JP2004184394A - 回転センサ - Google Patents

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Tomoaki Toratani
智明 虎谷
Toshiro Yamamoto
敏郎 山本
Hiroshi Morimoto
博 森本
Akira Noguchi
晃 野口
Kosuke Yamawaki
康介 山脇
Setsushu Tsukamoto
雪秋 塚本
Toshiaki Yasujima
俊明 安嶋
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Tokyo Cosmos Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
Tokyo Cosmos Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】接触式の回転センサにおける摺動音の発生を抑制することが可能であり、接触子と電気抵抗体との安定な接触状態を確保して優れた耐久性を実現することが可能な回転センサを提供することを目的とする。
【解決手段】電気的接触子48を有する接触ブラシ40のアーム部44bは、その側面に非対称要素として突起片44cを有しているため、電気的接触子48の中央を通過する長手軸線Lを中心として非対称な形状をなし、左右の重量配分が非対称となっている。それ故、電気的接触子48が電気抵抗体28上を摺動する際に、捻り方向の慣性モーメントが増大して、捻り振動Tの発生が抑制され、更に接触子40の固有振動数以外の振動数に分散されるため、摺動音の音圧が低減される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の回転機構を有する回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題への関心の高まりに伴い、自動車の排出ガスを低減する対策の1つとして、車体の軽量化に関する研究が進んでいる。例えば、従来の油圧駆動式が主流であったパワーステアリング装置を電動式にすることもその一つである。電動式は、油圧駆動式に較べて、油圧ポンプが不要になることで自動車の一層の軽量化が実現される。
【0003】
但し、油圧駆動式の場合には、機械部品のみによって適当なパアワーアシストを実現することが可能であったのに対して、電動式の場合は、アシスト力をコンピュータで計算するため、ステアリング操作に伴う舵角を計測する舵角センサとトルクを計測するトルクセンサを備えた回転センサが必要となった。
また、この電動式のパワーステアリング装置に用いる回転センサには、磁界などを用いる非接触式のものと、電気抵抗体にブラシ等の接触子を接触させて電圧を検出する接触式のものとがある。
【0004】
接触式の回転センサは、ハンドルの回転に対応して回転する円盤状の基板の表面や裏面に円周状の電気抵抗体を有している。また、ブラシ等の接触子を有し、この接触子の可動端が電気抵抗体に接触している。このため、ハンドルの回転に伴い、接触子の可動端が電気抵抗体上を摺動する。その際の接触子と電気抵抗体との摺動距離は、ハンドルの回転に対応する。
【0005】
ここで、電気抵抗体の2つの基準点の間に所定の電圧を印加しておき、接触子から電圧信号を取り出すと、接触子と電気抵抗体との摺動距離に対応する電圧信号が得られる。従って、この電圧信号に基づく演算を行うと、舵角やトルクが計測される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−357452号公報(特願2001−224912号明細書)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の接触式の回転センサにおいては、接触子が電気抵抗体上を摺動するため、その際に摺動音が発生し、人間に不快感を与えるという問題が生じた。
