JPH1174622A - 窒化物系半導体発光素子 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子

Info

Publication number
JPH1174622A
JPH1174622A JP23488297A JP23488297A JPH1174622A JP H1174622 A JPH1174622 A JP H1174622A JP 23488297 A JP23488297 A JP 23488297A JP 23488297 A JP23488297 A JP 23488297A JP H1174622 A JPH1174622 A JP H1174622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
type
well
quantum well
layers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23488297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3311275B2 (ja
Inventor
Risa Sugiura
理砂 杉浦
Masayuki Ishikawa
正行 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP23488297A priority Critical patent/JP3311275B2/ja
Publication of JPH1174622A publication Critical patent/JPH1174622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3311275B2 publication Critical patent/JP3311275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SCH構造を採用した場合のキャリアのオー
バーフローや再結合確率の低下を抑制することができ、
しきい値電流の低減をはかる。 【解決手段】 サファイア基板上101に、InGaN
井戸層111とInGaNバリア層112を交互に積層
してなる多重量子井戸構造のInGaN系活性層110
を一対のGaN光ガイド層105,121で挟み、さら
にその外側をp型及びn型の一対のAlGaNクラッド
層104,122で挟んだSCH構造を有する窒化物系
半導体レーザにおいて、活性層110を構成する多重量
子井戸構造のInGaN井戸層111のうち最もp型A
lGaNクラッド層122に近い方の一つをシリコン高
濃度ドーピングによりn型層にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報処理,光通
信,光計測などの技術分野で用いられる窒化物系半導体
発光素子に係わり、特に分離閉じ込めヘテロ構造(SC
H:Separate Confinement Heterostructure)を有する
窒化物系半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、短波長発光素子の需要が高まり、
ZnSe系或いはGaN系材料を用いた短波長発光素子
の研究開発が活発に行われている。ZnSe系材料では
発振波長500nm前後の短波長半導体レーザの室温連
続発振が達成されているが、結晶欠陥の増殖に起因する
素子劣化が問題となり、素子の長寿命化が達成できず、
実用化には至っていない。
【0003】一方、GaN系材料では近年、青色発光ダ
イオード(LED)が実用化され、現在GaN系青色半
導体レーザの研究開発が精力的に行われている。また最
近、GaN系半導体レーザにおいても室温連続発振が達
成されたが、この材料系においては、いまだ物性に関し
て未知な部分が多く、実用化に際して解決すべき問題も
多い。その主なものとして、しきい値電流が高いという
問題がある。
【0004】GaN系青色半導体レーザでは、従来、p
型及びn型伝導を有するAlGaNクラッド層の間に、
多重量子井戸構造(MQW)を有するInGaN系活性
層を有するSCH構造が多く用いられている。この場合
のしきい値電流が高い理由として、電子やホールのキャ
リアが多重量子井戸の中に有効に閉じ込められず、オー
バーフローしてしまうことや、電圧を印加した際に生じ
る内部電界のために電子とホールが異なった井戸層に局
在してしまい、再結合する確率が下がってしまうことな
どが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、SC
H構造を採用した窒化物系半導体発光素子においては、
キャリアのオーバーフローや再結合確率の低下を招き、
これがしきい値電流の低下を妨げる要因となっていた。
【0006】本発明は、上記の事情を考慮して成された
もので、その目的とするところは、SCH構造を採用し
た場合のキャリアのオーバーフローや再結合確率の低下
を抑制することができ、しきい値電流の低減をはかり得
