JP4897264B2 - ステアリング角度及びステアリングトルクセンサの装着方法及びステアリングギヤ装置 - Google Patents

Description

本発明はステアリング角度及びステアリングトルクセンサをステアリングギヤ装置に装着する方法に関する。本発明は更にステアリング角度及びステアリングトルクセンサを有するステアリングギヤ装置に関する。

近時のステアリング装置においては、ステアリング角度及びステアリングトルクセンサは種々のデータをパワーステアリング装置の制御ユニット又は電子安定プログラムにおいて利用できるようにするために使用される。このような構成においては、ステアリングギヤ装置へのセンサの装着が問題となる。ステアリングギヤ装置が直進前進運転している車両に対応するゼロ位置にある場合、ステアリング角度センサはゼロ位置に同様に対応する信号を発するべきである。これは、ステアリングギヤ装置のすべての素子がゼロ位置となるように組立てら、かつその後、センサがステアリングシャフト及びステアリングギヤ装置のハウジングに確実に接続できた場合に、保証できた。しかし、空間的な理由のため、ステアリングギヤ装置へのセンサの装着後に、種々の素子に接近しづらくなるため、これは不可能である。

本発明の目的は、ステアリング角度及びステアリングトルクセンサをステアリングギヤ装置に装着する方法、及び、ステアリングギヤ装置がゼロ位置にあるときに、センサが同様に高精度でゼロ位置をとるようなステアリングギヤ装置を提供することである。

この目的を達成するため、本発明では、ステアリング角度及びステアリングトルクセンサをステアリングギヤ装置に装着する方法において、次の工程が設けられる：ハウジング及びロータを有するステアリング角度及びステアリングトルクセンサが用意される。ロータがゼロ位置に対して所定の角度量だけハウジングに関して回転される。ロータがピニオン歯車を具備したステアリングシャフトに取り付けられる。ステアリングシャフトが歯付きラックを有するステアリングギヤ装置内へ挿入され、ハウジングは所定の角度位置でステアリングギヤ装置において適所に固定され、ステアリングシャフトは、ロータがハウジングに関してゼロ位置へ戻るまで、歯付きラックに係合するピニオン歯車によりロータと一緒に回転させられる。本発明に係る方法は、ステアリングギヤ装置に装着されるときに回転させられることになるステアリングシャフトの角度量だけ正確にセンサを「ずらす」という基本的な着想に基礎を置く。ステアリングシャフトが遊びを伴わずに歯付きラックと係合するので、組立てに由来するステアリングシャフトの回転を高精度で決定することができる。組立て前に、センサのロータ及びハウジングが同じ高精度で互いに関して回転した場合、センサのゼロ位置は対応する高精度で組立て後に得られる。公差で悩まされる唯一の組立て工程、即ち、互いに関してのセンサのハウジング及びロータの回転は、すべての素子に十分に接近できるような状態即ちステアリングギヤ装置の外部で実行することができる。

「ゼロ位置からセンサを回転させる」工程及び「ロータをステアリングシャフトに装着する」工程の２つの工程は、任意の順番で実行することができることが分かろう。同様に、本発明に係る着想はまた、組立て前に、ステアリングギヤ装置の歯付きラックをそのゼロ位置を外した位置へ移動させ、一方ゼロ位置にあるセンサと一緒にステアリングシャフトをステアリングギヤ装置内に挿入することにより実践できることは明らかである。ステアリングシャフトが挿入されたとき、センサがそのゼロ位置から回転するように、ステアリングシャフトが回転する。そうすると、センサは、ゼロ位置から移動した歯付きラックの位置に対応する程度までゼロ位置に関して回転した位置に到達する。歯付きラックがゼロ位置へ戻ると、センサは同様にそのゼロ位置を占める。

上述の目的を達成するため、また、ステアリング角度及びステアリングトルクセンサを有するステアリングギヤ装置であって、センサがハウジング及びロータを有し、ハウジングが摺動ガイドによりステアリングギヤ装置において適所に固定されるようなステアリングギヤ装置が提供される。摺動ガイドは、ステアリングギヤ装置に関して回転しないようにセンサのハウジングが結合されるのを保証する。

