JP4895516B2 - 銀拡散転写受像材料の製造方法および導電性銀薄膜の形成方法 - Google Patents

銀拡散転写受像材料の製造方法および導電性銀薄膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波シールドフィルム、タッチパネル等の用途に用いることができる銀拡散転写受像材料からなる透明導電性フィルムに関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられており特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性フィルム(電磁波シールドフィルム)が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性フィルムの製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられている。
また、透明導電性フィルムに求められる性能として導電性と光透過率があるが、導電性を高くするにはある程度の厚みの金属薄膜が必要であり、それによって光透過率が低下するという問題がある。従って、導電性が高くかつ光透過率が高い導電性フィルムが求められている。
本発明に関係する銀薄膜の形成方法は、特公昭42−23745号公報(特許文献1)にその基本的な技術が記載されている。さらに近年の透明導電性フィルムに要求される導電性と光透過率を同時に満足させること、および反射フィルムに要求される高い金属光沢を満足させるために、特開2003−077350号公報(特許文献2)には、改良された銀薄膜形成フィルムの製造方法に関する技術が記載されている。また、WO2004/007810号報(特許文献3)には、導電性銀薄膜の細線パタンを触媒核として、金属めっきすることで導電性を大幅に高めることができると記載されている。しかし、大きなサイズで均一にめっきをするためにも導電性の向上は強く求められてきていた。
特公昭42−23745号公報 特開2003−077350号公報 WO2004/007810号報
従って本発明の目的は、導電性および光透過率が高い透明導電性フィルムを得ることにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
(1)親水性下引き層を設けた透明支持体の該下引き層表面に、第1スズ化合物を含有する酸性水溶液を作用させた後さらに貴金属イオンを含有する水溶液を作用させることを特徴とする銀拡散転写受像材料の製造方法。
(2)前記(1)に記載の方法で製造された銀拡散転写受像材料に、ハロゲン化銀乳剤、可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤をアルカリ液中で作用させることを特徴とする導電性銀薄膜の形成方法。
(3)前記(1)に記載の方法で製造された銀拡散転写受像材料上にハロゲン化銀乳剤層を塗設し、可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤とアルカリ液中で作用させることを特徴とする導電性銀薄膜の形成方法
本発明の銀拡散転写受像材料により、導電性および光透過率が高い透明導電性フィルムを得ることができた。
本発明における銀拡散転写受像材料とは、透明支持体表面に、貴金属イオンである銀イオンあるいはパラジウムイオンと還元剤である第1スズ化合物を作用させ、銀錯塩拡散転写現像の際に核となるものを透明支持体表面に付着させたものである。この銀拡散転写受像材料とハロゲン化銀乳剤層を有するもう一方の光記録材料をアルカリ液中で作用させることで導電性を有する銀薄膜を得ることができる。また、この銀拡散転写受像材料上にハロゲン化銀乳剤層を設けて、銀錯塩拡散転写現像処理をすることによっても導電性を有する銀薄膜を得ることができる。さらに、銀錯塩拡散転写現像処理を行う前に、ハロゲン化銀乳剤層に例えば網目状の様な画像を露光すれば銀錯塩拡散転写現像処理によって任意の形状パタンの導電性銀薄膜が形成された透明導電性フィルムを作製することができる。
銀錯塩拡散転写現像とは、ハロゲン化銀を可溶性銀錯塩形成剤で溶解して可溶性銀錯塩にし、同時にハイドロキノン等の還元剤(現像主薬)で還元して上記の銀拡散転写受像材料上の核に金属銀を析出させるものである。光記録材料とは、紫外線や可視光、赤外線などの光で露光することで潜像が形成されるものである。
続いて本発明に用いるスズ水溶液について説明をする。スズ水溶液に用いる第1スズ化合物とは、塩化第1スズ、酸化第1スズ、フッ化第1スズ、シュウ酸第1スズ、硫酸第1スズ等が挙げられるが特に塩化第1スズが好ましい。その含有量としては塩化第1スズで水溶液1Lあたり0.0001molから0.2molが良く、さらに好ましく0.003molから0.02molが好ましい。また塩化第2スズや酸化第2スズなどの第2スズ化合物を併用して用いても良い。またこの水溶液は塩基性塩の生成を抑制するために酸性にしておくことが望ましく、塩酸や硝酸を添加しておくことが好ましい。さらに好ましくは塩酸が良く、その添加量は水溶液1Lあたり0.0002molから0.6molが良い。また、この水溶液には液の寿命を延ばす目的や、親水性を向上させるために塩化第2鉄を添加することが望ましく、その添加量は水溶液1Lあたり、0.0001molから0.2molが良い。
貴金属イオンに関しては、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム等の各イオンが挙げられるが中でも銀イオンとパラジウムイオンが好ましい。水溶液を作製する際は硝酸銀、酢酸銀、シュウ酸銀や塩化パラジウム、臭化パラジウム、酸化パラジウム等の化合物として添加をするのが好ましく、特に好ましいのは硝酸銀であり、塩化パラジウムである。また、その添加量は水溶液1Lあたり、0.0005molから0.05molが良く、さらに好ましくは0.002molから0.02molが良い。
本発明において、透明支持体上に上記のスズ化合物、貴金属イオンを作用させる方法としては、浸漬、スプレー、塗布のいずれでも良い。また透明支持体上にスズ水溶液を作用させた後と、貴金属水溶液を作用させた後は、その都度水洗処理を行うことが好ましい。また、濡れ性を向上させる為に、スズ化合物を作用させる前に放電処理をおこなっても良く、放電処理としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、大気圧グロー放電処理が挙げられる。
本発明に用いられる透明支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セルロイド等が挙げられる。
本発明に用いる透明支持体は親水性下引き加工されていることが好ましく、ゼラチン等のタンパク質を含有する下引き層、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーからなる下引き層、親水性基変性されたラテックスポリマー、ポリウレタン樹脂等の下引き層があることが好ましい。