また、製造コストを低減する必要から、回転センサの多くの部品が樹脂成型部品で構成され、各部品間にはクリアランスが設けられるため、部品相互間にある程度のがたが発生する。例えば電気抵抗体が形成されている円盤状の基板の位置も、接触子に対して変動する。この変動値は、設計値により左右されるものの、通常±1mm程度である。従って、接触子の電気抵抗体に対する接触力が変動する。その結果、接触子と電気抵抗体との接触状態が不安定になり、耐久性が損なわれるという問題が生じた。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、接触式の回転センサにおける摺動音の発生を抑制することが可能であり、接触子と電気抵抗体との安定な接触状態を確保して優れた耐久性を実現することが可能な回転センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、回転センサの接触子が電気抵抗体上を摺動する際に発生する摺動音を実測し、更に計算機等を用いて解析した結果、次のことが判明した。即ち、接触子が電気抵抗体上を摺動すると、その際の摩擦をエネルギー源として、接触子に捻り振動が発生し、この捻り振動が原因となって摺動音が発生する。そして、特に接触子が振動され易い形状の場合、捻り振動が接触子の固有振動を励起し、その固有振動数の音のみが極端に大きくなるため、人間に不快感を与える度合いも大きくなっていた。そこで、本発明者らは、接触子の形状を振動され難いものにすることを考え、鋭意実験を重ねた。
【0010】
また、接触子と電気抵抗体との安定な接触状態を確保し、優れた耐久性を実現するためには、電気抵抗体に対する接触子の接触力を適正なものにしなければならず、その条件として接触子が適切なばね弾性を有することが必要であると考え、鋭意実験を重ねた。
その結果、以下の発明に係る回転センサを想到した。
【0011】
即ち、本発明は、回転される基板と、前記基板の片面に形成され、前記基板の回転方向に延びる電気抵抗体と、前記基板の近傍に配置された保持部材と、前記保持部材に一端部が固定されるとともに、他端にアーム部を介して設けられた接触子を有し、この接触子が前記基板の回転に伴い、前記電気抵抗体と電気的に接触した状態で、前記電気抵抗体に対して相対的に摺動する接触部材とを備え、前記接触部材の相対的な摺動に基づき、前記基板の回転情報を電気信号として前記接触部材から取出す回転センサであって、前記接触部材のアーム部は、その長手軸線を中心として左右の重量配分が非対称であること特徴とする回転センサが提供される。
【0012】
ここで、前記アーム部は、0.1N/mm以下のばね係数を有し、前記電気抵抗体に対する前記接触子の接触力は、0.04N以上且つ0.24N以下の範囲にあることが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、自動車のハンドル10には、コラムシャフト12が直結している。このコラムシャフト12には、トーションバー14を介してステアリングシャフト16が連結されている。このステアリングシャフト16は、電動式のパワーステアリング機構18に接続されている。パワーステアリング機構18は、前輪19を操舵するためのラック・ピニオンや、操舵をアシストする電動モータ等を内蔵している。
【0014】
コラムシャフト12及びステアリングシャフト16は、ベアリング等を介して車体側の支持部材に保持されており、ハンドル10の回転に伴って滑らかに回転し、これにより、パワーステアリング機構18を介して前輪19が操舵される。この際に、コラムシャフト12とステアリングシャフト16との間を連結するトーションバー14が路面からの反力により捩れる結果、コラムシャフト12とステアリングシャフト16との間に回転のずれが生じ、この回転ずれからステアリングシャフト16、つまり、ハンドル2の反力トルクを求めることができる。
【0015】
それ故、ハンドル2のハンドル角や反力トルクを検出するために、第1の実施形態に係る回転センサ20が備えられており、この回転センサ20は、図1に示されるようにコラムシャフト12とステアリングシャフト16との間に跨って配置されている。
より詳しくは図2に示されるように、回転センサ20は、ハンドル角ロータ22及びトルクロータ24を備えている。そして、ハンドル角ロータ22はコラムシャフト12の下端に取り付けられ、トルクロータ24はステアリングシャフト16の上端に取り付けられている。即ち、ハンドル角ロータ22及びトルクロータ24は、コラムシャフト12及びステアリングシャフト16とそれぞれ一体に回転する。
【0016】
また、ハンドル角ロータ22の外周には、円盤状の基板26が取り付けられている。この基板26もまた、コラムシャフト12、即ち、ステアリングハンドル10と一体に回転する。