る窒化物系半導体発光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、基板上
に、多重量子井戸構造の活性層をp型及びn型の一対の
クラッド層で挟んだヘテロ構造を有する窒化物系半導体
発光素子において、前記活性層を構成する多重量子井戸
構造の井戸層の一部を、p型クラッド層に近い方から順
にn型不純物が添加された半導体層にしてなることを特
徴とする。
【0008】また本発明は、基板上に、多重量子井戸構
造の活性層をp型及びn型の一対のクラッド層で挟んだ
ヘテロ構造を有する窒化物系半導体発光素子において、
前記活性層を構成する多重量子井戸構造の井戸層の一部
を、n型クラッド層に近い方から順にp型不純物が添加
された半導体層にしてなることを特徴とする。
【0009】また本発明は、基板上に、多重量子井戸構
造の活性層をp型及びn型の一対のクラッド層で挟んだ
ヘテロ構造を有する窒化物系半導体発光素子において、
前記活性層を構成する多重量子井戸の井戸層を、p型ク
ラッド層に近い方から順に一部n型不純物が添加された
半導体層にし、かつn型クラッド層に近い方から順に一
部p型不純物が添加された半導体層にしてなることを特
徴とする。
【0010】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 多重量子井戸構造の活性層は、クラッド層よりも内
側の一対の光閉じ込め層で挟まれていること。 (2) 活性層を構成する多重量子井戸構造は、InGaN
系材料であること。 (3) 光閉じ込め層はGaNであること。 (4) クラッド層はAlGaNであること。 (5) 基板は、サファイア又はSiCであること。
【0011】(作用)前述したようにSCH構造を有す
る窒化物系半導体発光素子において、キャリアを電気的
に注入した場合、例えばレーザ発振に必要なだけの十分
な反転層が量子井戸の中で形成されるためには、かなり
高い注入電流(しきい値電流)を必要とする。しきい値
電流を下げるために、注入井戸層のエネルギー深さを深
くして井戸内のキャリア密度を上げることが有効と考え
られるが、そのためにはInGaN井戸層のIn組成を
増やさねばならない。ところが、In組成を20〜30
%若しくはそれ以上に増やことは、InNのスピノダル
分解や、モフォロジーの悪化などを引き起こすため、非
常に困難である。
【0012】そこで本発明では、p型クラッド層に近い
井戸層に高濃度n型ドーピングを施すこと、n型クラッ
ド層に近い井戸層に高濃度p型ドーピングを施すこと、
又はこれらの両方を採用することによって、量子井戸の
深さを実効的に深くすると共に、クラッド層端で、量子
井戸内の電子又はホールのエネルギーよりも高いエネル
ギーの準位密度を増やし、キャリアのオーバーフロー
(キャリアがクラッド層を乗り越えて活性層の外側に流
れ出すこと)が起きにくくしており、これによりしきい
値電流を下げることを可能にしている。
【0013】以下に、p型クラッド層に近い層に高濃度
n型ドーピングを施す場合を例にしてその原理を説明す
る。まず、一番単純な、p型クラッド層に一番近い井戸
層を1層だけ高濃度n型ドーピングした場合を考える。
【0014】キャリアのバンドエネルギー図を、図1に
示す。この図は、発光させるために素子に電圧を加えた
状態を示している。GaN系の薄膜を使った半導体レー
ザでは、一般に発振に要する印加電圧は大きく、図に示
すようにn型クラッド層の伝導電子エネルギーの方が大
きくなることに注意を要する。
【0015】図1(a)は井戸層に不純物ドーピングし
ない従来の構造に対応し、図1(b)は井戸層の一つだ
けにn型不純物ドーピングした本発明の構造に対応する
図である。図1(b)においては、井戸層の一つがn型
になるため、内部電界を生じてバンドは著しく曲がり、
またその領域の井戸層とバリア層の伝導帯端の電子エネ
ルギーが下がる。そして、以下に述べる2つの理由か
ら、このバンドの曲がりにより発振しきい値を下げるこ
とに結びつく。
【0016】第1の理由は、図1(b)に示すように実
効的に井戸層が深くなるため、井戸層内のキャリア準位
が増えると共に、一度井戸層に捕獲されたキャリアが外
側に流失することが少なくなるためである。
【0017】次に、第2の理由を述べる。図1(b)に
示すように、実効的に井戸層又はバリア層の伝導電子エ
ネルギーとクラッド層の伝導電子エネルギーとの差が大
きくなり、クラッド層と量子井戸構造の活性層との境界
部の電子の状態密度が大きくなる。これにより、この部
分に存在する電子は、既に井戸層にある電子が再結合し
て消滅すると、井戸層に落ちて来て、次の再結合に寄与
する。従って、クラッド層と量子井戸構造の活性層との
境界部の密度が増えると、注入電流を増やさなくても、
発光確率が大きくなる(レーザ発振の反転層が形成し易
くなる)ので、結果的にしきい値電流密度が下がる。
【0018】なお、活性層の端にクラッド層よりもAl
組成の大きいAlGaNを薄く設けた構造で、ここで述
べた第2の理由と同じ理由で、しきい値が下がる効果が
得られる。しかし、1100℃以上の高温でないと良質
