JP4899264B2 - シフト制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される自動変速機のシフトポジションの切り替えが電気的な制御で実現されるシフト制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される自動変速機では、シフトレバーのシフト操作を電気的に検出し、この検出信号に基づいて自動変速機のシフトポジションを切り替える、いわゆるシフト・バイ・ワイヤ方式のシフト制御装置が、特開2000−74211公報において提案されている。このシフト制御装置では、シフトレバーのシフト操作に応じた検出信号に基づいてシフト用モータを駆動して自動変速機のマニュアルバルブを切り替えることにより、「パーキング(P)」、「リバース(R)」、「ニュートラル(N)」、「ドライブ(D)」、「4速(4)」、「3速(3)」、「2速(2)」、「1速(L)」等の変速ポジションにシフトポジションが切り替えられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなシフト制御装置では、シフトレバーのシフト操作が行われると、そのシフト検出信号に基づいてシフト用モータが駆動されて常にマニュアルバルブが切り替えられる。そのため、マニュアルバルブを切り替えるシフト用モータの耐久性を保証するために、コストが上昇したり大型化したりする可能性があった。
【0004】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであって、その目的は、マニュアルバルブを切り替える切替機構の耐久性を向上することができるシフト制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、複数の変速比を達成するために係合・解放される複数の油圧式摩擦係合装置を有し、変速を制御するシフトコントロールバルブと、エンジンブレーキ状態を制御するエンジンコントロールバルブと、各シフトポジションにてライン圧供給回路を選択的に連通させるマニュアルバルブと、該マニュアルバルブを駆動する切替機構と、を備えた自動変速機にあって、シフト操作手段に連動して前記切替機構、前記シフトコントロールバルブを電気的に制御することにより変速比又はシフトポジションを切り替える変速制御手段を備えたシフト制御装置において、前記変速制御手段は、前記シフト操作手段を通じたシフト操作時において所定条件に基づいて、前記マニュアルバルブを作動させる場合と、前記マニュアルバルブを作動させない場合とを選択制御する選択手段を備えることを特徴とする。
【0006】
従って、請求項1の構成によれば、シフト操作手段を通じたシフト操作時においてマニュアルバルブを作動させない場合を設定することにより、マニュアルバルブを切り替える切替機構の耐久性を向上することができ、切替機構の小型化及び省電力化を図ることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシフト制御装置において、前記所定条件は、前記シフトコントロールバルブがフェールしたと判断された場合に、前記マニュアルバルブを作動させることを特徴とする。
【0008】
従って、請求項2の構成によれば、シフトコントロールバルブのフェール時にはマニュアルバルブを作動させることにより、シフトポジションの切り替えを行うことができるので、自動変速機のフェールセーフが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のシフト制御装置において、前記所定条件は、前記エンジンコントロールバルブがフェールしたと判断された場合に、前記マニュアルバルブを作動させることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項3の構成によれば、エンジンコントロールバルブのフェール時にはマニュアルバルブを作動させることにより、シフトポジションの切り替えを行うことができるので、自動変速機のフェールセーフが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるシフト制御装置の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる自動変速機を搭載した車両及びそのシフト制御装置を示す概略構成図である。図1に示すように、エンジン2の出力軸(図示略)は、トルクコンバータ4に連結されている。このトルクコンバータ4は、入力された回転を流体(オイル)を媒介して伝達する流体継ぎ手の一種であり、入力された回転を自動変速機(以下、「A/T」と称す)6に伝達する。
【0013】
ここで、A/T6は、複数のプラネタリギア(遊星歯車)や、油圧駆動式のクラッチやブレーキを備えている。そして、作動油によってクラッチやブレーキが制御されることで、プラネタリギアの係合態様が変更される。これによりトルクコンバータ4の駆動力を多段階に変速することができる。なお、本実施形態においては、前進5段、後進1段の変速が可能となるような構成となっている。
【0014】
次に、上記A/T6内のクラッチやブレーキを作動油によって制御する本実施形態にかかるシフト制御装置について説明する。
このシフト制御装置は、上記作動油の供給源であるオイルパン10や、同オイルパン10内の作動油を加圧する機関駆動式のオイルポンプ12、同ポンプ12にて加圧された作動油を調圧するプライマリレギュレータバルブ14を備えている。更に、このプライマリレギュレータバルブ14にて調圧された作動油を選択的にA/T6内のクラッチやブレーキに供給すべく、同シフト制御装置は、マニュアルバルブ16や切替機構18、A/T6における変速及びロックアップクラッチ並びにライン圧を制御する油圧制御装置9を備えている。その油圧制御装置9は、電気的に制御されるように構成されており、また変速を実行するためのシフトコントロールバルブとしての第1〜第3のソレノイドバルブS1 〜S3 、ライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLT、アキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLN、ロックアップクラッチを制御するためのエンジンコントロールバルブとしてのリニアソレノイドバルブSLUが設けられている。