基板26の上側の表面には、ハンドル角を検出するための電気抵抗体28が設けられている。この電気抵抗体28は、例えば導電性樹脂からなり、プリント技術により形成されている。電気抵抗体28は、図3に示されるように、環状をなし、2つの基準点A,Bを有する。これら基準点A,Bは、電気抵抗体28の周方向に距離Xをおいて配置され、基準点A,B間に所定の基準電圧が印加可能となっている。
【0017】
更に、基板26の裏面にも、図3の電気抵抗体28と同様な環状の電気抵抗体30が形成されており、この電気抵抗体30は反力トルクの検出に使用される。即ち、トルクロータ24の外側には、環状のブラシ保持部材34が配置されている。このブラシ保持部材34は、コンプライアンスディスク32を介してトルクロータ24に接続され、ブラシ保持部材34と基板26との間には、所定の間隔が確保されている。
【0018】
コンプライアンスディスク32の接続剛性は、ブラシ保持部材34の周方向には高いものの、その径方向には低い。具体的には、コンプライアンスディスク32は、ステンレス等の金属や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のプラスチックから成形され、図4に示されるような形状を有する。
即ち、コンプライアンスディスク32は、リング32aと、このリング32aの外周縁から一体に突出した一対ずつの第1及び第2弾性片32b,32cとを有する。一対の第1弾性片32bは、リング32aの直径方向に互いに離間している。各第1弾性片32bは、リング32aから一旦上方に延びる起立部と、この起立部の上端からリング32aの径方向外側且つ下方に向けて円弧状に曲成されたばね部と、このばね部の下端からリング32aの径方向外側に向けて水平に延びる取付け部とを有しており、この取付け部に一対の貫通孔32dが形成されている。
【0019】
各第1弾性片32bの取付け部は、ブラシ保持部材34の上面に重ね合わされた後、取付けねじ(図示しない)が貫通孔32dを通じてブラシ保持部材34にねじ込まれることで、ブラシ保持部材34に連結される。
一方、一対の第2弾性片32cは、リング32aの直径方向に互いに離間しているが、第2弾性片3c間を結ぶ線分と第1弾性片3b間を結ぶ線分とは、互いに直交する関係にある。つまり、第1及び第2弾性片32b,32cは、リング32aの周方向に等間隔、即ち、90°の間隔をおいて交互に配置されている。
【0020】
各第2弾性片32cもまた、リング32aから一旦上方に延びる起立部と、この起立部の上端からリング32aの径方向内側且つ下方に向けて円弧状に曲成されたばね部と、このばね部の下端からリング32aの径方向内側に向けて水平に延びる取付け部とを有しており、この取付け部に一対の貫通孔32eが形成されている。
【0021】
各第2弾性片32cの取付け部もまた、トルクロータ24の上面に重ね合わされた後、取付けねじ(図示しない)が貫通孔32eを通じてトルクロータ24にねじ込まれることで、トルクロータ24に連結される。
上述したコンプライアンスディスク32の剛性は、リング32aの存在によって、ブラシ保持部材34及びトルクロータ24が回転する方向に高く、これに対して、第1及び第2弾性片32b,32cのばね部の存在によって、それらの径方向には低い。このため、コンプライアンスディスク32は、ステアリングシャフト16、即ち、トルクロータ24の回転をブラシ保持部材34に確実に伝達しつつ、コラムシャフト12とステアリングシャフト16との間の軸ずれを吸収することができる。
【0022】
即ち、このコンプライアンスディスク32は、その径方向でみて、トルクロータ24とブラシ保持部材34との間を弾性的に連結する弾性連結部材として機能し、コラムシャフト12とステアリングシャフト16との間の軸心のずれが角度検出に影響しないようにしている。但し、このコンプライアンスディスク32は、回転センサ20に必須なものではない。
【0023】
更に、基板26やブラシ保持部材34等は、ケーシング36内に収容され、このケーシング36は、車体側、即ち、前述した支持部材38に固定されている。ケーシング36の天井壁36aと基板26の表面との間には、一定の間隔が確保されている。そして、この天井壁36aには、ハンドル角検出用の一対の接触ブラシ40が下向きに取り付けられている。尚、図2には、一方の接触ブラシ40のみが示されている。各接触ブラシ40の一端はケーシング36の天井壁36aに固定され、その他端は電気抵抗体28に接触している。即ち、ケーシング36の天井壁36aは、接触ブラシ40のブラシ保持部材として機能している。
【0024】
