】好適な実態態様においては、前記単結晶基
板の表面が(100)面から[011]方向(A方向)
に傾斜した結晶面、あるいはそれと結晶学的に等価な結
晶面である。
【0033】好適な実施態様においては、前記の傾斜の
角度が、2度以上25度以下の範囲にある。
【0034】本発明の化合物半導体装置は、III族元
素として少なくともアルミニウムを含み、V族元素とし
て少なくとも窒素および砒素を含むIII−V族化合物
半導体層を少なくとも1層有するものである。
【0035】好適な実施態様においては、上記化合物半
導体装置は少なくとも発光層を有する発光素子であり、
該発光層が上記化合物半導体層を含む。
【0036】好適な実施態様においては、上記発光層は
AlxGayIn1-x-yzAs1-z(0<x,y,z<1)
からなり、該発光層におけるAlの混晶比xは、0.0
2以上、0.20以下であり、より好ましくは0.02
以上、0.10以下である。
【0037】好適な実施態様においては、上記発光素子
は、AlhGaiIn1-h-iAsj1- j(h≧0,i>0,
j≧0)からなるクラッド層、ガイド層、および/また
は障壁層をさらに有する。
【0038】本発明のシステムは、上記化合物半導体装
置を搭載してなるものである。
【0039】以下、本発明の作用について説明する。
【0040】本発明における化合物半導体層の形成方法
によれば、V族元素として少なくとも窒素および砒素を
含むIII-V族化合物半導体層を結晶成長する際に、窒素
原料がアルミニウム原料と同時に単結晶基板上に供給さ
れる為、窒素原料種の熱的な蒸発が抑制される作用が生
じる。よって、結晶成長温度を比較的高温にしても、窒
素の結晶中への取り込みが十分に生じ、良好な結晶性、
特に良好な発光特性を有する結晶を成長させ得ることが
できるようになる。特に、高温成長によって良好な結晶
性が得られるAlGaAs、GaInP、InGaAsP、およびAlGaInP
からなる結晶の最適結晶成長温度での結晶成長が可能と
なる。従って、これらの結晶層を上および/または下に
備えたIII-V族化合物半導体結晶層を含む多層膜を作製
する場合、良質な結晶同士のへテロ接合を作製すること
ができるようになる。
【0041】更には、結晶成長中の最表面に活性なアル
ミニウムが露出する状況下で窒素原料が供給される為、
基板表面での窒素原料の分解反応が促進される作用が生
じる。よって、結晶成長温度が高温時はもちろんのこ
と、窒素原料の熱分解が十分でない低温成長時において
も窒素の結晶中への取り込みが増加し、原料の利用効率
が向上するようになる。
【0042】また、本発明における化合物半導体装置に
よれば、発光素子の発光層に、V族元素として少なくと
も窒素および砒素を含むIII-V族化合物半導体層を備
え、かつその層が適量のアルミニウムを含んでいる為、
発光層の発光特性が著しく向上し、発光効率に優れた発
光デバイスを得ることができるようになる。更には、消
費電力の小さな応用システムを構築することができるよ
うになる。
【0043】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態は、図1
に示すように、GaAs基板1の上に、MBE(分子線
エピタキシー)法を用いて、層厚約0.5μmのAl0.5
Ga0.5As下部バリア層2、層厚約6nmのAl0.05
Ga0.950.015As0.085井戸層(発光層)3、および層
厚約0.1μmのAl0.5Ga0.5As上部バリア層4が
積層された単一量子井戸構造を有する多層膜10を結晶
成長させたものである。
【0044】以下に本実施形態の化合物半導体層の形成
方法を説明する。従来の方法との違いは、発光層の結晶
成長時に適正量のAl原料を添加している点にある。
【0045】固体ソースの金属Ga、金属Al、および
As4、ならびにガスソースのDMeHy(ジメチルヒド
ラジン)を備えたMBE装置を用いて、チャンバ内にこ
れらの原料を供給し、{100}面を主面とするGaA
s基板1の温度を650℃に保持しながら、この基板1
の上に各原料の分子線を照射することによって結晶を成
長させて、図1に示す単一量子井戸構造を作製した。こ
のMBE法による結晶成長時の分子線強度として、Ga
は約3.6×10-7torrとし、Alは井戸層3の成
長時には約1.9×10-8torr、バリア層2および
4の成長時には約3.3×10-7torrとし、As4
は約4.7×10-6torrとし、そしてDMeHyは
約3.6×10-6torrとした。この結晶成長工程に
わたって、必要な原料をすべて同時に供給した。特にA
lGaNAs井戸層3を作製する時には、後に図2〜4
を用いて説明するように、AlとDMeHyとを同時に
供給する点が重要であった。
【0046】以上のようにして、GaAs基板1上にA
0.5Ga0.5As下部バリア層2、Al0.05Ga0.95
0.015As0.085井戸層(発光層)3、およびAl0.5Ga
0.5As上部バリア層4を順次結晶成長させた。この多
層膜10の発光層3におけるアルミニウムの混晶比は
0.05であり、窒素混晶比は0.015であった。井
戸層3を構成するAl0.05Ga0.950.015As0.085
組成は、GaAs基板に対して、約−0.3%の引っ張
り歪を有する組成である。
【0047】さらに、作製した多層膜を室温でフォトル
ミネッセンスを測定した結果、この多層膜は波長約1.
