JP4895554B2 - 導電性材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電性材料、特に金属部と光透過部を有する透明導電性材料の製造方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性材料が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性材料の製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられているが、これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
また、透明導電性材料に求められる別の性能として導電性と光透過率がある。導電性を高くするにはある程度の幅と厚みを持った金属薄膜微細パターンを作る必要があるが、同時に光を遮断する金属からなるパターンの線幅を太くすると透過率が低下するので、この両者を満足させるには十分な導電性を持った微細な金属パターン、特に必要最小限の幅で均一なパターンを製造する必要があるが、従来の方法ではこれは満足出来なかった。
均一なパターンを作ると言う観点において、近年透明導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開特許WO01/51276号公報(特許文献1)や特開2004−221564号公報(特許文献2)では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで透明導電性材料を製造する方法の提案がなされている。これら銀塩写真感光材料を用いた場合、光透過部となる像露光時の未露光部に含有されるハロゲン化銀は除去されるものの、バインダーは除去されずに残存する。この残存するバインダーが導電性材料の製造工程途中で処理液により汚染され、着色してしまったり、あるいは未感光でありながら現像されてしまって作られてしまったカブリ現像銀がバインダーと一緒に残ってしまったりするなど、光透過部の透明性において未だ不十分であるという問題が存在していた。特許文献2においてはめっき処理の後、酸化処理するなどして、未露光部の透明性を高める記載もあるが、酸化処理は露光部の導電性金属も酸化、除去してしまう性質を有する。この為、光透過性を高めるため必要最低限しか作っていない微細パターンが酸化処理で破壊され、断線してしまうなど、製造の信頼性を著しく落としてしまうという別の問題が存在する。
また、同じく銀塩感光材料を使う方法として銀塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば国際公開特許WO2004−007810号公報(特許文献3)などがある。この方法では光透過部となる場所のバインダーは現像後の水洗処理で除去されるために、前述のバインダーの染色や、カブリ銀の残存と言う問題は存在しない。しかしながら、非常に薄い物理現像核層の上に厚く重いハロゲン化銀乳剤層が塗布されているため、同時多層塗布は困難であり、生産性が悪くなるという問題が存在した。
本発明は硬化現像法の原理によって支持体上にレリーフ画像を形成させる。硬化現像法とは、J.Photo.Sci.誌11号 p1、A.G.Tull著(1963)或いは「The Theory of the photographic Process(4th edition,p326−327)」、T.H.James著等に記載されているように、基材上に作製した実質的に硬膜剤を含まない未硬膜のハロゲン化銀乳剤層を、ポリヒドロキシベンゼン系等の現像主薬を含む現像液で処理することによって、現像主薬が露光されたハロゲン化銀を還元した際に、現像主薬自身から生成された酸化化合物により、ゼラチンを始めとする水溶性ポリマーを架橋し画像状に硬膜させる方法である。硬化現像法ではこのようにして形成したレリーフ画像を利用し、例えば特開2003−315957号公報(特許文献4)のようにガラスマスク材料に用いたり、特開平10−003170号公報(特許文献5)で平版印刷版などに応用されるなど、画像形成材料の1つとして用いられている。しかしながら作製したレリーフ像に導電性を付与させるなど導電性材料として用いることに関する好ましい形態などの知見は今まで存在しなかった。
国際公開特許WO01/51276号公報(1頁) 特開2004−221564号公報(1〜5頁) 国際公開特許WO2004/221565号公報(1頁) 特開2003−315957号公報(1頁) 特開平10−003170号公報(1頁)
従って、本発明の目的は、透明性と導電性が共に高く、かつ生産性の良い導電性材料が得られるための製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料がハロゲン化銀乳剤層中の水溶性バインダーに対し硬化現像薬を0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g含有し、該銀塩感光材料を露光後、硬化現像し、その後めっき処理することによって達成された
本発明の導電性材料の製造方法により、透明性と導電性が共に高く、かつ生産性の良い導電性材料が得られるための製造方法を提供することができた。
本発明に用いる導電性材料前駆体としてのハロゲン化銀感光材料に用いられる透明支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる
本発明に用いる導電性材料前駆体においては光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明におけるハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその
錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる
本発明に用いる導電性材料前駆体に含有されるハロゲン化銀の量は銀に換算して0.1g/m2以上、好ましくは0.3〜3g/m2である。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。本発明における好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、カゼインなどの蛋白質類、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これら水溶性ポリマーの中でもゼラチンなどの蛋白質が好ましい。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層には上記ポリマーバインダーの他に高分子ラテックスを用いる事もできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤層に含有する水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの総量、すなわち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると導電性が得られ難くなり、生産性を落としてしまうなど、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの質量比(銀/総バインダー)は0.5以上、より好ましくは1.5〜3.5である。また、好ましい総バインダー量は0.05〜3g/m2以上、更に好ましくは0.1〜1g/m2である。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明に用いる導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層やハロゲン化銀乳剤層の上にオーバー層、ハロゲン化銀乳剤層の下に下引き層などを設けることができる。
本発明に用いる導電性材料前駆体のオーバー層、下引き層についてはハロゲン化銀乳剤層と同様のバインダーを用いることができる。それぞれの層の使用目的に応じて好ましいバインダー量は異なるが、特に硬化現像処理を利用して画像状にそれらの層を硬化させ、必要な部分のみ残したい場合、例えばオーバー層に無電解めっきの触媒核を含有させる場合などでは、ハロゲン化銀乳剤層中で起きる硬化反応を利用するので、できるだけ薄いほうが好ましく、好ましい使用量は0.1g/m2以下、更に好ましくは0.05〜0.001g/m2である。さらにオーバー層、下引き層には公知の界面活性剤、現像抑制剤、イラジエーション防止色素、顔料、マット剤、滑剤などを含有することができる。
本発明に用いる導電性材料前駆体には硬化現像薬を含有することが特に好ましい。硬化現像薬としては、ポリヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、トルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、4−フェニルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−s−ブチルピロガロール、4,5−ジブロモカテコール、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,5−ベンゾイルアミノハイドロキノン、などがある。また、アミノフェノール化合物、例えばN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール−2,4−ジアミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−p−アミノフェノールなど、また、その他にも例えば特開2001−215711号公報、特開2001−215732号公報、特開2001−312031号公報、特開2002−62664号公報記載の公知の硬化現像薬を用いることができるが、特にベンゼン核の少なくとも1,2位または1,4位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが好ましい。また、これらの硬化現像薬を併用して用いることも可能である。さらに、3−ピラゾリドン類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、および1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドンなどの公知の写真現像液に用いる還元剤を上記硬化現像薬に併せて用いることも可能である。
これら硬化現像薬は導電材料前駆体のどの層に含有されても良いが、ハロゲン化銀乳剤層もしくは下引き層に含有されることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。含有する好ましい量はハロゲン化銀乳剤層の水溶性バインダーを耐水化できるだけの量であるため、使用する水溶性バインダーの量に応じて変化する。好ましい硬化現像薬の量は0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g、更に好ましくは0.1〜0.4mmol/水溶性バインダー1gである。これら硬化現像薬は塗液に溶解させて各層に含有させても良いし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
本発明に用いる導電性材料前駆体には膨潤抑制剤を含有することができる。本発明における膨潤抑制剤とは導電性材料前駆体を硬化現像液で処理する際に水溶性バインダーが膨潤するのを妨ぎ、画像のぼけを防いで透過性を上げ、また導電性を上げるために用いる。膨潤抑制剤として作用するかどうかはpH3.5の5%ゼラチン水溶液に膨潤抑制剤0.35mol/Lになるよう加えてゼラチンの沈澱が発生するかどうかで調べられ、この試験でゼラチンの沈澱が発生するような薬品は全て膨潤抑制剤として作用する。膨潤抑制剤の具体例としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン、燐酸マグネシウムなどの無機塩類、あるいは例えばベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、s−スルホサリチル酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールジスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、1−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン
酸、ジナフチルメタンスルホン酸などのスルホン酸類、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸とビニルスルホン酸の共重合物、ポリビニルアクリルアミドなどの高分子沈澱剤として用いられる化合物などが挙げられる。これら膨潤抑制剤は単独でも組合わせて用いても良いが、無機塩類、特に硫酸塩類を使用することが好ましい。これら膨潤抑制剤は導電性材料前駆体のどの層に含有されていても良いが、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。これら膨潤抑制剤の好ましい含有量は0.01〜10g/m2、更に好ましくは0.1〜2g/m2である。
本発明において導電性材料前駆体に無電解めっき触媒を含有させておき、硬化現像後、これに無電解めっき処理を施すことで導電性材料を製造することも好ましい形態の1つである。本発明における無電解めっき触媒としては公知のものを用いることができる。例えばパラジウム、銀、金、白金などの貴金属ゾルを用いることもできるし、また亜鉛やアルミニウムなど卑金属であっても無電解めっきの前にパラジウム溶液で活性化処理することでその表面をパラジウムに置換し、無電解めっきの触媒として作用させることもできるのでこれら卑金属ゾルも用いることができるが、活性化処理の必要の少ない貴金属、特にパラジウムゾルを用いることが好ましい。これら金属ゾルはハロゲン化銀乳剤層、あるいはオーバー層、下引き層など、光透過部において硬化現像とその後の水洗処理で除去される層に含有させるが、そのどの層に含まれても良い。特にオーバー層に含有させる場合、ハロゲン化銀乳剤に対し、カブリを増大させないことや、またバインダーの量を減らすことで、めっきをし易くし、高い導電性が容易に得られるので好ましい。金属ゾルの製造方法としては特開平1−100545記載の方法など公知の方法を用いることができる。好ましい金属ゾルの含有量は1×10-7〜1×10-5mol/m2である。
上記導電性材料前駆体を用い、透明導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、網目状パタンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
本発明では、導電性材料前駆体を露光した後に硬化現像を行う。硬化現像液にはアルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、現像助薬、例えば3−ピラゾリジノン類、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14である。通常の銀塩写真現像液に用いる保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウムなどは硬化現像による硬化反応を停める作用があるので、本発明における硬化現像液では保恒剤は少なくとも20g/L以下の使用量、好ましくは10g/L以下の使用量が好ましい。
本発明における硬化現像液には導電性材料前駆体に硬化現像薬を含有させない場合は硬化現像薬を含有する。硬化現像薬としては導電性材料前駆体に含有させるのと同様の硬化現像薬を用いることができる。好ましい硬化現像薬の含有量は1〜50g/Lである。硬化現像薬を現像液中に含有させる場合、保恒性が悪く、直ぐに空気酸化してしまうので、使用の直前にアルカリ性水溶液に溶解することが好ましい。
本発明において硬化現像液には膨潤抑制剤を含有することが好ましい。膨潤抑制剤としては導電性材料前駆体に含有させるのと同様の膨潤抑制剤を用いることができる。好ましい膨潤抑制剤の含有量は50〜300g/L、好ましくは100〜250g/Lである。
本発明において硬化現像処理を行う方法としては、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留された処理液中に、導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えば導電性材料前駆体上に処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。特に硬化現像薬含有硬化現像液を用いる場合には塗布方式にし、硬化現像を一度しか用いないようにするほうが好ましい。
本発明における好ましい硬化現像処理条件については、以下の通りである。現像温度は2℃〜30℃であり、10℃〜25℃がより好ましい。現像時間は5秒〜30秒であり、好ましくは5秒〜10秒である。
本発明の導電性材料を製造する工程には、光透過部のハロゲン化銀乳剤層を除去し、支持体面を露出させる工程が含まれる。本工程はハロゲン化銀乳剤の除去を主目的としているので、本行程で用いられる処理液は水を主成分とする。処理液は緩衝成分を含有してもよい。また、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。ハロゲン化銀乳剤を除去する方法としては、スポンジ等で擦り取る方法、ローラーを膜面に当ててスリップさせることによってはがしとる方法、ローラーを膜面に接触させてローラーに巻き付ける方法等がある。処理液流をハロゲン化銀乳剤面に当てる方法としては、シャワー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。
本発明において非画像部ハロゲン化銀乳剤層を除去してレリーフ画像を作製した後に、当業者で周知の硬膜剤を含有した液で処理することでより強固なレリーフ画像を作製することが出来る。硬膜剤としては、クロムミョウバン、ホルマリン等のアルデヒド類、ジアセチル等のケトン類、ムコクロル酸類等、種々のものを用いることが出来る。
本発明において硬化現像処理後にハロゲン化銀溶剤を含む物理現像液で導電性材料前駆体を処理し、硬化現像で硬化されたレリーフ像中にある銀を増大させ、導電性を得ることも好ましい形態の一つである。物理現像工程はハロゲン化銀乳剤層の除去工程の前であっても、後であっても良いが、光透過部のハロゲン化銀も銀の供給源として使用できることから除去前に物理現像工程を行うことが好ましい。また、物理現像液に銀塩を加えるなど、さらなる銀イオンの供給を行い、物理現像工程でより銀を大きくすることもできる。
物理現像液に用いられる還元剤は、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