図１はステアリングギヤ装置ハウジング１２と、ハウジング内に変位可能に位置し、歯部１６を備えた歯付きラック１４と、ステアリングシャフト１８とを有するステアリングギヤ装置１０を概略的に示す。ステアリングシャフトは歯付きラック１４の歯部１６に係合するようになったピニオン歯車２０を有する。歯部１６及びピニオン歯車２０は共にはすば歯車である。さらに、ステアリング角度及びステアリングトルクセンサ２２がステアリングシャフト１８（図４、５をも参照）に取り付けられる。このステアリング角度及びステアリングトルクセンサの主要な素子はハウジング２４及びロータ２６である。ハウジング２４はステアリングギヤ装置１０において固定的に位置するようになっており、ロータ２６はステアリングシャフト１８に相対回転しないように取り付けられる。ハウジング２４は渦巻バネハウジング２７をも有し、このハウジング内には、いずれかの方向への数回の回転を通じて種々のロータ素子への電気的接続を可能にする渦巻バネが配置される。

センサ２２のハウジング２４の外部には、２つの突出するノーズ部２８が設けられ、これらのノーズ部はステアリングギヤ装置ハウジング１２に関してハウジング２４を固定する役目を果たす。この目的のため、ステアリングギヤ装置ハウジングはノーズ部に対応する形状のくぼみを有する。摺動ガイドがこのようにして形成される。ハウジング２４においては、プラグコネクタ２９が更に設けられ、センサ２２を制御電子機器に接続できるように、対応するプラグコネクタがプラグコネクタ２９に係合できる。

ステアリングギヤ装置１０を組立てるため、歯付きラック１４をステアリングギヤ装置ハウジング１２内でその中心位置即ちゼロ位置へ配置する。また、センサ２２をステアリングシャフト１８に取り付ける。一層正確には、相対的に回転できないような態様でセンサ２２のロータ２６をステアリングシャフト１８に取り付ける。この目的のため、ノーズ部、溝、スプラインシャフト歯又は他の構成を使用することができる。次いで、ハウジング２４に相対的にゼロ位置から、ロータ２６を所定の角度量だけ回転させる。これは、説明のために示され、ゼロ位置に関して約９０°だけ回転している、ゼロ位置に対応する位置にあった位置決めマーク３０により、図１に示される。ゼロ位置は、図１から明らかなように、ハウジング２４におけるノーズ部２８に対応する。この回転した位置においては、ロータ２６は保持手段３２（図４、５参照）によりハウジング２４に関して保持される。この保持手段３２は特に、ロータ２６及びハウジング２４の適当なくぼみに係合し、ゼロ位置から回転したその位置でセンサを保持するクリップである。ハウジング２４に関してゼロ位置から回転するロータ２６の角度量は以下の説明から明らかとなろう。センサ２２がステアリングシャフト１８に取り付けられる前に、ロータ２６をハウジング２６に関して回転させることができることは明らかである。

ステアリングシャフト１８がこれに装着したセンサ２２と一緒にステアリングギヤ装置ハウジング１２内に挿入されるとき、ステアリングシャフトはまず視覚的に正しく方位決めされ、そのピニオン歯車２０が歯付きラック内に挿入される。これはなんら問題なく可能である。その理由は、ピニオン歯車はその歯の数に対応してその方位において互いに異なるほんの数個の位置を特定するのみであり、その位置の数は視覚だけで正しいものを選択できるような程度であるからである。次いで、センサ２２のハウジング２４におけるノーズ部２８がステアリングギヤ装置ハウジングにおける関連するくぼみに係合してハウジング２４を正しく位置決めするまで、ステアリングシャフトがハウジング内へ挿入される。センサ２２のハウジング２４のノーズ部２８がステアリングギヤ装置ハウジング１２に関して適所で固定された後、保持手段３２が取り除かれる。ステアリングシャフト１８を挿入し続けると、ステアリングシャフト１８はセンサ２２のハウジング２４に関して回転する。その理由は、ピニオン歯車２０が、歯付きラック１４の歯部１６と一緒に、強制された回転を生じさせ、一方、センサ２２のハウジング２４がノーズ部２８を介してステアリングギヤ装置ハウジング１２に関して回転しないように保持されるからである。図２はステアリングギヤ装置ハウジング１２内へ挿入されている間のステアリングシャフト１８を示し；そうすることにより、ステアリングシャフト１８はその回転した位置から出発してゼロ位置に接近する。従って、位置決めマーク３０はゼロ位置の一層近くへ移動する。