なAlGaN層が成長できない問題があり、一方でIn
GaN系活性層成長後の昇温過程において活性層を11
00℃以上の高温に晒すことにより、活性層の再蒸発や
品質の著しい低下が生じる。また、高Al組成のAlG
aN層を活性層に隣接して形成する場合、活性層に大き
な歪みを伴い、素子信頼性の低下につながるため望まし
くない。
【0019】本発明によれば、上述のような問題が生じ
ず、よりも簡単な方法で効果が得られる。なお、第2の
理由の場合、特にクラッド層に近い側の井戸層での発光
確率を高める効果がある。
【0020】また、高濃度ドーピングする井戸層の数を
増やすと、伝導帯端の空間的な変化が緩やかになるもの
の、前記1層のドーピングに準じた効果がある。また、
図2(a)に示すように、n型クラッド層に近い井戸層
にp型ドープする場合もホールに対して同様の効果があ
り、結果的にしきい値が下がる。さらに、図2(b)に
示すように、p型クラッド層に近い井戸層にn型ドープ
し、n型クラッド層に近い井戸層にp型ドープすること
により、しきい値の更なる低減をはかることも可能であ
る。
【0021】また、以上述べたものとは別に本発明の構
造は、以下の効果も付加的にもたらす。図1に示した状
態とは異なるが、印加電圧が小さくn型クラッド層の伝
導帯電子エネルギーがp型クラッド層の伝導電子エネル
ギーよりも低い場合(他の材料系の半導体レーザでの通
常のバンド構造)、電圧を印加した際に生じる内部電界
が井戸層へのドーピングによって小さくなる方向に働く
ので、ホールと電子が違った井戸に局在する効果が少な
くなり、各井戸層でキャリアが均等に存在するようにな
る。この内部電界が小さくなる効果は、井戸層の外側の
層(ガイド層など)に高濃度ドーピングする方法で通常
得られているが、本発明のように井戸層にドーピングす
ることでもその効果を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態を参照して説明する。 (実施形態1)図3は、本発明の第1の実施形態に係わ
る窒化物系短波長半導体レーザを示す素子構造断面図で
ある。
【0023】本実施形態の半導体レーザは、SCH構造
を有している。半導体レーザ用の多層膜は、周知の有機
金属気相成長(MOCVD)法により作成した。有機金
属原料として、トリメチルガリウム(TMG),トリメ
チルアルミニウム(TMA),トリメチルインジウム
(TMI),ビスシクロペンタジエニルマグネシウム
(Cp2 Mg)を用いた。ガス原料として、アンモニア
(NH3 ),シラン(SiH4 )を用いた。また、キャ
リアガスとして、水素及び窒素を用いた。
【0024】本実施形態の半導体レーザは、次のように
して製造される。まず、サファイア基板101上に、バ
ッファ層(図示せず)を介して、アンドープGaN下地
層102,n型GaNコンタクト層103,厚さ0.2
5μmのn型Al0.18Ga0.82Nクラッド層104を順
次形成する。
【0025】次いで、光閉じ込め層として厚さ4nmの
GaNガイド層105を形成し、厚さ2nmのIn0.15
Ga0.85N井戸層111と、厚さ4nmのIn0.05Ga
0.95N障壁層112がそれぞれ4層づつから成る多重量
子井戸構造(MQW)を有するInGaN系活性層11
0を形成する。このとき、一番上側のIn0.15Ga0.85
N井戸層111を成長する際に、シリコン高濃度ドーピ
ング(n型)を行う。その上部には、p側光閉じ込め層
としてGaN光ガイド層121,p型Al0.18Ga0.82
Nクラッド層122,p型GaNコンタクト層123を
この順で形成する。
【0026】また、上記多層構造の一部をn型GaNコ
ンタクト層103までドライエッチング法により除去
し、露出したコンタクト層103の上部にTi/Alか
ら成るn側電極125を形成した。また、p型GaNコ
ンタクト層123上にはp側電極126を形成した。
【0027】次に、上述の電極を有する半導体多層膜を
形成したウェハを350μm×500μmの大きさに劈
開することにより共振器ミラーを形成し、半導体レーザ
を作成した。この素子に電圧を印加したときのバンド構
造について説明する。
【0028】ドーピングした井戸層111の伝導帯端が
低くなり、実効的に井戸の深さが深くなり、電子の閉じ
込めが強まる。また同時に、クラッド層の端(活性層
側)に伝導帯端の窪みができるため、その近傍に存在す
る電子の平均的な密度が増える。さらに、動作電圧が低
い素子では、活性層内部の電界によるバンドの曲がりを
弱めることにより、電子と正孔の局在化を緩和できる。
このため、量子井戸構造での電子と正孔の再結合の確率
が増え、発振に必要な反転層が低い注入電流密度で得ら
れる。
【0029】本実施形態の半導体レーザに電流注入した
ところ、波長417nmで室温連続発振した。しきい値
電流密度は、井戸層にドーピングしない構造のレーザの
約半分となった。
【0030】このように本実施形態によれば、MQW活
性層110の井戸層111のうちp型クラッド層122
に最も近い層を高濃度n型層にすることにより、前記図
