本発明は、電気回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電性材料の製造に用いる導電性材料前駆体及び導電性材料に関するものである。
近年、電子機器の小型化が強く求められる中、プリント基板を始めとする電気回路は益々高密度化、高精細化が求められてきている。
電気回路を製造する方法としては例えば、1)銅、金、ITO、酸化スズなどの導電性材料で被覆された絶縁性基板に、2)感光性樹脂などのフォトレジスト剤を塗りつけ、3)所望のパターンのマスクをかけて紫外線などを照射して、4)フォトレジスト剤を硬化させ、5)未硬化部分を取り除いた後、6)化学エッチングなどによって不要な銅箔部分を除去し電気回路を形成する方法(サブトラクティブ法)が知られている。この方法では工程が煩雑で、かつ高精細な画線を描くことは金属のエッチング工程を有しているため困難であった。
高精細な画線を描く方法としては1)絶縁性基板に無電解めっき触媒を付与し、2)フォトレジスト剤を塗布し、露光及び現像し、3)無電解めっきを施し、導電パターンを形成し、4)めっきレジストを除去する方法(フルアディティブ法)、あるいは1)絶縁性基板に無電解めっき触媒を付与し、無電解めっきを施し、2)フォトレジスト剤を塗布し、露光及び現像し、3)電解めっきを施し、導電パターンを形成し、4)めっきレジスト等を剥離にする方法(セミアディティブ法)なども知られている。やはりこの方法も工程が煩雑で、サブトラクティブ法同様使用したフォトレジスト剤全てを最終的に廃棄せざるを得ないという問題を有していた。
簡易な工程で電気回路を製造する方法としては金属ペーストを基板上にスクリーン印刷法やインクジェット印刷法等で印刷し、焼結等させることで電気回路を形成する方法が知られている。しかしながら、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法では50μm以下の高精細な画線を描くことは困難であった。更にスクリーン印刷の場合、高精細な画線を連続して描こうとした場合、高精細な紗を使用しなければならないが、逆にその紗が詰まりやすいという問題を有している。インクジェット法の場合は特に電気回路を製造する場合だけでなく、民生用のインクジェットプリンタを含め、固形分を含有するインク組成物を印刷する場合には常にインクジェットノズルが詰まるという問題を有している。従って、印刷法を用いて電気回路を製造する場合には、その安定性に問題を有していた。
均一なパターンを作ると言う観点において、近年導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開第01/51276号パンフレット、特開2004−221564号公報では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで導電性材料を製造する方法の提案がなされている。同じく銀塩感光材料を使う方法として銀塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば特開2003−77350号公報(特許文献1)などがある。特に銀塩拡散転写法を用いる手法はその特徴としてめっき処理を施さなくともある程度高い導電性が得られるので、用途によってはめっき処理無しで使用でき、更にめっき処理が必要な場合でもめっきがしやすいという特徴を持つ点で非常に有用な手法である。
銀塩拡散転写法を用いる手法においては形成される銀画像は非常に薄く、かつ緻密なものとなっており、それ故に前述の長所が得られる。しかし、この銀画像にめっき処理を施す場合、特に高い導電性を得る目的でめっき処理を施す場合にはこの薄い銀画像に厚い金属層がめっきされるので、銀画像と支持体が強固に密着していなければ、めっきによる応力のため、画像が支持体から剥がれてしまう場合があった。この問題に対しては様々な解決方法が提案されており、例えば前述の特許文献1では物理現像核層に少量のタンパク質バインダーを入れそのバインダーと支持体を密着させることで密着強度を上げる手法が、あるいは特開2005−250169号公報(特許文献2)では活性水素基を有する樹脂支持体上に活性水素基と架橋反応する架橋剤を物理現像核層に含有させて、物理現像核層と支持体の密着強度を上げる手法が提案されている。
一方でこれら銀塩拡散転写法により製造される導電性材料はその支持体としてポリエチレンテレフタレートなどのフレキシブルな支持体を用いる場合があるが、この場合導電性材料を例えばロール状に巻き取るなど、その製造工程中、あるいは製造後に曲げて使用されることが非常に多い。この曲げられるときに銀塩拡散転写法を用いる手法で製造され、その後めっき処理が施された導電性材料には、銀画像及びめっき金属層と支持体が強固に密着するのみならず優れた屈曲性が求められる。特にニッケルなどの金属をめっきして製造した導電性材料では導電性材料を曲げる際に金属層にひびが入ってしまう場合があった。この問題に対しては特許文献1や特許文献2を始めとする従来の提案されてきた手法では十分満足できなかった。
特開2003−77350号公報(第1頁)
特開2005−250169号公報(第1頁)
従って、本発明の目的は、銀塩拡散転写法を用いた手法の利点を維持したまま、めっき処理を施しても銀画像及びめっき金属層と支持体との密着性、及び屈曲性に優れた導電性材料を提供することにあり、その導電性材料を製造するための導電性材料前駆体を提供することにある。
本発明の上記目的は下記の発明により達成された。
(1)支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、該物理現像核層に含有されるバインダー量が100mg/m2以上であり、かつ該バインダーの50質量%以上が高分子ラテックスであることを特徴とする導電性材料前駆体。
(2)上記(1)記載の導電性材料前駆体を用いて製造された導電性材料。
本発明により、銀塩拡散転写法を用いた手法の利点を維持したまま、めっき処理を施しても銀画像及びめっき金属層と支持体との密着性、及び屈曲性に優れた導電性材料を提供することができ、またその導電性材料を製造するための導電性材料前駆体を提供することができる。
銀塩拡散転写法を用いた手法に用いる導電性材料前駆体の物理現像核層は従来公知の提案では物理現像核に対してそのバインダー量はあまり多く用いられることはなかった。バインダー量が多い場合には生成される銀画像中にバインダーが取り込まれ、導電性が悪くなる場合が多かったためである。しかし、物理現像核層のバインダーの50質量%以上を高分子ラテックスとすることで物理現像核層のバインダーが多くとも導電性が低下することなく、かつ銀画像と支持体の密着性や銀画像及びめっき金属層の屈曲性を改善できることを見出すことができ、本発明に至った。以下に詳細を記載する。
本発明の導電性材料前駆体は支持体上に少なくとも物理現像核層、ハロゲン化銀乳剤層を支持体に近い方からこの順で有する。更には、非感光性層を支持体から最も遠い最外層として及び/または物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との間の中間層として有していても良い。また物理現像核層と支持体の間に下引き層を設けることも可能である。