【0015】
一方、マニュアルバルブ16は、例えば「パーキング(P)」や、「リバース(R)」、「ニュートラル(N)」、「ドライブ(D)」、「4速(4)」、「3速(3)」、「2速(2)」、「1速(L)」の各シフトポジションの切り替えを行うためのバルブである。この切り替えは、上記プライマリレギュレータバルブ14によって調圧された作動油の油圧制御装置9への供給態様を制御することで行われる。そして、この供給態様の制御は、上記シフト・バイ・ワイヤ方式によって行われる。
【0016】
すなわち、切替機構18は、上記マニュアルバルブ16の通路を切り替えるシフト用モータを備えている。そして、この切替機構18とマニュアルバルブ16とは機械的に接続(図中、一点鎖線)されており、同シフト用モータによってマニュアルバルブ16の位置を切り替えることができる。また、マニュアルバルブ16を「P」ポジションへ制御すべくシフト用モータが駆動されるときに、この動作と連動して作動するパーキングギア6pによってA/T6の出力軸がロックされる。これにより、車両の駆動輪がロックされることとなる。なお、マニュアルバルブ16及び切替機構18内のシフト用モータ間に備えられた各種部材の構成は、例えば上記特開平2000−74211号公報に記載されているような構成としてもよい。
【0017】
そして、こうしたエンジン2、マニュアルバルブ16及び油圧制御装置9の制御を的確に行うべく、本実施形態のシフト制御装置は、電子制御装置(以下、ECU)30や、第1シフト操作部32及び第2シフト操作部33、マニュアルバルブ位置検出センサ34、表示器36を備えている。
【0018】
ここで、第1シフト操作部32,第2シフト操作部33や表示器36は、図1,図2に例示されるような構成を備えている。図2に示すように、車室50の運転席51の前方にはステアリングコラム52上にステアリングホイール53が設けられている。運転席51の側方のフロア上には前記A/T6のシフト操作を行うための第1シフト操作部32が設けられている。また、可動部としての運転席ドア54には前記A/T6のシフト操作を行うための第2シフト操作部33が設けられている。第1シフト操作部32及び第2シフト操作部33のいずれを使用してもシフト操作を行うことができるようになっており、運転者は使用するシフト操作部を任意に選択することができる。第1シフト操作部32及び第2シフト操作部33は同一構成をなすため、第1シフト操作部32について説明し、第2シフト操作部33の説明を省略する。
【0019】
すなわち、図2(a)に示すように、シフト操作部32は、「P」ポジション及び「N」ポジションを選択するためのボタンと、「R」ポジションや「D」ポジション等を選択するための操作部材としてのジョイスティック32jとを備えている。
【0020】
このジョイスティック32jは、図2(b)にその斜視図が例示されるような構成を備えており、車両の前後方向において「R」ポジション及び「D」ポジションが設定され、車両の左右方向において「D」ポジション以外の前進走行ポジション(3,2,L)を選択するための+(シフトアップ)ポジション及び−(シフトダウン)ポジションが設定されている。したがって、例えば運転者が「D」ポジション方向へ一度ジョイスティック32jを操作することでドライブポジションへの制御をする旨意志表示をしたとしても、同運転者がジョイスティック32jへ力を加えることを中断すると、図2(b)に例示する操作中心位置に自動的に戻る。
【0021】
そして、現状シフトポジションが「D」ポジションであるときに、上記ジョイスティック32jをプラス又はマイナスへ動かすことで「4」、「3」、「2」、「L」の各シフトポジションへの切り替えを行うことができる。すなわち、現状シフトポジションが「D」ポジションであるときに、ジョイスティック32jを一度マイナスへ操作することで、「4」ポジションへ、更にもう一度マイナスへ操作することで「3」ポジションへ、それぞれシフトポジションの変更が可能となる。また、例えば現状シフトポジションが「3」ポジションであるときに、ジョイスティック32jを一度プラス方向へ操作することで「4」ポジションへの切り替えが可能となる。
【0022】
こうしたシフト操作部32によるシフトポジションの切り替えは、インストルメントパネル55に設けられた表示器56に表示される。すなわち、図2(a)に例示される態様にて、例えば運転者によってドライブポジションに切り替えられているときには、その旨表示される。
【0023】
一方、シフト操作部32,33を操作することで運転者によるシフトポジションの切り替えの意志表示がなされると、これに応じた信号がシフト操作部32,33から先の図1に示したECU30へ伝達される。そして、シフト操作部32,33の操作に応じてECU30によってマニュアルバルブ16及び油圧制御装置9の制御がなされることでシフトポジションが切り替えられる。本実施形態において、シフト操作部32,33のシフト操作によってシフトポジションが「P」ポジション、「N」ポジション、「R」ポジション及び「D」ポジションが選択されると、マニュアルバルブ16が切り替えられる。また、上記ジョイスティック32jをプラス又はマイナスへ動かすことで「4」、「3」、「2」、「L」の各シフトポジションへのシフトアップ又はシフトダウンが行われると、油圧制御装置9のソレノイドバルブが制御されてシフトポジションが切り替えられる。
【0024】
こうしたマニュアルバルブ16の切り替え位置によって、基本的には油圧制御装置9への作動油の供給態様が切り替えられてシフトポジションが設定される。そして、所定のシフトポジションにおいては、上記ECU30によって油圧制御装置9が制御されることで所定のギア段が選択される。図3に、本実施形態において例示されるシフトポジションとギア段との関係を示す。すなわち、図3に示すように、マニュアルバルブ16の切り替えによって設定されるシフトポジションのうち、「D」や「4」、「3」、「2」の各ポジションにおいては、上記シフトバルブ群20をソレノイドによって制御することでいくつかのギア段間の自動的な切り替えが行われる。
【0025】
なお、マニュアルバルブ16が制御されると、この制御態様がマニュアルバルブ位置検出センサ34によって検出される。このマニュアルバルブ位置検出センサ34は、上記切替機構18及びマニュアルバルブ16間近傍に設けられている。そして、同マニュアルバルブ位置検出センサ34による検出結果はECU30に供給される。これにより、ECU30では、同ECU30の制御結果を把握するようにする。