1(b)に示すように井戸の深さを実効的に深くして電
子の閉じ込めを効率良く行うことができると共に、クラ
ッド層側に伝導帯端の窪みができるため、その近傍に存
在する電子の平均的な密度を増やすことができる。さら
に、活性層内部の電界によるバンドの曲がりを弱めるこ
とにより、電子と正孔の局在化を緩和できる。従って、
SCH構造を採用した場合のキャリアのオーバーフロー
や再結合確率の低下を抑制することができ、しきい値電
流の低減に効果的である。これにより、半導体レーザの
省電力化,寿命の向上をはかることもできる。
【0031】(実施形態2)図4は、本発明の第2の実
施形態に係わる窒化物系短波長半導体レーザを示す素子
構造断面図である。
【0032】半導体レーザ用の多層膜は、第1の実施形
態と同様のMOCVD法により作成した。本実施形態の
半導体レーザを製造するには、サファイア基板201上
にバッファ層(図示せず)を介して、アンドープGaN
下地層202,n型GaNコンタクト層203,厚さ
0.25μmのn型Al0.18Ga0.82Nクラッド層20
4を順次形成する。
【0033】次いで、光閉じ込め層として厚さ5nmの
GaNガイド層205を形成し、その上に厚さ2.5n
mのIn0.15Ga0.85N井戸層211と、厚さ3nmの
In0.05Ga0.95N障壁層212がそれそれ5層づつか
ら成る多重量子井戸構造(MQW)を有するInGaN
系活性層210を形成する。このとき、一番下側のIn
0.15Ga0.85N井戸層211を成長する際に、マグネシ
ウム高濃度ドーピング(p型)を行い、一番上側のIn
0.15Ga0.85N井戸層211を成長する際に、シリコン
高濃度ドーピング(n型)を行う。その上部には、p側
光ガイド層221,p型Al0.18Ga0.82Nクラッド層
222,p型GaNコンタクト層223をこの順で形成
する。
【0034】また、上記多層構造の一部をn型GaNコ
ンタクト層203までドライエッチング法により除去
し、露出したコンタクト層203の上部にTi/Alか
ら成るn側電極225を形成した。さらに、p型GaN
コンタクト層223上にはp側電極226を形成した。
【0035】次に、上述の電極を有する半導体多層膜を
形成したウェハを350μm×500μmの大きさに劈
開することにより共振器ミラーを形成し、半導体レーザ
を作成した。この素子に電圧を印加したときのバンド構
造について説明する。
【0036】本実施形態では、p型クラッド層222に
近接しているn型ドーピングした井戸層211の伝導帯
端が低くなり、実効的に井戸の深さが深くなるため、電
子の閉じ込めが強まる。また、n型クラッド層204に
近接しているp型ドーピングした井戸層211の価電子
帯端が高くなるため、実効的に井戸の深さが深くなり正
孔の閉じ込めが強まる。
【0037】この場合、電子と正孔が高密度になる位置
が離れてしまうが、井戸層211へのドーピングにより
活性層内部の電界によるバンドの曲がりが弱められるの
で、その影響は小さい。また、p型クラッド層222の
端に伝導帯端の窪みが、n型クラッド層204の端に価
電子帯の窪みがそれぞれできるため、その近傍に存在す
る電子の平均的な密度が増えキャリアオーバーフローし
にくくなる。
【0038】本実施形態の半導体レーザに電流注入した
ところ、波長417nmで室温連続発振した。しきい値
電流密度は井戸層にドーピングしない構造のレーザの約
半分となった。
【0039】(実施形態3)図5は、本発明の第3の実
施形態に係わる窒化物系短波長半導体レーザを示す素子
構造断面図である。
【0040】半導体レーザ用の多層膜の形成は、第1の
実施形態と同様に、サファイア基板301を用いてMO
CVD法で行った。まず、バッファ層302を成長し、
次に温度を1100℃まで昇温し、n型GaNコンタク
ト層303を約2μm成長した。これに、温度を110
0℃で保持したまま、n型AlGaNクラッド層304
を約500nmの厚さで形成した後、GaN光ガイド層
305を約200nmの厚さで形成した。
【0041】次いで、厚さ2nmのIn0.15Ga0.85
井戸層311と、厚さ4nmのIn0.05Ga0.95N障壁
層312がそれそれ10層づつから成る多重量子井戸構
造(MQW)を有するInGaN系活性層310を形成
する。このとき、上側から数えて4つのIn0.15Ga
0.85N井戸層311を成長する際に、1×1019cm-3
のシリコン高濃度ドーピング(n型)を行った。
【0042】次いで、p側のGaN光ガイド層321を
約200nmの厚さで形成し、p型AlGaNクラッド
層322を約500nmの厚さで形成した。この状態で
室温まで降温し、MOCVD装置から取り出し、周知の
熱CVD装置内で表面に幅20μmのSiO2 膜(図示
せず)を形成した。
【0043】次いで、ウェハをRIE装置内に置き、開
口部をBCl3 ガスによってメサ構造にエッチング除去
した。このようにして作成したウェハを再びMOCVD
装置内のサセプタ上に載置し、窒素中で1100℃まで
昇温した。
【0044】次いで、温度1100℃で、水素,窒素,
TMG,アンモニア,DMZ(ジメチルジンク)を供給