本発明の導電性材料前駆体における物理現像核層の物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられるが、銀コロイド及び硫化パラジウム核が好ましい。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mgが好ましく、更に好ましくは0.5〜3mgである。
物理現像核層は、バインダーとして高分子ラテックスを含有するが、高分子ラテックス以外のバインダーとしては公知の水溶性高分子化合物が挙げられる。かかる水溶性高分子化合物としてはポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられ、またゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等のタンパク質、カラギーナン、ヒアルロン酸などムコ多糖類、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)2.6.4章記載のアミノ化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンの共重合体、ジアリルアミンと無水マレイン酸との共重合体、ジアリルアミンと二酸化硫黄との共重合体などが挙げられる。これら水溶性高分子化合物の中ではタンパク質やポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のアミノ基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。
高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどの重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、各種ウレタン等がある。この中でもウレタンラテックス、特に耐候性の高い無黄変型ウレタンポリカーボネートラテックスが好ましい。高分子ラテックスの平均粒子径は0.01〜0.3μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.1μmである。また高分子ラテックスのTgは40℃以下が好ましく、更に0℃以下であることが好ましい。
本発明の導電性材料前駆体の物理現像核層のバインダー量は100mg/m2以上であり、上限は2500mg/m2以下であることが望ましく、好ましくは100〜2000mg/m2、更に好ましくは150〜1000mg/m2である。好ましい物理現像核とバインダーの質量比率は1:10〜1:20000、更に好ましくは1:100〜1:3000である。バインダーにおける高分子ラテックスの比率は50質量%以上であり、好ましくは60〜99質量%、更に好ましくは70〜98質量%である。
本発明の導電性材料前駆体の物理現像核層は架橋剤で架橋されていることが好ましい。かかる架橋剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ビニルスルホニル基を1分子中に二個以上有する化合物、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、あるいはこれら以外に「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2.6.7章、5.2章、9.3章など記載の架橋剤等の公知の高分子架橋剤を含有させることもできる。これら架橋剤の中でもビニルスルホニル基を1分子中に二個以上有する化合物を用いることが最も好ましい。更に好ましくは少なくとも2個以上のビニルスルホニル基と1個以上のカルバモイル基を含有する化合物を用いることであり、具体的には下記一般式1で示される化合物を用いることが最も好ましい。
式中L1、L2はそれぞれ存在してもしなくても良い2価の連結基を示す。存在する場合、好ましくは、炭素数1〜5の置換されていても良いアルキレン基、アリーレン基、カルバモイル基、スルファモイル基、酸素、硫黄、窒素等を示し、これらは組み合わさっていても良い。R3は水素原子、炭素数1〜5の置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いベンゼン、ナフタレン等のアリール基を示し、中でも水素原子が好ましい。
上記一般式1の化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
本発明の導電性材料前駆体の物理現像核層における架橋剤の添加量は物理現像核層中の全バインダー量に対して1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは3〜7質量%が好ましい。
更に物理現像核層にはシリカなどのマット剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。
本発明において導電性材料前駆体の物理現像核層と支持体との間に下引き層を設けることもできる。下引き層としては例えば特開平6−172568号公報や特開平11−52514号公報、特開2000−229396号公報など公知の下引き層を用いることができる。
本発明の導電性材料前駆体においては光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、そのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等のResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)で記載されていような公知の手法を用いることができる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80mol%以上含有するのが好ましく、特に90mol%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩など、VIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、硫黄増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる
また、ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
ハロゲン化銀乳剤層には、更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
前述の通り、本発明の導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層と物理現像核層の間やハロゲン化銀乳剤層の上の層に非感光性層を設けることができる。これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層である。ここでいう水溶性高分子化合物とは、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい水溶性高分子化合物は、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この非感光性層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20〜100質量%の範囲が好ましく、特に30〜80質量%が好ましい。