また、ブラシ保持部材34の上面にも、一対の反力トルク検出用の接触ブラシ42が上向きに取り付けられており、これら接触ブラシ42の一端はブラシ保持部材34に固定され、他端は電気抵抗体30に接触している。尚、ケーシング36の底壁には、ブラシ保持部材34の回転を案内する環状の突条36bが形成されている。
【0025】
接触ブラシ40,42は同一の構造を有しているため、ここでは、図5を参照しながら接触ブラシ40についてのみ説明し、接触ブラシ42の具体説明は省略する。
図5に示されるように、接触ブラシ40は、薄板状のスプリングアーム44を備えている。このスプリングアーム44は、ブラシ保持部材への取付けに使用される固定端部44aを有し、この固定端部44aから矩形のアーム部44bが一体に延びている。このアーム部44bの幅及び長さは、それぞれ、2.5mm、4mmである。更に、アーム部44bの先端部近傍には、突出片44cが一体に形成され、この突出片44cはアーム部44bの側縁から突出している。
【0026】
そして、アーム部44bの先端部にはブラシ部46が取付けられ、このブラシ部46は複数本のワイヤ46aからなる。具体的には、各ワイヤ46aの根元は板状のワイヤホルダ46bに保持され、このワイヤホルダ46bは、アーム部44bの先端部に溶接により固定されている。
更に、各ワイヤ46aの先端部は鉤形に湾曲され、これらの湾曲部にて、電気抵抗体28との電気的接触子48が形成されている。即ち、電気的接触子48が接触ブラシ40の可動端となっている。
【0027】
尚、上述した突出片44cを有するスプリングアーム44は、例えば厚さ0.06mmのべリリウム銅からなるシートを打抜き加工した後、固定端部44aとアーム部44bとの間を区画すべく折曲げ加工して成形される。また、ブラシ部46の各ワイヤ46aは、7元合金材料が用いられている。
ここで、接触ブラシ40におけるスプリングアーム44、即ち、そのアーム部44bのばね係数は、0.1N/mm以下、そして、電気抵抗体28に対する接触ブラシ40の接触力は、0.04〜0.24Nの範囲にあるのが好ましい。本実施形態においては、前記ばね係数を0.056N/mm、そして、前記接触力を0.14Nとした。
【0028】
また、スプリングアーム44の長手軸線Lは図5中に1点鎖線で示され、この長手軸線Lはブラシ部46の真中、即ち、電気的接触子48の中央を通過している。しかしながら、突出片44cを有するアーム部44bについてみたとき、アーム部44bは突出片44cの存在により、長手軸線Lを中心として左右対称にならず、非対称な形状をなしており、その結果、左右の重量配分が非対称となっている。
【0029】
次に、第1の実施形態に係る回転センサ20の動作について説明する。
ハンドル10が回転されると、この回転はコラムシャフト12を介してハンドル角ロータ22、即ち、基板26に伝達され、基板26を回転させる。また、ハンドル10の回転は、コラムシャフト12、トーションバー14及びステアリングシャフト16を介して、パワーステアリング機構18及びトルクロータ24に伝達され、パワーステアリング機構18により前輪19が操舵される一方、トルクロータ24はコンプライアンスディスク32を介してブラシ保持部材34を一体的に回転させる。
【0030】
このような前輪19の操舵時に、トーションバー14が路面反力により捩れると、コラムシャフト12とステアリングシャフト16との間に回転のずれが生じる。このため、ハンドル角ロータ22に接続された基板26はコラムシャフト12と一体的に回転するが、しかしながら、基板26とブラシ保持部材34との間には、それらの回転角に差が発生する。尚、ここでの回転角差は±12°の範囲にある。
【0031】
基板26の回転に伴い、ケーシング36に固定された接触ブラシ40の電気的接触子48は、環状の電気抵抗体28上を相対的に摺動する。ここで、電気抵抗体28の2つの基準点A,B(図3参照)にそれぞれ0ボルト、Vccボルトの電圧が印加された状態にある。このため、電気的接触子48が基準点Aから電気抵抗体28の周方向に沿い基準点Bに向けて所定の距離だけ相対的に摺動すると、接触ブラシ40から取り出される電圧信号は、ポテンショメータの原理により、図6のグラフに示されるように、その摺動距離に正比例し、Vccに向けて増加する。そして、接触ブラシ40の電気的接触子48が基準点Bから基準点Aに向けて更に相対的に摺動されると、接触ブラシ40からの出力電圧はVccから減少する。
【0032】
