JP4899290B2 - 逆阻止型半導体装置 - Google Patents

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本発明は電力変換装置などに使用されるパワー半導体装置に関する。さらに詳しくはFZウェハを用いて製造される、双方向の耐圧特性を有する双方向IGBT又は逆阻止型IGBTと呼称されるIGBTデバイスに関する。
従来のプレーナ型pn接合構造を有するIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、主要な用途であるインバータ回路やチョッパ回路では、直流電源下で使用されるので、順方向の耐圧さえ確保できれば問題はなく、素子設計の段階から逆方向耐圧確保を重要因子としての考慮をせずに作られていた。
しかし、最近、半導体電力変換装置において、AC(交流)/AC変換、AC/DC(直流)変換、DC/AC変換を行うために、直接リンク形変換回路等のマトリクスコンバータが適用されるようになってきた。そして、このマトリクスコンバータに双方向スイッチング素子を使用することによる、回路の小型化、軽量化、高効率化、高速応答化および低コスト化を図る研究がなされるようになった。このため、逆耐圧IGBTを逆並列接続して前記双方向スイッチング素子とするために、逆耐圧を持ったIGBTが要望されるようになった。
図25はマトリクスコンバータの回路図であり、(a)は3相分のスイッチ部分を示す回路図であり、(b)は(a)の1スイッチを通常のIGBTを用いて構成した回路図であり、(c)は(a)の1スイッチを双方向の耐圧特性を有する双方向IGBTを用いて構成した回路図である。図25(b)において、従来のIGBTは、有効な逆阻止能力を確保できるような素子設計および製造方法がとられていないために、逆耐圧を確保するために、IGBT1a,1bに直列に順方向のダイオード2a,2bをそれぞれ接続して変換装置を構成する必要があった。このため、ダイオードを直列に含むので発生損失が大きくなり、変換装置の変換効率の低下を招き、また、素子点数が多くなり、変換装置の小型化、軽量化、低コスト化が困難であった。そこで、図25(c)に示すように逆阻止型IGBT1c、1dを用いると直列に接続するダイオードを不要とすることができる。
図24は、逆阻止型IGBTの要部断面図であり、(a)は逆電圧を印加した場合の断面図であり、(b)は順電圧を印加した場合の断面図である。図24において、nドリフト層3となるn型FZウェハの表面および裏面から深いp型分離領域11を拡散で形成し、その後nドリフト層3の表面に選択的にp+ベース層4を複数形成し、そのp+ベース層4の表面に選択的にn+エミッタ領域5を形成し、更にゲート酸化膜6、ゲート電極7及びエミッタ電極8等表面側のMOSゲート構造を形成する。このMOSゲート構造の形成後、逆阻止耐圧が600Vの場合、nドリフト層3を裏面から100μm程度に減厚し、減厚後裏面からpコレクタ層9をイオン注入及びアニールによって形成する。このIGBTは、デバイス側面の切断部10が高濃度p+分離領域11で囲まれているので、逆電圧を印加した際にも空乏層12がpコレクタ層9とp+分離領域11におけるpn接合部近辺までしか拡がらず、デバイス側面の切断部10に現れることがなく、デバイス表面にのみ電界が発生する。従って十分な逆耐圧を得ることが可能である。(下記特許文献1〜4、非特許文献1参照)なお、このp+分離領域11がない通常のIGBTでは、エミッタをグランド電位としコレクタを負電位とする逆バイアスを加えると、pコレクタ層9の基板端部で電界が集中し、漏れ電流が増加することで、十分な逆耐圧が得られない。
この図24のようなデバイスを図25(c)のように逆並列に接続すると、双方向の電流を制御でき、双方向の印加電圧にも耐えられる、双方向デバイスとして機能させることができる。双方向デバイスをAC−AC変換器に適用するとACからACに直接変換が可能になり、従来のコンバータ+コンデンサ+インバータから構成される変換回路に比べて装置のサイズが大幅に縮小でき、コストダウンが可能になる。また、双方向デバイスはIGBTおよび還流ダイオードとして機能させることができる。
特にフリーホイリングダイオード(FWD)動作時の逆回復時には、コレクタ側から伸びる空乏層によって蓄積過剰キャリアが掃き出されるため、コレクタ側のキャリア量が多いと逆回復ピーク電流が大きくなり、ハードリカバリーになる。逆阻止型IGBTをFWDとして使用するには、逆回復特性の改善が必須である。この逆回復改善を目的に、裏面コレクタ層を低濃度かつ低温活性にて形成する方法が知られている。(下記特許文献4参照)
図26は、IGBTの周辺耐圧構造を示した断面図である。(下記特許文献5参照)図26において、nドリフト層23の一方の面にMOSゲート構造となるpベース層24、耐圧構造部分のp型のフィールドリミット層25、n型のチャネルストッパ層22が設けられている。pベース層24にはエミッタ電極28が接触しており、フィールドリミット層25にはフィールドリミット電極27が接触しており、このフィールドリミット電極27はフィールドリミット層25間上の酸化膜26上に延在している。チャネルストッパ層22にはエミッタ電極側へ延在するチャネルストッパ電極21が接触している。そして、nドリフト層23の他方の面にpコレクタ層29が設けられている。
通常のIGBTやフリーホイリングダイオード(FWD)の周辺耐圧構造は、コレクタ電極を正、エミッタ電極を負とする方向(順方向)のバイアスにおいて、耐圧が高くなるように構成されている。耐圧構造の具体的な構造としては、フィールドリミット層、フィールドリミット電極、フィールドリミット層とフィールドリミット電極の組み合わせ、SIPOS及びRESURF等が知られている。この中で、フィールドリミット層とフィールドリミット電極の組み合わせた構造が特許文献5に記載されており、この構造は長期信頼性が安定して得られるという特徴がある。即ち、特に湿中環境において、マイナスイオンが耐圧構造表面の酸化膜表面に侵入した場合に、酸化膜下の半導体表面にプラスの電荷が誘起されることで電位分布の不均一な部分が生じ、耐圧が低下するが、主接合(エミッタ電極に接触しているp層とn-ドリフト層とのPN接合)近辺のフィールドリミット層間隔を狭く、かつフィールドリミット電極を長くしてフィールドリミット電極間の開口を狭め、酸化膜露出部を小さくしてマイナスイオンの侵入を抑制することがこの構造では容易にでき、前述のマイナスイオンの影響を受けずにすむからである。しかしながら、フィールドリミット層25とフィールドリミット電極27の組み合わせ構造の場合、等電位線分布は、その間隔、深さ及び長さの配置関係の影響を敏感に受ける。各フィールドリミット層25の電位分担と電界強度を均一に分布させるため、一般には、エミッタ電極28側のフィールドリミット層25間の間隔を狭くし、素子外周部に向かってフィールドリミット層25間の間隔を広く分布させている。特にエミッタ電極28側のフィールドリミット層25の間隔は、隣り合うP層(主接合もしくはフィールドリミット層)での印加バイアス0Vでのビルトイン空乏層がつながるくらいである。