JP2000183466A - 化合物半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体レーザおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2000183466A
JP2000183466A JP10362401A JP36240198A JP2000183466A JP 2000183466 A JP2000183466 A JP 2000183466A JP 10362401 A JP10362401 A JP 10362401A JP 36240198 A JP36240198 A JP 36240198A JP 2000183466 A JP2000183466 A JP 2000183466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gan
semiconductor laser
compound semiconductor
active layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10362401A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Fujimoto
英俊 藤本
Kazuhiko Itaya
和彦 板谷
Joji Nishio
譲司 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10362401A priority Critical patent/JP2000183466A/ja
Publication of JP2000183466A publication Critical patent/JP2000183466A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】クラッド層からしみ出した光を吸収する層を電
圧上昇を生じるヘテロ障壁を生じさせることなく、また
クラッド層での吸収を起こさせる要因を作ることなく形
成し、導波路以外でのモード形成を阻止することを目的
とする。 【解決手段】互いに異なる導電型を有するクラッド層1
06,111と、該クラッド層106,111に挟まれ
かつクラッド層よりもエネルギーギャップの小さい活性
層108と、少なくとも一方のクラッド層に対して活性
層108と反対側に、活性層108よりもエネルギーギ
ャップの大きな材料からなるアンドープの吸収層105
とからなるGaN系化合物半導体レーザー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体レー
ザ、特に窒化物化合物半導体レーザおよびその製造方法
に関わる。
【0002】
【従来の技術】近年、青色から紫外域の発光ダイオード
や半導体レーザ用の材料としてGaN系の化合物半導体
を用いたものが開発されている。このGaN系は直接遷
移型のバンド構造を有しており、高い発光効率を得られ
ることから注目されている。中でもこのような材料を用
いた半導体レーザは、発振波長が400nm程度と非常
に短いため、片面15GB以上という高密度光ディスク
のための書き込みあるいは読み出し用の光源として研究
・開発が進められている。
【0003】従来のGaN系半導体レーザの典型的な構
造を図7に示す。c面サファイア基板101上に、Ga
N低温バッファ層102、GaN高温バッファ層103
が形成され、この上にn型GaNコンタクト層104が
形成されている。この上にn型AlGaNクラッド層1
06/n型GaNガイド層107/InGaN多重量子
井戸構造活性層108/p型GaNガイド層110/p
型AlGaNクラッド層111から構成されたダブルヘ
テロ構造が形成されている。このダブルヘテロ構造上に
形成された一部に開口部のあるn型GaN電流ブロック
層113、p型GaN埋込層114、p型GaNコンタ
クト層115、p側電極140と、n型GaNコンタク
ト層104上に形成されたn側電極130とによって、
GaN系半導体レーザを構成している。
【0004】このような従来のGaN系半導体レーザー
の構造では、AlGaNクラッド層106、111より
もGaNコンタクト層104、115の方が屈折率が高
いため、活性層108で生成されたレーザ発振光がコン
タクト層104、115までしみだし、活性層108以
外の領域で導波モードが生成されるという問題があっ
た。
【0005】このような活性層以外での導波モード発生
を防止するために、特開平9−191160号公報、特
開平10−22586号公報などでは光吸収層が提案さ
れている。これら2件の公報では、いずれも活性層より
エネルギーギャップの小さいInGaN層を吸収層とし
て用いることが提案されている。しかしながら、このよ
うなエネルギーギャップの小さな層を吸収層として導入
するとエネルギー障壁を形成することになり、電圧の上
昇につながる。
【0006】また、特開平10−22586号にはドナ