して、i型GaN層331でn型AlGaN電流注入層
304からp型AlGaN電流注入層322までを埋め
込み構造とした。
【0045】このようなi型GaN層331の形成を、
本実施形態ではメサエッチング後の成長で形成したが、
エッチング除去せずに水素や酸素などをイオン注入する
ことによって作成することも可能である。例えば、水素
では200keV、1×1014cm-2の注入で実現する
ことができる。
【0046】次いで、温度を1100℃で保持したま
ま、水素を流し、p型AlGaN電流注入層322上に
残っているSiO2 膜をエッチング除去した。次いで、
温度を1100℃で保持したまま、主キャリアガスを水
素から窒素へ切り替え、水素,窒素,アンモニアを供給
して、p型GaNコンタクト層323を約500nmの
厚さで形成した。
【0047】このようにして作成したレーザ構造を、M
OCVD装置から取り出し、上記多層構造の一部をn型
GaN層コンタクト303までドライエッチング法によ
り除去し、露出したn型GaNコンタクト層303及び
p型GaNコンタクト層223上にそれぞれ電極32
5,326を形成した。即ち、周知の真空蒸着法やスパ
ッタ法などを用いて、n型GaNコンタクト層303に
対しては、Pt,Ni,Auをこの順で形成し、オーミ
ック電極325とした。一方、p型GaNコンタクト層
323上には、順にPd,Ti,Pt,Au(厚さ2μ
m)を形成し、窒素中熱処理を施すことによりオーミッ
ク電極326とした。
【0048】次に、このレーザ構造を基板側からスクラ
イバなどを用いてへき開し、共振器ミラーを形成した。
このようにして作成した半導体レーザは波長420nm
で連続発振した。このときのしきい電流密度は、井戸層
にドーピングしない構造のレーザの約1/3となった。
また、井戸層のいくつかに高濃度ドーピングしてあるの
で、素子全体の抵抗を下げる付加的効果もある。
【0049】また、この構造に加えてn型クラッド層側
の井戸層にp型ドーピングするとしきい値低減の効果は
更に大きくなる。また、この実施形態では、上側から数
えて4つの井戸層のn型ドーピング濃度を全て同じにし
てあるが、p型クラッド層322から離れるほど濃度を
徐々に低くしていく構造もしきい値低下に対し有効であ
る。
【0050】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。n型クラッド層に近い側のp型ド
ーピングする井戸層の数、又はp型クラッド層に近い側
のn型ドーピングする井戸層の数は、実施形態で説明し
た数に何等限定されるものではなく、仕様に応じて適宜
変更可能である。また、n型クラッド層に近い側のp型
ドーピングしてある井戸層の数と、p型クラッド層に近
い側のドーピングしてある井戸層の数は違っても良い。
その場合に、第3の実施形態に記したようにドーピング
濃度を徐々に変えるようにしてもよい。
【0051】また、実施形態では半導体レーザについて
説明したが、多重量子井戸構造の活性層を一対の光閉じ
込め層で挟み、さらにp型及びn型の一対のクラッド層
で挟んだ分離閉じ込めヘテロ構造を有するものであれ
ば、発光ダイオードにも適用できる。
【0052】また、基板はサファイアに限るものではな
く、SiC,Si,MgAl24,GaNなどを用い
ることもできる。さらに、活性層,光閉じ込め層,クラ
ッド層の材料は実施形態に何等限定されるものではな
く、仕様に応じて適宜変更可能である。その他、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施すること
ができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、活
性層を構成する多重量子井戸構造の井戸層の一部を、p
型クラッド層に近い方から順にn型層に、又はn型クラ
ッド層に近い方から順にp型層にすることにより、SC
H構造を採用した窒化物系半導体発光素子におけるキャ
リアのオーバーフローや再結合確率の低下を抑制するこ
とができ、しきい値電流の低減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来構造と本発明構造による窒化物系化合物半
導体レーザのバンドダイアグラムの違いを示す図。
【図2】本発明の構造におけるバンドダイアグラムの別
の例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるGaN系半導体レーザ
を示す素子構造断面図。
【図4】第2の実施形態に係わるGaN系半導体レーザ
を示す素子構造断面図。
【図5】第3の実施形態に係わるGaN系半導体レーザ
を示す素子構造断面図。
【符号の説明】
101,201,301…サファイア基板 102,202,303…アンドープGaN下地層(バ
ッファ層) 103,203,303…n型GaNコンタクト層 104,204,304…n型Al0.18Ga0.82Nクラ
ッド層 105,205,305…n側GaNガイド層(光閉じ