そして、最外周のフィールドリミット層25とチャネルストッパ層22の間は、チャネルストッパ層22に空乏層が到達しないよう少数キャリアの拡散長程度の162μm(1200V素子の場合)としている。このため、1200Vの素子では、表面電荷の影響が少ない、安定な耐圧構造を得るために耐圧構造部分の長さが708μm程度に設定されている。一方、抵抗性膜を用いて順・逆耐圧双方を持たせる方法もある。これは、耐圧構造部の酸化膜上に抵抗性の窒化膜等を形成することで、微小な電流を抵抗性の窒化膜に流し、電位分布を均等にして耐圧を高めるものである。特に逆阻止IGBTでは、順方向と逆方向にこの方法を適用することができるのでフィールドリミット層やフィールドプレート電極が不要となり、抵抗性窒化膜では、耐圧構造部の長さをフィールドリミット層やフィールドプレート電極からなるフィールドリミット構造よりも短くできる。しかしながら、長期信頼性試験の1種であるTHB(Thermal Humid Biased)試験で逆耐圧の劣化が確認された。THB試験は、逆阻止IGBTモジュールを湿度85%、温度125℃の高温高湿中雰囲気で、逆バイアスを定格電圧の8割の値で印加し、長期の逆バイアスの印加電圧の変化を調べる試験である。この耐圧劣化は、上記窒化膜が抵抗性のため、前述の雰囲気で腐食が進み、その結果電位分布が均等でなくなり、電界の集中が生じて耐圧が劣化したものと考えられる。よって、このような長期信頼性にも十分安定な、逆阻止IGBTの耐圧構造を検討することが急務である。
特開平7−307469号公報 特開2001−185727号公報 特開2002−76017号公報 特開2002−353454号公報 特開2000−208768号公報 エム・タケイ(M.Takei)、外2名、「600V−IGBTウイズ・リバース・ブロッキング・ケイパビリティ(with Reverse Blocking Capability)」、プロシーディングス・オブ・2001・インターナショナル・シンポジウム・オン・パワー・セミコンダクタ・デバイセス・アンド・アイシーズ・オオサカ(Proceedings of 2001 International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs,Osaka)2001年、P.413−416
しかしながら、上記特許文献4に記載の逆阻止IGBTにおいてダイオード動作では、濃度の高いP+分離領域からもホールが注入されるため、裏面コレクタ層を低注入化してもダイオード動作が改善されないことが分かった。このため、P+分離領域からのホールの注入を抑える構造が必要である。
一方、図24(a)のように逆バイアス(エミッタ側を正、コレクタ側を負)を印加したときの逆漏れ電流は、PNPトランジスタのオープンベーストランジスタ増幅率を決定する要素の1つであるエミッタ側のエミッタ注入効率に依存する。このエミッタ注入効率は、n+エミッタ領域5とn+エミッタ領域5との間でpベース層4がエミッタ電極と接触する表面層部分に形成されるp層(図示せず)でほぼ決まる。このp層(図示せず)は、n+エミッタ領域5より深くp+ベース層4より浅くかつp+ベース層4より高濃度とする。このp層は、ラッチアップの防止を目的として、1×1019cm−3以上の極めて高い濃度にて形成されるため、エミッタ注入効率は0.9以上と高い値を示す。従って、特に高温ではこの漏れ電流が10mA/cm2以上となり、通常の100倍以上の漏れ電流となってしまう。また、p+ベース層4の下部にn+層(プレーナ型の場合:p+ベース層4を覆う深さのn層、トレンチ型の場合:p+ベース層4とnドリフト層3との間で、nドリフト層3よりも濃度の高いn+層)を形成すると、上記エミッタ注入効率を低下できるが、プレーナ型の場合このn+層のためにオフ時の電界強度減少分が大きく、耐圧が低くなってしまう。よって、より容易な手段で上記逆もれ電流を低減する必要がある。また、p+分離領域の形成においては、従来の場合、分離領域形成時の拡散マスクとしての酸化膜厚さが十分でなく、1250℃での高温拡散のとき、ボロンが酸化膜を突き抜け、酸化膜形成領域の下側にもp+層が形成されてしまうことがあった。このため、正常なMOS構造が形成できずに、IGBTとしてオンしないチップができてしまうことがあった。 更にまた、逆阻止耐圧を有するIGBTでは、電圧が順方向だけでなく、エミッタ電極を正、コレクタ電極を負とする逆方向バイアス時にも、高い耐圧を維持する必要があるので、この素子端部を取り囲み、表面と裏面をつなぐようにP分離領域を形成して、逆方向耐圧をもたせている。しかしながら、前述のフィールドリミット層とフィールドリミット電極を組み合わせた構造をそのまま逆阻止IGBTに適用しても、順耐圧と同等の逆耐圧を得ることができないことが判明した。例えば、定格電圧1200Vの逆阻止IGBTに順バイアスと逆バイアスを印加して耐圧を測定したところ、順方向耐圧は 1480Vで十分な耐圧であったのに対して、逆方向耐圧は1220Vで、定格電圧に対して余裕が少なかった。これは、逆バイアスでは空乏層が1200V程度で主接合にリーチスルーして、ホールが空乏層に侵入し、バイアスに従い耐圧構造直下を通り漏れ電流が流れているためである。このように、逆バイアスでは、順耐圧よりも小さい値で、空乏層が耐圧構造部分で主接合とリーチスルーする。このため、逆耐圧が順耐圧より低いことが判った。この逆バイアスの空乏層のリーチスルーの理由は2点ある。一つは、順バイアスでの空乏層の拡がりと異なり、逆バイアスでは、裏面のコレクタ層のPN接合から表面に向かって縦方向に拡がる空乏層と、側面の分離領域から主接合に向かって横方向に拡がる空乏層の2種類があるためである。つまり、逆印加電圧が高くなると、双方の空乏層がピンチオフして、ドリフト層の空乏化に必要な電子の個数が電圧とともに少なくなる。そのために空乏層が拡がりやすくなり、結果として順耐圧よりも小さい電圧で上述のリーチスルーが生じる。この状態を示したのが、図27である。もう一つは、ゼロバイアスでの空乏層がつながっていることである。主接合側から複数本のフィールドリミット層迄は、ゼロバイアスで既に空乏層がつながっている。そのため逆バイアスで裏面と分離層から空乏層が拡がる際、このゼロバイアスで既に空乏層がつながっているフィールドリミット層まで到達すれば、主接合まで空乏層がリーチスルーしてしまう。
このため、逆バイアスでも空乏層がエミッタ側の主接合にリーチスルーしないようにし、安定した長期信頼性を持つ構造を実現する必要がある。
本発明は、上記課題を克服し、逆バイアスでも空乏層がエミッタ側主接合にリーチスルーしないようにし、しかも安定した長期信頼性をもつ逆阻止IGBTの耐圧構造の実現を目的とする。本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分離領域の逆回復ピーク電流への影響をなくし、十分ソフトなリカバリーを示す耐圧構造にすることができ、逆阻止型IGBTの本質的である、逆漏れ電流の増加を抑え、しかもオン電圧も十分小さい値に抑えることが可能な逆阻止型半導体装置を提供することである。