26μmで発光することが確認され、作製したAl0.5
Ga0 .5As/AlGaNAs/Al0.5Ga0.5As構
造は単一量子井戸を構成していることがわかった。さら
に、発光スペクトルの半値幅は25meVと十分に狭
く、試料面内で発光波長、発光強度の不均一はなく、表
面状態も極めてスムースであった。よって、高品質の結
晶が得られていることが確認できた。
【0048】(実施形態2〜5)結晶成長工程の井戸層の
成長時におけるAl原料(金属Al)の分子線強度を約
7.3×10-9torr、約4.0×10-8torr、
約6.3×10-8torr、および約8.8×10-8
orrに調節して、Al混晶比をそれぞれ0.02、
0.1、0.15、0.2としたこと以外は実施形態1
と同様にして多層膜を形成した。この多層膜の井戸層に
おける窒素混晶比の結果を図2に示す。
【0049】(比較例1)結晶成長工程におけるAl原料
を供給せずに、Al混晶比を0としたこと以外は実施形
態1と同様にして多層膜を形成した。この多層膜の井戸
層における窒素混晶比の結果を図2に示す。
【0050】以下、実施形態1〜5および比較例1につ
いて図2を参照して説明する。 図2は、成長温度65
0℃にて、一定の原料供給条件で結晶を作製した時の井
戸層中の窒素混晶比のAl供給量依存性を示す図であ
る。Alの固相比が、2%(混晶比x=0.02)を越え
る程度にAl原料を添加した時に窒素の取り込みの増加
が見られはじめ、その効果が現れた。
【0051】(実施形態6〜9)結晶成長工程における基
板温度を、500℃、550℃、600℃および750
℃としたこと以外は実施形態1と同様にして多層膜を形
成した。この多層膜の井戸層における窒素混晶比の測定
結果を図3に示す。
【0052】(比較例2および3)結晶成長工程における
基板温度を、400℃および450℃としたこと以外は
実施形態1と同様にして多層膜を形成した。この多層膜
の井戸層における窒素混晶比の測定結果を図3に示す。
【0053】(比較例4〜7)Al原料の供給を行わず、
結晶成長工程における基板温度を、450℃、500
℃、550℃、および600℃としたこと以外は実施形
態1と同様にして多層膜を形成した。この多層膜の井戸
層における窒素混晶比の測定結果を図3に示す。
【0054】以下、実施形態1、6〜9ならびに比較例
2〜7について図3を参照して説明する。
【0055】図3は、井戸層中の窒素混晶比zの成長温
度依存性を示す図である。図中(a)のプロットは、Al
を含む実施形態1、6〜9ならびに比較例2および3を
示し、(b)のプロットは、Alを含まない比較例4〜7
を示す。
【0056】Alを含まない場合には基板温度約500
℃で窒素混晶比が最も大きくなり、基板温度がこれより
も高い場合にも低い場合にも井戸層中の窒素混晶比は低
下した。450℃および600℃で結晶成長を行った試
料では、窒素混晶比は組成オーダーで検出されなかっ
た。この理由は、基板温度が低いと原料の熱分解が十分
に生じず、基板温度が高いと物理吸着状態の窒素原料種
が熱的に蒸発することによると考えられる。
【0057】一方、Alを含む場合には、基板温度50
0℃で最も窒素の取り込みが多くなる点はAlを含まな
い場合と同様であるが、基板温度がこれより高くても窒
素の取り込みは大幅には低下しなかった。すなわち、図
3より、Alを含む場合にはAlを含まない場合に比べ
て基板温度が450℃〜750℃の範囲内で窒素の取り
込みが改善されていることがわかった。さらに、AlG
aAs、InGaP、InGaAsP、およびAlGa
InPなどの最適成長温度である600〜750℃付近
にまで基板温度を上げることが可能であることがわかっ
た。Alを含まない場合に比べて、Alを含む場合に基
板温度が500℃より低い場合(例えば450℃の場合)
にも窒素混晶比が増加する理由は、窒素原料と同時に反
応性の高いAl原料が供給されている為、原料の基板表
面での分解反応が促進されたことによると推測される。
これに対して、Alを含まない場合に比べて、基板温度
が500℃より高い場合に窒素混晶比が増大し、かつ基
板温度の上昇に対して窒素混晶比が減少しにくい理由
は、Alが熱的にほとんど蒸発しない為に、Alを含む
結晶はそれ自体が熱的にエッチングされにくいこと、特
に結晶成長中の結合力の強いAl−N結合の生成が、窒
素の熱脱離を抑制していることによると推測される。な
お、基板温度が750℃よりも高い場合にはGaの熱蒸
発が激しくなり、平坦な表面をもつ結晶の作製は困難で
あった。
【0058】(実施形態10)結晶成長工程におけるN原
料(DMeHy)の分子線強度を約2.4×10-6tor
rに調節して、窒素混晶比を0.01としたこと以外は
実施形態1と同様にして多層膜を形成した。この多層膜
のフォトルミネッセンス発光強度の測定結果を1として
図4に示す。
【0059】(実施形態11〜14)結晶成長工程におけ
る基板温度を、500℃、550℃、600℃、および
750℃としたこと、および実施形態10と同じ窒素混
晶比0.01を得るために窒素原料(DMeHy)の分子
線強度を適宜変更したこと以外は実施形態10と同様に
して多層膜を形成した。この多層膜のフォトルミネッセ
ンス発光強度の測定結果を実施形態10の測定結果を基
準として図4に示す。
【0060】(比較例8および9)結晶成長工程における
基板温度を、400℃および450℃としたこと、およ
び実施形態10と同じ窒素混晶比0.01を得るために
窒素原料(DMeHy)の分子線強度を適宜変更したこと
以外は実施形態10と同様にして多層膜を形成した。こ
の多層膜のフォトルミネッセンス発光強度の測定結果を
実施形態10の測定結果を基準として図4に示す。
【0061】(比較例10および11)Al原料の供給を
行わず、結晶成長工程における基板温度を、500℃お
よび550℃としたこと、および実施形態10と同じ窒
素混晶比0.01を得るために窒素原料(DMeHy)の
分子線強度を適宜変更したこと以外は実施形態10と同
様にして多層膜を形成した。この多層膜のフォトルミネ
ッセンス発光強度の測定結果を実施形態10の測定結果
を基準として図4に示す。
【0062】以下、実施形態10〜14および比較例8
〜11について図4を参照して説明する。
【0063】図4は、窒素を1%(z:0.01)混晶化
した結晶のフォトルミネッセンス発光強度の成長温度依
存性を示す図である。図中(a)のプロットは、Alを含
む実施形態10〜14ならびに比較例8および9を示
し、(b)のプロットは、Alを含まない比較例10およ
び11を示す。
【0064】Alを含まない場合には、図3を参照し
て、成長温度550℃を超えると窒素の取り込みが困難
となるので、結晶の作製自体が困難になる。図4より、
基板温度が550℃以上では結晶成長が困難となり発光
強度も低下する。これに対して、Alを含む場合には、
図3を参照して、基板温度750℃まで結晶成長が可能
であり、高い基板温度でも窒素の取り込みが十分に生じ
る。図4より、基板温度が500℃〜750℃の範囲内
で、Alを含まない場合に比べて発光強度が向上してい
ることがわかった。特に600℃以上で作製した場合に
発光強度が大きくなることがわかった。つまり、より非
平衡な状態で結晶成長が進行するように、低い基板温度
(500℃)を選んで結晶成長を行って、窒素の取り込み
の増加を図ることを優先していた従来の方法とは異な
り、本発明によると、より高い温度でも窒素の取り込み
が行えることから、GaAsN混晶系における最適な成
長温度に近い温度範囲で結晶成長を行うことができるよ
うになった。
【0065】上記のように図3および図4を参照して説
明した、実施形態1、6〜9ならびに比較例2〜7と、
実施形態10〜14および比較例8〜11とから、窒素
の取り込みが十分で、かつ良好な発光特性が得られるた
めの基板温度は500℃以上、750℃以下であり、よ
り好ましくは600℃以上、750℃以下である。
【0066】(比較例12〜14)結晶成長工程における
As4の分子線強度を約8.0×10-6Torr、約
2.0×10-5Torr、および3.0×10-5Tor