ー不純物とアクセプタ不純物とを同時に添加したGaN
層をn側の吸収層として用いることも提案されている。
しかしながら、n型層成長中にアクセプタ不純物である
Mg原料を大量に流すことは、その後に成長されるn型
クラッド層やn型ガイド層にまでMgが自然に添加され
るいわゆるメモリー効果が起こり、n型クラッド層やn
型ガイド層中でも光が吸収されてしまうという問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
考慮してなされたもので、新たなエネルギー障壁を作る
ことなく、メモリー効果を引き起こすMgを添加するこ
となく、導波モード発生を防止する吸収層を形成し、高
い発光効率、高出力、低しきい値のGaN系半導体レー
ザーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、互いに異なる導電型を有するクラッド層
と、このクラッド層に挟まれ、前記クラッド層よりもエ
ネルギーギャップの小さい活性層と、少なくとも一方の
前記クラッド層に対して前記活性層と反対側に形成さ
れ、前記活性層よりもエネルギーギャップが大きく、ア
ンドープの吸収層とを具備することを特徴とする化合物
半導体レーザを提供する。
【0009】また本発明は、活性層が互いにエネルギー
ギャップの異なる2種類のInx Ga1-x N(0≦x≦
1)の多重量子井戸構造、あるいはInx Ga1-x
(0≦x≦1)の単層からなり、前記吸収層がAly
1-y N(0≦y≦1)からなることを特徴とする化合
物半導体レーザを提供する。
【0010】また本発明は、互いに異なる導電型を有す
るクラッド層と、このクラッド層に挟まれ、前記クラッ
ド層よりもエネルギーギャップの小さい活性層と、少な
くとも一方の前記クラッド層に対して前記活性層と反対
側に形成され、前記活性層よりもエネルギーギャップが
大きく、アンドープの吸収層とを具備することを特徴と
する化合物半導体レーザを有機金属気相成長法で製造す
るに際し、前記吸収層は、3族原料に対する5族原料の
モル供給比が1000以下であることを特徴とする化合
物半導体レーザーの製造方法を提供する。
【0011】さらに、本発明は、互いに異なる導電型を
有するクラッド層と、このクラッド層に挟まれ、前記ク
ラッド層よりもエネルギーギャップの小さい活性層と、
少なくとも一方の前記クラッド層に対して前記活性層と
反対側に形成され、前記活性層よりもエネルギーギャッ
プが大きく、アンドープの吸収層とを具備することを特
徴とする化合物半導体レーザを有機金属気相成長法で製
造するに際し、前記吸収層は、3族原料に対する5族原
料のモル供給比が600以下であることを特徴とする化
合物半導体レーザーの製造方法を提供する。
【0012】なお、本発明において「窒化物半導体」と
は、Inx Aly Gaz N(x,y,z≦1,x+y+
z=1)なる化学式において組成比x、y及びzをぞれ
ぞれの範囲内で変化させたすべての組成の半導体を含む
ものを基本とする。例えば、InGaN(x=0.4、
y=0、z=0.6)も「窒化物半導体」に含まれる。
さらに、3族元素であるIn、Al、Gaの一部をB
(硼素)に置き換えたものや、5族元素であるNの一部
をAs(砒素)やP(燐)に置き換えたものも含まれ
る。この際、3族元素には、上記の3つの元素(In、
Al、Ga)のいずれか1つ、および5族元素には必ず
N(窒素)が含まれている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図
において、同一または対応する部分には同一の符号を付
す。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
関するGaN系化合物半導体レーザー100を表わす断
面構造の概略図である。
【0014】図1に示すように、第1の実施形態による
半導体レーザ100は、c面サファイア基板101上
に、GaN低温バッファ層102およびGaN高温バッ
ファ層103を介して、n型GaNコンタクト層10
4、アンドープGaN光吸収層105、n型AlGaN
クラッド層106、n型GaNガイド層107、InG
aN多重量子井戸構造活性層108、p型AlGaNオ
ーバーフロー防止層109、p型GaNガイド層11
0、p型AlGaNクラッド層111、p型GaN第1
コンタクト層112、n型GaN電流ブロック層11
3、p型GaN埋込層114、p型GaNコンタクト層
115が、順次積層されている。p型GaNコンタクト
層115上には、p側電極140が形成され、n型Ga
Nコンタクト層104上には、n側電極が形成されレー
ザーを形成している。レーザー構造の側面およびn型G
aNコンタクト層104上の一部には、二酸化シリコン
からなる保護層120が形成されている。
【0015】ここで、p型GaNコンタクト層115は
表面側から高不純物濃度層と低不純物濃度層との2段構
造とすることも可能である。この第1の実施形態による
化合物半導体レーザー100においては、n型AlGa
Nクラッド層106の直下にアンドープGaN光吸収層