このため、本発明は、第1導電型ドリフト層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層と、該第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第1導電型エミッタ領域と、前記第1導電型ドリフト層と第1導電型エミッタ領域とに挟まれる前記第2導電型ベース層の表面に被覆されるゲート絶縁膜と該ゲート絶縁膜を介して被覆されるゲート電極とからなるMOSゲート構造と、前記第1導電型エミッタ領域と第2導電型ベース層とに接触するエミッタ電極と、前記MOSゲート構造を前記第1導電型ドリフト層を介して取り囲み、半導体基板の側面を覆うように形成される第2導電型分離領域と、前記第1導電型ドリフト層の裏面に形成され、該裏面に露出する前記第2導電型分離領域に連結される第2導電型コレクタ層と、該第2導電型コレクタ層に接触するコレクタ電極を備えた逆阻止型半導体装置において、前記エミッタ電極と前記第2導電型分離領域の間の前記第1導電型ドリフト層に、第2導電型フィールドリミット層と該第2導電型フィールドリミット層に接触する浮遊電位のフィールドリミット電極を複数環状に設け、エミッタ電極側のフィールドリミット電極は外側への延在部分が大きく、第2導電型分離領域側のフィールドリミット電極は内側への延在部分が大きく、かつエミッタ電極側のフィールドリミット電極及び第2導電型分離領域側のフィールドリミット電極がそれぞれ複数あることとするとよい。また、エミッタ電極側のフィールドリミット層及び第2導電型分離領域側のフィールドリミット層がそれぞれ複数あり、エミッタ電極側のフィールドリミット層間又は第2導電型分離領域側のフィールドリミット層間の少なくとも一部に第1導電型ドリフト層より高不純物濃度の第1導電型高濃度層を形成することとする。この第1導電型高濃度層の表面濃度が、1017cm−3以下であるとよい。また、エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときに前記フィールドリミット層から前記第1導電型ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅をWbiとし、隣り合うフィールドリミット層の間の距離Wgが、2Wbiよりも大きいこととする。また、第2導電型フィールドリミット層の拡散深さをXjとし、エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときに前記フィールドリミット層から前記第1導電型ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅をWbiとし、隣り合うフィールドリミット層の間の絶縁膜の幅WGが、1.6Xj + 2Wbiよりも大きいこととする。また、前記第1導電型ドリフト層の厚さWdriftが、
Figure 0004899290
の条件を満たすこととする。また、隣り合うフィールドリミット電極とフィールドリミット層の間の距離LOPの総和ΣLOPiと前記LNiの総和ΣLNiとの関係が、ΣLOPi/ΣLNi<0.7であることとする。また、エミッタ電極側のフィールドリミット層及び第2導電型分離領域側のフィールドリミット層がそれぞれ複数あり、エミッタ電極側のフィールドリミット層と第2導電型分離領域側のフィールドリミット層との間に中間電界緩和領域を有することとする。
本発明により、分離領域の逆回復ピーク電流への影響をなくし、十分ソフトなリカバリーを示す耐圧構造にすることができ、逆阻止型IGBTの本質的である、逆漏れ電流の増加を抑え、しかもオン電圧も十分小さい値で抑えることが可能となる効果を奏する。よって、低損失であるだけでなく、より扱いやすいマトリックスコンバータの作成が可能となる逆阻止型半導体装置を提供できる効果を奏する。
図1は本発明の実施例の逆阻止型IGBTの分離領域と活性部との距離Wとn型ドリフト層の深さ方向の厚さdとの関係を示す要部断面図であり、図2は600V耐圧の逆阻止型IGBTに実施したときの、分離領域と活性部との距離Wと、ダイオード動作時の逆回復電流との関係を示した特性図である。図2において、横軸は分離領域と活性部との距離Wと、nドリフト層厚さdとの比で、Wは厳密には表側エミッタ電極がpベース層4との接触している表面部分での最も外端の位置と、p分離領域11とnドリフト層3との表面における境界位置との間の距離であり、図1にWとして示している。縦軸は、逆回復時のピーク電流を、W/dが4、さらにWがアンビポーラ拡散長Laの2倍のときの値で規格化している。ここで、逆回復時の印加電圧Vccは100Vとした。
ここで、IGBTの構造は、次の通りである。厚さ525μmで不純物濃度が1.5×1014cm-3のFZウェハのnドリフト層3の表面に、厚さ1.6μmの初期酸化膜を形成し、デバイス周辺部の幅100μmの領域を選択的にエッチングし、表面にボロンソースを塗布して熱処理することで、ボロンのデポジションを行う。ボロンガラスエッチングを行い酸化膜中のボロンを除去した後、1200℃以上の温度において酸素雰囲気中で深さ120μmまでボロンを拡散してp分離領域11を形成する。 p+ベース層4、n+エミッタ領域5、ゲート酸化膜6、ゲート電極7およびエミッタ電極8等通常のIGBTにおけるMOSゲート構造を表面側に形成する。その後裏面を削り、耐圧が600V程度の場合はウェハ厚を100μmに減厚する(IGBTの耐圧が1200V程度の場合はウェハの裏面を削り180μm程度の厚さに減厚する)。その後裏面に1×1013cm-2のボロンをイオン注入して350oCで1時間のアニールを行い、ピーク濃度が1×1017cm-3で厚さが1μm程度のp+コレクタ層9を形成する。最後にコレクタ電極を形成して逆阻止型IGBTが製造される。また裏面ボロンイオン注入後に、500mJ〜4J/cm2の全固体(YAG2ω)レーザを照射して裏面コレクタ層を活性化することも可能である。本実施例の構造では、Wは80μm〜400μmとした。
W/dが1以下、つまり活性部から分離領域までの距離がnドリフト層3厚さdよりも小さくなると、急激に逆回復ピーク電流が増加する。分離領域迄の距離が短くなると、分離領域からのホールの注入が相対的に裏面コレクタ層からの注入よりも多くなる。これは、裏面pコレクタ層9よりも2桁以上分離領域の方のアクセプタ濃度が高く、かつ分離領域から表エミッタ電極までの距離の方がドリフト厚よりも短くなるため、ホールを分離領域から注入する方が低抵抗となるからである。よってIGBTがオンしているときのキャリア分布では、裏面側の濃度が相対的に増加する。それが反映して、逆回復時にピーク電流の増加となる。さらに、ライフタイム低減をしない、いわゆるノンキラーの場合に比べて、ライフタイム低減をする場合はさらに逆回復ピーク電流は低くなる。図2において、ノンキラーの場合のアンビポーラ拡散長はLa1=194μm(図中のW=Laの点線)、電子線を4Mrad(=40kGy)照射したときのアンビポーラ拡散長はLa2=82μm(図中のW=2Laの実線)となる。nドリフト層厚dはほぼ100μmである。電子線を照射する方が、逆回復電流は小さい。
