JP4890318B2 - 導電性材料前駆体 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波シールド材、アンテナ回路、タッチパネル、電子回路等の用途に用いることができる導電性材料に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々な透明導電性材料が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性材料の製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法、及び、透明支持体に金属箔を貼り合わせた上に、レジストパターン層を設け、エッチングを行い、導電性メッシュを得る方法、または、金属や導電性カーボン等の導電性物質を印刷することにより、ストライプまたはメッシュ状に画像形成する方法等が知られている。
その他の方法としては近年、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料を透明導電性材料前駆体として用いる方法が提案されている。例えば特開2003−77350号公報(特許文献1)や特開2005−250169号公報(特許文献2)などがあり、ハロゲン化銀乳剤層から、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させて、金属銀パターンを形成させる技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より細い線幅で高い導電性を得ることができる。すなわち、高透過率、高導電性の両立が可能である。
銀のもう一つの大きな特徴としては、可視光反射率が金属の中で最も高く、鏡にも利用されている。銀塩拡散転写法では高密度の銀膜が形成されるため、表面は鏡面で反射率は高い。従って、このような透明導電性材料をディスプレイ用フィルターに用いた場合、室内光や外光等の不要光を反射し、透視画像の明室コントラストが低下することにより、画像が見えにくくなる。さらに画像に締まりがない上、画像の暗部の階調表現力、色再現性に乏しい等の問題となる場合がある。
この問題を解決する手段として、金属銀の反射率低下のための黒化処理が用いられる。しかし、金属銀パターンを形成後に黒化することになるため、金属銀パターンと支持体との接着面側は黒化できず、支持体側から見た金属銀パターンは銀色のままである。このため、黒化処理により反射率の低くなった面を外側(人が見る側)に設置しなければならないというディスプレイの製造上の制約が生じる。従って、金属銀パターンと支持体の接着面側の黒化が望まれていた。
一方、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料から作製した金属銀パターンは、高い電導度を有することが特徴であるが、より電導度を高めるためにめっきを施す場合がある。さらに高い導電性を得るために、膜厚の高いめっきを施した場合には、めっきによる応力により、金属銀パターンが支持体から剥離しやすくなる場合があった。めっき時の接着性を向上させるひとつの手段としては、物理現像核層にバインダーを含有させる方法があり、特開2003−77350号公報(特許文献1)には物理現像核層にバインダーとして、ゼラチン等のタンパク質を含有させることが記載されている。このことにより金属銀パターンと支持体との良い接着性が得られたものの、導電性が低下する、あるいはタンパク質による表面汚染のため、無電解めっきがされにくくなるという問題点を有していた。この問題点を解決するために、特開2005−250169号公報(特許文献2)には物理現像核層にタンパク質を含有させずに、金属銀パターンの接着性を確保する技術が開示されている。しかしながら、前述の金属銀パターンに膜厚の高いめっきを施した場合には、めっき後の金属パターンと支持体との接着性が不十分であった。従って、導電性を損なわず、めっき後の金属パターンの接着性に優れ、かつ、金属銀パターンの支持体との接着面側が黒化した透明導電性材料が求められていた。
特開2003−77350号公報(第1頁) 特開2005−250169号公報(第1頁)
従って、本発明の目的は、導電性と、めっき後の金属パターンと支持体との接着性に優れ、かつ、室内光や外光に影響されることなく、映像が見やすく、色再現性が良好な導電性材料およびその製造方法を提供することである。
透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、該物理現像核層がポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびポリビニルアミンから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする導電性材料前駆体によって本発明の目的を達成するに至った。
本発明の導電性材料前駆体およびそれを用いて導電性材料を製造することで、導電性と、めっき後の金属パターンと支持体との接着性に優れ、かつ、室内灯や外光に影響されることなく、映像が見やすく、色再現性が良好である導電性材料を提供することができる。
本発明の導電性材料前駆体は透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する。
本発明に使用するポリエチレンイミンは、下記一般式(1)で表される直鎖型のもの、あるいは一般式(2)で表される第1級、第2級及び第3級アミンを含む分岐型のものに代表される化合物であって、これらの誘導体も使用することができる。これらはエチレンイミンを公知の方法で重合して得られる。例えば、Advances in Polymer Science,Vol.102,p171−188,1992に詳しく記載されている。
Figure 0004890318
一般式(1)の式中n1は20以上の整数を表し、一般式(2)の式中、R1、R2は各々水素原子、またはエチレンイミン連鎖を表し、x、yの比率はおよそ1:2である。平均分子量の好ましい範囲は1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜50,000である。
ポリエチレンイミンの誘導体の例としては、特開昭62−271791号、特開昭58−120879号、特開昭60−135585号、特開平11−293173号公報等に開示されており、以下に示すような構造単位を含むものが挙げられる。これらは一般式(1)および(2)のエチレンイミノ基の2級アミン部分が変性したものである。
Figure 0004890318
Figure 0004890318
構造単位中R3からR7は各々水素原子、または炭素数1〜3のn−あるいはiso−アルキル基を表す。
本発明に用いるポリエチレンイミンの好ましい形態は一般式(2)に示す分岐型のものであり、例えば、以下に示すような市販品として入手することができる。(株)日本触媒製エポミンシリーズであるSP−012(平均分子量1,200)、SP−018(平均分子量1,800)、SP−200(平均分子量10,000)、P−1000(平均分子量70,000)、また、BASF社製LupasolシリーズであるLupasol WF(平均分子量25,000)等が挙げられる。
本発明に使用するポリアリルアミンは下記一般式(3)に代表される化合物であって、これらの誘導体も使用することができる。これはアリルアミンを公知の方法で重合することによって得られる。例えば特公平2−14364号、特公平2−52362号、特公昭63−43402号、特公平2−57084号、特公平4−41686号および特開昭63−286405号公報等に記載の方法により製造できる。
Figure 0004890318
一般式(3)の式中n2は20以上の整数であり、平均分子量の好ましい範囲は1,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。