物理現像液のpHは8以上が好ましく、更に9〜11が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、燐酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の物理現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
物理現像液には、臭化カリウム、臭化ナトリウムなどの臭化物を加えることが好ましい。適量の臭化物の存在下で現像を行うと、得られた金属銀の導電性が良化するからである。好ましい臭化物濃度は1×10-4モル/L以上1×10-2モル/L以下である。
物理現像液のカリウムイオン濃度は物理現像液中の全アルカリ金属イオンの70モル%以上が好ましい。カリウムイオン濃度を70モル%以上にすることである程度前駆体を物理現像処理した状態であっても、得られる金属銀の導電性が比較的良好であるからである。カリウムイオンはいかなる形態及び方法で供給されても良い。例えば、水酸化物塩、亜硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩等として予め物理現像液に添加しておく方法が挙げられる。
本発明における物理現像液は可溶性銀錯塩形成剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤は、非感光性銀塩を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物である。物理現像液に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編の「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス 4版」の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンを含有した処理液で現像を行った透明導電性フィルムの表面抵抗は比較的低い値が得られる。
アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2,2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、処理液1リットル当たり、0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は処理液1リットル当たり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
本発明において物理現像液はさらに銀イオンを含有することも可能である。銀イオンの好ましい含有量は0.01〜1モル/L、更に好ましくは0.02〜0.5モル/Lである。あるいは物理現像液に銀イオンを含有させる替わりに、導電性材料前駆体に感度の低い、ハロゲン化銀乳剤を含有させてもよい。感度の低いとは導電性材料前駆体に使われているハロゲン化銀乳剤(以下高感度乳剤と略す)の70%以下の感度を有するハロゲン化銀乳剤のことを意味し、該低感度ハロゲン化銀乳剤(以下低感度乳剤と略す)は好ましくは銀で換算して0.5〜5g/m2、より好ましくは1〜3g/m2導電性材料前駆体に含有される。高感度銀乳剤と低感度乳剤の比率は特に限定する必要はないが、好ましい範囲は銀で換算して高感度乳剤:低感度乳剤=1:10〜2:1、更に好ましくは1:5〜1:1である。
本発明において物理現像処理を行う方法としては、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留された処理液中に、導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えば導電性材料前駆体上に処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい物理現像処理条件については、以下の通りである。現像温度は2℃〜25℃であり、10℃〜20℃がより好ましい。現像時間は30秒〜180秒であり、好ましくは40秒〜120秒である。
本発明では、露光及び現像処理後のレリーフ画像部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
本発明では、前記露光及び現像処理により形成されたレリーフ画像部に導電性を付与する目的で、前記現像銀部に導電性金属粒子を担持させるためのめっき処理を行うことも好ましい。どの程度導電性を付与するかは用いる用途に応じて異なるが、例えばPDP用に用いる電磁波シールド材として用いるためには表面抵抗値2.5Ω/□以下、好ましくは1.5Ω/□以下が要求される。
本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができるが、現像された銀塩写真感光材料表面の電解めっきの電極としての効率が悪い場合にはめっき処理の最初に無電解めっきを行うことが好ましい。本発明における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、銀めっきなどを用いることができるが、上記の必要な導電性と透明性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
本発明における無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパンー2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることも出来る。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行う事が好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことで本発明の目的を達することが出来る。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いる事ができる。
本発明においては電解めっきを施すこともできるが、無電解めっきと組合わせて無電解めっきの後に行うことが導電性の高いフィルムを作れる上に、無電解めっきのめっき時間を短縮させることができるので好ましい。電解めっき法としては例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112に記載の銅めっき浴やピロリン酸銅浴を用いることが好ましい。