【0026】
図5は上記のA/T6の歯車列の一例を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。すなわちここに示す上記のA/T6は、トルクコンバータ60と、副変速部61と、主変速部62とを備えている。そのトルクコンバータ60は、ロックアップクラッチ63を有しており、このロックアップクラッチ63は、ポンプインペラ64に一体化させてあるフロントカバー65とタービンランナ66を一体に取付けた部材(ハブ)67との間に設けられている。エンジンのクランクシャフト(それぞれ図示せず)はフロントカバー65に連結され、またタービンランナ66を連結してある入力軸68は、副変速部61を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構69のキャリヤ70に連結されている。
【0027】
この遊星歯車機構69におけるキャリヤ70とサンギヤ71との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ71がキャリヤ70に対して相対的に正回転(入力軸68の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ71の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部61の出力要素であるリングギヤ72が、主変速部62の入力要素である中間軸73に接続されている。
【0028】
したがって副変速部61は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構69の全体が一体となって回転するため、中間軸73が入力軸68と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ71の回転を止めた状態では、リングギヤ72が入力軸68に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0029】
他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構75,80,85を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構75のサンギヤ76と第2遊星歯車機構80のサンギヤ81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構75のリングギヤ78と第2遊星歯車機構80のキャリヤ82と第3遊星歯車機構85のキャリヤ87との三者が連結され、かつそのキャリヤ87に出力軸90が連結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギヤ83が第3遊星歯車機構85のサンギヤ86に連結されている。
【0030】
この主変速部62の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチ及びブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構80のリングギヤ88及び第3遊星歯車機構85のサンギヤ86と中間軸73との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構75のサンギヤ76及び第2遊星歯車機構80のサンギヤ81と中間軸73との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0031】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構75及び第2遊星歯車機構80のサンギヤ76,81の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ76,81(すなわち共通サンギヤ軸)とケーシング91との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ71,76が逆回転(入力軸68の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構75のキャリヤ77とケーシング91との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構85のリングギヤ88の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング91との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ88が逆回転しようとする際に係合するようになっている。
【0032】
上述した各変速部61,62の回転部材のうち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するC0 センサ92と、出力軸90の回転数を検出する車速センサ93とが設けられている。
【0033】
上記のA/T6では、各クラッチやブレーキを図6の作動表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図6において○印はON状態あるいは係合状態、×印はOFF状態あるいは解放状態、◎印はロックアップクラッチのON制御状態、●印は変速中にデューティ制御することをそれぞれ示す。
【0034】
図6の作動表に示すように、副変速部61をオーバードライブ状態と直結状態とに切り換える制御と第1速及び第3速でエンジンブレーキを効かせる制御とを第3ソレノイドバルブS3 で行うようになっており、そのために図7に示す油圧回路が設けられている。図7はこの発明に関係する主要部分のみを示しており、そのうちの更に特徴的な部分を模式的に示せば、図8のとおりである。
【0035】