105が設けられていることが特徴的である。ここで、
アンドープGaN光吸収層105は、意図して不純物を
添加していない(成長過程において意図して不純物原料
ガスを反応管内に流していない)という意味で「アンド
ープ」である。従来のアクセプターであるMgを添加し
たn側の光吸収層では、その後のn型クラッド層106
形成時にMgが混入し高抵抗化されていたところ、本発
明のようにアンドープの層をn側の光吸収層とすること
で、n型クラッド層106中にアクセプター不純物が混
入することはない。
【0016】次に、このアンドープGaN光吸収層10
5を常圧の有機金属気相成長法(MOCVD法)で作製
した際の室温でのフォトルミネッセンス(PL)スペク
トルを図2に示す。図2中のAはGaN層で3族原料で
あるTMG(トリメチルガリウム)に対する5族原料で
あるアンモニアのモル供給比が3000程度であり、B
は600程度である。
【0017】原料であるアンモニア/TMGのモル供給
比が3000程度の層(A)では波長365nmのとこ
ろで、鋭い発光ピークは見られるが、その他の波長領域
では、十分な発光は見られない。すなわち波長365n
mでは鋭い吸収は期待できるが、その他の波長領域で
は、十分な吸収は生じないため、光吸収層としての働き
はあまり期待できない。
【0018】一方、原料であるアンモニア/TMGのモ
ル供給比が600程度の層(B)では、波長450nm
あるいは550nm付近の発光強度が十分強いというこ
とは、その波長領域にエネルギーレベルが存在する。す
なわちこのエネルギーレベルを利用することで所望の吸
収層として用いることができる。本発明者が研究を重ね
た結果、GaN層の場合、原料のアンモニア/TMGの
モル供給量比は1000以下の際に発光強度は十分な値
を示し、600以下であることが望ましいことが分かっ
た。これは原料に十分な窒素供給量がなく、結晶中に窒
素欠損が見られ、この部分が所望の波長領域にエネルギ
ーレベルを与え、吸収効率を上げるためと考えられる。
また、このようにしてできたGaN光吸収層は抵抗が十
分に小さく、n型不純物を添加することなく導電性を得
ることができることも分かった。
【0019】このような窒素欠損の量を直接測定するこ
とはできないが、間接的には室温でのPLスペクトルか
ら得られる365nm付近のピーク強度と550nm付
近のピーク強度の比によって相関が得られる。表1にア
ンモニア/TMGの比と、PLでの365nm付近のピ
ーク強度に対する550nm付近のピーク強度の比との
関係を示す。ここでPLでのピーク強度比が大きいほど
結晶中の窒素欠損量が多く、発振波長に対する吸収が起
こりやすいことを示している。具体的にはこのピーク強
度比が0.5を超えると吸収の効果が得られはじめ、1
を超えるとより顕著な効果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】従って本実施形態に示すGaN系化合物半
導体レーザーにおいては、電気抵抗も小さく、発光効率
を向上させることが可能であった。 (第2の実施形態)図3は、本発明の第2の実施形態に
関するGaN系化合物半導体レーザー200を表わす断
面構造の概略図である。
【0022】この化合物半導体レーザー200の基本構
造は、第1の実施形態の化合物半導体レーザー100と
同じである。相違点は、この実施形態のレーザー200
ではアンドープGaN光吸収層105をVPE法で作製
し、GaN高温バッファ層103の下に、GaN低温バ
ッファ層201を介して、挿入した形態をとっている。
なお、n型GaNコンタクト層104より上のGaN系
化合物半導体層についてはMOCVD法で形成している
ため、アンドープGaN光吸収層105を形成した後、
VPE成長炉からウエハーをいったん取り出し、MOC
VD装置に再度挿入することによって、GaN低温バッ
ファ層201層を介してGaN高温バッファ層103以
降の層構造を形成している。
【0023】ここで、VPE法でアンドープGaN光吸
収層105を形成する際には、供給するHClとアンモ
ニアとの量を等量かもしくはHClの量を多くすること
で、窒素欠損によるエネルギーレベルが形成でき、所望
の光吸収特性と電気抵抗を実現することができる。
【0024】従って本実施形態に示すGaN系化合物半
導体レーザーにおいても、電気抵抗も小さく、発光効率
を向上させることが可能であった。 (第3の実施形態)図4は、本発明の第3の実施形態に
関するGaN系化合物半導体レーザー300を表わす断
面構造の概略図である。
【0025】第3の実施形態のGaN系化合物半導体レ
ーザー300においては、厚さ約100μmのGaN膜
304を基板兼光吸収膜として用いている。このGaN
基板304は、c面サファイア基板上にInN層を介し
てVPE法で成長し、熱処理やレーザ照射などによっ
て、InN層を蒸発させることによりサファイア基板か
ら分離したものである。
【0026】このときのGaN基板304の成長条件
は、第2の実施形態のGaN光吸収層105と同じく、
供給するHCl(塩化水素)ガスとアンモニアとの量を