本発明においてはめっき処理並びに定着処理の後、酸化処理を行う事も可能である。特にめっき処理の後に定着処理を行い、かつ漂白定着液で処理しない場合は酸化処理を行う事が好ましい。酸化処理としては、種々の酸化剤を用いた公知の方法を用いる事ができる。酸化処理液には酸化剤としてEDTA鉄塩、DTPA鉄塩、1,3−PDTA鉄塩、β−ADA鉄塩、BAIDA鉄塩などの各種アミノポリカルボン酸鉄塩、重クロム酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、赤血塩などを用いることができるが、環境負荷が少なく、安全なアミノポリカルボン酸鉄を用いる事が好ましい。酸化剤の使用量は0.01〜1mol/L、好ましくは0.1〜0.3mol/Lである。その他に促進剤として臭化物、ヨウ化物、グアニジン類、キノン類、ヴァイツラジカル、アミノエタンチオール類、チアゾール類、ジスルフィド塁、へテロ環メルカプト類など公知のものを用いる事もできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
本発明に使用される前駆体を作製するために、透明支持体として、厚み100μmの、塩化ビニリデンを含有する下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。この支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
続いて、支持体の裏塗層と反対側にハロゲン化銀乳剤層を塗布した。ハロゲン化銀乳剤は写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀40モル%と臭化銀60モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。また、ハロゲン化銀乳剤の保護バインダーの一部に分子量1万以下の低分子ゼラチンを用いることで混合後の脱塩処理工程で低分子ゼラチンが水洗除去時に除去されるようした。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<ハロゲン化銀乳剤層組成A/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
4−フェニルーカテコール 20mg
このようにして得た前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パタンの透過原稿を密着させて露光した。
続いて、下記処方の現像液で23℃30秒浸漬処理して硬化現像し、その後35℃の温水で水洗処理を行い、導電性材料1を得た。また、比較として同じ導電性材料前駆体をGekkol現像液(三菱製紙社製)に20℃で90秒間浸漬した後、続いて2%酢酸溶液に20℃で30秒浸漬させ停止処理し、ダイヤフィックス定着液(三菱製紙社製)で20℃180秒処理し、比較導電性材料2を得た。
<硬化現像液イ>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 200g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜が形成された透明導電性材料の表面抵抗率は、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。また、全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004895554
表1より通常の写真処理を行うより、硬化現像処理を行った方が透明度が高く、また導電性も高いことが判る。
ハロゲン化銀乳剤層の組成を下記の通りハロゲン化銀乳剤層組成Bを用いる以外は実施例1と同様に行い、現像液として現像液イを用いた導電性材料3及びGekkol現像液を用いた比較導電性材料4を得た。更にここで得た導電性材料及び実施例1で得た導電性材料1及び比較導電性材料2をA4サイズに裁断し、0.001モル/LのPdCl2水溶液に20℃10秒浸漬した後、下記めっき液を用いて無電解めっきを行った。銅めっき処理は70℃で10分間とし、その間めっき液はエアレーションを行った。こうして得られた透明導電性材料の表面抵抗率と全光線透過率を測定した。得られた結果を表2にまとめた。
<ハロゲン化銀乳剤層組成B/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ハイドロキノン 20mg
<銅めっき液>
硫酸銅5水和物 10g
EDTA・2Na 40g
ホルマリン(37%) 3ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
ポリエチレングリコール 0.01g
水を加えて1Lとした。
pH=12.2に調整する。
Figure 0004895554
表2から明らかなように硬化現像処理を行ったものはそうでないものに比べ、透過率が高く、また高い導電性が得られることが判る。
ハロゲン化銀乳剤層の組成を下記の通りハロゲン化銀乳剤層組成Cを用い、これに表3にあるような硬化現像薬を加えて、導電性材料前駆体を得た。この導電性材料前駆体を硬化現像液イを使って実施例1と同様に硬化現像処理、水洗処理し、さらに実施例2で実施したのと同様のめっき処理を施して導電性材料5〜19を得た。また全く硬化現像薬を含まない導電性材料前駆体を作製し、これを下記硬化現像液ロを用いて現像する以外は同様に行い、導電性材料20を得た。これらを実施例2と同様に評価した結果、表3のような結果を得た。
<ハロゲン化銀乳剤層組成C/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<硬化現像液ロ>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 200g
臭化カリウム 1g
亜硫酸ナトリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。使用直前にハイドロキノン20gを添加した。
Figure 0004895554
表3から導電性材料前駆体のバインダーに対し硬化現像薬の量が少ないと導電性が得られ難く、逆に多いと透明性が悪化することがわかる。また、硬化現像薬を現像液に入れた場合、透明性、導電性ともにやや劣ることも判る。
実施例3で得た導電性材料9を作製するのに使用した導電性材料前駆体を用い、下記硬化現像液ハ〜チを用いて硬化現像を行う以外は実施例3と同様に行い、導電性材料21〜26を得た。これらを実施例3と同様に評価して表4のような結果を得た。なお、硬化現像液ニ〜チに用いた硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、フェノールスルホン酸亜鉛は、pH3.5の5質量%ゼラチン水溶液に0.35モル/Lになるように加えたところ、いずれもゼラチンの沈殿が認められた。
<硬化現像液ハ>
水酸化ナトリウム 20g
臭化カリウム 5g
水を加えて全量を1Lとする。
<硬化現像液ニ>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 30g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
<硬化現像液ホ>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 120g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
<硬化現像液ヘ>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸マグネシウム 150g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
<硬化現像液ト>
水酸化ナトリウム 20g
硝酸マグネシウム 150g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
<硬化現像液チ>
水酸化ナトリウム 20g
フェノールスルホン酸亜鉛 150g
臭化カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとする。
Figure 0004895554
表4より、膨潤抑制剤の入った硬化現像液を用いたものは高い透明性と導電性をえることができることが判る。また、無機塩類、特に硫酸塩類を用いたものは効果の高いことがわかる。
ハロゲン化銀乳剤層の組成を下記の通りハロゲン化銀乳剤層組成D、E、F、Gを用い、実施例2同様導電性材料前駆体を作製し、その後実施例4で使用した硬化現像液ハを用いる以外は実施例4と同様の処理を行い、導電性材料27〜30を得た。これを実施例4と同様に評価して表5のような結果を得た。
<ハロゲン化銀乳剤層組成D/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ハイドロキノン 20mg
硫酸ナトリウム 0.05g
<ハロゲン化銀乳剤層組成E/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ハイドロキノン 20mg
硫酸ナトリウム 0.15g
<ハロゲン化銀乳剤層組成F/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ハイドロキノン 20mg
硫酸ナトリウム 1g
<ハロゲン化銀乳剤層組成G/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ハイドロキノン 20mg
硝酸マグネシウム 1g
Figure 0004895554
表5より導電性材料前駆体に膨潤抑制剤を含有させることでも処理液に含有させるのと同様、高い導電性を得ることができることが判る。
実施例3で得た導電性材料9を作成するのに使用した導電性材料前駆体を用い、硬化現像液イで実施例3同様硬化現像処理した後、下記物理現像液リで25℃で40秒間浸漬し、水洗処理した後、実施例3同様めっき処理して導電性材料31を得た。これを実施例2同様に評価して、表6のような結果を得た。なお、表6には導電性材料9のめっき前後の評価結果も記載した。
<現像液リ>
リン酸3カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1000mlにする。
リン酸を加えpH=10.5に調整する。
Figure 0004895554
表6より、硬化現像処理した後に物理現像処理したものは、めっき無しでも高い導電性を得ることができ、まためっき処理で透明性を損なうことなくさらに高い導電性を得ることができることが判る。
ポリビニルピロリドン(K60)3%水溶液50mL中で塩化パラジウムの0.05mol/L水溶液(食塩を加えて溶解させた)0.5mLとl−アスコルビン酸の0.15mol/L酸い溶液0.5mLとを激しく攪拌しながら混合し40℃10分間反応させ、還元パラジウムコロイド溶液を作製した。このコロイド溶液を下記還元パラジウム核処方Hにて実施例3で得た導電性材料9を作製するのに使用した導電性材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層の上に塗布し、これを実施例3同様硬化現像処理、めっき処理を施して、導電性材料32を得た。さらに実施例3同様の評価を行い、表7のような結果を得た。
<還元パラジウム核組成H/1m2あたり>
ゼラチン 0.02g
パラジウムコロイド 10mgパラジウム相当
界面活性剤(S−1) 20mg
Figure 0004895554
表7よりオーバー層にパラジウムコロイド層を設けることで、めっき後非常に透明性を損なうことなく高い導電性を得ることができることが判る。

Claims (4)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料がハロゲン化銀乳剤層中の水溶性バインダーに対し硬化現像薬を0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g含有し、該銀塩感光材料を露光後、硬化現像し、その後めっき処理することを特徴とする導電性材料の製造方法。
  2. 膨潤抑制剤の存在下で硬化現像処理することを特徴とする請求項1に記載の導電性材料の製造方法。
  3. 銀塩感光材料を露光後、硬化現像し、その後ハロゲン化銀溶剤を含有する現像液で現像することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性材料の製造方法。
  4. 銀塩感光材料が無電解めっき触媒を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性材料の製造方法。
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