これら非感光性層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。また、処理後のハロゲン化銀乳剤層の剥離及び/または除去を妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
本発明の導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としては、好ましくは上記した下引き層あるいは物理現像核層、あるいは物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に必要に応じて設けられる中間層、または支持体を挟んで設けられる裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが良い。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として0.5以上である。
本発明の導電性材料前駆体に用いられる支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。更に本発明においては帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
上記導電性材料前駆体を用い、導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パターンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パターンに露光されるが、露光方法として、網目状パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いることができる。
網目状パターンのような任意の形状パターンの透過原稿と上記前駆体を密着して露光、あるいは、任意の形状パターンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記前駆体に走査露光した後、銀塩拡散転写現像液で処理することにより物理現像が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して形状パターンの銀薄膜を得ることができる。一方、露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、不要になったハロゲン化銀乳剤層及び中間層、保護層は水洗除去されて、形状パターンの銀薄膜が表面に露出する。
現像処理後のハロゲン化銀乳剤層等の物理現像核層の上に設けられた層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀乳剤層上の余分なアルカリ液(銀塩拡散転写用現像液)を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
次に、銀塩拡散転写用現像液について説明する。かかる現像液は、可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤を含有するアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。
現像液に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンを含有した処理液で現像を行って得られた導電性材料の表面抵抗は比較的低い値が得られる。
アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
現像液に用いられる還元剤は、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1l当たり、0.001〜5molが好ましく、より好ましくは0.005〜1molの範囲である。還元剤の含有量は現像液1l当たり0.01〜1molが好ましく、より好ましくは0.05〜1molの範囲である。
現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、燐酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
前記露光及び現像処理により形成された導電性材料の銀画像部に更に高い導電性を得るためや、あるいは銀画像の色調を変えるためなどの種々の目的でめっき処理を行うことが可能である。本発明におけるめっき処理としては、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、または無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。めっき処理によりどの程度導電性を付与するかは用いる用途に応じて異なるが、例えばPDP用に用いる電磁波シールド材として用いるためには表面抵抗値2.5Ω/□以下、好ましくは1.5Ω/□以下が要求される。
本発明において無電解めっき処理を施す場合、無電解めっきに先立ち、無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
本発明における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、無電解銀めっきなどを用いることができるが、上記の必要な導電性と透明性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
本発明における無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソ−エリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。更にその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることもできる。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行うことが好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことで本発明の目的を達することができる。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いることができる。
本発明においては電解めっきを施すこともできる。電解めっき法としては銅めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっき、スズめっき等の公知のめっき方法を用いることができ、その方法として例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)記載の方法を用いることができる。どのめっき法を用いるかは製造する導電性材料の用途によって異なるが、導電性を更に高めるためにめっきする場合、銅めっきやニッケルめっきが好ましい。銅めっきのめっき法として好ましい方法としては硫酸銅浴めっき法やピロリン酸銅浴めっき法、ニッケルめっき法としてはスルファミン浴めっき法、ワット浴めっき法、黒色めっき法などが好ましい。本発明は特にニッケル電解めっきを行った際に優れた効果を有する。
