JP2007109863A - 導電性パタン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性と導電性が共に高い、透明導電性材料が得られる導電性パタンの形成方法を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する導電性材料前駆体を少なくとも露光、現像、定着処理することによって得られる導電性パタンの形成方法において、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀のハロゲン化物組成に占める塩化物イオンのモル分率が50%以上であることを特徴とする導電性パタンの形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電性材料、特に金属部と光透過部を有する透明導電性材料の製造方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性材料が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性材料の製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられているが、これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
上記方法以外に、近年導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開特許WO01/51276号公報(特許文献1)では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで透明導電性材料を製造する方法の提案がなされている。しかしながら、銀塩写真感光材料を用いる場合、めっき時の触媒としては現像銀を用いるのだが、該現像銀である金属銀がバインダーであるゼラチンの中に埋没しており、めっき液との接触がし難い。更に銀塩写真感光材料の現像処理、あるいはその後のめっきまでの過程で金属銀表面の一部が変質し、その結果触媒能を落としてしまうので、めっきの時間を長くする、温度を高くする、より金属の析出し易いめっき液を用いるなどめっきのための条件を非常に強くしないと十分な導電性が得られないという問題があった。すなわち、これらの問題のためにコストの増加、生産性の低下、さらには品質の不安定化をまねく結果となっている。
特開2004−221564号公報(特許文献2)においては、めっき効率を上げようとすべく、銀/ゼラチンの比を変化させて銀の比率を高くした、透明導電性材料前駆体を提供しているが、用いられるハロゲン化銀乳剤が臭化銀を主体としたものであるがゆえに、導電性の観点からは必ずしも満足できるものではなかった。
また、これら従来の方法では、透明導電性材料に求められる性能である導電性と光透過率において、導電性を高くするにはある程度の幅と厚みを持った金属薄膜微細パタンを作る必要があった。しかしながら、光を遮断する金属からなるパタンの線幅を太くすると光透過率が低下するので、この両者を満足させるには十分な導電性を持った微細な金属パタンを得ることが求められていた。
国際公開第01/51276号パンフレット(1頁) 特開2004−221564号公報(1、2、9頁)
従って、本発明の目的は、透明性と導電性が共に高い、透明導電性材料が得られる導電性パタンの形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する導電性材料前駆体を少なくとも露光、現像、定着処理することによって得られる導電性パタンの形成方法において、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀のハロゲン化物組成に占める塩化物イオンのモル分率が50%以上であることを特徴とする導電性パタンの形成方法によって達成された。
上記方法により、透明性と導電性が共に高い、透明導電性材料が得られる導電性パタンの形成方法を提供することができた。
以下本発明について説明をする。本発明における導電性材料前駆体においては光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明の導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀のハロゲン化物組成は、塩化物イオンのモル分率が50%以上である。特に好ましくは塩化物イオンのモル分率が90%以上が良い。塩化物イオン以外には、臭化物イオン、ヨウ化物イオン及びフッ化物イオンが含まれていても良くこれらのいかなる組み合わせでもよい。
本発明における導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。また、導電性材料前駆体に含有されるハロゲン化銀の量は銀に換算して0.1g/m2以上、好ましくは0.3〜3g/m2である。本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。また、ハロゲン化銀粒子の構造も特に限定されるものではなく、例えば、臭化銀をコアとし塩化銀がそのコアを覆う構造でもよく、塩化銀をコアとして臭化銀がそのコアを覆う構造でも良い。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。本発明における好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層には上記水溶性ポリマーの他に高分子ラテックスを用いる事もできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明において高分子ラテックスはその使用量が多過ぎると塗布性に悪影響を及ぼすため、水溶性ポリマーとの質量比(高分子ラテックス/水溶性ポリマー)が1.0以下で用いることが好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤層に含有する高分子ラテックスと水溶性ポリマーの総量、すなわち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると多量にめっきをしないと導電性が得られなくなり、生産性を落としてしまうなど、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの体積比(銀/総バインダー)は1/4以上が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明の導電性材料前駆体に用いられる透明支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
本発明における導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層を設けることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
上記導電性材料前駆体を用い、透明導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、網目状パタンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
本発明では、導電性材料前駆体を露光した後には、現像、定着、水洗をした後、Pd処理、めっき処理の順で行うことが好ましい。ここで言うPd処理とはパラジウムを塩酸で溶かした液で導電性材料前駆体の浸漬処理を行うものである。またこのPd処理は、現像又は定着処理後の現像銀部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で処理するものであり、パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし、また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
本発明において現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、例えば三菱製紙社製のGekkol、MRA−CD1001、富士フイルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、LD745、LD835、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72、RA2000などの現像液、又はそのキットに含まれる現像液、また、D−85などのリス現像液を用いることができる。