図３は完全に挿入されたステアリングシャフト１８を伴ったステアリングギヤ装置１０を示す。歯付きラック１４の歯部１６に係合するピニオン歯車２０により、ステアリングシャフト１８はそのゼロ位置即ち中心位置へ戻るよう回転している。従って、ロータ２６もまたセンサ２２のハウジング２４に関してゼロ位置に再度来る。対応的に、位置決めマーク３０は図１に示すようにハウジング２４におけるノーズ部と同じ周方向位置にある。それ故、保持手段３２がハウジング２４及びロータ２６において挿入されていたくぼみは、組立て前にセンサ２２がそのゼロ位置から回転していたその角度量だけ、相対的に回転する。このとき、プラグコネクタ２９はステアリングギヤ装置ハウジング１２のくぼみの背後に位置し、そのため、プラグコネクタはなんらの問題を伴わずに対応するプラグコネクタに接触することができる。この対応するプラグコネクタはくぼみ３４の区域において必要なシール構造を提供する。

組立て方法の説明から明らかなように、センサ２２のハウジング２４に関してロータ２６がゼロ位置から回転した所定の角度量は、ステアリングギヤ装置ハウジング１２内へ挿入されるときに互いに係合する２つのはすば歯車により回転されるステアリングシャフト１８の角度量に等しい。

組立て開始時のステアリングギヤ装置の部分断面斜視図である。 組立て中の図１のステアリングギヤ装置を示す図である。 組立てた状態の図１のステアリングギヤ装置を示す図である。 図１のステアリングギヤ装置に使用するステアリング角度及びステアリングトルクセンサの上面図である。 図４のセンサの側面図である。

符号の説明

１０ ステアリングギヤ装置
１４ 歯付きラック
１８ ステアリングシャフト
２０ ピニオン歯車
２２ ステアリング角度及びステアリングトルクセンサ
２４ ハウジング
２６ ロータ
２８ 摺動ガイド
２９ プラグコネクタ
３２ 保持手段
３４ くぼみ

Claims (4)

1. ステアリング角度及びステアリングトルクセンサをステアリングギヤ装置に装着する方法において、
   ハウジング（２４）とロータ（２６）とを有するステアリング角度及びステアリングトルクセンサ（２２）を用意する工程と；
   ゼロ位置に対して所定の角度量だけ、上記ハウジング（２４）に関して上記ロータ（２６）を回転させる工程と；
   ピニオン歯車（２０）を具備するステアリングシャフト（１８）に上記ロータ（２６）を取り付ける工程と；
   歯付きラック（１４）を有するステアリングギヤ装置（１０）内に上記ステアリングシャフト（１８）を挿入する工程と；
   を有し、上記ハウジング（２４）が所定の角度位置で上記ステアリングギヤ装置（１０）において適所に固定され、上記ロータ（２６）が当該ハウジング（２４）に関して上記ゼロ位置へ回転し終えるまで、上記ステアリングシャフト（１８）が、上記歯付きラック（１４）に係合する上記ピニオン歯車（２０）により、当該ロータ（２６）と一緒に回転させられることを特徴とする方法。
2. 上記ロータ（２６）が上記ハウジング（２４）に関して回転された位置に保持されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. ステアリング角度及びステアリングトルクセンサを有するステアリングギヤ装置において、
   上記センサ（２２）がハウジング（２４）及びロータ（２６）を有し、上記ハウジング（２４）が摺動ガイド（２８）により上記ステアリングギヤ装置（１０）において適所に固定され、
   上記ハウジング（２４）及び上記ロータ（２６）が保持手段（３２）のための装着部を具備し、上記保持手段（３２）は、上記ハウジングにおける上記摺動ガイドに対応するゼロ位置から回転した位置で上記センサを保持するクリップである、ことを特徴とするステアリングギヤ装置。
4. 上記ステアリングギヤ装置（１０）がくぼみ（３４）を有し、上記ハウジング（２４）が上記くぼみ（３４）の背後に位置するプラグコネクタ（２９）を具備することを特徴とする請求項３に記載のステアリングギヤ装置。

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