込め層) 110,210,310…InGaN系MQW活性層 111,211,311…In0.15Ga0.85N井戸層 112,212,312…In0.05Ga0.95N障壁層 121,221,321…p側GaN光ガイド層(光閉
じ込め層) 122,222,322…p型Al0.18Ga0.82Nクラ
ッド層 123,223,323…p型GaNコンタクト層 125,225,325…n側電極 126,225,326…p側電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、多重量子井戸構造の活性層をp
    型及びn型の一対のクラッド層で挟んだ窒化物系半導体
    発光素子において、 前記活性層を構成する多重量子井戸構造の井戸層の一部
    を、p型クラッド層に近い方から順にn型不純物が添加
    された半導体層にしてなることを特徴とする窒化物系半
    導体発光素子。
  2. 【請求項2】基板上に、多重量子井戸構造の活性層をp
    型及びn型の一対のクラッド層で挟んだ窒化物系半導体
    発光素子において、 前記活性層を構成する多重量子井戸構造の井戸層の一部
    を、n型クラッド層に近い方から順にp型不純物が添加
    された半導体層にしてなることを特徴とする窒化物系半
    導体発光素子。
  3. 【請求項3】基板上に、多重量子井戸構造の活性層をp
    型及びn型の一対のクラッド層で挟んだ窒化物系半導体
    発光素子において、 前記活性層を構成する多重量子井戸の井戸層を、p型ク
    ラッド層に近い方から順に一部n型不純物が添加された
    半導体層にし、かつn型クラッド層に近い方から順に一
    部p型不純物が添加された半導体層にしてなることを特
    徴とする窒化物系半導体発光素子。
  4. 【請求項4】前記多重量子井戸構造の活性層は、一対の
    光閉じ込め層で挟まれていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の窒化物系半導体発光素子。
JP23488297A 1997-08-29 1997-08-29 窒化物系半導体発光素子 Expired - Fee Related JP3311275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23488297A JP3311275B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 窒化物系半導体発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23488297A JP3311275B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 窒化物系半導体発光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1174622A true JPH1174622A (ja) 1999-03-16
JP3311275B2 JP3311275B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=16977810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23488297A Expired - Fee Related JP3311275B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 窒化物系半導体発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3311275B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100425341B1 (ko) * 2000-02-08 2004-03-31 삼성전기주식회사 질화물 반도체 발광 소자
JP2004179428A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Rohm Co Ltd 半導体発光素子
GB2407702A (en) * 2003-10-28 2005-05-04 Sharp Kk A semiconductor light-emitting device
WO2005076374A1 (en) * 2004-02-05 2005-08-18 Epivalley Co., Ltd. Iii-nitride compound semiconductor light emitting device
US7012283B2 (en) 2000-09-21 2006-03-14 Sharp Kabushiki Kaisha Nitride semiconductor light emitting element and optical device containing it
WO2006052068A1 (en) * 2004-11-11 2006-05-18 Lg Innotek Co., Ltd Nitride semiconductor light emitting device and fabricating method thereof