接触ブラシ40からの電圧信号は、信号ケーブル(図示せず)を経て外部の演算処理装置(図示せず)に供給され、この演算処理装置により、ハンドル角ロータ22、即ち、ハンドル2のハンドル角が演算される。尚、一対の接触ブラシ40からの電圧信号には、所定の出力位相差が与えられており、この出力位相差に基づき、演算処理装置はハンドル2の回転方向をも同時に検出する。
【0033】
一方、基板26及びブラシ保持部材34との間の回転角差に基づき、ブラシ保持部材34の一対の接触ブラシ42の電気的接触子は、基板26の環状の電気抵抗体30上を相対的に摺動し、接触ブラシ42から取り出される電圧信号もまた演算処理装置に供給される。ここで、演算処理装置は一対の接触ブラシ42からの電圧信号との差に基づき、ハンドル角ロータ22とトルクロータ24との間の回転ずれ、即ち、反力トルクを演算する。
【0034】
次に、図7のグラフ中の実線は、回転センサの接触ブラシ40(42)が相対的に摺動される際、接触ブラシ40(42)の振動により発生する音圧と振動数との間の関係を示した実測結果であり、また、図7のグラフ中の破線は、従来の接触ブラシを使用した回転ブラシでの同様な実測結果である。ここで、従来の接触ブラシは、突出片44cが除かれている点を除き、接触ブラシ40(42)と同様な構成を有する。
【0035】
図7のグラフから明らかなように、300〜1600Hzの可聴音域の大部分において、摺動音の音圧は、接触ブラシ40(42)を用いた回転センサ20の方(実線)が従来の接触ブラシを用いた回転センサの方(破線)よりも小さくなっている。
この点に関して詳述すると、接触ブラシが相対的に摺動するとき、接触ブラシはその摺動に伴って摩擦エネルギを受ける。この場合、従来の接触ブラシのように、そのスプリングアーム、即ち、アーム部が長手軸線を中心として左右対称な形状をなしていると、摩擦エネルギは図5中の矢印で示すように、アーム部にその長手軸線回りの捻り振動Tを引き起こし易く、そして、その捻り振動Tの振動数がアーム部における可聴音域の固有振動を励起させることで、その振動数での音圧が極端に増加するものと考えられる。
【0036】
しかしながら、図5の接触ブラシ40(42)は、アーム部44bの側面に突出片44cを有しているので、アーム部44bはその長手軸線Lを中心として非対称な形状を有し、左右の重量配分が非対称となっている。それ故、アーム部44bに関し、長手軸線Lを中心とした捻り方向の慣性モーメントは増大しているので、アーム部44bの捻り振動Tは抑制される。
【0037】
また、捻り振動Tによりアーム部44bの固有振動が励起されたとしても、突出片44cの存在により、アーム部44bの固有振動数を可聴音域から外すことができ、しかも、アーム部44bの捻り振動Tをその固有振動数以外の広い振動数域に亘って分散させることもできる。このため、接触ブラシ40(42)を使用すれば、摺動音の音圧は、可聴周波領域で全般的に低減されると共に、その固有振動数におけるピーク値も低減される。
【0038】
また、接触ブラシ40,42のアーム部44bのばね係数が0.056N/mmであり、電気抵抗体28,30に対する接触ブラシ40,42のそれぞれの接触力の中心値が0.14Nであると、ケーシング36の天井壁36aと基板26の表面との間隔や、基板26の裏面とブラシ保持部材34の上面との間隔に多少の変動(通常は、±1mm程度)が生じても、接触ブラシ40,42と電気抵抗体28,30との間のそれぞれの接触状態は安定に維持され、優れた耐久性を実現することができる。
【0039】
本発明は、上述した第1実施形態の回転センサに制約されるものではなく、第2及び第3実施形態の回転センサに関して、以下に説明する。ここで、第2及び第3実施形態の回転センサを説明するあたり、既に説明した部材及び部位と同様な機能を有する部材及び部位には同一の参照符号を付して、その説明は省略し、相違する点のみを説明する。
【0040】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る回転センサは、接触ブラシ40,42を除き、図2の回転センサと同様な構成を有する。図8に示されるように、第2実施形態の場合の接触ブラシ50は、図5の突出片44cを備える代わりに、そのアーム部44bの側縁に非対称要素としてのエポキシ樹脂体52を備えている。この相違点を除けば、図5に示された接触ブラシ40,42と同様に成形することができる。
【0041】