等量かもしくはHClガスの量を多くすることで、窒素
欠損によるエネルギーレベルが形成でき、所望の光吸収
特性と電気抵抗を実現することができる。
【0027】次に、このGaN光吸収膜兼基板304上
にMOCVD法で、GaNバッファ層201を介して、
クラッド層106より上のGaN系化合物層を順次形成
することで、GaN系化合物半導体レーザー300が形
成できる。なお、この半導体レーザー300では、p型
GaNコンタクト層112を形成後、これを凸型にエッ
チング整形し、n型GaN電流ブロック層113を埋め
込み、この上にp型GaNコンタクト層115を形成し
た。また、n側の電極はGaN基板304に直接形成す
ることができる。
【0028】本実施形態に示すGaN系化合物半導体レ
ーザーにおいても、電気抵抗も小さく、発光効率を向上
させることが可能であった。本実施例においては電流ブ
ロック層113の材料をn型GaNとしたが、AlGa
NやInGaNを用いることで横方向の実行屈折率を変
化させ、横モードを制御することも可能である。また、
n型ではなく高抵抗層とすることで電流狭窄効果を高め
ることも可能である。
【0029】(第4の実施形態)図5は、本発明の第4
の実施形態に関するGaN系化合物半導体レーザー60
0の断面構造の概略図である。
【0030】本実施例では、この構造の製造方法につい
て詳細を述べる。このGaN系化合物半導体レーザ60
0は、有機金属気相成長(MOCVD)法により製造し
た。用いたガスは、アンモニア(NH3 )、キャリアガ
スである水素(H2 )及び窒素(N2 )、トリメチルガ
リウム(Ga(CH33 、以下「TMG」と記す)、
トリメチルアルミニウム(Al(CH33 、以下「T
MA」と記す)、トリメチルインジウム(In(CH
33 、以下「TMI」と記す)、シクロペンタジエニ
ルマグネシウム(Mg(C552 、以下「Cp2
g」と記す)、シラン(SiH4 )である。
【0031】まず、有機溶剤及び酸によって洗浄したc
面を主面とする単結晶のサファイア基板101をMOC
VD装置の反応室内に載置し、高周波によって加熱され
るサセプタ上に装着した。次に常圧で水素を25L/分
の流量で流しながら、温度1200℃で約10分間、気
相エッチングを施し、表面にできた自然酸化膜を除去し
た。
【0032】次に、サファイア基板101を490℃ま
で降温し、水素を15L/分、窒素を5L/分、アンモ
ニアを10L/分、TMGを25cc/分の流量で約4
分間供給することにより、GaN低温バッファ層102
を形成した。
【0033】次に、水素を15L/分、窒素を5L/
分、アンモニアを10L/分の流量で流しながら、サフ
ァイア基板101を1100℃に昇温し、水素を15L
/分、窒素を5L/分、アンモニアを10L/分、TM
Gを100cc/分の流量でそれぞれ約60分供給する
ことにより、GaN高温バッファ層103を形成した。
【0034】次に、これらの原料に水素によって10p
pmに希釈したSiH4 を20cc/分の流量を加えて
それぞれ約130分間供給することにより、n型GaN
コンタクト層104を形成した。
【0035】ここでTMGの流量のみを800cc/分
に増やし、 SiH4 の供給を停止し約5分供給するこ
とによりGaN光吸収層105を形成した。こうするこ
とによって、膜中に窒素欠損が存在するGaN光吸収層
105を形成できる。
【0036】ここで再びTMGの流量を100cc/分
に戻し、これらの原料に20cc/分のTMAおよび3
cc/分のSiH4 を追加し、約45分間供給すること
によりn型AlGaNクラッド層106を形成した。
【0037】この後、再びTMAの供給を停止し、かつ
SiH4 の流量を2cc/分に減少させた上で、約10
分間供給することによりn型GaNガイド層107を形
成した。
【0038】次に、サファイア基板101を、窒素を約
20L/分、アンモニアを10L/分の流量で流しなが
ら約3分間で750℃まで降温した。この温度で窒素を
約20L/分、アンモニアを10L/分、TMGを10
cc/分の流量で固定し、TMIのみの流量を30cc
/分で約45秒、180cc/分で約3分という組み合
わせを4回行ない、最後に30cc/分で約2分間供給
し、In組成4%の障壁層とIn組成18%の井戸層を
有する周期4の多重量子井戸(MQW)構造からなる活
性層108を形成した。
【0039】本実施例の活性層の成長は単純にTMI原
料の流量を交互に切り換えて行なったが、TMIの流量
を例えば180cc/分で固定し、ほとんどの供給ライ
ンを窒素とし、1つのガス供給ラインから水素をパルス
的に供給することによってInGaN層のIn組成を制
御することも可能である。これは水素が結晶中に取り込
まれるIn量を抑制するためである。このように水素量
でIn組成を制御することにより比較的乱れの少ない界
面を形成することができる。
【0040】このような乱れの少ない界面を形成する別
の方法としては、成長中断がある。これは各原料を供給
し、原料を切り換える際に一定間隔の時間、3族原料の