US7501664B2 (en) 2004-02-13 2009-03-10 Epivalley Co., Ltd. III-Nitride compound semiconductor light emitting device
JP2011023406A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子
JP2011066456A (ja) * 2002-07-30 2011-03-31 Philips Lumileds Lightng Co Llc p型活性層を有するIII族窒化物発光装置
US7923749B2 (en) 2004-03-25 2011-04-12 EipValley Co., Ltd. III-nitride compound semiconductor light emitting device
CN102280547A (zh) * 2011-08-31 2011-12-14 厦门大学 一种有源区为p型的氮化镓系半导体发光管
CN107240627A (zh) * 2017-05-16 2017-10-10 东南大学 一种具有双掺杂多量子阱结构的紫外发光二极管

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100961108B1 (ko) * 2007-11-27 2010-06-07 삼성엘이디 주식회사 분극 현상을 방지한 질화물 반도체 발광 소자
KR100972984B1 (ko) * 2008-03-10 2010-07-29 삼성엘이디 주식회사 넓은 발광파장 스펙트럼을 갖는 반도체 발광소자
KR101228983B1 (ko) * 2008-11-17 2013-02-04 삼성전자주식회사 질화물 반도체 발광소자

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100425341B1 (ko) * 2000-02-08 2004-03-31 삼성전기주식회사 질화물 반도체 발광 소자
US7012283B2 (en) 2000-09-21 2006-03-14 Sharp Kabushiki Kaisha Nitride semiconductor light emitting element and optical device containing it
JP2011066456A (ja) * 2002-07-30 2011-03-31 Philips Lumileds Lightng Co Llc p型活性層を有するIII族窒化物発光装置
JP2004179428A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Rohm Co Ltd 半導体発光素子
US7375367B2 (en) 2003-10-28 2008-05-20 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor light-emitting device having an active region with aluminum-containing layers forming the lowermost and uppermost layer
GB2407702A (en) * 2003-10-28 2005-05-04 Sharp Kk A semiconductor light-emitting device
WO2005076374A1 (en) * 2004-02-05 2005-08-18 Epivalley Co., Ltd. Iii-nitride compound semiconductor light emitting device
US7547909B2 (en) 2004-02-05 2009-06-16 Epivalley Co., Ltd. III-nitride compound semiconductor light emitting device
US7501664B2 (en) 2004-02-13 2009-03-10 Epivalley Co., Ltd. III-Nitride compound semiconductor light emitting device
US7923749B2 (en) 2004-03-25 2011-04-12 EipValley Co., Ltd. III-nitride compound semiconductor light emitting device
WO2006052068A1 (en) * 2004-11-11 2006-05-18 Lg Innotek Co., Ltd Nitride semiconductor light emitting device and fabricating method thereof