一般に逆漏れ電流は、順方向の通常IGBTの漏れ電流よりも大きい。これは、一つはエミッタ電極と接触するp層が高濃度なため、もう一つは裏面コレクタ層の低温活性時の残留欠陥(ダメージ)のためである。図3は、逆漏れ電流RICESの電子線照射量依存性を示した図である。図4は、上述の600V逆阻止型IGBTに、逆バイアスを800V印加したときの等電位線の分布である。0V線は表面から約30μmのところに分布し、それより表側は空乏化していない電荷の中性領域である。従来の技術の項でも説明したようにp層は、ラッチアップ防止のため、通常1×1019atoms/cm3以上の濃度で形成される。RICESは、以下のように記述できる。
Figure 0004899290
gen とIgen はドリフト層及びコレクタ層での生成電流である。Idiffは、少数キャリアの拡散電流であるが、高温では無視することができる。よって、式(3)からエミッタ増幅率βは、
Figure 0004899290
となる。ここで、算出には2次の近似を用いた。逆バイアストランジスタではエミッタ注入効率γが、ほぼ1に近い。τは少数キャリアのライフタイムであり、Dはドリフト層におけるホールの拡散係数である。WDはドリフト層での中性領域幅(図4では約30μm)である。よって、Igen は次式(5)のようになる。
Figure 0004899290
A は活性部面積, W は空乏層幅, tsc空間電荷領域の生成ライフタイムである。電子線照射による支配的な捕獲準位はギャップ中心からは十分浅く、tp は tscに対して十分短い。よってRICES は電子線照射により小さくできる。
図3の横軸は、電子線照射量(Mrad、1Mrad=10kGy)、縦軸は逆漏れ電流RICESである。裏面pコレクタ層を熱活性(350℃で1時間)させた場合の、ゲートが無バイアス(G-Eショート)(RICES)、ゲートGE間に+15V印加時(RICE+)、さらに裏面pコレクタ層をレーザ活性化した時のゲート+15V印加時(RICE+(Laser))について、プロットしている。この図から、逆漏れ電流は、ゲートをエミッタとショートするほうが、+15V印加する場合よりも高いことがわかる。これは、GE間に+15V(閾値7.5V)印加して反転層を形成し、nエミッタ層とn-ドリフト層をショートすることで、PiNダイオード構造を並列に構成することになり、表面のホール注入効率が減るからである。しかしながら、実機コンバータ動作上、ゲートを無バイアスの状態でも逆漏れ電流を小さくすることが望ましい。図3より、電子線照射をすると、GE間無バイアスでの逆漏れ電流が減少し、10Mrad(=100kGy)でGE間+15Vの場合とほぼ同じ(ばらつきがオーバラップするようになる)となることが分かる。これは、上述のPNPトランジスタ部の増幅率を低減した効果を示すものである。さらに、レーザ照射により裏面pコレクタ層近傍を完全再結晶化させると、さらに1/3以下に逆漏れ電流を抑えることができている。これも、上述の、p層による発生電流を抑えた効果である。一方、IGBTのオン電圧は、EI未照射が2.0Vであり、10Mradで2.2Vであり、20Mradで2.8Vとなり、10Mradまではオン電圧の増加を10%以下で抑えている。
次に、高濃度のp分離領域を選択的に形成するためのマスクとなるSiO2酸化膜厚について述べる。上述のように、プロセス初期に酸化膜を形成し、p分離領域を形成する部分を選択的にエッチングする。このとき必要な酸化膜厚は、次式(6)のように求めることができる。拡散源存在下における不純物濃度分布は
Figure 0004899290
で与えられる。Nは不純物濃度、N0は表面不純物濃度、xSiは(シリコン中の)表面からの距離、DSiはシリコン中のボロンの拡散係数、tは拡散時間である。拡散係数DSi
Figure 0004899290
であり、Dは定数、Eaは活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。Eaは約3.7eVである。また1300oCにおける拡散係数は1.0×10-11cm2/sである。600Vクラスの逆阻止型IGBTでは120μmの拡散深さが必要である。実際の拡散では、表面不純物濃度が1.2×1019cm-3、拡散温度1300oC、拡散時間83時間で、拡散深さ120μmが得られた。式(6)において不純物濃度Nがn型ウェハドーピング濃度(=1.5×1014cm-3)に等しいとすると(すなわちpn接合部)、N/ N0が=1.25×10-5であり、図5の相補誤差関数(erfc)の図を用いて、xSi=104μmが得られる。これは実験とおよそ一致している。熱酸化膜中におけるボロン拡散も同様に
Figure 0004899290
で表される。xoxは酸化膜表面からの距離、Doxは酸化膜中のボロンの拡散係数である。酸化膜中のボロン活性化エネルギは約3.5eVである。1300oCにおける拡散係数は1.29×10-15cm2/sである。1.6μmの熱酸化膜をボロンが突き抜ける条件を計算してみる。式(8)においてxox=1.6μmとしてNがn型ウェハドーピング濃度(=1.5×1014cm-3)に等しいとすると、図5を用いてt=153時間である。つまり150時間程度までは、1.6μm厚酸化膜でマスキング可能であるといえる。実際はSi/SiO2界面において、シリコン側の拡散係数が大きいために酸化膜側からシリコン側に向けてボロン吸い出しが起こり、シリコン表面のボロン濃度はさらに減少する。プロセスシミュレーションによると、式(8)から得られる値よりも、濃度が一桁ほど減少する。つまり式(8)はより安全側の見積もりである。シリコンにt=153時間のボロン拡散を行った場合、式(6)より拡散深さはxSi=141μmである。すなわち1.6μmの厚さの酸化膜をマスクとした場合、選択拡散可能な最大深さは141μmである。一般化して、拡散時間tdにおいて厚さXoxの酸化膜の突き抜けが発生したとすると、式(8)より
Figure 0004899290
である。NDはn型シリコンドーピング濃度である。このときシリコン中でXSiの拡散深さが得られたとすると、式(6)より
Figure 0004899290
である。式(9)と式(10)より
Figure 0004899290
となり、従って、
Figure 0004899290
である。シリコン中の最大拡散深さは、マスク酸化膜厚が一定であれば、シリコン中および酸化膜中のボロン拡散係数比の平方根で決まる。表面濃度や拡散時間等のパラメータには一切依存しない。またボロン拡散の活性化エネルギは、シリコン中と酸化膜中でほとんど同じであり(約3.5eV)、式(7)より温度を変えても拡散係数比はほとんど変化しない。以上の解析より、マスク酸化膜厚が決まれば、シリコン中の最大拡散深さは一義的に決まる。600V逆阻止型IGBTにおいては必要拡散深さは120μmであり、式(12)より最低必要な酸化膜厚は1.36μmである。一方1200V逆阻止型IGBTにおいては必要拡散深さが200μmであり、最低必要な酸化膜厚は2.27μmである。