みを供給せずに放置するものである。このような供給を
停止している時間では、表面に付着した分子が移動する
ことによって再配列し界面が平坦になるという特性があ
る。
【0041】次に、サファイア基板101を、窒素を約
20L/分、アンモニアを10L/分の流量で流しなが
ら約3分間で1100℃まで昇温した。この温度で水素
を15L/分、窒素を5L/分、アンモニアを10L/
分、TMGを100cc/分、TMAを60cc/分、
Cp2 Mgを50cc/分の流量で約3分供給すること
により、p型AlGaNオーバーフロー防止層109を
形成した。ここからTMAの供給を停止し、さらに約1
0分間供給することにより、p型GaNガイド層110
を形成した。これらの原料にTMA20cc/分を加
え、 Cp2 Mgの流量を300cc/分に増やし、約
45分間供給することにより、p型AlGaNクラッド
層111を形成した。これらの原料からTMAの供給を
停止し、Cp2 Mgの流量を50cc/分に戻してさら
に20分供給することによりp型コンタクト層112を
形成した。
【0042】これに引き続いて、水素を0.5L/分、
窒素を19.5L/分、アンモニアを10L/分、TM
Gを100cc/分、Cp2 Mgを50cc/分の流量
で約10分間流すことにより、p型GaNコンタクト層
115を形成した。
【0043】この後、TMGおよびCp2 Mgの供給を
停止し、その状態で350℃まで降温し、さらに350
℃でアンモニアの供給を停止し室温まで冷却し、反応室
内を窒素に置換した後、反応室から成長ウエハーを取り
出した。
【0044】次に、p型GaNコンタクト層115上に
幅20μmの縞を半導体側からPt、Ti、Pt、Au
の順で形成し、これを周知の熱CVD法などを用いて形
成したSiO2 膜(図示せず)およびレジストなどでマ
スキングした。この幅20μmの縞以外の部分を塩素ガ
ス等を用いてp型GaNガイド層110が露出するまで
エッチングした。なお、ここで形成した積層金属膜はp
側電極140として用いている。
【0045】次に、一度マスクしたSiO2 膜およびレ
ジストを有機溶剤および弗酸などで除去した。次に、エ
ッチング除去されなかった領域を含む幅150μmの縞
領域を再びSiO2 膜およびレジストでマスキングし、
膜のない部分をn型GaN層104が露出するまでエッ
チングした。
【0046】次に、n型GaNコンタクト層104上
に、周知の真空蒸着法やスパッタ法などによって、順に
Al、Pt、Auの順で積層形成し、n側電極130と
した。このようにして作製したウエハーを幅350μm
×長さ500μmの大きさにへき開し、レーザーダイオ
ードチップとした。共振器端面は研磨やエッチングによ
って形成することも可能である。また、端面に誘電体に
よる多層膜を形成し高反射膜とすることも可能である。
このチップは活性層108中のIn組成によるが、電流
密度5kA/cm2 を流した時、波長420nm、出力
5mWで室温連続発振した。
【0047】(第5の実施形態)図6は、本発明の第5
の実施形態に関するGaN系化合物半導体レーザー70
0の断面構造の概略図である。
【0048】本実施形態においては、GaN系層を形成
するための緩衝層として3C型のSiC層702を用い
ている。この3C−SiC結晶702を形成するための
成長用基板としてSi基板701を用いることが可能で
あり、本実施例ではSi基板701を残している。これ
は、下面のオーミック電極130を形成しやすいためで
あるが、ヘテロ障壁を減らすためにSi基板701をウ
ェットエッチングなどで除去し、3C−SiC結晶70
2を基板として用いることも可能である。
【0049】また、3C型SiC結晶702が閃亜鉛鉱
型であるため、上に成長されるGaN系層も閃亜鉛鉱型
となり、(100)面などでへき開することが容易に行
なえるという点でサファイア基板上のウルツ鉱型結晶と
比較して有利である。
【0050】この3C型SiC結晶702上に、GaN
バッファ層703、n型GaNコンタクト層704、ア
ンドープGaN光吸収層705、n型GaNコンタクト
層704、が形成されている。このn型GaNコンタク
ト層704上に、n型AlGaNクラッド層、n型Ga
Nガイド層707、InGaN多重量子井戸構造活性層
708、p型AlGaNオーバーフロー防止層709、
p型GaNガイド層710、p型AlGaNクラッド層
711からなるダブルヘテロ構造が形成され、この上に
p型GaN第1コンタクト層712が形成されている。
このp型GaN第1コンタクト層712上の一部にn型
GaN電流ブロック層713が形成されこれを埋め込む
ように、p型GaN埋込み層714が形成されている。
この上にp型GaNコンタクト層715が形成され、p
型GaNコンタクト層715側にp側電極140、Si
基板側にn側電極130が形成され、本発明のGaN系
化合物半導体レーザーを構成している。
【0051】この実施形態においても、アンドープGa
N光吸収層705は、第1の実施形態と同じ成長条件で
形成されており、電気抵抗も小さく、発光効率を向上さ