本発明においてはめっき処理の後、酸化処理を行うことも可能である。酸化処理としては、種々の酸化剤を用いた公知の方法を用いることができる。酸化処理液には酸化剤としてEDTA鉄塩、DTPA鉄塩、1,3−PDTA鉄塩、β−ADA鉄塩、BAIDA鉄塩などの各種アミノポリカルボン酸鉄塩、重クロム酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、赤血塩などを用いることができるが、環境負荷が少なく、安全なアミノポリカルボン酸鉄塩を用いることが好ましい。酸化剤の使用量は0.01〜1mol/l、好ましくは0.1〜0.3mol/lである。その他に促進剤として臭化物、ヨウ化物、グアニジン類、キノン類、ヴァイツラジカル、アミノエタンチオール類、チアゾール類、ジスルフィド類、へテロ環メルカプト類など公知のものを用いることもできる。
本発明により製造された導電性材料の銀画像は後処理を施すこともできる。後処理液としては例えば還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化物などの水溶液が一例としてあげられる。このような後処理液により50〜70℃、更に好ましくは60〜70℃で10秒以上、好ましくは30秒〜3分処理することで、銀画像パターンのX線回折による2θ=38.2°での半値幅が0.35以下となるようすれば、非常に高い導電性を得ることができ、また高温高湿下でもその抵抗値が変動しなくなるので好ましい。
本発明の実施例を以下に示す。本発明に使用される導電性材料前駆体を作製するために、透明支持体として、厚み100μmのポリカーボネートベース(三菱ガス化学社製ユーピロンシート)を用いた。硫化パラジウムゾル液を下記の様にして作製し、得られたゾルを用いて物理現像核液A1〜A8、及び比較物理現像核液A9を作製し、ポリカーボネートベース上にそれぞれ塗布した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核液処方A1/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210(大日本インキ化学工業社製ポリカーボネート系ウレタンラテックス) 258mg(固形分90mg)
ゼラチン 10mg
界面活性剤(S−1) 1mg
サイリシア450(富士シリシア化学社製シリカ)1.25mg
VS−2 4mg
<物理現像核液処方A2/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 386mg(固形分135mg)
ゼラチン 15mg
界面活性剤(S−1) 1.5mg
サイリシア450 1.88mg
VS−2 6mg
<物理現像核液処方A3/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 515mg(固形分180mg)
ゼラチン 20mg
界面活性剤(S−1) 2mg
サイリシア450 2.5mg
VS−2 8mg
<物理現像核液処方A4/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 1030mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方A5/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 2575mg(固形分900mg)
ゼラチン 100mg
界面活性剤(S−1) 10mg
サイリシア450 12.5mg
VS−2 40mg
<物理現像核液処方A6/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 3090mg(固形分1080mg)
ゼラチン 120mg
界面活性剤(S−1) 12mg
サイリシア450 15mg
VS−2 48mg
<物理現像核液処方A7/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 5150mg(固形分1800mg)
ゼラチン 200mg
界面活性剤(S−1) 20mg
サイリシア450 25mg
VS−2 80mg
<物理現像核液処方A8/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 5665mg(固形分1980mg)
ゼラチン 220mg
界面活性剤(S−1) 22mg
サイリシア450 27.5mg
VS−2 88mg
<比較物理現像核液処方A9/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 206mg(固形分72mg)
ゼラチン 8mg
界面活性剤(S−1) 0.8mg
サイリシア450 1mg
VS−2 4mg
続いて、上記物理現像核層を塗布した側と反対側に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1m2当たり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
界面活性剤(S−1) 400mg
続いて、支持体に近い方から下記組成の中間層1、ハロゲン化銀乳剤層1、及び最外層1を上記物理現像核層の上にこの順に塗布し、本発明の導電性材料前駆体1〜8、及び比較導電性材料前駆体9を作製した。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金硫黄増感を施した。
<中間層1組成/1m2当たり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層1組成/1m2当たり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<最外層1組成/1m2当たり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た導電性材料前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンの透過原稿を密着させて露光した。
続いて下記の拡散転写現像液を作製した。その後、先に露光した導電性材料前駆体、及び未露光の導電性材料前駆体を下記現像液中に15℃で90秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、最外層及び裏塗り層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。露光したサンプルからは網目パターン状に銀薄膜が形成された導電性材料を得、未露光のサンプルからは全面ベタの銀薄膜が形成された導電性材料を得た。