これまでの解析は拡散源存在下における拡散を考えてきたが、デポジション後に拡散源を取り除いた場合、すなわちドライブインの場合はどうであろうか。この場合の酸化膜中ボロン濃度分布は次式のようになる。
Figure 0004899290
Qoxは酸化膜中の総不純物量であり、デポ時間をtpとすると式(8)より
Figure 0004899290
である。式(14)を式(13)に代入すると
Figure 0004899290
シリコン中の拡散に関しても同様に
Figure 0004899290
である。拡散時間tdにおいて厚さXoxの酸化膜の突き抜けが発生し、同時にシリコン中でXSiの拡散深さが得られたとすると
Figure 0004899290
であり、式(15)及び式(16)から式(12)と全く同じ結果が得られ、最大拡散深さはマスク酸化膜厚で決まる。
図6は、本発明での逆阻止型IGBTの逆回復の動作を示す特性図である。
図7,図8は、実施例1とは異なる実施例についての特性を示し、図7は電子線照射量と逆漏れ電流との関係を示した図、図8は電子線照射量とオン電圧との関係を示した図である。この実施例は、裏面に5×1013cm-2のボロンをイオン注入して400oCで1時間のアニールを行い、ピーク濃度が1×1017cm-3で厚さが1μm程度のp+コレクタ層9を形成したものである。
図7において、横軸は電子線照射量(Mrad、1Mrad=10kGy)、縦軸は逆漏れ電流RIcesである。FZウェハの裏面を削る前に,素子の高速化を図るために電子線照射やヘリウム照射を行うが、電子線照射により逆漏れ電流の低減も図られる。即ち電子線は、ドリフト層の方向に一様に欠陥を生成するため逆バイアス時の輸送効率を大幅に下げることができ、それにより電流増幅率が下がる。図7は、印加電圧600V(耐圧600V素子)、125℃での逆漏れ電流の電子線照射量依存性であるが、電子線照射量を高くすればするほど、逆漏れ電流が低くなっていることが判る。2Mradを照射すると急激に逆漏れ電流が低減しているので、電子線照射量は2Mrad以上とするのがよい。しかしながら、電子線を照射すると、バルクに欠陥が生成され、オン電圧が高くなる。オン電圧はデバイスの重要な特性の1つであり、出来る限り低い方がよい。図8は、横軸が電子線照射量(Mrad、1Mrad=10kGy)、縦軸がオン電圧である。電子線照射量を高くするとオン電圧は高くなっている。電子線照射量を6Mrad以上にすると、急激にオン電圧が上昇している。オン電圧を低くするには、電子線照射量を6Mrad以下にするのがよい。
図9、図10は、本発明の第3の実施例である。図9は耐圧構造部分の斜視図であり、図10は耐圧構造部分の断面図で、図10(a)は耐圧構造部分全体を示す断面図であり、(b)〜(d)は(a)に点線で示すY部分の異なる例を示す部分断面図である。比抵抗80ΩcmのN型FZウェハ34の表面に、2.4μmの熱酸化膜を形成し、チッフ゜として分割するためのスクライブ部のみの熱酸化膜を除去開口して、ボロンガラスを塗布し除去した後、1300℃で250時間のドライブインをする。こうしてスクライブ部に、P型分離領域31が形成される。その後熱酸化膜を形成し、熱酸化膜を選択的にエッチングしてフィールドリミット層25の部分を開口する。そして、ボロンを2×1015/cm、100keVでイオン注入し、1150℃で200分のドライブインをする。続いて活性部の熱酸化膜を開口し、65nmのゲート酸化膜を形成し、その上に多結晶シリコン膜を成長させ、エッチングを行いゲート電極を形成する。このとき耐圧構造部分の多結晶シリコンは除去する。続いてPベース層24用にボロンを2×1014/cm、100keVでイオン注入し、1150℃で120分のドライブインを行い、その後レジストを選択形成して砒素を2×1015/cm、45keVでイオン注入する。層間絶縁膜となるBPSG膜を成長させ、活性部とフィールドリミット層25の部分を開口する。Al-1%Siを成膜し、活性部にエミッタ電極28とゲート電極7、さらに耐圧構造部のフィールドリミット電極27を形成する。その後窒化膜またはポリイミドを被着・エッチングし、ウェハが200μmまでなるように裏面をバックグラインドで研削する。この段階で、前述のP分離領域31は裏面に露出し、表面と裏面をつなぐようになる。更に弗硝酸で裏面のみ20μmエッチングすることで、より裏面を滑らかにする。このときウェハ厚は180μmである。その後裏面にAl/Ti/Ni/Auを順に蒸着し、コレクタ電極とする。スクライブ部をダイシングして逆阻止IGBTチッフ゜を形成する。このP型分離領域31は、逆阻止IGBTに逆バイアス、すなわちエミッタ電極28がコレクタ電極35よりも高いバイアスのとき、裏面のPコレクタ層29とN-ドリフト層であるFZウェハ34から広がる空乏層が、チップ端面に露出しないようにするものである。表面には、エミッタ電極28とP分離領域31の間に、耐圧構造が形成されている。エミッタ電極28の隣に、P型のフィールドリミット層25が形成され、フィールドリミット電極27aが接触している。このフィールドリミット電極27aは、フィールドリミット層25を越えてP分離領域側に延在する(外周側に向って広がる)よう広く形成されている。このようなフィールドリミット層25とフィールドリミット電極27aが、数個P分離領域31側に向かって形成されている。耐圧構造の中間領域にある中間電界緩和領域33を境として、フィールドリミット電極の延在方向がエミッタ電極28側とP分離領域31側で反転して形成されている。即ち、中間電界緩和領域33からP分離領域31側のフィールドリミット層25では、逆バイアスを考慮してフィールドリミット電極27bが、フィールドリミット層25を越えてエミッタ電極28側に延在する(内周側に向って広がる)よう広く形成されている。このようなフィールドリミット層25とフィールドリミット電極27bが、数個エミッタ電極28側に向かって形成されている。なお、フィールドリミット電極27a、27b及び27cは浮遊電位となっている。よって、空乏層がエミッタ電極側から外側に向って拡がる時を考えると、フィールドリミット電極27aは外側に向って延びているので、空乏層を拡げる働きをするが、フィールドリミット電極27bは内側に向って延びているので、空乏層を拡げる働きから拡がるのを抑制する働きに一気に変わってしまう。このため、最も内側のフィールドリミット電極27bの先端で電界の集中が起きアバランシェに至る。この電界の集中を防ぐために、延びる方向が反転するフィールドリミット電極側へも電界の集中を起こすことなくスムーズに空乏層が拡がるようにするために電界緩和を中間電界緩和領域33で行っている。(b)は中間電界緩和領域33上に、フィールドリミット電極27と同じ膜を設けない例である。(c)は中間電界緩和領域33をフィールドリミット層25a,25aに置き換え、それぞれの上から延びるフィールドリミット電極を連結して27dとした例である。