rとしたこと以外は実施形態1と同様にして多層膜を形
成した。この多層膜の井戸層における窒素混晶比の結果
を図5に示す。このとき、RHEED観察の結果から表
面超構造は(2×4)(V族元素の砒素および窒素の被覆
率約75%)であった。
【0067】以下、実施形態1および比較例12〜14
について図5を参照して説明する。
【0068】図5は、As以外の原料の供給および成長
温度を一定に保ったまま、As4の供給量を変化させた
場合の井戸層における窒素混晶比を示している。図5よ
り、Alの添加と成長温度以外に、As4供給条件が結
晶成長に影響を与えていることがわかった。図5はまた
同時に、成長中のRHEED観察の結果から得られる表
面超構造(surface reconstructi
on)のパターンも示している。表面超構造が(2×4)
(砒素および窒素の被覆率約75%)となるAs4の供給
が過剰な成長条件の場合には、窒素混晶比が小さい。こ
れに対して、表面超構造が(3×1)(砒素および窒素の
被覆率約40%)となる成長条件の場合には、供給原料
のN/As比の増加分以上に窒素混晶比が増加する。表
面超構造が(4×2)(砒素および窒素の被覆率0%)とな
るAsが少ない条件では、Gaのドロップレットの発生
の為に、得られた膜の表面は非常に荒れたものであっ
た。
【0069】以上のことから、窒素原料であるDMeH
yの表面分解、および分解された窒素原子の吸着は、成
長中の表面のIII族原子の露出の程度によって変化して
いることがわかる。最適な成長条件は、III族原子が表
面の半分以上(上記の実施形態1では60%)で露出して
いる状態で、かつIII族原子が過剰なドロップレットを
作らない状態であり、実施形態1におけるAlGaAs
Nの場合には表面超構造が(3×1)となる条件であっ
た。このことは、AlのないGaAsNの成長時にも同
様(図示せず)であったが、III族元素にAlを含む場合
で特に顕著であった。
【0070】以上の実施形態においては、AlGaAs
/AlGaNAs/AlGaAs構造を作製した例につ
いて説明したが、上下バリア層は、GaAsを含む他の
Al混晶比のAlGaAs、GaInP、InGaAs
P、およびAlGaInPなどの他の材料でも良い。
【0071】以上の実施形態においては、{100}面
を主面とする基板を用いたが、任意の適切な面方位を有
する基板を用い得る。例えば、基板面としては、{n1
1}A,B面(n=1,2,3,4・・・)、および{1
10}面など、またはこれらの面を任意の方向に2〜1
5°傾斜させた面などが挙げられる。
【0072】以上のように、本発明の化合物半導体層の
形成方法によれば、V族元素として窒素と砒素とを両方
含むIII−V族半導体材料の結晶成長温度を従来よりも
高く(600℃以上、750℃以下に)することが出来
る。このように結晶成長温度を高くしても窒素の取り込
みが十分に生じ、良好な結晶性、特に良好な発光特性を
有する結晶を成長させることが可能となる。特に、結晶
性の良いAlGaAs、GaInP、InGaAsP、
AlGaInPを成長するのに適した温度範囲と同等の
高温にしても窒素の取り込み(窒素混晶比)が低下せず、
V族元素として窒素と砒素とを両方含むIII−V族半導
体材料の上および/または下にAlGaAsを備えた多
層膜構造を作製するのに適する。また、基板表面に反応
性の高いAlが存在する為、基板表面での窒素化合物原
料の分解反応を利用して窒素を取り込む場合、窒素原料
の分解効率、取り込み効率が著しく向上する。
【0073】なお、上記の作用および効果は、作製しよ
うとするGaAsN層に少量のAlを添加した場合にの
み見られた。他のIII族元素であるインジウム(In)、
他のV族元素であるリン(P)またはアンチモン(Sb)を
添加しても、本発明のようにAlを添加した場合のよう
な特別な作用および効果は見られなかった。さらに、A
lとInとの同時添加は、蒸気圧が高く熱的に蒸発しや
すいInの熱的な蒸発を抑制する効果も同時に生じるの
で、Inを含む混晶系におけるIn組成の精密な制御を
行う場合に都合が良い。
【0074】(実施形態15)本実施形態は、図1と同様
に、GaAs基板1の上に、CBE(ケミカルビームエ
ピタキシー)法を用いて、層厚約0.5μmのAl0.3
0.7As下部バリア層2、層厚約7nmのAl0.05
0.950.05As0.95井戸層(発光層)3、および層厚約
0.1μmのAl0.3Ga0.7As上部バリア層が積層さ
れた単一量子井戸構造を有する多層膜10を結晶成長さ
せたものである。
【0075】以下に本実施形態の化合物半導体層の形成
方法を説明する。従来の方法との違いは、適正量のAl
原料を含むIII族原料を供給する工程、III族面へ窒素原
料を供給する工程、および砒素原料を供給する工程を一
周期のプロセスとし、そのプロセスを複数回繰り返すこ
とによって結晶成長を行っている点にある。
【0076】TMGa(トリメチルガリウム)、AsH
3(アルシン)、NH3(アンモニア)、そしてTMAl(ト
リメチルアルミニウム)を備えたCBE装置を用いて、
チャンバ内にこれらの原料を供給し、{100}面を主
面とするGaAs基板1の温度を600℃に保持しなが
ら、この基板1の上に結晶を成長させて、図1と同様の
構造を有する上記の単一量子井戸構造を作製した。この
CBE法による結晶成長時の分子線強度として、TMG
aは約3.5×10-7torrとし、TMAlはバリア
層2および4の成長時には約1.5×10-7torr、
井戸層3の成長時には約1.8×10-8torrとし、
AsH3は約8.0×10-6torrとし、そしてNH3
は約1.0×10-5torrとした。
【0077】この結晶成長工程において、バリア層2お
よび4であるAlGaAsを結晶成長させる際には必要
な原料をすべて同時に供給した。これに対して、井戸層
3であるAlGaNAs層を結晶成長させる際には、図
6に示すシーケンスで原料を交互に供給した。この原料
を交互に供給する工程は、Al原料を含むIII族原料を
供給する工程A、III族面へ窒素原料を供給する工程
B、および砒素原料を供給する工程Cを一周期のプロセ
スとしている。
【0078】図6(a)〜(d)は、それぞれの原料ガスを
供給するタイミングチャートを示す。全ての原料を同時
に供給しながら下バリア層2を成長させた後、交互に原
料を供給し始めた。まず工程AにてTMGaとTMAl
を2秒間供給し、III族終端面を形成した。次に工程B
にてNH3を3秒間供給して部分的に窒化した。続い
て、工程CにてAsH3を2秒間供給し、AlGaAs
Nの1分子層を形成する。これらの工程A〜Cを1周期
のプロセスとし、このプロセスを適当な回数だけ繰り返
すことにより、所定の層厚のAlGaNAs層(井戸層)
3を得た。その後、全ての原料を同時に供給しながら上
バリア層4を成長させた。
【0079】以上のようにして、GaAs基板1上にA
0.3Ga0.7As下部バリア層2、Al0.05Ga0.95
0.05As0.95井戸層(発光層)3、およびAl0.3Ga0.7
As上部バリア層4を順次結晶成長させた。この多層膜
10の発光層3におけるアルミニウムの混晶比は0.0
5であり、窒素混晶比は0.05であった。井戸層3を
構成するAl0.05Ga0.950.05As0.95の組成は、G
aAs基板に対して、−1%の引っ張り歪を有する組成
である。
【0080】このように作製された試料の室温でのフォ
トルミネッセンスの発光強度を測定した結果、良好な発
光特性を有するAlGaAs/AlGaNAs/AlG
aAs量子井戸が作製されていることがわかった。従来
のようにAlを添加しないで本実施形態と同様の方法に
より同程度に窒素が混晶化されるように窒素原料を供給
したAlGaAs/GaNAs/AlGaAs量子井戸
を作製したところ、その窒素の取り込み量は、本実施形
態に比べて一桁程度低いものであった。さらに、本実施
形態で得られた多層膜には発光波長、強度の不均一はな
く、発光強度が強く、結晶表面のモホロジーも極めてス
ムースであった。
【0081】本実施形態では、全ての原料を同時に供給