尚、第1の実施形態の場合と異なり、接触ブラシ50のスプリングアーム44は、例えば厚さ1mmのりん青銅のシートを打ち抜き加工及び折り曲げ加工して成形され、また、ブラシ部46の各ワイヤ46aは、6元合金材料からなっている。
以上のように、第2の実施形態によれば、接触ブラシ50のアーム部44bにあっても、エポキシ樹脂体52の存在により、その長手軸線Lを中心として左右非対称な形状をなし、左右の重量配分が非対称となっているので、第1の実施形態の場合と同様な効果を奏することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る回転センサもまた、接触ブラシ40,42を除き、図2の回転センサと同様な構成を有する。
図9に示されるように、第3の実施形態の回転センサが備える接触ブラシ54は、スプリングアーム44におけるアーム部44bの一側縁に非対称要素として切欠き部44dを有する。尚、この場合、スプリングアーム44の固定端部44aとアーム部44bとは幅が互いに異なり、アーム部44bの幅は固定端部44aの幅よりも狭くなっている。
【0043】
また、アーム部44bの先端にはブラシ部44eが一体に成形され、このブラシ部44eは櫛歯状をなし、その折れ曲がった歯先が電気的接触子48として形成されている。
この場合、固定端部40a、アーム部40b及びブラシ部44eからなるスプリングアーム44は、例えば厚さ0.08mmの矩形状のべリリウム銅のシートに打抜き及び折曲げ加工を施すことにより成形可能である。
【0044】
以上のように、第3の実施形態の接触ブラシ54もまた、アーム部44bは長手軸線を中心して左右非対称な形状であり、左右の重量配分が非対称となっているため、第1の実施形態の場合と同様な効果を奏することができる。
また、ブラシ部44eはアーム部40bに一体成形されているので、複数のワイヤ46aからなるブラシ部46を有する接触ブラシ40,42,50に比べ、接触ブラシ54の製造が容易になり、そのコストを低減することができる。
【0045】
尚、第1〜第3の実施形態においては、アーム部44bを非対称な形状とする手段として、突出片44c、エポキシ樹脂体52又は切欠き部44dを用いているが、これら以外にも種々の手段によりアーム部44bに非対称な形状を与えることは容易に可能である。また、非対称な形状とするのみならず、例えばアーム部44bの材質を部分的に変えることによっても、重量的に非対称にでき、同様の効果を奏することが可能である。
【0046】
また、第1〜第3の実施形態においては、自動車の電動式のパワーステアリング装置に用いる回転センサについて説明したが、本発明に係る回転センサは、例えばロボットアームのように、回転軸の回転角度や相対回転する2つの回転軸間のトルク等を求めるものであれば、どのようなものにも使用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る回転センサによれば、接触子を有する接触部材のアーム部が、その長手軸線を中心として左右の重量配分が非対称であるため、接触子が電気抵抗体上を摺動する際に発生する捻り振動が抑制され、更にその捻り振動が接触子の固有振動数以外の振動数にも分散されるため、摺動音の音圧を低減することができる。
【0048】
また、アーム部が0.1N/mm以下のばね係数を有し、電気抵抗体に対する接触子の接触力が0.04N以上且つ0.24N以下の範囲にあるため、接触子と電気抵抗体との接触状態を安定に維持し、優れた耐久性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の操舵システム示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係り、且つ、図1の操舵システムに組み込まれた回転センサを示す概略断面図である。
【図3】図2の回転センサの基板を示す概略平面図である。
【図4】図2の回転センサのコンプライアンスディスクを示す概略斜視図である。
【図5】図2の回転センサの接触ブラシを示す概略斜視図である。
【図6】電気抵抗体上での接触ブラシの摺動距離と接触ブラシから取り出される電圧信号との関係を示すグラフである。
【図7】図5の回転センサ及び従来の回転センサからそれぞれ発生する摺動音の音圧を比較して示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る回転センサの接触ブラシを示す概略斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る回転センサの接触ブラシを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 ハンドル