本発明において現像処理の後、停止処理を行っても良い。停止処理は水洗のみでも良いし、酸性の停止液を用いても良い。酸性の停止液としては「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p305記載の停止液が挙げられる。
本発明において定着処理を行う場合は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる一般的な定着液、例えば、KODAK社製のF24等の非硬膜酸性定着液、同社F5、F10等の酸性硬膜定着液、同社F7、F9等の迅速酸性硬膜定着液等を利用することができる。まためっき処理の効率の観点からは、チオ硫酸塩を含有しないもしくは0.05モル/L以下のチオ硫酸塩を含有する定着液を用いることが好ましい。また、チオ硫酸塩以外の脱銀剤としてはチオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2’−チオジエタノールなどのチオエーテル類、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版」(T.H.ジェームス編、1977年)の474〜475項に記載されている化合物が挙げられる。
また、脱銀剤の他にも保恒剤として亜硫酸塩、重亜硫酸塩、pH緩衝剤として酢酸、硼酸アミン、リン酸塩などを含むことができる。また、硬膜剤として水溶性アルミニウム(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、カリ明ばん等)、アルミニウムの沈殿防止剤として二塩基酸(例えば、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム等)も含有させることができる。定着液の好ましいpHは脱銀剤の種類により異なり、特にアミンを使用する場合は8以上,好ましくは9以上である。定着処理温度は通常10℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは18℃〜30℃である。
本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができるが、現像された銀塩写真感光材料表面の電解めっきの電極としての効率が悪い場合にはめっき処理の最初に無電解めっきを行うことが好ましい。本発明における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき、無電解コバルトめっき、無電解金めっき、銀めっきなどを用いることができるが、上記の必要な導電性と透明性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
本発明における無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることも出来る。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行う事が好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えばめっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いる事ができる。
本発明においては電解めっきを施すこともできるが、無電解めっきと組合わせて無電解めっきの後に行うことが導電性の高いフィルムを作れる上に、無電解めっきのめっき時間を短縮させることができるので好ましい。電解めっき法としては例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112に記載の銅めっき浴やピロリン酸銅浴を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
本発明における導電性材料前駆体を作製するために、透明支持体として、厚み100μmの塩化ビニリデンを含有する下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。この支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布、乾燥した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
Figure 2007109863
続いて、本発明におけるハロゲン化銀乳剤を作製する。ハロゲン化銀乳剤は写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法でpAgを7.5に保ち作製した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀90モル%と臭化銀10モル%であり、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。またこのようにして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<ハロゲン化銀乳剤層組成A/1m2あたり>
ゼラチン 1.0g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
4−フェニルーカテコール 20mg
上記ハロゲン化銀乳剤層組成Aの塗布液を裏塗り層を設けた支持体上の裏塗り層とは反対側に塗布、乾燥し、導電性材料前駆体1を得た。また、下記表1に示すようなハロゲン組成とした乳剤B、C、Dを作製し、同様に塗布、乾燥し導電性材料前駆体2〜4をそれぞれ作製した。
Figure 2007109863
このようにして得た導電性材料前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パタンの透過原稿を密着させて露光した。
露光した導電性材料前駆体を三菱製紙(株)社製のGekkol現像液で23℃で120秒処理を行い、その後下記の定着液で20℃180秒浸漬処理をしたのち水洗して乾燥を行った。乾燥後の透明導電性材料を幅5cm、長さ20cmに裁断した。
<定着液>
N−メチルエタノールアミン 300g
チオシアン酸カリウム 10g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
に、pHが10.5になる様、5規定水酸化ナトリウム水溶液で調整し、更に水を加えて全量を1Lとする。
上記のようにして得られた網目パタン状銀薄膜が形成された試料の表面抵抗率を、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。この結果を表2に記載した。
更に上記各試料を、0.05g/LのPdCl2水溶液に26℃10秒浸漬した後、下記めっき液Bを用いて無電解めっきを行った。銅めっき処理は26℃で2分間、浸漬処理を行った。こうして得られた試料の表面抵抗率を測定した。測定した結果を表2に記載した。
<銅めっき液A>
硫酸銅5水和物 49.9g
ロシェル塩 84.7g
水酸化ナトリウム 50.0g
水を加えて1Lとした。
PH=13.2であった。
<銅めっき液B>
<銅めっき液A> 50g
90%トリエタノールアミン 0.3g
W 50g
ホルマリン(37%) 10g
Figure 2007109863
表2から明らかなように塩化銀主体の乳剤を用いた方がめっき前、めっき後とも表面抵抗率が低い透明導電性材料が得られた。

Claims (1)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する導電性材料前駆体を少なくとも露光、現像、定着処理することによって得られる導電性パタンの形成方法において、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀のハロゲン化物組成に占める塩化物イオンのモル分率が50%以上であることを特徴とする導電性パタンの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008277675A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Konica Minolta Holdings Inc 透光性導電パターン材料、電磁波遮蔽フィルター及び周波数選択性電磁波遮蔽フィルム

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