ポリアリルアミンの誘導体の例としては、特開平7−213897号、特開平9−286816号、特開平9−302026号、特開平10−316827号、特開平11−21321号公報等に開示されており、以下に示すような構造単位を含むものである。
Figure 0004890318
上記構造単位中、R8は下記構造を表し、R9は炭素数1〜17のn−あるいはiso−アルキル基を表す。
Figure 0004890318
ポリアリルアミンの好ましい形態は一般式(3)のものあるいは、その塩酸塩タイプのものであり、例えば以下に示す様な市販品として入手することができる。日東紡績(株)から市販されている商品名PAAシリーズである、PAA−15(平均分子量15,000)、PAA−08(平均分子量8,000)、PAA−HCL−05(平均分子量5,000)、PAA−HCL−3L(平均分子量15,000)等が挙げられる。
本発明に使用するポリビニルアミンは、下記一般式(4)で表される構造単位を有する化合物であり、公知の方法で重合して得られる。例えば特開2003−147007号、特開2004−27015号、特開2006−257287号公報等に記載の方法で製造できる。また、本発明のポリビニルアミンはダイヤニトリックス(株)、星光PMC(株)等より市販品として入手することができる。
Figure 0004890318
一般式(4)の式中n3は20以上の整数であり、好ましい平均分子量の範囲は1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜50,000である。
本発明のポリビニルアミンは単独重合体でも、共重合体でも良い。共重合体の他のモノマーとしては、N−ビニルアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、炭素数1〜4のアルコールと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、アリルアミン、N−メチルアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン等を挙げることができる。
本発明のポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンの好ましい添加量は10〜100mg/m2であり、より好ましくは30〜70mg/m2である。少ない添加量では金属銀の黒化が不十分であり、多すぎると導電性が低下し始める傾向にある。添加方法については、高分子量のものは粘性が高いため、固形分濃度1〜40質量%程度の水溶液として使用するのが好ましい。この希釈液を塗布前に塗布液中に添加しておいても、塗布中にインライン添加しても良い。
また、本発明のポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンは2種以上併用してもよい。また、本発明のポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンの中でも最も好ましいものはポリエチレンイミンである。併用する際の好ましい添加量は合計で10〜100mg/m2であり、より好ましくは30〜70mg/m2である。
本発明の物理現像核を透明支持体に塗布するために用いる塗液には、物理現像核の安定化、塗布を容易にさせる等種々の目的で、親水性ポリマーを含有させることができる。具体的にはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。これらの親水性ポリマーを含有させる場合は、本発明のポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンの含有量に対して5〜100質量%程度が好ましい。
本発明に用いる物理現像核層には架橋剤を含有させることができる。該架橋剤としてはホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用いることができる。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グリオキザール、グルタルアルデヒドである。架橋剤は1〜20mg/m2含有させるのが好ましく、特に3〜10mg/m2が好ましい。さらにはエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物を併用することが好ましい。エポキシ基を分子中に二個以上有する化合物の好ましい添加量は3〜50mg/m2である。
さらに物理現像核層にはリサーチ・ディスクロージャー#17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。
物理現像核層の塗布方式としては特に制限はなく、ディップコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などにより塗布することができる。
本発明の導電性材料前駆体の形成方法に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層は、親水性ポリマーをバインダーとして含む。ここでいう親水性ポリマーとは、現像液で容易に膨潤し、下層の物理現像核層まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、等が挙げられる。
ハロゲン化銀乳剤層に含有する親水性ポリマーのバインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる。一方、多過ぎると導電性の低下や、めっき膜を形成する際、めっき性の低下が見られるようになる。好ましいバインダー量は、ハロゲン化銀(銀換算)とバインダーとの質量比(銀/バインダー)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、リサーチ・ディスクロージャー#17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明の導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層と物理現像核層の間やハロゲン化銀乳剤層の上の層に非感光性層を設けることができる。これらの非感光性層は、親水性ポリマーを主たるバインダーとする層である。ここでいう親水性ポリマーとは、前述のハロゲン化銀乳剤層に用いる親水性バインダーと同様、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール、等を用いることができる。特に好ましい親水性ポリマーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この非感光性層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20〜100質量%の範囲が好ましく、特に30〜80質量%が好ましい。
また必要に応じて設けられる物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間の非感光性層(中間層)はアルカリ処理液で銀錯塩拡散転写現像し、温水で水洗するときに物理現像核層上の不要になった層の除去を促進するのに好適である。
本発明における導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層とは反対面に裏塗り層を設けることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の中間層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
本発明の導電性材料前駆体に用いられる透明支持体としては、可視領域で透明性を有するものであれば、特に規定はないが全光線透過率が60%以上のプラスチック樹脂フィルムが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