本発明の銀拡散転写受像材料に金属銀を像様に析出させる方法として、別の支持体に形成させたハロゲン化銀乳剤層を、可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤の存在下、アルカリ液中で密着転写させる方法や、前述の特開2003−77350号公報に記載されているように、物理現像核層、ハロゲン化銀乳剤層、保護層を支持体に近い方からこの順に設けた光記録材料を可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤の存在下、アルカリ液中で処理して得る方法などがある。特に後者は、画質や生産効率の面から好ましいが、本発明では物理現像核層は設けず透明支持体表面に吸着性の高いスズイオンを作用させることにより透明支持体表面に核となる貴金属コロイド粒子を付着させた。またこのことにより高い導電性及び光透過率を得るに至った。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
本発明で用いられるハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、ロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができ、リサーチ・ディスクロージャー♯17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明においては、銀拡散転写受像材料とハロゲン化銀乳剤層の間に中間層を設けることが好ましい。この中間層は現像処理後不要となったハロゲン化銀乳剤層及び保護層を水洗剥離除去するのに好適である。またこの中間層は親水性ポリマーを主たるバインダーとする層である。ここでいう親水性ポリマーとは、具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。また、バインダー量は固形分換算で50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、必要に応じて写真業界では公知の界面活性剤や増粘剤を添加しても良い。
本発明においては、ハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けることが好ましい。この保護層は中間層と同様に親水性ポリマーを主たるバインダーとする層であり、特に好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この保護層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の層バインダー量に対して20重量%〜100重量%の範囲が好ましく、特に30重量%〜80重量%が好ましい。この保護層には、必要に応じて写真業界では公知の界面活性剤、ポリマーラテックス、マット剤、滑り剤、などを含有してもよい。またセーフライト耐性向上のために染料を含有させることは好ましい。さらに、処理後のハロゲン化銀乳剤層の剥離除去を妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
また、本発明においてはハロゲン化銀乳剤層とは反対の面に裏塗り層を設けることが好ましい。この裏塗り層も中間層、保護層と同様に親水性ポリマーを主たる成分とし、必要に応じて写真業界では公知の界面活性剤、ポリマーラテックス、マット剤、滑り剤、などを含有してもよく、ハレーション防止剤として色素を添加しても良い。
本発明の銀拡散転写受像材料に中間層、ハロゲン化銀乳剤層、保護層そして裏塗り層を設け得られた光記録材料から透明導電性フィルムを作製するための1つの方法として、例えば網目状パタンの導電性銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、網目状パタンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層のある面とを膜膜で密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。また、各種レーザー光を用いて走査露光を行う場合は、ハロゲン化銀乳剤に各種レーザー光の発振波長に対応した増感色素を添加することが好ましい。
透明導電性フィルムを作製する場合、網目状パタンのような任意の形状パタンの透過原稿と上記光記録材料を密着して露光、あるいは、任意の形状パタンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記光記録材料に走査露光した後、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で処理することにより銀錯塩拡散転写現像が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、核上で還元されて金属銀が析出して任意の形状パタンの導電性銀薄膜を得ることができる。露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、中間層、ハロゲン化銀乳剤層および保護層は水洗除去されて、任意の形状パタンの導電性銀薄膜が表面に露出する。
銀錯塩拡散転写現像後のハロゲン化銀乳剤層等の銀拡散転写受像材料の上に設けられた層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温冷水シャワーを噴射しながら除去する方法や温冷水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで水洗除去する方法等を用いることが好ましい。温冷水の温度は20℃から40℃程度が望ましい。
次に、銀錯塩拡散転写現像のために必要な可溶性銀錯塩形成剤、還元剤、およびアルカリ液について説明する。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して核上に金属銀を析出させるための化合物であり、これらの作用はアルカリ液中で行われる。
本発明に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸アンモニウムおよびチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸およびその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。可溶性銀錯塩形成剤および還元剤は、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してもよいし、またはアルカリ液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有してもよい。上記した可溶性銀錯塩形成剤および還元剤は、少なくともアルカリ液中に含有させるのが好ましい。
次に、本発明に用いられる還元剤について説明する。還元剤は写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