した上記の実施形態1〜14と異なり、III族原料、窒
素原料、および砒素原料を順次、それぞれ単独で供給し
ている。これは、Alを含むIII族元素が基板最表面に
現われている時に窒素原料であるNH3を供給すると、
NH3の熱分解が促進されることを積極的に利用した成
長方法であり、窒素の取り込み効率が特に高くなる。こ
の窒素の取り込み効率が特に高くなることを、図6を参
照しながら、以下にさらに詳しく説明する。
【0082】まず、図6の工程Aで、合計が1原子層分
以下のGaとAlとを供給することができるTMGaと
TMAlとを同時に照射する。この時に供給されるIII
族原子は1原子層分以下であればその量は任意である
が、III族原料としてTMGaやTMAlなどの有機金
属化合物を用いていれば、III族元素1原子層分だけの
成長で成長が自己停止する原子層エピタキシーのモード
を使うこともできる。次に、工程BでNH3を供給す
る。この工程Bで供給するNH3は、固相比5%(混晶比
z=0.05)となる分だけ窒素が取り込まれるよう
に、供給時間を制御する。このように、活性なAlを含
むIII族原子が基板表面に露出している状態でNH3を供
給すると、表面反応によりNH3の吸着/分解が促進さ
れる。仮に、このNH3の供給と同時にAsH3を供給す
ると、NH3よりも分解温度が低くて吸着しやすいAs
原子で基板表面が素早く覆われて、NH3の表面分解反
応の確率が低下する。工程CでAsH3を単独で供給
し、基板表面の窒素が吸着していないIII族原子を砒素
によって終端する。この工程Cで供給されるAsH3
0.95原子層分以上の供給量であるが、Asは基板表
面の窒素原子と結合していないIII族原子にだけ吸着
し、それ以上の余分なAsは反応すべきIII族原子がな
いために吸着しないまま脱離する。工程Bで、先に化学
吸着した窒素原子は、Ga−N結合およびAl−N結合
の結合エネルギーが非常に大きいことから、後から供給
されるAs原子と置換されることはない。A〜Cの工程
を1サイクル実行するごとに1分子層以下のAlGaA
sN層が形成される。厚膜を成長する場合にはこのサイ
クルを複数回繰り返せば良い。
【0083】V族元素として砒素と窒素とを含む化合物
(例えばGaAsN)を結晶成長する場合、砒素化合物
(GaAs)と窒素化合物(GaN)とに相分離しやすく、
均一に砒素と窒素とが混じり合った結晶を成長させるの
は困難である。しかし、本実施形態のように砒素原料と
窒素原料とをタイミングをずらして供給すると、それぞ
れの砒素原子と窒素原子の吸着サイトの干渉および競合
が生じず、砒素と窒素とがランダムに混じり合った結晶
が作製される。すなわち、アルミニウム原料を添加して
作った活性なIII族原子が露出している表面に窒素原料
だけを供給することにより、窒素原料の分解効率、取り
込み効率を著しく向上させるとともに、砒素原子との吸
着サイトの競合を生じさせない。
【0084】本実施形態においては、上記の作用を鑑み
ると、基板の面方位に関してはIII族面とV族面とを交
互に露出することができる{100}面および{10
0}面を任意の方向に2〜15°程度傾斜させた面が望
ましい。
【0085】本実施形態では、供給する原料の量を単位
時間当たりの供給量と供給時間とで制御したが、反射高
速電子線回折(RHEED)の振動の位相をモニターしな
がら原料の供給シーケンスを制御すれば、原料の供給量
がより精度よく制御できるようになることは言うまでも
ない。さらに、各原料の供給後に、残留原料を追い出す
ために待ち時間(原料を全く供給しない時間)を設けても
良い。特に、単位時間当たりの供給量が比較的多いV族
原料の供給後に待ち時間を設けるのが好ましい。
【0086】本実施形態においては、AlGaAs/A
lGaNAs/AlGaAs構造を作製した例について
説明したが、上下バリア層は、GaAsを含む他のAl
混晶比のAlGaAs、GaInP、InGaAsP、
およびAlGaInPなどの他の材料でも良いことは言
うまでもない。
【0087】(実施形態16)本実施形態においては、図
7に示すような発振波長1.3μmの半導体レーザ10
0を作製した。波長1.3μmは、石英系光ファイバー
の波長分散が極小となる波長であり、光ファイバーを用
いた光通信において重要な波長である。この半導体レー
ザ100は、n型GaAs基板(300μm)11と、こ
の上に積層配設されたn型GaAsバッファ層(0.5
μm)12、n型Al0.35Ga0.65As下クラッド層(1
μm)13、ノンドープAl0.05Ga0.95Asガイド層
(0.1μm)14a、ノンドープAl0.05Ga0.64In
0.310.015As0.985井戸層(+2%圧縮歪、6nm)1
5、ノンドープAl0.05Ga0.95Asガイド層(0.1
μm)14b、およびp型Al0.35Ga0.65As上クラ
ッド層(1μm)16と、上クラッド層16の上に配設さ
れたp型GaAsコンタクト層(0.5μm)17および
ポリイミド電流狭窄層18とこれらの積層構造体を挟む
AuGe電極金属19aおよびAuZn電極金属19b
とからなる。
【0088】以下に本実施形態の化合物半導体層の形成
方法を説明する。従来の方法との違いは、量子井戸層の
結晶成長時に適正量のAl原料を添加しながら作製して
いる点にある。
【0089】固体ソースのGa原料、In原料、Al原
料、およびAs原料、ならびにガスソースのNH3(アン
モニア)を備えたMBE装置を用いて、{100}面を
主面とするGaAs基板11の温度を600℃に保持し
ながら、この基板11の上に各原料の分子線を照射する
ことによって結晶を成長させて、バッファ層12、下ク
ラッド層13、ガイド層14a、井戸層15、ガイド層
14b、上クラッド層16、およびコンタクト層17が
積層された多層膜を作製した。ここで、ガスソースのN
3は、アルミナ触媒を用いたクラッキングを行って供
給した。伝導型制御のためのドーパントとして、固体S
iをSiドープ用に、固体BeをBeドープ用に用い
た。成長速度は0.5μm/時間とした。各層の成長時
には必要な原料をすべて同時に供給した。特に、井戸層
15であるAlGaInNAs層を作製する時にはAl
とNH3とを同時に供給した。
【0090】上記のようにMBE法により多層膜を結晶
成長した後、コンタクト層17、および上クラッド層1
6の一部を幅3μmのストライプ状にエッチング加工し
てリッジ型導波路構造とし、リッジ側面にはポリイミド
による電流狭窄層18を施し、上下に電極19aおよび
19bを形成して半導体レーザ100を作製した。
【0091】このようにして作製した半導体レーザ10
0は、室温において発振閾値電流20mA、波長1.3
μmでレーザ発振した。特性温度は180Kであった。
さらに、半導体レーザ素子は80℃、10mWにおける
エージング試験の結果、5000時間以上の安定走行が
確認された。
【0092】ところで、波長1.3μmで発光するGa
0.7In0.30.01As0.99井戸層へAlを混晶化する場
合、Alの混晶化に伴う禁制帯幅の拡大を打ち消して発
振波長を一定(1.3μm)に保つには、窒素とインジウ
ムの混晶比を増加させればよい。図8は、Alの混晶比
xと、1.3μmの波長を保つ為の窒素とインジウムの
混晶比の条件との関係を示すものである。図8より、例
えば、本実施形態のようにAl混晶比xが0.05の場
合には、Alを混晶化しない場合に対して窒素混晶比を
約1.36倍に増加させればよい。
【0093】本実施形態においては、Al0.35Ga0.65
Asをクラッド層にAl0.05Ga0. 95Asをガイド層に
用いた場合を一例にとって説明したが、クラッド層、ガ
イド層、障壁層は、GaAsを含む他のAl混晶比のA
lGaAsや、GaInP,InGaAsP,AlGa
InPなど、AlhGaiIn1-h-iAsj1-j(h≧0,
i>0,j≧0)で表現できる他の材料であっても、井
戸層のAlGaInNAsと同じ最適成長温度範囲に最
適成長温度があるので、本発明に用いることができる。
【0094】なお、実施形態16においては波長1.3μmで
発振する半導体レーザーについて説明したが、波長は1.