せることが可能であった。
【0052】なお、実施例では吸収層としてGaNを用
いた場合について述べたが、AlGaNを用いることで
屈折率を低下させ光のしみ出しを防ぐことも可能であ
る。ただし、この場合にはヘテロ障壁が生じ、電圧が上
昇するという副次的な要素が加味されるので、Alの組
成比としてはクラッド層のAl組成比以下であることが
望ましい。また、活性層よりもエネルギーギャップの大
きいInGaNを用いることも可能である。この場合に
はGaNなどと比較して吸収効率をより高めることがで
きるという点では有利であるが、ヘテロ障壁による電圧
上昇が生じるとともに、良質のInGaNを成長させる
温度は一般にGaNなどと比較して低いことから、蒸発
防止などの対策を施さなければならないという点で構造
的に不利な点がある。
【0053】本発明は、基板として、前述したサファイ
ア、Si基板、GaN基板に限定されるものではなく、
その他にも、スピネル、MgO、ScAlMgO4 、L
aSrGaO4 、(LaSr)(AlTa)O3 などの
絶縁性基板や、SiC(特に2H型が望ましい)、Ga
As、InPなどの半導体基板も同様に用いることがで
きる。特に発振波長領域で吸収の少ない材料を基板とし
て用いた場合にはより顕著な効果を示す。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アンドープのGaN系層を吸収層として用いているの
で、クラッド層からしみ出した光による導波路領域以外
でのモード形成を阻止することができる。このようにし
てできた半導体レーザーを用いることにより、良好な形
状の出射ビームを得ることができ、次世代DVDと呼ば
れる片面15GB以上の光ディスクシステムのピックア
ップ用光源として用いることが可能となる。また吸収層
がアンドープであるので、その後の工程において、各層
にメモリー効果による不純物の混入を防ぐことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態であるGaN系化合
物半導体レーザーの断面図。
【図2】 光吸収層の室温フォトルミネッセンススペク
トルを示す図。
【図3】 本発明の第2の実施形態であるGaN系化合
物半導体レーザーの断面図。
【図4】 本発明の第3の実施形態であるGaN系化合
物半導体レーザーの断面構造を示す概略図。
【図5】 本発明の第4の実施形態であるGaN系化合
物半導体レーザーの断面図。
【図6】 本発明の第5の実施形態であるGaN系化合
物半導体レーザーの断面図。
【図7】 従来のGaN系化合物半導体レーザーの断面
図。
【符号の説明】
101…c面サファイア基板 102、201…GaN低温バッファ層 103…GaN高温バッファ層 104…n型GaNコンタクト層 105…GaN光吸収層 106…n型AlGaNクラッド層 107…n型GaNガイド層 108…InGaN多重量子井戸構造活性層 109…p型AlGaNオーバーフロー防止層 110…p型GaNガイド層 111…p型AlGaNクラッド層 112…p型GaN第1コンタクト層 113…n型GaN電流ブロック層 114…p型GaN埋込層 115…p型GaNコンタクト層 120…保護層 130…n側電極 140…p側電極 304…GaN基板兼光吸収層 701…Si基板 702…3C―SiC結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 譲司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE11 DB08 EF01 5F045 AA04 AB06 AB09 AB14 AB17 AB18 AC01 AC08 AC12 AC13 AC19 AD08 AD11 AD15 AF03 AF04 AF09 AF13 CA12 DA53 DA55 DA61 DA66 EB15 EE12 GB11 5F073 AA09 AA43 AA52 AA55 AA74 CA02 CA07 CB01 CB07 CB10 DA05 DA26 EA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに異なる導電型を有するクラッド層
    と、 このクラッド層に挟まれ、前記クラッド層よりもエネル
    ギーギャップの小さい活性層と、 少なくとも一方の前記クラッド層に対して前記活性層と
    反対側に形成され、前記活性層よりもエネルギーギャッ
    プが大きく、アンドープの吸収層とを具備することを特
    徴とする化合物半導体レーザ。
  2. 【請求項2】活性層が互いにエネルギーギャップの異な
    る2種類のInx Ga1-x N(0≦x≦1)の多重量子
    井戸構造、あるいはInx Ga1-x N(0≦x≦1)の
    単層からなり、前記吸収層がAly Ga1-y N(0≦y
    ≦1)からなることを特徴とする請求項1に記載の化合
    物半導体レーザ。
  3. 【請求項3】互いに異なる導電型を有するクラッド層