CN100452456C (zh) * 2004-11-11 2009-01-14 Lg伊诺特有限公司 氮化物半导体发光器件及其制造方法
US7728338B2 (en) 2004-11-11 2010-06-01 Lg Innotek Co., Ltd Nitride semiconductor light emitting device and fabricating method thereof
US8044386B2 (en) 2004-11-11 2011-10-25 Lg Innotek Co., Ltd. Nitride semiconductor light emitting device and fabricating method thereof
JP2011023406A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子
CN102280547A (zh) * 2011-08-31 2011-12-14 厦门大学 一种有源区为p型的氮化镓系半导体发光管
CN107240627A (zh) * 2017-05-16 2017-10-10 东南大学 一种具有双掺杂多量子阱结构的紫外发光二极管

Also Published As

Publication number Publication date
JP3311275B2 (ja) 2002-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3688843B2 (ja) 窒化物系半導体素子の製造方法
JP5036617B2 (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP4032803B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体素子およびその製造方法
JPWO2008153130A1 (ja) 窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体の製造方法
JP3292083B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法及び窒化物半導体素子の製造方法
JP3311275B2 (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP5651077B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体レーザ素子、及び、窒化ガリウム系半導体レーザ素子の製造方法
JP3446660B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JPH11177175A (ja) 窒化物半導体素子
JP4291960B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP3651260B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP2002314203A (ja) 3族窒化物半導体レーザ及びその製造方法
JP4162560B2 (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP2004063537A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法
JPH10145006A (ja) 化合物半導体素子
JP4877294B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2003086903A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP3794530B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3448196B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2004140008A (ja) 3族窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP4628651B2 (ja) 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP4481385B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP2008177438A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2000183466A (ja) 化合物半導体レーザおよびその製造方法
JP2004179532A (ja) 半導体発光素子および半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140524

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees