JP2002353502A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP2002353502A JP2001155979A JP2001155979A JP2002353502A JP 2002353502 A JP2002353502 A JP 2002353502A JP 2001155979 A JP2001155979 A JP 2001155979A JP 2001155979 A JP2001155979 A JP 2001155979A JP 2002353502 A JP2002353502 A JP 2002353502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 InGaAlP系の4元系化合物半導体を用
いて黄色から緑色のような波長の短い光を発光する場合
でも、効率良く発光させると共に発光する光を吸収させ
ないことにより、発光特性の優れた半導体発光素子を提
供する。 【解決手段】 半導体基板1の上に、InGaAlP系
化合物半導体からなり、活性層4をその活性層4よりバ
ンドギャップの大きいn形クラッド層3およびp形クラ
ッド層5により挟持する発光層形成部11が設けられ、
その発光層形成部11上にウインドウ層6が設けられて
いる。このp形クラッド層5が、活性層4側の0.05
〜0.2μm厚だけIn0.49(GaxAl1-x0.51
(0≦x≦0.15)からなる第1層5aと、残部がI
0.49(GayAl1-y0.51P(0.2≦y≦1)から
なる第2層5bとからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、InGaAlP系
の4元系化合物半導体からなり、黄色から緑色の赤色よ
り短い波長の光を発光させる半導体発光素子に関する。
さらに詳しくは、活性層に効率良くキャリアを蓄えなが
ら、クラッド層の電気抵抗を下げることにより、一定の
入力に対して取り出す光の割合を大きくすることができ
る発光特性の優れた半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の赤色系の半導体発光素子は、たと
えば図5に示されるような構造になっている。すなわ
ち、図5において、n形GaAsからなる半導体基板2
1上に、たとえばn形のInGaAlP系の半導体材料
からなるn形クラッド層22、クラッド層よりバンドギ
ャップが小さくなる組成のInGaAlP系の半導体材
料からなる活性層23、p形のInGaAlP系の半導
体材料からなるp形クラッド層24がそれぞれエピタキ
シャル成長され、ダブルヘテロ構造の発光層形成部31
が形成されている。このp形クラッド層24は、たとえ
ば国際公開公報WO97/45881号公報に示されて
いるように、少なくとも活性層23側のキャリア濃度を
小さくすることが、活性層23へのドーパント拡散を防
止して発光効率向上に寄与することが知られている。
【0003】さらにその表面にAlGaAs系化合物半
導体(たとえばAlの混晶比率0.7)からなるp形の
ウインドウ層(電流拡散層)25が設けられ、その上に
ウインドウ層25よりAlの混晶比率の小さいAlGa
As系化合物半導体(たとえばAlの混晶比率0.5)
からなる保護層26が設けられている。そして、その表
面の中央部にGaAsからなるコンタクト層27を介し
てp側電極28および半導体基板の裏面にn側電極29
が形成されている。この保護層26は、Alの混晶比率
の大きいAlGaAs系化合物半導体が表面に露出して
いると、外部からの水分などによりAlが腐食しやす
く、信頼性が低下するため、それを防止するために設け
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】赤色から橙色程度の発
光色に対しては、前述のようにInGaAlP系の4元
系化合物半導体により発光層形成部が構成され、緑色系
にはGaP系化合物半導体が用いられていた。しかし、
GaP系化合物半導体は結晶性が劣り、結晶性の優れた
InGaAlP系の4元系化合物半導体を用いることが
現在検討されている。しかし、黄色から緑色系で発光さ
せるためには、活性層のバンドギャップを大きくする必