第3ソレノイドバルブS3 は、OFF状態で信号圧を出力するノーマルオープタイプのバルブであって、主として副変速部61を切換え制御するために設けられており、図7及び図8に示す構成では、これを第1速と第3速とのエンジンブレーキを制御するために転用するようになっている。より具体的には、第3ソレノイドバルブS3 は、副変速部61をオーバードライブ状態に設定する第5速及び後進段でOFF制御されて信号圧(パイロット圧)を出力する。これに加え、第3ソレノイドバルブS3 は、ドライブ(D)ポジションの第1速及び第3速でOFF制御されて信号圧を出力するが、このDポジションの第1速及び第3速では、第3ソレノイドバルブS3 の信号圧をB2 リリースコントロールバルブによっていわゆる反転制御し、これら第1速あるいは第3速でエンジンブレーキを効かせるためのブレーキB1 ,B4への油圧の供給を遮断するようになっている。
【0036】
すなわち図8において、 3-4シフトバルブ100は第1〜3速及び第4,5速のそれぞれで図の下側に記号で示すように各ポートが連通させられるスプールバルブであり、第3ソレノイドバルブS3 はポート101に接続されている。このポート101は、第1〜3速ではポート102に連通させられ、このポート102からB2 リリースコントロールバルブ130の制御ポート131に信号圧を送るようになっている。またポート101は第4,5速でポート103に連通させられ、ここから 4-5シフトバルブに信号圧を送るようになっている。
【0037】
B2 リリースコントロールバルブ130は、4つのランドのあるスプール132を有しており、制御ポート131に信号圧が供給されることによりスプール132が図8の左半分に示す位置に下がり、また反対に制御ポート131から排圧されることによりスプール132が図8の右半分に示す位置に押し上げられるようになっている。このB2 リリースコントロールバルブ130のポートのうちエンジンブレーキ圧出力ポート133を挟んでDポジション圧入力ポート134とエンジンブレーキポジション圧入力ポート135とが形成されている。そして第3ソレノイドバルブS3 が信号圧を出力していることによりスプール132が図8の左半分に示す位置にあるときに、エンジンブレーキポジション圧入力ポート135がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連通する。
【0038】
また第3ソレノイドバルブS3 が信号圧を出力していないことによりスプール132が図8の右半分に示す位置にあるときに、Dポジション圧入力ポート134がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連通する。ここで第3ソレノイドバルブS3 はDポジションの第1速ないし第3速でOFF制御されて信号圧を出力するが、この場合は、前記Dポジション圧入力ポート134が閉じられ、またエンジンブレーキポジション圧は発生していないから、エンジンブレーキ圧出力ポート133から油圧が出力されない。
【0039】
上記のエンジンブレーキ圧出力ポート133はコーストブレーキコントロールバルブ150の入力ポート151に接続されている。このコーストブレーキコントロールバルブ150は、入力された油圧を調圧して出力するバルブであり、2つのランドを形成したスプール152と、その一端側に配置したプランジャ153と、スプール152とプランジャ153との間に配置したスプリング154とを有している。そして入力ポート151側のランドにはその両端面に開口する貫通孔が形成され、出力圧をスプール152の端面に作用させるようになっている。またプランジャ153の端部にはアキュームレータ背圧コントロール圧PACCが供給され、これにより調圧レベルを変えるようになっている。そして入力ポート151に選択的に連通させられる出力ポート155から第1速あるいは第3速でのエンジンブレーキ用摩擦係合装置である第1ブレーキB1 もしくは第4ブレーキB4 に対して油圧を出力するようになっている。
【0040】
すなわちDポジション圧の発生するDポジションでの第1速及び第3速では、第3ソレノイドバルブS3 がOFF制御されて信号圧を出力していても、Dポジション圧がB2 リリースコントロールバルブ130で遮断されるから、第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に油圧が送られず、これらが解放状態となるので、エジンブレーキは効かない。すなわち第3ソレノイドバルブS3 がいわゆる反転制御される。
【0041】
これに対して第1速でエンジンブレーキを効かせるLポジションでは、第3ソレノイドバルブS3 がON制御されて信号圧を出力しないから、B2 リリースコントロールバルブ130のスプール132は図8の右半分に示す位置に押し上げられ、その結果、Dポジション圧入力ポート134と出力ポート133とが連通してDポジション圧が第4ブレーキB4 に送られ、これが係合する。また第3速でエンジンブレーキを効かせる"3"ポジションあるいは2ポジションにおいても、第3ソレノイドバルブS3 がON制御されるから、上述したLポジションでの第1速の場合と同様に、コーストブレーキコントロールバルブ150を介して第1ブレーキB1 に油圧が送られてこれが係合し、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0042】
またDポジションにおいて第3ソレイドバルブS3 がOFFフェイルした場合には、B2 リリースコントロールバルブ130のDポジション圧入力ポート134が閉じられるから不用意なエンジンブレーキが効くことはなく、したがってエンジンブレーキショックを防止することができる。
【0043】
さらにB2 リリースコントロールバルブ130のスプール132が図8の右半分に示す位置に固定されてしまういわゆるバルブスティックが生じた場合、エンジンブレーキ圧入力ポート135と出力ポート133とが常時連通するので、エンジンブレーキポジションである"3"ポジションあるいは"2"ポジションにおいて出力ポート133から油圧を出力でき、第3速において第1ブレーキB1 を係合させてエンジンブレーキを効かせることができる。
【0044】
なお、エンジンブレーキ圧入力ポート135に連通する油路にオリフィス136を設けてあるのは、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉を避けるためであり、第1ブレーキB1 を第3速で係合させる場合、第2ブレーキB2 の係合を先行させるべくオリフィス136により油圧の供給速度を遅くする。
【0045】
つぎに図7に示す油圧回路についてさらに具体的に説明する。なお、作図の都合上、図7を複数の部分に分割して示す図9〜図11を参照して以下に説明する。