上記導電性材料前駆体を用い、導電性材料を作製するための方法は、例えばメッシュ状パターンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、メッシュ状パターンの透過原稿と導電性材料前駆体を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
露光後、導電性材料前駆体をアルカリ処理液で銀錯塩拡散転写現像し、温水で水洗し、ハロゲン化銀乳剤層等の物理現像核層の上に設けられた層を除去する。このアルカリ処理液とは物理現像処理である銀錯塩拡散転写現像を行う際に用いる液である。物理現像核層の上に設けられた層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀乳剤層上の余分なアルカリ処理液(銀錯塩拡散転写用現像液)を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
次に、銀塩拡散転写現像の現像液について説明する。現像液は、可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤を含有するアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。
可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
還元剤としては写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、p−メチルアミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ヒドロキシフェニルグリシン、p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
上記の可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、物理現像核層と一緒に支持体に塗布してもよいし、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してもよいし、またはアルカリ処理液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有してもよい。上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、少なくともアルカリ処理液中に含有させるのが好ましい。
アルカリ処理液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ処理液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、燐酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。本発明において銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ処理液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯流されたアルカリ処理液中に、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層が設けられた導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
本発明において、導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい態様は、アルカリ処理液を適用するときのアルカリ処理液の温度を18〜22℃とすることが適当である。アルカリ処理液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬方式の場合に好適である。
本発明の導電性材料の光の反射率測定は、銀薄膜をストライプやメッシュ状に形成したものではなく、全面に銀薄膜を形成させたものを用いる。全面に銀薄膜を形成させる手段としては、露光を与えずに、現像処理することによって得ることができる。
導電性材料を取り付けた場合のディスプレイの映像の見やすさ、映像の再現性の良さは、導電性の材料の光の反射率で決定することができる。光の反射率の測定は、市販の反射型分光光度計を用いて測定することができ、反射率を下げることで、ディスプレイの映像が見やすく、映像の色再現が良好になる。また、人間の目が認識できる光は400〜800nmの波長範囲であるので、この領域の光の反射率を測定する。反射率の測定において、リファレンスは、酸化マグネシウムペレットを用い、この酸化マグネシウムペレットは、分光光度計を市販するメーカー等から入手することができる。
測定する材料が光を透過してしまう場合、サンプルホルダーの反射率が悪影響するので、導電性材料の後ろにリファレンスの酸化マグネシウムペレットを設置して測定する。
上記反射率測定方法において、導電性材料を取り付けた場合のディスプレイの映像の見やすさ、映像の色再現の良さに対し、好ましい反射率としては、400〜800nmの波長範囲すべてにおいて13%以下であることであり、より好ましくは10%以下である。
本発明では、前記露光及び現像処理により形成された現像銀部に更に高い導電性を付与する目的で、現像処理の後にめっき処理を行うが、本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、または無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。
本発明における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、無電解銀めっきなどを用いることができるが、低コストにて十分な導電性と光透過性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
本発明における無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸,グリコールエーテルジアミン4酢酸、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることもできる。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行うことが好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことで本発明の目的を達することができる。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いることができる。
本発明においては無電解めっき以外にも電解めっきを施すこともできる。電解めっきとしては銅めっきやニッケルめっき、亜鉛めっき、カドミウムめっき、錫めっき、合金めっきなど種々のめっき法が知られている、無電解めっき同様低コストで光透過性、導電性を確保するためには銅めっきを用いることが好ましい。銅めっき法としては公知の硫酸銅めっき、ホウフッ化銅めっき、シアン化銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどいずれの方法でも用いることができるが、廃液の簡便さから硫酸銅めっき、特にハイスロ−硫酸銅めっきを用いることが好ましい。これら電解めっき法の詳細は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112などに記載されている。
本発明では、めっき処理の前に金属銀部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明における導電性材料を得るために、透明支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。この透明支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布、乾燥した。