    と、 このクラッド層に挟まれ、前記クラッド層よりもエネル
    ギーギャップの小さい活性層と、 少なくとも一方の前記クラッド層に対して前記活性層と
    反対側に形成され、前記活性層よりもエネルギーギャッ
    プが大きく、アンドープの吸収層とを具備することを特
    徴とする化合物半導体レーザを有機金属気相成長法で製
    造するに際し、 前記吸収層は、3族原料に対する5族原料のモル供給比
    が1000以下であることを特徴とする化合物半導体レ
    ーザーの製造方法。
  4. 【請求項4】互いに異なる導電型を有するクラッド層
    と、 このクラッド層に挟まれ、前記クラッド層よりもエネル
    ギーギャップの小さい活性層と、 少なくとも一方の前記クラッド層に対して前記活性層と
    反対側に形成され、前記活性層よりもエネルギーギャッ
    プが大きく、アンドープの吸収層とを具備することを特
    徴とする化合物半導体レーザを有機金属気相成長法で製
    造するに際し、 前記吸収層は、3族原料に対する5族原料のモル供給比
    が600以下であることを特徴とする化合物半導体レー
    ザーの製造方法。
JP10362401A 1998-12-21 1998-12-21 化合物半導体レーザおよびその製造方法 Pending JP2000183466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10362401A JP2000183466A (ja) 1998-12-21 1998-12-21 化合物半導体レーザおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10362401A JP2000183466A (ja) 1998-12-21 1998-12-21 化合物半導体レーザおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000183466A true JP2000183466A (ja) 2000-06-30

Family

ID=18476756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10362401A Pending JP2000183466A (ja) 1998-12-21 1998-12-21 化合物半導体レーザおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000183466A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002094189A (ja) * 2000-09-14 2002-03-29 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた光学装置
JP2004266143A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2006216576A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Toshiba Ceramics Co Ltd 化合物半導体デバイス
JP2007194410A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Rohm Co Ltd 窒化物系半導体素子の製造方法
US7329909B2 (en) 2005-02-02 2008-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Nitride semiconductor device
JP2009084074A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Kyocera Corp 基板及びそれを用いた窒化ガリウム系化合物半導体の成長用方法並びに窒化ガリウム系化合物半導体
JP2010045396A (ja) * 2005-04-05 2010-02-25 Toshiba Corp 窒化ガリウム系半導体素子の製造方法
WO2014136416A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 国立大学法人山口大学 半導体装置の製造方法及びiii-v族半導体の結晶成長方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002094189A (ja) * 2000-09-14 2002-03-29 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた光学装置