要があり、前述のInGaAlP系化合物において、活
性層のGaの混晶比率を、赤色の0.8〜1から0.55
〜0.8程度にしなければならない。このように、活性
層のバンドギャップが大きくなると、その活性層をサン
ドイッチするクラッド層のInGaAlP系化合物にお
けるGaの混晶比率が、従来の赤色系の場合における
0.3〜0.5程度では、充分にキャリアを活性層に閉じ
込めることができず、発光効率が低下しやすいという問
題がある。しかし、クラッド層のバンドギャップを大き
くするため、Gaの混晶比を0.3より小さくすると、
ドーパントを採り込み難くなり、キャリア濃度を充分に
上げることができず、電極間の直列抵抗が増大し、同じ
入力に対する出力、すなわち発光効率が低下するという
問題がある。
【0005】また、黄色から緑色の短波長の発光素子で
は、表面に設けられる保護層として用いる、Alの混晶
比が0.5程度のAlGaAs系化合物半導体では、発
光する光を吸収し、さらに発光効率が低下するという問
題がある。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、InGaAlP系の4元系化合物半導体を用
いて黄色から緑色のような波長の短い光を発光する場合
でも、効率良く発光させると共に発光する光を吸収させ
ないことにより、発光特性の優れた半導体発光素子を提
供することを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、半導体積層部の露出
面に短い波長の光に対しても吸収せず、かつ、信頼性の
高い保護層を設けることにより、外部微分量子効率を高
くしながら信頼性の高い半導体発光素子を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、InGa
AlP系化合物半導体を用いて黄色や緑色などの波長の
短い光を発光させる場合に、赤色などに比べて発光効率
が低下しないようにするため鋭意検討を重ねた結果、活
性層とクラッド層との間のバンドギャップ差が小さくな
り、充分にキャリアを活性層に閉じ込めることができ
ず、また、クラッド層にInAlPなどのバンドギャッ
プの大きい材料を用いるとp形クラッド層のキャリア濃
度を充分にあげるこができず、内部微分量子効率が低下
することに原因があることを見出した。そして、p形ク
ラッド層の活性層側の一部のみにGaの混晶割合が0ま
たは非常に小さいInGaAlP系化合物半導体を用い
ることにより、キャリアの閉込めが充分に行われ、かつ
抵抗損も殆ど生じないで良好な発光特性が得られること
を見出した。ここにInGaAlP系化合物半導体と
は、In0.49(GaaAl1-a0.51Pで表わされるaが
0から1まで変化し得る化合物で、GaAsとほぼ格子
整合し得る化合物半導体を意味する。
【0009】本発明による半導体発光素子は、半導体基
板と、該半導体基板の上に設けられ、InGaAlP系
化合物半導体からなり、活性層を該活性層よりバンドギ
ャップの大きいn形クラッド層およびp形クラッド層に
より挟持する発光層形成部と、該発光層形成部上に設け
られるウインドウ層とからなり、前記p形クラッド層が
前記活性層側の0.05〜0.2μm厚だけIn0.49(G
xAl1-x0.51P(0≦x≦0.15)からなり、残
部がIn0.49(GayAl1-y0.51P(0.2≦y≦
1)からなっている。
【0010】この構造にすることにより、p形クラッド
層の活性層側にGaの混晶比が0か殆ど0に近いバンド
ギャップの大きいIn0.49(GaxAl1-x0.51P(0
≦x≦0.15)半導体層が設けられているため、キャ
リアを活性層に充分に閉じ込めることができる。しか
も、In0.49(GaxAl1-x0.51P(0≦x≦0.1
5)半導体層が設けられる厚さは、0.05〜0.2μm
に限定されているため、キャリア濃度を大きくできない
半導体材料であることに関しては、殆ど影響を生じな
い。すなわち、とくにp形クラッド層の活性層側のキャ
リア濃度が大きいと、製造工程中などにp形クラッド層
のドーパントが活性層中に拡散して発光効率が低下する
ことが知られており、従来の赤色系発光素子用にInG
aAlP系化合物半導体により製造される場合でも、活
性層側のキャリア濃度を低くすることが行われる場合が