<裏塗り層組成>1m2当たり
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
染料1 200mg
Figure 0004890318
次に裏塗り層を有する透明支持体の、裏塗り層とは反対側の面に下記のようにして作製した硫化パラジウムを含有する物理現像核層塗液A−1〜A−11をそれぞれ塗布、乾燥した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製>各1m2当たり
<A−1>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.2mg
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
<A−2>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−200水溶液 0.4mg
<A−3>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
<A−4>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−200水溶液 0.6mg
<A−5>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−200水溶液 0.8mg
<A−6>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−018水溶液 0.5mg
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量1,800)
<A−7>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%P−1000水溶液 0.5mg
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量70,000)
<A−8>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%Lupasol WF水溶液 0.5mg
(BASF社製ポリエチレンイミン;平均分子量25,000)
<A−9>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
2%PVA217水溶液 1.0mg
((株)クラレ製ポリビニルアルコール)
<A−10>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%PAA−15水溶液 0.5mg
(日東紡績(株)製ポリアリルアミン;平均分子量15,000)
<A−11>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%一般式(4)の化合物の水溶液 0.5mg
(ポリビニルアミン;平均分子量20,000)
<A−12>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
<A−13>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
10質量%石灰処理ゼラチン溶液 0.5g
<A−14>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
グリシン 50mg
<A−15>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%のグリオキザール溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
2−アミノエタノール 50mg
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層を上記物理現像核層の上に塗布し、導電性材料前駆体1〜15を得た。した。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1g当たり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成>1m2当たり
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成>1m2当たり
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 20mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成>1m2当たり
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 15mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た導電性材料前駆体1〜15を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmのメッシュ状パターンの透過原稿を密着させて露光した。
露光した導電性材料前駆体1〜15を下記組成のアルカリ処理液(銀錯塩拡散転写用現像液)で20℃で60秒の浸漬処理を行ったのち40℃温水で水洗、乾燥した。このようにして銀薄膜パターンを有する導電性材料を得た。
<アルカリ処理液>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
上記のようにして得られたメッシュ状銀薄膜パターンが形成された導電性材料の表面抵抗率を、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。
次に、先に得られた導電性材料前駆体1〜15を未露光で現像処理し、全面に銀薄膜を形成させた導電性材料を作製した。この導電性材料の、支持体をはさんで、導電性層を有する面と反対側の面を、反射型UV、可視分光光度計(株式会社日立製作所製U−3500)を用いて、可視光領域(400〜800nm)における最大反射率を測定した。なお、リファレンスサンプルとしては、酸化マグネシウムのペレットを用いた。上記測定結果を表1に示した。
続いて、メッシュ状銀薄膜パターンが形成された導電性材料に次の通り無電解銅めっきを施した。5%クリーナー160(メルテックス社製脱脂液)にて60℃1分間処理し、水洗した後、Cu5100(メルテックス社製めっき液)で50℃12分間めっきを施し、水洗、乾燥を行った。こうして得られた銅めっきパターンの表面抵抗率を上記同様の方法で測定した。さらにメッシュ面に粘着テープ(日東電工製リビックテープNo.401)を貼り付け、勢いよく剥離し、メッシュ状パターンの剥離具合を目視観察した。剥離具合を4段階で評価し、剥離なしを「○」ごくわずかな剥離を「○△」、半分程度の剥離を「△」、全面剥離を「×」とした。結果を表1にまとめた。
Figure 0004890318
表1の結果から、本発明のポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびポリビニルアミンから選ばれる少なくとも1種を物理現像核層に用いた導電性材料は、表面抵抗率が低く、めっきと支持体との接着性に優れており、なおかつ、支持体側から見た銀は可視光反射率が低く、視認性に優れることがわかる。

Claims (1)

  1. 透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、該物理現像核層がポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびポリビニルアミンから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする導電性材料前駆体。
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