(d)は中間電界緩和領域33の幅を広くしてその上に両側から延びるフィールドリミット電極27e,27eを設けた例である。また、P分離領域31と接する最外周のフィールドリミット電極は順耐圧の場合には一般的なIGBTの最外周のチャネルストッパ電極と同等の構成となるので、便宜上、チャネルストッパ電極21と呼ぶこととする。図11は、順バイアスと逆バイアスでの空乏層の伸び方を示す耐圧構造部分の断面図であり、(a)は順バイアス時の断面図、(b)は逆バイアス時の断面図である。(a)に示すように順バイアスでは、印加電圧が耐圧の1/10程度の時は、矢印で示すように空乏層36がエミッタ電極28から耐圧構造の中間部分までの間をP分離領域31側に向かって拡がる。よってこのときフィールドリミット電極27aは空乏層36の伸びる方向に対して順方向となり、空乏層36を拡げる働きをする。よって、フィールドリミット層25のPN接合近傍の電界強度は緩和される。順バイアスでの印加電圧が増加すると、空乏層36は耐圧構造の中間の中間電界緩和領域33を越えて更にP分離領域31側へ拡がる。このときフィールドリミット電極27bは、空乏層36の伸びる方向に対して逆方向となるため、空乏層36の拡がりを抑制する働きをする。よって、印加電圧の増加に対して、空乏層36の先端は伸びが鈍化し、P分離領域31まで伸びずに止まるようになる。 一方、(b)に示すように逆バイアスでは、印加電圧が耐圧の1/10程度の時は、矢印で示すように空乏層36がP分離領域31側から耐圧構造の中間部分までの間をエミッタ電極28側に向かって拡がる。このときフィールドリミット電極27bは、空乏層36の伸びる方向に対して順方向となり、空乏層36を拡げる働きをする。よって、P分離領域31側のフィールドリミット層25のPN接合近傍の電界強度は緩和される。逆バイアスでの印加電圧が更に増加すると、空乏層36は耐圧構造の中間からエミッタ電極28側へ拡がる。このときフィールドリミット電極27aは、空乏層36の伸びる方向と逆方向となるため、空乏層36の拡がりを抑制する働きをする。よって、印加電圧の増加に対して、空乏層36の先端は伸びが鈍化し、活性部まで伸びずに止まるようになる。しかしながら前述のように、逆バイアスでは空乏層36がP分離領域31側からの横方向以外にも裏面からの縦方向からも伸びるため、印加電圧が耐圧近くになるとN-ドリフト層が空乏化するために必要な電荷(電子)が少なくなり、より空乏層36が伸びやすくなる。このため、フィールドリミット電極27とフィールドリミット層25の間隔設定が重要となる。この間隔設定について説明する。
エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときにフィールドリミット層からN-ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅よりもフィールドリミット層間の距離が狭いと、フィールドリミット層の間で空乏化していない中性領域が無くなっている。よって、逆バイアスの印加電圧が高いときの空乏層端でのフィールドリミット層の間隔が狭いと、空乏層はつながり、エミッタ層に達してリーチスルーとなり、漏れ電流が増加する。この状態を示したのが図12である。図12はフィールドリミット層間の空乏層の伸びを示す部分断面図であり、(a)は酸化膜の幅WGが広い場合であり、(b)は酸化膜の幅WGが狭い場合である。図12において、25はフィールドリミット層、26は酸化膜、34はN-ドリフト層、36aは空乏層である。ボロンのイオン注入によってP型のフィールドリミット層25を形成する場合に、マスクとしての酸化膜26の幅をWGとすると、熱拡散によってフィールドリミット層25の拡散深さがXjの時に、横方向への拡散は酸化膜26の端から0.8Xjとなる。よって、フィールドリミット間の間隔は、0.8Xj+0.8Xjの1.6Xjに、印加電圧0Vでのビルトイン空乏層Wbi+Wbiの2Wbiを加えた値よりも広くすればよい。これを示したのが式(18)である。
WG≧1.6Xj + 2Wbi … 式(18)(ただしWG :フィールドリミット層の間の酸化膜の幅、 Xj: フィールドリミット層の拡散深さ、Wbi : エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときにフィールドリミット層からN-ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅)図12(a)はWG ≧1.6Xj +2Wbiの場合であり、(b)は WG≦1.6Xj + 2Wbiの場合である。また、別の見方をすると、フィールドリミット層間の距離Wgによっても同様に定義することができ、その場合には、Wg≧2Wbiとすればよい。
図13は、図12のフィールドリミット層間のゼロバイアスでの中性領域(ビルトイン空乏層のつながらない)の幅 LNi (ただしLNi=WGi−(1.6Xj + 2Wbi)、i : i番目のフィールドリミット層、WGi: i-1からi番目のフィールドリミット層間の酸化膜(絶縁膜)の幅)の合計値と、逆耐圧との関係を示す特性図である。合計値がN-ドリフト層厚Wdriftよりも薄くなると、平面接合の理想逆耐圧値よりも急激に減少することがわかった。前述のように、フィールドリミット層間はビルトイン空乏層がつながってないこと。すなわち中性領域LNiが残っていることが重要である。印加電圧が増加すると、この中性領域が空乏化していくが、同時に活性部でも縦方向に裏面PN接合から表面に向かって垂直に空乏層が伸びていく。よって、耐圧構造でのゼロバイアスでの中性領域の幅の合計が、縦方向のN-ドリフト層厚よりも小さいと、縦方向の空乏層がエミッタ層に達するより低い印加電圧で、耐圧構造での空乏層はエミッタ電極に達する、すなわちリーチスルーしてしまう。このため、耐圧が減少する。よって、
Figure 0004899290
であることが望ましい。
図14は、隣り合うフィールドリミット電極27aとフィールドリミット層25との開口部LOPの関係を示した部分断面図である。素子表面にはパッシベーション層37が設けられているが、湿中環境においてマイナスイオンがフィールドリミット電極27aの形成されていない酸化膜26表面に侵入することがある。このようにマイナスイオンが侵入した場合に、酸化膜26下のNドリフト層34表面にプラスの電荷が誘起されることで電位分布の不均一な部分が生じ、耐圧が低下する。そこで、隣り合うフィールドリミット電極27aとフィールドリミット層25との開口部LOPの幅を変えてマイナスイオンの侵入を想定したシミュレーションを行い、その結果を表1に示す。
Figure 0004899290