JP2004266143A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP4576795B2 (ja) * 2003-03-03 2010-11-10 日亜化学工業株式会社 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2006216576A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Toshiba Ceramics Co Ltd 化合物半導体デバイス
US7329909B2 (en) 2005-02-02 2008-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Nitride semiconductor device
JP2010045396A (ja) * 2005-04-05 2010-02-25 Toshiba Corp 窒化ガリウム系半導体素子の製造方法
JP2007194410A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Rohm Co Ltd 窒化物系半導体素子の製造方法
JP2009084074A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Kyocera Corp 基板及びそれを用いた窒化ガリウム系化合物半導体の成長用方法並びに窒化ガリウム系化合物半導体
WO2014136416A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 国立大学法人山口大学 半導体装置の製造方法及びiii-v族半導体の結晶成長方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6984841B2 (en) Nitride semiconductor light emitting element and production thereof
US8254425B1 (en) Optical device structure using GaN substrates and growth structures for laser applications
US8294179B1 (en) Optical device structure using GaN substrates and growth structures for laser applications
KR100902109B1 (ko) 질화 갈륨계 화합물 반도체 소자
US6815728B2 (en) Nitride semiconductor light-emitting device and optical device and light-emitting apparatus with the nitride semiconductor light-emitting device
JP2000232238A (ja) 窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP2008109092A (ja) 半導体発光素子
JP2002246698A (ja) 窒化物半導体発光素子とその製法
JP2002151796A (ja) 窒化物半導体発光素子とこれを含む装置
JP2002319703A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP2900990B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2003060318A (ja) GaN系化合物半導体エピウェハ及びそれを用いた半導体素子
JP3424465B2 (ja) 窒化物半導体素子及び窒化物半導体の成長方法
JP3446660B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP4291960B2 (ja) 窒化物半導体素子
JPH1174622A (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP2891348B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JPH10145006A (ja) 化合物半導体素子
JP2000183466A (ja) 化合物半導体レーザおよびその製造方法
JP2004104088A (ja) 窒化物半導体素子
JP2001196702A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP4346218B2 (ja) 窒化物半導体発光素子とそれを含む光学装置
JP2002270969A (ja) 窒化物半導体発光素子およびそれを用いた光学装置
JP4334129B2 (ja) 窒化物半導体発光素子とそれを含む光学装置
JP2009038408A (ja) 半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050414

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606