<拡散転写現像液>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜が形成された導電性材料の表面抵抗率は、ダイアインスツルメンツ社製、ロレスターGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。続いて、網目パターン状銀薄膜が形成された導電性材料、及びベタ銀薄膜が形成された導電性材料を下記処方のニッケル電解めっき浴を用い、画像当たりの電流密度2A/dm2、45℃で10分間めっきし、水洗、乾燥した。めっきされた網目パターン状銀薄膜面に日東電工社製ポリエステル粘着テープNo.31を金属面に気泡の入らないように貼り付け、その後勢い良くテープを剥がし剥離テストを行った。剥離テストの評価は○が剥離無し、△が一部剥離あり、×が全面剥離の3段階とした。得られた結果を表1に示す。また、全面ベタの導電性材料を直径15mmφのロールに沿わして180°曲げさせることを10回繰り返し、ベタ部に亀裂が入らないか屈曲試験を行った。屈曲試験の評価は○が変化無し、△がわずかにひび割れが発生、×がひび割れ発生とした。評価した結果を表1に示す。
<ニッケルめっき浴組成>
60質量%スルファミン酸ニッケル溶液 500ml
メルブライトNI−2225A(メルテックス社製) 200ml
メルブライトNI−2225B(メルテックス社製) 20ml
イオン交換水を加えて全量を1000mlとする。
表1の結果に示されているように、本発明の導電性材料前駆体を用いて作製された導電性材料前駆体を用いて製造された導電性材料は導電性も比較的高く、かつ強い密着性を有するだけでなく、屈曲性においても非常に優れていることが判る。
下記内容の物理現像核液B1〜B6、及び比較物理現像核液B7を用いる以外、実施例1の導電性材料前駆体1と同様にして導電性材料前駆体10〜15、及び比較導電性材料前駆体16を作製し、実施例1同様に評価した。この結果を表2に示す。
<物理現像核液処方B1/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 1144mg(固形分400mg)
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方B2/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 1133mg(固形分396mg)
ゼラチン 4mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方B3/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 1122mg(固形分392mg)
ゼラチン 8mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方B4/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 721mg(固形分280mg)
ゼラチン 120mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方B5/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 618mg(固形分240mg)
ゼラチン 160mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方B6/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 515mg(固形分200mg)
ゼラチン 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<比較物理現像核液処方B7/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ハイドランWLS210 412mg(固形分160mg)
ゼラチン 240mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
表2より水溶性高分子と高分子ラテックスの比率を最適に保つことで高い導電性、高いめっき密着性、高い屈曲性を得ることのできることが判る。
下記内容の物理現像核液C1〜C8を用いる以外、実施例1の導電性材料前駆体1と同様にして導電性材料前駆体17〜24を作製し、実施例1同様に評価した。この結果を表3に示す。
<物理現像核液処方C1/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ネオステッカー700(日華化学社製ウレタンポリエステルラテックス)
973mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方C2/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ユリアーノW600(荒川化学工業社製ウレタンポリエーテルラテックス)
1030mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方C3/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
スーパーフレックス600(第一工業製薬社製ウレタンポリカーボネートラテックス)
1440mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方C4/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
スーパーフレックス600 1440mg(固形分360mg)
SP200(触媒化成工業社製ポリエチレンイミン)40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−2 16mg
<物理現像核液処方C5/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ネオステッカー700 973mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−3 16mg
<物理現像核液処方C6/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ネオステッカー700 973mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
デナコールEX313(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物)
16mg
<物理現像核液処方C7/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ネオステッカー700 973mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩
16mg
<物理現像核液処方C8/1m2当たり>
前記硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムとして) 1mg
ネオステッカー700 973mg(固形分360mg)
ゼラチン 40mg
界面活性剤(S−1) 4mg
サイリシア450 5mg
VS−8 16mg
表3より他のバインダー及び架橋剤を用いても、本発明の好ましい構成にする限り、高い導電性、高いめっき密着性、高い屈曲性を得ることができることが判る。