あり、活性層側のキャリア濃度を低くすることはむしろ
好ましい。そのため、この層をp形クラッド層厚の1/
10以下程度の厚さに抑えることにより、ドーパントの
活性層側への拡散防止とキャリア閉込めの効果の両方が
得られ、抵抗の増大には殆ど結びつかず、高い発光効率
に寄与する。
【0011】前記ウインドウ層がAlvGa1-vAs
(0.5≦v≦0.8)からなり、該ウインドウ層上にA
uIn1-uP(0.35≦u≦0.51)からなる保護層
が設けられることが好ましい。すなわち、AluIn1-u
P(0.35≦u≦0.51)は、AlGaAs系化合物
半導体よりバンドギャップが大きく、Alの混晶比が
0.35程度になっても緑色程度の光を吸収することな
く透過させながら、Alの混晶比が0.51のときに4
元系化合物半導体と格子定数を一致させることができる
関係にあり、0.35程度になっても、格子定数のズレ
はそれほど大きくなく、格子不整合の問題は発生しな
い。その結果、光を全然減衰させることなく、水分など
の浸入に対して安定した信頼性の高い半導体発光素子と
なる。
【0012】前記活性層が、In0.49(GazAl1-z
0.51P(0.55≦z≦0.8)からなり、赤色より波長
の短い発光をする半導体発光素子の場合に、とくに効果
が大きい。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明による半導体発光
素子について、図面を参照しながら説明をする。本発明
による半導体発光素子は、図1にその一実施形態の断面
説明図が示されるように、半導体基板1の上に、InG
aAlP系化合物半導体からなり、活性層4をその活性
層4よりバンドギャップの大きいn形クラッド層3およ
びp形クラッド層5により挟持する発光層形成部11が
設けられ、その発光層形成部11上にウインドウ層6が
設けられている。このp形クラッド層5が、活性層4側
の0.05〜0.2μm厚だけIn0.49(GaxAl1-x
0.51P(0≦x≦0.15)からなる第1層5aと、残
部がIn0.49(GayAl1-y0.51P(0.2≦y≦
1)からなる第2層5bとからなっている。
【0014】発光層形成部11は、たとえばIn
0.49(GayAl1-y0.51P(0.2≦y≦0.5、たと
えばy=0.33)からなるn形クラッド層3が0.1〜
2μm程度、たとえば570nm程度の発光波長とする
In0.49(GazAl1-z0.51P(0.55≦z≦0.
8、たとえばy=0.74)からなる活性層4が0.1〜
2μm程度、In0.49(GaxAl1-x0.51P(0≦x
≦0.15、たとえばx=0)からなるp形クラッド層
の第1層5aが0.05〜0.2μm程度と、たとえばI
0.49(GayAl1-y0.51P(0.2≦y≦0.5、た
とえばy=0.33)からなるp形クラッド層の第2層
5bが0.1〜2μm程度それぞれ成長されて形成され
ている。
【0015】本発明では、図1に示される例のように、
p形クラッド層5が、たとえばIn 0.49Al0.51Pから
なる第1層5aと、たとえばIn0.49(Ga0.33Al
0.67 0.51Pからなる第2層5bとからなっていること
に特徴がある。すなわち、前述のように、本発明者ら
は、InGaAlP系化合物半導体を用いて、黄色から
緑などの短波長の光を発光させる発光素子の発光効率を
向上させるため鋭意検討を重ねた結果、p形クラッド層
でのキャリア閉込め効率が低下することに原因があり、
一方で、p形クラッド層5の全体をInAlPで構成す
ると、キャリア濃度を5×1017cm-3より高くするこ
とができず、同様に発光効率を向上させることができな
かった。そこで、本発明者らは、p形クラッド層5を活
性層4側のIn0.49Al0.51Pからなる第1層5aとウ
インドウ層6側のIn0.49(Ga0.33Al0.670.51
からなる第2層5bとで構成し、第1層5aの厚さおよ
びキャリア濃度を種々変更して発光効率の変化を調べ
た。
【0016】図2は、第2層5bのキャリア濃度を常に
1×1018cm-3程度、厚さを0.5μm程度とし、第
1層5aのキャリア濃度を3×1016cm-3程度とし、
その厚さを種々変更したときの同じ入力に対する発光強
度(任意単位)を調べた結果を示す図である。図2から