表1において、1200V逆阻止型IGBTに対して耐圧構造の寸法を変えて順耐圧(FBV(コレクタ電流が1mAの時))と逆耐圧(RBV(コレクタ電流が-1mAの時))をシミュレーションした。ΣWGiはフィールドリミット層間の酸化膜の幅の合計値、ΣLNiは耐圧構造のゼロバイアスでの中性領域の幅の合計値、ΣLOPiはフィールドリミット電極の端部から隣り合うフィールドリミット層の端部までの距離の合計値、エッジ長は耐圧構造の最内周の酸化膜の内周端から最外周の酸化膜の外周端までの距離である。ΣLOPi/ΣLNiは中性領域の幅に対するフィールドリミット電極の開口率である。即ち、試料1〜5について、順耐圧と逆耐圧についてシミュレーションしたところ、いずれも1300V以上の耐圧であった(表1のFBV、RBVの0欄)。これに対してLNiの部分に1×1012/cmの濃度の負の電荷が存在する場合を想定してシミュレーションすると、試料1,2が順耐圧、逆耐圧共に大幅に低下した。そこで、ΣLOPi/ΣLNiを0.7以下とするのが望ましい。図15は比較例で、逆バイアス電圧が逆耐圧RBVで、空乏層がエミッタ主接合にリーチスルーした場合の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示している。図15において、向って左側がエミッタ電極の外端部分であり、この図はエミッタ電極近傍のみ(P分離領域部分は図示せず)を示している。(b)を見ると、エミッタ・コレクタ電圧が逆耐圧RBV(試料1の871V)の時に、電子が空乏化していない中性領域(不純物濃度が6×1013/cm程度のところ)は、エミッタのP層(X座標が-40〜0μm)の下の部分(Y座標が7μm以上)には存在するが、エミッタのP層の図示右側部分(X座標が5μm以上、Y座標が0μm)には存在しないことがわかる。これは、空乏層が表面でエミッタのP層にリーチスルーしていることを示す。このため、(d)の正孔電流密度で示すように逆漏れ電流は表面エッジ構造部分を流れている。これは前記表1の試料1に相当する。図16は、前記表1の試料3〜5に相当し、隣り合うフィールドリミット電極とフィールドリミット層との開口部LOPを7μmとした場合の耐圧構造部分の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示している。図16も図15と同じくエミッタ電極近傍のみ(P分離領域部分は図示せず)を示している。(b)の電子濃度で示すように空乏層はエミッタ主接合から横方向に十分な距離を保って離れている。また、(d)の正孔電流密度で示すように逆漏れ電流は活性部(エミッタ電極下)を流れるので安定特性であるといえる。
図17〜図23が実施例5であり、耐圧構造の一部に、N-ドリフト層よりも高不純物濃度でnエミッタ領域よりも低不純物濃度であるN型の高濃度層を形成する場合の実施例である。このN型の高濃度層によって逆バイアス時の空乏層の伸びを更に抑制することができる。耐圧構造の前記中性領域部分に、例えばリンをドーズ量1E12(1012)/cm2、加速電圧45keVでイオン注入し、1150℃で5時間のドライブインをして前記N型の高濃度層を形成する。図17は耐圧構造部分のエミッタ電極側とP型分離領域側の両方にN型の高濃度層を形成した場合の実施例を示す断面図であり、(a)は耐圧構造部分の断面図であり、(b)はエミッタ電極側の部分拡大断面図である。この実施例では、エミッタ電極側の高濃度層38a(この例ではエミッタ主接合と1本目のフィールドリミット層25の間とその隣に2箇所の計3箇所)とP型分離領域側の高濃度層38b(この例ではP型分離領域と1本目のフィールドリミット層25の間とその隣に2箇所の計3箇所)がフィールドリミット層25と重ならないように形成されている。このように、高濃度層38a,38bを形成することで、逆耐圧が向上し、逆バイアス漏れ電流の低減が図れ、かつ順耐圧の低下が5%程度に抑えることができる。37は表面を保護するためのパッシベーション層である。なお、前記N型の高濃度層を全てのフィールドリミット層25間に形成してもよい。
図18〜図20は、耐圧構造部分のP型分離領域側にN型の高濃度層を形成した場合の実施例を示す断面図である。図18は耐圧構造部分を簡略化して示した断面図であり、図19はN型の高濃度層を形成する前の耐圧構造部分を示した詳細な断面図であり、図20は耐圧構造部分の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示している。なお、図19のみ左右方向が反転して示されており、かつ図中の点線の間に記載された数値は点線間の幅を単位μmの数値で表したものである。図18では、P型分離領域31に接するチャネルストッパ電極21の下の部分から中間電界緩和領域33にかけてN型の高濃度層38cが形成されている。この高濃度層38cにより、逆バイアス時に0から耐圧値の半分(約600V)まで、空乏層の拡がりが抑制される。その結果、N型の高濃度層38cを形成しない場合よりも、空乏層がエミッタ主接合へリーチスルーすることを抑制でき、逆耐圧が1250Vから1350Vへ100V増加させることができる。一方、順耐圧については、空乏層が伸びるときはエミッタ主接合側に高濃度層38cがないので、耐圧への影響はない。
図21は、図18の構成にて高濃度層のリンドーズ量を変えた場合の逆耐圧値に対する依存性を示す図で、対応する表面濃度も記している。このようにドーズ量が1E12(1012)atoms/cm2以上(=表面濃度 1E17(1017) atoms/cm3以上)で、逆方向耐圧が劣化していく。これは、逆バイアスにおける空乏層の抑制が強く、高濃度層とPフィールドリミッド層での電界強度が高くなるためである。このため、リンのドーズ量が1E12 (1012)atoms/cm2以下、対応する表面濃度が 1E17(1017) atoms/cm3以下であることが望ましい。なお、図22のように、例えば耐圧構造のエミッタ電極側半分程度にリンドーズ量を 1012 atoms/cm2以下でイオン注入してN型の高濃度層を形成しても、同様の効果が得られる。本発明のようにすれば、逆バイアスでも空乏層がリーチスルーしない耐圧構造が得られる。これらのように、順耐圧と逆耐圧のどちらを高く選定するかによって、N型の高濃度層の形成箇所を決定すればよい。
図23は、THB(Thermal Humid Biased)試験における、逆耐圧値の長時間依存性を示す特性図である。THB試験は、本発明の逆阻止IGBTチップを、2in1モジュール(2つのチップを直列に接続し、1つのモジュールとしたもの)に組み込み、下アーム側チップのエミッタ電極を該チップのコレクタ電極よりも高い電圧、すなわち逆バイアスに960Vを印加する。このときモジュールは85%の湿中雰囲気、温度は125℃である。従来の抵抗性膜の耐圧構造は1000時間で耐圧が低下するのに対して、本発明品は3000時間以上の5000時間でも安定した逆耐圧を示している。このように、長期信頼性においても安定した逆耐圧を示す耐圧構造を提供することができる。
このような逆阻止型IGBTを提供することにより、直列に接続するダイオードを用いることなくマトリクスコンバータを構成することができる。