【0046】
先ず、B2 リリースコントロールバルブ130について説明すると、図9にはB2 リリースコントロールバルブ130を図8とは上下を反転して記載してあり、前述した各ポートの接続状態に加え、B2 ポート137には第2ブレーキB2が接続されており、このB2 ポート137に選択的に連通されるポート138にはチェックボール付きオリフィス139を介して油路140が接続されている。また第2ブレーキB2 はオリフィス141を介してこの油路140に連通されている。したがってB2 ポート137をポート138に連通させることにより、第2ブレーキB2 はオリフィス141のみならずチェックボール付きオリフィス139をも介して油路140に連通されるので、その排圧速度が増大させられる。このようにB2 リリースコントロールバルブ130は、その制御ポート131に第3ソレノイドバルブS3 の信号圧を供給し、あるいは排圧することにより、第2ブレーキB2 からの排圧速度すなわち第2ブレーキB2 の解放速度を緩急に切り換えるように構成されている。
【0047】
他方、エンジンブレーキポジション圧入力ポート135に接続された油路142は、前述したオリフィス(ダブルオリィス)136を有するとともに、排圧方向で開くチェックボール付きオリフィス143がダブルオリフィス136に対して並列に設けられている。そしてこの油路142は後述する 1-2シフトバルブに接続されている。
【0048】
つぎに 3-4シフトバルブ100について説明すると、前述したポート101,102,103の連通状態を切り換えるスプール104は6つのランドを有しており、中間部分に形成されたブレーキポート105には第1ブレーキB1 が接続されている。またこのブレーキポート105に隣接する入力ポート106は、後述する 2-3シフトバルブを介してコーストブレーキコントロールバルブ150に連通されている。そして前述したポート103は油路107を介して 4-5シフトバルブ170の制御ポート171に連通されている。この 4-5シフトバルブ170は、前記副変速部31をオーバードライブ状態あるいは直結状態に制御するためのバルブであって、ライン圧油路PL を接続してある入力ポート172に対して選択的に連通されるブレーキポート173に、副変速部31におけるブレーキB0 が接続されている。また入力ポート172に対し前記ブレーキポート173とは反対側に位置する出力ポート174は、油路175を介してC0 エキゾーストバルブ190に接続されている。
【0049】
そしてこの 4-5シフトバルブ170は5つのランドを有するスプール176によってポートの連通状態を切り換えるよう構成されており、油路107を介して第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が制御ポート171に加えられると、スプール176が図9の右半分に示す位置に押し下げられ、その結果、入力ポート172がブレーキポート173に連通してブレーキB0 に油圧が供給される。これとは反対に制御ポート171から排圧されると、スプール176を図9の左半分に示す位置に押し上げられ、その結果、入力ポトー172が出力ポート174に連通され、C0 エキゾーストバルブ150に油圧が送られる。なお、図9において符号210はソレノイドリレーバルブを示し、ロックアップ用リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧の給排を制御し、また第3ブレーキB3 への油圧の給排を制御するように構成されている。なお、その他の油路の接続状態は図7に示すとおりである。
【0050】
図10において、コーストブレーキコントロールバルブ150の入力ポート151には、前述したB2 リリースコントロールバルブ130のポート133に接続させた油路156が接続されており、また出力ポート155には調圧したブレーキ圧を第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に対して出力するための油路157が接続されている。また、これらの油路156,157はチェックボール付きオリフィス158を介して相互に接続されており、第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 から排圧するときは、このチェックボール付きオリフィス158が開くようになっている。
【0051】
ブレーキ圧の供給先を第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に切り換える制御は、 2-3シフトバルブ230によって行われる。 2-3シフトバルブ230は、7つのランドを有するスプール231によってポートの連通状態の切り換えを行うバルブであって、スプール231の一端側にスプリング232が設けられるとともに、この端部に開口するホールドポート233には、Lポジション圧が供給されるようになっている。ブレーキ圧を供給する油路157は、中間部のポート234に連通されており、このポート234に対し図10での上側の出力ポート235が前述した 3-4シフトバルブ100の入力ポート106に接続されている。またポート234に対して図10での下側に位置する第2の出力ポート236は、油路237を介して 1-2シフトバルブに接続されている。この 2-3シフトバルブ230は、主として第2ソレノイドバルブS2 によって制御されるバルブであって、第1速、第2速、ニュートラルポジション及びRポジションでスプール231が図10の左半分に示す位置に押し上げられ、また第3速ないし第5速でスプール231が図10の右半分に示す位置に押し下げられるよう構成されている。
【0052】
したがって第1速でエンジンブレーキを効かせる場合には、ポート234が第2の出力ポート236に連通させられて、ここからブレーキ圧を出力し、また第3速でエンジンブレーキを効かせる場合にはポート234が出力ポート235に連通させられてここからブレーキ圧を 3-4シフトバルブ100を介して第1ブレーキB1 に供給するように構成されている。なお、第2ブレーキB2 はポート238に接続されている。
【0053】