明らかなように、半導体層のバンドギャップが現れる程
度の厚さ、すなわち0.05μm程度形成すれば、発光
強度が向上し、0.1μm程度までは余り変化しない
が、それより厚くするほど発光強度が段々低下する。こ
れは、第1層5aのキャリア濃度が低いため、厚くなり
すぎると直列抵抗が増大するためと考えられる。一方、
第1層5aの活性層4と反対側のキャリア濃度を上げる
ことを試みたが、前述のように、p形InAlPのキャ
リア濃度を5×1017cm-3より高くすることができ
ず、図2の結果に対して、それほど改善はされなかっ
た。このキャリア濃度が上がらない原因は、Gaが殆ど
ないため、ドーパントのZnなどを取り込みにくいため
と考えられる。
【0017】一方、たとえば第1層5aを0.1μm程
度にして、直接AlGaAsからなるウインドウ層6を
設けた結果は、図2にAで示される発光強度となり、同
様に好ましくなかった。すなわち、第1層5aの直列抵
抗自体は、それ程問題にならない筈であるのに、発光強
度が第2層5bを設ける構造より明らかに低下してい
る。これは、第1層5aがInGaAlP系化合物であ
るのに対して、ウインドウ層6はAlGaAs系化合物
と半導体の種類が異なり、完全には格子整合がとれてい
ないため、第1層5aが薄すぎると、完全に応力緩和を
することができず、活性層に応力がかかるためと考えら
れる。そのため、活性層4やInAlPと格子整合をと
ることができ、キャリア濃度を大きくすることができる
Ga混晶比の大きいInGaAlP系化合物からなる第
2層5bを設ける必要があることが分る。
【0018】つぎに、第1層5aの厚さを0.1μm程
度として、キャリア濃度を1×101 6〜1×1017cm
-3の範囲で変化させて、発光強度(任意単位)を調べ
た。その結果が図3に示されるように、第1層5aの厚
さが薄いこともあり、余り発光強度には顕著な変化が見
られなかった。また、この第1層5aがキャリア濃度を
余り大きくできない材料であることから、第2層5bか
らのドーパントの拡散も少なく、非常に薄い層でも第2
層5bからドーパントが活性層4に拡散して発光効率を
低下させるという現象も現れ難い。
【0019】さらに、第1層5aの厚さを0.1μm程
度、キャリア濃度を3×1016cm- 3程度とし、第1層
5aの材料のIn0.49(GaxAl1-x0.51Pにおける
Gaの量を0から増やしたときの発光強度(任意単位)
について調べた。その結果を図4に示す。図4から明ら
かなように、Gaの混晶比が増えるにしたがって、発光
強度が低下するが、xが0.15以下、さらに好ましく
は0.1以下であれば、0の場合とそれほど大差はな
く、充分に発光効率の向上に寄与する。Gaの混晶比が
大きくなると、前述のように、バンドギャップが小さく
なってキャリアの閉込めが充分に行われないこと、不純
物が拡散しやすく、活性層にp形ドーパントが拡散しや
すいことなどに起因しているものと考えられる。
【0020】以上の検討結果から、p形クラッド層5を
活性層4側のIn0.49(GaxAl1 -x0.51P(0≦x
≦0.15)からなる第1層5aと、In0.49(Gay
1- y0.51P(0.2≦y≦1)からなる第2層5bと
により構成し、第1層5aの厚さを0.05〜0.2μm
にすることにより、InGaAlP系化合物半導体を用
いて黄色から緑色の短波長の発光素子を構成する場合で
も、発光効率を向上させ得ることを見出した。
【0021】この発光層形成部11の表面に、たとえば
キャリア濃度が1×1018cm-3程度のAlvGa1-v
s(0.5≦v≦0.8)からなるウインドウ層6が1〜
10μm程度設けられている。また、ウインドウ層6の
表面には、AluIn1-uP(0.35≦u≦0.51)か
らなる保護層10が0.03〜0.15μm程度設けら
れ、その上にp側電極8の下側のみにGaAsなどから
なるコンタクト層7が設けられ、これらにより半導体積
層部12が形成されている。
【0022】この例では、ウインドウ層6の表面にAl
uIn1-uPからなる保護層10が設けられている。すな
わち、ウインドウ層6がバンドギャップを大きくするた
め、Alの混晶比率の大きい半導体により形成されてい
る。そのため、水分などの浸入により腐食されやすい。
従来赤色系の半導体発光素子において、このウインドウ