3μmに限定されるものではなく、1.2μm,1.55μmなど、
用途に応じて任意の波長を選択することが出来る。ま
た、ファブリペロー共振器を有する端面発光型半導体レ
ーザーについて説明したが、分布帰還型半導体レーザ
ー,分布反射型半導体レーザー,垂直共振器型面発光レー
ザー,発光ダイオード等も同様に構成することが可能で
ある。また、活性層の構成については、圧縮歪を有する
歪量子井戸型について説明したが、歪の方向,歪量につ
いて任意に選択することができる。また、バルク活性層
であっても、量子細線活性層,量子箱活性層であっても
良い。これらの半導体レーザをはじめとする半導体素子
構造の結晶成長方法としては、実施形態16に示した方法
に限定されるものではなく、実施形態1〜15、あるいは
実施形態17〜20に示される方法によっても同様の効果が
あることは言うまでもない。
【0095】(比較例15)図7中の井戸層15を、Al
を含まない材料であるGa0.7In0.30.01As 0.99
構成し、窒素の取り込みを行う為に成長温度を500℃
として結晶成させたこと以外は実施例16と同様にして
波長1.3μmで発振する半導体レーザを作製した。こ
の場合には、発振閾値は65mA、特性温度は105K
であり、本発明の実施例16の半導体レーザ素子よりも
特性の劣ったものであった。これは、井戸層にAlを含
まない場合には窒素の取り込みを行う為には結晶成長温
度をIII−V族化合物の成長温度としては低い温度にし
か設定できなかったことに起因する。これにより、井戸
層の結晶性が十分良好でなく、十分な光学利得が得られ
なかったと考えられる。
【0096】図9は、井戸層のAl混晶比が0.05で
ある実施形態16の半導体レーザと、井戸層のAl混晶
比を0,0.02,0.1,0.15,0.2,0.2
5としたこと以外は、実施形態16と同様の構成を有す
る半導体レーザの発振閾値電流をプロットした図であ
る。各半導体レーザにおいては、発振波長を1.3μm
に保つために、図8の関係に従って窒素とインジウムの
混晶比をそれぞれ調節した。なお、Al混晶比が0の素
子は、窒素の取り込みを行うために成長温度を500℃
として結晶成長させている。
【0097】一般に砒素化合物に窒素を混晶化する場
合、窒素の混晶比の増加に伴って結晶性が急激に悪化す
る。しかしながら本発明の方法に従って作製された素子
では、Al混晶比を0.02〜0.20の範囲で作製し
たものに関して、Al混晶比の増加とともに窒素混晶比
も増加しているにもかかわらず、Al混晶比0の素子よ
りも発振閾値電流の低下が見られた。特に0.02〜
0.10の範囲では、発振閾値電流が従来の半分以下と
なり、特に優れた半導体レーザが作製された。一方、A
l混晶比xが0.25である素子では、逆に従来よりも
発振閾値電流の増加が見られた。図8より、この素子で
はAl混晶比0の素子よりも井戸層の窒素混晶比が約3
倍に増加しており、窒素混晶比の増加に伴う結晶性の劣
化が生じているために素子特性が悪化する結果となっ
た。
【0098】(実施形態17)上部バリア層および下部バ
リア層の材料を、GaAs基板に格子整合するGa 0.51
In0.49Pとしたこと、ならびに基板温度を600℃に
したこと以外は実施形態1と同様にして、図1の構造を
有する多層膜を作製した。多層膜を成長させて形成する
間、基板温度を一定とした。
【0099】(実施形態18)上部バリア層および下部バ
リア層の材料を、GaAs基板に格子整合する(Al0.3
Ga0.7)0.5In0.5Pとしたこと、ならびに基板温度を
600℃にしたこと以外は実施形態1と同様にして、図
1の構造を有する多層膜を作製した。多層膜を成長させ
て形成する間、基板温度を一定とした。
【0100】(実施形態19)上部バリア層および下部バ
リア層の材料を、GaAs基板に格子整合するIn 0.43
Ga0.57As0.20.8としたこと、ならびに基板温度を
600℃にしたこと以外は実施形態1と同様にして、図
1の構造を有する多層膜を作製した。多層膜を成長させ
て形成する間、基板温度を一定とした。
【0101】上記の実施形態17〜19における単一量
子井戸において、Al0.05Ga0.950.015As0.085
戸層からのフォトルミネッセンス発光強度は、バリア層
をAlGaAs層とした実施形態1〜16と同程度の強
度であった。 (実施形態20)(100)面から[011]方向(A
方向)へ2,5,10,15,25度傾斜した結晶面を
表面に有するGaAs基板を用い、実施形態1と同じ結
晶成長方法及び結晶成長条件にて、実施形態1において
図1を参照しながら説明した多層膜10と同じ積層構造
を作製した。 (比較例16)(100)面から[011]方向(A方
向)へ55度傾斜した結晶面を表面に有するGaAs基
板を用い、実施形態1と同じ結晶成長方法及び結晶成長
条件にて、実施形態1において図1を参照しながら説明
した多層膜10と同じ積層構造を作製した。
【0102】実施形態20、比較例16における上記の
傾斜基板は、一般に(n11)A面(n=1,2,3,
・・・)と表され、例えば(100)面から[011]
方向(A方向)へ10度傾斜した結晶面は(811)A
面、25度傾斜した結晶面は(311)A面、55度傾
斜した結晶面は(111)A面に相当する。 (比較例17)(100)面から[0−11]方向(B
方向)へ2,5,10,15,25,55度傾斜した結
晶面を表面に有するGaAs基板を用い、実施形態1と
同じ結晶成長方法及び結晶成長条件にて、実施形態1に
おいて図1を参照しながら説明した多層膜10と同じ積
層構造を作製した。なお、上記の傾斜基板は、一般に
(n11)B面(n=1,2,3,・・・)と表され、
例えば(100)面から[0−11]方向(B方向)へ
10度傾斜した結晶面は(811)B面、25度傾斜し
た結晶面は(311)B面、55度傾斜した結晶面は
(111)B面に相当する。 (比較例18)(100)面から[011]方向(A方
向)へ2,5,10,15,25,55度傾斜した結晶
面を表面に有するGaAs基板を用い、比較例5と同じ
結晶成長方法及び結晶成長条件にて、実施形態1におい
て図1を参照しながら説明した多層膜10と同じ積層構
造を作製した。つまり、図1における井戸層3にはAl
が添加されていない。また、成長温度としてはAlが添
加されていない場合の最適温度である500℃を選んで
いる。
【0103】実施形態1,20、比較例5,16,1
7,18において作製した多層膜の、井戸層であるAl
0.05Ga0.95NzAs1-z層の窒素混晶比zの測定結果
を、図10に示す。窒素混晶比zは、多層膜のフォトル
ミネッセンス発光波長から見積もることができる。
【0104】[011]方向(A方向)へ2〜55度の
範囲で傾斜した基板の上に成長した実施形態20,比較
例16の場合、その傾斜角度の増加に応じて、傾斜して
いない基板の上に成長した実施形態1の場合に対して結
晶中の窒素混晶比が増加する(図10のH)。[0−1
1]方向(B方向)へ傾斜した基板の上に成長した比較
例17の場合、その傾斜角度の増加に応じて逆に結晶中
の窒素混晶比が減少する(図10のK)。これは、(1
00)面から[011]方向(A方向)に傾斜した基板
の表面には、III族原子(GaあるいはAl)で終端
した原子ステップ(Aステップ)が形成されていること
による。すなわち、ステップフローモードでの成長が生
じ、ステップ端に到達した未分解あるいは物理吸着状態
の窒素原料種は、ステップ端で活性なAl原子に出会う
確率が高くなり、よって分解・吸着が進み、結晶中に取
り込まれやすく。一方、[0−11]方向(B方向)に
傾斜した基板の表面には、V族原子(AsあるいはN)
で終端した原子ステップ(Bステップ)が形成される。
この時、ステップフローモードでの成長が生じ、ステッ