第1速でエンジンブレーキを効かせる際に係合させられる第4ブレーキB4 は、シャトルバルブ240を介して 1-2シフトバルブ250に接続されている。この 1-2シフトバルブ250は4つのランドを有するスプールによってポートの連通状態を切り換えるバルブであって、前記 2-3シフトバルブ230の第2出力ポート236が入力ポート252に接続されており、この入力ポート252とドレインポート253とに選択的に連通される出力ポート254にシャトルバルブ240が接続されている。
【0054】
またエンジンブレーキポジション圧を前記B2 リリースコントロールバルブ130に供給する油路142が他の出力ポート255に接続されており、この出力ポート255に選択的に連通されるエンジンブレーキポート256には、"3"ポジション圧を供給する油路257と"2"ポジション圧を供給する油路258とが接続されている。この 1-2シフトバルブ250のスプール251は第1速、ニュートラルポジション及びRポジションにおいて図10の右半分に示す位置に押し下げられる。したがってこの状態では、入力ポート252が出力ポート254に連通する。また第2速ないし第5速ではスプール251が図10の左半分に示す位置に押し上げられ、その結果、エンジンブレーキポート256が他の出力ポート255に連通する。なお、他の油路の接続状態は図10に示すとおりである。
【0055】
ここでマニュアルバルブ260について説明すると、これは、従来から知られているものと同様であって、パーキング(P)ポジション、Rポジション、ニュートラル(N)ポジション、Dポジション、"3"ポジション、"2"ポジション及びLポジションの7ポジションを設定することのできるバルブであり、Dポジションを設定した場合には、Dポジション圧をDポート261から出力し、また"3"ポジションを設定した場合には、Dポート261及び"3"ポート262から油圧を出力し、この"3"ポートから出力される油圧がいわゆる"3"ポジション圧である。また"2"ポジションを設定した場合に、Dポート261及び"3"ポート262並びに"2"ポート263から油圧を出力するようになっている。
【0056】
なお、"3"ポート262には、前述した油路257が接続され、また"2"ポート263には、前記油路258が接続されている。そしてLポジションに設定した場合には、Dポート261、"3"ポート262、"2"ポート263及びLポート264から油圧を出力し、このLポート264から出力した油圧が前記2-3シフトバルブ230のホールドポート233に供給される。なおまた、"2"ポート263から出力される油圧がいわゆる"2"ポジション圧である。
【0057】
また図10において符号270はB3 コントロールバルブである。B3 コントロールバルブ270はソレノイドリレーバルブ210を介して供給されるリニアソレノイドバルブSLUの信号圧を制御ポート271に供給することにより調圧レベルを変え、第2速を設定する際に係合させる第3ブレーキB3 への供給油圧を制御するように構成されている。このB3 コントロールバルブ270の構成は従来から知られているので、図10に主な油路の接続状態を示してその説明を省略する。
【0058】
なお、前記C0 エキゾーストバルブ190は副変速部31のクラッチC0 を制御するためのバルブであって、Dポジションの第2速では第1制御ポート191に油圧が供給されることにより、第1速ないし第4速及びNポジションでDポジション圧が供給される第1入力ポート192を閉じるようになっている。またこの時、"2"ポジション圧が入力される第2入力ポート193が出力ポート194に連通されるようになっている。したがってDポジションの第2速では、油圧を出力しないためにクラッチC0 が解放され、また"2"ポジション及びLポジションでは、第2入力ポート193に"2"ポジション圧が供給されるので、クラッチC0 が係合してエンジンブレーキが効くようになっている。さらに第2制御ポート195には、リニアソレノイドバルブSLUの信号圧が供給されるようになっている。
【0059】
なお、図11において符号280はリニアソレノイドバルブSLTによって制御されるリレーバルブであり、また符号290はアキュームレータを示す。さらに符号295は、アキュームレータ背圧PACC を調圧するためのアキュームレータコントロールバルブを示す。
【0060】
したがって図7あるいは図9〜図11に示す油圧回路を備えた制御装置において、Dポジションの第1速では第3ソレノイドバルブS3 がOFF制御されてその信号圧が 3-4シフトバルブ100を介してB2 リリースコントロールバルブ130の制御ポート131に入力される。その結果、B2 リリースコントロールバルブ130のスプール132が図7あるいは図9の右半分に示す位置に押し上げられてDポジション圧の供給されるポート134を遮断する。そのためにDポジション圧がコーストブレーキコントロールバルブ150に送られないので、第4ブレーキB4 は解放されたままとなり、エンジンブレーキが効くことはない。したがってDポジションの第1速を設定するにあたって、第3ソレノイドバルブS3 がたとえOFFフェイルしたとしても、第4ブレーキB4 が係合することはないので、第1速からの変速あるいは第1速への変速の際に変速ショックが悪化するなどの不都合は生じない。
【0061】
なお、第1速でエンジンブレーキを効かせる必要のあるLポジションにおいては、第3ソレノイドバルブS3 がON制御されるからB2 リリースコントロールバルブ130の制御ポート131から排圧され、その結果、スプール132が図7あるいは図9の左半分に示す位置に押し下げられるので、Dポジション圧がポート134及びポート133を介してコーストブレーキコントロールバルブ150に出力され、ここから 2-3シフトバルブ230及び 1-2シフトバルブ250並びにシャトルバルブ240を介して第4ブレーキB4 に油圧が供給される。すなわち第4ブレーキB4 が係合してエンジンブレーキを効かせることができる。
【0062】
また一方、Dポジションの第3速を設定する際にも第3ソレノイドバルブS3 がOFF制御されるから、第1速の場合と同様に、B2 リリースコントロールバルブ130のポート134が閉じられてDポジション圧がカットされるので、第1ブレーキB1 に油圧が供給されず、これが解放されたままとなるので、エンジンブレーキが効くことはない。
【0063】