層上にAlの混晶比率が0.5程度と小さくした保護層
が設けられているものはあるが、前述のように、InG
aAlP系化合物半導体を用いて緑色などの発光をさせ
ることが検討されており、このような波長の短い発光素
子においては、AlGaAsのAlの混晶比率を0.5
程度に小さくすると、発光する光を吸収するという問題
がある。
【0023】そのため、AluIn1-uPのAlの混晶比
uが0.35以上、0.51以下程度のものを使用してい
る。uが0.35以上であれば570nm程度の波長の
光に対しても殆ど発光する光を吸収することがなく(大
きくなるほど透明度がよくなる)、また、uが0.51
になっても、従来のAlGaAs系化合物半導体を保護
層とした場合のAlの混晶比率と同程度で、腐食性は問
題にならないからである。さらに、格子定数は0.51
のとき4元系のInGaAlP化合物半導体と同程度と
なり、0.35程度でもそのズレは0.9%程度であり、
支障なく使用できる。また、前述のように、AlInP
では余りキャリア濃度を大きくすることができないが、
表面保護という観点からは、数十nm程度設けられてお
れば、保護機能を有し、150nm程度以下であれば、
抵抗損の問題は殆ど生じない。
【0024】p側電極8は、たとえばAu-Be/Ni
/Ti/Auなどを全面に設けた後にパターニングする
ことにより形成されてもよいし、電極が設けられる部分
以外にマスクを設けて、全面に電極材料を被膜してから
マスクを除去するリフトオフ法により形成されてもよ
い。また、GaAsからなる半導体基板1の裏面には、
全面にAu-Ge/Ni/Auなどがたとえば0.3μm
程度の厚さに設けられ、n側電極9が形成されている。
【0025】本発明の半導体発光素子によれば、p形ク
ラッド層の活性層側に0.05〜0.2μm厚だけIn
0.49(GaxAl1-x0.51P(0≦x≦0.15)から
なる第1層5aを設け、残部をIn0.49(Gay
1-y0.51P(0.2≦y≦1)からなる第2層5bと
しているため、キャリアを充分に活性層に閉じ込めなが
ら、クラッド層のキャリア濃度は第2層により殆ど低下
することなく、低抵抗を維持することができる。しか
も、第1層のIn0.49(GaxAl1-x0.51P(0≦x
≦0.15)は、キャリア濃度を余り上げることができ
ないが、活性層に接する部分には、活性層へのドーパン
トの拡散防止を図る点からも、キャリア濃度が小さい方
がむしろ好ましく、その点からも発光効率向上に寄与し
ている。
【0026】さらに、ウインドウ層上にAluIn1-u
化合物半導体(以下、AlInP系化合物半導体ともい
う)からなる保護層が設けられることにより、たとえば
Alの混晶比率uが0.35程度であればAl0.7Ga
0.3Asと同程度のバンドギャップとなり、殆ど光を吸
収しない。また、Alの混晶比率が0.51より小さく
なることにより格子定数のズレが生じるが、そのズレは
僅かであり、GaPを設ける場合のように大きな格子不
整合は生じない。また、キャリア濃度を余り上げられな
い点に関しては、その厚さを150nm程度以下に薄く
することにより電圧降下も殆ど生じない。その結果、格
子歪みの問題などはなく、しかも結晶性がよく透明な半
導体層で水分などにも安定な保護層として機能するた
め、信頼性を向上させながら発光効率を向上させること
ができる。
【0027】一方、MOCVD法により半導体層を成長
すると、AlGaAs系化合物半導体層を成長した後、
AlInP系化合物半導体層を成長すると、その成長用
原料ガスの変更の際にガス中のAsがなくなると成長し
たAlGaAs系化合物半導体層からAsが抜け、その
表面を荒らすという問題があるが、Pを含む層を堆積す
る直前までAsH3を流すことによりこの問題を解決す
ることができる。
【0028】つぎに、この半導体発光素子の製法につい
て説明をする。たとえばn形GaAs基板1をMOCV
D(有機金属化学気相成長)装置内に入れ、反応ガスの
トリエチルガリウム(TEG)またはトリメチルガリウ
ム(TMG)、アルシン(AsH3)、トリメチルアル
ミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI
n)、ホスフィン(PH3)、n形ドーパントとしての