プ端に到達した未分解あるいは物理吸着状態の窒素原料
種は、ステップ端で活性なAl原子に出会う確率が非常
に低くなり、よってN原子が結晶中に取り込まれにくく
なる。実施形態1の場合の様に全く傾斜されていない
(100)面を用いた場合には、結晶最表面においてN
原子の取り込みが生じるキンクサイトは、その方向が制
御されていない為、Aステップである場合もあればBス
テップである場合もある。すなわち、N原子の取り込み
特性は、[011]方向(A方向)へ傾斜した基板の上
に成長した場合と、[0−11]方向(B方向)へ傾斜
した基板の上に成長した場合との中間となる。
【0105】一方、Alを含まない比較例18の場合に
も、A方向へ傾斜した場合に傾斜角度に伴って、傾斜し
ていない基板の上に成長した比較例5の場合に対してN
原子の取り込みが増加する傾向が見られた(図10の
L)。しかしながら、それはAlを含む実施形態20,
比較例18ほどには顕著なものではなかった。
【0106】このように、Alの添加による結晶中への
窒素の取り込み効率の向上に関しては、(100)面か
ら[011]方向(A方向)へ傾斜した基板を用いるこ
とによって、更にその効果を積極的に利用することがで
きることがわかった。この作用・効果は、結晶成長中の
表面に存在するAl原子によって窒素原料の利用効率が
高められる本願の構成に特有のものである。
【0107】一方、実施形態1,20、比較例5,1
6,17,18において作製した多層膜から構成される
単一量子井戸のフォトルミネッセンス発光強度の測定結
果を、図11に示す。
【0108】[011]方向(A方向)へ傾斜角度2度
から25度の範囲で傾斜した基板の上に成長した実施形
態20の場合、傾斜しない基板を用いた場合(実施形態
1)よりも発光強度が増加し、それ以上の傾斜角の場合
(比較例16)には発光強度が減少した(図11の
H)。[0−11]方向(B方向)へ傾斜した基板の上
に成長した比較例17の場合、傾斜角度2度から15度
の範囲において、傾斜しない基板を用いた場合(実施形
態1)と同等か微増程度であり、それ以上の傾斜角の場
合には発光強度が減少した(図11のK)。いずれの傾
斜方向においても、傾斜角度が比較的小さな範囲におい
て発光強度が増加するのは、成長がステップフローモー
ドとなっている為である。また、傾斜角度が大きくなる
と、もはや結晶面が(100)面からかけ離れ、スムー
スな表面を保ちながら結晶成長が進行するステップフロ
ー成長が得られなくなる。特に[011]方向に傾斜し
た場合においては、ステップ端のAl原子による膜中へ
の窒素の取り込み効率の増加と、窒素原料の利用効率が
向上した状態でのステップフローモードによる発光特性
の向上とを両立させることの出来る好ましい傾斜角度範
囲(2〜25度)が存在することがわかった。なお、A
lを含まない比較例18の場合にも、A方向へ傾斜した
場合、ある傾斜角度の範囲では傾斜しない基板を用いた
場合(比較例5)に対して発光強度が微増するものの、
Alを含む実施形態20と比較して大きく劣るものであ
った(図11のL)。
【0109】なお、本実施形態では(100)面から
[011]方向(A方向)へ2,5,10,15,2
5,55度傾斜した結晶面を表面に有する基板を用いた
場合について述べたが、これらと結晶学的に等価な結晶
面を表面に有する基板を用いた場合についても同じ作用
・効果が生じることは言うまでもない。また、(10
0)面から[011]方向に傾斜した結晶面について説
明したが、[011]方向から(100)面と平行な方
向に10度程度ずれた傾斜方向であっても、[011]
方向に傾斜した場合と同等の効果が得られる。
【0110】このように(100)面から[011]方
向へ傾斜した結晶面の上に、実施形態16と同様の積層
構造を行うことによって発光素子を作製すれば、より発
振閾値電流値の小さな高性能な光デバイスが構築できる
ようになる。 (実施形態21)これまでに示した実施形態によって作
製される、砒素と窒素とをV族組成に有する化合物半導
体層、あるいは化合物半導体デバイスを、応用システム
の作製に適用した。ここではその一例として、光通信シ
ステムに用いられる光送受信モジュールの作製に応用し
た場合について説明する。
【0111】図21に、作製した光送受信モジュール2
00の略図を示す。基地局から光ファイバー207を通
して送られてきた波長1.3μmの光信号は、a点から
光導波路203に結合され、光導波路203を導波す
る。Y分岐部206では導波されてきた光信号が50:
50に分岐され、一方がb点を通して受光用ディテクタ
ー部205に達し、送られてきた光信号が電気信号に変
換される。一方送信機能としては、半導体レーザ部20
2によって電気信号が光信号に変換され、c点を通して
導波路203に結合され、a点から光ファイバー207
へ送信される。出力モニター部204は、半導体レーザ
の光出力を後端からモニターするものである。
【0112】この光送受信モジュールを構成する送信用
半導体レーザ部202、受光用ディテクター部205、
送信用半導体レーザの出力モニター部204、光導波路
部203は一回の結晶成長により作製されており、それ
ぞれの微小素子がモノリシック集積されている。送信用
半導体レーザ部202、受光用ディテクター部205、
送信用半導体レーザの出力モニター部204の層構造
は、実施形態16で示したものと同一であり、量子井戸
活性層あるいはコア層の井戸層部に砒素と窒素に加えて
アルミニウムを含む半導体材料が用いられて高性能化さ
れている。光導波路部203は、上面からZnを拡散す
ることによってコア層の量子井戸構造を無秩序化し、波
長1.3μmの光に対して透明となるようにしている。
それぞれの微小素子は、ドライエッチングにより加工・
分離されている。
【0113】この光送受信モジュールでは、送信用半導
体レーザ部202、受光用ディテクター部205、送信
用半導体レーザの出力モニター部204の井戸層におい
て、砒素と窒素を含む半導体材料が用いられているが、
更にアルミニウムを含むことにより、半導体レーザ部に
おいては低消費電力化、ディテクター・モニター部にお
いては光-電気変換効率が大幅に向上しており、システ
ム全体の性能の向上をはかることができている。
【0114】上記においては光ファイバー通信システム
への応用について示したが、光ファイバーを用いない空
間光伝送システム、あるいは光によるセンサー機能を有
する光計測システム、レーザを利用した医療用機器など
の他の応用システムにおいて同様の構成が可能であり、
同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0115】上記全ての実施形態において、Ga原料、
In原料、Al原料、およびAs原料としては、任意の
適切な原料を使用し得る。例えば、Ga原料としては、
金属Ga、TMGaおよびTEGa(トリエチルガリウ
ム)などの有機金属化合物、ならびにGaCl3などの塩
化物などが挙げられる。In原料としては、金属In、
およびTMInなどの有機金属化合物などが挙げられ
る。Al原料としては、金属Al、およびTMAlなど
の有機金属化合物などが挙げられる。As原料として
は、金属Asから得られるAs4およびAs2、TMAs
(トリメチルアルシン)などの有機金属化合物、ならびに
AsH3などの水素化物などが挙げられる。
【0116】さらに上記実施形態においては、窒素原料
としてジメチルヒドラジン及びアンモニアを用いた結果
について示したが、Alを含む活性な結晶表面で原料の
分解が促進される効果は
【0117】
【化3】 で表すことができるアンモニアおよびその有機化合物、
または
【0118】
【化4】 で表すことができるヒドラジンおよびその有機化合物な
どの他の窒素原料についても同様に得られる。ここで、
1、R2、R3、およびR4は水素または低級アルキル基