本発明の実施例である逆阻止型半導体装置の模式的な要部断面図 本発明の実施例における分離領域と活性部との距離Wと、ダイオード動作時の逆回復電流との関係を示した特性図 逆漏れ電流RICESの電子線照射量依存性を示す図 本発明の実施例の600V逆阻止型IGBTに逆バイアスを800V印加したときの等電位線の分布を示した図 相補誤差関数を示した図 本発明での逆阻止型IGBTの逆回復の動作を示す特性図 逆漏れ電流RIcesの電子線照射量依存性を示す図 オン電圧の電子線照射量依存性を示す図 第3の実施例を示す耐圧構造部分の斜視図 第3の実施例を示す耐圧構造部分の断面図であり、(a)は耐圧構造部分全体の断面図、(b)〜(d)は(a)のY部分の異なる例を示す部分断面図 順バイアスと逆バイアスでの空乏層の伸び方を示す耐圧構造部分の断面図であり、(a)は順バイアス時の断面図、(b)は逆バイアス時の断面図 フィールドリミット層間の空乏層の伸びを示す部分断面図であり、(a)は幅WGが広い場合の断面図、(b)は幅WGが狭い場合の断面図 図11のフィールドリミット層間のゼロバイアスでの中性領域の幅LNiの合計値と、逆耐圧との関係を示す特性図 隣り合うフィールドリミット電極とフィールドリミット層との開口部LOPの関係を示した部分断面図 比較例で、空乏層がエミッタ主接合にリーチスルーした場合の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示した断面図 隣り合うフィールドリミット電極とフィールドリミット層との開口部LOPを7μmとした場合の耐圧構造部分の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示した断面図 耐圧構造部分のエミッタ電極側とP型分離領域側の両方にN型の高濃度層を形成した場合の実施例を示す断面図であり、(a)は耐圧構造部分の断面図であり、(b)はエミッタ電極側の部分拡大断面図 耐圧構造部分のp+型分離領域側にn型の高濃度層を形成した場合の耐圧構造部分を簡略化して示した断面図 N型の高濃度層を形成する前の耐圧構造部分を示した詳細な断面図 耐圧構造部分の概略部分断面図であり、(a)はネットドーピングを示し、(b)は電子濃度を示し、(c)は等電位線を示し、(d)は正孔電流密度を示した断面図 図18の構成にて高濃度層のリンドーズ量を変えた場合の逆耐圧値に対する依存性を示す図 耐圧構造のエミッタ電極側半分程度に高濃度層を形成した構造を示す部分断面図 THB試験における、逆耐圧値の長時間依存性を示す特性図 従来の逆阻止型IGBTの要部断面図 マトリクスコンバータの回路図 従来のIGBTの周辺耐圧構造を示した断面図 従来のIGBTの周辺耐圧構造を示した断面図
1a,1b,1c,1d IGBT
2a,2b ダイオード
3,23,34 nドリフト層
4,24 pベース層
5 nエミッタ領域
6 ゲート酸化膜
7 ゲート電極
8,28 エミッタ電極
9,29 pコレクタ層
10 切断部
11,31 p分離領域
21 チャネルストッパ電極
22 チャネルストッパ層
25 フィールドリミット層
26 酸化膜
27,27a,27b,27c フィールドリミット電極
38a,38b,38c 高濃度層
33 中間電界緩和領域

Claims (8)

  1. 第1導電型ドリフト層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層と、該第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第1導電型エミッタ領域と、前記第1導電型ドリフト層と第1導電型エミッタ領域とに挟まれる前記第2導電型ベース層の表面に被覆されるゲート絶縁膜と該ゲート絶縁膜を介して被覆されるゲート電極とからなるMOSゲート構造と、前記第1導電型エミッタ領域と第2導電型ベース層とに接触するエミッタ電極と、前記MOSゲート構造を前記第1導電型ドリフト層を介して取り囲み、半導体基板の側面を覆うように形成される第2導電型分離領域と、前記第1導電型ドリフト層の裏面に形成され、該裏面に露出する前記第2導電型分離領域に連結される第2導電型コレクタ層と、該第2導電型コレクタ層に接触するコレクタ電極を備えた逆阻止型半導体装置において、前記エミッタ電極と前記第2導電型分離領域の間の前記第1導電型ドリフト層に、第2導電型フィールドリミット層と該第2導電型フィールドリミット層に接触する浮遊電位のフィールドリミット電極を複数環状に設け、エミッタ電極側のフィールドリミット電極は外側への延在部分が大きく、第2導電型分離領域側のフィールドリミット電極は内側への延在部分が大きく、かつエミッタ電極側のフィールドリミット電極及び第2導電型分離領域側のフィールドリミット電極がそれぞれ複数あることを特徴とする逆阻止型半導体装置。
  2. エミッタ電極側のフィールドリミット層及び第2導電型分離領域側のフィールドリミット層がそれぞれ複数あり、エミッタ電極側のフィールドリミット層間又は第2導電型分離領域側のフィールドリミット層間の少なくとも一部に第1導電型ドリフト層より高不純物濃度の第1導電型高濃度層を形成することを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  3. 前記第1導電型高濃度層の表面濃度が、1017cm−3以下であることを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  4. エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときに前記フィールドリミット層から前記第1導電型ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅をWbiとし、隣り合うフィールドリミット層の間の距離Wgが、2Wbiよりも大きいことを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  5. 第2導電型フィールドリミット層の拡散深さをXjとし、エミッタ電極とコレクタ電極の電位が等しいときに前記フィールト゛リミット層から前記第1導電型ドリフト層に拡がるビルトイン空乏層幅をWbiとし、隣り合うフィールドリミット層の間の絶縁膜の幅WGが、1.6Xj + 2Wbiよりも大きいことを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  6. 前記第1導電型ドリフト層の厚さWdriftが、
    Figure 0004899290
    の条件を満たすことを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  7. 隣り合うフィールドリミット電極とフィールドリミット層との間の距離LOPの総和ΣLOP1と前記LNiの総和ΣLNiとの関係が、ΣLOPi/ΣLNi<0.7であることを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
  8. エミッタ電極側のフィールドリミット層と第2導電型分離領域側のフィールドリミット層との間に第2導電型の中間電界緩和領域を有することを特徴とする請求項に記載の逆阻止型半導体装置。
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