2Se、p形層形成の場合はp形ドーパントとしての
ジメチル亜鉛(DMZn)の必要なガスをそれぞれ導入
し、図1に示されるように、In0.49(Ga0.33Al
0.670.51Pからなるn形クラッド層3を0.3〜1μ
m程度、ノンドープのIn0.49(Ga0.74Al0 .26
0.51Pからなる活性層4を0.4〜1μm程度、たとえ
ばIn0.49Al0.51Pからなるp形クラッド層5の第1
層5aを0.05〜0.2μm程度、たとえばIn
0.49(Ga0.33Al0.670.51Pからなるp形クラッド
層5の第2層5bを0.1〜2μm程度、たとえばAl
0.7Ga0.3Asからなるp形ウインドウ層6を1〜10
μm程度、Al0.35In0.65Pからなる保護層10を
0.03〜0.15μm程度、GaAsからなるコンタク
ト層7を0.2〜1μm程度それぞれ連続的に成長す
る。
【0029】なお、p形ウインドウ層6を成長した後
に、保護層10を成長する際、前述のように、AlIn
P系化合物半導体を成長する直前までAsH3を流すこ
とにより、AlGaAs系化合物半導体からなるウイン
ドウ層6のAs抜けを防止し、ウインドウ層6の表面を
荒らすことはない。
【0030】その後、Au-Be/Ni/Ti/Auな
どをリフトオフ法、マスク蒸着、または全面に成膜した
後にホトリソグラフィ法によるパターニングにより、p
側電極8を形成し、さらに半導体基板1の裏面にAu-
Ge/Ni/Auなどを全面に設けてn側電極9を形成
し、チップ化することにより図1に示されるLEDチッ
プが得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明の半導体発光素子によれば、In
GaAlP系化合物半導体を用いた緑色などの波長の短
い発光素子でも、発光効率を高く維持するこができ、高
性能な黄色から緑色の半導体発光素子が得られる。しか
も、保護層としてAlInP系化合物半導体を用いるこ
とにより、これら短波長の光でも吸収することなく、し
かも格子定数不整合の問題もなく、光の取出し効率を上
げながら、表面の腐食に対して信頼性が非常に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるLEDチップの断面
説明図である。
【図2】第1層の厚さを種々変化させたときの発光強度
変化を示す図である。
【図3】第1層のキャリア濃度を種々変化させたときの
発光強度変化を示す図である。
【図4】第1層のIn0.49(GaxAl1-x0.51Pのx
を変えたときの発光強度変化を示す図である。
【図5】従来のLEDチップの構成例を示す断面説明図
である。
【符号の説明】
1 半導体基板 3 n形クラッド層 4 活性層 5 p形クラッド層 5a 第1層 5b 第2層 6 ウインドウ層 10 保護層 11 発光層形成部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、該半導体基板の上に設け
    られ、InGaAlP系化合物半導体からなり、活性層
    を該活性層よりバンドギャップの大きいn形クラッド層
    およびp形クラッド層により挟持する発光層形成部と、
    該発光層形成部上に設けられるウインドウ層とからな
    り、前記p形クラッド層が前記活性層側の0.05〜0.
    2μm厚だけIn0.49(GaxAl1-x0.51P(0≦x
    ≦0.15)からなり、残部がIn0.49(Gay
    1-y0.51P(0.2≦y≦1)からなる半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記ウインドウ層がAlvGa1-vAs
    (0.5≦v≦0.8)からなり、該ウインドウ層上にA
    uIn1-uP(0.35≦u≦0.51)からなる保護層
    が設けられてなる請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層が、In0.49(Gaz
    1-z0.51P(0.55≦z≦0.8)からなり、赤色
    より波長の短い発光をする請求項1または2記載の半導
    体発光素子。
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