である。なお、ラジカル励起された窒素原子を含む窒素
化合物を窒素原料を用いても良い。本発明によれば、こ
れらの原料を用いても従来よりも高温で結晶成長させ、
窒素原子を効率良く導入することができる。また、供給
原料がIII族元素としてインジウム(In)、V族元素と
してリン(P)を含んでいても良い。特にInは蒸気圧が
高く熱的に蒸発しやすい為、AlとInの同時添加は、
Inの熱的な蒸発を抑制する効果も同時に有するので都
合が良い。
【0119】上記の実施形態においては、III族元素と
してGa、In、およびAl、ならびにV族元素として
AsおよびNを適宜含んだ化合物半導体について示した
が、その他のIII族元素(Bなど)、V族元素(Sbおよび
Pなど)、および不純物元素(Zn,Be,Mg,Te,
S,Se,Siなど)が適宜含まれていても良い。
【0120】上記全ての実施形態において、基板材料と
してGaAsを用いた場合について一例を示してきた
が、基板材料はGaAsに限定されるものではなく、別
の基板材料を用いても同様の効果が得られる。例えばI
nGaAs基板などのその他のIII−V族化合物半導体
基板、ZnSe,ZnS基板などのII−VI族化合物半導体基
板、Ge基板などのIV族半導体基板を用いることができ
る。
【0121】またさらに、上記の実施形態においては、
結晶成長の方法についてMBE法およびCBE法につい
て述べたが、MO−MBE(有機金属分子線エピタキシ
ー)法、GS−MBE(ガスソースMBE)法、MOCV
D法、ハイドライドVPE法、およびクロライドVPE
法などを用いても同様の効果が得られる。
【0122】本明細書を通じて、用語「上」は基板から
離れる方向を示し、用語「下」は基板へ近づく方向を示
すものとする。「下」から「上」の方向へ向かって結晶
成長が進行する。
【0123】本発明は上記の実施形態に示した結晶組
成、バンドギャップ波長、ヘテロ接合の組み合わせに限
定されることなく、他の組成、バンドギャップをもつV
族元素として窒素(N)と砒素(As)とを両方含むIII−
V族化合物半導体混晶の作製に対して適用することが可
能であることは言うまでもない。
【0124】更には、窒素(N)と燐(P)とを両方含む結晶
の場合、窒素(N)とアンチモン(Sb)とを両方含む結晶の
場合においても、アルミニウムの添加による本願と同様
の作用・効果が期待できることは容易に予想できる範囲
である。また、本発明は成長層が基板結晶に格子整合す
る場合に限定されるものではなく、例えば半導体レーザ
の歪量子井戸構造など、結晶欠陥を誘発するものでなけ
れば格子不整を有する混晶比であっても良い。
【0125】上記の全ての実施形態において説明した結
晶成長方法、多層膜構造の構成については、半導体レー
ザ、発光ダイオードなどの発光装置のみならず、トラン
ジスタ等を含めた任意の半導体装置の製造に用いること
が可能であることは言うまでもない。また、そのように
して製造された半導体装置を用いて応用システムを構築
することにより、応用システムの性能を大きく向上させ
ることができる。特に半導体レーザの活性層に用いた場
合に、高い信頼性、低閾値電流、高温動作時の特性劣化
の低減が実現でき、光ファイバー通信システム、空間光
伝送システム、光計測システムなどの応用システムにお
ける低消費電力化を実現することが出来る。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、V族元素の砒素を含む
III−V族化合物半導体に窒素を混晶化したIII−V族化
合物半導体材料において、良好な発光特性を有する結晶
を作製することができる化合物半導体層の形成方法を提
供することができる。より詳細には、AlGaAsなど
の最適な結晶成長温度と同じ程度まで成長温度を高くし
ても、十分な量の窒素を混晶化することができる。
【0127】更には活性なアルミニウムによって分子状
窒素原料の表面分解が促進されて窒素原料の利用効率が
向上する。
【0128】従って、半導体レーザをはじめとする発光
デバイスの構造を作製するのに都合の良い化合物半導体
層の形成方法を提供することができる。さらに、本発明
の化合物半導体層の形成方法を化合物半導体装置の製造
に適用することにより、優れた特性をもつ化合物半導体
装置が提供される。特に、発光デバイスの発光層として
用いるのに十分な結晶性、発光特性を有する化合物半導
体膜を得ることができ、発光特性、発光効率、素子寿命
に優れたデバイスが得られるようになる。また、本願に
よって得られる化合物半導体装置を用いて応用システム
を構築することにより、システムの性能を向上させるこ
とが出来る。特に本願によって得られる発光デバイスを
用いて光通信システム、光計測システムを構築すること
により、システムにおける低消費電力化、製造コストの
低減を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1〜15および17〜19、ならびに
比較例1〜14において作製した単一量子井戸の構成を
示す断面模式図である。
【図2】実施形態1〜5および比較例1において、一定
の成長温度、原料供給条件で結晶を作製した井戸層の窒
素混晶比のAl混晶比依存性を示す図である。
【図3】一定の原料供給条件で結晶を作製した井戸層の
窒素混晶比の成長温度依存性を示す図であり、(a)はA
l原料を含む実施形態1、6〜9ならびに比較例2およ
び3のプロット、(b)はAl原料を含まない比較例4〜
7のプロットである。
【図4】窒素を1%混晶化(z=0.01)した結晶のフ
ォトルミネッセンス発光強度の成長温度依存性を示す図
であり、(a)はAl原料を含む実施形態10〜14なら
びに比較例8および9のプロット、(b)はAl原料を含
まない比較例10および11のプロットである。
【図5】実施形態1および比較例12〜14において、
As以外の原料の供給や成長温度を一定に保ったまま、
Asの供給量が変化した場合の膜中に取り込まれる窒素
濃度の変化を示す図である。
【図6】実施形態15における井戸層形成時の原料供給
シーケンスを示す図である。
【図7】実施形態16において作製した半導体レーザの
構造を示す、レーザ出射端面方向から見た断面模式図で
ある。
【図8】1.3μm波長で発光する半導体レーザのAl
GaInNAs井戸層における、Al、N、およびIn
の混晶比の関係を示す図である。
【図9】実施形態16において作製した半導体レーザの
発振閾値電流の、井戸層におけるAl混晶比依存性を示
す図である。
【図10】実施形態1,20および比較例5,16,1
7,18において作製した井戸層の窒素混晶比zの基板
の傾斜角度依存性を示す図である。図中にHとして示し
た黒丸でのプロットは、実施形態1(傾斜角度0°),
実施形態20(傾斜角度2〜25°)および比較例16
(傾斜角度55°)のプロットである。また、Kとして
示した白ぬき四角形でのプロットは、比較例17のプロ
ットである。また、Lとして示した白ぬき三角形でのプ
ロットは、比較例5(傾斜角度0°)及び比較例18
(傾斜角度2〜55°)およびのプロットである。
【図11】実施形態1,20および比較例5,16,1
7,18において作製した多層膜のフォトルミネッセン
ス発光強度の基板の傾斜角度依存性を示す図である。図
中にHとして示した黒丸でのプロットは、実施形態1
(傾斜角度0°),実施形態20(傾斜角度2〜25
°)および比較例16(傾斜角度55°)のプロットで
ある。また、Kとして示した白ぬき四角形でのプロット
は、比較例17のプロットである。また、Lとして示し
た白ぬき三角形でのプロットは、比較例5(傾斜角度0
°)及び比較例18(傾斜角度2〜55°)およびのプ
ロットである。
【図12】実施形態21において作製した光送受信モジ