アルカリ液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。本発明において銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ液の適用は、浸漬現像方式であっても塗布現像方式であってもよい。浸漬現像方式は、例えば、タンクに大量に貯流されたアルカリ液中に、ハロゲン化銀乳剤層が設けられた光記録材料を浸漬しながら搬送するものであり、塗布現像方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
本発明において、導電性および金属光沢を向上させるための好ましい態様は、アルカリ液を適用するときのアルカリ液の温度を25℃以下にすることである。下限の温度は2℃程度である。アルカリ液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬方式の場合に好適である。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
透明支持体としては、厚み100ミクロンのゼラチン下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、下記のように調整したスズ水溶液に20℃で10秒浸漬処理し、その後水洗を行った。次いで貴金属水溶液に20℃で10秒間浸漬処理をし水洗し、その後乾燥して銀拡散転写受像材料を得た。
<スズ水溶液の調製>
塩化第一スズ二水和物 2.26g
塩酸 0.83g
塩化第二鉄一水和物 2.7g
に水を加えて全量を1000mlとする。
<貴金属水溶液1の調製>
硝酸銀 5gに水を加えて全量を1000mlとする。
続いて、下記組成の裏塗り層を銀拡散転写受像材料の片面に塗布した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
界面活性剤(S−1) 400mg
界面活性剤(S−2) 5mg
Figure 0004895516
続いて、下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層および、保護層を裏塗り層とは反対の面にこの順序で塗布を行った。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.1μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含み、ハロゲン化銀乳剤層はゼラチン量で2.0g/m2になるように、中間層はゼラチン量で0.25g/m2になるように保護層はゼラチン量で1.0g/m2になるように塗布した。
<中間層組成>
ゼラチン 25g
界面活性剤(S−1) 3g
<ハロゲン化銀乳剤層組成>
ゼラチン 50g
ハロゲン化銀乳剤 300g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.3g
界面活性剤(S−1) 3g
<保護層組成>
ゼラチン 100g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 1g
界面活性剤(S−1) 1g
界面活性剤(S−2) 10mg
このようにして得た光記録材料を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔200μmの網目パタンの透過原稿を膜膜で密着させて露光し、続いて、下記のアルカリ液(銀錯塩拡散転写用現像液)中に20℃で60秒間浸漬した後、続いて中間層、ハロゲン化銀乳剤層および保護層を温水水洗除去して、網目状パタンの導電性銀薄膜を形成させた。
<アルカリ液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 30g
モノメチルエタノールアミン 10g
全量を水で1000mlにして、pH=13に調整する。
実施例1の貴金属水溶液1に代え下記に記載の貴金属水溶液2を用いる事以外は同様に処理を行い、銀拡散転写受像材料を得た。
<貴金属水溶液2の調製>
塩化パラジウム 5gに水を加えて全量を1000mlとする。
その後、裏塗り層、中間層、ハロゲン化銀乳剤層、保護層は実施例1と同じ組成のものを実施例1と同量を塗布した。このようにして得た光記録材料を実施例1と同様に密着プリンターで露光、アルカリ液に浸漬した後温水で水洗、乾燥をおこなった。
(比較例1)
下記に記載の物理現像核層塗液を硫化パラジウムが固形分で0.4mg/m2になるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥した。
<硫化パラジウムゾルの調整>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調整>
前記硫化パラジウムゾル 50ml
2質量%のグルタルアルデヒド溶液 20ml
界面活性剤(S−1)1g
に水を加えて全量を2000mlとする。
その後、裏塗り層、中間層、ハロゲン化銀乳剤層、保護層は実施例1と同じ組成のものを実施例1と同量を塗布した。このようにして得た光記録材料を実施例1と同様に密着プリンターで露光、アルカリ液に浸漬した後温水で水洗、乾燥をおこなった。
上記のようにして得られた実施例1及び2と比較例1の網目状パタンの導電性銀薄膜が形成された透明導電性フィルムの試料を用いて全光線透過率を日本精密光学(株)製、POIC HAZEMETER SEP−HS−D1型を用い測定し、同フィルムの表面抵抗値は、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。その結果を表1にまとめた。
Figure 0004895516
表1の結果であきらかなように本発明で製造した銀拡散転写受像材料を用いて作製した透明導電性フィルムは導電性、光透過率の高い物が得られた。
本発明の銀拡散転写受像材料は、像様でなく、一様に銀を析出させた導電性銀薄膜の形成や、網目状ではなく回路パタン等を有する任意の形状パタンの透明回路材料にも応用が可能である。

Claims (3)

  1. 親水性下引き層を設けた透明支持体の該下引き層表面に、第1スズ化合物を含有する酸性水溶液を作用させた後さらに貴金属イオンを含有する水溶液を作用させることを特徴とする銀拡散転写受像材料の製造方法。
  2. 請求項に記載の方法で製造された銀拡散転写受像材料に、ハロゲン化銀乳剤、可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤をアルカリ液中で作用させることを特徴とする導電性銀薄膜の形成方法。
  3. 請求項に記載の方法で製造された銀拡散転写受像材料上にハロゲン化銀乳剤層を塗設し、可溶性銀錯塩形成剤、および還元剤とアルカリ液中で作用させることを特徴とする導電性銀薄膜の形成方法。
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