これに対して第3速でエンジンブレーキを効かせる"3"ポジション及び"2"ポジションでは、第3ソレノイドバルブS3 がON制御されるから、B2 リリースコントロールバルブ130の制御ポート131から排圧され、その結果、Dポジション圧がポート134及びポート133を介してコーストブレーキコントロールバルブ150に供給され、ここで調圧されたエンジンブレーキ圧が 2-3シフトバルブ230及び 3-4シフトバルブ100を介して第1ブレーキB1 に供給され、これが係合することによりエンジンブレーキを効かせることができる。
【0064】
この"3"ポジションあるいは"2"ポジションの第3速において、第3ソレノイドバルブS3 がOFFフェイルした場合、B2 リリースコントロールバルブ130の制御ポート131に油圧が供給されるために、Dポジション圧の入力されているDポジション圧入力ポート134が閉じられる替わりに、エンジンブレーキポジション圧の供給されているエンジンブレーキポジション圧入力ポート135が出力ポート133に連通するので、ここからエンジンブレーキポジション圧がコーストブレーキコントロールバルブ150に供給される。その結果、ここで調圧されたエンジンブレーキ圧が第1ブレーキB1 に供給されてこれが係合するので、たとえ第3ソレノイドバルブS3 がOFFフェイルしてもエンジンブレーキを効かせることができる。
【0065】
なお、B2 リリースコントロールバルブ130のエンジンブレーキポジション圧入力ポート135にエンジンブレーキポジション圧を供給する場合、ダブルオリフィス136を介して供給することになるので、第1ブレーキB1 の油圧の立ち上がりを緩和することができ、その結果、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉を避けることができる。
【0066】
本実施形態において、上記ECU30は、エンジン2の運転状態において入力されたデータに基づいて変速段やロックアップクラッチのON/OFF、あるいはライン圧の調圧レベルなどを判断し、その判断結果に基づいて所定のソレノイドバルブに指示信号を出力し、さらにフェイルの判断やそれに基づく制御を行うようになっている。また、ECU30は、シフト操作部32,33の操作に応じてマニュアルバルブ16及び油圧制御装置9を制御することによりシフトポジションの切り替えを行う。本実施形態において、シフト操作部32,33のシフト操作によって「P」ポジション、「N」ポジション、「R」ポジション及び「D」ポジションのいずれかが選択されると、ECU30は切替機構18を駆動してマニュアルバルブ16の位置を切り替えることによりシフトポジションを切り替える。また、A/T6のシフトポジションが前進走行ポジション、例えば「D」ポジションであるときに、シフト操作部32,33の操作によってシフトアップ又はシフトダウンが行われたとき、油圧制御装置9の第1〜第3ソレノイドバルブS1 〜S3 、リニアソレノイドバルブSLUがフェールしていないときには、ECU30はそれらのソレノイドバルブを制御することによりA/T6のシフトポジションを切り替える。しかしながら、シフト操作部32,33の操作によってシフトアップ又はシフトダウンが行われたとき、油圧制御装置9のソレノイドバルブS1 〜S3 、リニアソレノイドバルブSLUがフェールしているときには、ECU30は切替機構18を駆動してマニュアルバルブ16の位置を切り替えることによりシフトポジションを切り替えるようになっている。
【0067】
次に、上記ECU30が実行するシフト制御処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、例えば所定時間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されると、まず、ステップ300において第1シフト操作部32又は第2シフト操作部33のマニュアルシフト操作が行われたかどうかが判定される。具体的には、ジョイスティック32jの操作によって、D→(4,3,2,)、4→(D,3,2,L)、3→(D,4,2,L)、2→(D,4,3,L)、L→(D,4,3,2)等のシフト操作が行われたかどうかが判定される。マニュアルシフト操作が行われたと判定されるとステップ310に進み、マニュアルシフト操作が行われていないと判定されると、本処理を一旦終了する。
【0068】
ステップ310にてソレノイドバルブS1 〜S3 又はリニアソレノイドバルブSLUがフェールしているかどうかが判定される。ソレノイドバルブS1 〜S3 又はリニアソレノイドバルブSLUがフェールしていると、エンジンブレーキポジションへの制御でのシフトポジションの切り替えはできなくなる。すなわち、ソレノイドバルブS1 〜S3 がフェールしていると、A/T6の変速段は自動でアップシフトされるか高速段に固定されるようになる。また、リニアソレノイドバルブSLUがフェールしているとA/T6の変速段によってはエンジンブレーキが利きにくくなる可能性がある。このステップ310でソレノイドバルブがフェールしていないと判定されるとステップ320に進み、ソレノイドバルブがフェールしていると判定されるとステップ350に進む。
【0069】
ステップ320ではソレノイドバルブが正常であるため、切替機構18の駆動によるマニュアルバルブ16の切り替えは実行せず、マニュアルバルブ16の位置を固定する。
【0070】
次のステップ330ではソレノイドバルブS1 〜S3及びリニアソレノイドバルブSLUの組み合わせ制御によってA/T6のシフトポジション(実質的にはレンジ)を変更し、ECU30内の制御上のシフトポジションを変更する。このとき、切替機構18の駆動によってマニュアルバルブ16は切り替えない。
【0071】
そして、ステップ340ではECU30内の制御上のシフトポジションを表示器56に表示させて処理を終了する。
ステップ350ではソレノイドバルブが正常でないため、切替機構18の駆動によるマニュアルバルブ16の切り替えを実行する。すなわち、ソレノイドバルブS1 〜S3及びリニアソレノイドバルブSLUの組み合わせ制御によってA/T6のシフトポジション(実質的にはレンジ)を変更できないため、切替機構18の駆動によってマニュアルバルブ16を切り替える。
【0072】
ステップ360では、切替機構18の駆動によってマニュアルバルブ16を切り替えることによりエンジンブレーキポジション(レンジ)の切り替えを実行する。
【0073】
そして、ステップ370ではECU30内の制御上のシフトポジションを表示器56に表示させて処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0074】