ュールを示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部バリア層 3 井戸層 4 上部バリア層 10 多層膜 11 基板 12 バッファ層 13 下クラッド層 14a、14b ガイド層 15 井戸層 16 上クラッド層 17 コンタクト層 18 電流狭窄層 19a、19b 電極金属 100 半導体レーザ 200 光送受信モジュール 201 基板 202 半導体レーザ部 203 光導波路部 204 出力モニター部 205 受光部 206 Y分岐部 207 光ファイバー 208 無反射コーティング膜 209 電極パッド

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶基板上に、V族元素として少なく
    とも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層を
    結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結晶
    成長させる工程が、 窒素原料とともにアルミニウム原料を同時に該単結晶基
    板上に供給する工程を包含する、化合物半導体層の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 単結晶基板上に、V族元素として少なく
    とも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層を
    結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結晶
    成長させる工程が、 該化合物半導体層の結晶表面にアルミニウムを含むIII
    族原子が露出された状態で、該表面に窒素原料を供給す
    る工程を包含する、化合物半導体層の形成方法。
  3. 【請求項3】 単結晶基板上に、V族元素として少なく
    とも窒素および砒素を含むIII−V族化合物半導体層を
    結晶成長させる工程を包含し、該化合物半導体層を結晶
    成長させる工程が、 窒素原料がアルミニウムと、少なくとも該化合物半導体
    層の結晶成長表面で相互作用するように、該単結晶基板
    上に窒素原料を供給する工程を包含する、化合物半導体
    層の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記化合物半導体層におけるIII族元素
    中のアルミニウムの混晶比は0.02以上である、請求
    項1から3のいずれかに記載の化合物半導体層の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記化合物半導体層を結晶成長させる工
    程は、前記単結晶基板の温度が500℃以上、750℃
    以下の範囲内で行われる、請求項1から4のいずれかに
    記載の化合物半導体層の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記窒素原料は、 【化1】 を含み、ここで、R1、R2、R3、およびR4は水素また
    は低級アルキル基である、請求項1から5のいずれかに
    記載の化合物半導体層の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記化合物半導体層の結晶成長表面にお
    けるV族原子の被覆率は0%より大きく、50%未満で
    ある、請求項1から6のいずれかに記載の化合物半導体
    層の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記化合物半導体層を結晶成長させる工
    程は、アルミニウムを含むIII族原料を供給する工程
    と、砒素原料を供給する工程をさらに包含し、該III族
    原料を供給する工程と、前記窒素原料を供給する工程
    と、該砒素原料を供給する工程とを順に含むプロセスを
    1回以上繰り返して行われる、請求項3から7のいずれ
    かに記載の化合物半導体層の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記単結晶基板が{100}面を主面と
    する、請求項8に記載の化合物半導体層の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記単結晶基板上にAlhGaiIn
    1-h-iAsj1-j(h≧0,i>0,j≧0)からなる層
    を結晶成長させる工程をさらに包含し、前記化合物半導
    体層を結晶成長させる工程と、該AlhGaiIn1-h-i
    Asj1-jからなる結晶を成長させる工程とが、同じ温
    度下で行われる、請求項1から9のいずれかに記載の化
    合物半導体層の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記化合物半導体層を結晶成長させる
    工程が、該AlhGaiIn1-h-iAsj1-jからなる層
    を結晶成長させる工程の後に行われる、請求項10に記
    載の化合物半導体層の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記化合物半導体層を結晶成長させる
    工程が、該AlhGaiIn1-h-iAsj1-jからなる層
    を結晶成長させる工程の前に行われる、請求項10に記
    載の化合物半導体層の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物半導体層がインジウムをさ
    らに含む、請求項1から12のいずれかに記載の化合物
    半導体層の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記単結晶基板の表面は(100)面
    から[011]方向(A方向)に傾斜した結晶面、ある
    いはそれと結晶学的に等価な結晶面であることを特徴と
    する請求項1から13のいずれかに記載の化合物半導体
    層の形成方法。
  15. 【請求項15】 前記の傾斜の角度は、2度以上25度
    以下の範囲にあることを特徴とする請求項14に記載の
    化合物半導体層の形成方法。
  16. 【請求項16】 III族元素として少なくともアルミ
    ニウムを含み、V族元素として少なくとも窒素および砒
    素を含むIII−V族化合物半導体層を少なくとも1層
    含んでなる、化合物半導体装置。
  17. 【請求項17】 前記化合物半導体装置は少なくとも発
    光層を有する発光素子であり、該発光層が前記化合物半
    導体層を含む、請求項16に記載の化合物半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記発光層はAlxGayIn1-x-yz
    As1-z(0<x,y,z<1)からなり、該発光層にお
    けるAlの混晶比xは、0.02以上、0.20以下で
    ある、請求項17に記載の化合物半導体装置。
  19. 【請求項19】 前記発光素子は、AlhGaiIn
    1-h-iAsj1-j(h≧0,i>0,j≧0)からなるク
    ラッド層、ガイド層、および/または障壁層をさらに有
    する、請求項17または18に記載の化合物半導体装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項16乃至19のいずれかに記載
    された化合物半導体装置を搭載してなることを特徴とす
    るシステム。
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