12 コラムシャフト
14 トーションバー
16 ステアリングシャフト
18 パワーステアリング機構
19 前輪
20 回転センサ
22 ハンドル角ロータ
24 トルクロータ
26 基板
28、30 電気抵抗体
32 コンプライアンスディスク
32a リング
32b 第1弾性片
32c 第2弾性片
32d,32e 貫通孔
34 ブラシ保持部材
36 ケーシング
38 支持部材
40、42、50、54 接触ブラシ
44 スプリングアーム
44a 固定端部
44b アーム部
44c 突出片
44d 切欠き部
44e、46 ブラシ部
46a ワイヤ
46b ワイヤホルダ
48 電気的接触子
52 エポキシ樹脂体

Claims (4)

  1. 回転される基板と、
    前記基板の片面に形成され、前記基板の回転方向に延びる電気抵抗体と、
    前記基板の近傍に配置された保持部材と、
    前記保持部材に一端部が固定されるとともに、他端にアーム部を介して設けられた接触子を有し、この接触子が前記基板の回転に伴い、前記電気抵抗体と電気的に接触した状態で、前記電気抵抗体に対して相対的に摺動する接触部材と
    を備え、
    前記接触部材の相対的な摺動に基づき、前記基板の回転情報を電気信号として前記接触部材から取出す回転センサであって、
    前記接触部材のアーム部は、その長手軸線を中心として左右の重量配分が非対称であること特徴とする回転センサ。
  2. 前記アーム部は、0.1N/mm以下のばね係数を有し、前記電気抵抗体に対する前記接触子の接触力は、0.04N以上且つ0.24N以下の範囲にある、請求項1記載の回転センサ。
  3. 回転差を許容するトーションバーを介して互いに連結された第1及び第2回転軸にそれぞれ取り付けられ、対応する回転軸と一体に回転する第1及び第2ロータと、
    前記第1ロータと一体に回転する基板と、
    前記基板の第1及び第2面にそれぞれ形成され、前記基板の回転方向に延びる第1及び第2電気抵抗体と、
    前記基板の第1面側に固定して配置された第1保持部材と、
    前記基板の第2の面側に配置され、前記第2ロータと一体に回転する第2保持部材と、
    前記第1保持部材に一端部が固定されるとともに、他端にアーム部を介して設けられた接触子を有し、この接触子が前記基板の回転に伴い、前記第1電気抵抗体と電気的に接触した状態で、前記第1電気抵抗体に対して相対的に摺動する第1接触部材と、
    前記第2保持部材に一端部が固定されるとともに、他端にアーム部を介して設けられた接触子を有し、この接触子が前記基板と前記第2保持部材との間の回転差に伴い、前記第2電気抵抗体と電気的に接触した状態で、前記第2電気抵抗体に対して相対的に摺動する第2接触部材と
    を備え、
    前記第1接触部材の相対的な摺動に基づき、前記第1ロータの回転角を電気信号として前記第1接触部材から取出す一方、前記第2接触部材の相対的な摺動に基づき、前記第1及び第2ロータの回転角差を電気信号として前記第2接触部材から取出す回転センサであって、
    前記第1及び第2接触部材の一方のアーム部は、その長手軸線を中心として左右の重量配分が非対称であることを特徴とする回転センサ。
  4. 前記非対称のアーム部は、0.1N/mm以下のばね係数を有し、前記非対称のアーム部に設けられた接触子は、0.04N以上且つ0.24N以下の範囲の接触力にて、対応する電気抵抗体に接触している、請求項3記載の回転センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096338A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Trw Automotive Gmbh ステアリング角度及びステアリングトルクセンサの装着方法及びステアリングギヤ装置
JP2020201046A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 日本電産シンポ株式会社 トルク検出センサおよび動力伝達装置

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