・ 本実施形態では、シフト操作部32,33のマニュアルシフト操作が行われたとき、油圧制御装置9の第1〜第3ソレノイドバルブS1 〜S3 、リニアソレノイドバルブSLUが正常であるときには、それらのソレノイドバルブS1 〜S3 及びリニアソレノイドバルブSLUの組み合わせ制御によりエンジンブレーキポジションを設定することができる。このように、シフト操作部32,33を通じたシフト操作時においてマニュアルバルブ16を作動させない場合を設定したので、切替機構18を駆動する回数及び時間を低減することができる。そのため、切替機構18の耐久性及び信頼性を向上することができ、切替機構18の小型化及び省電力化を図ることができるようになる。
【0075】
・ また、シフト操作部32,33を通じたシフト操作時においてマニュアルバルブ16の切替を行うと、マニュアルバルブ16の切替タイミングにA/T6の変速制御が依存するため、シフトショックが発生する。本実施形態では、油圧制御装置9の第1〜第3ソレノイドバルブS1 〜S3 、リニアソレノイドバルブSLUが正常であるときにはマニュアルバルブ16を作動させないようにしているので、シフトショックを低減することができる。
【0076】
・ 本実施形態では、第2シフト操作部33は車両ドア部(運転席ドア54)に配置されているので、ステアリング操作と第2シフト操作部33によるシフト操作との干渉をなくことができ、第2シフト操作部33によるシフト操作性を向上することができる。
【0077】
・ 本実施形態では、第1シフト操作部32と第2シフト操作部33とは同一構成となっているため、第1シフト操作部32のシフト操作と第2シフト操作部33のシフト操作とは車両に対して同一になるため、第1シフト操作部32及び第2シフト操作部33のいずれを使用してもシフト操作が同じであり、操作性を向上することができる。また、第1シフト操作部32及び第2シフト操作部33の複数の操作位置はA/T6の複数のポジションに対応しているので、ジョイスティック32jの操作によって所望するシフトポジションを容易かつ確実に選択することができ、シフト操作性を向上することができる。
【0078】
なお、実施の形態は以下のように変更することも可能である。
・ 上記実施形態において、車両ドア部(運転席ドア54)が開いている時、及び衝突検出時には第2シフト操作部33のシフト操作に基づく切替機構18の駆動を禁止するようにしてもよい。
【0079】
・ 上記実施形態において、第2シフト操作部33をステアリングコラム52上に設けてもよい。
次に、上記実施形態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載する。
【0080】
(イ) 請求項1〜3のいずれかに記載のシフト制御装置において、前記シフト操作手段は複数設けられ、複数のシフト操作手段は異なる位置に配設されていることを特徴とするシフト制御装置。
【0081】
(ロ) 請求項1〜3及び上記(イ)のいずれかに記載のシフト制御装置において、前記シフト操作手段は、操作中心位置とその周りのそれぞれ異なる方向に設定された複数の操作位置との間を移動可能に設けられかつ前記操作中心位置に復帰されるジョイスティックであることを特徴とするシフト制御装置。この構成によれば、ジョイスティックの複数の操作位置は複数のポジションにそれぞれ割り当てられているので、ジョイスティック操作によって所望するポジションを容易かつ確実に選択することができ、シフト操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシフト制御装置の一実施形態についてその全体構成を示す図。
【図2】実施形態におけるシフト操作部の配置図。
【図3】同実施形態のシフト操作部の構成を示す図。
【図4】ECUが実行するシフト制御処理を示すフローチャート。
【図5】実施形態の自動変速機の歯車変速機構を主として示すスケルトン図である。
【図6】各走行ポジション及び変速段でのソレノイドバルブのON・OFF状態及び各摩擦係合装置の係合・解放状態を示す図表である。
【図7】実施形態の主要な油圧回路部分を示す図。
【図8】実施形態の主要油圧回路部分を取り出して概略的に示す部分油圧回路図。
【図9】図7に示す油圧回路の一部を示す図。
【図10】図7に示す油圧回路の他の部分を示す図。
【図11】図7に示す油圧回路の更に他の部分を示す図。
【符号の説明】
6…自動変速機(A/T)、16…マニュアルバルブ、18…切替機構、30…電子制御装置(ECU)、32…第1シフト操作部、33…第2シフト操作部、S1 …第1ソレノイドバルブ、S2 …第2ソレノイドバルブ、S3 …第3ソレノイドバルブ、SLU…リニアソレノイドバルブ。

Claims (3)

  1. 複数の変速比を達成するために係合・解放される複数の油圧式摩擦係合装置を有し、
    変速を制御するシフトコントロールバルブと、
    エンジンブレーキ状態を制御するエンジンコントロールバルブと、
    各シフトポジションにてライン圧供給回路を選択的に連通させるマニュアルバルブと、
    該マニュアルバルブを駆動する切替機構と、
    を備えた自動変速機にあって、
    シフト操作手段に連動して前記切替機構、前記シフトコントロールバルブを電気的に制御することにより変速比又はシフトポジションを切り替える変速制御手段を備えたシフト制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記シフト操作手段を通じたシフト操作時において所定条件に基づいて、前記マニュアルバルブを作動させる場合と、前記マニュアルバルブを作動させない場合とを選択制御する選択手段を備える
    ことを特徴とするシフト制御装置。
  2. 請求項1に記載のシフト制御装置において、
    前記所定条件は、前記シフトコントロールバルブがフェールしたと判断された場合に、前記マニュアルバルブを作動させる
    ことを特徴とするシフト制御装置。
  3. 請求項1に記載のシフト制御装置において、
    前記所定条件は、前記エンジンコントロールバルブがフェールしたと判断された場合に、前記マニュアルバルブを作動させる
    ことを特徴とするシフト制御装置。
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